JP7363650B2 - 車両の制御装置 - Google Patents

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Description

本開示は、車両を走行させるのに利用される制御対象を制御する制御装置に関する。
特許文献1には、車両の動力源となるエンジンを制御する装置において、スロットルバルブを開閉するモータへの通電を遮断した際に、スロットルバルブが所定開度となるよう構成し、制御に異常が生じた際には、モータへの通電を遮断することが記載されている。
つまり、この制御装置では、制御に異常が生じたときに、スロットルバルブが開閉されると、エンジンのトルクアップが生じ、車両が急加速することがあるので、スロットルバルブを一定開度に保持して、車両が急加速するのを抑制する。
特開2011-017275号公報
上記制御装置では、制御の異常を検出すると、モータへの通電を遮断してスロットル開度の制御を停止するため、例えば、自動運転車両に適用した際には、異常発生時に、運転者に対し、エンジン、延いては車両、を手動運転させることができなくなる。
そこで、自動運転車両では、制御装置に異常が生じた際には、スロットルバルブ等の制御対象の制御を停止するのではなく、制御を、通常制御から縮退制御に切り替えることで、運転者が制御対象を安全に手動運転できるようにすることが考えられている。
ところで、縮退制御は、異常発生時に確実に実施できるようにする必要があるため、異常が発生していないときに、正常に実施できることを診断しておく必要がある。この診断は、車両の走行に影響を与えることのないよう、車両が駐車されて制御対象の制御を終了する前に実施するのが一般的であるが、縮退制御は、車両の実走行時に実施できる必要があるので、その診断も、車両の実走行時に実施するとよい。
しかし、発明者の詳細な検討の結果、縮退制御は通常制御に比べて制御機能が制限されるので、診断を車両の実走行時に実施すると、制御対象が目標状態から大きく乖離し、乗員に違和感を与えることがある、という課題が見出された。
なお、この課題は、エンジン等、車両の駆動系を構成する制御対象を制御する制御装置に限らず、車両の制動系や操舵系を構成する制御対象、つまり、車両を走行させるのに利用される制御対象、を制御する制御装置において、同様に発生する。
本開示の1つの局面は、車両の走行中に制御の異常を検出すると、通常制御から縮退制御に切り替える車両の制御装置において、通常制御中に、乗員に違和感を与えることなく、縮退制御を正常に実施できるか否かを診断できるようにすることが望ましい。
本開示の1つの態様による車両の制御装置は、車両を走行させるのに利用される制御対象(2)を制御する装置であり、通常制御部(10)と、縮退制御部(22)と、縮退診断部(30)と、診断監視部(32)とを備える。
通常制御部は、制御対象が所定の目標状態となるよう、制御対象を制御し、縮退制御部は、通常制御部による制御対象の制御異常が生じると、制御対象を、通常制御部による通常制御に比べて制御の機能が制限された縮退制御にて制御する。
また、縮退診断部は、通常制御部による通常制御の実行中に、所定の診断条件が成立すると、制御対象の制御を、縮退制御部による縮退制御に切り替え、縮退制御を正常に実施できるか否かを診断する。そして、縮退診断部は、縮退制御の診断を完了すると、前記通常制御部による前記通常制御に戻す。
一方、診断監視部は、縮退診断部が制御対象の制御を縮退制御に切り替えると、制御対象の状態を監視し、制御対象が目標状態から許容値以上乖離すると、縮退診断部による縮退制御の診断を中止して、制御対象の制御を通常制御部による通常制御に戻す。
従って、本開示の車両の制御装置によれば、通常制御部が制御対象を通常制御しているときに、制御を縮退制御に切り替えて、縮退制御を正常に実施できるか否かを診断することができるようになる。
よって、車両の駐停車時だけでなく、車両の走行時にも縮退制御の診断を実施できることになり、縮退制御の診断をより正確に実施することができる。
また、このように縮退制御の診断を実施することで、車両走行中に通常制御に異常が生じたときには、縮退制御を安全に実施することができるようになり、制御装置の信頼性を高めることができる。
また、車両の走行中、診断のために縮退制御を実施させると、例えば、車両が乗員の意図に反して減速されてしまい、乗員に違和感を与えることがある。
しかし、本開示の制御装置では、縮退制御の診断を実施しているときに、制御対象が、通常制御の目標状態から許容値以上乖離すると、制御を通常制御に戻すことから、縮退制御の診断を、乗員に違和感を与えることなく実施することができる。
次に、本開示の他の態様による車両の制御装置は、上記制御装置と同様、通常制御部(10)と、縮退制御部(22)と、縮退診断部(30)と、診断監視部(32)とを備える。そして、上記制御装置と異なる点は、縮退制御の診断中に制御対象が通常制御の目標状態から許容値以上乖離すると、診断監視部が、縮退制御の診断中であることを報知するよう構成されている点である。
従って、この制御装置によれば、縮退制御の診断中に制御対象が通常制御の目標状態から許容値以上乖離したときには、縮退制御の診断中であることを乗員に通知することで、乗員に違和感を与えるのを抑制することができる。
第1実施形態の制御装置全体の構成を表すブロック図である。 通常制御の異常検出後の制御状態の遷移を表す説明図である。 監視用マイコンにて実行される縮退診断処理を表すフローチャートである。 縮退制御の診断中に実施される通常制御への切り替え動作を表す説明図である。 図3に示す縮退診断処理の第1変形例を表すフローチャートである。 図3に示す縮退診断処理の第2変形例を表すフローチャートである。 図3に示す縮退診断処理の第3変形例を表すフローチャートである。 図3に示す縮退診断処理の第4変形例を表すフローチャートである。 図3に示す縮退診断処理の第5変形例を表すフローチャートである。 図3に示す縮退診断処理の第6変形例を表すフローチャートである。 図3に示す縮退診断処理の第7変形例を表すフローチャートである。 図3に示す縮退診断処理の第8変形例を表すフローチャートである。 図3に示す縮退診断処理の第9変形例を表すフローチャートである。 第2実施形態の縮退診断処理を表すフローチャートである。
以下、図面を参照しながら、本開示の実施形態を説明する。
[第1実施形態]
図1に示すように、本実施形態の制御装置1は、車両の駆動系を構成しているエンジン2の複数の気筒にそれぞれ設けられたインジェクタ4からの燃料噴射を制御する、所謂エンジンECUである。なお、ECUは、電子制御装置を表す。
(構成)
制御装置1は、マイコンを含む各種電子回路にて構成されており、図1に示すように、通常制御部10、トルク出力要求部12、及び、インジェクタ駆動部14を備える。
ここで、トルク出力要求部12は、制御目標として、通常制御部10にエンジン2のトルク出力を要求するものであり、車両の手動運転時には、運転者によるアクセル操作量に応じて、エンジン2の目標トルクを算出し、この目標トルクを要求トルクとして出力する。また、トルク出力要求部12は、車両の自動運転時には、車両の走行条件に従い目標トルクを算出し、この目標トルクを要求トルクとして出力する。
次に、通常制御部10は、制御対象となるエンジン2の現在の動作状態、例えば、回転速度、吸気圧、水温、等に基づき、エンジン2の出力軸のトルクを、トルク出力要求部12から出力された要求トルクに制御するのに必要な燃料噴射量を算出する。なお、この燃料噴射量は、エンジン2の各気筒に設けられた各インジェクタ4から噴射させる燃料量を表す。
インジェクタ駆動部14は、通常制御部10若しくは後述の縮退制御部22にて算出された燃料噴射量に基づき、エンジン2の回転に同期して各気筒に燃料を順次噴射する噴射タイミングを設定し、その噴射タイミングで各気筒のインジェクタ4を駆動する。
この結果、エンジン2の各気筒には、吸気行程で燃料が噴射供給されて吸入空気と混合され、その混合気が圧縮行程で圧縮されて、点火されることになる。
なお、通常制御部10は、エンジン制御のための各種演算処理を行う制御用マイコンにて構成され、制御用マイコンが所定のプログラムを実行することにより通常制御部10としての機能が実現される。また、トルク出力要求部12及びインジェクタ駆動部14は、これらの機能を有する電子回路にて構成されている。
また次に、制御装置1には、エンジン2の状態を監視するための監視用マイコン20が備えられている。
監視用マイコン20は、縮退制御部22、縮退要求部24、トルクモニタ部26、縮退診断部30、及び、診断監視部32としての機能を有する。なお、これらの機能は、監視用マイコン20を構成するCPUが、ROM等のコンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されたプログラムを実行することにより、実現される。
ここで、縮退制御部22は、通常制御部10によるエンジン制御に異常が生じたときに、通常制御部10による通常制御に比べて、エンジン2のトルク出力を制限して、エンジン2の運転を継続させる、縮退制御を実施するためのものである。
つまり、縮退制御部22は、例えば、トルク出力要求部12から出力される要求トルクを所定の上限値以下に制限することで、インジェクタ4からの燃料噴射量や燃料噴射に用いるインジェクタ4の数を算出し、その算出結果をインジェクタ駆動部14に出力する。
この結果、縮退制御部22による縮退制御の実行時には、通常制御に比べて、燃料噴射量や燃料噴射に用いるインジェクタ4の数が減らされ、エンジン2のトルクが抑制されることになる。
これは、図2に示すように、エンジン2が通常制御(P1)で通常運転されているとき、制御に異常が生じた際には、制御を縮退制御(P2)に切り換えることで、エンジン2のトルク上昇を抑制し、車両の運転を継続できるようにするためである。
従って、通常制御部10による通常制御に異常が生じた際には、その旨を乗員に報知することで、車両が自動運転されているときであっても、運転者に車両を手動運転させて、安全な駐停車場所まで車両を退避走行させることができるようになる。
また、縮退制御部22による縮退制御(P2)は、運転者が車両を退避走行させるのに必要な時間として予め設定された一定時間が経過するまで継続され、一定時間が経過すると、制御装置1は、エンジン制御を停止する(P3)。
次に、縮退要求部24は、トルクモニタ部26又は縮退診断部30からの切り替え要求に従い、通常制御部10による通常制御から縮退制御部22による縮退制御へ、或いは、その逆方向へ、制御の切り替えを行うための切り替え指令を出力する。
つまり、インジェクタ駆動部14への制御量の入力経路には、通常制御部10による燃料噴射量の算出結果と、縮退制御部22による燃料噴射量の算出結果と、の何れか一方を選択して、インジェクタ駆動部14に入力する制御切替部16が設けられている。
この制御切替部16は、制御装置1の起動時には、初期状態として、通常制御部10をインジェクタ駆動部14に接続するように構成されており、縮退要求部24から切り替え指令が入力されると、縮退制御部22をインジェクタ駆動部14に接続する。
従って、縮退制御部22による縮退制御は、縮退要求部24から切り替え指令が出力されることにより実施され、通常は、通常制御部10による通常制御が実施されることになる。
なお、制御切替部16は、縮退制御部22をインジェクタ駆動部14に接続している状態で、縮退要求部24から切り替え指令が入力されると、通常制御部10をインジェクタ駆動部14に接続して、エンジン2の制御を通常制御に切り替える。
次に、トルクモニタ部26は、通常制御部10によりエンジン2が通常制御されているときに、エンジン2の出力軸に設けられたトルクセンサ等を介して、エンジン2の実トルクを取得し、トルク出力要求部12からの要求トルクと比較する。
そして、トルクモニタ部26は、例えば、エンジン2の実トルクを要求トルクに制御できない状態が所定時間以上継続すると、通常制御部10を含む制御系に異常が生じているものと判断し、縮退要求部24に縮退制御への切り替えを要求する。
この結果、通常制御部10による通常制御に異常が生じると、縮退要求部24から制御切替部16へ切り替え指令が出力されて、エンジン2の制御が縮退制御部22による縮退制御に切り替えられる。すると、縮退制御部22は、車両の退避走行に要する一定時間、縮退制御を実施し、その後、エンジン2の制御を停止する。
次に、縮退診断部30は、通常制御部10によりエンジン2が通常制御されているときに、所定の診断条件が成立したか否かを判断し、所定の診断条件が成立すると、縮退要求部24に縮退制御への切り替えを要求する。この結果、縮退要求部24から制御切替部16に切り替え指令が出力されて、エンジン2の制御が縮退制御部22による縮退制御に切り替えられる。
そして、縮退診断部30は、縮退制御部22による縮退制御が正常に実施されているか否かを診断し、診断が完了すると、診断結果を制御装置1に設けられた所定の不揮発性記憶媒体に記憶して、縮退要求部24に通常制御への切り替えを要求する。この結果、縮退要求部24から制御切替部16に切り替え指令が出力されて、エンジン2の制御が通常制御部10による通常制御に戻される。
また、縮退診断部30は、縮退制御の診断の結果、縮退制御が正常に実施されていないと判断すると、警告ランプの点灯等によってその旨を乗員に報知することで、制御装置1を含むエンジン制御系の点検・修理を促す。
なお、縮退診断部30がエンジン2の制御を通常制御から縮退制御へ切り替える際の診断条件には、エンジン2の制御を縮退制御へ切り替えることによって、車両の走行状態が変動しても、乗員がその変動に気付き難くなる運転条件が設定される。
つまり、診断条件には、例えば、車速が所定車速以上となる車両の定速走行時や、車両の減速走行時等、エンジン2が低トルクで運転されて、縮退制御への切り替えによってエンジン2のトルクが大きく変動することのない運転条件が設定される。
また、本実施形態では、縮退制御が、通常制御に比べて、燃料噴射量や燃料噴射に用いるインジェクタ4の数を減らすことで実施される。このため、縮退診断部30は、例えば、インジェクタ駆動部14から各インジェクタ4に出力される駆動パルスの時間若しくは駆動パルスの有無によって、縮退制御が正常に実施されているか否かを判断する。
次に、診断監視部32は、縮退制御を診断するために縮退診断部30がエンジン2の制御を縮退制御へ切り替えているとき、エンジン2の状態が、通常制御の目標状態から許容値以上乖離したか否かを監視する。
つまり、診断監視部32は、縮退診断部30によりエンジン2の制御が縮退制御に切り替えられると、エンジン2の出力軸に設けられたトルクセンサ等を介して、エンジン2の実トルクを取得する。
そして、その取得した実トルクと、トルク出力要求部12からの要求トルクとを比較し、実トルクが要求トルクから許容値以上乖離すると、縮退診断部30に診断停止指令を出力する。
すると、縮退診断部30は、縮退制御の診断を停止して、縮退要求部24に通常制御への切り替えを要求する。この結果、縮退要求部24から制御切替部16に切り替え指令が出力されて、エンジン2の制御が通常制御部10による通常制御に切り替えられる。
(処理)
次に、縮退診断部30及び診断監視部32としての機能を実現するために、監視用マイコン20において実行される縮退診断処理について、図3に示すフローチャートに沿って説明する。
この縮退診断処理は、エンジン2が通常制御されて、車両が走行しているときに、監視用マイコン20において、上述した診断条件が成立したと判断された際に実行される処理である。
図3に示すように、縮退診断処理が開始されると、まずS110にて、縮退制御要求を有効にすることで、エンジン2の制御を、通常制御から縮退制御へ切り替える。
次に、S120では、トルクセンサ等を用いて検出されるエンジン2の実トルクを取得し、続くS130にて、S120で取得した実トルクは、要求トルクから許容値以上乖離しているか否かを判断する。
S130にて、実トルクは要求トルクから許容値以上乖離していないと判断されると、S140に移行して、診断に要する時間、縮退制御が実施されて、縮退診断が完了したか否かを判断する。そして、S140にて、縮退診断は完了していないと判断されると、S120に移行して、S120以降の処理を再度実行する。
一方、S140にて、縮退診断は完了したと判断されると、S150に移行して、縮退制御は正常に実施できたか否かを診断する、縮退診断判定処理を実行し、診断結果を所定の不揮発性記憶媒体に記憶する。
なお、S150の縮退診断判定処理では、縮退制御診断中の各インジェクタ4の駆動パルスの変化、例えば、減筒運転に伴う駆動パルスの有無、等に基づき、縮退制御は正常に実施できたか否かを判定する。
次に、S150の縮退診断判定処理が終了すると、S160に移行する。また、S130にて、実トルクは要求トルクから許容値以上乖離していると判断された場合にも、S160に移行する。そして、S160においては、縮退制御要求を無効にすることで、エンジン2の制御を通常制御に戻し、当該制御処理を終了する。
なお、図3に示す縮退診断処理において、S110,S140~160の処理は、縮退診断部30として機能し、S120及びS130の処理は、診断監視部32として機能する。
(効果)
以上説明したように、本実施形態の制御装置1においては、車両の走行中に縮退制御の診断条件が成立すると、エンジン2の制御が通常制御から縮退制御に切り替えられて、縮退制御を正常に実施できるか否かの診断が行われる。
この縮退制御の診断中は、燃料噴射量の減量、燃料噴射気筒の減少、等によって、エンジン2のトルクが低下することから、図4に示すように、エンジン2の実トルクは要求トルクよりも低くなる。
しかし、エンジン2の実トルクの低下によって、図4に示す時点t1で、実トルクと要求トルクとの差DTが許容値以上になると、エンジン2の制御が、縮退制御から通常制御に切り替えられる。
この結果、エンジン2の実トルクが、要求トルクに対し許容値を越えて低下することが抑制される。また、エンジン2の制御が通常制御へ切り替えられることによって、エンジン2のトルクは要求トルクに制御される。
よって、本実施形態の制御装置1によれば、縮退制御の診断を車両走行中に実施できるだけでなく、その診断時に、エンジン2の実トルクが要求トルクに比べて著しく低下し、車両の走行を継続できなくなるのを抑制することができる。
また、縮退制御の診断時に、エンジン2の実トルクが要求トルクから許容値以上低下しなければ、縮退制御の診断を完了することができるので、乗員に違和感を与えることなく、縮退制御を診断することができる。
次に、本実施形態の変形例について説明する。
[第1変形例]
上記実施形態では、診断監視部32は、エンジン2の実トルクが、要求トルクから許容値以上乖離していると判断すると、縮退診断部30に対し直ぐに診断停止指令を出力して、エンジン2の制御を通常制御に戻すものとして説明した。
しかし、診断監視部32は、図5に示すように、S130にて、エンジン2の実トルクが要求トルクから許容値以上乖離していると判断した際には、S170にて、その状態が所定時間以上継続したか否かを判断するようにしてもよい。
そして、S170にて、実トルクが要求トルクから許容値以上乖離している状態が所定時間以上継続したと判断されると、S160に移行して、縮退制御の要求を無効にし、当該縮退診断処理を終了する。
また、S170にて、実トルクが要求トルクから許容値以上乖離している状態が所定時間以上継続していないと判断された場合には、S140に移行して、縮退制御の診断を継続する。
この結果、本変形例では、エンジン2の実トルクが要求トルクから許容値以上乖離した状態が所定時間以上継続したときにだけ、縮退制御の診断を停止して、通常制御に戻すことができる。
よって、本変形例によれば、上記実施形態に比べて、例えば、縮退制御への制御の切り替え直後に実トルクが一時的に低下した場合や、ノイズ等によって実トルクが誤検出された場合等に、縮退制御の診断が中止されるのを抑制することができる。
つまり、本変形例によれば、上記実施形態と同様の効果を得ることができるだけでなく、上記実施形態に比べて、縮退制御の診断が実施される頻度を高めることができる。
[第2変形例]
次に、上記実施形態では、縮退診断部30は、所定の診断条件が成立すると、直ぐに、縮退制御の診断を開始するものとして説明した。
これに対し、本変形例では、縮退診断部30は、縮退制御の診断中に、診断監視部32により縮退制御の診断が中止されると、エンジン2の動作状態を診断不可状態として記憶し、その後、診断不可状態では縮退制御の診断を実施しないように構成される。
すなわち、図6に示すように、本変形例では、縮退診断処理において、S130にて、エンジン2の実トルクが要求トルクから許容値以上乖離していると判断されると、S180に移行する。そして、S180では、現在のエンジン2の動作状態を、診断不可状態として不揮発性記憶媒体に記憶し、S160に移行する。
なお、診断不可状態として記憶媒体に記憶されるエンジン2の動作状態としては、例えば、エンジン2の回転速度、吸気圧、水温、等を挙げることができる。また、記憶媒体に記憶される診断不可状態には、エンジン2にて駆動される車両駆動系の変速機のギヤ比、車両の車速、操舵角、といった車両の動作状態が含まれていてもよい。
次に、上述した診断条件が成立して、縮退診断処理が開始された直後には、S210にて、現在のエンジン2若しくは車両の動作状態は、診断不可状態であるか否かを判断する。
そして、S210にて、現在、診断不可状態であると判断すると、S110以降の処理にて縮退制御の診断を実施することなく、当該縮退診断処理を終了する。また、S210にて、現在、診断不可状態ではないと判断されると、S110に移行し、縮退制御の診断を実施する。
この結果、本変形例によれば、エンジン2若しくは車両が診断不可状態であるときに、エンジン2の制御が縮退制御に切り替えられて、縮退制御の診断が実施されるのを、上記実施形態に比べて抑制することができる。
よって、本変形例によれば、上記実施形態と同様の効果を得ることができるだけでなく、縮退制御の診断を、より成功しやすい条件下で実施できるようになる。
[第3変形例]
次に、上記第2変形例では、診断監視部32により縮退制御の診断が中止された際には、そのときのエンジン2若しくは車両の動作状態を診断不可状態として記憶し、その後、記憶した診断不可状態では縮退制御の診断を実施しないようにした。
これに対し、本変形例では、縮退診断部30は、診断監視部32により縮退制御の診断が中止されて、エンジン2の制御が通常制御に戻されると、その後、所定時間が経過するまで、縮退制御の診断を実施しないように構成される。
すなわち、図7に示すように、本変形例では、縮退診断処理において、S130にて、エンジン2の実トルクが要求トルクから許容値以上乖離していると判断されると、S190にて診断中止フラグをセットし、S160に移行する。
なお、診断中止フラグは、制御装置1に電源が投入されて、監視用マイコン20が起動されたときに、所謂初期化処理によってリセットされるフラグである。
一方、上述した診断条件が成立して、縮退診断処理が開始された直後には、S310にて、診断中止フラグはセットされているか否かを判断する。そして、S310にて、診断中止フラグはセットされていないと判断された場合には、S110に移行して、縮退制御の診断を実施する。
また、S310にて、診断中止フラグはセットされていると判断された場合には、S320に移行して、この診断中止フラグがセットされてから所定時間が経過したか否かを判断する。
そして、S320にて、診断中止フラグがセットされてから所定時間が経過していると判断されると、S330にて、診断中止フラグをリセットした後、S110に移行して、縮退制御の診断を実施する。
また、S320にて、診断中止フラグがセットされてから所定時間が経過していないと判断された場合には、縮退制御の診断を実施することなく、当該縮退診断処理を終了する。
これは、診断中止フラグがセットされて所定時間が経過していない場合には、縮退制御の診断を中止してから、エンジン2若しくは車両の状態が変化しておらず、縮退制御の診断を再度実施しても、診断が中止される可能性が高いと考えられるからである。
従って、S320での判断に用いられる所定時間には、診断中止フラグがセットされてからエンジン2若しくは車両の動作状態が変化すると想定される時間が設定される。
この結果、本変形例によれば、第2変形例と同様、エンジン2若しくは車両が診断不可状態であるときに、エンジン2の制御が縮退制御に切り替えられて、縮退制御の診断が実施されるのを抑制することができる。よって、本変形例においても、縮退制御の診断を、より成功しやすい条件下で実施できるようになる。
[第4変形例]
次に、上記第2、第3変形例では、診断監視部32により縮退制御の診断が中止された際には、エンジン2若しくは車両がそのときの動作状態と同じである場合、若しくは、診断中止後、所定時間が経過するまで、縮退制御の診断を実施しないようにした。
これに対し、本変形例では、縮退診断部30は、診断監視部32により縮退制御の診断が中止されて、制御が通常制御に戻されると、その後、電源遮断等によって制御装置1の動作が一旦停止されて再起動されるまで、縮退制御の診断を実施しないように構成される。
すなわち、図8に示すように、本変形例では、第3変形例と同様、縮退診断処理において、S130にて、エンジン2の実トルクが要求トルクから許容値以上乖離していると判断されると、S190にて診断中止フラグをセットし、S160に移行する。
一方、上述した診断条件が成立して、縮退診断処理が開始された直後には、S310にて、診断中止フラグはセットされているか否かを判断する。
そして、S310にて、診断中止フラグはセットされていないと判断されると、S110に移行して、縮退制御の診断を実施し、S310にて、診断中止フラグはセットされていると判断されると、縮退制御の診断を実施することなく、当該縮退診断処理を終了する。
診断中止フラグは、制御装置1に電源が投入されて、監視用マイコン20が起動されたときにリセットされることから、S190にて、セットされると、その後、監視用マイコン20が再起動されるまで、縮退制御の診断は実施されない。
従って、本変形例によれば、診断監視部32により縮退制御の診断が中止されると、制御装置1への電源供給が継続される同一電源サイクル内で縮退制御の診断が実施されるのを抑制することができる。
よって、本変形例によれば、上記実施形態と同様の効果が得られるだけでなく、上記実施形態或いは第1、第2変形例に比べて、エンジン2若しくは車両が診断不可状態であるときに縮退制御の診断が実施されるのを、より確実に抑制することができる。
[第5変形例]
次に、上記第4変形例では、診断監視部32により縮退制御の診断が中止されると、その後、同一電源サイクル内では診断を実施しないようにした。これに対し、本変形例では、診断監視部32により縮退制御の診断が中止されると、その後は、縮退診断部30において、診断条件を変更して、縮退制御の診断を実施するように構成される。
すなわち、図9に示すように、本変形例では、第3,第4変形例と同様、縮退診断処理において、S130にて、エンジン2の実トルクが要求トルクから許容値以上乖離していると判断されると、S190にて診断中止フラグをセットし、S160に移行する。
一方、上述した診断条件が成立して、縮退診断処理が開始された直後には、S310にて、診断中止フラグはセットされているか否かを判断し、診断中止フラグがセットされていない場合には、S110に移行し、縮退制御の診断を実施する。
また、S310にて、診断中止フラグはセットされていると判断された場合には、S350に移行して、通常時の診断条件に比べて縮退制御の診断の成功確率が高くなるよう設定された再診断実施条件が成立したか否かを判断する。
なお、再診断実施条件には、上述した診断条件に比べて、エンジン2の制御が通常制御から縮退制御へ切り替えられることによって生じるトルク変動がより小さくなるよう、再診断を実施する際の運転条件が設定される。つまり、再診断実施条件は、診断条件に比べて、エンジン2若しくは車両の運転条件がより制限される。
そして、S350にて、再診断実施条件は成立していないと判断されると、縮退制御の診断を実施することなく、当該縮退診断処理を終了し、S350にて、再診断実施条件が成立していると判断されると、S110に移行して、縮退制御の診断を実施する。
この結果、本変形例によれば、診断監視部32により縮退制御の診断が中止されると、通常時の診断条件に比べて成立し難く、縮退制御の診断をより確実に実施し得る再診断実施条件下で、縮退制御の診断を実施できるようになる。
[第6変形例]
次に、上記実施形態では、縮退診断部30は、S110~S150の処理にて縮退制御の診断を実施できた場合であっても、次に診断条件が成立すると、縮退制御の診断を再度実施する。
これに対し、本変形例では、縮退診断部30は、S110~S150の処理にて縮退制御の診断を完了すると、その後、電源遮断等によって制御装置1の動作が一旦停止されて再起動されるまで、縮退制御の診断を実施しないように構成される。
すなわち、図10に示すように、本変形例では、縮退診断処理において、S150の縮退診断判定処理が実施されると、S420にて診断済フラグをセットした後、S160に移行する。
なお、診断済フラグは、上述した診断中止フラグと同様、制御装置1に電源が投入されて、監視用マイコン20が起動されたときに、所謂初期化処理によってリセットされるフラグである。
一方、上述した診断条件が成立して、縮退診断処理が開始された直後には、S410にて、診断済フラグはセットされているか否かを判断する。そして、診断済フラグがセットされていない場合には、S110に移行して、縮退制御の診断を実施する。
また、S410にて、診断済フラグはセットされていると判断された場合には、縮退制御の診断を実施することなく、当該縮退診断処理を終了する。
この結果、本変形例では、制御装置1に電源が投入されて、監視用マイコン20が起動された後、縮退診断処理のS110~S150にて、縮退制御の診断が正常に実施されると、その後、監視用マイコン20が再起動されるまで、縮退制御の診断は禁止される。
従って、本変形例によれば、上記実施形態及び第1~第5変形例に比べて、縮退制御の診断が実施される頻度を少なくして、診断のために縮退制御が実施されることによりエンジン2のトルクが低下するのを抑制することができる。
[第7変形例]
次に、上記第6変形例では、縮退診断部30は、縮退制御の診断を完了すると、その後、同一電源サイクル内では縮退制御の診断を実施しないようにされている。
これに対し、本変形例では、縮退診断部30は、図11に示すように、縮退診断処理において、S150の縮退診断判定処理が実施されると、S440にて、現在のエンジン2若しくは車両の動作状態を診断済状態として、不揮発性記憶媒体に記憶する。
なお、診断済状態としては、上述した診断不可状態と同様、エンジン2の回転速度、吸気圧、水温、変速機のギヤ比、車両の車速、操舵角、等を挙げることができる。
また、上述した診断条件が成立して、縮退診断処理が開始された直後には、S430にて、エンジン2若しくは車両の動作状態はS440にて記憶された診断済状態であるか否かを判断する。
そして、エンジン2若しくは車両の動作状態が診断済状態でなければ、S110に移行して、縮退制御の診断を実施する。また、エンジン2若しくは車両の動作状態が診断済状態であれば、縮退制御の診断を実施することなく、当該縮退診断処理を終了する。
つまり、本変形例では、縮退診断部30は、縮退制御の診断を完了すると、制御対象であるエンジン2若しくは車両の現在の動作状態を診断済状態として記憶し、その後は、エンジン2若しくは車両が診断済状態ではないときに、縮退制御の診断を実施する。
従って、本変形例によれば、エンジン2若しくは車両の動作状態が異なる複数の動作条件下で、それぞれ、縮退制御の診断を実施できるようになる。
[第8変形例]
次に、本変形例では、縮退診断部30は、上記第7変形例のように、縮退制御の診断を、エンジン2若しくは車両が診断済状態とは異なる動作状態であるときに実施するのではなく、エンジン2若しくは車両が診断済状態であるときに実施するよう構成される。
すなわち、本変形例では、図12に示すように、縮退診断処理において、S150の縮退診断判定処理が実施されると、S420にて診断済フラグをセットし、S440にて、エンジン2若しくは車両の動作状態を診断済状態として不揮発性記憶媒体に記憶する。
また、上述した診断条件が成立して、縮退診断処理が開始された直後には、S410にて、診断済フラグはセットされているか否かを判断し、診断済フラグがセットされていなければ、S110に移行して、縮退制御の診断を実施する。
また、S410にて、診断済フラグがセットされていると判断されると、S430に移行し、エンジン2若しくは車両の動作状態はS440にて記憶された診断済状態であるか否かを判断する。
そして、エンジン2若しくは車両が診断済状態であれば、S110に移行して、縮退制御の診断を実施し、エンジン2若しくは車両が診断済状態でなければ、縮退制御の診断を実施することなく、当該縮退診断処理を終了する。
この結果、本変形例によれば、縮退制御の診断に成功すると、その後は、エンジン2若しくは車両が、縮退制御の診断に成功したときの動作状態であるときに、縮退制御の診断が実施されることになる。
よって、本変形例によれば、縮退制御の診断を、診断に成功し易い条件下で実施できるようになり、縮退制御の診断時にエンジン2の実トルクが要求トルクから乖離するのを抑制できる。
[第9変形例]
次に、上記実施形態では、縮退診断部30は、車両の定速走行時や減速走行時等、所定の診断条件が成立したときに、監視用マイコン20にて縮退診断処理を実行することで、縮退制御の診断を行うものとして説明した。
ところで、通常制御から縮退制御への制御の切り替えによって生じるエンジン2のトルク変動の幅は、車両の走行中の道路環境によっても変化する。
例えば、車両が山間部を走行しているとき、車両走行中の道路が渋滞中であるとき、或いは、車両が速度規制された道路を低速走行しているとき、等には、縮退制御への切り替えによって生じるエンジン2のトルク変動が大きくなることが考えられる。
そこで、本変形例では、縮退診断部30は、こうした道路環境を、縮退制御の診断条件に加え、車両の定速走行時や減速走行時といった車両の走行状態と、車両周囲の道路環境とに基づき、縮退制御の診断を実施するか否かを判断するよう構成される。
すなわち、本変形例では、車両の走行状態に基づく上記実施形態と同様の診断条件が成立して、縮退診断処理が開始されると、図13に示すように、S510にて、車両に搭載されたナビゲーション装置やGPS受信装置を利用して、車両周囲の道路環境を取得する。
そして、続くS520では、S510にて取得した道路環境は、縮退制御の診断に適した道路環境であるか否かを判定し、車両周囲の道路環境が縮退制御の診断に適した道路環境であれば、S110に移行して、縮退制御の診断を実施する。
一方、S520にて、S510にて取得した道路環境は縮退制御の診断に適していないと判断された場合、例えば、車両が山間部を走行している場合や、走行中の道路が渋滞している場合等には、縮退制御の診断を実施することなく、当該縮退診断処理を終了する。
従って、本変形例によれば、上記実施形態に比べて、縮退制御の診断を、より成功しやすい診断条件下で実施することができるようになる。
[第2実施形態]
次に、本開示の第2実施形態について説明する。
本実施形態のエンジン2の制御装置1は、第1実施形態と同様の構成をしており、第1実施形態と異なる点は、診断監視部32の動作である。
すなわち、本実施形態では、図14に示すように、縮退診断処理において、S130にて、エンジン2の実トルクが要求トルクから許容値以上乖離していると判断されると、S610にて、現在、システムチェック中であることを報知し、S140に移行する。
つまり、S610では、現在、縮退制御の診断中であることを、表示ランプの点灯、表示画面へのメッセージの表示、音声メッセージや警報音の出力、等によって、車両の乗員に報知し、その後は、S140に移行することにより、縮退制御の診断を継続する。
従って、本実施形態によれば、縮退制御の診断時に、エンジン2の実トルクが要求トルクから許容値以上外れた際に、乗員に対し、その原因を通知することができ、縮退制御の診断に伴う走行状態の変化によって乗員に違和感を与えるのを抑制できる。
なお、縮退診断処理におけるS610の処理は、上述した第1実施形態やその変形例の縮退診断処理において実施するようにしてもよい。
[他の実施形態]
以上、本開示の実施形態及び変形例について説明したが、本開示は上述の実施形態及び変形例に限定されることなく、種々変形して実施することができる。
例えば、上記実施形態では、車両の動力源となるエンジン2に設けられたインジェクタ4からの燃料噴射を制御する制御装置に、本開示の技術を適用した場合について説明した。
しかし、本開示の技術は、エンジン2の吸気系に設けられるスロットルバルブの開度を制御する制御装置等、エンジン2のインジェクタ4とは異なる部分を制御する制御装置に適用しても、上記と同様の効果を得ることができる。
また、本開示の技術は、車両の動力源となるエンジン2に限らず、エンジン周囲の車両駆動系、或いは、車両のブレーキ装置等の制動系や、車両のステアリング装置等の操舵系を構成する制御対象を制御する制御装置においても、上記と同様に適用することができる。
また、図1に示した制御装置1の各部は、それぞれ、専用のコンピュータ若しくはハードウェア論理回路、或いは、コンピュータと論理回路との組み合わせにより、実現されてもよい。
また、上記制御装置1における1つの構成要素が有する複数の機能を、複数の構成要素によって実現したり、1つの構成要素が有する1つの機能を、複数の構成要素によって実現したりしてもよい。また、複数の構成要素が有する複数の機能を、1つの構成要素によって実現したり、複数の構成要素によって実現される1つの機能を、1つの構成要素によって実現したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上述した第1、第2実施形態、及び、第1変形例~第9変形例にて実現される機能は、適宜組み合わせて実現されてもよい。
また、本開示の技術は、制御装置を構成要素とするシステム、制御装置としてコンピュータを機能させるためのプログラム、このプログラムを記録した半導体メモリ等の非遷移的実態的記録媒体、制御方法など、種々の形態で実現することもできる。
1…制御装置、2…エンジン、10…通常制御部、22…縮退制御部、30…縮退診断部、32…診断監視部。

Claims (11)

  1. 車両を走行させるのに利用される制御対象(2)が所定の目標状態となるよう、前記制御対象を制御するように構成された通常制御部(10)と、
    前記通常制御部による前記制御対象の制御に異常が生じると、前記制御対象を、前記通常制御部による通常制御に比べて制御の機能が制限された縮退制御にて制御するように構成された縮退制御部(22)と、
    前記通常制御部による前記通常制御の実行中、所定の診断条件が成立すると、前記制御対象の制御を、前記縮退制御部による前記縮退制御に切り替えて、前記縮退制御を正常に実施できるか否かを診断し、該診断が完了すると、前記通常制御部による前記通常制御に戻すように構成された縮退診断部(30)と、
    前記縮退診断部が前記制御対象の制御を前記縮退制御に切り替えると、前記制御対象の状態を監視し、前記制御対象が前記目標状態から許容値以上乖離すると、前記縮退診断部による前記縮退制御の診断を中止して、前記制御対象の制御を前記通常制御部による前記通常制御に戻すように構成された診断監視部(32)と、
    を備えた、車両の制御装置。
  2. 請求項1に記載の車両の制御装置であって、
    前記診断監視部は、前記制御対象が前記目標状態から許容値以上乖離した状態が所定時間以上継続したときに、前記縮退診断部による前記縮退制御の診断を中止して、前記制御対象の制御を前記通常制御に戻すように構成されている、車両の制御装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の車両の制御装置であって、
    前記診断監視部は、前記制御対象が前記目標状態から許容値以上乖離して、前記縮退診断部による前記縮退制御の診断を中止する際には、前記制御対象の現在の動作状態を診断不可状態として記憶するよう構成され、
    前記縮退診断部は、前記診断監視部により前記縮退制御の診断が中止されて、前記制御対象の制御が前記通常制御に戻されると、その後、前記制御対象が前記診断不可状態であるときには、前記縮退制御の診断を実施しないように構成されている、車両の制御装置。
  4. 請求項1又は請求項2に記載の車両の制御装置であって、
    前記縮退診断部は、前記診断監視部により前記縮退制御の診断が中止されて、前記制御対象の制御が前記通常制御に戻されると、その後、所定時間が経過するまで、前記縮退制御の診断を実施しないように構成されている、車両の制御装置。
  5. 請求項1又は請求項2に記載の車両の制御装置であって、
    前記縮退診断部は、前記診断監視部により前記縮退制御の診断が中止されて、前記制御対象の制御が前記通常制御に戻されると、その後、当該制御装置の動作が停止されて再起動されるまで、前記縮退制御の診断を実施しないように構成されている、車両の制御装置。
  6. 請求項1又は請求項2に記載の車両の制御装置であって、
    前記縮退診断部は、前記診断監視部により前記縮退制御の診断が中止されて、前記制御対象の制御が前記通常制御に戻されると、その後、前記診断条件に比べて診断の成功確率が高くなる再診断実施条件が成立したときに、前記制御対象の制御を前記縮退制御に切り替え、前記縮退制御の診断を実施するように構成されている、車両の制御装置。
  7. 請求項1~請求項6の何れか1項に記載の車両の制御装置であって、
    前記縮退診断部は、前記縮退制御の診断を完了すると、その後、当該制御装置の動作が停止されて再起動されるまでは、前記縮退制御の診断を実施しないように構成されている、車両の制御装置。
  8. 請求項1~請求項6の何れか1項に記載の車両の制御装置であって、
    前記縮退診断部は、前記縮退制御の診断を完了すると、前記制御対象の現在の動作状態を診断済状態として記憶し、その後は、前記制御対象が前記診断済状態とは異なる動作状態であるときに、前記縮退制御の診断を実施するよう構成されている、車両の制御装置。
  9. 請求項1~請求項6の何れか1項に記載の車両の制御装置であって、
    前記縮退診断部は、前記縮退制御の診断を完了すると、前記制御対象の現在の動作状態を診断済状態として記憶し、その後は、前記制御対象の動作状態が前記診断済状態であるときに、前記縮退制御の診断を実施するよう構成されている、車両の制御装置。
  10. 請求項1~請求項9の何れか1項に記載の車両の制御装置であって、
    前記診断条件には、前記制御対象の制御が前記通常制御から前記縮退制御に切り替えられることによって生じる前記車両の走行変動が少なくなるよう、前記車両の所定の走行状態が設定されており、
    前記縮退診断部は、前記車両の走行状態が前記診断条件として設定された走行状態であるとき、前記縮退制御の診断を実施可能とするように構成されている、車両の制御装置。
  11. 請求項10に記載の車両の制御装置であって、
    前記診断条件には、前記車両の走行状態に加えて、前記車両周囲の道路環境が含まれており、
    前記縮退診断部は、前記車両の走行中に前記道路環境を取得し、該道路環境と前記走行状態とに基づき、前記診断条件が成立したか否かを判断するよう構成されている、車両の制御装置。
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