JP6696850B2 - 車両制御装置 - Google Patents
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Description
一般的に車両には、故障に対して警告灯を点灯させる等の警告情報を出力する機能が具備されており、一つ目の故障に応じて警告情報が出力されることで運転者にディーラや整備工場等のメンテナンス施設への入庫を促すことが可能とされている。すなわち、二つ目の故障が生じる前に一つ目の故障を修理することが可能とされ、これにより安全性の向上が図れている。
メモリ消去要求は、例えばディーラ等の施設において車両診断の一環として行われ得るものであり、車両に接続された診断ツール等の所定の外部装置から対象の車載マイクロコンピュータに対して発信される。
これにより、消去要求が通常考えられ得る間隔を逸脱した間隔で検出されているか否かという観点での異常判定を行うことが可能とされる。
これにより、消去要求の一時的な誤検出(ノイズ)に左右されない正確な異常判定を実現することが可能とされる。
これにより、消去要求の検出が車両に対して指令発信装置が接続された状態で行われているか否かという観点での異常判定を行うことが可能とされる。
これにより、エンジン関連の故障に起因して車両の安全性が低下してしまうことの防止が図られる。
これにより、走行制限状態を維持するにあたっての電力消費が抑えられる。
図1は、本発明に係る実施の形態としての車両制御装置を備えた車両制御システムの構成概要を示した図である。なお、図1では、車両制御システムの構成のうち主に本発明に係る要部の構成のみを抽出して示している。
車両制御システムには、車両に設けられたエンジンに関する制御を行うエンジン制御ユニット1と、車室内に設けられ運転者に対して各種情報表示を行う表示部2と、表示部2についての制御を行う表示制御ユニット3と、車両の診断ツール等としての外部装置を接続するための外部装置コネクタ4と、例えばCAN(Controller Area Network)等の所定の車載ネットワーク通信規格に対応したバス5とが備えられている。
エンジン制御ユニット1と表示制御ユニット3は共にマイクロコンピュータを備えて構成され、バス5を介して相互にデータ通信が可能に接続されている。外部装置コネクタ4はバス5に接続されており、これにより該外部装置コネクタ4経由で車両に接続された外部装置が、バス5を介してエンジン制御ユニット1や表示制御ユニット3等の制御ユニットとの間でデータ通信を行うことが可能とされている。
さらに、車両制御システムには、車載バッテリとしての電源28と、電源28から電子スロットル部27への電力供給ラインに挿入された電磁リレーとしてのスロットルリレー29とが備えられている。
なお、図2ではバルブアクチュエータ27aが非通電時の状態(初期状態)を表している。
スロットルバルブ27bの回動軸には減速機構31を介してバルブアクチュエータ27a(本例ではモータ)の回転軸が連結されており、該バルブアクチュエータ27aが通電されることによりスロットルバルブ27bが開側、閉側の何れかに駆動される。また、スロットルバルブ27bの回動軸にはバルブレバー32が連結固定され、バルブレバー32の開側には、該バルブレバー32に係合するようにしてオープナ33が設けられている。バルブレバー32は、オープナスプリング34によってスロットルバルブ27bの開方向(図2の上方)に付勢され、オープナ33は、リターンスプリング35によってスロットルバルブ15の閉方向(図2の下方)に付勢されている。特に、オープナスプリング34は、バルブレバー32とオープナ33との間に設けられており、オープナスプリング34によりバルブレバー32がオープナ33に対して引っ張り付勢されている。オープナ33は、オープナスプリング34及びリターンスプリング35の各端部が接続されるスプリング接続部33aと、バルブレバー32との離間距離を確保しつつオープナ33に係合する係合部33bとを有している。
バルブアクチュエータ27aの通電時には、アクセルペダルの操作に応じてバルブアクチュエータ27aの回転軸が正逆いずれかの方向に回転されてスロットル開度が調整される。この際、スロットル開度を増加させる開駆動時には、バルブアクチュエータ27aの回転軸が正方向に回転(正回転)される。これにより、図3Aに示すように、バルブレバー32がオープナ33と共にリターンスプリング35の引張力に抗して開方向に移動し、スロットルバルブ27aが開方向に駆動される。
一方、スロットル開度を減少させる閉駆動時は、バルブアクチュエータ27aの回転軸が逆方向に回転(逆回転)される。これにより、図3Bに示すように、バルブレバー32がオープナスプリング34の引張力に抗して閉方向に移動し、スロットルバルブ27bが閉方向に駆動される。そして、スロットルバルブ27bが全閉位置(例えば0deg)まで閉じられると、バルブレバー32がスロットル全閉ストッパ36に当接して、それ以上の回動が阻止されるようになっている。
表示部2は、車室内に設けられた例えば車速メータやエンジン回転数メータ等が配置されたメータパネルを有し、運転者に対して各種の情報を表示する。メータパネル内にはエンジンに係る故障の発生を運転者に警告するための警告灯2aが配置されている。
また、マイコン10は、エンジンに係る故障診断処理を行う。該故障診断処理としては、例えばクランク角センサ22、エアフロメータ23、アクセル開度センサ24、スロットル開度センサ25等の各種センサについての故障を診断する処理を行う。
マイコン10は、故障診断処理の結果、故障が生じていると判定した場合は、故障診断結果を表す故障診断フラグFsをON(例えば「1」:初期値は「0」)とする。故障診断フラグFsは、本例ではメモリ10dに記憶される情報とされている。マイコン10は、故障診断フラグFsがONである場合には、故障が生じている旨を表す情報を通信部12を介して表示制御ユニット3に送信する。これにより、警告灯2aが点灯又は点滅される。また、マイコン10は、故障診断フラグFsがOFF(「0」)である場合には、故障が生じていない旨を表す情報を表示制御ユニット3に送信し、警告灯2aを消灯させる。
ここで、上記のようにマイコン10は消去要求Deに応じて警告灯2aを消灯状態とさせるように動作するが、この場合において、例えばバス5上に消去要求Deが不正に送出された場合や、マイコン10が消去要求Deを誤検出する故障に陥った場合等には、本来出力されるべき警告情報を出力することが不能となる。この状態が長時間放置されてさらに別の故障が生じてしまうと、車両の安全性を十分に確保することができなくなる虞がある。
本例の場合、消去要求Deの検出態様が異常であるか否かは、消去要求Deの検出周期が所定周期よりも短い周期であるか否かにより判定する。車両制御システムの規格上、消去要求Deを発信できる周期の短さには限度があり、従って該限度を超える短い周期で消去要求Deが検出されている場合には、消去要求Deの検出態様が異常であると推定することができる。
このように車両の走行が制限されることで、運転者に何らかの故障が生じていることを知覚させることができ、車両のディーラ等への入庫を促すことができる。従って、車両の安全性向上が図られる。
消去要求Deが検出されていれば、マイコン10はステップS103で要求有カウント値をインクリメント(+1)した上で、ステップS104に処理を進める。
一方、「要求有カウント値÷判定用タイマ値」が所定値以上であれば、マイコン10はステップS109に進んで異常カウント値をインクリメント(+1)し、続くステップS110で正常カウント値をデクリメント(−1)した上で、ステップS111で判定用タイマ値及び要求有カウント値をクリアする。
ステップS113において、正常カウント値が所定値以上であれば、マイコン10はステップS114に進み、走行非制限処理としてスロットルリレー29をONする処理を実行し、ステップS101に戻る。また、正常カウント値が所定値以上でなければ(つまり異常カウント値が所定値未満、且つ正常カウント値が所定値未満の場合)、マイコン10はステップS101に戻る。
この場合、マイコン10は、ステップS101で故障の発生有無を判定し、故障が発生していなければ再度ステップS101の処理を実行し、故障が発生していればステップS102の要求検出有無判定処理を実行する。ステップS102で消去要求Deが検出されていないと判定した場合、マイコン10はステップS101に戻る。
これにより、消去要求Deが外部装置の接続状態下で検出されたものでなく、消去要求De検出態様に異常があると推定される場合に対応して、車両の走行制限が行われる。
上記のように実施の形態の車両制御装置(エンジン制御ユニット1)は、車両の故障診断結果に基づき、警告情報を出力する警告情報出力部(表示部2)に警告情報を出力させると共に、車両外部より発信されるべき所定の指令情報(消去要求De)を検出したことに応じて故障診断結果についての記憶情報を消去して警告情報出力部による警告情報の出力を停止させる警告制御部(マイコン10)と、車両における指令情報の検出態様について異常判定を行った結果に基づき、車両の走行を制限する制御を行うフェールセーフ制御部(マイコン10又は監視IC)とを備えている。
従って、故障警告を適正に行うことが不能となった場合にも、車両の安全性向上が図られるようにすることができる。
従って、異常判定を適切に行うことができる。
従って、車両への指令情報の発信が指令発信装置の接続状態下で行われることが前提とされる場合において、異常判定を適切に行うことができる。
すなわち、警告システムの異常に応じたフェールセーフ制御を消費電力削減を図りつつ実現できる。
なお、本発明は上記した具体例に限定されず、多様な変形例が考えられる。
例えば、上記では車両の走行制限制御として電子スロットル部27(バルブアクチュエータ27a)の駆動電流をカットする例を挙げたが、マイコン10をリセットし続けることによって車両の走行を制限することもできる。或いは、強制的にエンジンの燃料カットを行うことによっても車両の走行を制限することができる。このように車両の走行制限の手法としては多様に考えられ、特定の手法に限定されるものではない。
Claims (6)
- 車両の制御を行う車両制御装置であって、
前記車両の故障診断結果に基づき、警告情報を出力する警告情報出力部に前記警告情報を出力させると共に、所定の消去要求を検出したことに応じて前記故障診断結果についての記憶情報を消去して前記警告情報出力部による前記警告情報の出力を停止させる警告制御部と、
前記車両における前記消去要求の検出態様について異常判定を行った結果に基づき、前記車両の走行を制限する制御を行うフェールセーフ制御部と、を備える
車両制御装置。 - 前記フェールセーフ制御部は、
前記消去要求の検出間隔に基づき前記異常判定を行う
請求項1に記載の車両制御装置。 - 前記フェールセーフ制御部は、
前記消去要求の単位時間あたりの検出回数と閾値との大小関係に基づき前記異常判定を行う
請求項2に記載の車両制御装置。 - 前記フェールセーフ制御部は、
前記消去要求を発信する指令発信装置の前記車両に対する接続有無に基づき前記異常判定を行う
請求項1乃至請求項3の何れかに記載の車両制御装置。 - 前記警告制御部は、
前記車両に設けられたエンジン関連部品についての故障診断結果に基づき前記警告情報の出力制御を行う
請求項1乃至請求項4の何れかに記載の車両制御装置。 - 前記フェールセーフ制御部は、
前記異常判定を行った結果に基づき電子スロットルの駆動電流を遮断する制御を行う
請求項1乃至請求項5の何れかに記載の車両制御装置。
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