JP2006209685A - 故障診断方法及び故障診断装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】バックアップメモリと不揮発性メモリとの相異なる性質を積極的に利用して、故障情報の保持に対する信頼性の向上と故障情報の書き込みにかかる処理負荷の軽減との好適な両立を図りつつ、それら故障情報の格納部としての容量的な無駄を排除することのできる故障診断方法及び故障診断装置を提供する。
【解決手段】電子制御装置100は、車載バッテリからの給電に基づいて記憶内容が保持されるバックアップメモリ114aと同給電を受けることなく記憶内容が保持される不揮発性メモリ103とを備えている。ここで、電子制御装置100は、車載機器の故障状況を示す故障情報をドライビングサイクルの1サイクル中に2回以上更新される第1の故障情報と同ドライビングサイクルの1サイクル中に1回だけ更新される第2の故障情報とに分類し、該分類に基づいて第1及び第2の故障情報をバックアップメモリ114aと不揮発性メモリ103とに書き分ける。
【選択図】 図1

Description

この発明は、車載内燃機関の稼働状況に応じて変化する物理量、例えば排気管内の酸素濃度や冷却水の温度等を検出するセンサによる検出出力などに基づいて内燃機関を含めた車載機器の故障診断を行う故障診断方法及び故障診断装置に関する。
周知のように、車両には、排気ガスに含まれる有害物質の低減を目的として、例えば触媒装置や、該触媒装置による排気浄化能力を維持すべく空燃比のフィードバック制御を行う空燃比フィードバック制御装置などが搭載されている。こうした装置では通常、排気管内の酸素濃度を検出する酸素センサなどを備え、このようなセンサによる出力信号に基づいて燃焼に供された混合気の空燃比をその都度認識し、その認識(リッチまたはリーン)に応じた燃料噴射量制御を行うことによって排気ガスに含まれる有害物質の低減を図っている。しかしながら、排気ガスに含まれる有害物質の低減を目的とするこのような装置では、例えば上記酸素センサの故障などによって、上記燃料噴射量等に関する適正な制御が行われなくなると、機関出力に悪影響を及ぼすことはもとより、排気ガスに含まれる有害物質が逆に増加しかねない。
そこで近年、排気ガスに含まれる有害物質の低減を目的とするこのような装置の故障診断を行う故障診断装置を車両に搭載することが世界的に進められている。事実、アメリカ合衆国では、故障診断装置の車両への搭載を義務づけるOBD(On Board Diagnosis)規制が施行されており、我が国もこうした動きに追従している。ちなみに、このOBD規制では、具体的には、
・イグニッションスイッチのオン操作から再度のオン操作までの期間が基本的に1サイクルとして設定されるドライビングサイクル(DC)を基準として、該ドライビングサイクルごとに車載機器の故障診断を行うこと。
・当該故障診断装置に対する給電が遮断された状態においても車載機器の故障診断に用いられる情報(故障情報)を記憶保持することのできるメモリを用いること。
等々が義務づけられている。
そして従来、こうした故障診断装置としては、上記故障情報を記憶保持するメモリとして、車載バッテリによってバックアップされた例えばバックアップRAM等のバックアップメモリを備える故障診断装置が知られている。
すなわち、この故障診断装置では、上記ドライビングサイクルを基準として、該ドライビングサイクルごとに、例えば排気管内の酸素濃度を検出する酸素センサの出力信号に基づいてその故障診断を行う。そして、同故障診断装置は、上記酸素センサやその他の車載機器の故障が検出された場合、その故障コードなどの故障情報を上記バックアップメモリに格納してこれを記憶保持する。ただし、このバックアップメモリは上述のように、車載バッテリによってバックアップされているメモリであるため、該車載バッテリの交換時など、一瞬でもその給電が途絶えるようなことがあると、同メモリに格納されている故障情報が消去されることとなる。すなわち、上記故障診断にかかる信頼性を維持することができなくなる。
そこで、バックアップメモリに代えて、車載バッテリからの給電を受けることなくその記憶内容が保持されるフラッシュメモリ等の不揮発性メモリを用意し、該不揮発性メモリに上記故障情報を格納するようにすることも考えられる。すなわち、このような不揮発性メモリは、情報(データ)の消去時、書き込み時、そして読み出し時以外は基本的に給電の不要なメモリであるため、一旦書き込まれた情報(データ)についてはその保持能力も高く、上記故障診断にかかる信頼性を維持することができるようになる。ただし、このような不揮発性メモリは、その他方の性質としてよく知られているように、上記バックアップメモリ(RAM)等と比較して、データの書き込み処理により多くの時間(処理負荷)を要するメモリでもあるため、この不揮発性メモリに対して上記故障情報が積極的に格納されるような場合、その書き込み処理にかかる時間(処理負荷)の増大が無視できないものとなる。
そのため、従来は、例えば特許文献1に見られるように、上記故障情報を記憶保持するメモリとして、上述したバックアップメモリと不揮発性メモリとの両方のメモリを備える故障診断装置なども提案されている。すなわち、この故障診断装置では、車載機器の故障診断が行われるとき、上記故障情報の全てを、まずは、上記バックアップメモリに格納する。そして、所定のタイミングにて該バックアップメモリから同故障情報を読み出して上記不揮発性メモリに格納することによって、上記不揮発性メモリに対する上記故障情報の書き込み処理に要する処理負荷の軽減を図りつつ、それら故障情報の信頼性を確保するようにしている。
特表2002−522838号公報
このように、上記従来の故障診断装置では、上記故障情報の格納部として上記バックアップメモリと上記不揮発性メモリとを共用することによって、上記不揮発性メモリに対する上記故障情報の書き込み処理に要する処理負荷の軽減を図ることはできる。しかしながら、上記従来の故障診断装置では、上記バックアップメモリ及び上記不揮発性メモリにそれぞれ格納される情報の大部分が重複することとなり、上記故障情報の格納部としての容量的な無駄が避けられない。
この発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、バックアップメモリと不揮発性メモリとの相異なる性質を積極的に利用して、故障情報の保持に対する信頼性の向上と故障情報の書き込みにかかる処理負荷の軽減との好適な両立を図りつつ、それら故障情報の格納部としての容量的な無駄を排除することのできる故障診断方法及び故障診断装置を提供することにある。
こうした目的を達成するため、請求項1に記載の故障診断方法あるいは請求項11に記載の故障診断装置では、車載バッテリからのバックアップ電圧に基づいて記憶内容が保持されるバックアップメモリとバックアップ電圧を受けることなく記憶内容が保持される不揮発性メモリとに対して車載機器の故障状況を示す故障情報の書き込み処理を行いつつ、イグニッションスイッチのオン操作から再度のオン操作までの期間が基本的に1サイクルとして設定されるドライビングサイクルごとに前記故障情報に基づく車載機器の故障診断を行う故障診断方法あるいは故障診断装置として、前記故障情報を前記ドライビングサイクルの1サイクル中に2回以上更新される第1の故障情報と同ドライビングサイクルの1サイクル中に1回だけ更新される第2の故障情報とに分類し、該分類に基づいて前記第1及び第2の故障情報を前記バックアップメモリと前記不揮発性メモリとに書き分けるようにした。
前述のように、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリは、バックアップRAM等のバックアップメモリと比較して、情報(データ)の保持能力は高いものの、データの書き込み処理には多くの時間(処理負荷)を要するといった性質を有する。
一方、ドライビングサイクルごとに車載機器の故障診断が行われる上記条件下にあっては、車載機器の故障状況を示す上記故障情報のうち、故障診断の信頼性を維持する上で情報保持の必要性の高い情報の多くが上記ドライビングサイクルの1サイクル中に1回だけ更新される第2の故障情報となる。また、ドライビングサイクルの1サイクル中に2回以上更新される第1の故障情報には、例えばドライビングサイクルの開始に伴って初期化される故障情報など、バックアップメモリの情報(データ)保持の能力によっても十分にその信頼性が確保されるような情報が多い。
この点、上記方法あるいは構成では、ドライビングサイクルごとに車載機器の故障診断が行われる上記条件下にあって、故障情報を上記第1の故障情報と第2の故障情報とに分類し、これら第1及び第2の故障情報の上述した各性質と上記バックアップメモリ及び不揮発性メモリの上述した各性質とに基づいて、上記第1及び第2の故障情報を上記バックアップメモリと上記不揮発性メモリとに書き分けるようにしている。このため、故障情報の保持に対する信頼性の向上と故障情報の書き込みにかかる処理負荷の軽減との好適な両立を図りつつ、それら故障情報の格納部(バックアップメモリ及び不揮発性メモリ)としての容量的な無駄を排除することができるようになる。
ちなみに、上記バックアップメモリ及び上記不揮発性メモリに対する上記第1及び第2の故障情報の書き分けの具体的な態様としては、それら第1の故障情報及び第2の故障情報の上述の各性質に鑑み、基本的には、
(イ)ドライビングサイクルの1サイクル中に1回だけ更新される上記第2の故障情報を上記不揮発性メモリに書き込む。
(ロ)ドライビングサイクルの1サイクル中に2回以上更新される上記第1の故障情報を上記バックアップメモリに書き込む。
といった書き分けが採用される。そしてこの場合、上記(イ)の処理によって、上記故障情報の保持に対する信頼性の向上が図られるようになる。また、上記(ロ)の処理によって、ドライビングサイクル中、不揮発性メモリへの情報の書き込みが上記第1の故障情報の更新の都度行われることがなくなり、上記故障情報の書き込みにかかる処理負荷の軽減が図られるとともに、リアルタイム性も維持されるようになる。また、このような(イ)及び(ロ)の書き分けを通じて、上記バックアップメモリ及び上記不揮発性メモリにそれぞれ格納される情報の重複も大幅に抑制されるようになる。
なお、このような場合には通常、例えば、車載内燃機関の稼働状況をその都度検出するセンサからの出力信号などの故障情報が上記第1の故障情報として、まず上記バックアップメモリに書き込まれる。そして、バックアップメモリに書き込まれるこの第1の故障情報と上記不揮発性メモリにその時点で書き込まれている第2の故障情報とに基づいて、ドライビングサイクルごとに行われる上記故障診断のいわば最終的な診断結果ともいうべき同第2の故障情報としての最新の情報が算出されることとなる。したがって、このような場合には、請求項2に記載の故障診断方法あるいは請求項12に記載の故障診断装置によるように、上記第2の故障情報については、上記バックアップメモリに書き込まれている最新の情報と上記不揮発性メモリにその時点で書き込まれている第2の故障情報とに基づいて、同第2の故障情報として新たに書き込まれるべき情報を算出し、該算出した情報を上記不揮発性メモリに書き込むようにすることが実用上望ましい。
また、請求項2に記載の故障診断方法あるいは請求項12に記載の故障診断装置において、請求項3に記載の故障診断方法あるいは請求項13に記載の故障診断装置によるように、
(イ’)ドライビングサイクルの1サイクル中に1回だけ更新される上記第2の故障情報を上記不揮発性メモリのみに書き込む。
若しくは、請求項5に記載の故障診断方法あるいは請求項15に記載の故障診断装置によるように、
(ロ’)ドライビングサイクルの1サイクル中に2回以上更新される上記第1の故障情報を上記バックアップメモリのみに書き込む。
等々、といった書き分けをさらに採用するようにすることが、それらメモリとしての容量的な無駄を排除する上でより望ましい。
ちなみに、上記請求項3に記載の故障診断方法あるいは請求項13に記載の故障診断装置では、
(イ’)ドライビングサイクルの1サイクル中に1回だけ更新される上記第2の故障情報を上記不揮発性メモリのみに書き込む。且つ、
(ロ)ドライビングサイクルの1サイクル中に2回以上更新される上記第1の故障情報を上記バックアップメモリに書き込む。
といった書き分けが採用されることとなる。すなわち上述の通り、ドライビングサイクルごとに車載機器の故障診断が行われる上記条件下にあっては、車載機器の故障状況を示す上記故障情報のうち、故障診断の信頼性を維持する上で情報保持の必要性の高い情報の多くが上記ドライビングサイクルの1サイクル中に1回だけ更新される第2の故障情報となる。このため、この請求項3に記載の故障診断方法あるいは請求項13に記載の故障診断装置によるように、このような第2の故障情報を、バックアップメモリと比較して情報保持の能力に優れる不揮発性メモリのみに書き込むようにすれば、故障情報の保持に対する信頼性を好適に維持しつつ、バックアップメモリとしての容量的な無駄をより適切に排除することができるようになる。
また、この場合には特に、請求項4に記載の故障診断方法あるいは請求項14に記載の故障診断装置によるように、前記第1の故障情報のうち、前記ドライビングサイクルの開始に伴って初期化される故障情報についてはこれを前記バックアップメモリのみに書き込むようにすることが望ましい。すなわち上述の通り、ドライビングサイクルの1サイクル中に2回以上更新される上記第1の故障情報には、例えばドライビングサイクルの開始に伴って初期化される故障情報など、バックアップメモリの情報(データ)保持の能力によっても十分にその信頼性が確保される故障情報が多い。したがって、上記方法あるいは構成によるように、このような故障情報を前記バックアップメモリのみに書き込むようにすれば、上記故障情報の保持に対する信頼性を好適に維持しつつ、不揮発性メモリとしての容量的な無駄をさらに排除することができるようになる。
一方、上記請求項5に記載の故障診断方法あるいは請求項15に記載の故障診断装置では、
(イ)ドライビングサイクルの1サイクル中に1回だけ更新される上記第2の故障情報を上記不揮発性メモリに書き込む。且つ、
(ロ’)ドライビングサイクルの1サイクル中に2回以上更新される上記第1の故障情報を上記バックアップメモリのみに書き込む。
といった書き分けが採用される。すなわちここでは、上記(ロ’)の処理を通じて上記不揮発性メモリとしての容量的な無駄のより適切な排除を図るようにしている。ただしこの場合、ドライビングサイクルの1サイクル中に2回以上更新される上記第1の故障情報が、上記不揮発性メモリに対して情報(データ)の保持能力に劣るバックアップメモリのみに格納されることとなり、その情報保持に対する信頼性の低下が懸念される。しかしながら、上述の通り、このような第1の故障情報には、例えばドライビングサイクルの開始に伴って初期化される故障情報や上記不揮発性メモリに格納される第2の故障情報に基づいて算出される故障情報など、このバックアップメモリの情報(データ)の保持能力によっても十分にその信頼性が確保される故障情報が多い。したがって、このような故障診断方法あるいは故障診断装置によっても、上記故障情報の格納部としてその情報の保持に対する信頼性を好適に維持しつつ、それら故障情報の格納部としての容量的な無駄をより適切に排除することができるようになる。
しかも、この故障診断方法あるいは故障診断装置では、ドライビングサイクルの1サイクル中に2回以上更新される上記第1の故障情報のメモリへの書き込みに際して、上記バックアップメモリの書き込み処理に対するリアルタイム性が最大限に利用されるようになる。また併せて、不揮発性メモリへの情報の書き込みの頻度も、上記ドライビングサイクルごとに故障診断が行われる上記条件下にあって最小頻度(1回)に設定されることともなる。このため、上記不揮発性メモリに対する上記故障情報の書き込み処理の処理負荷をより好適に軽減することもできるようになる。
また、この場合には特に、請求項6に記載の故障診断方法あるいは請求項16に記載の故障診断装置によるように、前記第2の故障情報のうち、前記不揮発性メモリへの書き込み時に、同不揮発性メモリにその時点で書き込まれている値と前記バックアップメモリにその時点で書き込まれている他の故障情報とに基づいて算出することのできる故障情報についてはこれを前記不揮発性メモリのみに書き込むようにすることが実用上より望ましい。
すなわち、上記請求項5に記載の故障診断方法あるいは請求項15に記載の故障診断装置では、ドライビングサイクルの1サイクル中に1回だけ更新される上記第2の故障情報を上記バックアップメモリにまずは格納するとともに、該第2の故障情報を、前記不揮発性メモリの書き込み時に同バックアップメモリから読み出して上記不揮発性メモリに複写することも可能ではある。ただし、第2の故障情報のうち、不揮発性メモリへの書き込み時に、同不揮発性メモリにその時点で書き込まれている値と上記バックアップメモリにその時点で書き込まれている他の故障情報とに基づいて算出することのできる故障情報についてはこれを上記バックアップメモリに格納することなく、上記不揮発性メモリに直接書き込むことが可能である。したがって、このような第2の故障情報を上記不揮発性メモリのみに書き込むようにすることで、この第2の故障情報の書き込みによる上記車両の燃料噴射や点火時期制御などへの悪影響を回避しつつ、上記故障情報の格納部としての容量的な無駄をさらに排除することができるようになる。
また、上記不揮発性メモリへの上記故障情報の書き込みを、例えば、請求項7に記載の故障診断方法あるいは請求項17に記載の故障診断装置によるように、
・前記不揮発性メモリへの前記第2の故障情報の書き込みを、前記ドライビングサイクルの終了タイミングに同期して実行する。
若しくは、請求項8に記載の故障診断方法あるいは請求項18に記載の故障診断装置によるように、
・前記不揮発性メモリへの前記第2の故障情報の書き込みを、前記イグニッションスイッチのオフ操作に基づいて実行する。
などの条件の下で実行するようにすれば、車両の燃料噴射や点火時期制御などの制御と並行して上記故障診断が実行されるような場合であれ、同制御に対して悪影響を及ぼすことなく、上記不揮発性メモリに対する書き込み処理を行うことができるようになる。
また、請求項1〜8のいずれか一項に記載の故障診断方法あるいは請求項11〜18のいずれか一項に記載の故障診断装置において、請求項9に記載の故障診断方法あるいは請求項19に記載の故障診断装置によるように、前記不揮発性メモリに書き込むことのできる故障情報の数に制限を設けるとともに、それら故障情報の各々に優先度を定め、前記不揮発性メモリへの故障情報の書き込みに際して前記故障情報の数が前記制限を超えるとき、優先度の低い故障情報から順次削除しつつ、新たな故障情報を同不揮発性メモリに書き込むようにすれば、上記不揮発性メモリに対する上記故障情報の書き込みに際して、該不揮発性メモリに格納することのできる故障情報の数よりも同不揮発性メモリに書き込まれるべき故障情報の数のほうが大きい場合であれ、その情報保持に対する信頼性の低下を好適に抑制することができるようになる。なおこの場合、上記故障情報の各々に設定される優先度については、例えば、故障情報の種類に基づいて予め設定される情報の重要度や、上記不揮発性メモリに格納された順番等に基づいて同優先度を設定することができる。
また、請求項1〜9のいずれか一項に記載の故障診断方法あるいは請求項11〜19のいずれか一項に記載の故障診断装置において、請求項10に記載の故障診断方法あるいは請求項20に記載の故障診断装置では、前記バックアップメモリ及び前記不揮発性メモリに格納されている各故障情報についての外部ツールからの消去要求があったとき、前記バックアップメモリに格納されている消去要求故障情報については消去を行い、前記不揮発性メモリに格納されている消去要求故障情報については、当該故障情報についての消去要求があった旨を示す情報を前記バックアップメモリに書き込むようにしている。
周知のように、フラッシュメモリ等からなる不揮発性メモリは、上述のバックアップメモリと比較して、消去動作、書き込み動作、読み出し動作の3つの動作のうち、特に消去動作および書き込み動作の2つの動作が遅い。このため、前記不揮発性メモリに格納されている各故障情報についての外部ツールからの消去要求があったタイミングにて、同不揮発性メモリに格納されている各故障情報の消去を実行するとした場合、例えば、車両の燃料噴射や点火時期制御などの制御(リアルタイム性を要する制御)に対して悪影響を及ぼしかねない。
この点、上記故障診断方法あるいは故障診断装置では、前記バックアップメモリ及び前記不揮発性メモリに格納されている各故障情報についての外部ツールからの消去要求があったとき、前記バックアップメモリに格納されている消去要求故障情報の消去をまずは行う。そして、前記不揮発性メモリに格納されている消去要求故障情報については、当該故障情報についての消去要求があった旨を示す情報を前記バックアップメモリに書き込むこととしたため、上記不揮発性メモリに格納されている故障情報の消去動作を所望のタイミングに実行することが可能となり、ひいては上記不揮発性メモリの消去動作が車両の燃料噴射や点火時期制御などの制御(リアルタイム性を要する制御)に対して悪影響を及ぼすことも好適に回避されるようになる。
(第1の実施の形態)
以下、この発明にかかる故障診断方法及び故障診断装置の第1の実施の形態について、図1〜図7を参照して詳細に説明する。図1に、このような故障診断装置の一般的な構成をブロック図として示す。
同図1に示すように、この故障診断装置は、車載バッテリ(図示略)による給電を受けて、車両の燃料噴射や点火時期制御などの制御と車載機器の故障診断とを併せて行う電子制御装置100として構成されている。そして、故障診断装置としてのこの電子制御装置100は、車載内燃機関の稼働状況に応じて変化する各種物理量を検出するセンサ群10やイグニッション(IG)スイッチ20、内燃機関の回転情報を得る機関回転センサ30による各信号を取り込みつつ、センサ群10等を含む車載機器の故障診断を行う。また、こうした診断の結果、車載機器に故障が生じている旨診断されるとき、MILランプなどからなる表示部40を通じてその故障状況をドライバに通知する。
このような電子制御装置100にあって、同図1に示されるマルチプレクサ101は、上記センサ群10によるセンサ出力を以下に説明するマイクロコンピュータ110からの指令に基づき選択的に取り込む部分である。ここで、センサ群10は排気管内の酸素濃度を検出する酸素センサ11や冷却水の温度を検出する温度センサ12などのセンサ群からなり、このマルチプレクサ101を介して選択的に取り込まれたセンサ出力はA/D変換器102に入力される。
A/D変換器102は、上記マルチプレクサ101を通じて選択的に取り込まれるセンサ出力を所定の分解能をもって量子化(アナログ/デジタル変換)する部分である。そして、このA/D変換器102にてデジタル信号化されたセンサ出力がマイクロコンピュータ110に取り込まれる。
マイクロコンピュータ110は、上記センサ群10による各センサ出力のほか、上記IGスイッチ20及び上記機関回転センサ30から出力される各信号を取り込み、これら信号に基づいて車載機器の故障診断を行う部分である。すなわちこの実施の形態において、同マイクロコンピュータ110は、上記IGスイッチ20から出力される信号として該IGスイッチ20のオン/オフ情報を示す2値の信号を、また上記機関回転センサ30から出力される信号として内燃機関の回転情報を示す2値化信号(パルス信号)をそれぞれ取得する。そして、こうして取得されるIGスイッチ20のオン/オフ情報及び内燃機関の回転情報に基づいてIGスイッチ20のオン操作から再度のオン操作までの期間が基本的に1サイクルとして設定されるドライビングサイクル(DC)を判別する。すなわち、マイクロコンピュータ110では、前述したOBD規制に従い、この判別したドライビングサイクルを基準として、該ドライビングサイクルごとに上記車載機器の故障診断を行うこととなる。なお、このドライビングサイクルについては、後に図面を参照して詳述する。
一方、図1に例示する電子制御装置100において、不揮発性メモリ103は、例えばフラッシュメモリ等から構成されて、マイクロコンピュータ110からの指令のもとに上記車載機器の故障状況を示す故障情報の一部が格納されるメモリである。そして駆動回路104は、同じくマイクロコンピュータ110からの指令のもとに、上記MILランプなどからなる表示部40を駆動(点灯)する回路である。
次に、上記マイクロコンピュータ110の内部構成及びその動作の概要について同図1に基づきさらに説明する。
図1に示されるように、このマイクロコンピュータ110は、各種情報を演算処理する中央演算処理装置(CPU)111を中心に構成されている。この中央演算処理装置111は、内部バスBUSを介して、入出力ポート112やプログラムメモリ(ROM)113、データメモリ114等との間での各種データの授受を行うこととなる。
ここで、上記入出力ポート112は、マイクロコンピュータ110の周辺回路である上述したマルチプレクサ101、A/D変換器102、不揮発性メモリ103、及び駆動回路104や、イグニッションIGスイッチ20及び機関回転センサ30等と電気的に接続されて、それら各部とマイクロコンピュータ110との間での信号やデータの授受を仲介する部分である。また、上記プログラムメモリ113は、各種制御プログラムやそれら制御で用いられる制御データが格納されている読み出し専用のメモリであり、特にこの実施の形態では、上記故障診断の手順などを規定する故障診断プログラムが併せて格納されている。また、上記データメモリ114は、ランダムアクセスメモリ(RAM)からなり、そのメモリ領域の一部が上記車載バッテリによってバックアップされることによって記憶内容が保持されるバックアップメモリ114aとして機能する。
このように構成されるマイクロコンピュータ110にあって、上述した故障診断の実行に際しては、上記中央演算処理装置111がまず、プログラムメモリ113から上記故障診断プログラムを読み込む。そして、この読み込んだ故障診断プログラムに従って、上記IGスイッチ20や上記機関回転センサ30の出力をもとに上述したドライビングサイクル(DC)を判別しつつ、センサ群10からのセンサ出力等に基づき、必要に応じてその故障情報を上記不揮発性メモリ103や上記バックアップメモリ114aに書き込むこととなる。
ただし、この実施の形態において、マイクロコンピュータ110は、上記不揮発性メモリ103や上記バックアップメモリ114aに対する上記故障情報の書き込みに際して、まず、同故障情報を、上記ドライビングサイクルの1サイクル中に2回以上更新される第1の故障情報と同ドライビングサイクルの1サイクル中に1回だけ更新される第2の故障情報とに分類する。そして、このようにして分類される第1及び第2の故障情報の各々の性質と上記バックアップメモリ114a及び不揮発性メモリ103の前述の性質とに基づいて、これら第1及び第2の故障情報を上記バックアップメモリ114aと上記不揮発性メモリ103とに書き分けるようにしている。
すなわち前述のように、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリ103は、バックアップRAM等のバックアップメモリ114aと比較して、情報(データ)の保持能力は高いものの、データの書き込み処理には多くの時間(処理負荷)を要するといった性質を有する。
一方、ドライビングサイクルごとに車載機器の故障診断が行われる上記条件下にあっては、車載機器の故障状況を示す上記故障情報のうち、故障診断の信頼性を維持する上で情報保持の必要性の高い情報の多くが上記ドライビングサイクルの1サイクル中に1回だけ更新される上記第2の故障情報となる。また、ドライビングサイクルの1サイクル中に2回以上更新される上記第1の故障情報には、例えばドライビングサイクルの開始に伴って初期化される故障情報など、バックアップメモリ114aの情報(データ)保持の能力によっても十分にその信頼性が確保されるような情報が多い。
そこで、この実施の形態にかかるマイクロコンピュータ110は、上記バックアップメモリ114a及び不揮発性メモリ103に対する上記第1及び第2の故障情報の書き分けの具体的な態様として、それら第1の故障情報及び第2の故障情報のこのような各性質に鑑み、
(イ’)ドライビングサイクルの1サイクル中に1回だけ更新される上記第2の故障情報を上記不揮発性メモリ103のみに書き込む。且つ、
(ロ)ドライビングサイクルの1サイクル中に2回以上更新される上記第1の故障情報を上記バックアップメモリ114aに書き込む。
といった書き分けを採用するようにしている。これにより、故障情報の保持に対する信頼性の向上と故障情報の書き込みにかかる処理負荷の軽減との好適な両立を図りつつ、バックアップメモリ114aとしての容量的な無駄を排除することができるようになる。具体的には、上記(イ’)の処理によって、上記故障情報の保持に対する信頼性の向上が図られるようになる。また、上記(ロ)の処理によって、ドライビングサイクル中、不揮発性メモリ103への情報の書き込みが上記第1の故障情報の更新の都度行われることがなくなり、上記故障情報の書き込みにかかる処理負荷の軽減が図られるとともに、リアルタイム性も維持されるようになる。また、このような(イ’)及び(ロ)の書き分けを通じて、上記バックアップメモリ114aに格納される情報の重複も大幅に抑制されるようになる。
以下、上記マイクロコンピュータ110によって行われるこうした故障情報の分類、及びこの分類に基づく上記バックアップメモリ114a及び不揮発性メモリ103に対する同故障情報の書き分け操作についてその具体的な態様を図2〜図6に基づき説明する。なおここでは、一例として、上記センサ群10を構成するセンサのうち、酸素センサ11を対象としてそのセンサ出力に基づき故障の有無を診断する場合について説明する。ちなみに、この酸素センサ11の故障診断では、例えば、「活性温度に達して以降、空燃比のリッチ/リーンに対応した適正な電圧が出力されているか」といった内容が診断される。
この実施の形態では、まず、車載機器の故障状況を示す上記故障情報として、異常判定情報、故障カウンタ値、正常カウンタ値、駆動指令出力情報、故障保留コード、故障確定コードといった故障情報が上記マイクロコンピュータ110によって取り扱われる。そしてこのうち、異常判定情報及び駆動指令出力情報が上記第1の故障情報に、また故障カウンタ値、正常カウンタ値、故障保留コード及び故障確定コードが上記第2の故障情報にそれぞれ分類されている。
ここで、上記異常判定情報(第1の故障情報)は、上記酸素センサ11からの出力信号が上述した診断内容に対して異常値を示しているか否かの判定に基づいて得られる故障情報である。
図2に、マイクロコンピュータ110を通じて行われる上記酸素センサ11からの出力信号に対する異常判定処理の一例についてその異常判定手順(異常判定情報の操作手順)をフローチャートとして示す。
この異常判定では、同図2に示すように、酸素センサ11が活性温度に達していることを条件に、まず、ステップS100の処理として、酸素センサ11からの出力信号が通常取り得る値の範囲として予め設定されている許容範囲内にあるか否かの判断が行われる。このステップS100の処理において、酸素センサ11からの出力信号が上記許容範囲内にないと判断される場合には、酸素センサ11の内部回路に断線、若しくは短絡などの異常が生じている可能性があるとして、次にステップS110の処理を行う。このステップS110の処理では、上記故障診断プログラム内に設定されている異常カウンタの異常カウンタ値がカウントアップされ、次いでステップS120の処理では、該異常カウンタ値が上限値を超えているか否かの判断が行われる。そして、該ステップS120の処理において上記異常カウンタ値が上限値を超えていると判断される場合には、ステップS130の処理として、上記酸素センサ11からの出力信号が異常である旨の判定が行われ、上記バックアップメモリ114aに該異常判定に対応した論理「H(ハイ)」レベルの異常判定情報が書き込まれる。
他方、上記ステップS100の処理において、酸素センサ11からの出力信号が上記許容範囲内にあると判断される場合には、上記異常カウンタ値が「0」にセットされるとともに(ステップS140)、上記酸素センサ11からの出力信号が正常である旨の判定が行われる(ステップS150)。すなわち、このステップS150の処理では、上記バックアップメモリ114aに該正常判定に対応した論理「L(ロー)」レベルの異常判定情報が書き込まれることとなる。
そして、こうした異常判定情報の操作(ステップS100〜S150)は、以下に説明するステップS160及びS170の処理において上記ドライビングサイクルの終了(開始)タイミングが判別されるまで繰り返し実行される。したがって、この異常判定情報(第1の故障情報)について、マイクロコンピュータ110は、上記ドライビングサイクルの1サイクル中に、上記酸素センサ11からの出力信号が異常又は正常である旨の判定を行う都度(ステップS130、S150)、その結果に対応した論理レベルの同異常判定情報を上記バックアップメモリ114aに書き込むこととなる。
ここで、上記ドライビングサイクルの終了(開始)タイミングの判別(ステップS160及びS170の処理)は、以下のようにして行われる。
すなわち上述の通り、ドライビングサイクルとは、IGスイッチ20のオン操作から再度のオン操作までの期間が基本的に1サイクルとして設定される期間のことである。このため、ステップS160の処理では、まず、上記IGスイッチ20にオフ状態からオン状態への切替操作(オン操作)があったか否かの判断が行われる。ただし、このドライビングサイクルは、厳密には、IGスイッチ20の前回のオン操作に基づいて車載内燃機関が回転したことを示す機関回転の履歴が上記バックアップメモリ114aに記憶されているときにはじめてその終了条件が満たされるものである。したがって、次のステップS170の処理では、上記バックアップメモリ114aに機関回転の履歴が記憶されているか否かの判断が行われ、その結果、同バックアップメモリ114aに機関回転の履歴が記憶されていることが確認されるとき、上記ドライビングサイクルの終了タイミングが判別される。
そして、こうしてドライビングサイクルの終了タイミングが判別されると、マイクロコンピュータ110は次に、上記故障診断プログラムにて設定されている故障カウンタ及び正常カウンタの各カウンタ値(第2の故障情報)をそれぞれ操作する(ステップS180)。このカウンタ値の操作については、後に図3を参照して説明するが、ここでは基本的に、上記バックアップメモリ114aに格納されている上記異常判定情報(第1の故障情報)の最新の値に基づいてそれらカウンタ値(第2の故障情報)のカウントアップ等の操作が行われる。そして、これら各カウンタ値(第2の故障情報)が操作されて後、マイクロコンピュータ110は、上記バックアップメモリ114aに格納されている上記異常判定情報(第1の故障情報)を、その論理レベルが論理「L」レベル(正常)とされるかたちで初期化する(ステップS190)。なお、この異常判定情報(第1の故障情報)の初期化の後は、次のドライビングサイクルにおける該異常判定情報の操作として、上記ステップS100〜S190の処理が再度実行される。
図3は、マイクロコンピュータ110を通じて行われる上記故障カウンタ及び正常カウンタの各カウンタ値(第2の故障情報)の操作についてその手順の一例を示すフローチャートである。なおここで、上記故障カウンタ(第2の故障情報)は、ドライビングサイクルの終了タイミングにおける異常判定情報(第1の故障情報)が論理「H」レベル(異常)であるときにカウントアップされ、同終了タイミングにおける異常判定情報(第2の故障情報)が論理「L」レベル(正常)であるときに「0」にリセットされるカウンタである。また、上記正常カウンタ(第2の故障情報)は、ドライビングサイクルの終了タイミングにおける異常判定情報(第1の故障情報)が論理「L」レベル(正常)であるときにカウントアップされ、同終了タイミングにおける異常判定情報(第1の故障情報)が論理「H」レベル(異常)であるときに「0」にリセットされるカウンタである。したがって、いま、上記ステップS170(図2)において、上記バックアップメモリ114aに機関回転の履歴が記憶されていると判断されたとすると、マイクロコンピュータ110は上述のように、ステップS180の処理として、上記故障診断プログラムにて設定されている故障カウンタ及び正常カウンタの各カウンタ値(第2の故障情報)の操作を開始する。
図3に示されるように、これら故障及び正常カウンタ値(第2の故障情報)の操作に際して、マイクロコンピュータ110はまず、ステップS181の処理として、上記バックアップメモリ114aに格納されている上記異常判定情報(第1の故障情報)の最新の値が論理「H」レベル(異常)であるか否かの判断を行う。この結果、上記異常判定情報(第1の故障情報)の最新の値が論理「H」レベル(異常)にあると判断されると、マイクロコンピュータ110は、次にステップS182の処理として、上記不揮発性メモリ103に格納する故障カウンタの故障カウンタ値を操作する。具体的には、上記異常判定情報(第1の故障情報)の論理「H」レベル(異常)と上記不揮発性メモリ103に格納されている前回の故障カウンタ値(第2の故障情報)とに基づいて新たな故障カウンタ値を求め、この求めた故障カウンタ値で不揮発性メモリ103に格納されている前回の故障カウンタ値を更新(カウントアップ)する。その後、マイクロコンピュータ110は、ステップS183の処理として、上記異常判定情報(第1の故障情報)の論理「H」レベル(異常)に基づいて不揮発性メモリ103に格納されている前回の正常カウンタ値をリセット(「0」)するかたちで上記正常カウンタ値を操作する。
他方、上記ステップS181の処理において、異常判定情報(第1の故障情報)の最新の値が論理「L」レベル(正常)にあると判断される場合には、マイクロコンピュータ110は、次にステップS184の処理として、上記不揮発性メモリ103に格納する正常カウンタの正常カウンタ値を操作する。具体的には、上記異常判定情報(第1の故障情報)の論理「L」レベル(正常)と上記不揮発性メモリ103に格納されている前回の正常カウンタ値(第2の故障情報)とに基づいて新たな正常カウンタ値を求め、この求めた正常カウンタ値で不揮発性メモリ103に格納されている前回の正常カウンタ値を更新(カウントアップ)する。その後、マイクロコンピュータ110は、ステップS185の処理として、上記異常判定情報(第1の故障情報)の論理「L」レベル(正常)に基づいて不揮発性メモリ103に格納されている前回の故障カウンタ値をリセット(「0」)するかたちで上記故障カウンタ値を操作する。
そして次に、マイクロコンピュータ110は、ドライビングサイクルごとに操作されるこうした故障カウンタ及び正常カウンタの各カウンタ値(第2の故障情報)とその都度更新される上記異常判定情報(第1の故障情報)とに基づき、駆動指令出力情報、故障保留コード、故障確定コードなどといった各故障情報の操作を、例えば以下に列記する各切替条件の下で行う。なおここでは、これら故障情報の操作がいずれもその有効及び無効に対応した論理「H」レベル及び論理「L」レベルの切替操作として実行される。
<駆動指令出力情報の論理「L」レベルから論理「H」レベルへの切替条件>
(a1)故障カウンタの故障カウンタ値が所定値(ここでは「1」)以上であること。及び、
(a2)異常判定情報の論理レベルが論理「H」レベル(異常)であること。
の論理積(アンド)条件が満たされること。
<駆動指令出力情報の論理「H」レベルから論理「L」レベルへの切替条件>
(b1)ドライビングサイクルの終了タイミングであること。及び、
(b2)正常カウンタの正常カウンタ値が所定値(ここでは「3」)以上であること。
の論理積(アンド)条件が満たされること。
<故障保留コードの論理「L」レベルから論理「H」レベルへの切替条件>
(c1)ドライビングサイクルの終了タイミングであること。及び、
(c2)故障カウンタの故障カウンタ値が所定値(ここでは「1」)以上であること。
の論理積(アンド)条件が満たされること。
<故障保留コードの論理「H」レベルから論理「L」レベルへの切替条件>
(d1)ドライビングサイクルの終了タイミングであること。及び、
(d2)正常カウンタの正常カウンタ値が所定値(ここでは「1」)以上であること。
の論理積(アンド)条件が満たされること。
<故障確定コードの論理「L」レベルから論理「H」レベルへの切替条件>
(e1)ドライビングサイクルの終了タイミングであること。及び、
(e2)故障カウンタの故障カウンタ値が所定値(ここでは「2」)以上であること。
の論理積(アンド)条件が満たされること。
<故障確定コードの論理「H」レベルから論理「L」レベルへの切替条件>
(f1)ドライビングサイクルの終了タイミングであること。及び、
(f2)正常カウンタの正常カウンタ値が所定値(ここでは「40」)以上であること。
の論理積(アンド)条件が満たされること。
図4は、上記(a1)及び(a2)の論理積条件と上記(b1)及び(b2)の論理積条件との下、上記マイクロコンピュータ110によって行われる上記駆動指令出力情報(第1の故障情報)の操作についてその手順の一例を示すフローチャートである。なお、この駆動指令出力情報(第1の故障情報)の操作は、上記異常判定情報(第1の故障情報)の操作(図2)と並行して実行され、マイクロコンピュータ110は、該駆動指令出力情報の論理「H」レベル(有効)に基づいて上記駆動回路104に対して駆動指令を出力する。すなわち、この駆動指令出力情報の操作は、上記表示部40を駆動すべきか否か、例えばMILランプを点灯させるべきか否かの判断に基づいて以下のように行われる。
図4に示されるように、駆動指令出力情報(第1の故障情報)の操作に際して、マイクロコンピュータ110はまず、ステップS200の処理として、上記不揮発性メモリ103に格納されている故障カウンタ値が「1」以上であるか否かの判断を行う。その結果、該故障カウンタ値が「1」以上であると判断されると、次にステップS210の処理として、上記バックアップメモリ114aにその時点で格納されている異常判定情報(第1の故障情報)が論理「H」レベル(異常)であるか否かの判断を行う。なお、このステップS210の処理では、上記異常判定情報が論理「H」レベル(有効)であると判断された時点で上記(a1)及び(a2)の論理積条件が満たされることとなる。したがってこの場合、マイクロコンピュータ110は、次のステップS220の処理として、上記駆動指令出力情報(第1の故障情報)を、その論理レベルが論理「H」レベル(有効)となるように上記バックアップメモリ114aに格納する。また、このステップS220の処理では、マイクロコンピュータ110は、上記バックアップメモリ114aに格納される駆動指令出力情報が論理「H」レベル(有効)となることに基づき、上記駆動回路104に対して駆動指令を出力し、上記表示部40の駆動(MILランプの点灯)を促す処理も併せて行う。そして、こうした各処理(ステップS200、S210、S220)は、ドライビングサイクルの終了タイミングが判別されるまで繰り返し実行される(ステップS230、S240)。
一方、IGスイッチ20にオン操作があったこと(ステップS230)、及び、上記バックアップメモリ114aに機関回転の履歴が記憶されていること(ステップS240)がそれぞれ確認されると、マイクロコンピュータ110は、上記ドライビングサイクルの終了タイミングを判別する。そして、この実施の形態のマイクロコンピュータ110は次に、ステップS250の処理として、先のステップS210の処理において上記バックアップメモリ114aに格納した上記駆動指令出力情報(第1の故障情報)を上記不揮発性メモリ103に複写する。このように、上記第1の故障情報の上記不揮発性メモリに対する書き込み時を上記ドライビングサイクルの終了タイミングのみとすることで、その不揮発性メモリに対する書き込み処理を上記ドライビングサイクルごとに故障診断が行われる上記条件下にあって最小頻度(1回)に設定することができるようになる。ただし、この実施の形態のマイクロコンピュータ110は、上記第1の故障情報のうち、ドライビングサイクルの開始に伴って初期化される上記異常判定情報(図2)などの故障情報を上記不揮発性メモリ103に書き込むことはしない。すなわち、このような故障情報は、上記バックアップメモリ114aの情報(データ)保持の能力によっても十分にその信頼性が確保されるため、上記バックアップメモリ114aのみに書き込むようにして上記不揮発性メモリ103としての容量的な無駄を排除するようにすることが実用上より望ましい。
そして、このドライビングサイクルの終了タイミングでは、マイクロコンピュータ110は次に、上記表示部40の駆動(MILランプの点灯)を中断すべきか否かの判断として、上記不揮発性メモリ103に格納されている最新の正常カウンタ値が「3」以上であるか否かの判断を行う(ステップS260)。その結果、上記正常カウンタ値が「3」以上であると判断されると、同マイクロコンピュータ110は、上記(b1)及び(b2)の論理積条件が満たされたとして、次にステップS270の処理を行う。すなわち、このステップS270の処理では、同マイクロコンピュータ110が、上記表示部40の駆動(MILランプの点灯)を中断すべく、上記バックアップメモリ114aに格納されている上記駆動指令出力情報を論理「L」レベル(無効)とする。なお、このステップS270の処理の後、若しくは上記ステップS260の処理において上記不揮発性メモリ103に格納されている最新の正常カウンタ値が「3」以上でないと判断された場合は、次のドライビングサイクルにおける該駆動指令出力情報の操作として、上記ステップS200〜S270の処理が再度実行される。
図5は、上記(c1)及び(c2)の論理積条件と上記(d1)及び(d2)の論理積条件との下、上記マイクロコンピュータ110によって行われる上記故障保留コード(第2の故障情報)の操作についてその手順の一例を示すフローチャートである。なお、この故障保留コード(第2の故障情報)の操作も、上記異常判定情報(第1の故障情報)の操作(図2)と並行して実行される。
図5に示されるように、故障保留コード(第2の故障情報)の操作に際して、このマイクロコンピュータ110はまず、ドライビングサイクルの終了タイミングが判別されるまで待機する(ステップS300、S310)。そして、IGスイッチ20にオン操作があったこと(ステップS300)、且つ、上記バックアップメモリ114aに機関回転の履歴が記憶されていること(ステップS310)が確認されるとき、同マイクロコンピュータ110は、上記ドライビングサイクルの終了タイミングを判別し、次にステップS320の処理を行う。
このステップS320の処理では、マイクロコンピュータ110は、上記バックアップメモリ114aにその時点で格納されている異常判定情報(第1の故障情報)が論理「H」レベル(異常)であるか否かの判断を行う。そして、このステップS320の処理において、上記異常判定情報が論理「H」レベル(有効)であると判断されると、同マイクロコンピュータ110は、上記(c1)及び(c2)の論理積条件が満たされたとして、上記故障保留コード(第2の故障情報)を、その論理レベルが論理「H」レベル(有効)となるように上記不揮発性メモリ103に格納する(ステップS330)。
一方、上記ステップS320の処理において、上記異常判定情報が論理「H」レベル(有効)でないと判断されると、同マイクロコンピュータ110は次に、ステップS340の処理として、上記不揮発性メモリ103に格納される故障保留コードを論理「L」レベルとすべきか否かの判断を行う。すなわち、このステップS340の処理では、同マイクロコンピュータ110は、上記不揮発性メモリ103に格納されている最新の正常カウンタ値(第2の故障情報)が「1」以上であるか否かの判断を行う。そして、このステップS340の処理において、上記正常カウンタ値(第2の故障情報)が「1」以上であると判断されると、同マイクロコンピュータ110は、上記(d1)及び(d2)の論理積条件が満たされたとして、上記不揮発性メモリ103に格納される故障保留コードを論理「L」レベルとする(ステップS350)。なお、このステップS350の処理の後、若しくは上記ステップS330の処理の後、あるいは先のステップS340において上記不揮発性メモリ103に格納されている最新の正常カウンタ値が「1」以上でないと判断された場合は、次のドライビングサイクルにおける該故障保留コード(第2の故障情報)の操作として、上記ステップS300〜S350の処理が再度実行される。
図6は、上記(e1)及び(e2)の論理積条件と上記(f1)及び(f2)の論理積条件との下、上記マイクロコンピュータ110によって行われる上記故障確定コード(第2の故障情報)の操作についてその手順の一例を示すフローチャートである。なお、この故障確定コード(第2の故障情報)の操作は、基本的には、先の故障保留コード(第2の故障情報)の操作手順に準じて実行される。ただし、故障確定コードと上述の故障保留コードとは、それらの論理レベルの切替条件に用いられる上記故障及び正常カウンタの各カウンタ値の大きさが異なっており、これが故障確定コード及び故障保留コードの操作手順の相違点となっている。
したがって、図6に示されるように、この故障確定コードの操作に際しても、マイクロコンピュータ110はまず、ドライビングサイクル(DC)の終了タイミングが判別されるまで待機する(ステップS400、S410)。そして、IGスイッチ20にオン操作があったこと(ステップS400)、且つ、上記バックアップメモリ114aに機関回転の履歴が記憶されていること(ステップS410)が確認されるとき、同マイクロコンピュータ110は、上記ドライビングサイクルの終了タイミングを判別し、次にステップS420の処理を行う。
このステップS420の処理では、マイクロコンピュータ110は、上記不揮発性メモリ103に格納されている最新の故障カウンタ値が「2」以上であるか否かの判断を行う。そして、このステップS420の処理において、上記最新の故障カウンタ値が「2」以上であると判断されると、同マイクロコンピュータ110は、上記(e1)及び(e2)の論理積条件が満たされたとして、上記故障確定コード(第2の故障情報)を、その論理レベルが論理「H」レベル(有効)となるように上記不揮発性メモリ103に格納する(ステップS430)。
一方、上記ステップS420の処理において、上記故障カウンタ値(第2の故障情報)が「2」以上でないと判断されると、同マイクロコンピュータ110は次に、ステップS440の処理として、上記不揮発性メモリ103に格納される故障確定コードを論理「L」レベルとすべきか否かの判断を行う。すなわち、このステップS440の処理では、同マイクロコンピュータ110は、上記不揮発性メモリ103に格納されている最新の正常カウンタ値(第2の故障情報)が「40」以上であるか否かの判断を行う。そして、このステップS440の処理において、上記正常カウンタ値(第2の故障情報)が「40」以上であると判断されると、同マイクロコンピュータ110は、上記(f1)及び(f2)の論理積条件が満たされたとして、上記不揮発性メモリ103に格納される故障確定コードを論理「L」レベルとする(ステップS450)。なお、このステップS450の処理の後、若しくは上記ステップS430の処理の後、あるいは先のステップS440において上記不揮発性メモリ103に格納されている最新の正常カウンタ値が「40」以上でないと判断された場合は、次のドライビングサイクルにおける該故障確定コード(第2の故障情報)の操作として、上記ステップS400〜S450の処理が再度実行される。
図7は、このような態様で異常判定情報、故障カウンタ値、正常カウンタ値、駆動指令出力情報、故障保留コード、及び故障確定コードの各操作が行われるときのそれら論理レベルの推移例を総括して示したものである。
上述の通り、この故障診断に際してはまず、IGスイッチ20のオン/オフ情報及び機関回転センサ30を通じて検出される機関回転情報に基づいてドライビングサイクル(DC)が判別される。はじめに、この図7を参照して、ドライビングサイクル(DC)、及びその判別手法について説明する。
図7(a)及び(b)に示されるように、ドライビングサイクル(DC)とは、IGスイッチ20のオン操作から再度のオン操作までの期間が基本的に1サイクルとして設定される期間のことである。したがって、例えばいま、タイミングt10にてIGスイッチ20がオン操作されたとすると、このドライビングサイクルとして第1のドライビングサイクル(DC1)の開始が判断される。そして、IGスイッチ20が一旦オフ操作され、タイミングt20にて再度オン操作されると、上記第1のドライビングサイクル(DC1)の終了が判断されるとともに、次のドライビングサイクルとして第2のドライビングサイクル(DC2)の開始が判断される。この第2のドライビングサイクル(DC2)も上記第1のドライビングサイクル(DC1)と同様、タイミングt30にて上記IGスイッチ20が再度オン操作されることによりその終了が判断される。そして、この第2のドライビングサイクル(DC2)の終了と同期して、次のドライビングサイクルである第3のドライビングサイクル(DC3)の開始が判断される。以降も、基本的には同様の条件にてドライビングサイクルの開始/終了が判断される。
ただし、図7(c)と併せて示すように、上記ドライビングサイクル(DC)は、厳密には、IGスイッチ20のオン操作から再度のオン操作までの期間内に機関の回転履歴があることによってはじめてその終了条件が満たされることも上述した通りである。したがって、例えばタイミングt31では、IGスイッチ20の再度のオン操作はあったものの、同IGスイッチ20の直前のオン操作タイミングt30からこの再度のオン操作タイミングt31までの期間内には機関の回転履歴が残っていないため、第3のドライビングサイクル(DC3)がそのまま継続されていると判断される。そして、機関の回転履歴があるその後のIGスイッチ20のオン操作タイミングt40にて、この第3のドライビングサイクル(DC3)の終了が判断されることとなる。
そして、こうして判別されるドライビングサイクルごとに上記車載機器(ここでは酸素センサ11)の故障診断が以下のように行われる。
例えば、図7(a)及び(h)に示されるように、ドライビングサイクルが第1のドライビングサイクル(DC1)にあるときの終了タイミングt20では、上記異常判定情報の論理「H」レベルに基づき、上記故障カウンタの故障カウンタ値が「1」にカウントアップされるため、上記(c1)及び(c2)の論理積条件が満たされる。このため、このタイミングt20では、上記不揮発性メモリ103に格納される故障保留コード(図7(h))が論理「L」レベル(無効)から論理「H」レベル(有効)に切り替えられるかたちで更新される。
一方、ドライビングサイクルが第2のドライビングサイクル(DC2)に移行すると、上記バックアップメモリ114aに格納されている異常判定情報が論理「L」レベル(正常)から論理「H」レベル(異常)に切り替えられるタイミングt21にて、上記(a1)及び(a2)の論理積条件が満たされるようになる。このため、このタイミングt21では、上記バックアップメモリ114aに格納される駆動指令出力情報(図7(g)破線)が論理「L」レベル(無効)から論理「H」レベル(有効)に切り替えられるかたちで更新される。ただし、この駆動指令出力情報は、この第2のドライビングサイクル(DC2)の終了タイミングt30にて上記バックアップメモリ114aから読み出されて不揮発性メモリ103に複写される(図7(g)実線)。また、同タイミングt30では、上記故障カウンタがさらにカウントアップされ、そのカウンタ値が「2」となる。このため、このタイミングt30では、上記(e1)及び(e2)の論理積条件が満たされるようになり、上記不揮発性メモリ103に格納される故障確定コード(図7(i))が論理「L」レベル(無効)から論理「H」レベル(有効)に切り替えられるかたちで更新される。
また一方、ドライビングサイクルが第3のドライビングサイクル(DC3)に移行すると、該第3のドライビングサイクル(DC3)の終了タイミングt40にて、上記異常判定情報(図7(d))の論理「L」レベルに基づき、上記故障カウンタの故障カウンタ値が「0」となり、上記正常カウンタの正常カウンタ値が「1」となる。このため、このタイミングt40では、上記(d1)及び(d2)の論理積条件が満たされるようになり、上記不揮発性メモリ103に格納される故障保留コード(図7(h))が論理「H」レベル(有効)から論理「L」レベル(無効)に切り替えられるかたちで更新される。
また、ドライビングサイクルが第5のドライビングサイクル(DC5)に移行すると、該第5のドライビングサイクル(DC3)の終了タイミングt60にて、上記正常カウンタの正常カウンタ値が「3」となる。このため、このタイミングt60では、上記(b1)及び(b2)の論理積条件が満たされるようになり、バックアップメモリ114a及び不揮発性メモリ103に格納される駆動指令出力情報(図7(g))が共に論理「H」レベル(有効)から論理「L」レベル(無効)に切り替えられるかたちでそれぞれ更新される。
またさらに、ドライビングサイクルが第42のドライビングサイクル(DC42)に移行すると、該第42のドライビングサイクル(DC42)の終了タイミングt430にて、上記正常カウンタの正常カウンタ値が「40」となる。このため、このタイミングt430では、上記(f1)及び(f2)の論理積条件が満たされるようになり、上記不揮発性メモリ103に格納される故障確定コード(図7(i))が論理「H」レベル(有効)から論理「L」レベル(無効)に切り替えられるかたちで更新される。
このように、この実施の形態では、図7(d)〜(i)に示される故障情報のうち、ドライビングサイクルの1サイクル中に1回だけ更新される第2の故障情報、具体的には故障カウンタ値(図7(e))、正常カウンタ値(図7(f))、故障保留コード(図7(h))、故障確定コード(図7(i))を、上記不揮発性メモリ103のみに格納するようにしている。すなわち、上記故障情報のうち上記ドライビングサイクルの1サイクル中に1回だけ更新される第2の故障情報(上述の4種の故障情報など)についてはそれらの上記バックアップメモリ114aに対する書き込み処理を行わないようにしている。しかも、これら第2の故障情報(上述の4種の故障情報など)の不揮発性メモリ103への書き込みに際しては、ドライビングサイクルの終了タイミングごとに上記バックアップメモリ114a及び不揮発性メモリ103に格納されている故障情報に基づき同第1の故障情報として採るべき値を求めてこれを不揮発性メモリ103に書き込むようにしている。このため、バックアップメモリ114aとしての容量的な無駄が排除され、それら情報の保持能力を好適に維持することができるようになる。
さらに、上記故障情報のうち、上記ドライビングサイクルの1サイクル中に2回以上更新される故障情報、すなわち図7の例では異常判定情報(図7(d))及び駆動指令出力情報(図7(g))等についてはこれらを上記バックアップメモリ114aに積極的に書き込むようにしている。また併せて、同第1の故障情報も含めて、上記故障情報の上記不揮発性メモリ103に対する書き込み処理の頻度を、上記ドライビングサイクルごとに故障診断が行われる上記条件下にあって最小頻度(1回)に設定している。このため、故障診断に最低限必要とされるリアルタイム性を確保しつつ、上記不揮発性メモリ103に対する故障情報の書き込み処理にかかる処理負荷を軽減することができるようにもなる。
なお、上述の切替条件(a1)及び(a2)、切替条件(b1)及び(b2)として示されるように、上記駆動指令出力情報(図7(g))も、上記4種の情報と同様、基本的には、上記ドライビングサイクルの1サイクル中に1回だけ更新される故障情報である。ただし、この駆動指令出力情報(図7(g))は、他に内燃機関の失火が検出されるような場合にも、例えばMILランプの点滅といったかたちで表示部40を駆動すべくその論理レベルがその都度切り替わるようになる。このため、この実施の形態では、同駆動指令出力情報(図7(g))を、上記ドライビングサイクルの1サイクル中に2回以上更新される故障情報に分類することとしている。
以上説明したように、この実施の形態にかかる故障診断方法及び故障診断装置によれば、以下に記載するような多くの優れた効果が得られるようになる。
(1)ドライビングサイクルごとに車載機器の故障診断が行われる上記条件下にあって、故障情報を上記ドライビングサイクルの1サイクル中に2回以上更新される第1の故障情報と同ドライビングサイクルの1サイクル中に1回だけ更新される第2の故障情報とに分類した。そして、これら第1及び第2の故障情報の性質と上記バックアップメモリ及び不揮発性メモリの性質とに基づいて、上記第1及び第2の故障情報を上記バックアップメモリ114aと上記不揮発性メモリ103とに書き分けるようにした。このため、故障情報の保持に対する信頼性の向上と故障情報の書き込みにかかる処理負荷の軽減との好適な両立を図りつつ、それら故障情報の格納部としての容量的な無駄を排除することができるようになる。
(2)ドライビングサイクルの1サイクル中に1回だけ更新される第2の故障情報を上記不揮発性メモリ103のみに書き込むこととしたため、上記バックアップメモリ114aとしての容量的な無駄をより適切に排除することができるようになる。
(3)例えば駆動指令出力情報(図7(g))など、上記ドライビングサイクルの1サイクル中に2回以上更新される第1の故障情報を、バックアップメモリ114aにまずは格納しておき、上記各ドライビングサイクルの終了タイミングにて該バックアップメモリ114aから上記不揮発性メモリ103に同第1の故障情報を複写するようにした。このため、上記第1の故障情報に対する情報保持の信頼性のさらなる向上を図ることができるようになる。
(4)上記第1の故障情報のうち、例えば異常判定情報(図7(d))など、ドライビングサイクルの開始に伴って初期化される故障情報についてはこれを上記バックアップメモリ114aのみに書き込むこととした。このため、上記第1の故障情報に対する情報保持の信頼性を好適に維持しつつ、不揮発性メモリ103としての容量的な無駄をさらに排除することができるようになる。
(5)車両の燃料噴射や点火時期制御などの制御と車載機器の故障診断とを併せて行う電子制御装置100にあって、上記不揮発性メモリ103に対する故障情報の書き込み処理を、各ドライビングサイクルの終了タイミングのみにて行うこととした。このため、不揮発性メモリ103の書き込み動作が、車両の燃料噴射や点火時期制御などの制御などのリアルタイム性を要する制御に対して悪影響を及ぼすことも回避されるようになる。
(第2の実施の形態)
次に、この発明にかかる故障診断方法及び故障診断装置についてその第2の実施の形態を示す。なお、この実施の形態の故障診断装置も、先の実施の形態の故障診断装置とほぼ同様、車載バッテリによる給電を受けて、車両の点火時期制御などのリアルタイム性を要する制御と車載機器の故障診断とを併せて行う電子制御装置100(図1)として構成され、ドライビングサイクルごとに車載機器の故障診断を行うものとなっている。すなわち、この実施の形態にあっても、故障診断装置としてのこの電子制御装置100が、
・車載内燃機関の稼働状況に応じて変化する各種物理量を検出するセンサ群10やイグニッション(IG)スイッチ20、内燃機関の回転情報を得る機関回転センサ30による各信号を取り込みつつ、センサ群10等を含む車載機器の故障診断を行うこと。
・車載機器の故障診断に際して、故障情報をドライビングサイクルの1サイクル中に2回以上更新される第1の故障情報と同ドライビングサイクルの1サイクル中に1回だけ更新される第2の故障情報とに分類し、該分類に基づいてこれら第1及び第2の故障情報をバックアップメモリ114aと不揮発性メモリ103とに書き分けること。
等々を行う点については、先の第1の実施の形態とほぼ同様である。
ただし、この実施の形態にかかる電子制御装置100では、マイクロコンピュータ110内のプログラムメモリ113に格納されている故障診断プログラムが以下のように規定されている点で、先の第1の実施の形態と異なっている。すなわち、この電子制御装置100では、上記バックアップメモリ114a及び不揮発性メモリ103に対する上記第1及び第2の故障情報の書き分けの具体的な態様として、上記第1の故障情報及び第2の故障情報の前述の各性質に鑑み、
(イ)ドライビングサイクルの1サイクル中に1回だけ更新される上記第2の故障情報を上記不揮発性メモリ103に書き込む。且つ、
(ロ’)ドライビングサイクルの1サイクル中に2回以上更新される上記第1の故障情報を上記バックアップメモリ114aのみに書き込む。
といった書き分けを採用するようにしている。そして、上記(イ)の処理によって、上記故障情報の保持に対する信頼性の向上を図るとともにリアルタイム性も維持するようにしている。また、上記(ロ’)の処理によって、ドライビングサイクル中、不揮発性メモリ103への情報の書き込みが上記第1の故障情報の更新の都度行われることを回避して、上記故障情報の書き込みにかかる処理負荷の軽減を図るようにしている。また、このような(イ)及び(ロ’)の書き分けを通じて、上記バックアップメモリ114a及び上記不揮発性メモリ103にそれぞれ格納される情報の重複を大幅に抑制するようにしている。ただしこの場合、ドライビングサイクルの1サイクル中に2回以上更新される上記第1の故障情報が、上記不揮発性メモリ103に対して情報(データ)の保持能力に劣るバックアップメモリ114aのみに格納されることとなり、その情報保持に対する信頼性の低下が懸念される。しかしながら、前述の通り、このような第1の故障情報には、例えばドライビングサイクルの開始に伴って初期化される故障情報(異常判定情報(図7(d)))や上記不揮発性メモリ103に格納される第2の故障情報に基づいて算出される故障情報(駆動指令出力情報(図7(g))など、このバックアップメモリ114aの情報(データ)の保持能力によっても十分にその信頼性が確保される故障情報が多い。したがって、この実施の形態にかかる電子制御装置100によっても、上記故障情報の保持に対する信頼性を好適に維持しつつ、それら故障情報の格納部、ここでは特に不揮発性メモリ103としての容量的な無駄をより適切に排除することができるようになる。
しかも、この(ロ’)の書き分けの態様によれば、ドライビングサイクルの1サイクル中に2回以上更新される上記第1の故障情報のメモリへの書き込みに際して、上記バックアップメモリ114aの書き込み処理に対するリアルタイム性が最大限に利用されるようになる。また併せて、不揮発性メモリ103への情報の書き込みの頻度も、上記ドライビングサイクルごとに故障診断が行われる上記条件下にあって最小頻度(1回)に設定されることとなる。このため、上記不揮発性メモリ103に対する上記故障情報の書き込み処理の処理負荷も好適に軽減されるようになる。
以下、この実施の形態のマイクロコンピュータ110によって行われるこうした故障情報の分類、及びこの分類に基づく上記バックアップメモリ114a及び不揮発性メモリ103に対する同故障情報の書き分けについてその具体的な操作態様を説明する。なおここでも、上記センサ群10を構成するセンサのうち、酸素センサ11を対象としてそのセンサ出力に基づき故障の有無を診断する場合について説明する。
この実施の形態においても、車載機器の故障状況を示す上記故障情報として、異常判定情報、故障カウンタ値、正常カウンタ値、駆動指令出力情報、故障保留コード、故障確定コードといった故障情報が上記マイクロコンピュータ110によって取り扱われる。そしてこのうち、異常判定情報及び駆動指令出力情報が上記第1の故障情報に、また故障カウンタ値、正常カウンタ値、故障保留コード及び故障確定コードが上記第2の故障情報にそれぞれ分類される点も先の第1の実施の形態と同様である。また、これも同様、それら故障情報のうち、異常判定情報、故障カウンタ値、正常カウンタ値、及び故障確定コードは、
・異常判定情報(第1の故障情報)が、バックアップメモリ114aのみに格納されて、具体的には先の図2に例示した手順にて操作されること。
・故障及び正常カウンタの各カウンタ値(第2の故障情報)が、不揮発性メモリ103のみに格納されて、具体的には先の図3に例示した手順にて操作されること。
・故障確定コード(第2の故障情報)が、不揮発性メモリ103のみに格納されて、具体的には先の図6に例示した手順にて操作されること。
といった条件の下で操作される。ただし、この実施の形態では、上述の(イ)及び(ロ’)の書き分けの採用によって、駆動指令出力情報(第1の故障情報)及び故障保留コード(第2の故障情報)の操作が先の第1の実施の形態とそれぞれ異なっている。なお、この実施の形態では、故障保留コード(第2の故障情報)の論理「L」レベルから論理「H」レベルへの切替条件が、
(c3)異常判定情報が論理「H」レベルであること。
とされている。
次に、この実施の形態における上記駆動指令出力情報(第1の故障情報)及び故障保留コード(第2の故障情報)の各操作について、図8および図9を参照しつつ説明する。図8は、前記(a1)及び(a2)の論理積条件と前記(b1)及び(b2)の論理積条件との下で規定される上記駆動指令出力情報についてその操作手順を示したフローチャートである。また、図9は、上記(c3)の切替条件と前記(d1)及び(d2)の論理積条件との下で規定される上記故障保留コードについてその操作手順を示したフローチャートである。
同図8に示されるように、この実施の形態にあっても、駆動指令出力情報(第1の故障情報)の操作に際して、マイクロコンピュータ110はまず、ステップS500の処理として、上記不揮発性メモリ103に格納されている故障カウンタ値が「1」以上であるか否かの判断を行う。その結果、該故障カウンタ値が「1」以上であると判断されると、次にステップS510の処理として、上記バックアップメモリ114aにその時点で格納されている異常判定情報(第1の故障情報)が論理「H」レベル(異常)であるか否かの判断を行う。そして、このステップS510の処理において、上記異常判定情報が論理「H」レベル(有効)であると判断された時点で、同マイクロコンピュータ110が、上記駆動指令出力情報(第1の故障情報)を、その論理レベルが論理「H」レベル(有効)となるように上記バックアップメモリ114aに格納する点も先の第1の実施の形態と同様である。また、これも同様、このような各処理(ステップS500、S510、S520)は、ドライビングサイクルの終了タイミングが判別されるまで繰り返し実行される(ステップS530、S540)。
そして、この実施の形態にあっても、IGスイッチ20にオン操作があったこと(ステップS530)、且つ、上記バックアップメモリ114aに機関回転の履歴が記憶されていること(ステップS540)が確認されるとき、マイクロコンピュータ110は、上記ドライビングサイクルの終了タイミングを判別する。ただし、この実施の形態のマイクロコンピュータ110は、このドライビングサイクルの終了タイミングにて、先のステップS520の処理において上記バックアップメモリ114aに格納した上記駆動指令出力情報(第1の故障情報)を上記不揮発性メモリ103に複写することはない。すなわち、同マイクロコンピュータ110は次に、上記表示部40の駆動(MILランプの点灯)を中断すべきか否かの判断として、上記不揮発性メモリ103に格納されている最新の正常カウンタ値が「3」以上であるか否かの判断を行う(ステップS560)。その結果、上記正常カウンタ値が「3」以上であると判断されると、同マイクロコンピュータ110は、上記(b1)及び(b2)の論理積条件が満たされたとして、次にステップS570の処理を行う。すなわち、このステップS570の処理では、同マイクロコンピュータ110が、上記表示部40の駆動(MILランプの点灯)を中断すべく、上記バックアップメモリ114aに格納されている上記駆動指令出力情報を論理「L」レベル(無効)とする。
このように、この実施の形態では、上記第1の故障情報としての駆動指令出力情報をバックアップメモリ114aのみに格納するため、不揮発性メモリ103としての容量的な無駄を適切に排除することができるようになる。なお上述のように、この駆動指令出力情報は、不揮発性メモリ103に格納されている上記故障及び正常カウンタの各カウンタ値とバックアップメモリ114aにその更新の都度格納される上記異常判定情報とから算出される故障情報である。このため、バックアップ電圧が遮断されて、上記バックアップメモリ114aに格納されている上記駆動指令出力情報が仮に失われたとしても、上記故障及び正常カウンタの各カウンタ値(第2の故障情報)とその都度更新される上記異常判定情報(第1の故障情報)とから新たな駆動指令出力情報を求めることで、その情報保持に対する信頼性も維持されるようになる。
また、図9に示されるように、故障保留コード(第2の故障情報)の操作に際して、この実施の形態のマイクロコンピュータ110はまず、ステップS600の処理として、上記バックアップメモリ114aにその時点で格納されている異常判定情報(第1の故障情報)が論理「H」レベル(異常)であるか否かの判断を行う。そして、このステップS610の処理において、上記異常判定情報が論理「H」レベル(有効)であると判断された時点で、同マイクロコンピュータ110は、上記故障保留コード(第2の故障情報)を、その論理レベルが論理「H」レベル(有効)となるように上記バックアップメモリ114aに格納する。また、これらステップS600及びS610の処理は、ドライビングサイクルの終了タイミングが判別されるまで繰り返し実行される(ステップS630、S640)。
その後、IGスイッチ20にオン操作があったこと(ステップS530)、且つ、上記バックアップメモリ114aに機関回転の履歴が記憶されていること(ステップS540)が確認されると、マイクロコンピュータ110は、上記ドライビングサイクルの終了タイミングを判別する。そして、この判別に基づき、同マイクロコンピュータ110は次に、上記ステップS610の処理において上記バックアップメモリ114aに格納した上記故障保留コード(第2の故障情報)を上記不揮発性メモリ103に複写する(ステップS640)。すなわち、この実施の形態のマイクロコンピュータ110は、上記故障保留コード(第2の故障情報)の不揮発性メモリ103への書き込みを、該故障保留コードの更新のタイミングによることなく、上記ドライビングサイクルの終了タイミング(不揮発性メモリ103への書き込み時)のみに実行するようにしている。これにより、第2の故障情報の更新が車両の燃料噴射や点火時期制御などの制御などのリアルタイム性を要する制御の実行中に行われる場合であれ、電子制御装置100は、それら車両の燃料噴射や点火時期制御などの制御などのリアルタイム性を要する制御の円滑な実行を確保することができるようになる。ただし、この実施の形態のマイクロコンピュータ110は、上記第2の故障情報のうち、ドライビングサイクルの終了タイミングに、同不揮発性メモリ103にその時点で書き込まれている値と上記バックアップメモリ114aにその時点で書き込まれている他の故障情報の最新の値とから算出することのできる故障情報(故障及び正常カウンタの各カウンタ値及び故障確定情報)についてはこれらを上記不揮発性メモリ103のみに書き込むようにしている。これにより、第2の故障情報の書き込みによる上記車両の燃料噴射や点火時期制御などの制御などへの悪影響を回避しつつ、上記バックアップメモリ114aとしての容量的な無駄をさらに排除することができるようになる。
そしてその後は、上記バックアップメモリ114a及び不揮発性メモリ103に格納される故障保留コードを論理「L」レベルとすべきか否かの判断が行われる。すなわち、次のステップS650の処理では、マイクロコンピュータ110は、上記不揮発性メモリ103に格納されている最新の正常カウンタ値(第2の故障情報)が「1」以上であるか否かの判断を行う。そして、このステップS650の処理において、上記正常カウンタ値(第2の故障情報)が「1」以上であると判断されると、同マイクロコンピュータ110は、上記(d1)及び(d2)の論理積条件が満たされたとして、上記バックアップメモリ114a及び不揮発性メモリ103に格納される故障保留コードを論理「L」レベルとする。
図10は、このような態様で異常判定情報、故障カウンタ値、正常カウンタ値、駆動指令出力情報、故障保留コード、及び故障確定コードの各操作が行われるときのそれら論理レベルの推移例を総括して示したものである。ここでは、先の第1の実施の形態に対してその操作の異なる上記駆動指令出力情報及び故障保留コードの推移例を中心に説明する。
この故障診断に際してもまず、IGスイッチ20のオン/オフ情報及び機関回転センサ30を通じて検出される機関回転情報に基づいてドライビングサイクル(DC)が判別される。そして、このドライビングサイクルごとに上記車載機器(ここでは酸素センサ11)の故障診断が行われる。
例えば、図10(a)及び(h)に示されるように、ドライビングサイクルが第1のドライビングサイクル(DC1)にあるときの終了タイミングt11では、上記異常判定情報の論理レベルが論理「H」レベル(異常)であるため、上記(c3)の切替条件が満たされる。このため、このタイミングt11では、上記バックアップメモリ114aに格納される故障保留コード(図10(h)破線)が論理「L」レベル(無効)から論理「H」レベル(有効)に切り替えられるかたちでまずは更新される。ただし、この故障保留コードは、この第1のドライビングサイクル(DC1)の終了タイミングt20にて上記バックアップメモリ114aから読み出されて不揮発性メモリ103に複写される(図10(h)実線)。また、同タイミングt20では、上記バックアップメモリ114aにその時点で格納されている異常判定情報(図10(d))の論理「H」レベルに基づき、上記不揮発性メモリ103に格納される上記故障カウンタがカウントアップされ、そのカウンタ値が「1」となる。なお、このバックアップメモリ114aに格納されている駆動指令出力情報(図10(g))が、第5のドライビングサイクル(DC5)の終了タイミングt40にて、論理「H」レベル(有効)から論理「L」レベル(無効)に切り替えられるかたちで更新される点は先の第1の実施の形態と同様である。
一方、ドライビングサイクルが第2のドライビングサイクル(DC2)に移行すると、上記バックアップメモリ114aに格納されている異常判定情報が論理「L」レベル(正常)から論理「H」レベル(異常)に切り替えられるタイミングt21にて、上記(a1)及び(a2)の論理積条件が満たされるようになる。したがって、このタイミングt21では、先の実施の形態と同様、上記バックアップメモリ114aに格納される駆動指令出力情報(図10(g))が論理「L」レベル(無効)から論理「H」レベル(有効)に切り替えられるかたちで更新される。ただし上述の通り、この実施の形態では、この駆動指令出力情報が、この第2のドライビングサイクル(DC2)の終了タイミングt30にて上記バックアップメモリ114aから読み出されて不揮発性メモリ103に複写されることはない。
また一方、ドライビングサイクルが第3のドライビングサイクル(DC3)に移行すると、該第3のドライビングサイクル(DC3)の終了タイミングt40にて、上記異常判定情報(図10(d))の論理「L」レベルに基づき、上記故障カウンタの故障カウンタ値が「0」となり、上記正常カウンタの正常カウンタ値が「1」となる。このため、上記不揮発性メモリ103及びバックアップメモリ114aに格納されている故障保留コード(図10(h))は、このタイミングt40にて、論理「H」レベル(有効)から論理「L」レベル(無効)に切り替えられるかたちでそれぞれ更新される。また、バックアップメモリ114aに格納されている上記駆動指令出力情報(図10(g))は、第5のドライビングサイクル(DC3)の終了タイミングt60にて、論理「H」レベル(有効)から論理「L」レベル(無効)に切り替えられるかたちで更新される。
このように、この実施の形態では、図10(d)〜(i)に示される故障情報のうち、ドライビングサイクルの1サイクル中に2回以上更新される第1の故障情報、具体的には異常判定情報(図10(d))及び駆動指令出力情報(図10(g))を、上記バックアップメモリ114aのみに格納するようにしている。すなわち、上記故障情報のうち上記ドライビングサイクルの1サイクル中に2回以上更新される第1の故障情報(上述の2種の故障情報など)についてはそれらの上記不揮発性メモリ103に対する書き込み処理を行わないようにしている。このため、それら情報の保持に対する信頼性を維持しつつ、不揮発性メモリ103としての容量的な無駄を排除することができるようになる。また、この場合には、上記故障情報の上記不揮発性メモリ103に対する書き込み処理の頻度が、上記ドライビングサイクルごとに故障診断が行われる上記条件下にあって最小頻度(1回)に設定されることとなる。したがって、故障診断に最低限必要とされるリアルタイム性を確保しつつ、上記不揮発性メモリ103に対する故障情報の書き込み処理にかかる処理負荷をより軽減することができるようになる。
さらに、上記故障情報のうち、上記ドライビングサイクルの1サイクル中に1回だけ更新される第1の故障情報、すなわち図10の例では故障カウンタ値(図10(e))、正常カウンタ値(図10(f))、故障保留コード(図10(h))、故障確定コード(図10(i))等についてはこれらを上記不揮発性メモリ103に書き込むようにしている。ドライビングサイクルごとに行われる上記故障診断のいわば最終的な診断結果ともいうべきこのような第2の故障情報を、情報保持の能力に優れる不揮発性メモリ103に格納することで、上記故障情報の信頼性も的確に確保されるようになる。
以上説明したように、この第2の実施の形態にかかる故障診断方法及び故障診断装置によっても、基本的には先の第1の実施の形態の前記(1)及び(5)の効果と同等、あるいはそれに準じた効果を得ることができるとともに、以下の効果を新たに得ることができるようになる。
(6)ドライビングサイクルの1サイクル中に2回以上更新される第1の故障情報を上記バックアップメモリ114aのみに書き込むこととしたため、不揮発性メモリ103としての容量的な無駄をより適切に排除することができるようになる。
(7)例えば故障保留コード(図10(h))など、上記ドライビングサイクルの1サイクル中に1回だけ更新される第2の故障情報を、バックアップメモリ114aにまずは格納しておき、上記各ドライビングサイクルの終了タイミングにて該バックアップメモリ114aから上記不揮発性メモリ103に同第2の故障情報を複写するようにした。このため、第2の故障情報の更新が車両の燃料噴射や点火時期制御などの制御などのリアルタイム性を要する制御の実行中に行われる場合であれ、それら車両の燃料噴射や点火時期制御などの制御などのリアルタイム性を要する制御の円滑な実行が確保されるようになる。
(8)上記第2の故障情報のうち、上記故障カウンタ値(図10(e))、正常カウンタ値(図10(f))、故障確定コード(図10(i))など、ドライビングサイクルの終了タイミングに、同不揮発性メモリ103にその時点で書き込まれている値と上記バックアップメモリ114aにその時点で書き込まれている他の故障情報の最新の値とから算出することのできる故障情報についてはこれらを上記不揮発性メモリ103のみに書き込むこととした。このため、上記第2の故障情報の書き込みによる上記車両の燃料噴射や点火時期制御などの制御などへの悪影響を回避しつつ、上記バックアップメモリ114aとしての容量的な無駄をさらに排除することができるようになる。
(他の実施の形態)
なお、上記各実施の形態は、以下のように変更して実施することもできる。
・車載機器の故障診断に際して、不揮発性メモリ103に格納することのできる故障情報の数よりも同不揮発性メモリ103に格納される故障情報の数のほうが大きい場合が考えられる。そしてこの場合、不揮発性メモリ103に故障情報を書き込むことが困難となり、故障情報の情報保持に対する信頼性の低下が懸念される。そこで、上記各実施の形態において、上記不揮発性メモリ103に書き込むことのできる故障情報の数に制限を設けるとともに、それら故障情報の各々に優先度を定めておき、例えば図11に示される手順に従って、マイクロコンピュータ110が上記不揮発性メモリ103に格納されている故障情報を消去するようにしてもよい。すなわちこの場合、マイクロコンピュータ110は、同図11に示されるように、例えばドライビングサイクルの終了タイミングごとに(ステップS700及びS710)、不揮発性メモリ103に書き込むべき新たな故障情報が発生したか否かの判断を行う(ステップS720)。そして、不揮発性メモリ103に書き込むべき新たな故障情報が発生したと判断される場合、マイクロコンピュータ110は次に、不揮発性メモリ103にその時点で書き込まれている故障情報の数が予め設定されている上限値(制限)にあるか否かの判断を行う(ステップS730)。その結果、同故障情報の数が予め設定されている上限値(制限)にあると判断される場合、同マイクロコンピュータ110は、例えば故障情報ごとに予め設定されている優先度に基づき、上記不揮発性メモリ103に格納されている故障情報のうち、優先度の最も低い故障情報を消去する(ステップS740)。そしてその後に、同マイクロコンピュータ110が、上記発生した新たな故障情報を上記不揮発性メモリ103に書き込むこととなる(ステップS750)。これにより、不揮発性メモリ103に格納することのできる故障情報の数よりも同不揮発性メモリ103に書き込まれるべき故障情報の数のほうが大きい場合であれ、ドライビングサイクルの終了タイミング(書き込み時)にて発生した新たな故障情報を、上記不揮発性メモリ103に的確に格納することができるようになる。なお、上記故障情報の各々に設定される優先度については、例えば、故障情報の種類に基づいて予め設定される情報の重要度や、上記不揮発性メモリ103に格納された順番等に基づいて同優先度を設定することができる。
・周知のように、フラッシュメモリ等からなる不揮発性メモリは、上述のバックアップメモリと比較して、消去動作、書き込み動作、読み出し動作の3つの動作のうち、特に消去動作および書き込み動作の2つの動作が遅い。このため、不揮発性メモリ103に格納されている各故障情報についての外部ツールからの消去要求があったとき、このタイミングにて、同不揮発性メモリ103に格納されている各故障情報の消去動作が実行されるようなことがあると、例えば、車両の燃料噴射や点火時期制御などの制御に対して悪影響を及ぼしかねない。そこで、上記各実施の形態において、バックアップメモリ114a及び不揮発性メモリ103に格納されている各故障情報についての外部ツールからの検査要求があったとき、例えば図12に示される手順に従って、マイクロコンピュータ110が同外部ツールからの検査要求に応答するようにしてもよい。すなわち、いま、電子制御装置100(マイクロコンピュータ110)に対して上記外部ツールからの検査要求があったとする。このような場合において、マイクロコンピュータ110はまず、図12に示されるように、外部ツールから上記バックアップメモリ114aに対して故障情報の消去要求があるか否かの判断を行う(ステップS800)。そして、故障情報の消去要求があったときにはその時点で、同マイクロコンピュータ110が上記バックアップメモリ114aに格納されている故障情報のうち上記消去要求のあった故障情報を消去するようにする(ステップS810)。そして、マイクロコンピュータ110は次に、同外部ツールから上記不揮発性メモリ103に対して故障情報の消去要求があるか否かの判断を行う(ステップS820)。その結果、不揮発性メモリ103に格納されている故障情報に消去要求があった場合、この故障情報については、同マイクロコンピュータ110が当該故障情報についての消去要求があった旨を示す情報を上記バックアップメモリ114aに書き込むようにする(ステップS830)。そしてその後に、マイクロコンピュータ110が、上記不揮発性メモリ103に格納されている故障情報(異常判定情報など)と上記バックアップメモリ114aに格納されている故障情報(前回の故障カウンタ値など)とから、上記外部ツールから要求された故障情報の最新値(最新の故障カウンタ値など)を求め(ステップS840)、この求めた故障情報を外部ツールに送信することで上記外部ツールからの検査要求に応答する(ステップS850)。こうした手順に従って上記外部ツールからの検査要求に対する応答処理が行われる場合、マイクロコンピュータ110は、バックアップメモリ114aに格納した上記故障情報についての消去要求があった旨を示す情報に基づき、この情報に対応する故障情報の消去動作を所望のタイミングに実行することが可能となる。そして、同故障情報の消去動作を、例えば、図13に示すように、ドライビングサイクルの終了タイミングに行うようにすれば、この不揮発性メモリ103に格納されている故障情報の消去動作が、車両の燃料噴射や点火時期制御などの制御に対して悪影響を及ぼすことも回避されるようになる。なお、この図13に示される例では、ドライビングサイクルの終了タイミングごとに(ステップS900及びS910)、故障情報についての消去要求があった旨を示す情報が上記バックアップメモリ114aに格納されているか否かの判断が行われる。そして、バックアップメモリ114aに該情報が格納されていると判断されるとき、同情報によって示されている上記外部ツールからの消去要求に対応する故障情報が上記不揮発性メモリ103から消去されることとなる。なお、この図13に示される例を、先の図4〜図6や図8、図9に示した故障情報の操作手順に適用するとした場合には、上記ステップS240、S310、S410、S540、S630の各処理の後に、上記ステップS920及びS930の処理が実行される。
・上記各実施の形態において、不揮発性メモリ103を、マイクロコンピュータ110内に設けるようにしてもよい。例えば、図14に示すように、電子制御装置100が各種制御プログラムやそれら制御で用いられる制御データ等をフラッシュメモリ213に格納するものであるとき、該フラッシュメモリ213に、プログラムメモリとして機能するプログラム領域213a及びデータメモリとして機能するデータ領域213bを設けるようにする。これにより、同マイクロコンピュータ110内のデータ領域213bを上記不揮発性メモリ103として用いることができるようになる。なお、同データ領域213bは、電気的に書き換え可能な不揮発性のメモリ領域であればよい。
・不揮発性メモリ103に格納されている故障情報に消去要求があった場合、この故障情報については、当該故障情報についての消去要求があった旨を示す情報を上記バックアップメモリ114aに書き込むようにした。ただし、この消去要求があった旨を示す情報については、不揮発性メモリ103に書き込むようにしてもよいし、上記バックアップメモリ114a及び不揮発性メモリ103に書き込むようにしてもよい。
・不揮発性メモリ103の書き込み動作や消去動作を、上記IGスイッチ20のオフ操作に基づいて実行するようにしても、車両の燃料噴射や点火時期制御などの制御に対して悪影響を及ぼすことなく、上記不揮発性メモリ103に対する書き込み処理を行うことができるようになる。なお、このような書き込み処理は、図15に示されるような故障診断装置に適用して特に有効である。すなわち、この故障診断装置は、リレー回路201内に設けられるメインリレースイッチのオン/オフ制御を通じて車載バッテリからの給電の有無を自己制御する電子制御装置200として構成されている。この電子制御装置200では、上記IGスイッチ20のオフ操作以降も上記車載バッテリからの給電が確保されるため、上記不揮発性メモリ103の書き込み動作や消去動作を的確に行うことが可能である。
・上記各実施の形態では、上記車載機器の故障状況を示す故障情報として、異常判定情報、故障カウンタ値、正常カウンタ値、駆動指令出力情報、故障保留コード、故障確定コードを例示したが、同故障情報はこれに限られない。例えば、上記ドライビングサイクルの1サイクル中に2回以上更新される第1の故障情報として、図16に例示する故障情報を挙げることができる。なお、この故障情報は、未診断状態M、正常状態S、類似正常状態R、異常状態Iの4つの状態を有し、例えば上記センサ群10からの出力信号に基づき、同故障情報がそれら4つの状態のいずれかにその都度更新されるものである。ただし、この故障情報では、例えばドライビングサイクルの開始タイミングごとにその状態が未診断状態Mに更新(初期化)される。また、この故障情報では、類似正常状態Rから正常状態Sの状態に変化することや、異常状態Iから正常状態Sや類似正常状態Rに変化することはない。
・上記各実施の形態では、表示部(MILランプ)40を駆動(点灯)させるべきか否かの判断に基づいて操作される駆動指令出力情報を、上記ドライビングサイクルの1サイクル中に2回以上更新される第1の故障情報に分類することとした。ただし、車載内燃機関がディーゼル機関である場合には、該機関に失火が生じることもないため、例えばMILランプの点滅といったかたちで表示部40を駆動すべく該駆動指令出力情報の論理レベルがその都度切り替わるようなこともない。したがってこの場合、同駆動指令出力情報は、上記ドライビングサイクルの1サイクル中に1回だけ更新される第2の故障情報として取り扱われることとなる。
・上記第2の実施の形態では、上記第1の故障情報を上記バックアップメモリ114aのみに格納するとともに、上記第2の故障情報を上記不揮発性メモリ103に格納する限りは、該第2の故障情報の全てを上記バックアップメモリ114aに書き込むようにしてもよい。この場合であれ、故障情報の保持に対する信頼性の向上と故障情報の書き込みにかかる処理負荷の軽減との好適な両立を図りつつ、それら故障情報の格納部としての容量的な無駄を排除することはできる。
・上記第1の実施の形態では、上記第1の故障情報を上記バックアップメモリ114aに格納するとともに上記第2の故障情報を上記不揮発性メモリ103のみに格納する限りは、上記IGスイッチ20のオフ操作に基づき、若しくはドライビングサイクルの終了タイミングごとに上記第1の故障情報の全てを上記バックアップメモリ114aに複写するようにしてもよい。この場合であれ、故障情報の保持に対する信頼性の向上と故障情報の書き込みにかかる処理負荷の軽減との好適な両立を図りつつ、それら故障情報の格納部としての容量的な無駄を排除することはできる。
この発明の第1の実施の形態にかかる故障診断装置について、各センサとの関係も含め、その全体構成を示すブロック図。 同実施の形態の異常判定情報(第1の故障情報)の操作についてその手順を示すフローチャート。 同実施の形態の故障カウンタ及び正常カウンタの各カウンタ値(第2の故障情報)の操作についてその手順を示すフローチャート。 同実施の形態の駆動指令出力情報(第1の故障情報)の操作についてその手順を示すフローチャート。 同実施の形態の故障保留コード(第2の故障情報)の操作についてその手順を示すフローチャート。 同実施の形態の故障確定コード(第2の故障情報)の操作についてその手順を示すフローチャート。 (a)〜(i)は、この実施の形態の異常判定情報、故障カウンタ値、正常カウンタ値、駆動指令出力情報、故障保留コード、及び故障確定コードの論理レベルの推移例を示すタイミングチャート。 この発明の第2の実施の形態にかかる故障診断装置について、その故障診断に際して行われる駆動指令出力情報(第1の故障情報)の操作についてその手順を示すフローチャート。 同実施の形態の故障保留コード(第2の故障情報)の操作についてその手順を示すフローチャート。 (a)〜(i)は、この実施の形態の異常判定情報、故障カウンタ値、正常カウンタ値、駆動指令出力情報、故障保留コード、及び故障確定コードの論理レベルの推移例を示すタイミングチャート。 不揮発性メモリに格納される故障情報の消去処理についてその手順を示すフローチャート。 外部ツールによる検査要求に対する応答処理についてその手順を示すフローチャート。 不揮発性メモリに格納される故障情報の消去処理についてその手順を示すフローチャート。 不揮発性メモリの配設態様のバリエーションを示すブロック図。 車載バッテリからの給電の有無を自己制御する電子制御装置として設けられる場合の該故障診断装置の構成を示すブロック図。 ドライビングサイクルの1サイクル中に2回以上更新される第1の故障情報のバリエーションを示す概念図。
符号の説明
10…センサ群、11…酸素センサ、12…温度センサ、20…イグニッション(IG)スイッチ、30…機関回転センサ、40…表示部、100、200…電子制御装置、101…マルチプレクサ、102…A/D変換器、103…不揮発性メモリ、104…駆動回路、110…マイクロコンピュータ(書き込み制御手段)、111…中央演算処理装置、112…入出力ポート、113…プログラムメモリ、114…データメモリ、114a…バックアップメモリ、201…リレー回路、213…フラッシュメモリ、213a…プログラム領域、213b…データ領域、B…車載バッテリ、BUS…内部バス。

Claims (20)

  1. 車載バッテリからのバックアップ電圧に基づいて記憶内容が保持されるバックアップメモリとバックアップ電圧を受けることなく記憶内容が保持される不揮発性メモリとに対して車載機器の故障状況を示す故障情報の書き込み処理を行いつつ、イグニッションスイッチのオン操作から再度のオン操作までの期間が基本的に1サイクルとして設定されるドライビングサイクルごとに前記故障情報に基づく車載機器の故障診断を行う故障診断方法において、
    前記故障情報を前記ドライビングサイクルの1サイクル中に2回以上更新される第1の故障情報と同ドライビングサイクルの1サイクル中に1回だけ更新される第2の故障情報とに分類し、該分類に基づいて前記第1及び第2の故障情報を前記バックアップメモリと前記不揮発性メモリとに書き分けるようにした
    ことを特徴とする故障診断方法。
  2. 前記不揮発性メモリに書き込まれる前記第2の故障情報は、前記バックアップメモリに書き込まれている最新の情報と前記不揮発性メモリにその時点で書き込まれている第2の故障情報とに基づいて、同第2の故障情報として新たに書き込まれるべき情報が算出される
    請求項1に記載の故障診断方法。
  3. 前記第2の故障情報を前記不揮発性メモリのみに書き込む
    請求項2に記載の故障診断方法。
  4. 前記第1の故障情報のうち、前記ドライビングサイクルの開始に伴って初期化される故障情報についてはこれを前記バックアップメモリのみに書き込む
    請求項3に記載の故障診断方法。
  5. 前記第1の故障情報を前記バックアップメモリのみに書き込む
    請求項2に記載の故障診断方法。
  6. 前記第2の故障情報のうち、前記不揮発性メモリへの書き込み時に、同不揮発性メモリにその時点で書き込まれている値と前記バックアップメモリにその時点で書き込まれている他の故障情報の最新の値とに基づいて算出することのできる故障情報についてはこれを前記不揮発性メモリのみに書き込む
    請求項5に記載の故障診断方法。
  7. 前記不揮発性メモリへの前記第2の故障情報の書き込みが、前記ドライビングサイクルの終了タイミングに同期して実行される
    請求項1〜6のいずれか一項に記載の故障診断方法。
  8. 前記不揮発性メモリへの前記第2の故障情報の書き込みが、前記イグニッションスイッチのオフ操作に基づいて実行される
    請求項1〜6のいずれか一項に記載の故障診断方法。
  9. 前記不揮発性メモリに書き込むことのできる故障情報の数に制限を設けるとともに、それら故障情報の各々に優先度を定め、前記不揮発性メモリへの故障情報の書き込みに際して前記故障情報の数が前記制限を超えるとき、優先度の低い故障情報から順次削除しつつ、新たな故障情報を同不揮発性メモリに書き込む
    請求項1〜8のいずれか一項に記載の故障診断方法。
  10. 前記バックアップメモリ及び前記不揮発性メモリに格納されている各故障情報についての外部ツールからの消去要求があったとき、前記バックアップメモリに格納されている消去要求故障情報については消去を行い、前記不揮発性メモリに格納されている消去要求故障情報については、当該故障情報についての消去要求があった旨を示す情報を前記バックアップメモリ及び前記不揮発性メモリの少なくとも一方に書き込む
    請求項1〜9のいずれか一項に記載の故障診断方法。
  11. 車載バッテリからのバックアップ電圧に基づいて記憶内容が保持されるバックアップメモリとバックアップ電圧を受けることなく記憶内容が保持される不揮発性メモリとに対して車載機器の故障状況を示す故障情報の書き込み処理を行いつつ、イグニッションスイッチのオン操作から再度のオン操作までの期間が基本的に1サイクルとして設定されるドライビングサイクルごとに前記故障情報に基づく車載機器の故障診断を行う故障診断装置において、
    前記故障情報を前記ドライビングサイクルの1サイクル中に2回以上更新される第1の故障情報と同ドライビングサイクルの1サイクル中に1回だけ更新される第2の故障情報とに分類し、該分類に基づいて前記第1及び第2の故障情報を前記バックアップメモリと前記不揮発性メモリとに書き分ける書き込み制御手段を備える
    ことを特徴とする故障診断装置。
  12. 前記書き込み制御手段は、前記不揮発性メモリへの前記第2の故障情報の書き込みに際し、前記バックアップメモリに書き込まれている最新の情報と前記不揮発性メモリにその時点で書き込まれている第2の故障情報とに基づき同第2の故障情報として新たに書き込むべき情報を算出し、該算出した情報を前記不揮発性メモリに書き込むものである
    請求項11に記載の故障診断装置。
  13. 前記書き込み制御手段は、前記第2の故障情報を前記不揮発性メモリのみに書き込むものである
    請求項12に記載の故障診断装置。
  14. 前記書き込み制御手段は、前記第1の故障情報のうち、前記ドライビングサイクルの開始に伴って初期化される故障情報についてはこれを前記バックアップメモリのみに書き込むものである
    請求項13に記載の故障診断装置。
  15. 前記書き込み制御手段は、前記第1の故障情報を前記バックアップメモリのみに書き込むものである
    請求項12に記載の故障診断装置。
  16. 前記書き込み制御手段は、前記第2の故障情報のうち、前記不揮発性メモリにその時点で書き込まれている値と前記バックアップメモリにその時点で書き込まれている他の故障情報とに基づいて算出することのできる故障情報についてはこれを前記不揮発性メモリのみに書き込むものである
    請求項15に記載の故障診断装置。
  17. 前記書き込み制御手段は、前記不揮発性メモリへの前記第2の故障情報の書き込みを、前記ドライビングサイクルの終了タイミングに同期して実行する
    請求項10〜16のいずれか一項に記載の故障診断装置。
  18. 前記書き込み制御手段は、前記不揮発性メモリへの前記第2の故障情報の書き込みを、前記イグニッションスイッチのオフ操作に基づいて実行する
    請求項10〜16のいずれか一項に記載の故障診断装置。
  19. 前記書き込み制御手段は、前記不揮発性メモリに書き込むことのできる故障情報の数に制限を設けるとともに、それら故障情報の各々に優先度を定め、前記不揮発性メモリへの故障情報の書き込みに際して前記故障情報の数が前記制限を超えるとき、優先度の低い故障情報から順次削除しつつ、新たな故障情報を同不揮発性メモリに書き込むものである
    請求項10〜18のいずれか一項に記載の故障診断装置。
  20. 前記書き込み制御手段は、前記バックアップメモリ及び前記不揮発性メモリに格納されている各故障情報についての外部ツールからの消去要求があったとき、前記バックアップメモリに格納されている消去要求故障情報については消去を行い、前記不揮発性メモリに格納されている消去要求故障情報については、当該故障情報についての消去要求があった旨を示す情報を前記バックアップメモリ及び前記不揮発性メモリの少なくとも一方に書き込むものである
    請求項10〜19のいずれか一項に記載の故障診断装置。
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