JP4035996B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アクセル操作等に基づいてスロットルバルブをモータ等で駆動してスロットル開度を電気的に制御する電子スロットルシステムを備えた内燃機関の制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車に搭載されている電子スロットルシステムは、アクセルペダルの踏込量(アクセル操作量)をアクセルセンサにより検出すると共に、その検出値に応じて目標スロットル開度を設定し、スロットルバルブの開度(スロットル開度)をスロットル開度センサにより検出しながらスロットルバルブをDCモータ等で駆動して、実スロットル開度を目標スロットル開度に制御するようにしている。
【0003】
この電子スロットルシステムでは、スロットル開度センサの個体差(出力特性のばらつき)や組付誤差等によってスロットル開度の検出誤差が生じ、この検出誤差がスロットル開度制御精度を低下させる原因となる。この対策として、イグニッションスイッチのオン操作直後(エンジン始動直前)にスロットル開度を基準位置(例えば全閉位置)に制御したときのスロットル開度センサの出力値を読み込んで基準位置を学習するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、一般に、電子スロットルシステムでは、目標スロットル開度の変化に対して実スロットル開度の変化に応答遅れがあり、特にエンジン始動時(スタータモータのオン時)はバッテリ電圧が低下してスロットルバルブの駆動モータの駆動力が低下するため、実スロットル開度の応答遅れが更に大きくなる傾向がある。このような事情から、前述したようにエンジン始動直前にスロットル開度を基準位置(例えば全閉位置)に制御して基準位置を学習すると、その学習直後のエンジン始動時にスロットル開度が基準位置から始動時の目標スロットル開度に開かれるまでに多少の時間遅れが生じる。その結果、エンジン始動時にスロットル開度が十分に開かれる前に燃料噴射が開始されてしまてい、吸入空気量が十分に得られない状態で燃料噴射が開始されてしまうため、始動時の空燃比が過リッチ状態になってしまい、始動性や排気エミッションを悪化させる可能性がある。特に寒冷時には、過リッチ状態の始動が繰り返されると、点火プラグが燻ってしまうおそれがあり、完全に始動不能になる可能性もある。
【0005】
本発明はこのような事情を考慮してなされたものであり、従ってその目的は、始動直前にスロットル開度を基準位置に制御して基準位置を学習するシステムにおいて、内燃機関の始動性の向上と排気エミッションの低減を実現することができる内燃機関の制御装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1の内燃機関の制御装置は、始動直前にスロットル開度を基準位置に制御して該基準位置を基準位置学習手段で学習し、始動時にスロットル開度を始動時目標スロットル開度に制御する過程でスロットル開度が内燃機関の始動に適した必要最低限の吸入空気流量を確保できる所定開度を越えるまで燃料噴射禁止手段により燃料噴射を禁止するようにしたものである。このようにすれば、始動時にスロットル開度が吸入空気量をある程度確保できる開度となるまで燃料噴射を禁止して、その後、吸入空気量をある程度確保できる開度に開かれてから燃料噴射を開始することができるため、始動時にスロットル開度が基準位置から始動時の目標スロットル開度に開かれるまでに多少の時間遅れが生じるという事情があっても、始動時の空燃比が過リッチ状態になることを防止することができ、内燃機関の始動性を向上することができると共に、始動時の排気エミッションを低減することができる。
【0007】
この場合、始動時に燃料噴射の禁止から許可に切り換えるスロットル開度(所定開度)は、予め設定した固定値としても良いが、請求項2のように、始動時の目標スロットル開度に応じて設定するようにしても良い。このようにすれば、始動条件(冷却水温等)に応じて始動時の目標スロットル開度が変化するのに対応して所定開度を適正なスロットル開度に変化させることができ、始動性や排気エミッションを更に向上することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図1乃至図9に基づいて説明する。まず、図1に基づいて内燃機関であるエンジン11の制御システム全体の概略構成を説明する。エンジン11の吸気管12の上流側にはエアクリーナ13が装着され、その下流側には吸入空気量Ga を測定するエアフローメータ14が設置され、更に、その下流側にスロットルバルブ15が設けられている。このスロットルバルブ15の回動軸15aにはDCモータ等のモータ17(スロットルアクチュエータ)が連結され、このモータ17の駆動力によってスロットルバルブ15の開度(スロットル開度)が制御され、このスロットル開度がスロットル開度センサ18によって検出される。この場合、アイドル時も、モータ17の駆動力によってスロットル開度を制御し、それによって吸入空気量Ga を制御してエンジン回転速度を目標アイドル回転速度に一致させるようにフィードバック制御する。
【0009】
スロットルバルブ15を通過した吸入空気をエンジン11の各気筒に導入する吸気マニホールド19には、インジェクタ20が取り付けられ、また、エンジン11の各気筒のシリンダヘッドには点火プラグ21が取り付けられている。エンジン11のクランク軸22に嵌着されたシグナルロータ23の外周に対向してクランク角センサ24が設置され、このクランク角センサ24から出力されるクランク角信号Neのパルスが電子制御ユニット(ECU)25に取り込まれ、このクランク角信号Neの発生周波数によってエンジン回転速度が検出される。
【0010】
一方、アクセルペダル26の踏込量(アクセル操作量)がアクセルセンサ27によって検出され、このアクセル操作量に応じた電圧信号Apが電子制御ユニット25にA/D変換器28を介して取り込まれる。また、エアフローメータ14で検出した吸入空気量Ga やスロットル開度センサ18で検出したスロットル開度TAの各電圧信号も、電子制御ユニット25にA/D変換器28を介して取り込まれる。
【0011】
この電子制御ユニット25は、CPU29、ROM30、RAM31等を備えたマイクロコンピュータを主体として構成され、ROM30に記憶されているエンジン制御用の各種ルーチンをCPU29で実行することで、点火プラグ21の点火時期を制御すると共に、インジェクタ駆動回路45を介してインジェクタ20に与える噴射信号のパルス幅を制御し、燃料噴射量を制御する。
【0012】
次に、図2に基づいて電子スロットルシステムの構成を説明する。アクセルペダル26の回転軸33にはアクセルレバー34が連結固定され、このアクセルレバー34がアクセルリターンスプリング35,36によって図2の下方(アクセル閉鎖方向)に付勢されている。そして、アクセルペダル26を踏み込まない状態(アクセルOFF)では、アクセルレバー34はアクセルリターンスプリング35,36によってアクセル全閉ストッパ37に当接した状態に保持される。エンジン運転中は、アクセルレバー34の位置がアクセルセンサ27によってアクセル操作量Apとして検出される。
【0013】
一方、スロットルバルブ15の回動軸15aにはバルブレバー38が連結固定され、このバルブレバー38がオープナスプリング39によって図2の上方(スロットルバルブ15の開方向)に付勢されている。このバルブレバー38の開側にオープナ40が掛合するように配置され、このオープナ40がリターンスプリング41によって図2の下方(スロットルバルブ15の閉方向)に付勢されている。このリターンスプリング41の引張力はオープナスプリング39の引張力よりも大きく設定されている。尚、これらバルブレバー38、オープナスプリング39、オープナ40、リターンスプリング41及びオープナストッパ42によってオープナ機構47が構成されている。
【0014】
通常制御時(モータ17のON時)には、アクセルペダル26の操作に応じてモータ17を正転又は逆転させてスロットルバルブ15の開度(スロットル開度)を調整し、そのときのスロットル開度がスロットル開度センサ18によって検出される。この際、スロットル開度を開く場合には、モータ17を正回転させて、図2(a)に示すように、バルブレバー38がリターンスプリング41の引張力に抗してオープナ40を押し上げながら、スロットルバルブ15を開方向に駆動する。これとは反対に、スロットル開度を閉じる場合には、モータ17を逆回転させてバルブレバー38を下降させながらスロットルバルブ15を閉方向に駆動し、スロットルバルブ15を全閉位置(0deg)まで閉じたときに、バルブレバー38がスロットル全閉ストッパ43に当接して、それ以上の回動が阻止される。
【0015】
一方、電子スロットルシステムの異常時には、モータ駆動回路32からモータ17への通電路中に設けられた安全回路46が作動して、モータ17への通電が遮断(OFF)された状態に保たれる。この状態では、図2(b)に示すように、リターンスプリング41の引張力がオープナスプリング39の引張力に打ち勝って、オープナ40がオープナストッパ42に当接した状態に保持される。この状態では、オープナ40によりバルブレバー38の位置(スロットル開度)がオープナストッパ42で規制される所定開度(例えば約5〜10deg)に保持され(以下、この開度を「オープナ開度」という)、退避走行時の吸入空気量が確保される。退避走行時は、オープナ機構47によりスロットルバルブ15がオープナ開度に保持された状態で、電子制御ユニット25がアクセルペダル26の踏込量に応じて、燃料カットを織り混ぜた燃料噴射制御を行うことで、車速を制御する。
【0016】
電子制御ユニット25は、ROM30に記憶されているスロットル制御用の各種ルーチンをCPU29で実行することで、図3に示すように、アクセル操作量Apに基づいて設定されるドライバ要求目標スロットル開度、トラクション制御中に設定されるトラクション目標スロットル開度、定速走行制御(クルーズコントロール)中に設定される定速走行目標スロットル開度、後述する基準位置学習制御中に設定される基準位置学習時目標スロットル開度の中から選択した目標スロットル開度と、ISC目標スロットル開度(アイドル回転速度制御時の目標スロットル開度)とを、基準位置(スロットルバルブ15の全閉位置におけるスロットル開度センサ17の検出値)に加算して最終目標スロットル開度を設定する。そして、電子制御ユニット25は、スロットル開度センサ18で検出したスロットル開度を最終目標スロットル開度に一致させるように、モータ駆動回路32を介してスロットルバルブ15のモータ17をPID制御等によりフィードバック制御する。この電子制御ユニット25の機能が特許請求の範囲でいうスロットル制御手段に相当する役割を果たす。
【0017】
電子制御ユニット25は、スロットル開度センサ18の個体差や組付誤差等によるスロットル開度の検出誤差を排除するために、図4乃至図6に示す基準位置学習用の各ルーチンを実行することで、エンジン始動直前にスロットルバルブ15を基準位置(本実施形態では全閉位置)に制御して、スロットルバルブ15が基準位置のときのスロットル開度センサ18の検出値を読み込んで基準位置を学習する。
【0018】
しかし、エンジン始動直前にスロットル開度を基準位置(全閉位置)に制御して基準位置を学習すると、その学習直後のエンジン始動時にスロットル開度が基準位置から始動時の目標スロットル開度に開かれるまでに多少の時間遅れが生じる。このため、エンジン始動時にスロットル開度が始動に適した吸入空気量を確保できる開度に開かれる前に燃料噴射が開始されてしまい、始動時の空燃比が過リッチ状態になってしまうため、始動性や排気エミッションが悪化する可能性がある。
【0019】
そこで、電子制御ユニット25は、図8に示す始動時燃料噴射許可判定ルーチンを実行することで、エンジン始動時にスロットル開度を基準位置から始動時の目標スロットル開度に制御する過程で、スロットル開度が始動に適した必要最低限の吸入空気量を確保できる所定開度を越えるまで燃料噴射を禁止することで、始動時の空燃比が過リッチ状態になることを防止し、その後、スロットル開度が始動に適した必要最低限の吸入空気量を確保できる所定開度を越えてから燃料噴射を開始することで、始動に適した空燃比で始動できるようにする。
【0020】
一方、電子制御ユニット25は、図9に示すエンスト時再学習ルーチンを実行することで、エンジン運転中にエンジンストールが発生したときに、スロットル開度センサ18の出力値(スロットル開度の検出値)が温度特性によって真値からずれている可能性があると判断して、スロットル開度の基準位置を再学習し、エンジン運転中のスロットル開度センサ18の温度変化による出力変化(スロットル開度の検出値のずれ)を補償する。
【0021】
以下、電子制御ユニット25が実行する各ルーチンの処理内容を説明する。
図4に示す基準位置学習ルーチンは、イグニッションスイッチ(以下「IGスイッチ」と表記する)のオン後に所定周期で繰り返し実行され、特許請求の範囲でいう基準位置学習手段としての役割を果たす。本ルーチンが起動されると、まず、ステップ101で、後述する図5の学習許可判定ルーチンを実行し、次のステップ102で、図5の学習許可判定ルーチンの処理結果に基づいて基準位置学習が許可されているか否かを判定する。もし、基準位置学習が禁止されていれば、以降の基準位置学習処理(ステップ103〜106)を実行することなく、本ルーチンを終了する。
【0022】
一方、基準位置学習が許可されていれば、ステップ103以降の基準位置学習処理を次のようにして実行する。まず、ステップ103で、後述する図6の基準位置学習時目標スロットル開度変更ルーチンを実行して、図7のタイムチャートに示すように、基準位置学習時目標スロットル開度TALRN を初期値TA1 から閉方向に徐々に変更することで、スロットルバルブ15を徐々に閉じてスロットル開度を基準位置である全閉位置に近付けていく。
【0023】
この後、ステップ104に進み、スロットル開度センサ18で検出した実スロットル開度が安定したか否か(つまりバルブレバー38がスロットル全閉ストッパ43に当接してスロットルバルブ15の閉動作が停止したか否か)を判定し、実スロットル開度が安定したと判定された時点で、スロットルバルブ15が基準位置である全閉位置まで閉じたと判断して、ステップ105に進み、スロットルバルブ15が全閉位置のときのスロットル開度センサ18の検出値を基準位置として読み込んで、それを新たな基準位置の学習値S0 として更新する。この基準位置の学習値S0 は、電子制御ユニット25のバックアップRAM(図示せず)に記憶される。
【0024】
この後、ステップ106に進み、基準位置学習終了フラグを、スロットル開度の基準位置学習を終了したことを意味する「1」にセットした後、本ルーチンを終了する。
【0025】
一方、前記ステップ101で起動される図5に示す学習許可判定ルーチンでは、まず、ステップ201〜204で、基準位置学習実行条件が成立しているか否かを判定する。ここで、基準位置学習実行条件は、例えば、次の▲1▼〜▲4▼の条件を全て満たすことである。
【0026】
▲1▼IGスイッチがオンされた状態であること(ステップ201)
▲2▼エンジン始動前、つまり、エンジン回転が停止していること(ステップ202)
▲3▼今回の基準位置学習が未終了、つまり、基準位置学習終了フラグが「0」であること(ステップ203)
▲4▼前回のエンジン停止時の冷却水温THWold と現在の冷却水温THWとの差の絶対値が所定値よりも大きいこと(ステップ204)
【0027】
この▲4▼の条件により前回のエンジン停止時の冷却水温THWold と現在の冷却水温THWとの差が小さければ、前回の基準位置の学習値を更新する必要はないと判断して今回のエンジン始動直前の基準位置学習を実行しない。
上記▲1▼〜▲4▼の条件を全て満たせば、基準位置学習実行条件が成立して、ステップ205に進み、基準位置学習を許可した後、本ルーチンを終了する。
【0028】
一方、上記▲1▼〜▲4▼の条件のうちのいずれか1つでも満たさない条件があれば、基準位置学習実行条件が不成立となり、ステップ206に進み、基準位置学習を禁止した後、本ルーチンを終了する。
【0029】
また、前記ステップ103で、図6に示す基準位置学習時目標スロットル開度変更ルーチンが起動されると、まず、ステップ301で、基準位置学習が禁止から許可に切り替わった直後であるか否かを判定し、基準位置学習が禁止から許可に切り替わった直後であれば、ステップ302に進み、基準位置学習時目標スロットル開度TALRN を初期値TA1 にセットする。
TALRN =TA1
【0030】
これに対し、上記ステップ301で、基準位置学習が禁止から許可に切り替わった直後でないと判定された場合は、ステップ303に進み、基準位置学習が許可されているか否かを判定し、基準位置学習が許可されていれば、ステップ304に進み、次式により基準位置学習時目標スロットル開度TALRN を所定量ΔTAずつ閉じ側に補正する。
TALRN(n)=TALRN(n-1)−ΔTA
これにより、スロットルバルブ15を徐々に閉じて実スロットル開度を基準位置である全閉位置に近付けていく。
【0031】
その後、基準位置学習が終了して基準位置学習が禁止されたときに、ステップ303で「No」と判定されて、ステップ305に進み、基準位置学習時目標スロットル開度TALRN を0にリセットする。
【0032】
また、図8に示す始動時燃料噴射許可判定ルーチンは、IGスイッチのオン後に所定周期で繰り返し実行される。本ルーチンが起動されると、まず、ステップ401、402で、始動時燃料噴射条件が成立しているか否かを判定する。ここで、始動時燃料噴射条件は、例えば、次の▲1▼と▲2▼の条件を両方とも満たすことである。
【0033】
▲1▼今回の基準位置学習が終了したこと、つまり、基準位置学習終了フラグが「1」であること(ステップ401)
▲2▼始動時の目標スロットル開度に対する実スロットル開度の比率が所定比率k(k<1)よりも大きいこと、換言すれば、実スロットル開度が始動時の目標スロットル開度に所定比率kを乗算して求めた所定開度よりも大きいこと(ステップ402)
【0034】
ここで、所定比率kは、エンジン始動時にスロットル開度が始動に適した吸入空気量を確保できる必要最低限のスロットル開度に開かれるまで燃料噴射を禁止するための判定基準値であり、始動時の目標スロットル開度に所定比率kを乗算して求めた所定開度が、始動に適した吸入空気量を確保するのに必要最低限のスロットル開度となるように設定されている。この所定比率kは、予め設定した固定値としても良いが、始動時の目標スロットル開度又は始動条件(冷却水温等)に応じて設定するようにしても良い。
【0035】
上記▲1▼と▲2▼の条件のうち一方でも満たさない条件があれば、始動時燃料噴射条件が不成立となり、ステップ403に進み、基準位置学習終了後のエンジン始動時にスロットル開度が所定開度を越えるまで燃料噴射を禁止する。このステップ403の処理が特許請求の範囲でいう燃料噴射禁止手段に相当する役割を果たす。これにより、エンジン始動時にスロットル開度が始動に適した吸入空気量を確保できる必要最低限の開度に開かれるまで燃料噴射を禁止して始動時の空燃比が過リッチ状態になることを防止する。
【0036】
その後、上記▲1▼と▲2▼の条件を両方とも満たして始動時燃料噴射条件が成立したとき、つまり、基準位置学習終了後のエンジン始動時にスロットル開度が所定開度を越えたときに、ステップ404に進み、燃料噴射を許可する。これにより、エンジン始動時に、始動に適した必要最低限の吸入空気量を確保できるスロットル開度に開かれてから燃料噴射を開始して、始動に適した空燃比で始動できるようにする。
【0037】
一方、図9に示すエンスト時再学習ルーチンは、IGスイッチのオン後に所定周期で繰り返し実行される。本ルーチンが起動されると、まず、ステップ501〜503で、基準位置の再学習実行条件が成立しているか否かを判定する。ここで、基準位置の再学習実行条件は、例えば、次の▲1▼〜▲3▼の条件を全て満たすことである。
【0038】
▲1▼エンジン回転速度Neが完爆判定値を越えたこと、つまり、始動完了後であること(ステップ501)
▲2▼エンジンストールが発生したこと(ステップ502)
ここで、エンジンストールが発生したか否かは、例えば、クランク角センサ24からクランク角信号が所定期間出力されていないか否かによって判定すれば良い。或は、カム角センサからカム角信号が所定期間出力されていないか否かによって判定しても良い。また、エンジン回転速度が所定回転速度以下に低下したか否かによって判定しても良い。
▲3▼IGスイッチがオンされた状態であること(ステップ503)
【0039】
上記▲1▼〜▲3▼の条件を全て満たした場合には、基準位置の再学習実行条件が成立するが、上記▲1▼〜▲3▼の条件のうちのいずれか1つでも満たさない条件があれば、基準位置の再学習実行条件が不成立となり、そのまま本ルーチンを終了する。
【0040】
一方、上記▲1▼〜▲3▼の条件を全て満たして基準位置の再学習実行条件が成立した場合、つまり、エンジン運転中にエンジンストールが発生した場合には、スロットル開度センサ18の出力値(スロットル開度の検出値)が温度特性によって真値からずれている可能性があると判断して、ステップ504に進み、スロットル開度の基準位置を再学習するために、基準位置学習終了フラグを、基準位置学習の未終了を意味する「0」にリセットする。これにより、前記図5の学習許可判定ルーチンで、再び基準位置学習実行条件が成立してスロットル開度の基準位置学習が許可されるため、前記図4の基準位置学習ルーチンで、スロットル開度の基準位置が再学習されて基準位置の学習値S0 が更新される。
【0041】
以上説明した本実施形態によれば、エンジン始動直前にスロットル開度を基準位置(例えば全閉位置)に制御して基準位置を学習するシステムでは、学習終了直後のエンジン始動時にスロットル開度が基準位置から始動時の目標スロットル開度に開かれるまでに多少の時間遅れが生じることを考慮して、エンジン始動時にスロットル開度を基準位置から始動時の目標スロットル開度に制御する過程で、スロットル開度が始動に適した必要最低限の吸入空気量を確保できる所定開度を越えるまで燃料噴射を禁止することで、始動時の空燃比が過リッチ状態になることを防止することができ、その後、スロットル開度が始動に適した必要最低限の吸入空気量を確保できるスロットル開度を越えてから燃料噴射を開始することができる。その結果、エンジン始動時に燃料噴射開始当初から始動に適した空燃比にすることが可能となり、エンジン11の始動性向上と始動時の排気エミッション低減を実現することができる。
【0042】
また、本実施形態では、エンジン始動時に燃料噴射の禁止から許可に切り換えるスロットル開度(所定開度)を、始動時の目標スロットル開度に所定比率kを乗算して求めたスロットル開度に設定するようにしたので、始動条件(冷却水温等)に応じて始動時の目標スロットル開度が変化するのに対応して所定開度を適正なスロットル開度に設定することができ、始動性や排気エミッションを更に向上することができる。
【0043】
尚、所定開度は、目標スロットル開度に応じてマップにより設定しても良く、また、演算処理の簡略化のために、所定開度を、予め設定した固定値としても良い。
【0044】
また、本実施形態では、エンジン始動直前にスロットル開度の基準位置として全閉位置を学習するようにしたが、図10に示す他の実施形態のように、エンジン始動直前にスロットル開度の基準位置としてオープナ開度を学習するようにしても良い。この場合、図4の基準位置学習ルーチンに従って基準位置学習処理を実行する際に、ステップ103で、図6の基準位置学習時目標スロットル開度変更ルーチンに代えて図10の基準位置学習時スロットル開度変更ルーチンを実行して、スロットルバルブ15のモータ17への通電をOFFする。これにより、基準位置学習時に、オープナ機構47のスプリング力によってスロットル開度がオープナ開度に保持されるため、スロットル開度の基準位置としてオープナ開度を学習することができる。
【0045】
一般に、低温時には、始動時の目標スロットル開度がオープナ開度よりも大きいスロットル開度に設定されるので、エンジン始動直前にスロットル開度を基準位置であるオープナ開度に制御するシステムの場合にも、エンジン始動時にスロットル開度が始動時の目標スロットル開度に開かれるまでに多少の時間遅れが生じる。従って、エンジン始動直前にオープナ開度を学習するシステムでも、本発明を適用すれば、エンジン始動時に、スロットル開度が始動に適した必要最低限の吸入空気量を確保できる所定開度を越えるまで燃料噴射を禁止することができて、始動時の空燃比が過リッチ状態になることを防止することができ、エンジン11の始動性向上と始動時の排気エミッション低減を実現することができる。
【0046】
その他、本発明は、電子スロットルシステムの構成を適宜変更しても良く、例えば、モータ17とスロットルバルブ15の回動軸15aとの間に電磁クラッチを介在させた構成としても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すエンジン制御システム全体の概略構成図
【図2】電子スロットルシステムの概略構成図で、(a)は通常正常時(モータON時)の状態を示す図、(b)はモータOFF時の状態を示す図
【図3】電子制御ユニットのスロットル制御機能の基本的な構成を概略的に示す機能ブロック図
【図4】基準位置学習ルーチンの処理の流れを示すフローチャート
【図5】学習許可判定ルーチンの処理の流れを示すフローチャート
【図6】基準位置学習時目標スロットル開度変更ルーチンの処理の流れを示すフローチャート
【図7】基準位置学習方法を説明するためのタイムチャート
【図8】始動時燃料噴射許可判定ルーチンの処理の流れを示すフローチャート
【図9】エンスト時再学習ルーチンの処理の流れを示すフローチャート
【図10】他の実施形態の基準位置学習時スロットル開度変更ルーチンの処理の流れを示すフローチャート
【符号の説明】
11…エンジン(内燃機関)、12…吸気管、14…エアフローメータ、15…スロットルバルブ、17…モータ(スロットルアクチュエータ)、18…スロットル開度センサ、25…電子制御ユニット(スロットル制御手段,基準位置学習手段,燃料噴射禁止手段)、26…アクセルペダル、27…アクセルセンサ、34…アクセルレバー、35,36…アクセルリターンスプリング、37…アクセル全閉ストッパ、38…バルブレバー、39…オープナスプリング、40…オープナ、41…リターンスプリング、42…オープナストッパ、43…スロットル全閉ストッパ、47…オープナ機構。

Claims (2)

  1. スロットルバルブを駆動するスロットルアクチュエータと、前記スロットルバルブの開度(以下「スロットル開度」という)を検出するためのスロットル開度センサと、このスロットル開度センサで検出したスロットル開度をアクセル操作等に基づいて設定された目標スロットル開度に一致させるように前記スロットルアクチュエータを制御するスロットル制御手段とを備えた内燃機関の制御装置において、
    内燃機関の始動直前に前記スロットル開度を基準位置に制御して該基準位置を学習する基準位置学習手段と、
    内燃機関の始動時に前記スロットル開度を始動時の目標スロットル開度に制御する過程で該スロットル開度が内燃機関の始動に適した必要最低限の吸入空気流量を確保できる所定開度を越えるまで燃料噴射を禁止する燃料噴射禁止手段とを備えていることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記燃料噴射禁止手段は、前記所定開度を前記始動時の目標スロットル開度に応じて設定することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
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