JP2836455B2 - アイドルスピードコントロールシステムの診断方法 - Google Patents

アイドルスピードコントロールシステムの診断方法

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JP2836455B2
JP2836455B2 JP5223121A JP22312193A JP2836455B2 JP 2836455 B2 JP2836455 B2 JP 2836455B2 JP 5223121 A JP5223121 A JP 5223121A JP 22312193 A JP22312193 A JP 22312193A JP 2836455 B2 JP2836455 B2 JP 2836455B2
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    • F02DCONTROLLING COMBUSTION ENGINES
    • F02D41/00Electrical control of supply of combustible mixture or its constituents
    • F02D41/22Safety or indicating devices for abnormal conditions
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Testing Of Engines (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関(以下、「エ
ンジン」という)のアイドル運転時にエンジン回転数を
制御するアイドルスピードコントロールシステムに関
し、特にこのアイドルスピードコントロールシステムの
状態を診断する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、エンジンのアイドル運転状態
に応じてアイドル目標回転数を設定し、このアイドル目
標回転数に基づいて、エンジンへ供給する空気量を制御
することにより、エンジン回転数がアイドル目標回転数
となるようにフィードバック制御することが行なわれて
いるが、更にかかるアイドルスピードコントロールシス
テムについての故障判定を行なう手法も種々提案されて
いる。
【0003】例えば、エンジン回転数偏差が所定値以上
となり、その状態が所定時間以上継続したときには、ア
イドルスピードコントロールシステムによる回転数制御
を中止するもの(特開昭56−141036号公報参
照)や、アイドル目標回転数が変化したときに所定時間
内にエンジン回転数がアイドル目標回転数を中心とした
所定範囲内に入らないときは、システムが異常と判定す
るもの(特開昭60−104738号公報参照)等が提
案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の手法では、エンジン回転数が本来制御される
べき回転数範囲内に一旦入ると、即座にシステムが正常
であると判定し、その後にシステムが異常になることに
ついては考慮していないので、オンボードでシステム故
障診断情報を収集するような場合に、信頼性の高い情報
を得ることが難しいという課題がある。
【0005】本発明は、このような課題に鑑み創案され
たもので、エンジン回転数が本来制御されるべき回転数
範囲内に一旦入った後も、即座にシステムが正常である
とは判定せず、且つ、その後にシステムが異常になるこ
とについても考慮するような診断手法を採用することに
より、例えばオンボードでシステム故障診断情報を収集
するような場合でも、信頼性の高い情報を得ることがで
きるようにした、アイドルスピードコントロールシステ
ムの診断方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1記載
の本発明のアイドルスピードコントロールシステムの診
断方法は、内燃機関の運転状態がフィードバック制御モ
ードのときにアイドル目標回転数と機関回転数とを比較
し、この比較結果に基づき、該内燃機関へ供給する空気
量を制御することにより、機関回転数が該アイドル目標
回転数となるようにフィードバック制御するアイドルス
ピードコントロールシステムにおいて、次のようなステ
ップをとる。
【0007】(1−1)該フィードバック制御モードで
の運転時に、機関回転数が該アイドル目標回転数を中心
とする所要の回転数範囲内に入ったあと、機関回転数が
該回転数範囲を逸脱すると、該アイドルスピードコント
ロールシステムは異常であると判定するステップ
【0008】
【0009】た、請求項記載の本発明のアイドルス
ピードコントロールシステムの診断方法は、上記のアイ
ドルスピードコントロールシステムにおいて、次のよう
なステップをとる。
【0010】(2−1)該フィードバック制御モードに
入ってから第1の設定時間以内に、機関回転数が該アイ
ドル目標回転数を中心とする所要の回転数範囲内に入
り、この状態が第2の設定時間以上継続されると、該ア
イドルスピードコントロールシステムは正常であると判
定するステップ。 (2−2)該フィードバック制御モードに入ってから
1の設定時間以内に、機関回転数が該回転数範囲内に入
ったが、その後、この状態が該第2の設定時間継続され
る以前に機関回転数が該回転数範囲を逸脱すると、該ア
イドルスピードコントロールシステムは異常であると判
定するステップ。
【0011】らに、上記の請求項1又は請求項2の方
法において、該回転数範囲の上限回転数と該アイドル目
標回転数との差が、該アイドル目標回転数と該回転数範
囲の下限回転数との差よりも大きくなるように、該回転
数範囲を設定してもよい(請求項)。
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【作用】上述の請求項1記載の本発明のアイドルスピー
ドコントロールシステムの診断方法では、上記のアイド
ルスピードコントロールシステムにおいて、該フィード
バック制御モードでの運転時に、機関回転数が該アイド
ル目標回転数を中心とする所要の回転数範囲内に入った
あと、機関回転数が該回転数範囲を逸脱すると、該アイ
ドルスピードコントロールシステムは異常であると判定
する。
【0016】
【0017】
【0018】また、請求項2記載の本発明のアイドルス
ピードコントロールシステムの診断方法では、上記のア
イドルスピードコントロールシステムにおいて、該フィ
ードバック制御モードに入ってから第1の設定時間以内
に、機関回転数が該アイドル目標回転数を中心とする所
要の回転数範囲内に入り、この状態が第2の設定時間以
上継続されると、該アイドルスピードコントロールシス
テムは正常であると判定する一方、該フィードバック制
御モードに入ってから該第1の設定時間以内に、機関回
転数が該回転数範囲内に入ったが、その後、この状態が
該第2の設定時間継続される以前に機関回転数が該回転
数範囲を逸脱すると、該アイドルスピードコントロール
システムは異常であると判定する。
【0019】らに、上記の請求項1又は請求項2の方
法において、該回転数範囲の上限回転数と該アイドル目
標回転数との差が、該アイドル目標回転数と該回転数範
囲の下限回転数との差よりも大きくなるように、該回転
数範囲を設定してもよい(請求項)。
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【実施例】以下、図面により、本発明の一実施例として
のアイドルスピードコントロールシステムの診断装置に
ついて説明すると、図1は本装置の制御ブロック図、図
2は本装置を有するエンジンシステムの制御系のハード
ブロック図、図3は本装置を有するエンジンシステムを
示す全体構成図、図4〜図6はいずれも本装置の作用を
説明するためのフローチャートである。
【0024】さて、本装置を装備する自動車用のエンジ
ンシステムは、図3に示すようなものであるが、この図
3において、エンジン(内燃機関)1は、その燃焼室2
に通じる吸気通路3および排気通路4を有しており、吸
気通路3と燃焼室2とは吸気弁5によって連通制御され
るとともに、排気通路4と燃焼室2とは排気弁6によっ
て連通制御されるようになっている。
【0025】また、吸気通路3には、その上流側から順
に、エアクリーナ7,スロットル弁8および電磁式燃料
噴射弁(インジェクタ)9が設けられており、排気通路
4には、その上流側から順に、排気ガス浄化用の触媒コ
ンバータ(三元触媒)10および図示しないマフラ(消
音器)が設けられている。なお、吸気通路3には、サー
ジタンク3aが設けられている。さらに、スロットル弁
8は、ワイヤケーブルを介してアクセルペダル(図示せ
ず)に連結されており、このアクセルペダルの踏込み量
に応じて開度を調整されるようになっている。
【0026】ところで、吸気通路3には、スロットル弁
8をバイパスするバイパス通路11が設けられ、このバ
イパス通路11に、ISC弁として機能するステッパモ
ータ弁(以下、STM弁という)12が介装されてい
る。なお、このSTM弁12は、バイパス通路11中の
上流側に形成された弁座部に当接しうる弁体と、この弁
体位置を調整するためのステッパモータ(ISC用アク
チュエータ)12aと、弁体を弁座部に押圧する方向
(バイパス通路11を塞ぐ方向)へ付勢するバネとから
構成されている。
【0027】そして、ステッパモータ12aにより、弁
座部に対する弁体の位置の段階的な調整(ステップ数に
よる調整)を行なうことで、弁座部と弁体との開度つま
りSTM弁12の開度が調整されるようになっている。
このSTM弁12の開度を後述するECUにて制御する
ことにより、アイドリング時に運転者によるアクセルペ
ダルの操作とは関係なく、バイパス通路11を通して吸
気をエンジン1に供給することができ、その開度を変え
ることでスロットルバイパス吸気量を調整することがで
きるようになっている。
【0028】なお、図3において、15は燃料圧調節器
で、この燃料圧調節器15は、吸気通路3中の負圧を受
けて動作し、図示しないフュエルポンプからフュエルタ
ンクへ戻る燃料量を調節することにより、インジェクタ
9から噴射される燃料圧を調節するようになっている。
従って、スロットル弁8の開度のほかSTM弁12の開
度に応じ、エアクリーナ7を通じて吸入された空気が吸
気マニホールド部分でインジェクタ9からの燃料と適宜
の空燃比となるように混合されて、燃焼室2へ供給され
るようになっている。
【0029】また、このエンジン1の運転状態を制御す
るために、種々のセンサが設けられている。図3に示す
ように、まず、エアクリーナ7を通過した吸気が吸気通
路3内に流入する部分には、吸入空気量をカルマン渦情
報から検出するエアフローセンサ(吸気量センサ)17
と、吸入空気温度を検出する吸気温センサ18と、大気
圧を検出する大気圧センサ19とがそなえられている。
【0030】また、吸気通路3におけるスロットル弁8
の配設部分には、スロットル弁8の開度を検出するポテ
ンショメータ式のスロットルポジションセンサ20と、
スロットル弁8の全閉状態(つまりアイドリング状態)
をスロットル弁8の位置から機械的に検出するアイドル
スイッチ21とがそなえられている。さらに、排気通路
4側には、触媒コンバータ10の上流側部分に、排気ガ
ス中の酸素濃度(O2 濃度)を検出する酸素濃度センサ
(以下、単にO2 センサという)22がそなえられるほ
か、その他のセンサとして、エンジン1用の冷却水14
の温度を検出する水温センサ23や、クランク角度を検
出するクランク角センサ24(このクランク角センサ2
4はエンジン回転数Neを検出する回転数センサとして
の機能も兼ねている)などがそなえられている。
【0031】そして、これらのセンサやスイッチからの
検出信号は、図2に示すような電子制御ユニット(EC
U)25へ入力されるようになっている。ここで、この
ECU25のハードウェア構成は、図2に示すようなも
のであるが、このECU25は、その主要部としてCP
U(演算装置)26をそなえており、このCPU26に
は、吸気温センサ18,大気圧センサ19,スロットル
ポジションセンサ20,O2 センサ22および水温セン
サ23からの検出信号が、入力インタフェース28およ
びアナログ/ディジタルコンバータ29を介して入力さ
れる。
【0032】また、CPU26には、エアフローセンサ
17,アイドルスイッチ21,クランク角センサ24,
車速センサ30等からの検出信号(ディジタル信号)
や、エアコンスイッチ31,パワーステアリングスイッ
チ32,電気負荷スイッチ(フォグランプやヘッドラン
プ等のスイッチ)33,イグニッションスイッチ(キー
スイッチ)34等からのオン/オフ信号が、入力インタ
フェース35を介して直接入力される。
【0033】さらに、CPU26は、バスラインを介し
て、プログラムデータや固定値データのほか、各種デー
タを記憶するROM(記憶手段)36,更新して順次書
き替えられるRAM37,および,バッテリが接続され
ている間はその記憶内容が保持されることによってバッ
クアップされるバッテリバックアップRAM38との間
でデータの授受を行なうようになっている。なお、RA
M37内のデータはイグニッションスイッチ34をオフ
すると消えてリセットされるようになっている。
【0034】また、CPU26による演算の結果、EC
U25からは、エンジン1の運転状態や各種補機等の状
態を制御するための信号、例えば、燃料噴射制御信号,
アイドルスピード制御信号,エアコン制御信号,フュエ
ルポンプ制御信号,点火時期制御信号,エンジンチェッ
クランプ点灯信号,警告ランプ点灯信号等の各種制御信
号が出力されるようになっている。また、ECU25か
らは、例えばアイドルスピードコントロールシステムに
関する故障コード情報も出力されるようになっている。
【0035】これらの制御信号うち、燃料噴射制御(空
燃比制御)信号は、CPU26から噴射ドライバ39を
介して、インジェクタ9を駆動させるためのインジェク
タソレノイド9a(正確にはインジェクタソレノイド9
a用のトランジスタ)へ出力されるようになっている。
また、点火時期制御信号は、CPU26から点火ドライ
バ40を介して、パワートランジスタ41へ出力され、
このパワートランジスタ41から点火コイル42を介し
ディストリビュータ43により各点火プラグ16に順次
火花を発生させるようになっている。さらに、アイドル
スピード制御信号は、CPU26からISCドライバ4
4を介して、STM弁12のステッパモータ12aへ出
力されるようになっている。また、警告ランプ点灯信号
は出力インタフェース51を介して警告ランプ52へ出
力されるとともに、故障コード情報は、テスタ53を接
続すると、故障コード読出し用インタフェース54を介
して、このテスタ53へ出力されるようになっている。
【0036】そして、今、アイドルスピードコントロー
ルシステムによるアイドリング時におけるアイドルスピ
ード制御に着目すると、このアイドルスピード制御のた
めに、ECU25は、図1に示すように、ISC制御部
60をそなえている。そして、このISC制御部60
は、回転数フィードバック手段およびポジション制御手
段の機能を有している。
【0037】ここで、回転数フィードバック手段は、エ
ンジンのアイドル運転状態(エンジン回転数,水温,車
速等)に応じて設定されたアイドル目標回転数Ntに基
づき、STM弁12により、エンジンへ供給する空気量
を制御することにより、エンジン回転数Neがアイドル
目標回転数Ntとなるようにフィードバック制御するも
のであり、ポジション制御手段は、エンジンのアイドル
運転状態(エンジン回転数,水温,車速,電気負荷等)
に応じて設定されたSTM弁12の目標ポジションに基
づき、STM弁12により、エンジンへ供給する空気量
を制御することにより、STM弁12の実ポジションが
目標ポジションとなるように制御するものである。この
ために、回転数フィードバック用目標開度設定手段(目
標回転数設定手段)61およびポジション制御用目標開
度設定手段(図示せず)が設けられる。
【0038】なお、本実施例において、STM弁12の
開度データはステッパモータ12aによる駆動ステップ
数データによって与えられる。すなわち、アイドルスピ
ードコントロールシステムによるアイドルスピード制御
は、まず、エンジン1の運転状態に関する情報、例え
ば、クランク角センサ(エンジン回転数センサ)24か
らのエンジン回転速度Ne,水温センサ23からの冷却
水温度(エンジン1の温度状態情報),車速センサ30
からの車速情報,アイドルスイッチ21からのオン/オ
フ情報,補機用の各種スイッチ31〜33からのオン/
オフ信号のほか、エアフローセンサ17からのA/N
比,吸気温センサ18からの吸気温度,大気圧センサ1
9からの大気圧等がECU25のCPU26に読み込ま
れる。
【0039】そして、車速センサ30からの車速情報,
補機用の各種スイッチ31〜33からのオン/オフ信号
に基づいて、停車中のアイドリング状態であるか、走行
中もしくはアイドリング状態で補機作動切替状態になっ
たか否かを判定し、回転数が比較的安定した停車中のア
イドリング状態である場合には、フィードバック制御モ
ードであるとして回転数フィードバック制御を選択する
一方、走行中もしくはアイドリング状態でエアコン等の
補機作動切替過渡状態である場合には、ポジション制御
を選択するのである。
【0040】ところで、本実施例においては、ECU2
5が、上記のアイドルスピードコントロールシステムに
ついての診断装置の機能も有している。すなわち、この
診断装置は、図1に示すように、第1のタイマ手段7
1,エンジン回転数状態検出手段72,第2のタイマ手
段73,正常判定手段74,異常判定手段75,診断制
御部76等をそなえて構成されている。
【0041】ここで、第1のタイマ手段71は回転数フ
ィードバック手段による回転数フィードバック制御モー
ドに入ると起動するもので、エンジン回転数状態検出手
段72はエンジン回転数Neがアイドル目標回転数Nt
を中心とする所要の回転数範囲(Nt−a2〜Nt+a
1)内に入ったかどうかを検出するもので、第2のタイ
マ手段73は、エンジン回転数状態検出手段72によっ
て、回転数フィードバックモード中にエンジン回転数N
eが上記回転数範囲(Nt−a2〜Nt+a1)内に入
ったことが検出されると起動するものである。
【0042】また、正常判定手段74は、第1のタイマ
手段71によってカウントされている時間が第1の設定
時間T1以内であり、エンジン回転数状態検出手段72
によって、エンジン回転数Neが回転数範囲(Nt−a
2〜Nt+a1)内に入ったことが検出され、この状態
が第2のタイマ手段73によって他の設定時間(第2の
設定時間)T2以上継続したことが検出されると、アイ
ドルスピードコントロールシステムは正常であると判定
するものである。
【0043】さらに、異常判定手段75は、第1のタイ
マ手段71によってカウントされている時間が第1の設
定時間T1以内であり、エンジン回転数状態検出手段7
2によって、エンジン回転数Neが上記回転数範囲(N
t−a2〜Nt+a1)内に入ったことが検出され、そ
の後、第2の設定時間T2以内にエンジン回転数が上記
回転数範囲(Nt−a2〜Nt+a1)を逸脱したこと
が検出されると、アイドルスピードコントロールシステ
ムは異常であると判定するものである。
【0044】なお、この異常判定手段75は、フィード
バック制御モードに入ってから第1の設定時間T1を経
過しても、エンジン回転数Neが上記の回転数範囲(N
t−a2〜Nt+a1)内に入らない場合は、アイドル
スピードコントロールシステムは異常であると判定する
機能も有している。また、回転数範囲(Nt−a2〜N
t+a1)の上限回転数Nt+a1とアイドル目標回転
数Ntとの差a1が、アイドル目標回転数Ntと回転数
範囲(Nt−a2〜Nt+a1)の下限回転数Nt−a
2との差a2よりも大きくなるように、上記の回転数範
囲(Nt−a2〜Nt+a1)が設定されている。この
ようにa1>a2に設定されているのは、エアコン等を
オンしたときにポジション制御に切り替え、エンジン回
転数を上昇させ、その後,回転数フィードバック制御に
復帰させることが行なわれるが、この復帰時において
も、エンジン回転数が上記回転数範囲(Nt−a2〜N
t+a1)内にあることを保証するためである。このよ
うにすることにより、本装置が誤判定することを防止で
きる。
【0045】診断制御部76は、正常判定手段74,異
常判定手段75での検出結果に基づいて、警告ランプ5
2を点灯させるための信号を生成したり、故障コード情
報をメモリに記憶させたり、メモリからの故障コード情
報をテスタ53側へ読み出したりするものである。次
に、アイドルスピードコントロールシステムの診断方法
について、図4〜図6のフローチャートを用いて説明す
る。
【0046】アイドルスピードコントロールシステムの
動作開始と同時に本診断用のフローも動作を開始する
が、まず、このアイドルスピードコントロールシステム
について、既に正常であると判定されているかどうか
を、図4に示すステップA1で、正常判定フラグFno
rが1かどうかで判定する。ここで、正常判定フラグF
norは正常が判定されるまでは0、正常判定後は1に
セットされるものであるため、最初はステップA1では
Fnorが1でないというルートをとり、次のステップ
A2で、診断モニタ中かどうかをモニタフラグFmon
が1かどうかで判定する。
【0047】ここで、モニタフラグFmonはモニタ中
は1、そうでなければ0にセットされるものであるた
め、最初はステップA2ではFmonが1でないという
ルートをとる。その後は、ステップA3で、回転数フィ
ードバック制御モードかどうかを判定し、もしそうであ
れば、モニタフラグFmonを1にし(ステップA
4)、正常確認中フラグFchkを0にし(ステップA
5)、第1のタイマ手段71によるタイマ値TIM1を
0にリセットする(ステップA6)。なお、回転数フィ
ードバック制御モードでなければ、何もしないでリター
ンする。
【0048】このようにして回転数フィードバック制御
モードに入っていると判定された後は、その後のステッ
プA2による判定で、モニタフラグFmon=1のルー
トをとり、ステップA20で、再び回転数フィードバッ
ク制御モード中であるか否かを判定し、フィードバック
モード中のときにはステップA7で、正常確認中フラグ
Fchkが1どうかが判定される。この場合は、ステッ
プA5の処理により、正常確認中フラグFchk=0で
あるので、ステップA8,A9で、エンジン回転数Ne
が上記の回転数範囲(Nt−a2〜Nt+a1)内に入
っているかどうかが判定される。もし、上記の回転数範
囲外であれば、ステップA10で、タイマ値TIM1が
第1の設定時間T1になったかどうかが判定される。す
なわち、フィードバック制御モードに入ってから第1の
設定時間T1を経過したかどうかが判定される。経過し
ない間は正常・異常の判定は行なわない。
【0049】そして、通常は、フィードバック制御モー
ドに入ってから第1の設定時間T1以内に、エンジン回
転数Neが上記の回転数範囲(Nt−a2〜Nt+a
1)内に入るから、この場合は、正常確認中フラグFc
hkを1にし(ステップA11)、第2のタイマ手段7
3によるタイマ値TIM2を0にリセットする(ステッ
プA12)。
【0050】このようにして正常確認中フラグFchk
を1にした後は、その後のステップA7で、正常確認中
フラグFchk=1のルートをとり、ステップA13,
A14で、エンジン回転数Neが上記の回転数範囲(N
t−a2〜Nt+a1)内に入っているかどうかが判定
される。もし、上記の回転数範囲内であれば、ステップ
A15で、タイマ値TIM2が第2の設定時間T2にな
ったかどうかが判定される。経過しない間は正常・異常
の判定は行なわない。
【0051】そして、通常は、エンジン回転数Neがア
イドル目標回転数Ntを中心とする回転数範囲(Nt−
a2〜Nt+a1)内に入った状態が第2の設定時間T
2以上継続するから、ステップA16で、アイドルスピ
ードコントロールシステムは正常であるとして、GOO
Dサブルーチンを起動する。すなわち、このGOODサ
ブルーチンは起動されると、図5に示すように、ステッ
プB1で、正常判定フラグFnorを1にし、ステップ
B2で、警告ランプ52を消灯させ、ステップB3で、
故障コードを消去する。
【0052】このようにして、フィードバック制御モー
ドに入ってから第1の設定時間T1以内に、エンジン回
転数Neがアイドル目標回転数Ntを中心とする回転数
範囲(Nt−a2〜Nt+a1)内に入り、この状態が
第2の設定時間T2以上継続されると、アイドルスピー
ドコントロールシステムは正常であると判定されるので
ある。
【0053】なお、フィードバック制御モードに入って
から第1の設定時間T1経過しても、上記の回転数範囲
内に入らない場合には、アイドルスピードコントロール
システムは異常であるとして、ステップA17で、FA
ILサブルーチンを起動する。すなわち、このFAIL
サブルーチンは起動されると、図6に示すように、ステ
ップC1〜C3で、正常判定フラグFnor、モニタフ
ラグFmon、正常確認中フラグFchkをそれぞれ0
にし、ステップC4で、警告ランプ52を点灯させ、ス
テップC5で、故障コードを記憶する。これにより、オ
ンボートで、故障コードの記憶が可能となる。このよう
に警告ランプ52を点灯させることにより、運転者にそ
の旨を警告することができ、例えばアイドルスピードコ
ントロールシステムが故障した(例えばSTM弁駆動系
が固着した)ことを気付かずに走行することを防止でき
る。また、故障コードを記憶して、これをテスタ53等
に出力することにより、修理時に故障箇所を容易に特定
することもできる。
【0054】また、フィードバック制御モードに入って
から第1の設定時間T1以内に、エンジン回転数が上記
の回転数範囲(Nt−a2〜Nt+a1)内に入った
が、その後、第2の設定時間T2以内にエンジン回転数
が上記の回転数範囲(Nt−a2〜Nt+a1)を逸脱
すると、アイドルスピードコントロールシステムは異常
であるとして、ステップA18で、FAILサブルーチ
ンを起動する。なお、このFAILサブルーチンによる
処理は前述のように図6に示す通りである。
【0055】なお、モニタ中に回転数フィードバック制
御が終了すると、図4のステップA20で「否」判定が
なされ、ステップA21,A22で、それぞれモニタフ
ラグFmon,正常確認中フラグFchkが0とされて
モニタが中止される。このようにして、エンジン回転数
が本来制御されるべき回転数範囲(Nt−a2〜Nt+
a1)内に一旦入った後も、即座にシステムが正常であ
るとは判定せず、且つ、その後にシステムが異常になる
ことについても考慮するような診断手法を採用すること
により、特別なセンサ等を追加することなく、例えばオ
ンボードでシステム故障診断情報を収集するような場合
でも、信頼性の高い情報を得ることができ、これにより
サービス性の大幅な向上に寄与しうるものである。
【0056】なお、上記の実施例においては、フィード
バック制御モードに入ってから第1の設定時間T1以内
に、エンジン回転数が所要の回転数範囲内に入ったが、
その後、エンジン回転数が上記の回転数範囲を設定時間
T2維持すると、アイドルスピードコントロールシステ
ムは正常であると判定したが、設定時間T1という条件
をつけないで、フィードバック制御モードでの運転時
に、エンジン回転数がアイドル目標回転数を中心とする
回転数範囲内に入ったあと、エンジン回転数が上記の回
転数範囲を設定時間T2維持すると、アイドルスピード
コントロールシステムは正常であると判定するようにし
てもよい。
【0057】また、上述した実施例では、アイドルスピ
ード制御をスロットル弁をバイパスするバイパス通路の
空気量を制御することにより行なっていたが、スロット
ル弁を直動して、吸気通路の空気量を制御することによ
りアイドルスピード制御を行なうものにも、同様にし
て、本発明を適用できる。さらに、上述した実施例で
は、本発明の装置を自動車用のエンジン(内燃機関)に
適用した場合について説明したが、本発明の装置は、こ
れに限定されるものでなく、各種動力源等として用いら
れるエンジンに上述と同様にして適用され、上述と同様
の作用効果が得られる。
【0058】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
エンジン回転数が本来制御されるべき回転数範囲内に一
旦入った後も、即座にシステムが正常であるとは判定せ
ず、且つ、その後にシステムが異常になることについて
も考慮するような診断手法を採用することにより、特別
なセンサ等を追加することなく、例えばオンボードでシ
ステム故障診断情報を収集するような場合でも、信頼性
の高い情報を得ることができ、これによりサービス性の
大幅な向上に寄与しうる利点がある。
【0059】また、アイドル目標回転数を中心とする回
転数範囲の上限回転数とアイドル目標回転数との差が、
アイドル目標回転数と上記回転数範囲の下限回転数との
差よりも大きくなるように、上記の回転数範囲が設定さ
れているので、回転数フィードバック制御モードへの復
帰時においても、エンジン回転数が上記回転数範囲内に
あることが保証され、これにより、誤判定を防止できる
利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としてのアイドルスピードコ
ントロールシステムの診断装置の制御ブロック図であ
る。
【図2】本装置を有するエンジンシステムの制御系のハ
ードブロック図である。
【図3】本装置を有するエンジンシステムを示す全体構
成図である。
【図4】本装置による作用を説明するためのフローチャ
ートである。
【図5】本装置による作用を説明するためのフローチャ
ートである。
【図6】本装置による作用を説明するためのフローチャ
ートである。
【符号の説明】
1 エンジン(内燃機関) 2 燃焼室 3 吸気通路 3a サージタンク 4 排気通路 5 吸気弁 6 排気弁 7 エアクリーナ 8 スロットル弁 9 電磁式燃料噴射弁(インジェクタ) 9a インジェクタソレノイド 10 触媒コンバータ(三元触媒) 11 バイパス通路 12 ステッパモータ弁(STM弁,第1の制御弁) 12a ステッパモータ 15 燃料圧調節器 16 点火プラグ 17 エアフローセンサ(吸気量センサ) 18 吸気温センサ 19 大気圧センサ 20 スロットルポジションセンサ 21 アイドルスイッチ 22 酸素濃度センサ(O2 センサ) 23 水温センサ 24 クランク角センサ(エンジン回転数センサ) 25 電子制御ユニット(ECU) 26 CPU(演算装置) 28 入力インタフェース 29 アナログ/ディジタルコンバータ 30 車速センサ 31 エアコンスイッチ 32 パワーステアリングスイッチ 33 電気負荷スイッチ 34 イグニッションスイッチ 35 入力インタフェース 36 ROM(記憶手段) 37 RAM 38 バッテリバックアップRAM 39 噴射ドライバ 40 点火ドライバ 41 パワートランジスタ 42 点火コイル 43 ディストリビュータ 51 出力インタフェース 52 警告ランプ 53 テスタ 54 故障コード読出し用インタフェース 60 ISC用制御部 61 目標回転数設定手段 71 第1のタイマ手段 72 エンジン回転数状態検出手段 73 第2のタイマ手段 74 正常判定手段 75 異常判定手段 76 診断制御部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−104738(JP,A) 特開 昭60−95152(JP,A) 特開 昭64−69754(JP,A) 特開 平4−43841(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F02D 41/16

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の運転状態がフィードバック制
    御モードのときにアイドル目標回転数と機関回転数とを
    比較し、この比較結果に基づき、該内燃機関へ供給する
    空気量を制御することにより、機関回転数が該アイドル
    目標回転数となるようにフィードバック制御するアイド
    ルスピードコントロールシステムにおいて、 該フィードバック制御モードでの運転時に、機関回転数
    が該アイドル目標回転数を中心とする所要の回転数範囲
    内に入ったあと、機関回転数が該回転数範囲を逸脱する
    と、該アイドルスピードコントロールシステムは異常で
    あると判定することを特徴とする、アイドルスピードコ
    ントロールシステムの診断方法。
  2. 【請求項2】 内燃機関の運転状態がフィードバック制
    御モードのときにアイドル目標回転数と機関回転数とを
    比較し、この比較結果に基づき、該内燃機関へ供給する
    空気量を制御することにより、機関回転数が該アイドル
    目標回転数となるようにフィードバック制御するアイド
    ルスピードコントロールシステムにおいて、 該フィードバック制御モードに入ってから第1の設定時
    間以内に、機関回転数が該アイドル目標回転数を中心と
    する所要の回転数範囲内に入り、この状態が第2の設定
    時間以上継続されると、該アイドルスピードコントロー
    ルシステムは正常であると判定する一方、 該フィードバック制御モードに入ってから該第1の設定
    時間以内に、機関回転数が該回転数範囲内に入ったが、
    その後、この状態が該第2の設定時間継続される以前に
    機関回転数が該回転数範囲を逸脱すると、該アイドルス
    ピードコントロールシステムは異常であると判定するこ
    とを特徴とする、アイドルスピードコントロールシステ
    ムの診断方法。
  3. 【請求項3】 該回転数範囲の上限回転数と該アイドル
    目標回転数との差が、該アイドル目標回転数と該回転数
    範囲の下限回転数との差よりも大きくなるように、該回
    転数範囲が設定されていることを特徴とする、請求項1
    又は請求項2に記載のアイドルスピードコントロールシ
    ステムの診断方法。
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