JP2882182B2 - 二次空気供給装置の診断方法 - Google Patents

二次空気供給装置の診断方法

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JP2882182B2
JP2882182B2 JP4123968A JP12396892A JP2882182B2 JP 2882182 B2 JP2882182 B2 JP 2882182B2 JP 4123968 A JP4123968 A JP 4123968A JP 12396892 A JP12396892 A JP 12396892A JP 2882182 B2 JP2882182 B2 JP 2882182B2
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    • F01MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
    • F01NGAS-FLOW SILENCERS OR EXHAUST APPARATUS FOR MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; GAS-FLOW SILENCERS OR EXHAUST APPARATUS FOR INTERNAL COMBUSTION ENGINES
    • F01N2550/00Monitoring or diagnosing the deterioration of exhaust systems
    • F01N2550/14Systems for adding secondary air into exhaust

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  • Exhaust Gas After Treatment (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両等の内燃機関の排
気系へ二次空気を供給して排気ガスの浄化を行うための
二次空気供給装置に適用される診断方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば車両用内燃機関において
は、排気ガス規制と燃費低減とを両立させる方法とし
て、三元触媒及び空燃比センサを用いて排気ガス中の一
酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)、酸化窒素(NO
x )を同時に酸化還元反応させ、この反応により排気ガ
スを浄化する方法が採用されている。この際、排気ガス
中の三成分を同時に効率よく浄化するためには、常に理
論空燃比(14.5)の近傍で内燃機関を運転する必要
がある。そこで、一般的には、内燃機関の燃焼室に導入
される混合気の空燃比A/Fを、排気通路に設けられた
空燃比センサで検出し、その空燃比A/Fが理論空燃比
に近づくように、燃料噴射弁からの燃料噴射量を閉ルー
プ制御(フィードバック制御)している。
【0003】一方、前記内燃機関では、機関が特定運転
状態のとき、例えば冷却水温の低い暖機時や機関の減速
運転時等に触媒の浄化効率向上(触媒の暖機性向上)を
目的として、二次空気供給装置を作動させて前記空燃比
センサ上流での排気通路に二次空気を供給している。そ
して、このように二次空気を供給する場合は燃料噴射量
をオープンループ制御し、二次空気供給停止と同時に空
燃比センサによる燃料噴射量の閉ループ制御を再開して
いる。
【0004】ここで、二次空気供給装置の停止時におい
ては、内燃機関の燃焼室に導入される混合気の空燃比と
燃焼後の空燃比とが一致する。しかし、二次空気供給装
置の作動時においては、二次空気により、前記両空燃比
が互いに異なった値となる。このことから、本明細書で
は二次空気供給装置の停止時における空燃比を単に空燃
比A/Fで表す。また、二次空気供給装置の作動時にお
いて、燃焼室に導入される混合気の空燃比をベース空燃
比(A/F)a で表し、二次空気供給後の排気ガスでの
空燃比を排気空燃比(A/F)b で表すことにする。
【0005】ところで前記制御技術では、二次空気供給
装置に何らかの故障が生じた場合、エミッションが悪化
する等の問題が生ずる。そこで、例えば特開昭63−1
11256号公報には、二次空気供給装置の故障診断を
行うための技術が開示されている。この技術では、二次
空気の供給される特定運転状態において、空燃比センサ
の出力がリッチになってから所定時間リッチ状態が続く
と、二次空気供給装置に異常があると判定している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら前記従来
技術では、二次空気供給中に過渡的に空燃比が変化して
空燃比センサの出力信号が変化した場合にも、その変化
に応じた故障診断を行ってしまう。すなわち、内燃機関
の始動直後等の冷間時に二次空気を供給しても、ベース
空燃比(A/F)a がリッチな場合、排気空燃比(A/
F)b がリーンとならない領域がある。この領域におい
て、単に空燃比センサの出力信号の変化のみで診断を行
おうとすると、二次空気供給装置が正常に作動していて
も故障と誤判定するおそれがある。
【0007】なお、前記ベース空燃比(A/F)a がリ
ッチな場合とは、低温増量の多い場合、二次空気供給量
に対して排気ガス量の多い場合、非同期噴射実行直後、
減速開始直後等である。これらの場合には、ベース空燃
比(A/F)a が一時的にリッチとなるので、通常の量
の二次空気を供給しても、空燃比センサがリーン状態を
検知するまでには至らない。
【0008】本発明は前述した事情に鑑みてなされたも
のであり、その目的は、二次空気供給中に空燃比センサ
の出力信号が過渡的にリッチとなった場合にも、二次空
気供給装置の作動を的確に診断し、誤診断を未然に防止
できる二次空気供給装置の診断方法を提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、内燃機関への混合気の空燃比を、排気通路
に設けられた空燃比センサにより検出し、前記内燃機関
の運転状態が予め定めた所定状態のときには、前記空燃
比が理論空燃比となるように燃料噴射弁からの燃料噴射
量を調整するとともに、前記内燃機関の運転状態が前記
所定状態以外のときには、二次空気供給装置を作動させ
て前記空燃比センサ上流での排気通路へ二次空気を供給
し、さらに、前記二次空気供給中における空燃比センサ
によるリーン時間を、タイマのカウント動作により測定
し、そのリーン時間が所定時間以上になったとき二次空
気供給装置が正常であると判定するようにした二次空気
供給装置の診断方法であって、前記二次空気供給中にお
ける空燃比センサによる空燃比がリッチとなったとき、
前記タイマのカウント動作を中断してそのときのタイマ
値を保持し、所定時間経過後に前記タイマのカウント動
作を続行するようにしている。
【0010】
【作用】内燃機関へ導入される混合気の空燃比は、排気
通路に設けられた空燃比センサによって検出される。そ
して、内燃機関の運転状態が予め定めた所定状態のとき
には、前記空燃比が理論空燃比となるように燃料噴射弁
からの燃料噴射量が調整される。また、内燃機関の運転
状態が前記所定状態以外のときには、二次空気供給装置
が作動され、空燃比センサ上流での排気通路に二次空気
が供給される。
【0011】前記二次空気供給装置の診断に際しては、
二次空気供給中における空燃比センサによるリーン時間
がタイマのカウント動作によって測定される。そして、
リーン時間が所定時間以上になると、二次空気供給装置
が正常であると判定される。これとは逆にリーン時間が
所定時間に満たない場合には、二次空気供給装置が故障
しているおそれがあると判定される。
【0012】すなわち、二次空気供給装置が作動される
べき条件下で同二次空気供給装置が正常に作動していれ
ば、排気ガス中の残留酸素濃度が濃くなるので、空燃比
(排気空燃比)がリーンになって空燃比センサの出力は
リーンとなる。反対に、二次空気供給装置に何らかの故
障が生じ、二次空気が供給されるべき条件下で適正量の
二次空気が供給されないと、排気ガス中の残留酸素濃度
が薄くなって空燃比(排気空燃比)がリッチとなり、空
燃比センサの出力はリッチになる。そのため、前記のよ
うに二次空気供給中のリーン時間を測定すれば、二次空
気供給装置の作動状態が判明する。
【0013】ところで、二次空気供給装置が正常に作動
していても、二次空気供給中に内燃機関の燃焼室に導入
される混合気の空燃比(ベース空燃比)が、一時的に理
論空燃比よりもリッチとなることがある。これは、内燃
機関の冷間時において多量の低温増量が行われたり、二
次空気供給量に対して排気ガス量が多くなったり、非同
期噴射が行われたり、減速されたりして内燃機関の運転
状態が変化したとき等に起こる。この際、二次空気が供
給されても排気ガスの空燃比(排気空燃比)がリーンと
ならず、空燃比センサの出力がリッチとなる場合があ
る。この場合には、二次空気供給装置が正常に作動して
いるにもかかわらず故障判定のための動作が行われるお
それがある。
【0014】しかし、本発明では二次空気供給中におけ
る空燃比センサによる空燃比(排気空燃比)がリッチと
なったときには、前記タイマのカウント動作が中断され
てそのときのタイマ値が保持される。そして、所定時間
経過後に前記タイマのカウント動作が続行される。従っ
て、前記二次空気供給時に空燃比が過渡的にリッチとな
っても、そのリッチによる影響を受けることなく正確な
リーン時間の測定を行うことが可能となる。
【0015】
【実施例】以下、本発明を具体化した一実施例を図面に
従って説明する。図1は、本実施例の診断方法が適用さ
れる二次空気供給装置及びガソリンエンジンの概略構成
を示す図である。車両には、内燃機関としての多気筒
(本実施例では4気筒)ガソリンエンジン1が搭載され
ている。このエンジン1は気筒毎に燃焼室(図示しな
い)を備えており、これらの燃焼室に吸気通路2及び排
気通路3が連通している。
【0016】吸気通路2には、上流側からエンジン1へ
向けて、エアクリーナ4、スロットルバルブ5、サージ
タンク6、吸気マニホルド7が順に配設されており、こ
れらを介して外気がエンジン1に取り込まれる。スロッ
トルバルブ5は吸気通路2を流通する吸入空気の量を調
節するためのものであり、アクセルペダル(図示しな
い)の操作に連動して開閉されるようになっている。ま
た、サージタンク6は吸入空気の脈動を平滑化させるた
めのものである。
【0017】吸気マニホルド7には、各気筒に燃料を噴
射供給するための燃料噴射弁8A,8B,8C,8Dが
取付けられている。そして、各燃料噴射弁8A〜8Dか
ら噴射される燃料と吸気通路2内へ導入された外気とか
らなる混合気は、各燃焼室内へ導入される。各燃焼室に
導入された混合気に着火するために、エンジン1には点
火プラグ9A,9B,9C,9Dが取付けられている。
点火プラグ9A〜9Dはディストリビュータ11にて分
配された点火信号に基づいて駆動される。ディストリビ
ュータ11はイグナイタ12から出力される高電圧をエ
ンジン1のクランク角に同期して点火プラグ9A〜9D
に分配する。そして、点火プラグ9A〜9Dの点火によ
って燃焼室内へ導入された混合気が爆発・燃焼され、エ
ンジン1の駆動力が得られる。このように燃焼室で生成
した燃焼ガスは、排気通路3を通じて外部へ排出され
る。
【0018】排気通路3には、エンジン1側から下流へ
向けて順に排気マニホルド13及び触媒コンバータ14
が配設されている。触媒コンバータ14は排気ガス中の
炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)、酸化窒素(N
Ox)を触媒の作用で浄化させる装置である。
【0019】前記エンジン1の運転状態を検出するため
に、エアフロメータ15、全閉スイッチ16、スロット
ルセンサ17、空燃比センサとしての酸素センサ18、
水温センサ19、回転数センサ20、気筒判別センサ2
1、車速センサ22等が設けられている。エアフロメー
タ15は、エアクリーナ4の下流に設けられ、エンジン
1に吸入される空気量(吸入空気量Q)を検出する。ス
ロットルセンサ17はスロットルバルブ5の近傍に設け
られ、そのスロットルバルブ5の開度(スロットル開度
TA)を検出する。全閉スイッチ16は同じくスロット
ルバルブ5の近傍に設けられ、同スロットルバルブ5が
全閉位置にあるときに「オン」されて全閉信号LLを出
力する。
【0020】また、酸素センサ18は排気マニホルド1
3と触媒コンバータ14との間に設けられ、排気ガス中
の残存酸素濃度、すなわち排気通路3における空燃比A
/Fを検出する。酸素センサ18は、理論空燃比(1
4.5)近傍で出力電圧が急変する特性を有している。
酸素センサ18の素子の材料としてはジルコニアやチタ
ニアが用いられ、これらの素子温度を安定に保つために
ヒータが設けられている。
【0021】水温センサ19はウォータアウトレットハ
ウジング等に取付けられ、エンジン1の冷却水の温度
(冷却水温THW)を検出する。回転数センサ20は、
前記ディストリビュータ11に内蔵されたロータ(図示
しない)の回転からエンジン1の回転数(エンジン回転
数NE)を検出する。気筒判別センサ21は、同じくデ
ィストリビュータ11のロータの回転に応じてエンジン
1のクランク角の変化を所定の割合で検出する。車速セ
ンサ22はエンジン1に駆動連結されたトランスミッシ
ョン(図示しない)に設けられ、車速SPDを検出す
る。
【0022】加えて、前記エンジン1には排気系へ空気
を導入するための二次空気供給装置23が設けられてい
る。二次空気供給装置23は連通路24と電動エアポン
プ25とからなる。連通路24は、吸気通路2における
エアクリーナ4とエアフロメータ15との間から分岐
し、エンジン1を迂回して、前記酸素センサ18よりも
上流側である排気マニホルド13に接続されている。
【0023】前記連通路24の途中には電動エアポンプ
25が介在されている。電動エアポンプ25は電動モー
タによって駆動されるタイプのエアポンプであり、ここ
から吐出された一定量の空気が二次空気として連通路2
4を介して前記排気マニホルド13に導かれる。前記電
動エアポンプ25は、エンジン1の特定運転状態時、例
えば冷却水温THWの低い暖機時やエンジン1の減速運
転時等に触媒の浄化効率を向上させる(触媒の暖機性を
向上させる)ためのものである。
【0024】前記各燃料噴射弁8A〜8D、イグナイタ
12及び電動エアポンプ25は電子制御装置(以下、単
に「ECU」という)26に電気的に接続されている。
またECU26には、エアフロメータ15、全閉スイッ
チ16、スロットルセンサ17、酸素センサ18、水温
センサ19、回転数センサ20、気筒判別センサ21及
び車速センサ22がそれぞれ接続されている。そして、
ECU26はこれらのエアフロメータ15、全閉スイッ
チ16及び各センサ17〜22からの出力信号に基づ
き、燃料噴射弁8A〜8D、イグナイタ12及び電動エ
アポンプ25を制御する。
【0025】次に、ECU26の電気的構成について図
2のブロック図に従って説明する。ECU26は中央処
理装置(CPU)27と、読出し専用メモリ(ROM)
28と、ランダムアクセスメモリ(RAM)29と、バ
ックアップRAM31と、外部入力回路32と、外部出
力回路33とを備え、これらは互いにバス34によって
接続されている。CPU27は、予め設定された制御プ
ログラムに従って各種演算処理を実行し、ROM28は
CPU27で演算処理を実行するために必要な制御プロ
グラムや初期データを予め記憶している。また、RAM
29はCPU27の演算結果を一時記憶する。バックア
ップRAM31は、電源が切られた後にも各種データを
保持するように、バッテリによってバックアップされて
いる。
【0026】外部入力回路32には、前述したエアフロ
メータ15、全閉スイッチ16、スロットルセンサ1
7、酸素センサ18、水温センサ19、回転数センサ2
0、気筒判別センサ21及び車速センサ22がそれぞれ
接続されている。また、外部出力回路33には、前述し
た燃料噴射弁8A〜8D、イグナイタ12及び電動エア
ポンプ25がそれぞれ接続されている。そして、CPU
27は外部入力回路32を介してエアフロメータ15、
全閉スイッチ16及び各センサ17〜22からの出力信
号を入力値として読み込む。また、CPU27はこれら
入力値に基づき、外部出力回路33を介して燃料噴射弁
8A〜8D、イグナイタ12及び電動エアポンプ25を
駆動制御する。
【0027】より詳しくは、CPU27はスロットルセ
ンサ17、水温センサ19、車速センサ22等の検出信
号に基づき、そのときのエンジン1が空燃比A/Fのフ
ィードバック制御を行うべき運転状態であるか否かを判
断する。そして、フィードバック制御を行うべき運転状
態であると、CPU27は混合気の空燃比A/Fを酸素
センサ18の出力信号により検出し、その空燃比A/F
が理論空燃比となるように燃料噴射弁8A〜8Dからの
燃料噴射量を調整する。この燃料噴射量の調整を行うた
めに、CPU27は次式に基づき燃料噴射弁8A〜8D
の目標燃料噴射時間TAUを算出する。
【0028】TAU=K×(Q/NE)×FAF ここで、Kは定数、Qは吸入空気量、NEはエンジン回
転数であり、K・(Q/NE)は理論空燃比を得るよう
に設定された基本燃料噴射時間である。また、FAFは
酸素センサ18の出力信号の変化にともない変化するフ
ィードバック補正係数であり、空燃比A/Fが理論空燃
比となるように前記基本燃料噴射時間K・(Q/NE)
を補正する。
【0029】CPU27は前記フィードバック補正係数
FAFを以下のようにして求める。CPU27は、図3
で示すように、酸素センサ18からの出力電圧Vと理論
空燃比に対応する基準電圧Vrとを比較し、出力電圧V
が基準電圧Vrよりも高ければリッチと判定し、基準電
圧Vrよりも低ければリーンと判定する。CPU27は
リッチの場合、前回の検出結果と比較し、リーンからリ
ッチに反転したか否かを判断する。CPU27はリーン
からリッチに反転すると、FAF−RS(RSはスキッ
プ量)を新たなフィードバック補正係数FAFとすると
ともに、リーンからリッチに反転がないとFAF−KI
(KIは積分量,RS≫KI)を新たなフィードバック
補正係数FAFとする。
【0030】また、CPU27は酸素センサ18からの
信号に基づく空燃比A/Fがリーンの場合、前回の検出
結果と比較し、リッチからリーンに反転したか否かを判
断する。CPU27はリッチからリーンに反転すると、
FAF+RSを新たなフィードバック補正係数FAFと
するとともに、リッチからリーンに反転がないとFAF
+KIを新たなフィードバック補正係数FAFとする。
【0031】従って、リッチとリーンとの間で反転があ
ると、CPU27は燃料噴射量を増減するべくフィード
バック補正係数FAFを階段状に変化(スキップ)させ
るとともに、リッチ又はリーンのときにはフィードバッ
ク補正係数FAFを徐々に増減させる。
【0032】なお、空燃比A/Fが理論空燃比に制御さ
れているとき、フィードバック補正係数FAFは「1.
0」を中心に変動する。併せて、CPU27はフィード
バック補正係数の平均値FAFAVを算出する。そのた
めに例えば、空燃比A/Fがリッチとリーンとの間で反
転し、スキップ量RS分だけフィードバック補正係数F
AFが変化する毎に、そのスキップ直前のフィードバッ
ク補正係数FAFと前回のスキップ直前のフィードバッ
ク補正係数FAFとの平均をとって、これをFAFAV
としている。その他にも、過去数回のスキップ直前にお
けるフィードバック補正係数FAFの平均をとって、こ
れをFAFAVとしてもよい。
【0033】CPU27は前述した式に基づき目標燃料
噴射時間TAUを算出すると、外部出力回路33を介し
て燃料噴射弁8A〜8Dに、前記目標燃料噴射時間TA
Uに応じた駆動信号を出力する。この信号の出力によ
り、燃料噴射弁8A〜8Dの開弁時間が制御されて所定
量の燃料が噴射される。このようにして空燃比A/Fが
理論空燃比となるようにフィードバック制御が行われ
る。
【0034】次に、前記のように構成された本実施例の
作用及び効果を説明する。図4のフローチャートはCP
U27によって実行される各処理のうち、二次空気供給
装置23の診断を行うためのルーチンを示しており、所
定時間(本実施例では0.065秒)毎の定時割り込み
で起動される。
【0035】このルーチンでは診断終了フラグXJAI
Eが用意されている。診断終了フラグXJAIEは、以
前に二次空気供給装置24の診断が行われたか否かを判
定するためのものである。そして、診断終了フラグXJ
AIEは、イグニションキーがオン操作されたときに実
行されるイニシャルルーチンで「0」に設定され、診断
が終了したときに「1」に設定されるようになってい
る。
【0036】イグニションキーのオン操作によるエンジ
ン始動時において、冷却水温THWが例えば10℃〜3
5℃の範囲内にあると、排気特性上の要求からCPU2
7は、別ルーチンで電動エアポンプ25を始動させるた
めの駆動信号を出力する。この信号によって電動エアポ
ンプ25が作動する。また、このときには前述したよう
に診断終了フラグXJAIEがイニシャルルーチンで
「0」に設定されている。なお、本実施例では、冷却水
温THWが前記範囲(10℃〜35℃)内にあるときの
エンジン1の状態を「冷間」とし、冷却水温THWが前
記範囲を越えたときのエンジン1の状態を「温間」とす
る。
【0037】このような状態で本ルーチンへ移行する
と、CPU27は図4のステップ100で診断終了フラ
グXJAIEが「0」であるか否かを判定する。ここで
は診断終了フラグXJAIEが「0」であるので、CP
U27はステップ100で否定判定し、次のステップ2
00で、冷間時において電動エアポンプ25が作動中で
あるか否かを判定する。冷却水温THWが前述した範囲
(10℃〜35℃)内にある期間、電動エアポンプ25
は作動しているので、CPU27はステップ200で肯
定判定し、ステップ300の冷間診断ルーチンへ移行す
る。この冷間診断ルーチンの詳細については、図5,6
のフローチャートで説明する。この冷間診断ルーチンに
おいて、CPU27は二次空気供給装置23が正常に作
動しているか否かを判定し、正常に作動している場合に
は前記診断終了フラグXJAIEを「1」に設定する。
ステップ300の処理を実行すると、CPU27は本ル
ーチンを終了する。
【0038】ステップ300で診断終了フラグXJAI
Eを「1」に設定すると、CPU27は次回の処理ルー
チンにおいて、ステップ100で否定判定する。そし
て、前記ステップ200,300の処理を行わないで本
ルーチンを終了する。
【0039】前記ステップ300の冷間診断ルーチンに
おいて正常であると判定されないまま冷却水温THWが
上昇し、前記範囲(10℃〜35℃)を越えると、別ル
ーチンにて冷間時での電動エアポンプ25の作動が停止
される。そのため、CPU27はステップ200で否定
判定し、ステップ400の温間診断ルーチンへ移行す
る。この温間診断ルーチンの詳細については、図9,1
0のフローチャートで説明する。この温間診断ルーチン
において、CPU27は二次空気供給装置23が正常に
作動しているか、あるいは故障しているかを判定する。
そして、CPU27は前記診断終了フラグXJAIEを
「1」に設定し、本ルーチンを終了する。
【0040】このように、本実施例ではまず冷間診断ル
ーチンで二次空気供給装置23の正常作動が判定され
る。冷間診断ルーチンで正常と判定されない場合には、
温間診断ルーチンで二次空気供給装置23の正常・故障
が判定される。
【0041】次に、前記冷間時故障ルーチンを図5,6
のフローチャートに従って説明する。図4のステップ2
00から本ルーチンへ移行すると、CPU27は図5の
ステップ301において、冷間時の診断を行うための前
提条件が成立しているか否かを判定する。この前提条件
としては、例えば本冷間時故障ルーチンとは別の故障診
断ルーチンにおいて異常と診断されていないことが挙げ
られる。ここでの故障診断ルーチンとは、失火、燃料供
給系、酸素センサ18、水温センサ19等の故障を診断
するためのルーチンである。
【0042】また、CPU27はステップ302で、電
動エアポンプ25が始動されてから所定時間(例えば
2.5秒)が経過しているか否かを判定する。さらに、
CPU27はステップ303で酸素センサ18のヒータ
に通電されてから所定時間(例えば30秒)が経過して
いるか否かを判定する。
【0043】前記ステップ301〜303の判定条件が
一つでも満たされないと、CPU27はステップ304
へ移行し、タイマとしてのリーン時間カウンタCJAI
Lの値を「0」に設定し、本ルーチンを終了する。ここ
で、リーン時間カウンタCJAILは、二次空気供給装
置23の診断中に排気空燃比(A/F)b がリーンとな
った時間(積算時間)を測定するためのものである。リ
ーン時間カウンタCJAILの下限値は−8.3秒に定
められ、上限値は8.3秒に定められている。
【0044】図5における前記ステップ301〜303
の判定条件が全て満たされると、CPU27はエンジン
1が冷間時の診断を行うことのできる状態になったと判
断し、ステップ305〜308の判定処理を行う。これ
らの判定処理は、二次空気供給中にエンジン1の運転状
態が変化して、排気空燃比(A/F)b が一時的にリッ
チとなっているかどうかを判定するための処理である。
【0045】まず、ステップ305において、CPU2
7は全閉スイッチ16による全閉信号LLが切替わった
後、2秒が経過したか否かを判定する。全閉信号LLの
切替えには、同全閉信号LLがオンからオフに切替わる
場合と、オフからオンに切替わる場合とがある。このよ
うな判定を行うのは次の理由による。
【0046】例えば全閉信号LLがオンからオフに切替
わると、非同期噴射が行われてベース空燃比(A/F)
a が過渡的にリッチになる。また、減速直後等において
全閉信号LLがオフからオンになると、スロットルバル
ブ5が閉じられることによって吸気通路2が負圧にな
る。すると、今まで吸気通路2の内壁面に付着していた
燃料が、負圧によって一気に蒸発して燃焼室内へ入って
くる。そのため、ベース空燃比(A/F)a はかなりの
リッチになる。従って、全閉信号LLがオンからオフに
なっても、オフからオンになっても、排気空燃比(A/
F)b がリッチになってしまう。そこで、このような全
閉信号LLの切替えによって排気空燃比(A/F)b の
リッチを判定するようにしている。
【0047】次に、CPU27はステップ306におい
て、急加減速が行われてから所定時間(例えば3秒)が
経過したか否かを判定する。急加減速の判定は、回転数
センサ20による今回ルーチンでのエンジン回転数と、
前回ルーチンでのエンジン回転数との偏差の絶対値を求
め、その値と所定回転数(例えば34.4rpm)とを
比較することで行われる。このようにエンジン回転数N
Eの変化量で加速・減速を判断し、前記偏差の絶対値が
所定回転数以上であれば、加減速が行われたと判断す
る。
【0048】続いて、CPU27はステップ307にお
いて、排気空燃比(A/F)b が14.6以上となって
から所定時間(例えば3秒)が経過したか否かを判定す
る。排気空燃比(A/F)b は以下の式(1)〜(7
a)に従って求められたものである。
【0049】温間時の空燃比A/Fは次式(1)で表さ
れる。 A/F=(QA)/(Fuel)≒14.5 ……(1) Fuel=(QA)/14.5 ……(2) ここで、QAは燃焼室に導かれる空気量、Fuelは燃
料量である。
【0050】また、冷間時の燃料量Fuelaは次式
(3)に従って求められる。 Fuela=Fuel(1+FWL) ……(3) 式(3)中のFWLは低水温時の燃料増量補正を行うた
めの補正係数であり、温間のときFWL=0となり、冷
間のときFWL>0となる。
【0051】冷間時において電動エアポンプ25が作動
した場合の排気空燃比(A/F)bは次式(4)で表さ
れる。 (A/F)b =(QA+QEAP)/Fuela =(QA+QEAP)/{Fuel(1+FWL)}…(4) 式(4)中のQEAPは電動エアポンプ25の吐出量で
ある。
【0052】上記排気空燃比(A/F)b を14.5
(理論空燃比)よりも大きな値(リーン)に保つために
は次式(5)が満たされなければならない。 14.5<(QA+QEAP)/{Fuel(1+FWL)} ……(5) 上記式(5)に式(2)を代入し、変形すると次式
(6)が得られる。
【0053】 QA(1+FWL)<QA+QEAP QA・FWL<QEAP ……(6) この式(6)は、燃料が増量されても、排気空燃比(A
/F)b を必ず理論空燃比以上にさせるための近似式で
ある。
【0054】そして、この式(6)より、次式(7)の
ときには排気空燃比(A/F)b がリッチになることが
わかる。 QA・FWL≧QEAP ……(7) QA・FWL/QEAP≧1 ……(7a) 従って、排気空燃比(A/F)b がリーンであるかどう
かは上記(7),(7a)から判定できる。
【0055】次に、CPU27はステップ308におい
て、燃料カットが行われていないか否かを判定する。こ
の判定は、別のルーチンで設定されたフラグの状態に応
じて行われる。
【0056】前記ステップ305〜308の判定条件が
全て満たされていると、CPU27は図6のステップ3
10へ移行する。すなわち、ステップ305において全
閉信号LLの切替えから2秒以上経過し、かつステップ
306において急加減速後3秒以上経過し、かつステッ
プ307において式(7),(7a)が成立してから3
秒が経過し、ステップ308において燃料カットが行わ
れていないと、CPU27はエンジン1の運転状態の変
化により排気空燃比(A/F)b が過渡的にリッチにな
っていないと判断し、ステップ310へ移行する。
【0057】ステップ310において、CPU27は酸
素センサ18の出力電圧をもとに排気空燃比(A/F)
b がリーンであるか否かを判定する。ここで、二次空気
供給装置23が正常に作動していれば排気空燃比(A/
F)b がリーンとなるはずである。そのため、ステップ
310で排気空燃比(A/F)b がリーンであると、C
PU27はステップ311で前記リーン時間カウンタC
JAILの値を「1」インクリメントし、ステップ31
3へ移行する。これとは逆に、排気空燃比(A/F)b
がリッチであると、CPU27は故障、つまり等により
電動エアポンプ25の吐出量が低下しているおそれがあ
ると判断し、ステップ312で前記リーン時間カウンタ
CJAILの値を「1」デクリメントし、ステップ31
3へ移行する。
【0058】ステップ313において、CPU27はリ
ーン時間カウンタCJAILの値が「77」以上である
か否かを判定する。ここでのCJAIL=77は「5
秒」に相当する。CPU27はリーン時間カウンタCJ
AILの値が「77」以上であると、ステップ314に
おいて二次空気供給装置23が正常に作動していると判
定する。そして、CPU27はステップ315で診断終
了フラグXJAIEを「1」に設定した後、本ルーチン
を終了する。また、前記ステップ313においてリーン
時間カウンタCJAILの値が「77」未満であると、
CPU27は前記ステップ314,315の処理を行わ
ないで本ルーチンを終了する。
【0059】ところで、前記ステップ305〜308の
判定条件が1つでも満たされないと、CPU27はベー
ス空燃比(A/F)a が一時的に理論空燃比よりも大き
くリッチとなり、このときの酸素センサ18の出力信号
(リッチ信号)を用いて診断を行うと誤判定するおそれ
があると判断し、ステップ309へ移行する。ステップ
309で、CPU27はリーン時間カウンタCJAIL
のカウント動作を中断してそのときの値を一定時間保持
する。すなわち、ステップ305において全閉信号LL
の切替え直後から2秒が経過するまでの間、又はステッ
プ306において急加減速直後から3秒が経過するまで
の間、又はステップ307において上記式(7)が成立
した直後から3秒が経過するまでの間、又はステップ3
08において燃料カットが行われていると、CPU27
は前回ルーチンでのリーン時間カウンタCJAILの値
を保持する。
【0060】そして、前記所定時間が経過してステップ
305〜308の判定条件が全部満たされると、CPU
27はリーン時間カウンタCJAILのカウント動作を
続行する。
【0061】図7には、全閉信号LLの状態が切替わっ
たときの酸素センサ18の出力信号及びリーン時間カウ
ンタCJAILの変化を示す。二次空気供給装置23が
正常に作動していると、全閉信号LLがオフの期間(タ
イミングt1以前)では二次空気の供給により排気空燃
比(A/F)b がリーンとなる。そのため、リーン時間
カウンタCJAILがカウント動作(インクリメント)
してリーン時間が測定される。
【0062】この状態から全閉信号LLがオフに切替わ
ると(タイミングt1)、燃料の非同期噴射が行われ、
ベース空燃比(A/F)a が極端なリッチとなる。これ
に対し、通常量の二次空気が供給されても排気空燃比
(A/F)b がリーンとならない。このときには、酸素
センサ18の出力がリーンからリッチになる。ここで、
仮に図7において二点鎖線で示すように、酸素センサ1
8の信号に基づいてリーン時間カウンタCJAILをデ
クリメントすると、二次空気供給装置23が正常に作動
しているにもかかわらず、正常判定が行われない。しか
し、本実施例ではリーン時間カウンタCJAILのカウ
ント動作が中断されてそのときの値が保持される。
【0063】その後、所定時間が経過すると(タイミン
グt2)、前記リーン時間カウンタCJAILのカウン
ト動作が再開され、CJAIL≧77になると(タイミ
ングt3)、正常判定が行われる。
【0064】また、図8には計算により求められた排気
空燃比(A/F)b が14.6以上となったときの酸素
センサ18の出力信号及びリーン時間カウンタCJAI
Lの変化を示す。二次空気供給装置23が正常に作動し
ていると、前記式(7a)が満たされない期間、つま
り、QA・FWL/QEAP<1の期間(タイミングt
4以前)では、計算による排気空燃比(A/F)b がリ
ーンな状態になる。そのため、リーン時間カウンタCJ
AILがカウント動作(インクリメント)してリーン時
間が測定される。
【0065】この状態から前記式(7a)が満たされる
と、つまり、QA・FWL/QEAP≧1になると(タ
イミングt4)、ベース空燃比(A/F)a が極端なリ
ッチとなる。これに対し、通常量の二次空気が供給され
ても排気空燃比(A/F)bがリーンとならない。この
ときには、酸素センサ18の出力がリーンからリッチに
なる。ここで、仮に図8において二点鎖線で示すよう
に、酸素センサ18の信号に基づいてリーン時間カウン
タCJAILをデクリメントすると、二次空気供給装置
23が正常に作動しているにもかかわらず、正常判定が
行われない。しかし、本実施例ではリーン時間カウンタ
CJAILのカウント動作が中断されてそのときの値が
保持される。
【0066】その後、所定時間が経過すると(タイミン
グt5)、前記リーン時間カウンタCJAILのカウン
ト動作が再開され、CJAIL≧77になると(タイミ
ングt6)、正常判定が行われる。
【0067】このように二次空気を供給しても空燃比が
空燃比がリッチとなるような運転条件は、上記のステッ
プ305〜308の判定で検出できる。ところで、前記
冷間診断ルーチンにおいて、酸素センサ18の出力がリ
ッチのときのリーン時間カウンタCJAILのカウント
動作(デクリメント)を省略することが考えられる。し
かし、このようにすると、酸素センサ18の出力がリー
ンとリッチを繰り返した場合、最終的にはステップ31
3でCJAIL=77となってCPU27は正常判定す
ることになる。そこで、本実施例では酸素センサ18の
出力がリッチのときにリーン時間カウンタCJAILの
値をデクリメントすることによって、上述の問題を解消
している。
【0068】次に、前記温間診断ルーチンを図9,10
のフローチャート及び図11のタイミングチャートを用
いて説明する。図11のタイミングt11で本ルーチン
へ移行すると、CPU27は図9のステップ401にお
いて、水温センサ19による冷却水温THWが所定範囲
(80℃≦THW<100℃)に属するか否か、つま
り、エンジン1が暖機後の状態にあるか否かを判定し、
ステップ402において、全閉スイッチ16からの全閉
信号LLがオンであるか否かを判定する。またCPU2
7は、ステップ403において、回転数センサ20によ
るエンジン回転数NEが所定値(例えば1000rp
m)未満であるか否かを判定し、ステップ404におい
て、車速センサ22による車速SPDが所定値(例えば
2km/H)未満であるか否かを判定する。
【0069】前記ステップ401〜404の判定条件が
一つでも満たされないと、CPU27は図10のステッ
プ420へ移行し、診断実行カウンタCJAIを「0」
にクリアする。この診断実行カウンタCJAIは、診断
期間における二次空気供給装置23の作動タイミング
や、フィードバック補正係数FAFの操作タイミングを
採るためのものであり、診断開始から診断終了までの時
間を計測するようになっている。
【0070】CPU27は、ステップ421で電動エア
ポンプ25の作動を停止させるための信号を出力し、こ
のルーチンを終了する。電動エアポンプ25の作動が停
止されると、二次空気が排気マニホルド13に導かれな
い。そして、フィードバック補正係数FAFを用いた空
燃比A/Fのフィードバック制御が行われる。
【0071】図9における前記ステップ401〜404
の判定条件が全て満たされると(図11のタイミングt
12)、CPU27はエンジン1が温間時の診断を行う
ことのできる状態になったと判断し、ステップ405へ
移行する。
【0072】ステップ405において、CPU27は診
断実行カウンタCJAIの値を「1」インクリメントす
る。この場合、「0」から「1」にする。このときの診
断実行カウンタCJAIが「0」から「1」になるまで
の時間は0.065秒である。そして、CPU27はス
テップ406において、診断実行カウンタCJAIの値
が「2」以上であるか否かを判定する。すなわち、診断
実行カウンタCJAIによるカウント動作が開始されて
から0.13秒が経過したか否かを判定する。タイミン
グt12ではCJAI=1であり、ステップ406の判
定条件が満たされないので、CPU27は以降の処理を
行わず、このルーチンを終了する。
【0073】前記ステップ406の判定条件が満たされ
ると(図11のタイミングt13)、CPU27はステ
ップ407で電動エアポンプ25を作動させるための信
号を出力する。すると、電動エアポンプ25が作動して
二次空気が排気マニホルド13へ導かれる。
【0074】続いて、CPU27は図10のステップ4
08において、前記診断実行カウンタCJAIの値が
「15」以上であるか否かを判定する。すなわち、二次
空気の供給が開始されてから約1秒が経過したか否かを
判定する。タイミングt13では、診断実行カウンタC
JAIの値が「2」であり、前記ステップ408の判定
条件が満たされないので、CPU27はステップ409
へ移行する。
【0075】ステップ409において、CPU27はフ
ィードバック補正係数FAFを用いた空燃比A/Fのフ
ィードバック制御を停止し、フィードバック補正係数の
平均値FAFAVを新たなフィードバック補正係数FA
Fとして設定する。そして、CPU27はステップ41
0でリーン時間カウンタCJAILを「0」にリセット
し、このルーチンを終了する。前記のような処理が繰り
返し実行されると、ステップ405の処理により診断実
行カウンタCJAIの値が「1」ずつ増えてゆく。そし
て、前記ステップ408の条件(CJAI≧15)が満
たされると(図11のタイミングt14)、CPU27
はステップ411へ移行し、前記フィードバック補正係
数の平均値FAFAVに所定値(例えば3%)を加算し
て、その加算値を新たなフィードバック補正係数FAF
として設定する。このステップ411の処理は、ベース
空燃比(A/F)a を強制的にリッチにするための処理
である。
【0076】次に、CPU27はステップ412におい
て、診断実行カウンタCJAIの値が「30」以上であ
るか否かを判定する。すなわち、二次空気の供給が開始
されてから約2秒が経過したか否かを判定する。タイミ
ングt14では、診断実行カウンタCJAIの値が「1
5」であり、前記ステップ412の判定条件が満たされ
ない。そのため、CPU27は前記ステップ410以降
の処理を行う。つまり、リーン時間カウンタCJAIL
の値を「0」に保持し、このルーチンを終了する。
【0077】前記処理が繰り返し実行され、ステップ4
12の条件(CJAI≧30)が満たされると(図11
のタイミングt15)、CPU27はステップ413へ
移行し、酸素センサ18による排気空燃比(A/F)b
がリーンであるか否かを判定する。タイミングt15で
示すように排気空燃比(A/F)b がリーンであると、
CPU27はステップ414で前記リーン時間カウンタ
CJAILの値を「1」インクリメントする。この場合
「0」から「1」にする。このときのリーン時間カウン
タCJAILが「0」から「1」になるまでの時間は
0.065秒である。
【0078】そして、CPU27はステップ415にお
いて、診断実行カウンタCJAIの値が「77」以上で
あるか否かを判定する。すなわち、診断実行カウンタC
JAIによるカウント動作が開始されてから約5秒が経
過したか否かを判定する。ここでの5秒は診断が終了す
る時間である。タイミングt15ではCJAI=30で
あり、ステップ415の判定条件が満たされないので、
CPU27は以降の処理を行わずこのルーチンを終了す
る。
【0079】排気空燃比(A/F)b がリーンである間
はステップ414の処理が繰り返され、リーン時間カウ
ンタCJAILの値が「1」ずつ増える。そして、排気
空燃比(A/F)b がリッチになると(図11のタイミ
ングt16)、CPU27は前記ステップ413の判定
条件が満たされないと判断し、ステップ414の処理を
行わずに前回処理時の値を保持したままステップ415
以降の処理を行う。
【0080】排気空燃比(A/F)b が再びリーンにな
ると(図11のタイミングt17)、CPU27はステ
ップ414の処理を行い、リーン時間カウンタCJAI
Lのカウント動作を再開する。すなわち、前記タイミン
グt16のときのリーン時間カウンタCJAILの値を
「1」インクリメントする。そして、排気空燃比(A/
F)b がリーンからリッチに転じると(図11のタイミ
ングt18)、CPU27はステップ414の処理は行
わず、前回処理時の値を保持したままステップ415以
降の処理を行う。さらに、排気空燃比(A/F)b が再
びリーンになると(図11のタイミングt19)、CP
U27はステップ414での処理を行い、リーン時間カ
ウンタCJAILのカウント動作を再開する。
【0081】このように、ステップ413,414での
処理は、ステップ415の判定条件(CJAI≧77)
が満たされるまで続けられる。そして、ステップ414
の処理により、リーン時間の積算値が計測されることに
なる。
【0082】ステップ415の判定条件が満たされると
(図11のタイミングt20)、CPU27は前記リー
ン時間カウンタCJAILの値に基づき、二次空気供給
装置23の作動状態の診断を行う。そのために、CPU
27はまずステップ416において、リーン時間カウン
タCJAILの値が「37」よりも大きいか否かを判定
する。ここでのCJAIL=37は「2.4秒」に相当
する。
【0083】CPU27はリーン時間カウンタCJAI
Lの値が「37」よりも大きいと、ステップ417にお
いて二次空気供給装置23が正常に作動していると判定
する。これとは逆に、CPU27はリーン時間カウンタ
CJAILの値が「37」以下であると、ステップ41
8において二次空気供給装置23の作動が異常であると
判定する。
【0084】なお、前記ステップ416での判定の基準
を「37」(2.4秒)としたのは以下の理由による。
すなわち、二次空気を所定時間供給した場合、二次空気
供給装置23が正常に作動していれば、たとえ二次空気
供給中に過渡的に排気空燃比(A/F)b がリッチとな
ったとしても、そのリッチ時間はわずかである。そし
て、二次空気供給時間に対する所定割合(例えば0.
8)よりも長い時間、排気空燃比(A/F)b がリーン
となるはずである。そこで、本実施例では二次空気供給
装置23の作動開始後、約2秒経過してから約5秒経過
するまでの間(約3秒間)において、排気空燃比(A/
F)b のリーンとなった時間(リーン時間)が2.4秒
より長いか否かを判定し、その判定結果に基づいて二次
空気供給装置23の作動状態を把握するようにしてい
る。
【0085】そして、CPU27は前記ステップ41
7,418から移行したステップ419において、診断
終了フラグXJAIEを「1」に設定し、前述したステ
ップ420以降の処理を行う。すなわち、ステップ42
0で診断実行カウンタCJAIを「0」にクリアする。
また、CPU27はステップ421で電動エアポンプ2
5の作動を停止するための信号を出力し、このルーチン
を終了する。電動エアポンプ25の停止により、二次空
気が排気マニホルド13に導かれなくなる。
【0086】このように本実施例では、エンジン1への
混合気の空燃比A/Fを酸素センサ18で検出し、エン
ジン1の運転状態が予め定めた所定状態のときには、前
記空燃比A/Fが理論空燃比(14.5)となるように
燃料噴射弁8A〜8Dからの燃料噴射量を調整する。ま
た、エンジン1の運転状態が前記所定状態以外のときに
は、電動エアポンプ25を作動させて前記酸素センサ1
8上流の排気マニホルド13へ二次空気を供給する。そ
して、二次空気供給中における酸素センサ18によるリ
ーン時間を、リーン時間カウンタCJAILのカウント
動作により測定し(ステップ311,312)、そのリ
ーン時間が所定時間(5秒)以上になったとき二次空気
供給装置23が正常であると判定する(ステップ31
3,314)。さらに、前記二次空気供給中における酸
素センサ18による排気空燃比(A/F)b がリッチと
なったとき、前記リーン時間カウンタCJAILのカウ
ント動作を中断してそのときの値を保持し(ステップ3
03〜309)、所定時間経過後に前記リーン時間カウ
ンタCJAILのカウント動作を続行するようにした。
【0087】このため、二次空気が供給されているとき
に、酸素センサ18による排気空燃比(A/F)b がエ
ンジン1の運転状態の変化に応じて過渡的にリッチとな
っても、その瞬間的な変化に影響を受けることなく、二
次空気供給装置23の作動状態が的確に診断される。
【0088】従って、常に酸素センサの出力信号の変化
に従って診断を行う従来技術とは異なり、本実施例では
過渡的な空燃比A/Fの変化による二次空気供給装置2
3の誤診断を未然に防止することができる。
【0089】なお、本発明は前記実施例の構成に限定さ
れるものではなく、例えば以下のように発明の趣旨から
逸脱しない範囲で任意に変更してもよい。 (1)前記実施例では、二次空気供給装置23として電
動エアポンプ25を用いたが、これに代えて、排気通路
3の脈動を利用して吸気通路2から空気を直接吸引す
る、いわゆるエアサクション方式(AS)の二次空気供
給装置を用いてもよい。
【0090】(2)前記実施例において、運転席のイン
ストルメントパネル等に警告灯を設け、二次空気供給装
置23が異常であると判定されたときに、この警告灯を
点灯するようにしてもよい。
【0091】(3)前記実施例では本発明を4気筒のエ
ンジン1に具体化したが、それ以外の気筒数のエンジン
に具体化してもよい。
【0092】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、二
次空気供給中における空燃比センサによる空燃比がリッ
チとなったとき、リーン時間測定のためのタイマのカウ
ント動作を中断してそのときのタイマ値を保持し、所定
時間経過後に前記タイマのカウント動作を続行するよう
にしたので、空燃比センサの出力信号が過渡的にリーン
になっても正確にリーン時間を測定して二次空気供給装
置の作動を的確に診断し、誤診断を未然に防止できると
いう優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化した一実施例の診断方法が適用
される二次空気供給装置及びエンジンの概略構成図であ
る。
【図2】一実施例におけるECUの電気的構成を示すブ
ロック図である。
【図3】一実施例において、酸素センサの出力電圧とフ
ィードバック補正係数との対応関係を示す図である。
【図4】一実施例において、CPUによって実行される
診断処理を説明するフローチャートである。
【図5】図4中の冷間診断ルーチンを説明するフローチ
ャートである。
【図6】図4中の冷間診断ルーチンを説明するフローチ
ャートである。
【図7】一実施例において、全閉信号と空燃比と酸素セ
ンサの信号とリーン時間カウンタとの対応関係を示すタ
イミングチャートである。
【図8】一実施例において、空燃比と排気空燃比と酸素
センサの信号とリーン時間カウンタとの対応関係を示す
タイミングチャートである。
【図9】図4中の温間診断ルーチンを説明するフローチ
ャートである。
【図10】図4中の温間診断ルーチンを説明するフロー
チャートである。
【図11】一実施例において、電動エアポンプの作動状
態、フィードック補正係数、酸素センサ信号、診断終了
フラグ、診断実行カウンタ及びリーン時間カウンタの対
応関係を説明するタイミングチャートである。
【符号の説明】
1…内燃機関としてのエンジン、3…排気通路、8A〜
8D…燃料噴射弁、13…排気マニホルド、18…空燃
比センサとしての酸素センサ、23…二次空気供給装
置、25…電動エアポンプ、A/F…空燃比、(A/
F)a …ベース空燃比、(A/F)b …排気空燃比、C
JAIL…タイマとしてのリーン時間カウンタ

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関への混合気の空燃比を、排気通
    路に設けられた空燃比センサにより検出し、前記内燃機
    関の運転状態が予め定めた所定状態のときには、前記空
    燃比が理論空燃比となるように燃料噴射弁からの燃料噴
    射量を調整するとともに、前記内燃機関の運転状態が前
    記所定状態以外のときには、二次空気供給装置を作動さ
    せて前記空燃比センサ上流での排気通路へ二次空気を供
    給し、さらに、前記二次空気供給中における空燃比セン
    サによるリーン時間を、タイマのカウント動作により測
    定し、そのリーン時間が所定時間以上になったとき二次
    空気供給装置が正常であると判定するようにした二次空
    気供給装置の診断方法であって、 前記二次空気供給中における空燃比センサによる空燃比
    がリッチとなったとき、前記タイマのカウント動作を中
    断してそのときのタイマ値を保持し、所定時間経過後に
    前記タイマのカウント動作を続行するようにしたことを
    特徴とする二次空気供給装置の診断方法。
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