JP2000345899A - 内燃機関のスロットル制御装置 - Google Patents

内燃機関のスロットル制御装置

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JP2000345899A
JP2000345899A JP11153836A JP15383699A JP2000345899A JP 2000345899 A JP2000345899 A JP 2000345899A JP 11153836 A JP11153836 A JP 11153836A JP 15383699 A JP15383699 A JP 15383699A JP 2000345899 A JP2000345899 A JP 2000345899A
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engine output
opening
throttle valve
control device
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JP11153836A
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Katsura Masuda
桂 増田
Harufumi Muto
晴文 武藤
Toshimoto Kawai
利元 河合
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Toyota Motor Corp
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    • Y02T10/40Engine management systems

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  • Control Of Throttle Valves Provided In The Intake System Or In The Exhaust System (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 モータ駆動されるスロットルバルブのフェー
ル時であれ、特にアイドル運転時の安定した機関出力制
御を可能とする内燃機関のスロットル制御装置を提供す
る。 【解決手段】 このスロットル制御装置はエンジン1の
運転状態に応じてモータ11が駆動されてスロットルバ
ルブ10の開度が制御される。スロットルバルブ10を
モータ11により駆動できない異常が生じたときには、
スロットルバルブ10が所定開度に固定される。スロッ
トルバルブ10が所定開度に固定されたときにはアクセ
ルペダル51の開度に基づいてエンジン出力を調整する
とともに、同アクセルペダル51の開度がアイドル開度
にあるとき、すなわちアイドル運転時には、エンジン水
温が低いときのエンジン出力がエンジン水温が高いとき
のエンジン出力よりも大きくなるように同エンジン出力
を調整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、車載用内燃機関
の吸気調量バルブであるスロットルバルブの開度をモー
タを通じて電気的に制御する内燃機関のスロットル制御
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】スロットルバルブを電気的に制御するス
ロットル制御装置は、アクセル操作量に対するスロット
ル開度の特性を任意に設定できることから、例えば加速
要求等、車両の運転状態に的確に対応することのできる
システムとして近年注目を集めている。
【0003】ただし、こうしたスロットル制御装置で
は、基本的にアクセル操作量を参照してスロットルバル
ブの開度が制御されるとはいえその制御自体はモータを
通じて独立して行われる。このため、例えば、スロット
ルバルブの開度がその制御目標値に収束されなくなるな
ど、同スロットルバルブをモータによって駆動できない
異常が生じたとき、すなわち、スロットルフェール時に
は、スロットルバルブの制御が不能となってしまう。
【0004】そこで従来は、例えば特開平10−153
142号公報に見られるように、こうしたスロットルフ
ェール時にはスロットルバルブを所定開度に固定して退
避走行性能を確保するとともに、アクセル開度がアイド
ル開度に保持されるアイドル運転時には、内燃機関(車
載エンジン)の運転気筒数を減筒する減筒運転を行うこ
とによって、機関出力を調整し、該アイドル運転時のオ
ーバランを防止するようにした装置が提案されている。
【0005】すなわちこの装置では、スロットルフェー
ル時、ばねを用いた簡単な補助機構によりスロットルバ
ルブを所定開度に固定保持することによって、エンジン
がストールすることを回避するとともに、退避走行時に
は、エンジンを全気筒運転してその退避走行性能を確保
し、さらに上記アイドル運転時には、エンジンを減筒運
転することによってそのオーバランを防止するようにし
ている。
【0006】また従来、こうしたスロットル制御装置に
あって、そのスロットルフェール時にスロットルバルブ
を所定開度に固定するとともに、アクセル開度に応じて
機関出力を調整する装置としては他に、特開平11−2
2530号公報に記載の装置も知られている。
【0007】この装置では、特に上述したアイドル運転
時における機関出力の調整を、空燃比をリーン化するこ
とによる空燃比補正や、点火時期を遅角することによる
点火時期補正により行っている。
【0008】このように、空燃比や点火時期を補正する
ことによっても機関出力を低減調整することが可能であ
り、スロットルフェール時の退避走行性能を確保しつ
つ、アイドル運転時にはエンジンのオーバラン防止を図
ることができるようになる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の装置のよう
に、モータ駆動されるスロットルバルブのフェール時に
は、その開度を所定開度に固定することによって、確か
に退避走行性能を確保することはできる。また、特にア
イドル運転時には、エンジンの減筒運転を行ったり、あ
るいは空燃比補正や点火時期補正を行うことで、そのオ
ーバランを防止することもできる。
【0010】ところが一般に、エンジンの冷間運転時と
温間運転時とではエンジン各駆動部材間のフリクショ
ン、すなわち機関抵抗が異なり、アイドル運転時の回転
数もエンジンの暖機状態によって変動する。
【0011】すなわち、エンジンオイルの油温が低いと
その粘性が高いためにフリクションは高くなり、逆にエ
ンジンオイルの油温が高いとその粘性が低くなるために
フリクションは低くなる。
【0012】このため、上記従来のスロットル制御装置
では、スロットルフェール時、アイドル運転時における
機関出力の調整をエンジンの温間運転時を基準として行
うと、同エンジンの冷間運転時にはストールに陥るおそ
れがある。また、冷間運転時にストールしないように、
アイドル運転時における機関出力の調整をエンジンの冷
間運転時を基準として行うと、同エンジンの温間運転時
にはオーバランを招くおそれがある。
【0013】この発明は、こうした実情に鑑みてなされ
たものであって、その目的は、モータ駆動されるスロッ
トルバルブのフェール時であれ、特にアイドル運転時の
安定した機関出力制御を可能とする内燃機関のスロット
ル制御装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】以下、上記目的を達成す
るための手段及びその作用効果について記載する。ま
ず、請求項1記載の発明では、機関運転状態に基づきモ
ータを駆動してスロットルバルブの開度を制御するとと
もに、該スロットルバルブを前記モータにより駆動でき
ない異常が生じたときには前記スロットルバルブを所定
開度に固定する内燃機関のスロットル制御装置におい
て、前記スロットルバルブが前記所定開度に固定された
ときにはアクセルペダルの開度に基づき機関出力を調整
するとともに、該アクセルペダルの開度がアイドル開度
にあるアイドル運転時には機関温度が低いときの機関出
力が機関温度が高いときの機関出力よりも大きくなるよ
うに同機関出力を調整する機関出力調整手段を備えるこ
ととする。
【0015】請求項1記載の発明のこうした構成によれ
ば、アイドル運転時での、一般にフリクション(機関抵
抗)が増大する冷間時には、一般にフリクションが低減
する温間時に比べて大きな機関出力に調整される。この
ため、機関のオーバーランを有効に防止しつつ、同機関
のストールを防止することができるようになる。
【0016】また、請求項2記載の発明では、上記請求
項1記載の発明の構成において、前記機関出力調整手段
は、前記アクセルペダルの開度に基づき前記機関出力を
低減調整するとともに、当該スロットル制御装置は、前
記アイドル運転時における前記スロットルバルブの要求
開度が前記固定される所定開度よりも大きくなる機関温
度低温域で前記機関出力の低減調整を禁止するものであ
るとしている。
【0017】同スロットル制御装置の場合、スロットル
バルブをモータにより駆動できない異常が生じたときに
は該スロットルバルブが所定開度に固定されるが、前述
のようにアイドル運転時の機関回転数は当該機関の暖機
状態によって変動し、温間時での機関回転数を抑えるべ
く燃料カットや点火時期遅角等の機関出力低減調整を行
うと、冷間時には機関がストールする可能性がある。ま
た、現実的な問題として、これら燃料カットや点火時期
遅角等の機関出力低減調整に伴う触媒へのダメージも無
視できない。すなわち、部分気筒を燃料カットする減筒
運転が行われる場合には、その燃料カットした気筒から
は吸入空気がそのまま排出されるようになるために、こ
れが他の気筒から排出される未燃燃料と混合されたとき
に触媒内あるいはその近傍でいわゆる後燃えが発生する
懸念があり、他方、点火時期の遅角が行われる場合に
は、燃焼直後の高温のガスが排気ポートから排出されや
すくなり、やはり触媒の早期劣化が懸念される。
【0018】この点、請求項2記載の発明のこうした構
成によれば、アイドル運転時において、スロットルバル
ブの要求開度が上記固定される所定の開度よりも大きく
なる機関温度低温域では機関出力の低減調整が禁止され
るといった態様で、機関温度が低いときの機関出力が機
関温度が高いときの機関出力よりも大きくなるような機
関出力の調整が図られる。このため、オーバーランの防
止と機関ストールの防止との両立が図られるとともに、
上記機関温度低温域での機関出力の低減調整が禁止され
る分、上述した触媒へのダメージも低減されるようにな
る。
【0019】また、請求項3記載の発明では、上記請求
項1または2記載の発明の構成において、前記機関出力
調整手段は、前記アクセルペダルの開度に基づいて前記
機関出力を低減調整するとともに、前記アイドル運転時
に該機関出力の低減調整を実行するときの低減調整量を
前記機関温度に応じて可変とするものであるとしてい
る。
【0020】上述したアイドル運転時のフリクション
(機関抵抗)は、実際には、そのときどきの機関温度に
応じて微妙に変化する。この点、請求項3記載の発明の
こうした構成によれば、上記アイドル運転時の機関出力
低減調整量がそのときどきの機関温度に応じて可変とさ
れることから、機関出力調整手段を通じて機関出力の低
減調整が実行される際には、同機関出力もより適切に調
整されるようになる。
【0021】また、請求項4記載の発明では、上記請求
項1〜3のいずれかに記載の発明の構成において、前記
機関出力調整手段は、前記アイドル運転時の機関回転数
を監視し、該機関回転数が所定の回転数に維持されるよ
うに前記機関出力の調整量を学習する学習手段を備えて
構成されるものとしている。
【0022】一般に内燃機関には個体差があり、またそ
の特性も経時的に変化する。さらに内燃機関に用いられ
るオイルの粘度等も、通常は経時的に変化する。このた
め、たとえ機関温度に応じて機関出力の調整を図ったと
しても、その調整量が常に適切であるとは限らない。
【0023】この点、請求項4記載の発明のこうした構
成によれば、上記学習手段を通じてアイドル運転時の機
関回転数に基づく機関出力調整量の学習が行われるた
め、上記個体差や経時変化等に拘わらず、常に適切な機
関出力の調整が図られるようになる。
【0024】また、請求項5記載の発明では、上記請求
項4記載の発明の構成において、前記学習手段は、前記
所定の回転数を機関温度に応じて可変とするものである
としている。
【0025】上記アイドル運転時のフリクション(機関
抵抗)を考慮すれば、アイドル運転時の機関回転数とし
て望ましい回転数も、厳密にはそのときどきの機関温度
に応じて異なっている。
【0026】この点、請求項5記載の発明のこうした構
成によれば、上記学習の基準となる機関回転数、すなわ
ち上記所定の回転数が機関温度に応じて可変とされるこ
とで、上記機関出力調整量の学習もより適切に行われる
ようになる。
【0027】また、請求項6記載の発明では、上記請求
項4または5記載の発明の構成において、前記学習手段
は、前記所定の回転数に所定の範囲を持たせて前記アイ
ドル運転時の機関回転数を監視するものであるとしてい
る。
【0028】学習手段による上記機関出力調整量の学習
に際し、例えば上記所定の回転数としてある1つの回転
数が採用され、この回転数をもとにアイドル運転時の実
際の機関回転数が下がった場合には機関出力調整量を大
きく、あるいは同実際の機関回転数が上がった場合には
機関出力調整量を小さく、といった態様で該機関出力調
整量の学習が行われる場合には、その学習値が頻繁に更
新されるいわゆる制御ハンチングを起こしかねない。
【0029】この点、請求項6記載の発明のこうした構
成によれば、上記所定の回転数自体が上記所定の範囲に
対応した監視幅をもって設定されることから、上記機関
出力調整量の学習に際し、このような制御ハンチングの
発生も好適に抑制されるようになる。
【0030】また、請求項7記載の発明では、上記請求
項1〜6のいずれかに記載の発明の構成において、前記
機関出力調整手段は、前記アクセルペダルの開度が非ア
イドル開度にある非アイドル運転時にも、前記アイドル
運転時に調整される機関出力に基づいて該非アイドル運
転時の機関出力を調整するものであるとしている。
【0031】このスロットル制御装置では上述のよう
に、スロットルバルブをモータにより駆動できない異常
が生じて、このスロットルバルブが所定開度に固定され
るときには、アクセルペダルの開度に基づいて機関出力
が調整される。ただし、このアクセルペダルが踏み込ま
れる非アイドル運転時での機関出力調整が上記アイドル
運転時における機関出力調整と別途に行われる場合に
は、アイドル運転から非アイドル運転への移行に際して
運転者に違和感を与えることにもなりかねない。
【0032】この点、請求項7記載の発明のこうした構
成によれば、非アイドル運転時での機関出力調整も、ア
イドル運転時に調整された機関出力をもとに行われるた
め、上記アイドル運転から非アイドル運転への移行をよ
り円滑に行うことができるとともに、非アイドル運転時
の機関出力も、機関温度等に応じて適切に調整すること
ができるようになる。
【0033】また、請求項8記載の発明では、機関運転
状態に基づきモータを駆動してスロットルバルブの開度
を制御するとともに、該スロットルバルブを前記モータ
により駆動できない異常が生じたときには前記スロット
ルバルブを所定開度に固定する内燃機関のスロットル制
御装置において、前記スロットルバルブが前記所定開度
に固定されたときにはアクセルペダルの開度に基づき機
関出力を低減調整する機関出力調整手段と、前記アクセ
ルペダルの開度がアイドル開度にあるアイドル運転時で
の前記スロットルバルブの要求開度が前記固定される所
定開度よりも大きくなる機関温度低温域で前記機関出力
調整手段による前記機関出力の低減調整を禁止する禁止
手段とを備えることとする。
【0034】こうしたスロットル制御装置にあっては上
述のように、スロットルバルブをモータにより駆動でき
ない異常が生じたときには該スロットルバルブが所定開
度に固定されるが、アイドル時の機関回転数は当該機関
の暖機状態によって変動し、温間時での機関回転数を抑
えるべく燃料カットや点火時期遅角等の機関出力低減調
整を行うと、冷間時には機関がストールする可能性があ
る。
【0035】また一方、これら燃料カットや点火時期遅
角等の機関出力低減調整が行われる場合には、それら低
減調整に伴う触媒へのダメージが無視できなくなること
も上述した。
【0036】この点、請求項8記載の発明のこうした構
成によれば、アイドル運転時での、一般にフリクション
が増大する冷間時には機関出力調整手段による機関出力
の低減調整が禁止され、また一般にフリクションが低減
する温間時には同機関出力調整手段による機関出力の低
減調整が実行されるため、機関のオーバーランを有効に
防止しつつ、同機関のストールを防止することができる
ようになる。また、上記機関温度低温域での機関出力の
低減調整が禁止される分、上述した触媒へのダメージも
低減されるようになる。
【0037】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)図1および図2
に、この発明にかかる内燃機関のスロットル制御装置の
一実施形態についてその具体構成を示す。
【0038】はじめに、図1を参照して同実施形態にか
かるスロットル制御装置が適用される内燃機関、並びに
その周辺装置の概略構成について説明する。図1におい
て、内燃機関(車載エンジン)1は、例えば直列4気筒
の4サイクルエンジンとして構成されている。このエン
ジン1の吸気通路2には、上流に図示しないエアクリー
ナが設けられ、同エアクリーナの下流側には、スロット
ルバルブ10が設けられている。このスロットルバルブ
10は、電子制御装置(ECU)20を通じてその駆動
が制御されるモータ11によって開閉されるもので、同
スロットルバルブ10の開度に応じてエンジン1に供給
される空気量が調量される。
【0039】また、上記スロットルバルブ10には、そ
の周辺機器としてスロットル開度センサ12が設けられ
ており、該スロットル開度センサ12を通じてスロット
ルバルブ10の開度が検出される。この検出信号は、ス
ロットル開度信号TAとしてECU20に取り込まれ
る。
【0040】また、吸気通路2のスロットルバルブ10
の下流には、同エンジン1への吸入空気量(吸気圧)を
検出する吸気圧センサ13が設けられている。この吸気
圧センサ13によって検出される吸入空気量(吸気圧)
は、吸気圧信号PMとして、ECU20に取り込まれ
る。
【0041】さらに、吸気通路2は、インテークマニホ
ールド5を介して同エンジン1の各気筒に接続されてお
り、この吸気通路2から吸入され、上記スロットルバル
ブ10により調量された空気は同インテークマニホール
ド5を経てエンジン1の各気筒に分配供給されるように
なる。
【0042】このインテークマニホールド5には、各気
筒にそれぞれ対応して燃料噴射弁であるインジェクタ5
a,5b,5c,5dが配設されている。それらインジ
ェクタ5a〜5dを通じて噴射供給される燃料は、上記
調量され、分配供給される吸気通路2からの吸入空気と
混合されて、同エンジン1の各気筒に供給される。
【0043】エンジン1の各気筒においては、それら供
給された混合気がそれぞれ点火プラグ6a〜6dの点火
に基づき各燃焼室にて爆発・燃焼され、図示しないクラ
ンクシャフトに駆動力が付与される。燃焼後の排気ガス
は、排気通路3に排出され、更に触媒31を経て浄化さ
れた後、外部に放出される。
【0044】また、上記クランクシャフトの近傍にはそ
の回転角を検出するクランク角センサ24が配設されて
いる。このクランク角センサ24からは、クランクシャ
フトの回転角(クランク角)の所定角度(例えば30
°)毎にパルス信号が出力され、この出力されたパルス
信号が、同機関1の回転速度(回転数)に対応した回転
数信号NEとしてECU20に取り込まれる。
【0045】また、上記クランクシャフトに駆動連結さ
れているこれも図示しないカムシャフトには、その近傍
にカム角センサ25が設けられている。このカム角セン
サ25は通常、気筒判別センサとして用いられ、例えば
第1気筒#1の圧縮上死点(TDC)に対応して適宜の
パルス信号を出力する。この出力されるパルス信号は、
カム角信号(気筒判別信号)CAとして同様にECU2
0に取り込まれる。
【0046】また、エンジン1本体には、そのウォータ
ジャケット内を流れる冷却水の水温を検出する水温セン
サ26が設けられている。この水温センサ26による検
出信号は、水温信号THWとしてECU20に取り込ま
れ、エンジン1の機関温度を示すパラメータとして各種
の制御に供される。
【0047】一方、図示しない車両の車室内にはアクセ
ルペダル51が設けられており、その操作量(踏込量)
が、アクセル開度センサ21によって検出される。この
検出信号は、アクセル開度信号PDLAとしてECU2
0に取り込まれる。
【0048】ECU20は、例えばマイクロコンピュー
タを有して構成され、上記取り込まれる吸気圧信号PM
や回転数信号NE、水温信号THW等に基づいてインジ
ェクタ5a〜5dの駆動を制御するとともに、上記取り
込まれるスロットル開度信号TAやアクセル開度信号P
DLA、更には水温信号THW等に基づいてスロットル
バルブ10を開閉制御する。
【0049】また、このECU20は、上記各燃焼室に
導入された混合気に点火する点火タイミング(点火時
期)も上記回転数信号NEや吸気圧信号PMに基づいて
演算しており、この点火タイミングを指示する信号(点
火信号)をイグナイタ61に出力している。イグナイタ
61は、こうして入力される点火信号を、その内部に設
けられた点火コイル62によって、上記各点火プラグ6
a,6b,6c,6dの点火駆動が可能な電力に変換す
る装置である。これにより、エンジン1の各気筒内に供
給された混合気が上記演算された点火タイミングで着火
され、爆発・燃焼されるようになる。
【0050】また一方、エンジン1には、車両の変速態
様を切り替える自動変速機52が連結されている。そし
てこの自動変速機52には、そのシフト位置(変速位
置)を検出するシフト位置センサ22が設けられてい
る。このシフト位置センサ22は主に、同自動変速機5
2のシフト位置がN(ニュートラル)レンジにあるか、
あるいはD(ドライブ)レンジにあるかを検出してお
り、その検出される内容がシフト位置情報としてECU
20に取り込まれる。
【0051】さらに、図示しない車両の車軸には、その
近傍に車速センサ23が設けられており、同車速センサ
23によって車軸の回転速度、すなわち車両の速度が検
出される。この検出信号は車速信号としてECU20に
取り込まれる。
【0052】本実施形態にあっては、これらシフト位置
情報や車速信号も、後述する機関出力の調整、特にその
調整量の学習に際して参照される。次に、上述したスロ
ットルバルブ10、並びにその周辺構造について、図2
を参照して詳述する。
【0053】この実施形態のスロットル制御装置にあっ
ては、同図2に示されるように、モータ11からの動力
がスロットルバルブ10に伝達されるとともに、その動
力がスロットル開度センサ12にも直接伝達されて、ス
ロットルバルブ10の開度がこのスロットル開度センサ
12に直接反映されるようになっている。モータ11は
上述のように、同図においては図示を割愛したECU2
0(図1)によってその駆動が制御される。
【0054】一方、このスロットルバルブ10には、ば
ね機構を利用した補助機構40が設けられており、同ス
ロットルバルブ10をモータ11によって駆動できない
異常が生じたとき、すなわちスロットルフェール時に
は、この補助機構40を通じてスロットルバルブ10が
所定開度に固定される。
【0055】すなわちこの補助機構40において、スロ
ットルバルブ10に連結されたバルブレバー44には、
付勢力F2をもってスロットルバルブ10を開弁方向に
付勢する退避走行用スプリング42が設けられるととも
に、このバルブレバー44とは独立して運動可能なバル
ブリターンレバー43には、付勢力F1をもってバルブ
レバー44をスロットルバルブ10の閉弁方向に付勢す
るバルブリターンスプリング41が設けられている。
【0056】ここで、上記バルブリターンスプリング4
1の付勢力F1と上記退避走行用スプリング42の付勢
力F2とは、 F1>F2 といった関係に設定されているが、バルブリターンレバ
ー43に対しては中間ストッパ46が設けられているこ
とにより、スロットルフェール時等、モータ11の非通
電時には、バルブリターンレバー43とバルブレバー4
4との位置関係、すなわちスロットルバルブ10の開度
は、同図2に示される態様で固定される。この固定され
るスロットルバルブ10の開度が上記所定開度であり、
中間ストッパ46の位置設定を通じて、通常は、アイド
ル運転時に要求される同スロットルバルブ10の開度よ
りもやや開き側の開度に設定される。
【0057】そして、スロットルバルブ10の正常時、
同バルブ10をモータ11を通じて開弁方向に駆動する
際には、バルブリターンスプリング41の付勢力F1に
抗してバルブレバー44およびバルブリターンレバー4
3が図2中において矢印F3方向に押し下げられ、バル
ブリターンレバー43が全開ストッパ47に当接したと
ころでスロットルバルブ10が全開となる。
【0058】また、スロットルバルブ10の正常時、同
バルブ10をモータ11を通じて閉弁方向に駆動する際
には、退避走行用スプリング42の付勢力F2に抗して
バルブレバー44が図2中において矢印F4方向に押し
上げられ、バルブレバー44が全閉ストッパ45に当接
したところでスロットルバルブ10が全閉となる。
【0059】ところで、スロットルフェールとなった場
合であれ、スロットルバルブ10の開度が上記所定開度
に固定されることにより、退避走行性能は確かに確保さ
れる。そして、特にアイドル運転時には、エンジン1の
減筒運転を行ったり、あるいは空燃比補正や点火時期補
正といった機関出力(エンジン出力)の調整を行うこと
で、そのオーバラン等も防止される。
【0060】ところが、従来は前述のように、これらエ
ンジン出力の調整に際し、その冷間運転時と温間運転時
とにおける機関抵抗(フリクション)の違いが考慮され
ていなかったため、スロットルフェール時のアイドル運
転時において、ストール若しくはオーバランを招くおそ
れがあった。すなわち、エンジン出力の調整をエンジン
1の温間運転時を基準として行うと、同エンジン1の冷
間運転時にはストールに陥るおそれがあり、また、冷間
運転時にストールしないように同エンジン出力の調整を
エンジン1の冷間運転時を基準として行うと、同エンジ
ン1の温間運転時にはオーバランを招くおそれがあっ
た。
【0061】そこで、この実施形態のスロットル制御装
置では、図3,図5,図7および図8に示すエンジン出
力調整処理を通じて、こうしたスロットルフェール時の
ストールやオーバランを防止するようにしている。
【0062】以下、図3〜図10を参照して、このエン
ジン出力調整処理にかかる詳細を説明する。先ず、図3
および図4を参照して、同エンジン出力調整処理におい
てエンジン出力レベルの初期値を決定するルーチンにつ
いて具体的に説明する。なお、このルーチンをはじめと
する同エンジン出力調整処理は、エンジン1の運転全般
を制御する周知のエンジン制御メインルーチンの前処理
として実行されるもので、例えば上記クランク角センサ
24を通じて検出されるクランクシャフトの所定角度毎
の割り込み処理として、ECU20によって実行され
る。
【0063】さて、図3に示すエンジン出力レベル初期
値決定ルーチンにあっては、そのステップS101にお
いて、スロットルフェールフラグが機関始動後、最初に
セットされたか否かが判断される。ここで、スロットル
フェールフラグは、スロットルバルブ10がモータ11
によって駆動できない異常が生じたときにセットされる
フラグであって、図示しない別途のルーチンよって、例
えば実際にスロットル開度センサ12により検出される
スロットル開度TAがその要求開度に収束されなくなっ
たこと、あるいは電気的な回路異常が発生したこと等を
条件にセットされる。なお、このスロットルフェールフ
ラグは、ECU20内部の揮発性のメモリ又はレジスタ
にセットされ、エンジン1の運転停止時には一旦リセッ
トされる。
【0064】そして、ステップS101において、こう
したスロットルフェールフラグが最初にセットされたと
判断される場合にのみ、ステップS102へ移行して、
エンジン出力レベル学習初期値の決定処理が行われる。
【0065】すなわち、このステップS102において
は、エンジン水温THWの値、および図4に示すマップ
Aが読み込まれ、同マップAに基づいて、そのときのエ
ンジン水温THWの値に対応したエンジン出力レベル学
習初期値が決定される。なお、このマップAは、ECU
20内部の不揮性のメモリに予め格納されている。
【0066】こうしてエンジン出力レベル学習初期値が
決定された後は、図5および図7に示すエンジン出力レ
ベル学習ルーチンに移行する。一方、ステップS101
において、スロットルフェールフラグが既にセットされ
ていたり、あるいはセットされていない(正常)と判断
される場合には、当該ルーチンをぬけ、直接図5および
図7に示すエンジン出力レベル学習ルーチンに移行す
る。
【0067】次に、図5〜7を参照して、このエンジン
出力調整処理においてエンジン出力レベルを学習するた
めのルーチンについて具体的に説明する。図5に示すエ
ンジン出力レベル学習ルーチンにあっては、まずそのス
テップS201において、スロットルフェールフラグお
よび始動後判定フラグが読み込まれ、それらのフラグが
共にセットされていることの論理積(アンド)条件が満
たされているか否かが判断される。ここで、スロットル
フェールフラグについては上述した。また、始動後判定
フラグは、エンジン1の図示しないスタータがオフ操作
されていること、あるいはその後エンジン1が自律運転
に至ったこと等に基づいてセットされるフラグである。
【0068】そして、このステップS201において上
記論理積(アンド)条件が満たされていないと判断され
る場合、すなわちスロットルバルブ10が正常であった
り、エンジン1が始動中であった場合には、ステップS
202の処理として部分気筒の燃料カット(F/C)を
禁止したうえで、前記周知のエンジン制御メインルーチ
ンへ移行する。
【0069】一方、ステップS201において上記スロ
ットルフェールフラグおよび始動後判定フラグが共にセ
ットされていると判断される場合には、ステップS20
3へ移行してアイドル運転時の回転数を監視するための
上下限値を算出する。
【0070】すなわちこのステップS203において
は、エンジン水温THWの値、上記自動変速機52のシ
フト位置、および図6に示すマップBが読み込まれ、同
マップBに基づいて、そのときのエンジン水温THWの
値、およびシフト位置情報(N,D)に対応したフィー
ドバック(F/B)基準上限回転数NEFBUおよび同
下限回転数NEFBDが算出決定される。
【0071】そして、こうした上下限回転数NEFB
U,NEFBDの決定後は、ステップS204におい
て、エンジン1がアイドル運転中であるか非アイドル運
転中であるかが判断される。具体的には、前記車速セン
サ23、クランク角センサ24およびアクセル開度セン
サ21の各出力信号から、車速、エンジン回転数の変動
度合い、およびアクセルペダル開度PDLAが読み込ま
れ、 ・車速が出ていないこと。 ・エンジン回転数変動が一定範囲内であること。 ・アクセルペダル開度がアイドル開度であること。 の論理積(アンド)条件が満たされているか否かのチェ
ックが行われる。
【0072】そして、このステップS204でのチェッ
クで上記論理積(アンド)条件が満たされていないと判
断される場合には、現在、エンジン1が非アイドル運転
中であるとみなされて、後述するエンジン出力レベル決
定ルーチン(図8)へ移行する。
【0073】他方、このステップS204でのチェック
で上記論理積(アンド)条件が満たされていると判断さ
れる場合には、現在、エンジン1がアイドル運転中であ
るとして、図7に示すステップS205以降の学習処理
に移行する。
【0074】このアイドル学習処理にあって、ステップ
S205およびS209においては、上記エンジン回転
数NEが読み込まれ、同エンジン回転数NEと上記ステ
ップS203にて決定されたF/B基準下限回転数NE
FBDとが比較される。
【0075】すなわち、ステップS205では、 NE<NEFBD といった比較に基づいて、上記読み込まれたエンジン回
転数NEがF/B基準下限回転数NEFBDを下回って
いるか否かがチェックされる。
【0076】このチェックの結果、エンジン回転数NE
がF/B基準下限回転数NEFBDを下回っている旨判
断される場合には、次のステップS206において、回
転数上昇補正用の上昇カウンタがインクリメントされ
る。そして、ステップS207においては、このインク
リメントされた上昇カウンタ値と補正(学習値更新)実
行のために設定された所定値とが比較され、その後、当
該ルーチンの上記ステップS205での比較条件が満た
され続けることにより、 上昇カウンタ値>所定値 といった関係に至った時点で、ステップS208のエン
ジン出力レベルベース学習値更新処理が行われる。すな
わちこのステップS208においては、エンジン回転数
NEがF/B基準下限回転数NEFBDを下回っている
状態が上記所定値に対応する期間にわたって継続される
ことを条件に、前記ステップS102で決定されたエン
ジン出力レベル学習初期値であるエンジン出力レベルベ
ース学習値が、 エンジン出力レベルベース学習値+1 といった態様で更新される。
【0077】一方、ステップS209では、上記ステッ
プS205におけるチェックの結果、エンジン回転数N
EがF/B基準下限回転数NEFBDを下回っていない
旨判断されることを条件に、 NE>NEFBU といった比較に基づいて、上記読み込まれたエンジン回
転数NEがF/B基準上限回転数NEFBUを上回って
いるか否かがチェックされる。
【0078】このチェックの結果、エンジン回転数NE
がF/B基準上限回転数NEFBUを上回っている旨判
断される場合には、次のステップS210において、回
転数下降補正用の下降カウンタがインクリメントされ
る。そして、ステップS211においては、このインク
リメントされた下降カウンタ値と補正(学習値更新)実
行のために設定された所定値とが比較され、その後、当
該ルーチンの上記ステップS209での比較条件が満た
され続けることにより、 下降カウンタ値>所定値 といった関係に至った時点で、ステップS212のエン
ジン出力レベルベース学習値更新処理が行われる。すな
わちこのステップS212においては、エンジン回転数
NEが上記所定値に対応する期間にわたって継続される
ことを条件に、前記ステップS102で決定されたエン
ジン出力レベルベース学習値が、 エンジン出力レベルベース学習値−1 といった態様で更新される。
【0079】こうしてエンジン出力レベルベース学習値
の更新が行われた場合には、ステップS213におい
て、 1≦エンジン出力レベルベース学習値≦5 といった上下限ガード処理が行われ、更にステップS2
14において、上記上昇カウンタおよび下降カウンタが
クリアされた後、エンジン出力レベル決定ルーチンに移
行する。なお、上記S205およびS209での比較条
件が共に満たされなかった場合、すなわち、エンジン回
転数NEが、 NEFBD≦NE≦NEFBU といった範囲にあった場合には、上記ステップS214
の処理を経てエンジン出力レベル決定ルーチンに移行す
る。
【0080】次に、図8を参照して、上記学習されるベ
ース学習値に基づき最終的にエンジン出力レベルを決定
・反映するルーチンについて具体的に説明する。この図
8に示すエンジン出力レベル決定ルーチンにあっては、
そのステップS301およびS304において、アクセ
ル開度センサ21を通じて検出されるアクセルペダル開
度PDLAが読み込まれ、ステップS301では、 PDLA<10° といった比較のもとに、加速要求があるか否かが、また
ステップS304では、 10°≦PDLA<20° といった比較のもとに、加速要求があった場合の要求度
合いが判断される。
【0081】そして、ステップS301でのチェックに
より、アクセル開度が10°未満である旨判断される場
合には、加速要求が無いものとしてステップS302に
移行し、このステップS302において、 エンジン出力レベル=ベース学習値 としてエンジン出力レベルが決定される。
【0082】こうしてエンジン出力レベルが決定された
後は、次のステップS303において、 1≦エンジン出力レベル≦5 といった態様で、同決定されたエンジン出力レベルに対
する上下限ガードが施され、次のステップS308の処
理に移行する。
【0083】また、上記ステップS304でのチェック
により、上記読み込まれるアクセルペダル開度PDLA
が10°以上で、かつ20°未満である旨判断される場
合には、加速要求はあるものの、その要求度合いは小さ
いとしてステップS305に移行し、このステップS3
05において、 エンジン出力レベル=ベース学習値+1 としてエンジン出力レベルが決定される。
【0084】そしてこの場合には、次のステップS30
6において、 2≦エンジン出力レベル≦5 といった態様で、上記決定されたエンジン出力レベルに
対する上下限ガードが施され、ステップS308の処理
に移行する。
【0085】他方、上記ステップS304でのチェック
の結果、上記読み込まれるアクセルペダル開度PDLA
が20°以上である旨判断される場合には、加速要求の
要求度合いが大きいと判断してステップS307に移行
し、このステップS307において、 エンジン出力レベル=5 としてエンジン出力レベルが固定的に決定される。この
レベル「5」というエンジン出力レベルは、本実施形態
においてスロットルフェール時の最大レベルであり、こ
の場合にはガード処理が施されることなくステップS3
08の処理に移行する。
【0086】こうして、各々エンジン出力レベルが決定
された後は、ステップS308において、図9に示すマ
ップCが読み込まれ、同マップCに基づいて、それら決
定されたエンジン出力レベルに対応する運転気筒数およ
び点火時期が決定される。これら決定された運転気筒数
および点火時期は、その後に引き続いて実行されるエン
ジン制御メインルーチンにおいて反映されることとな
る。
【0087】このように、本実施形態にあっては、スロ
ットルフェールに伴ってスロットルバルブ10が所定開
度に固定された場合(図2参照)、該スロットルフェー
ルと判断されたときの機関温度(エンジン水温THW)
に基づいて、先ずエンジン出力レベルのベース値(学習
初期値)がマップA(図4)を通じて決定される。ただ
し、このベース値は、エンジン1のアイドル運転時の回
転数に基づき、同回転数がマップB(図6)にて規定さ
れる機関温度および自動変速機のシフト位置に応じた所
定の回転数の範囲に収まるようにフィードバック制御さ
れつつ、その適性値が学習されている。このため、エン
ジン1に個体差があったり、その特性に経時的な変化が
生じたとしても、上記マップAを通じて決定されるエン
ジン出力レベルのベース値は、常に適切な値に維持され
る。
【0088】そして、本実施形態にあっては、エンジン
1のアイドル運転時はもとより、車両の退避走行に際し
てアクセルペダル51が踏込み操作される場合も、その
操作量であるアクセルペダル開度PDLAと同開度PD
LAに対応したベース値(ベース学習値)とに基づいて
最終的なエンジン出力レベルが決定される。これにより
エンジン1は、アイドル運転時であれ、あるいは退避走
行時であれ、それら状況に即した適切な出力レベルに設
定されるようになる。
【0089】なお、本実施形態にあっては、上記決定さ
れるエンジン出力レベル「1」〜「5」に応じて、それ
ぞれマップC(図9)に示されるように、 (イ)エンジン出力レベル「1」に対応しては、エンジ
ン1の運転気筒数を「2」、すなわち2気筒を減筒して
エンジン1を運転する。また併せて、点火時期を通常制
御での点火時期よりも遅角してエンジン1を運転する。
図10に示すように、点火時期によってもエンジン出力
は変化する。ここでは、エンジン回転数NEと吸気圧P
Mとによって求まる通常点火時期よりも25°CA(ク
ランク角)だけ遅角する。 (ロ)エンジン出力レベル「2」に対応しては、エンジ
ン1の運転気筒数を「3」、すなわち1気筒を減筒して
エンジン1を運転する。また併せて、点火時期を通常点
火時期よりも30°CAだけ遅角する。 (ハ)エンジン出力レベル「3」に対応しては、エンジ
ン1の運転気筒数を「4」、すなわち全気筒運転する。
また併せて、この場合も点火時期を通常点火時期よりも
30°CAだけ遅角する。 (二)エンジン出力レベル「4」に対応しては、上記
(ハ)と同様にエンジン1を全気筒運転する。また併せ
て、この場合には点火時期を通常点火時期より25°C
Aだけ遅角する。 (ホ)エンジン出力レベル「5」に対応しては、上記
(ハ)および(ニ)と同様にエンジン1を全気筒運転す
る。また併せて、点火時期を通常点火時期に設定してエ
ンジン1を運転する。といった態様で、エンジン1の運
転条件を制御する。このような態様でエンジン1の運転
条件を制御することにより、エンジン出力レベル「1」
〜「5」に応じて、順次エンジン出力が高められるよう
になる。また、これら制御される運転条件は、それが機
関温度に応じて適切に選択されることにより、スロット
ルバルブ10が所定開度に固定されるスロットルフェー
ル時において、それぞれ同エンジン1のストールの防
止、並びにオーバランの防止を図ることのできる運転条
件となっている。
【0090】図11および図12は、本実施形態の装置
の上記スロットルフェール時のエンジン出力調整処理に
ついてその具体例を示したものであり、以下、これら図
11および図12を併せ参照して、上述したエンジン出
力の調整が具体的にどのように行われるかを更に詳述す
る。
【0091】なお、これら図11および図12におい
て、それぞれ(a)は前記始動後判定フラグの状態推移
を示し、(b)は自動変速機52のシフト位置の推移を
示し、(c)はアクセルペダル開度PDLAの推移を示
し、(d)はエンジン水温THWの推移を示し、(e)
はエンジン回転数NEの推移を示し、(f)は上昇カウ
ンタのカウンタ値の推移を示し、(g)は下降カウンタ
のカウンタ値の推移を示し、(h)はエンジン出力レベ
ルベース学習値の推移を示し、(i)はエンジン出力レ
ベルの設定状況の推移を示し、(j)はエンジン出力レ
ベルの調整に伴う運転気筒数の推移を示し、(k)は同
じくエンジン出力レベルの調整に伴う点火時期の推移を
示す。
【0092】また、これら図11および図12におい
て、特に図11は、エンジン1の冷間時における出力レ
ベルの調整態様を示し、図12は、同エンジン1の温間
時における出力レベルの調整態様を示す。
【0093】はじめに、図11に基づいて、エンジン1
の冷間時(冷間始動時)における出力レベルの調整態様
を説明する。エンジン1の冷間始動時、すなわち図11
(d)に示されるように、エンジン水温THWが「0℃
未満」にある始動時に、前記エンジン出力レベル初期値
決定ルーチン(図3)を通じて、スロットルフェールフ
ラグの当該トリップにおける最初のセットが確認される
と、このときのエンジン出力レベルベース学習値(学習
初期値)は図11(h)に示されるように、レベル
「3」に決定される(図4マップA)。
【0094】その後、図11(a)に示されるように、
タイミングt11に始動後判定フラグがセットされる
と、図11(b)に示されるシフト位置、および図11
(d)に示されるエンジン水温THWに応じて、図11
(e)〜(h)に示される態様でエンジン出力レベル学
習処理(図5、図7)が開始される。
【0095】すなわち、同学習処理にあっては先ず、こ
のときのエンジン水温「THW<0℃」およびシフト位
置「N」に基づいてF/B基準回転数の範囲が上限NE
FBU「2000」および下限NEFBD「1200」
にそれぞれ決定され、以降、エンジン1がアイドル運転
状態にあることを条件にその回転数NEがこの上限NE
FBUと下限NEFBDとで定められる範囲内にあるか
否かがモニタ(監視)される。
【0096】また、このアイドル運転時には、図11
(c)に示されるように、アクセル開度「PDLA<1
0°」に基づき、エンジン出力レベル決定ルーチン(図
8)においても、上記初期値であるエンジン出力レベル
ベース学習値「3」がそのままエンジン出力レベル
「3」として決定される(図11(i))。
【0097】そして、この決定されたエンジン出力レベ
ル「3」がマップC(図9)と照合されて、その運転条
件が運転気筒数「4」および点火時期「通常点火時期+
30°CA」に決定され(図11(j)および
(k))、この決定された運転条件に基づいてエンジン
1の運転制御が行われる。
【0098】ところで、この図11および図12に示す
例においては、それぞれ図11(e)および図12
(e)に示されるように、エンジン1は、その個体差等
に基づく特性として、アイドル運転時に回転数NEが低
下気味になる傾向を有しているとする。
【0099】したがってその後、同図11(e)に示さ
れるように、タイミングt12においてエンジン回転数
NEが上記F/B基準下限回転数NEFBDを下回った
とすると、上昇カウンタがインクリメントされ始め、そ
のカウンタ値が上記所定値に達するタイミングt13に
て、図11(h)に示されるように、エンジン出力レベ
ルベース学習値が「4」に増加更新される。その結果、
エンジン出力レベルもレベル「4」に増加補正され、こ
れに伴ってエンジン1の運転条件が点火時期「通常点火
時期+25°CA」に変更される(図11(i)および
(k))。
【0100】すなわち、エンジン回転数NEが上記F/
B基準下限回転数NEFBDを上回るようにエンジン出
力が増加調整されるとともに、次のトリップ以降、エン
ジン1の上述した傾向が是正されるように、マップA
(図4)の該当するベース値が書き換えられる。なおこ
のとき、上記上昇カウンタは一度リセットされ、その
後、出力の増加に伴ってエンジン回転数NEが下限回転
数NEFBDを上回るタイミングt14までの間は再度
インクリメントが行われる。
【0101】その後、図11(d)に示されるように、
タイミングt15においてエンジン水温THWが0℃を
上回ると、このときのエンジン水温「THW≧0℃」お
よびシフト位置「N」に基づいて、F/B基準回転数の
範囲が上限NEFBU「1800」および下限NEFB
D「1000」にそれぞれ変更され、以降は、エンジン
回転数NEがこの変更された範囲内にあるか否かがモニ
タされる。
【0102】さらにその後、図11(b)に示されるよ
うに、タイミングt16において、自動変速機52のシ
フト位置が「D(ドライブ)」に変更されたとすると、
このときのエンジン水温「THW≧0℃」およびシフト
位置「D」に基づいて、F/B基準回転数の範囲が上限
NEFBU「1100」および下限NEFBD「70
0」に更に変更される。そしてこのとき、この例におい
ては図11(e)に示されるように、こうしたF/B基
準回転数の範囲変更に伴ってエンジン回転数NEが該範
囲の上限NEFBUを上回ってしまうとする。このとき
には、下降カウンタのインクリメントが開始される。た
だし、このシフト位置が「D」に変更されたことでエン
ジン1の機関負荷が増加し、この負荷の増加に伴ってエ
ンジン回転数NEが減少するようになるため、実際には
同図11(e)に示されるように、このエンジン回転数
NEも早急に上記変更されたF/B基準回転数の範囲に
収まるようになる。換言すれば、マップB(図6)の各
シフト位置に対する回転数範囲の設定は、こうした機関
負荷の変動を見込んでの設定となっている。なお、上記
下降カウンタのインクリメントは、このエンジン回転数
NEの減少により同回転数NEがF/B基準回転数の上
限NEFBUを下回るまで続けられ、下回った時点で同
インクリメントがリセットされる。
【0103】その後、同図11(c)に示されるよう
に、タイミングt17において、アクセルペダル51の
踏み込み操作が開始されるが、アクセルペダル開度「P
DLA<10°」の範囲では、上記エンジン出力レベル
ベース学習値がそのままエンジン出力レベルとして反映
されるため、エンジン出力レベルの補正は行われない。
【0104】そしてその後、同図11(c)に示される
ように、タイミングt18において、上記アクセルペダ
ル開度が「10°≦PDLA<20°」となるとき、先
のエンジン出力レベル決定ルーチン(図8)においてエ
ンジン出力レベルがレベル「5」に増加補正され、この
補正されたレベル「5」に基づいてエンジン1の点火時
期が「通常点火時期」に変更される。
【0105】なお、こうしてアクセルペダル開度PDL
Aが非アイドル開度となることにより、あるいは車速が
出たりエンジン回転数変動がある範囲を超えることによ
り、先のエンジン出力レベル学習ルーチン(図5)にあ
っては、そのステップS204において否定判断される
ようになり、エンジン回転数NEがF/B基準回転数の
上限NEFBUおよび下限NEFBDで定められる範囲
内にあるか否かについてのモニタに基づくエンジン出力
レベルの学習処理はその後中断される。
【0106】またこの例において、その後のタイミング
t19においては、アクセルペダル開度が「PDLA≧
20°」となるが、この場合、同エンジン出力レベル決
定ルーチン(図8)を通じてエンジン出力レベルがレベ
ル「5」に固定されるため、該エンジン出力レベルにつ
いての実質的な補正は行われずに、上記タイミングt1
8において増加補正されたレベル「5」がそのまま維持
される。ちなみに、このエンジン出力レベル「5」と
は、当該車両を退避走行させるうえで必要十分な出力レ
ベルである。
【0107】次に、図12に基づいてエンジン1の温間
時(温間始動時)における出力レベルの調整態様を説明
する。エンジン1の温間始動時、すなわち図12(d)
に示されるように、エンジン水温THWが例えば「0℃
≦THW<40℃」にある始動時に、前記エンジン出力
レベル初期値決定ルーチン(図3)を通じて、スロット
ルフェールフラグの当該トリップにおける最初のセット
が確認されると、このときのエンジン出力レベルベース
学習値(学習初期値)は図12(h)に示されるよう
に、レベル「2」に決定される(図4マップA)。
【0108】その後、図12(a)に示されるように、
タイミングt21に始動後判定フラグがセットされる
と、この場合も図12(b)に示されるシフト位置、お
よび図12(d)に示されるエンジン水温THWに応じ
て、図12(e)〜(h)に示される態様でエンジン出
力レベル学習処理(図5、図7)が開始される。
【0109】すなわち、この学習処理に際しても、それ
ぞれタイミングt22〜t25においては、先の図11
に例示した処理のタイミングt12〜t14、およびt
16に準じて、それらシフト位置およびエンジン水温T
HWに応じたエンジン出力レベルベース学習値の更新が
行われる。
【0110】なおこの場合、始動後、最初のエンジン出
力レベルベース学習値がレベル「2」に決定されている
ことから、エンジン出力レベルも、始動直後はそのまま
レベル「2」として決定される(図12(i))。そし
て、この決定されたエンジン出力レベル「2」がマップ
C(図9)と照合されて、その運転条件が運転気筒数
「3」および点火時期「通常点火時期+30°CA」に
決定され(図12(j)および(k))、この決定され
た運転条件に基づいてエンジン1の運転制御が行われ
る。
【0111】また、タイミングt23において上記ベー
ス学習値がレベル「3」に増加更新された際には、エン
ジン出力レベルも図12(i)に示される態様で増加補
正され、これに伴ってエンジン1の運転条件も、運転気
筒数「4」すなわち全気筒運転に変更される。
【0112】そしてこの場合、図12(c)に示される
ように、タイミングt26において、アクセルペダル5
1の踏み込み操作が開始されるが、この場合も、アクセ
ルペダル開度「PDLA<10°」の範囲では上記エン
ジン出力レベルベース学習値がそのままエンジン出力レ
ベルとして反映されるため、エンジン出力レベルの補正
は行われない。
【0113】そしてその後、同図12(c)に示される
ように、タイミングt27において、上記アクセルペダ
ル開度が「10°≦PDLA<20°」となるとき、先
のエンジン出力レベル決定ルーチン(図8)においてエ
ンジン出力レベルがレベル「4」に増加補正され、この
補正されたレベル「4」に基づいてエンジン1の点火時
期が「通常点火時期+25°CA」に変更される。な
お、こうしてアイドル運転条件から外れることによっ
て、エンジン回転数NEのモニタに基づくエンジン出力
レベルの学習処理がその後中断されるようになることは
上述の通りである。
【0114】またこの場合には、エンジン出力レベルが
未だレベル「4」にあることから、その後のタイミング
t28において、アクセルペダル開度が「PDLA≧2
0°」となったときには、先のエンジン出力レベル決定
ルーチン(図8)を通じてエンジン出力レベルがレベル
「5」に更に増加補正される。そして、この補正された
レベル「5」がマップC(図9)と照合されて、エンジ
ン1の点火時期が「通常点火時期」に変更される。
【0115】以上説明した態様をもってエンジン出力レ
ベルの調整が行われる本実施形態の装置によれば、以下
に列記する多くの優れた効果を得ることができるように
なる。
【0116】(1)エンジン1の少なくともアイドル運
転時、一般にフリクション(機関抵抗)の増大する冷間
時のエンジン出力レベルが、一般にフリクションの低減
する温間時のエンジン出力レベルよりも大きくなるよう
に、同エンジン出力レベルを調整するようにしたこと
で、エンジン1のオーバランを有効に防止しつつ、同エ
ンジン1のストールを防止することができる。
【0117】(2)エンジン1の少なくともアイドル運
転時、エンジン出力(機関出力)の低減調整量がそのと
きどきのエンジン水温THW(機関温度)に応じて変更
されるようにしたことで、エンジン出力をより適切に調
整することができる。
【0118】(3)エンジン1の少なくともアイドル運
転時、エンジン回転数NE(機関回転数)を監視し、同
エンジン回転数NEが所定の回転数NEの範囲内に維持
されるように前記エンジン出力レベルの調整量を学習す
るようにしたことで、エンジン1の個体差や経時変化等
に拘わらず、常に適切なエンジン出力に調整することが
できる。
【0119】(4)上記(3)において、上記学習の基
準となるエンジン回転数NE、すなわち上記所定の回転
数NEの範囲がエンジン水温THWに応じて可変となる
ようにしたことで、上記エンジン出力調整量の学習をよ
り適切に行うことができる。
【0120】(5)上記(4)において、上記所定の回
転数NE自体に監視幅をもたせるようにしたことで、上
記エンジン出力調整量の学習に際し、制御ハンチングの
発生を好適に抑制できる。
【0121】(6)非アイドル運転時でのエンジン出力
調整も、アイドル運転時に調整されたエンジン出力をも
とに行うようにしたことで、アイドル運転から非アイド
ル運転への移行をより円滑に行うことができるととも
に、非アイドル運転時のエンジン出力も、エンジン水温
THW等に応じて適切に調整できる。
【0122】なお、上記実施形態の装置は、以下のよう
にその構成を変更して実施することも可能である。 ・上記実施形態の装置では、アクセルペダル51の開度
PDLAが非アイドル開度にある非アイドル運転時に
も、アイドル運転時に調整されるエンジン出力に基づい
て該非アイドル運転時のエンジン出力を調整することと
したが、こうした構成には限定されない。少なくともア
イドル運転時に上記態様でのエンジン出力調整が行われ
ることで、エンジン1のオーバーランを有効に防止しつ
つ、同エンジン1のストールを防止することはできる。
【0123】・上記実施形態の装置では、そのエンジン
出力レベル学習処理(図5、図7)において、マップB
(図6)に例示したような所定の範囲(F/B基準上限
回転数およびF/B基準下限回転数)を持たせてエンジ
ン回転数NEを監視することとしたが、こうしたエンジ
ン回転数NEの監視手法は任意であり、その監視に際
し、必ずしもこのような範囲を持たせる必要はない。
【0124】・また、上記マップB(図6)に例示した
ような所定の範囲を持たせるにしろ、あるいはこのよう
な範囲を排除するにしろ、上記実施形態の装置では、こ
のエンジン回転数NEの監視値を機関温度(エンジン水
温THW)に応じて変更することとした。しかし、その
手法も任意であり、必ずしも同監視値を機関温度に応じ
て可変とする必要はない。
【0125】・また、上記実施形態の装置では、自動変
速機を搭載する車両を想定して、上記エンジン出力レベ
ル学習処理(図5、図7)に際しては、上記マップB
(図6)に設定されたシフト位置(N、D)を参照する
こととした。しかし、手動変速機を搭載する車両につい
ても、これに準じた態様でそのシフト位置を登録するこ
とで、同実施形態の装置に準じた態様でのエンジン出力
レベル学習処理を行うことはできる。
【0126】・また、こうしたエンジン出力レベル学習
処理(図5、図7)自体、この発明にかかるスロットル
制御装置にとって必須の処理ではなく、同学習処理を割
愛する構成とすることもできる。すなわちこの場合、図
4に例示したようなマップAに基づき決定されるエンジ
ン出力レベルベース値がそのままエンジン出力レベル決
定ルーチン(図8)に反映されるようになる。このよう
な構成であっても、エンジン1のオーバーランを有効に
防止しつつ同エンジン1のストールを防止するといっ
た、この発明としての基本的な効果を得ることはでき
る。
【0127】・また、上記実施形態の装置では、上記マ
ップA(図4)に示されるように、エンジン出力レベル
ベース値(学習初期値)、すなわちエンジン出力の低減
調整量が機関温度(エンジン水温THW)に応じて変更
されるようにした。しかし、その設定手法も任意であ
る。要は、エンジン1のアイドル運転時において、機関
温度が低いときのエンジン出力が機関温度が高いときの
エンジン出力よりも大きくなるように同エンジン出力が
調整される構成であればよい。
【0128】(第2実施形態)図13および図14に、
この発明にかかる内燃機関のスロットル制御装置の第2
の実施形態についてその制御態様を示す。なお、この第
2の実施形態にかかるスロットル制御装置においても、
これが適用される内燃機関、並びにその周辺装置として
は、先の第1の実施形態で適用したものと同様のものを
想定しており、ここでの重複する説明は省略する。
【0129】さて、このようなスロットル制御装置にあ
っては前述のように、スロットルバルブ10(図1、図
2)をモータ11により駆動できない異常が生じたとき
には該スロットルバルブ10が所定開度に固定される
が、アイドル時のエンジン回転数NEは当該エンジン1
の暖機状態によって変動し、温間時でのエンジン回転数
NEを抑えるべく燃料カットや点火時期遅角等のエンジ
ン出力低減調整を行うと、冷間時にはエンジン1がスト
ールする可能性がある。また、現実的な問題として、こ
れら燃料カットや点火時期遅角等のエンジン出力低減調
整に伴う触媒31へのダメージも無視できない。
【0130】すなわち、部分気筒を燃料カットする減筒
運転が行われる場合には、その燃料カットした気筒から
は吸入空気がそのまま排出されるようになるために、こ
れが他の気筒から排出される未燃燃料と混合されたとき
に触媒31内あるいはその近傍でいわゆる後燃えが発生
する懸念があり、他方、点火時期の遅角が行われる場合
には、燃焼直後の高温のガスが排気ポートから排出され
やすくなり、やはり触媒31の早期劣化が懸念される。
【0131】そこで、この第2の実施形態では、前記ス
ロットルバルブ10が前記所定開度に固定されたときに
はアクセルペダル51の開度PDLAに基づきエンジン
出力を低減調整するとともに、アイドル運転時でのスロ
ットルバルブ10の要求開度(ISC要求開度)が前記
固定される所定開度よりも大きくなる機関温度低温域で
は、上記エンジン出力の低減調整を禁止するようにす
る。
【0132】図13は、こうした制御を実行する同第2
の実施形態の装置の制御手順を示したものである。すな
わち、この第2の実施形態の装置において、エンジン1
のアイドル運転時には、ECU20は図13(b)に示
すISC(アイドルスピードコントロール)要求開度算
出ルーチンを通じて、ISC要求開度をエンジン水温
(THW)−ISC開度変換マップに基づき算出する。
この算出されるISC要求開度は通常、図14に線L1
として例示する特性をもって算出される。
【0133】一方、このアイドル運転時、ECU20
は、図13(a)に示すルーチンを通じて、スロットル
フェール時における上記エンジン出力の低減調整を禁止
すべきか否かを判断する。すなわち、同ルーチンの第1
のステップS401において、ECU20は、先ず前述
したスロットルフェールフラグに基づきスロットルフェ
ール時であるか否かを判断し、スロットルフェール時で
あることを条件に、次の第2のステップS402におい
て、上記算出されたISC要求開度とスロットルバルブ
10の固定される所定開度(所定値)とを比較する。そ
してその結果、 ISC要求開度≦所定値 といった関係が満たされている場合に限って、第3のス
テップS403の処理であるエンジン出力低減処理の実
行を許可し、それ以外の場合、すなわちISC要求開度
が上記所定値を超えるような機関温度(エンジン水温T
HW)低温域では同エンジン出力低減処理の実行を禁止
する。
【0134】このような制御が行われることにより、図
14に「PZ」と示す領域、すなわちエンジン水温TH
Wに対するISC要求開度特性L1が上記所定値に対応
する特性線L2を超える低温領域ではエンジン出力低減
処理が禁止され、同ISC要求開度特性L1が同特性線
L2以下となる領域でのみ、エンジン出力低減処理が実
行されるようになる。
【0135】したがって、以上説明した第2の実施形態
によれば、スロットルバルブ10をモータ11により駆
動できない異常が生じたときに該スロットルバルブ10
を所定開度に固定する内燃機関のスロットル制御装置と
して、以下のような効果を得ることができるようにな
る。
【0136】(7)アイドル運転状態での、一般にフリ
クションが増大する冷間時にはエンジン出力の低減処理
が禁止され、また一般にフリクションが低減する温間時
には同エンジン出力の低減処理が実行されるため、エン
ジン1のオーバランを有効に防止しつつ、ストールを防
止することができる。
【0137】(8)上記機関温度低温域でのエンジン出
力の低減処理が禁止される分、上述した触媒31へのダ
メージも低減される。なお、上記第2の実施形態におい
て、図13(a)のステップS403の処理として行わ
れるエンジン出力低減処理の処理内容は任意であり、例
えば先の第1の実施形態において説明したエンジン出力
の低減調整や、従来の技術として例示した単一態様での
減筒運転や空燃比補正、更には点火時期補正等を採用す
ることができる。そして特に、このエンジン出力低減処
理として先の第1の実施形態で説明した低減調整を採用
する場合には、同第1の実施形態での前記(1)〜
(6)の効果に更に加えるかたちで上記(8)の効果が
得られるようになる。
【0138】また、先の第1の実施形態であれ、上記第
2の実施形態であれ、エンジン出力の低減調整手法は、
前述した運転気筒数の減筒や点火時期の遅角に限られる
ことなく任意であり、他に例えば、燃料噴射量を調整す
ることでエンジン出力の低減を図るようにしてもよい。
【0139】また、同エンジン出力の低減調整に関して
は、これら運転気筒数の減筒、点火時期の遅角、および
燃料噴射量の調量を適宜組み合わせてもよい。これら各
要素の組み合わせによれば、より木目の細かいエンジン
出力の調整が可能ともなる。
【0140】また、上記各実施形態の装置では、スロッ
トルフェール時、スロットルバルブ10を所定開度に固
定する機構として図2に例示した補助機構40を採用し
たが、同等の機能を有する機構であれば、この補助機構
40に限られない任意の機構を採用することができる。
【0141】また、上記各実施形態の装置では、直列4
気筒の4サイクルエンジンにこの発明を適用する場合に
ついて示したが、本発明は、モータ駆動式のスロットル
バルブを備える車載用エンジンであれば、こうした形式
のエンジンに限られない任意の形式のエンジンに適用可
能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のスロットル制御装置の第1の実施形
態を示すブロック図。
【図2】同装置に採用されるスロットル構造を模式的に
示す略図。
【図3】同実施形態のエンジン出力レベル初期値決定手
順を示すフローチャート。
【図4】エンジン出力レベル初期値決定に用いられるマ
ップのマップ構造を示す略図。
【図5】同実施形態のエンジン出力レベル学習手順を示
すフローチャート。
【図6】エンジン出力レベル学習に用いられるマップの
マップ構造を示す略図。
【図7】同実施形態のエンジン出力レベル学習手順を示
すフローチャート。
【図8】同実施形態のエンジン出力レベル決定手順を示
すフローチャート。
【図9】エンジン出力レベル決定に用いられるマップの
マップ構造を示す略図。
【図10】点火時期とエンジン出力との関係を示すグラ
フ。
【図11】同実施形態によるエンジン出力調整態様を示
すタイムチャート。
【図12】同実施形態によるエンジン出力調整態様を示
すタイムチャート。
【図13】この発明のスロットル制御装置の第2の実施
形態についてその制御手順を示すフローチャート。
【図14】同第2の実施形態の制御態様を示すグラフ。
【符号の説明】
1…内燃機関(エンジン)、2…吸気通路、3…排気通
路、10…スロットルバルブ、11…モータ、12…ス
ロットル開度センサ、20…電子制御装置(ECU)、
21…アクセル開度センサ、24…クランク角センサ、
26…水温センサ、31…触媒、40…補助機構、51
…アクセルペダル。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02D 11/10 F02D 11/10 H 17/02 17/02 R 43/00 301 43/00 301B 301K 45/00 362 45/00 362P (72)発明者 河合 利元 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 3G065 AA04 CA34 CA38 DA05 DA06 EA03 FA07 FA12 FA13 GA01 GA09 GA10 GA11 GA31 GA41 GA46 HA21 HA22 JA04 JA09 JA11 KA02 KA12 3G084 BA00 BA05 BA13 BA17 CA03 CA04 DA26 DA27 DA33 DA34 DA35 EA04 EA11 EB11 EB17 EC03 FA05 FA06 FA10 FA11 FA20 FA33 FA38 FA39 3G092 AA01 AA05 AA14 BA09 BB10 CA03 CB05 DC03 DG02 DG08 EA01 EA02 EA04 EA09 EA13 EA14 EA17 EC01 EC05 FA01 FA36 FA39 FA40 FB03 FB05 GA04 GA05 GA06 HA05Z HA06X HA06Z HE01Z HE02Z HE03Z HE05Z HE06X HE08Z HF08Z HF10Z HF12Z HF21Z HF23Z 3G301 HA07 JA06 JA31 JA33 JA34 JB02 JB07 JB08 JB09 KA07 KA12 LA00 LA03 MA24 NA08 NB11 NC02 NC08 ND01 ND21 NE16 NE17 NE19 PA07Z PA11B PA14Z PE01A PE01Z PE03Z PE04Z PE05Z PE08Z PF01Z PF03Z PF08Z PF10Z

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】機関運転状態に基づきモータを駆動してス
    ロットルバルブの開度を制御するとともに、該スロット
    ルバルブを前記モータにより駆動できない異常が生じた
    ときには前記スロットルバルブを所定開度に固定する内
    燃機関のスロットル制御装置において、 前記スロットルバルブが前記所定開度に固定されたとき
    にはアクセルペダルの開度に基づき機関出力を調整する
    とともに、該アクセルペダルの開度がアイドル開度にあ
    るアイドル運転時には機関温度が低いときの機関出力が
    機関温度が高いときの機関出力よりも大きくなるように
    同機関出力を調整する機関出力調整手段を備えることを
    特徴とする内燃機関のスロットル制御装置。
  2. 【請求項2】前記機関出力調整手段は、前記アクセルペ
    ダルの開度に基づき前記機関出力を低減調整するととも
    に、前記アイドル運転時における前記スロットルバルブ
    の要求開度が前記固定される所定開度よりも大きくなる
    機関温度低温域で前記機関出力の低減調整を禁止する請
    求項1記載の内燃機関のスロットル制御装置。
  3. 【請求項3】前記機関出力調整手段は、前記アクセルペ
    ダルの開度に基づいて前記機関出力を低減調整するとと
    もに、前記アイドル運転時に該機関出力の低減調整を実
    行するときの低減調整量を前記機関温度に応じて可変と
    する請求項1または2記載の内燃機関のスロットル制御
    装置。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかに記載の内燃機関
    のスロットル制御装置において、 前記機関出力調整手段は、前記アイドル運転時の機関回
    転数を監視し、該機関回転数が所定の回転数に維持され
    るように前記機関出力の調整量を学習する学習手段を備
    えて構成されることを特徴とする内燃機関のスロットル
    制御装置。
  5. 【請求項5】前記学習手段は、前記所定の回転数を機関
    温度に応じて可変とする請求項4記載の内燃機関のスロ
    ットル制御装置。
  6. 【請求項6】前記学習手段は、前記所定の回転数に所定
    の範囲を持たせて前記アイドル運転時の機関回転数を監
    視する請求項4または5記載の内燃機関のスロットル制
    御装置。
  7. 【請求項7】請求項1〜6のいずれかに記載の内燃機関
    のスロットル制御装置において、 前記機関出力調整手段は、前記アクセルペダルの開度が
    非アイドル開度にある非アイドル運転時にも、前記アイ
    ドル運転時に調整される機関出力に基づいて該非アイド
    ル運転時の機関出力を調整することを特徴とする内燃機
    関のスロットル制御装置。
  8. 【請求項8】機関運転状態に基づきモータを駆動してス
    ロットルバルブの開度を制御するとともに、該スロット
    ルバルブを前記モータにより駆動できない異常が生じた
    ときには前記スロットルバルブを所定開度に固定する内
    燃機関のスロットル制御装置において、 前記スロットルバルブが前記所定開度に固定されたとき
    にはアクセルペダルの開度に基づき機関出力を低減調整
    する機関出力調整手段と、 前記アクセルペダルの開度がアイドル開度にあるアイド
    ル運転時での前記スロットルバルブの要求開度が前記固
    定される所定開度よりも大きくなる機関温度低温域で前
    記機関出力調整手段による前記機関出力の低減調整を禁
    止する禁止手段と、 を備えることを特徴とする内燃機関のスロットル制御装
    置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003328827A (ja) * 2002-05-14 2003-11-19 Toyota Motor Corp 車両の制御装置
JP2012197761A (ja) * 2011-03-23 2012-10-18 Denso Corp エンジン制御装置

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