JP2006218941A - 移動体の速度制御構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】 移動体を原位置から作動位置へ移動させる際に、移動体の原位置から中間位置までの移動速度と中間位置から作動位置までの移動速度をそれぞれ広い範囲で設定すると共に、これらの移動速度の速度差を広い範囲で設定する。
【解決手段】 蓋開閉機構では、蓋体が閉鎖位置から開放位置側へ付勢力で回動すると、この回動動作に連動し、蓋体の回転力が第1ピニオン66に伝達され、第1ピニオン66及び第1ロータ76が一体となって正転方向へ回転する。このとき、第1ロータ76が粘性流体Lからの受ける第1の抵抗力が蓋体に作用するので蓋体の回動速度が低下する。次いで、蓋体が中間位置まで回動すると、蓋体の回転力が第2ピニオン70に伝達されて第2ピニオン70及び第2ロータ78が一体となって逆転方向へ回転する。これにより、第1ロータ76が粘性流体Lからの受ける第1の抵抗力に加え、第2ロータ78が粘性流体Lから受ける第2の抵抗力が蓋体24に作用するので蓋体の回動速度が更に低下する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、原位置と作動位置との間で移動可能とされた移動体の原位置から作動位置までの移動速度を制御する移動体の速度制御構造に関する。
従来から、車両の内装部分には各種の収納空間が設けられており、このような収納空間には、その開口部に蓋体が開閉可能に配設されているものもある。例えば、車両の内装部分には、インストルメントパネルの助手席側の正面部にグローブボックスが設置され、インストルメントパネルの中央部付近に灰皿を格納する灰皿入れが設置され、センターコンソールの上面部にカップホルダが設置され、またオーバーヘッドコンソールの中央部に眼鏡等を収納するためのグラスホルダが設置されている。これらのグローブボックス、灰皿入れ、カップホルダ、グラスホルダ等の収納空間の開口部には、蓋体が設置される場合が多い。
また、乗用車等の車両では、上記のような蓋体を開放する際に、この蓋体が閉鎖位置から開放位置へ比較的ゆっくりと移動するような開放動作が要求されることがある。このような開放動作を実現するため、蓋体の閉鎖位置から開放位置への回動時に蓋体に対して粘性的な移動抵抗(負荷)を作用させるオイルダンパが用いられている。
このような蓋開閉機構として、開放位置の直前で蓋体を減速して蓋体の回動速度を相対的に遅くして開放位置に停止する時の衝撃を緩和するなどのきめ細かい開放制御を行うために、特許文献1に記載されている蓋開閉装置がある。この蓋開閉装置では、オイルダンパとカムとを組合わせ、蓋体が中間位置に達すると、入力カム部を制動カム部に係合させることにより、中間位置に達した蓋体へ作用させる抵抗を増大させて、中間位置から開放位置までの蓋体の回動速度を低下させる。
しかし、この特許文献1に記載された蓋開閉装置のオイルダンパは、閉鎖位置から中間位置までの角度に応じて入力カム部が制動カム部に係合する角度の設定を変えなければならならず、速度変更点である中間位置の設定が異なる蓋体毎に専用のものを製造する必要がある。このため、特許文献1の蓋開閉装置は、構造が複雑で装置自体も高価なものになると共に、蓋体の閉鎖位置から中間位置までの回動速度を広い範囲で設定できない。
特開平8−246742号公報
本発明の目的は、上記事実を考慮して、移動体を原位置から作動位置へ移動させる際に、移動体の原位置から中間位置までの移動速度と中間位置から作動位置までの移動速度をそれぞれ広い範囲で設定できると共に、これらの移動速度の速度差を広い範囲で設定できる移動体の速度制御構造を提供することにある。
本発明の請求項1に係る移動体の速度制御構造は、原位置から作動位置へ付勢移動される移動体の移動速度を制御する移動体の速度制御構造であって、付勢力による前記移動体の作動位置への移動により粘性流体に一方向へ流れる第1の流れを発生させ、粘性流体から受ける第1の抵抗力を前記移動体に作用させる第1の負荷部材と、前記移動体が前記原位置から前記作動位置との間に設定された中間位置まで移動すると、粘性流体に第1の流れに対向する方向へ流れる第2の流れを発生させ、該粘性流体から受ける第2の抵抗力を前記移動体に作用させて、該移動体の速度を変更する第2の負荷部材と、を有することを特徴とする。
上記請求項1に係る移動体の速度制御構造では、第1の負荷部材が、移動体の原位置から作動位置への移動動作に連動し、この移動体から伝達される付勢力により粘性流体に一方向へ流れる第1の流れを発生させ、この粘性流体から受ける第1の抵抗力を移動体に作用させることにより、作動位置へ付勢された移動体が原位置から中間位置まで移動する際に、粘性流体から受ける粘性的な第1の抵抗力を作動位置へ付勢された移動体に作用させることができるので、この第1の抵抗力の大きさに応じた速度だけ原位置から中間位置まで移動する移動体の速度を低下できる。
また請求項1に係る移動体の速度制御構造では、第2の負荷部材が、移動体が原位置と作動位置との間に設定された中間位置まで移動すると、移動体の中間位置から作動位置への移動動作に連動し、この移動体から伝達される付勢力により粘性流体に第2の流れを発生させつつ、この粘性流体から受ける第2の抵抗力を移動体に作用させることにより、作動位置へ付勢された移動体が中間位置から作動位置まで移動する際に、第1の負荷部材が粘性流体から受ける粘性的な第1の抵抗力に加えて、第2の負荷部材が粘性流体から受ける粘性的な第2の抵抗力を作動位置へ付勢された移動体に作用させることができるので、原位置から中間位置まで回動する移動体の速度に対して、中間位置から作動位置まで移動する移動体の速度を更に低下させることができる。
また本発明の請求項2に係る移動体の速度制御構造は、請求項1記載の移動体の速度制御構造において、粘性流体が封入されたケーシングと、前記第1の負荷部材に設けられ、前記ケーシング内に回転可能に配置された第1のロータ部と、前記第2の負荷部材に設けられ、前記ケーシング内に回転可能に配置されると共に、前記第1のロータ部と対向するように支持された第2のロータ部と、前記移動体の前記原位置から前記作動位置への移動動作に連動し、前記移動体の付勢力を前記第1のロータ部に伝達し、該付勢力により前記第1のロータ部を、前記第1の流れに対応する正転方向へ回転させつつ、該第1のロータ部が粘性流体から受ける第1の抵抗力を前記移動体に伝達する第1の伝達手段と、前記移動体の前記中間位置から前記作動位置への移動動作に連動し、前記移動体の付勢力を前記第2のロータ部に伝達し、該付勢力により前記第2のロータ部を、前記正転方向とは反対の逆転方向へ回転させつつ、該第2のロータ部が粘性流体から受ける第2の抵抗力を前記移動体に伝達する第2の伝達手段と、を有することを特徴とする。
上記請求項2に係る移動体の速度制御構造では、第1の伝達手段が、移動体の原位置から作動位置への移動動作に連動し、移動体の付勢力を第1のロータ部に伝達し、この付勢力により第1のロータ部を第1の流れに対応する正転方向へ回転させつつ、この第1のロータ部が粘性流体から受ける第1の抵抗力を移動体に伝達することにより、作動位置へ付勢された移動体が原位置から中間位置まで移動する際には、第1のロータ部が粘性流体から受ける粘性的な第1の抵抗力を作動位置へ付勢された移動体に作用させることができるので、この第1の抵抗力の大きさに応じた速度だけ原位置から中間位置まで移動する移動体の速度を低下できる。
また請求項2に係る移動体の速度制御構造では、第2の伝達手段が、移動体の中間位置から作動位置への移動動作に連動し、移動体の付勢力を第2のロータ部に伝達し、この付勢力により第2のロータ部を正転方向とは反対の逆転方向へ回転させつつ、この第2のロータ部が粘性流体から受ける第2の抵抗力を移動体に伝達することにより、作動位置へ付勢された移動体が中間位置から作動位置まで移動する際には、第1のロータ部が粘性流体から受ける粘性的な第1の抵抗力に加えて、第2のロータ部が粘性流体から受ける粘性的な第2の抵抗力を作動位置へ付勢された移動体に作用させることができるので、原位置から中間位置まで移動する移動体の速度に対して、中間位置から作動位置まで移動する移動体の速度を更に低下させることができる。
また本発明の請求項3に係る移動体の速度制御構造は、請求項2記載の移動体の速度制御構造において、前記第1の伝達手段は、前記第1のロータ部にトルク伝達可能に連結された第1のピニオンと、前記移動体と一体となって移動するように該移動体に取り付けられると共に、前記第1のピニオンに噛み合い、前記移動体の前記原位置から前記作動位置へ移動動作に連動して前記第1のピニオンを前記正転方向へ回転させる第1のラックとを有し、前記第2の駆動手段は、前記第2のロータ部にトルク伝達可能に連結された第2のピニオンと、前記移動体と一体となって移動するように該移動体に取り付けられると共に、前記移動体が前記原位置から前記中間位置まで移動すると、前記第2のピニオンに噛み合い、該移動体の前記中間位置から前記作動位置への移動動作に連動して前記第2のピニオンを前記逆転方向へ回転させる第2のラックとを有することを特徴とする。
上記請求項3に係る移動体の速度制御構造では、第1の伝達手段における第1のラックが、第1のロータ部にトルク伝達可能に連結された第1のピニオンと噛み合い、移動体の原位置から作動位置へ移動動作に連動して第1のピニオンを正転方向へ回転させると共に、第2の伝達手段における第2のラックが、移動体が原位置から中間位置まで移動すると、第2のロータ部にトルク伝達可能に連結された第2のピニオンと噛み合い、移動体の中間位置から作動位置への移動動作に連動して第2のピニオンを逆転方向へ回転させることにより、例えば、第2のラックの歯部を第1のラックの歯部とを対向するように配置すれば、第1のピニオン又は第2のピニオンの回転方向を反転するための中間ギヤ等を用いなくても、移動体の作動位置側への移動動作に連動し、第2のピニオンを第1のピニオンの回転方向である正転方向とは反対の逆転方向へ回転させることができるので、第1の伝達手段及び第2の伝達手段の構造をそれぞれ簡単なものにできる。
以上説明したように、本発明の移動体の速度制御構造によれば、移動体を原位置から作動位置へ移動させる際に、移動体の原位置から中間位置までの移動速度と中間位置から作動位置までの移動速度をそれぞれ広い範囲で設定できると共に、これらの移動速度の速度差を広い範囲で設定できる。
以下、本発明の実施形態に係る蓋開閉機構について図面を参照して説明する。
(実施形態の構成)
図5〜図8には、それぞれ本発明の第1の実施形態に係る蓋開閉機構の適用対象とすることができる車両における各種の格納部が示されている。これら図5〜図8に示される格納部12〜18には、後述するように、それぞれ異なる名称が付されており、機能等も異なっているが、車両の内装部分に設けられている点、物品又は部品等を収納する空間である収納空間20が車両の内装面に対して凹状に形成されている点、収納空間20が車内へ向って開口する開口部22を備えている点及び、開口部22には蓋体24が回動可能に設置されている点で共通している。
先ず、図5〜図8にそれぞれ示される格納部12〜18について簡単に説明する。図5に示される格納部12は、一般的にカップホルダやドリンクホルダと呼称されるもので、センターコンソール26の上面部に埋設された状態で設置されている。この格納部12の内部に設けられた収納空間20(図2参照)は、カップ、ペットボトル等の飲料容器28が転倒しないように安定した状態で収納できるように構成されている。
図6に示される格納部14は、一般的に灰皿入れと呼称されるもので、インストルメントパネル30の中央部のセンターコンソール26との境界付近に設置されている。この格納部14の内部に設けられた収納空間20には、蓋体24と一体化された灰皿32が挿脱可能に格納される。
図7に示される格納部16は、一般的にグローブボックスと呼称されるもので、インストルメントパネル30の助手席側の正面部に設置されている。また図8に示される格納部18は、一般的にグラスホルダと呼称されるもので、オーバーヘッドコンソール33の中央部に眼鏡等を格納するために設置されている。この格納部18の内部に設けられた収納空間20には、蓋体24と一体化された受皿状のグラスケース34が挿脱可能に格納される。
なお、本実施形態に係る蓋開閉機構10は、図5〜図8に示される格納部12〜18以外であっても、開口部及び蓋体を備えているものであれば、他の格納部にも適用可能であり、むろん車両以外の例えば、家屋等に設置される格納部にも適用可能である。
次に、図1〜図4を用いて、本発明の第1の実施形態に係る蓋開閉機構について詳細に説明する。なお、以下では、本実施形態に係る蓋開閉機構10を図5に示される格納部12(カップホルダ)に適用した場合について説明する。
図1及び図2には、本実施形態に係る格納部12の全体構成を示す側面図が示されている。この格納部12には、略長方体状に形成された本体容器36及び、この本体容器36に蓋開閉機構10を介して回動可能に連結されるプレート状の蓋体24を備えている。本体容器36には、図2に示されるように、その内部に飲料容器28が格納可能とされた収納空間20が設けられており、この収納空間20には、本体容器36の頂面部分に開口する開口部22が設けられている。蓋体24は本体容器36の開口部22に配設されており、蓋開閉機構10により開口部22を閉鎖する閉鎖位置(図1参照)と開口部22を開放して飲料容器28が収納空間20に対して出し入れ可能になる開放位置(図2参照)との間で回動可能に支持されている。
蓋開閉機構10には、本体容器36における車両幅方向(図5に示す矢印W方向)に沿った両側の外側面からそれぞれ突出する一対の支軸部38が設けられると共に、蓋体24における車両幅方向に沿った両側の側端部からそれぞれ下方へ延出する一対の回動ステー40が設けられている。回動ステー40には、蓋体24側の基端部に車両幅方向へ貫通する軸受穴42が形成されており、この軸受穴42には支軸部38が相対的に回動可能に挿入されている。これにより、蓋体24が回動ステー40及び支軸部38を介して本体容器36に連結されると共に、支軸部38を中心として閉鎖位置と開放位置との間で回動可能となる。
ここで、回動ステー40は、軸受穴42を中心として外周側へ向って周方向に沿った寸法が徐々に広がった扇状に形成されている。また回動ステー40には、その外周側に軸受穴42を中心とする周方向に沿って円弧状に延在するスロット開口44が形成されている。
蓋開閉機構10には、図1に示されるように、支軸部38の外周側に捩じりコイルスプリング46が配設されており、この捩じりコイルスプリング46は、その一方の素線端部が蓋体24に係合すると共に、他方の素線端部が本体容器36に係合し、蓋体24を常に開放位置へ付勢している。また格納部12には、閉鎖位置にある蓋体24を係止するラッチ機構48が設けられており、このラッチ機構48は、蓋体24が開放位置側から閉鎖位置に回動してくると、蓋体24の先端部に設けられたラッチ部50を係止して蓋体24を閉鎖位置に拘束する。またラッチ機構48は開放釦52を備えており、この開放釦52に対して車両搭乗者が所定の開放操作を行うとラッチ部50に対する係止状態を解除する。これにより、蓋体24は閉鎖位置から解放され、捩じりコイルスプリング46の付勢力により開放位置側へ回動開始する。
蓋開閉機構10は、スロット開口44の内壁面にそれぞれ設けられた第1ラック54及び第2ラック58を備えている。図4に示されるように、第1ラック54は、後述する第1ピニオン66の歯部68と噛合可能とされた複数の歯部56を備えており、スロット開口44内における外周側の曲面部55には、第1ラック54の歯部56が一定ピッチで配列されている。ここで、スロット開口44内の外周側の曲面部55は、軸受穴42を中心として一定の曲率半径で湾曲した湾曲面により形成されており、歯部56は外周側の曲面部分の略全長に亘って配列されている。
第2ラック58は、後述する第2ピニオン70の歯部72と噛合可能とされた複数の歯部60を備えており、スロット開口44内における内周側の曲面部59には、第2ラック58の歯部60が一定ピッチで配列されている。ここで、スロット開口44内における内周側の曲面部59は、軸受穴42を中心として一定の曲率半径で湾曲した湾曲面により形成されており、第2ラック58の歯部60は、曲面部59における蓋体24の開放位置に対応する端部付近にのみ配列されている。また図4に示されるように、第2ラック58は、回動ステー40の厚さ方向に沿って曲面部59の本体容器36側の端部に沿って延在するように配設され、第1ラック54は、回動ステー40の厚さ方向に沿って曲面部55の外側の端部に沿って延在するように配設されている。これにより、第1ラック54と第2ラック58とは、回動ステー40の厚さ方向に沿って互いに重ならないようになっている。
蓋開閉機構10には、本体容器36の外側面に連結されスロット開口44内に配置されるダンパユニット62(図3参照)が設けられている。なお、図3で符号Sが付された鎖線は、ダンパユニット62の軸心を表しており、この軸心Sに沿った方向をダンパユニット62の軸方向として以下の説明を行う。ダンパユニット62には、図3(A)に示されるように、軸方向中間部に円柱状のロータリダンパ64が設けられると共に、このロータリダンパ64にそれぞれ連結された第1ピニオン66及び第2ピニオン70が設けられている。
ロータリダンパ64は、図3(B)に示されるように、その外殻部として円筒状に形成されたケーシング74を備えており、このケーシング74の内部には、シリコーンオイル等の粘性流体Lが封入される円柱状の空間である流体室75が設けられている。ロータリダンパ64には、流体室75内に第1ロータ76及び第2ロータ78が同軸的に配設されている。これらのロータ76,78は、外径及び肉厚が略等しい肉厚円板状にそれぞれ形成されており、軸方向に沿って所定の間隔を空けて対向するように支持されている。
図3(B)に示されるように、第1ロータ76には、その中心部に軸方向外側へ突出する第1連結軸80が一体的に形成されており、この第1連結軸80は、ケーシング74の一方の側板部82に穿設された挿通穴84内を通ってケーシング74の外側まで突出している。第1連結軸80の先端部は、第1ピニオン66の中心部に穿設された連結穴86内へ嵌挿されて固定されている。これにより、第1ロータ76と第1ピニオン66とが常に一体となって回転するように連結される。ここで、挿通穴84の内周面の流体室75側には環状の段差部が形成されており、この段差部内には、第1連結軸80と挿通穴84との間を液密状態にシールすると共に、第1連結軸80の回転摩擦を抑制するシールリング90が挿入されている。また第1ロータ76には、第1連結軸80とは反対側の側面部分における中心部に支軸穴92が円形凹状に形成されており、この支軸穴92内には円筒状の軸受部材94が嵌挿されている。
一方、第2ロータ78には、その中心部に軸方向へ貫通する連結穴96が穿設されており、この連結穴96内には第2連結軸98が嵌挿されている。第2連結軸98は、第2ロータ78と常に一体となって回転するように第2ロータ78に固定されており、その一端側及び他端側を第2ロータ78の両側面からそれぞれ第1ロータ76側及び第2ピニオン70側へ突出させている。
第2連結軸98は、その一端側の先端部を第1ロータ76の軸受部材94内へ挿入しており、この軸受部材94により第1ロータ76に対して相対的に回動可能に支持されている。また第2連結軸98の他端側は、ケーシング74の他方の側板部100に穿設された挿通穴102内を通ってケーシング74の外側まで突出しており、この第2連結軸98におけるケーシング74からの突出部分は、第2ピニオン70の中心部を貫通する連結穴104内を挿通し、第2ピニオン70に固定されている。これにより、第2ロータ78と第2ピニオン70とが常に一体となって回転するように連結される。ここで、挿通穴102の内周面の流体室75側にも環状の段差部が形成されており、この段差部内には、第2連結軸98と挿通穴102との間を液密状態にシールすると共に、第2連結軸98の回転摩擦を抑制するシールリング108が挿入されている。
図3(B)に示されるように、ダンパユニット62には、第2ピニオン70の軸方向外側に連結プレート110が配設されている。連結プレート110は、径方向へ細長い略矩形状に形成されており、その両端部にはそれぞれプレートの厚さ方向へ貫通する挿通穴112が穿設されている。また連結プレート110には、長手方向中央部に第2ピニオン70側へ向って凸状とされたボス部114が一体的に形成されており、このボス部114には、軸方向へ貫通する支軸穴116が穿設されると共に、この支軸穴116内に円筒状の軸受部材118が嵌挿されている。第2連結軸98は、その他端側の先端部をボス部114の軸受部材118内へ挿入しており、この軸受部材118により連結プレート110に対して相対的に回動可能に支持されている。
図3(A)に示されるように、連結プレート110には、その長手方向中央部にプレートの長手方向とは略直交する方向へ延出するステー部120が形成されている。このステー部120は略コ字状に屈曲された細長いプレート状とされており、その先端部がロータリダンパ64におけるケーシング74の外周面に固着されている。これにより、第1ピニオン66又は第2ピニオン70に外部からトルクが伝達された際には、このトルクによりロータリダンパ64が回転することが阻止される。
図1に示されるように、連結プレート110は、その一対の挿通穴112をそれぞれ挿通したビス等の締結部材(図示省略)により本体容器36におけるスロット開口44に面した部位に締結固定される。これにより、ダンパユニット62は、本体容器36により片持ち状態で支持されて、第1ピニオン66、ロータリダンパ64及び第2ピニオン70を回動ステー40のスロット開口44内に挿入する。
図3(A)に示されるように、第1ピニオン66及び第2ピニオン70は、それぞれ円板状の平歯車として構成されており、第1ピニオン66の外周部には、第1ラック54の歯部56に対応する歯部68が全周に亘って配列され、また第2ピニオン70には、第2ラック58の歯部60に対応する歯部72が全周に亘って配列されている。
図1に示されるように、ケーシング74に締結固定されたダンパユニット62は、回動ステー40の厚さ方向(=ダンパユニット62の軸方向)に沿って第1ピニオン66を第1ラック54との噛み合い位置に支持すると共に、第2ピニオン70を第2ラック58との噛み合い位置に支持している。これにより、第1ピニオン66は、第1ラック54と常に噛み合った状態に保持され、また第2ピニオン70は、蓋体24が回動方向に沿って所定の中間位置と開放位置(図2参照)との間に位置するときにのみ、第2ラック58と噛み合った状態となる。ここで、中間位置は、蓋体24の回動方向に沿って閉鎖位置と開放位置との中間の位置であって、回動範囲の中心点に対して開放位置寄りの位置として設定されている。
図3(B)に示されるように、ロータリダンパ64の流体室75内には、軸方向に沿ってケーシング74の側板部82と第1ロータ76との間、第1ロータ76と第2ロータ78との間及び、第2ロータ78とケーシング74の側板部100との間に薄肉円板状の隙間部122,124,126が形成される。これらの隙間部122,124,126にそれぞれ充填された粘性流体Lは、側板部82と第1ロータ76と、第1ロータ76と第2ロータ78と及び、第2ロータ78と側板部100とをそれぞれ粘性的な力(剪断力)で連結する。
従って、第1ロータ76が流体室75内で回転するためには、軸心Sを中心とする周方向に沿って隙間部122及び隙間部124にそれぞれ充填された粘性流体Lを剪断すると共に、この粘性流体Lの剪断力に抗して粘性流体Lに渦巻き状に流れる第1の剪断流れを発生させる必要がある。また第1ロータ76が流体室75内で回転するためには、軸心Sを中心とする周方向に沿って隙間部124及び隙間部126にそれぞれ充填された粘性流体Lを剪断すると共に、この粘性流体Lの粘性力に抗して粘性流体Lに渦巻き状に流れる第2の剪断流れを発生させる必要がある。
蓋開閉機構10では、蓋体24の閉鎖位置から開放位置への回動時には、捩じりコイルスプリング46が蓋体24に開放位置側への付勢力を作用させると共に、回動ステー40及び第1ラック54が蓋体24に作用する付勢力を第1ピニオン66に伝達する。この蓋体24の付勢力は、第1ラック54及び第1ピニオン66により第1の剪断流れに対応するトルクに変換され、第1ピニオン66及び第1ロータ76を第1の剪断流れの方向に対応する正転方向(図3(A)に示される矢印R1方向)へ回転させる。これにより、流体室75内における隙間部122及び隙間部124にそれぞれ充填された粘性流体Lには、第1の剪断流れが発生する。
また蓋開閉機構10では、蓋体24が閉鎖位置から中間位置へ回動すると、第2ピニオン70が第2ラック58と噛み合うことから、蓋体24の中間位置から開放位置への回動時には、回動ステー40及び第2ラック58が捩じりコイルスプリング46から蓋体24に作用する付勢力を第2ピニオン70にも伝達する。この蓋体24の付勢力は、第2ラック58及び第2ピニオン70により第2の剪断流れに対応するトルクに変換され、第2ピニオン70及び第2ロータ78を第2の剪断流れの方向に対応する逆転方向(図3(A)に示される矢印R2方向)へ回転させる。これにより、流体室75内における隙間部124及び隙間部126にそれぞれ充填された粘性流体Lには、第1の剪断流れとは反対の方向へ流れる第2の剪断流れが発生する。
(実施形態の作用)
上記のように構成された本実施形態に係る蓋開閉機構10の動作及び作用について説明する。
車両搭乗者がカップホルダとして構成された格納部12を使用する際には、先ず、ラッチ機構48の開放釦52に対して所定の開放操作を行う。これに連動し、ラッチ機構48は、図1に示される閉鎖位置にある蓋体24のラッチ部50から離脱して蓋体24を閉鎖位置から開放する。これにより、蓋体24が捩じりコイルスプリング46の付勢力により閉鎖位置から開放位置側へ回動開始すると共に、この蓋体24と一体となって回動ステー40も閉鎖位置から開放位置側へ回動開始する。閉鎖位置から回動開始した蓋体24は、捩じりコイルスプリング46の付勢力により開放位置まで回動し、この開放位置に保持される。これにより、搭乗者は、格納部12の収納空間20内に飲料容器28を格納し、また収納空間20内に格納された飲料容器28を外部に取り出すことが可能になる。また蓋体24の閉鎖位置から開放位置への回動時には、蓋開閉機構10は、蓋体24が閉鎖位置から中間位置に達するまでは比較的緩やかに回動し、中間位置に達した後は開放位置までは更に緩やかに回動するように、捩じりコイルスプリング46により付勢された蓋体24の回動速度を制御する。
次に、上記したような蓋開閉機構10による蓋体24の回動速度の制御について説明する。
蓋開閉機構10では、蓋体24及び回動ステー40が閉鎖位置から開放位置側へ回動すると、この回動動作に連動し、蓋体24の付勢力が回動ステー40及び第1ラック54により第1ピニオン66にトルクとして伝達され、このトルクにより第1ピニオン66及び第1ロータ76が一体となって正転方向へ回転する。このとき、第1ロータ76は、流体室75内における隙間部122及び隙間部124にそれぞれ充填された粘性流体Lに第1の剪断流れを発生させると共に、隙間部122及び隙間部124にそれぞれ充填された粘性流体Lが発生する剪断力を粘性的な抵抗力(第1の抵抗力)として受ける。これにより、捩じりコイルスプリングにより開放位置へ付勢された蓋体24が閉鎖位置から中間位置まで回動する際には、第1ロータ76が粘性流体Lから受ける第1の抵抗力が、第1ラック54及び回動ステー40を介して蓋体24に作用するので、この抵抗力の大きさに応じた速度(角速度)だけ閉鎖位置から中間位置まで回動する蓋体24の回動速度が低下する。
次いで、蓋開閉機構10では、蓋体24が中間位置まで回動すると、第2ピニオン70が第2ラック58と噛み合うことから、蓋体24及び回動ステー40の中間位置から開放位置へ回動動作に連動し、蓋体24の付勢力が回動ステー40及び第2ラック58により第2ピニオン70にトルクとして伝達され、このトルクにより第2ピニオン70及び第2ロータ78が一体となって逆転方向へ回転する。このとき、第2ロータ78は、流体室75内における隙間部124及び隙間部126にそれぞれ充填された粘性流体Lに第2の剪断流れを発生させると共に、隙間部124及び隙間部126にそれぞれ充填された粘性流体Lが発生する剪断力を粘性的な抵抗力(第2の抵抗力)として受ける。これにより、捩じりコイルスプリングにより開放位置へ付勢された蓋体24が中間位置から開放位置まで回動する際には、第1ロータ76が粘性流体Lから受ける第1の抵抗力に加え、第2ロータ78が粘性流体Lから受ける第2の抵抗力がラック54,58及び回動ステー40を介して蓋体24に作用するので、蓋体24が第2の抵抗力の大きさに対応する角速度だけ中間位置付近で減速されて、閉鎖位置から中間位置まで回動する蓋体24が第1の抵抗力及び第2の抵抗力の総和に応じた回動速度まで低下する。
以上説明した本実施形態に係る蓋開閉機構10では、粘性流体Lの粘性、第1ロータ76の形状及び表面積、流体室75内に形成された隙間部122,124の軸方向に沿った間隔の少なくとも一つを適宜変更することにより、蓋体24が閉鎖位置から中間位置へ回動するまでに、ダンパユニット62が蓋体24に作用させる第1の抵抗力の大きさを、広い範囲で調整(増減)できるので、閉鎖位置から中間位置まで回動する蓋体24の回動速度の低下量も広い範囲で調整することができる。
また本実施形態に係る蓋開閉機構10では、第1の抵抗力の場合と同様に、粘性流体Lの粘性、第2のロータ78の形状及び表面積、流体室75内に形成される隙間部124,126の軸方向に沿った間隔の少なくとも1つを適宜変更することにより、蓋体24が中間位置から開放位置へ回動するまでに、ダンパユニット62が蓋体24に作用させる第2の抵抗力の大きさを、広い範囲で調整(増減)できる。
但し、本実施形態に係る蓋開閉機構10では、第1ロータ76と第2ロータ78とが粘性流体L中で隙間部124を介して互いに対向するように配置され、第1ロータ76と第2ロータ78とが粘性流体Lを介して粘性的に互いに連結されていることから、第1ロータ76及び第2ロータ78がそれぞれ粘性流体Lに発生させる第1の剪断流れ及び第2の剪断流れは、粘性流体Lが第1ロータ76及び第2ロータ78にそれぞれ作用させる第1及び第2抵抗力相互にを増大させる。
この結果、本実施形態に係る蓋開閉機構10では、粘性流体Lによる第1ロータ76と第2ロータ78との粘性的な連結強度の大きさを調整する、具体的には、粘性流体Lの粘性、隙間部124の軸方向に沿った間隔を調整することによっても、蓋体24が中間位置から開放位置まで回動する際に、第1ロータ76及び第2ロータ78に作用するの第1の抵抗力及び第2の抵抗力の総和を調整(増減)できるので、閉鎖位置から中間位置まで回動する蓋体24の回動速度に対する、中間位置から開放位置まで移動する蓋体24の回動速度を低下量を広い範囲で調整できる。
次に、図9のグラフを参照して本実施形態に係る蓋開閉機構による作用を従来の蓋開閉機構と比較して説明する。この図9における横軸は蓋体24が閉鎖位置Pcから開放位置Poへ回動するまでの経過時間Tを示しており、縦軸は蓋体24の閉鎖位置からの角度である開角度θを表している。またグラフ中、符号A及びBが付された実線は、本実施形態に係る蓋開閉機構10が適用された格納部における蓋体24の経過時間Tと開角度θとの関係を示し、また符号Cが付された破線は、従来の蓋開閉機構が適用された格納部における蓋体24の経過時間Tと開角度θとの関係を示している。なお、横軸にプロットされたPiは本実施形態に係る蓋開閉機構10に設定された蓋体24の中間位置を示しており、実線Aと実線Bとは、それぞれ中間位置Piの設定を変更した場合をそれぞれ示している。
ここで、従来の蓋開閉機構は、本実施形態に係るロータリダンパ64に代えてケーシング内に1個のロータのみが配設されたロータリダンパを用い、このロータリダンパに1個のピニオンを連結したものであり、他の部分の構造は基本的に本実施形態に係るロータリダンパ64と同一の構造を有している。
図9のグラフに示される破線Cから明らかなように、従来の蓋開閉機構を用いた場合には、蓋体24の閉鎖位置Pcからの回動初期には緩やかに加速するが、この加速時期を過ぎると、蓋体24の回動速度は開放位置まで大きく変化することなく略一定に保たれる。
一方、本実施形態に係る蓋開閉機構10によれば、実線A及び実線Bから明らかなように、蓋体24の閉鎖位置Pcからの回動初期には緩やかに加速するが、この加速時期を過ぎると、蓋体24の回動速度は中間位置Piまで大きく変化することなく略一定に保たれた後、中間位置Piから閉鎖位置Pcの手前まで緩やかに減速されつつ閉鎖位置Pcに達する。
このとき、中間位置Piの設定は、曲面部59における第2ラック58の周方向に沿った長さを調整することにより、閉鎖位置Pcと開放位置Poとの間における任意の位置に設定することができ、また中間位置Piからの蓋体24の減速量は、第1ロータ76と第2ロータ78との粘性的な連結強度を調整すれば、実線Aと実線Bとの比較から明らかなように広い範囲で調整できる。この結果、蓋体24が開放位置に達する直前の回動速度を十分に遅いものとし、蓋体24の開放位置の到達時に生じる衝撃力を効果的に緩和できる。
また本実施形態に係る蓋開閉機構10では、蓋体24の支軸部38を中心とする径方向に沿って第2ラック58の歯部60が、第1ラック54の歯部56と互いに向かい合うように配置されていることにより、第1ピニオン66又は第2ピニオン70の回転方向を反転するための中間ギヤ等を用いなくても、蓋体24の開放位置側への回動動作に連動し、第1ラック54に噛み合う第1ピニオン66と第2ラック58に噛み合う第2ピニオン70をそれぞれ反対の方向へ回転させることができるので、蓋体24の開放位置側への回動動作に連動し、第1ロータ76及び第2ロータ78へトルクを伝達する構造をそれぞれ簡単なものにできる。
以上の説明から明らかなように、本実施形態に係る蓋開閉機構10によれば、蓋体24を閉鎖位置から開放位置へ回動させる際に、蓋体24の閉鎖位置から中間位置までの回動速度と中間位置から開放位置までの回動速度を段階的に変えることができると共に、これらの回動速度の速度差を広い範囲で設定できる。
(第2及び第3の実施形態)
図10及び図11には、それぞれ本発明の第2及び第3の実施形態に係る蓋開閉機構におけるダンパユニットが示されている。なお、第2及び第3の実施形態に係る蓋開閉機構では、ダンパユニット以外の部分の構成については第1の実施形態に係る蓋開閉機構10と基本的に同じなので、ダンパユニット以外の部分の説明を省略する。
図10に示される第2の実施形態に係るダンパユニット130では、第1ピニオン66における軸方向内側の側面部に円形凹状の座ぐり部132が形成されると共に、第2ピニオン70における軸方向内側の側面部にも円形凹状の座ぐり部134が形成されており、これら第1ピニオン66の座ぐり部132及び第2ピニオン70の座ぐり部134内には、ケーシング74の軸方向に沿った一端部及び他端部がそれぞれ挿入されている。このとき、座ぐり部132の内面部分とケーシング74の外面部分との間には、軸方向及び径方向に沿って微小な隙間が形成されており、第1ピニオン66は、ケーシング74と接触することなく回動可能とされている。また座ぐり部134の内面部分とケーシング74の外面部分との間にも、軸方向及び径方向に沿って微小な隙間が形成されており、第2ピニオン70も、ケーシング74と接触することなく回動可能とされている。
第2の実施形態に係るダンパユニット130によれば、図3に示されるダンパユニット62と比較し、ピニオン66,70の歯幅を短縮することなく、軸方向に沿った装置寸法を短縮できるので、回動ステー40(図4参照)におけるスロット開口44の軸方向に沿った幅が狭い場合にも、ダンパユニット62をスロット開口44内に配設できる。
図11に示される第3の実施形態に係るダンパユニット140では、第1ピニオン66及び第2ピニオン70が軸方向に沿って互いに隣接するように同軸的に配置されると共に、これらのピニオン66,70がケーシング74の軸方向外側に配置されている。ここで、第2ピニオン70と第2ロータ78とを連結する第2連結軸142は、その中心部に軸方向へ貫通する中空部144が形成された中空軸とされており、第1ピニオン66と第1ロータ76とを連結する第1連結軸146は、第2連結軸142の中空部144内を挿通して、その先端側が第1ロータ76に連結されている。ここで、中空部144の軸方向両端部には、それぞれリング状の軸受部材148が配設されており、これら一対の軸受部材148は、第1連結軸142を第2連結軸142に対して相対的に回動可能に支持している。またダンパユニット140では、連結プレート110がケーシング74と一体的に形成されていることから、図3及び図10に示されるダンパユニット62,130ではロータリダンパ64の回転を防止するために必要であった連結プレート110とケーシング74とを繋ぐステー部120を省略できる。
第3の実施形態に係るダンパユニット140によれば、第1ピニオン66及び第2ピニオン70が軸方向に沿って互いに隣接するように配置されていることから、図3に示されるダンパユニット62と比較し、軸方向に沿ったピニオン66,70間の間隔を短縮できるので、回動ステー40(図4参照)におけるスロット開口44の軸方向に沿った幅が狭い場合にも、2個のピニオン66,70をスロット開口44内に配設できる。
なお、第1〜第3の実施形態に係る蓋開閉機構10では、蓋体24の開放時に蓋体24に捩じれ変形が生じて、蓋体24の開放動作が不安定になることを防止するため、本体容器36の両側面にそれぞれダンパユニット62,130,140をそれぞれ配設し、これら一対のダンパユニット62,130,140を、それぞれ蓋体24の両側の側端部に設けられた一対の回動ステー40と係合させていたが、蓋体24の捩じれ方向における強度が十分高い場合には、本体容器36の片側の側面に1個のダンパユニット62,130,140を配設し、この1個のダンパユニット62,130,140を、それぞれ蓋体24の片側の側端部に設けられた1個の回動ステー40と係合させる要にしても良い。
また本実施形態では、第1ロータ76及び第2ロータ78がそれぞれ肉厚一定の円板状に形成されていたが、必ずしも、第1ロータ76及び第2ロータ78を肉厚一定の円板状に形成する必要はなく、粘性的な連結強度を調整するために、ロータ76,78として、リブ状の突起部や、軸方向に貫通する開口部を形成したものを用いても、また中心部から外周側へ延出する翼状のブレード部が周方向に沿って一定ピッチで配列されたスクリュ状のものを用いても良い。
本発明の第1の実施形態に係る蓋開閉機構が適用された格納部の構成を示す側面図であり、(A)は蓋体が閉鎖位置にある状態を示している。 本発明の第1の実施形態に係る蓋開閉機構が適用された格納部の構成を示す側面図であり、蓋体が開放位置にある状態を示している。 本発明の第1の実施形態に係る蓋開閉機構におけるダンパユニットの構成を示す斜視図及び側面断面図である。 図3に示されるダンパユニットにおける回動ステーの構成を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る蓋開閉機構が適用された格納部であるカップホルダの構成を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る蓋開閉機構が適用可能な格納部である灰皿入れの構成を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る蓋開閉機構が適用可能な格納部であるグローブボックスの構成を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る蓋開閉機構が適用可能な格納部であるグラスホルダの構成を示す斜視図である。 本実施形態に係る蓋開閉機構及び従来の蓋開閉機構がそれぞれ適用された格納部における蓋体の開放開始からの経過時間と開角度との関係を示すグラフである。 本発明の第2の実施形態に係る蓋開閉機構に適用されるダンパユニットを示す斜視図及び側面断面図である。 本発明の第3の実施形態に係る蓋開閉機構に適用されるダンパユニットを示す斜視図及び側面断面図である。
符号の説明
10 蓋開閉機構(移動体の速度制御構造)
22 開口部
24 蓋体(移動体)
54 第1ラック(第1の伝達手段)
58 第2ラック(第2の伝達手段)
62 ダンパユニット
64 ロータリダンパ
66 第1ピニオン(第1の負荷部材、第1の伝達手段)
70 第2ピニオン(第2の負荷部材、第2の伝達手段)
74 ケーシング
75 流体室
76 第1ロータ(第1の負荷部材)
78 第2ロータ(第2の負荷部材)
122、124、126 隙間部
130 ダンパユニット
140 ダンパユニット
L 粘性流体

Claims (3)

  1. 原位置から作動位置へ付勢移動される移動体の移動速度を制御する移動体の速度制御構造であって、
    付勢力による前記移動体の作動位置への移動により粘性流体に一方向へ流れる第1の流れを発生させ、粘性流体から受ける第1の抵抗力を前記移動体に作用させる第1の負荷部材と、
    前記移動体が前記原位置から前記作動位置との間に設定された中間位置まで移動すると、粘性流体に第1の流れに対向する方向へ流れる第2の流れを発生させ、該粘性流体から受ける第2の抵抗力を前記移動体に作用させて、該移動体の速度を変更する第2の負荷部材と、
    を有することを特徴とする移動体の速度制御構造。
  2. 粘性流体が封入されたケーシングと、
    前記第1の負荷部材に設けられ、前記ケーシング内に回転可能に配置された第1のロータ部と、
    前記第2の負荷部材に設けられ、前記ケーシング内に回転可能に配置されると共に、前記第1のロータ部と対向するように支持された第2のロータ部と、
    前記移動体の前記原位置から前記作動位置への移動動作に連動し、前記移動体の付勢力を前記第1のロータ部に伝達し、該付勢力により前記第1のロータ部を、前記第1の流れに対応する正転方向へ回転させつつ、該第1のロータ部が粘性流体から受ける第1の抵抗力を前記移動体に伝達する第1の伝達手段と、
    前記移動体の前記中間位置から前記作動位置への移動動作に連動し、前記移動体の付勢力を前記第2のロータ部に伝達し、該付勢力により前記第2のロータ部を、前記正転方向とは反対の逆転方向へ回転させつつ、該第2のロータ部が粘性流体から受ける第2の抵抗力を前記移動体に伝達する第2の伝達手段と、
    を有することを特徴とする請求項1記載の移動体の速度制御構造。
  3. 前記第1の伝達手段は、前記第1のロータ部にトルク伝達可能に連結された第1のピニオンと、前記移動体と一体となって移動するように該移動体に取り付けられると共に、前記第1のピニオンに噛み合い、前記移動体の前記原位置から前記作動位置へ移動動作に連動して前記第1のピニオンを前記正転方向へ回転させる第1のラックとを有し、
    前記第2の駆動手段は、前記第2のロータ部にトルク伝達可能に連結された第2のピニオンと、前記移動体と一体となって移動するように該移動体に取り付けられると共に、前記移動体が前記原位置から前記中間位置まで移動すると、前記第2のピニオンに噛み合い、該移動体の前記中間位置から前記作動位置へ移動動作に連動して前記第2のピニオンを前記逆転方向へ回転させる第2のラックとを有することを特徴とする請求項2記載の移動体の速度制御構造。
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