JP2006218507A - クラッド溶接方法及びその装置 - Google Patents

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Abstract


【課題】 構造物が大きく全周施工のように広い施工範囲を安全にしかも工事効率良くクラッド溶接を施工する。
【解決手段】 クラッド溶接方法は、Fe基合金又はNi基合金から形成される溶加材を供給する溶加材供給ステップと、溶加材を供給しながら複数のパスを施工して先行するバッチとして矩形の施工部を形成する先行バッチ111形成ステップと、先行バッチ111の施工部の終端部又は始端部に重複部10を設けながら次のバッチ112で矩形の施工部を繰り返し形成する次バッチ112形成ステップと、重複部10の長さをクラッド溶接の層数24,25に応じて調整する重複部長さ調整スッテプと、を有する。
【選択図】 図4

Description

本発明は、構造物の表面をクラッド溶接するクラッド溶接方法及びその装置に関する。
原子炉炉内の構造物や機器等(以下、「構造物」という。)の溶接熱影響部の鋭敏化領域は、応力腐食割れによる割れが生じるおそれがある。従来、このような割れが発生する前に耐食性に優れた材料でクラッド溶接層を形成して予防保全を施工する場合や、万一割れが発生した場合においても開先加工により割れを除去し、開先部にクラッド溶接層を形成して補修を施工する場合がある(例えば、特許文献1〜3参照)。このようなクラッド溶接層は、母材を希釈するので、溶加材と同等レベルに耐食性を向上させるためには、クラッド溶接を多層施工することが多い。
このクラッド溶接を多層施工する構造物として円筒状の原子炉炉内構造物であるシュラウドを例示する。このシュラウドの曲率半径が大きいため、部分的に見れば平板と見做すことができる。この平板の構造物にクラッド溶接を多層施工する場合を説明する。
まず、施工長さ方向に長いビードを複数本形成し、施工範囲全体に第1層を形成する。その後、第1層と同様の方法で第2層以降の層を形成する。
構造物が大きいために広い施工範囲にクラッド溶接方法を適用する場合、長いビードを形成する必要がある。このため、溶接ヘッドを走査するための移動装置は大型化するという難点がある。また、1パス施工毎及び積層毎に溶接ヘッドを元の位置に戻すため、施工時間以外にも溶接ヘッドの戻しの移動時間が多くかかるという難点がある。また、構造物に設けた開先加工部にクラッド溶接の多層施工を行うときも、上述と同じ短所がある。
一方、再循環ラインのノズルやシュラウドも円筒状の構造物であり、全周施工を実施する場合がある。円筒状の構造物の全周にクラッド溶接を施工するときの例を説明する。まず、クラッド溶接の多層施工を実施するため、施工長さ方向に長いビードを複数本形成し、施工範囲全体に第1層を形成する。その後、第1層と同様の方法で、第2層以降の層を形成する。
上述のように構造物が大きく、全周施工のように広い施工範囲にクラッド溶接方法を適用するとき、1周1パスの施工を終了すると、溶接ヘッドは始端部の近くまで来ているため、次のパスはピッチ分だけ移動すればいい。
このため、施工時間以外にも溶接ヘッドの戻しの移動時間が多くかかるという従来の施工の空白時間を軽減し、クラッド溶接における工事効率の向上を図ることができる。
特開平5−69130号公報 特開2001−269782号公報 特開2000−246438号公報
上述のように、構造物が大きく全周施工のように広い施工範囲にクラッド溶接を施工するとき、まず、クラッド溶接の多層施工を実施するため、施工長さ方向に長いビードを複数本形成し、施工範囲全体に第1層を形成する。その後、第1層と同様の方法で、第2層以降の層を形成する。
しかしながら、一般に溶接ヘッドはケーブルやチューブ等で外部と接続しており、1周するとその分だけケーブルやチューブが捩れることになる。施工範囲にもよるが、もし第1層施工だけで30パス即ち30周の施工が必要であるとすると、ケーブルやチューブ等は30回捩れることになる。このため、ケーブルの切断やチューブの切断等が生じる恐れがあるという課題がある。
さらに、捩れを戻そうとする力がケーブルやチューブに作用するため、溶接ヘッドの動きが妨げられることになる。このため、1周即ち1パス施工毎に溶接ヘッドを元の位置に戻すことが望ましく、施工時間以外にもこのケーブルやチューブを元に戻すために多くの時間を割かなければならないという課題がある。
本発明は上記課題を解決するためになされたもので、構造物が大きく全周施工のように広い施工範囲を工事効率良くクラッド溶接を施工できるクラッド溶接方法及びその装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、構造物の表面をクラッド溶接するクラッド溶接方法において、溶加材を供給する溶加材供給ステップと、この溶加材を供給しながら複数のパスを施工して先行するバッチとして矩形の施工部を形成する先行バッチ形成ステップと、この先行バッチの施工部の終端部又は始端部に重複部を設けながら次のバッチとして矩形の施工部を繰り返し形成する次バッチ形成ステップと、この重複部の長さを前記クラッド溶接の層数に応じて調整する重複部長さ調整スッテプと、を有することを特徴とするものである。
また、上記目的を達成するため、本発明は、水中で放射性を有する構造物の表面をクラッド溶接するクラッド溶接装置において、水面の上方に設置されたレーザ発振器と、このレーザ発振器からのレーザ光を伝送する光ファイバーと、この光ファイバーで伝送されたレーザ光を集光しデフォーカスした状態で施工部に照射する集光レンズと、前記施工部の周辺にシールドガスを供給してガス空間を形成するシールドガス供給手段と、このガス空間内で前記施工部をクラッド溶接するFe基合金又はNi基合金から形成される溶加材を供給する溶加材供給手段と、この溶加材を供給しながら複数のパスを施工して先行するバッチとして矩形の施工部を形成しさらにこの先行バッチの施工部の終端部又は始端部に重複部を設けながら次のバッチとして矩形の施工部を繰り返し形成する移動装置と、を有することを特徴とするものである。
本発明によるクラッド溶接方法及びその装置によれば、溶加材を供給しながら複数のパスを施工して先行するバッチとして矩形の施工部を形成しさらにこの先行バッチの施工部の終端部又は始端部に重複部を設けながら次のバッチとして矩形の施工部を繰り返し形成するので、構造物が大きく全周施工のように広い施工範囲を安全にしかも工事効率良くクラッド溶接を施工できる。
以下、本発明に係るクラッド溶接方法及びその装置の実施の形態について、図面を参照して説明する。ここで、同一又は類似の部分には共通の符号を付すことにより、重複説明を省略する。
図1は本発明の実施の形態のクラッド溶接装置を適用した箇所を示す概略縦断面図、図2は図1のクラッド溶接装置付近を拡大して示す断面図、図3は本発明の実施の形態のクラッド溶接方法の手順を示すフロー図、図4は本発明の実施の形態のクラッド溶接方法を示す施工図である。
図1乃至図4に示すように、原子力圧力容器21内には、シュラウド等の原子炉炉内構造物が設置されている。この原子炉炉内の構造物や機器等を構造物1という。この構造物1の表面に割れが発生した場合において、開先加工により割れを除去し、開先部にクラッド溶接層を形成して補修を施工するために溶接ヘッド2が配備されている。
このクラッド溶接の施工前後には、溶接ヘッド2の他に、図示しない検査装置、酸化膜除去装置、表面形状測定装置、クラッド溶接装置等の各種装置が必要である。これらの各種装置は、施工ヘッドとこの施工ヘッドを所定の位置に移動する移動装置3から構成される。例えば、クラッド溶接施工において、炉水を排除しない状態のまま施工するために、レーザ発振器4がオペレーションフロア22又は屋外に設置される。このレーザ発振器4と溶接ヘッド2とは光ファイバー5で連結されている。
図2に示すように、このレーザ発振器4からのレーザ光6は光ファイバー5を介して溶接ヘッド2に伝送される。溶接ヘッド2内の集光レンズ7を用いてレーザ光6を集光し、デフォーカスした状態で溶接部に照射する。その際、シールドガス8を供給し、部分的に炉水を排除して気中を形成する。この空間で、溶加材としてNi基高Cr合金製のフィラーワイヤ9を供給してクラッド溶接を実施する。
ここでは、レーザ溶接に特化して説明するが、アーク溶接やプラズマ溶接によりクラッド溶接を施工しても何ら問題はない。また、水中施工を例に取っているが、気中施工にも適用できる。
図3を用いて、このように構成された本実施の形態におけるクラッド溶接の手順について説明する。
まず、施工前検査として、CCDカメラ等を使用して溶接部を外観検査(VT)(S1)を行う。この外観検査(VT)により構造物1の表面に割れ、ひび等の欠陥がないことを確認する。この割れ、ひび等の欠陥が見付かったときは、以下の工程に進む。
次に、グラインダやフラップホイール等のメカニカルな工具により構造物1の表面の酸化皮膜を除去(S2)する。
酸化皮膜を除去(S2)した後にクラッド溶接前の表面検査として、外観検査(VT)又は渦電流探傷検査(ECT)(S3)を行う。
この表面検査(S3)の後に、例えば超音波距離形等を用いて溶接前の表面形状を測定(S4)する。
この表面形状の測定(S4)の結果に従って、クラッド溶接を行う(S5)。このとき、コア径φ0.8mmの光ファイバーで伝送した波長1064nmのYAGレーザ光を移動装置3にて移動させながら、溶加材であるフィラーワイヤ9を供給しつつクラッド溶接23の層が形成される。このフィラーワイヤ9は、母材である構造物1に合わせてFe基合金又はNi基合金を使用する。
図4は、1層24,2層25の2層を施工するクラッド溶接方法を示す。
まず、複数のパス、例えば6パスを施工して矩形の施工部である1層24の一部が先行するバッチとして形成される。このとき、溶接ヘッド2を往復繰り返しながら、往復繰り返しクラッド溶接を施工することにより先行バッチ111が形成される。
次に、先行バッチ111の施工部である1層24の終端部又は始端部に重複部10の長さを調整し保持しながら、次バッチ112として矩形の施工部を設けることにより2層25が形成される。2層であるので、この重複部10の長さは施工長さ11の略1/2とする。図中において左から右にかけて、先行バッチ111の施工の後で、次バッチ112、113の施工を繰り返す。こうしてクラッド溶接の重複部10を設けることにより、どの部位をとっても1層24、2層25の2層が形成される。
このように構成された本実施の形態において、溶接ヘッド2を比較的狭い範囲で往復繰り返しながらクラッド溶接を施工することにより、先行バッチ111の後で次バッチ112が次々と形成される。このため、構造物1が大きく全周施工のように広い施工範囲を1周毎に施工する場合に比較して、溶接ヘッド2の移動距離が大幅に削減される。このため、移動装置3を小型化することができる。さらに、1パス施工毎に溶接ヘッド2を戻すという移動時間を軽減することができ、積層ごとに溶接ヘッド2を戻すという移動時間も削減することができる。
なお、クラッド溶接条件の一例として、レーザ出力1〜4kW、溶接速度300〜2000mm/min、ワイヤ送給速度500〜3000mm/min、シールドガス流量30〜120l/minに設定する。次に、外観検査(VT)(S6)において、クラッド溶接不良箇所を検出した場合は、補修施工を行い、最後に表面検査(S7)を行って施工を終了する。
本実施の形態によれば、クラッド溶接の2層施工を実施するに際して、移動装置3を小型化しかつ溶接ヘッド2の溶接していない状態での移動時間を大幅に軽減することができる。さらに、クラッド溶接に係る全施工が1周で完了するために、溶接ヘッド2に接続したケーブルやチューブ類の捩れを軽減することができる。このため、構造物が大きく全周施工のように広い施工範囲であっても工事効率良くクラッド溶接を施工することができる。
図5は、本発明の他の実施の形態のクラッド溶接方法を示す施工図である。ここでは、1層24,2層25、3層26の3層を施工するクラッド溶接方法を示す。図5は、図4のクラッド溶接方法に3層26を追加するものあり、主に、図4と相違する箇所について説明する。
まず、複数のパス、例えば6パスを施工して矩形の施工部である1層24の一部が先行バッチ111として形成される。
次に、先行バッチ111の施工部の終端部又は始端部に重複部10を調整し保持しながら、次バッチ111として矩形の施工部が形成される。3層であるので、この重複部10の長さは施工長さ11の略2/3となる。図中において左から右にかけて、先行バッチ111の後で施工長さ11の次バッチ112、113を繰り返し形成することにより、どの部位をとっても1層24,2層25、3層26の3層が形成される。
本実施の形態によれば、クラッド溶接の3層施工を実施するに際して、移動装置を小型化しかつ溶接していない移動時間を大幅に軽減することができる。このため、構造物が大きく全周施工のように広い施工範囲であっても、安全にしかも工事効率良くクラッド溶接を施工することができる。
なお、先行バッチ111の施工部の終端部又は始端部と次バッチ112の施工部との重複部10の長さを施工長さ11の略3/4とすれば、クラッド溶接の4層施工が可能となる。また、重複部10を施工長さ11の略4/5とすれば、クラッド溶接の5層施工が可能となる。
図6は、本発明のさらに他の実施の形態のクラッド溶接方法を示す施工図である。
図6に示すように、開先加工部11に対する2層のクラッド溶接方法を示す。構造物1の施工面に割れがあったときに、この割れを除去するために機械加工した開先加工部11に、図2に示すクラッド溶接装置を使用して2層以上のクラッド溶接を施工する場合について説明する。
この開先加工部11に対するクラッド溶接施工において、図4と同様の積層方法を適用する。すなわち、開先加工部11に対して複数のパス、例えば6パスを繰り返して、先行バッチ111としてクラッド溶接の矩形の施工部を形成する。この先行バッチ111の施工部の終端部または始端部に重複部10を保持しながら、矩形の施工部にクラッド溶接の次バッチ112を形成する。クラッド溶接は2層なので、重複部10の長さは施工長さ11の略1/2となる。図中において左から右にかけて、クラッド溶接の次バッチ112の施工を繰り返すことにより、どの部位をとっても2層のクラッド溶接が施工される。
このように構成された本実施の形態において、溶接ヘッド2を往復繰り返しながら往復繰り返しクラッド溶接を施工することにより、先行バッチ111の後で次バッチ112、113が次々と形成される。
本実施の形態によれば、クラッド溶接の2層施工を実施するに際して、移動装置を小型化しかつ溶接していない移動時間を大幅に軽減することができる。このため、構造物が大きく全周施工のように広い施工範囲であっても、安全にしかも工事効率良くクラッド溶接を施工することができる。
なお、クラッド溶接の3層以上の施工については、図6に記載した同様のクラッド溶接方法により施工できる。
図7は、本発明のさらに他の実施の形態のクラッド溶接方法を示す施工図である。
図7に、円筒状の構造物1の外周面に対する2層のクラッド溶接方法を示す。図2に示すクラッド溶接装置を使用して、円筒状の構造物1の外周面に対して、2層以上のクラッド溶接を施工する。クラッド溶接施工中において移動装置3(図1も参照)は、構造物である施工面1と溶接ヘッド2とが正面で向き合った状態で、溶接ヘッド2を円周に沿って移動する。この点が図2に示すクラッド溶接の施工の場合と相違するが、他の点においては、図2に示す施工方法とほぼ同一である。
このように構成された円筒状の構造物1の外周面施工におけるクラッド溶接方法において、図2に示す積層方法と同様の施工方法を採用する。すなわち、円筒状の構造物1の外周面に対して複数のパスを施工して矩形の施工部を先行バッチ123を形成する。この先行バッチ123の施工部の終端部又は始端部に重複部30を設けながら、次バッチ124として矩形の施工部を形成する。クラッド溶接をたとえば2層施工するために、この重複部30の長さを施工長さ31の略1/2の長さとする。
このように、先行バッチとして第1バッチ121の後に、第2バッチ122の順に溶接施工し、最終バッチ125まで次バッチ124の施工を繰り返すことにより、どの部位をとっても2層施工が可能となる。
なお、3層以上の施工においては、上述の2層施工に係る積層方法と同様の方法によりクラッド溶接できる。
本実施の形態によれば、クラッド溶接の2層施工を実施するに際して、移動装置を小型化しかつ溶接していない移動時間を大幅に軽減することができる。このため、構造物が大きく全周施工のように広い施工範囲であっても工事効率良くクラッド溶接を施工することができる。
さらに、クラッド溶接に係る全施工が1周で完了するために、溶接ヘッド2に接続したケーブルやチューブ類の捩れを軽減することができる。
図8は本発明のさらに他の実施の形態のクラッド溶接装置を適用した箇所を示す概略縦断面図、図9は図8のクラッド溶接装置付近を拡大して示す断面図、図10は図8のクラッド溶接方法を示す施工図である。この実施の形態は、図1の構造物1の外周面に対するクラッド溶接に対して、構造物1の内周面にクラッド溶接するものであり、同一又は類似の部分には共通の符号を付すことにより、重複説明を省略する。
図8に、円筒状の構造物1の内周面に対する2層のクラッド溶接方法を示す。図2に示すクラッド溶接装置を使用して、円筒状の構造物1の内周面に対して、2層以上のクラッド溶接を施工する。
図9に示すように、例えば、円筒状の構造物1の横方向の内周面に溶接ヘッド2が横向きに設置される。レーザ発振器4から光ファイバー5を通して、溶接ヘッド2までレーザ光6が伝送される。集光レンズ7を用いてその光6を集光し、デフォーカスした状態で溶接部に照射する。その際、シールドガス8を供給して部分的に炉水を排除して気中を形成する。この空間で、Ni基高Cr合金製のフィラーワイヤ9を供給してクラッド溶接を実施する。
このように構成された円筒状の構造物1の内周面施工におけるクラッド溶接方法において、図10に示すように、円筒状の構造物1の内周面に対して複数のパスを施工して矩形の施工部を先行バッチ123を形成する。この先行バッチ123の施工部の終端部又は始端部に重複部30を設けながら、次バッチ124による矩形の施工部を形成する。クラッド溶接を2層施工するためには、この重複部30の長さを施工長さ31の略1/2の長さとする。
このように、先行バッチとして第1バッチ121の後に、第2バッチ122の順に溶接施工し、最終バッチ125までバッチ施工を繰り返すことにより、どの部位をとっても2層施工が可能となる。
なお、3層以上の施工においては、上述の2層施工に係る積層方法と同様の方法によりクラッド溶接できる。
このように構成された本実施の形態において、溶接ヘッドを往復繰り返しながら往復繰り返しクラッド溶接を施工することにより、先行バッチ123の後で次バッチ124が次々と形成される。
本実施の形態によれば、クラッド溶接の2層施工を実施するに際して、移動装置を小型化しかつ溶接していない移動時間を大幅に軽減することができる。このため、構造物が大きく全周施工のように広い施工範囲であっても、安全にしかも工事効率良くクラッド溶接を施工することができる。
図11は、本発明のさらに他の実施の形態のクラッド溶接方法を示す施工図である。
図11に示すように、割れ12がある施工面に対して、割れ12を除去せずに、2層以上のクラッド溶接施工を行うものである。図2に示すクラッド溶接装置を使用して2層以上のクラッド溶接を施工する場合について説明する。
この割れ12の上面に対するクラッド溶接施工において、図4と同様の積層方法を適用する。すなわち、割れ12の上面に対して複数のパス、例えば6パスを繰り返して、先行バッチ111としてクラッド溶接の矩形の施工部を形成する。この先行バッチ111の施工部の終端部または始端部に重複部10を調整し保持しながら、矩形の施工部にクラッド溶接の次バッチ112が形成される。クラッド溶接は2層なので、重複部10の長さは施工長さ11の略1/2となる。図中において左から右にかけて、クラッド溶接の次バッチ112の施工を繰り返すことにより、どの部位をとっても2層のクラッド溶接が施工される。
本実施の形態によれば、クラッド溶接の2層施工を実施するに際して、移動装置を小型化しかつ溶接していない移動時間を大幅に軽減することができる。このため、構造物が大きく全周施工のように広い施工範囲であっても、安全にしかも工事効率良くクラッド溶接を施工することができる。
図12は、本発明のさらに他の実施の形態のクラッド溶接方法を示す施工図である。
図12に示すように、割れ12がある施工面に対して、割れ12を除去せずに、2層以上のクラッド溶接施工を行うものである。図2に示すクラッド溶接装置を使用して2層以上のクラッド溶接を施工する場合について説明する。
構造物1の割れ12の存在する施工部13に対するクラッド溶接施工において、図4と同様の積層方法を適用する。ここでは、施工部13に存在する割れ12のサイズや位置に応じてクラッド溶接のパスを変化させて溶接施工を行うものである。例えば、先行バッチ111においては、5パスを繰り返して割れ12を被覆する。この先行バッチ111の施工部の終端部又は始端部に重複部10を調整し保持しながら、矩形の施工部にクラッド溶接を5パス繰り返して次バッチ112を形成する。さらに、この次バッチ112の施工部の終端部又は始端部に重複部10を維持しながら、矩形の施工部にクラッド溶接を4パス繰り返して次バッチ113を形成する。このように、割れ12のサイズに応じてクラッド溶接のパスを変化させて溶接施工するものである。
本実施の形態によれば、クラッド溶接の2層施工を実施するに際して、移動装置を小型化しかつ溶接ヘッドの無作業移動時間を大幅に軽減することができる。このため、構造物が大きく全周施工のように広い施工範囲であっても、安全にしかも工事効率良くクラッド溶接を施工することができる。
また、レーザ光6のスポット径を制御することにより、希釈率を低くし、クラッド溶接の積層数を軽減するクラッド溶接方法について説明する。
クラッド溶接条件の一例として、レーザ出力1〜4kW、スポット径φ1〜4mm、溶接速度300〜2000mm/min(5×10−3〜3.3×10−2m/s)、ワイヤ送給速度500〜3000m/min(8.3×10−3〜5×10−2m/s)、シールドガス流量30〜120リットル/min(5×10−4〜2×10−3/s)に設定する。このとき、スポット径をφ1〜4mmにデフォーカスすることにより、50%以下という低い希釈率で溶接施工が実現できる。このため、クラッド溶接の積層数を大幅に軽減することができる。仮に希釈率70%から40%に軽減できれば、溶接金属のCr濃度を溶加材の95%になることを考慮した場合に、クラッド溶接の積層数を9層から4層へとほぼ半減できることになる。
このように構成された本実施の形態において、スポット径をφ1〜4mmとデフォーカスしたレーザ光を適用することにより、クラッド溶接の積層数を大幅に軽減することができる。なお、スポット径がφ1mm未満では、クラッド溶接の施工速度が遅くなり工事効率が低下する。スポット径がφ4mm超過の場合は、クラッド溶接の溶け込み量が少なくなり溶接施工する上での質が低下する。
また、レーザ光6の発振モードを制御することにより、溶接割れを減らし、補修溶接の回数を減らすクラッド溶接方法について説明する。
クラッド溶接条件の一例として、連続発振の代わりに、周波数10〜300Hzのパルス発振を適用することにより、クラッド溶接金属中の樹脂状結晶組織が長く成長しにくくなるので、その結果として、クラッド溶接金属の凝固割れや液化割れの発生を抑制することができる。
このように構成された本実施の形態において、健全なクラッド溶接施工部を形成することができる。
本発明の実施の形態のクラッド溶接装置を適用した箇所を示す概略縦断面図。 図1のクラッド溶接装置付近を拡大して示す断面図。 本発明の実施の形態におけるクラッド溶接の手順を示すフロー図。 本発明の実施の形態のクラッド溶接方法を示す施工図で、(a)はこの正面図、(b)はこの側断面図、(c)はこの上面図。 本発明の他の実施の形態のクラッド溶接方法を示す施工図で、(a)はこの正面図、(b)はこの側断面図、(c)はこの上面図。 本発明のさらに他の実施の形態のクラッド溶接方法を示す施工図で、(a)はこの正面図、(b)はこの側断面図、(c)はこの上面図。 本発明のさらに他の実施の形態のクラッド溶接方法を示す施工図で、(a)はこの正面図、(b)はこの上面図。 本発明のさらに他の実施の形態のクラッド溶接装置を適用した箇所を示す概略縦断面図。 図8のクラッド溶接装置付近を拡大して示す断面図。 図8のクラッド溶接方法を示す施工図で、(a)はこの横断面図、(b)は(a)のX−X方向から見た縦断面図。 本発明のさらに他の実施の形態のクラッド溶接方法を示す施工図、(a)はこの正面図、(b)はこの側断面図、(c)はこの上面図。 本発明のさらに他の実施の形態のクラッド溶接方法を示す施工図で、(a)はこの正面図、(b)はこの側断面図、(c)はこの上面図。
符号の説明
1…構造物、2…溶接ヘッド、3…移動装置、4…レーザ発振器、6…レーザ光。

Claims (9)

  1. 構造物の表面をクラッド溶接するクラッド溶接方法において、
    溶加材を供給する溶加材供給ステップと、
    この溶加材を供給しながら複数のパスを施工して先行するバッチとして矩形の施工部を形成する先行バッチ形成ステップと、
    この先行バッチの施工部の終端部又は始端部に重複部を設けながら次のバッチとして矩形の施工部を繰り返し形成する次バッチ形成ステップと、
    この重複部の長さを前記クラッド溶接の層数に応じて調整する重複部長さ調整スッテプと、
    を有することを特徴とするクラッド溶接方法。
  2. 前記重複部長さ調整スッテプおいて、2以上の整数をnとして、クラッド溶接の層数がn層であるときは、重複部の長さは施工部長さの約(n−1)/nであること、を特徴とする請求項1記載のクラッド溶接方法。
  3. 前記クラッド溶接は、前記構造材の開先加工部に施工すること、を特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載のクラッド溶接方法。
  4. 前記クラッド溶接は、前記円筒状の構造物の外周面の円周に沿って施工すること、を特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のクラッド溶接方法。
  5. 前記クラッド溶接は、前記円筒状の構造物の内周面の円周に沿って施工すること、を特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のクラッド溶接方法。
  6. 前記クラッド溶接は、前記構造材の割れが存在する施工面に施工すること、を特徴とする請求項1、2、4、5のいずれかに記載のクラッド溶接方法。
  7. 前記クラッド溶接は、スポットの直径を1〜4mmにデフォーカスしたレーザ光を用いてレーザ溶接すること、を特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のクラッド溶接方法。
  8. 前記クラッド溶接は、発振モードとして連続発振又はパルス発振を使用すること、を特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のクラッド溶接方法。
  9. 水中で放射性を有する構造物の表面をクラッド溶接するクラッド溶接装置において、
    水面の上方に設置されたレーザ発振器と、
    このレーザ発振器からのレーザ光を伝送する光ファイバーと、
    この光ファイバーで伝送されたレーザ光を集光しデフォーカスした状態で施工部に照射する集光レンズと、
    前記施工部の周辺にシールドガスを供給してガス空間を形成するシールドガス供給手段と、
    このガス空間内で前記施工部をクラッド溶接するFe基合金又はNi基合金から形成される溶加材を供給する溶加材供給手段と、
    この溶加材を供給しながら複数のパスを施工して先行するバッチとして矩形の施工部を形成しさらにこの先行バッチの施工部の終端部又は始端部に重複部を設けながら次のバッチとして矩形の施工部を繰り返し形成する移動装置と、
    を有することを特徴とするクラッド溶接装置。
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