JPH10328860A - レーザ溶接方法およびレーザ溶接装置 - Google Patents

レーザ溶接方法およびレーザ溶接装置

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JPH10328860A
JPH10328860A JP9149527A JP14952797A JPH10328860A JP H10328860 A JPH10328860 A JP H10328860A JP 9149527 A JP9149527 A JP 9149527A JP 14952797 A JP14952797 A JP 14952797A JP H10328860 A JPH10328860 A JP H10328860A
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welding
laser
laser beam
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bead
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JP9149527A
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English (en)
Inventor
Wataru Kono
野 渉 河
Seiichiro Kimura
村 盛一郎 木
Nami Sasaki
奈 美 佐々木
Tetsuo Nishimura
村 哲 郎 西
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Toshiba Corp
Toshiba FA Systems Engineering Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Toshiba FA Systems Engineering Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】遠隔操作で溶接施工を行う場合等のレーザ照射
位置の位置決め精度を十分に向上させることができない
環境下においても、確実に高品質の溶接を行うことが可
能となるレーザ溶接方法を提供する。 【解決手段】 本発明によるレーザ溶接方法を用いて突
き合わせ溶接を行う場合、部材3、4の突き合わせ部1
を挟んだ所定領域内でレーザ光2の走査が複数回行われ
る。溶接工程において、レーザ光2は、形成される単位
ビード11〜15が隣接する単位ビードと重複する領域
を有するように、徐々にその走査軌跡がずらされる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、配管、平板材等の
被溶接材をレーザビームを用いて溶接する方法およびこ
の溶接方法を実施するために適した溶接装置に係り、と
りわけ、原子炉、核融合炉内の構造物を遠隔操作にて取
り替え作業および補修作業を実施する際に適したレーザ
溶接方法およびレーザ溶接装置に関する。
【0002】
【従来の技術】配管等のパイプ材や平板材の突き合わせ
溶接をレーザ溶接法にて行う場合の従来の技術を以下に
説明する。図16(a)に示すように、一対の被溶接材
3、4は、突き合わせ部の開先形状がI型開先となるよ
うに、すなわち突き合わせ面1が突き合わせ方向に対し
て垂直な面となるように加工された後、互いに突き合わ
される。しかる後、突き合わせ部に沿ってレーザ光2が
一回限り走査され、これにより図16(b)に示すよう
な溶接ビード50が形成されるようになっている。この
場合、レーザ光照射位置2aの位置決めは、目視あるい
は治具を用いた機械的手法等により行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、原子炉およ
び核融合炉内の構造物のメンテナンス、例えば構造物の
取り替えおよび補修等を行うために溶接作業を実施する
際には、被溶接物が放射線環境下にあるため、作業者が
被溶接物に近づいて作業を行うことが不可能である。こ
のため、溶接作業は遠隔操作される溶接装置により実施
される。
【0004】しかし、前述したようなレーザ溶接方法を
用いると、レーザ光照射位置の位置決めや被溶接材のセ
ッティングに問題が生じてくる場合もある。例えば、厚
さ3mmのステンレス鋼をレーザ溶接する場合、突き合
わせ面に対するレーザ照射位置のずれは±0.3mm程
度に納めないと、目はずれを起こすことになる。しか
し、遠隔作業用ロボットを用いて、このような精度でレ
ーザ照射位置の位置決めを行うことは非常に困難であ
る。
【0005】また、炉内構造物の交換を行う場合、新規
部材を炉内にセットしなければならないが、I型開先の
場合突き合わせ部がずれないように遠隔操作でセットす
るのは非常に困難である。さらに、遠隔操作の必要如何
にかかわらず、一般のレーザ溶接ではアンダーカット
(図16(b)の符号51参照)等の表面欠陥が発生し
やすい。
【0006】上述したような、目はずれ、被溶接材のセ
ット不良に起因する溶接不良が発生したり、アンダーカ
ット等の溶接欠陥に起因して応力集中が発生した場合、
構造物の破壊を招く恐れがある。
【0007】本発明は、上述したような事情に鑑みてな
されたものであって、原子炉、核融合炉内構造物等の取
り替えおよび補修時の溶接を行う際に、容易に且つ能率
良く溶接作業を行うことができ、さらに、確実かつ健全
な溶接を行うことができるレーザ溶接方法を提供するこ
とを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の第1の手段は、2つの部材をレーザ光を用いて突き合
わせ溶接するレーザ溶接方法において、所定の形状を有
する突き合わせ部を有する2つの部材を準備する準備工
程と、両部材の突き合わせ面を突き合わせる突き合わせ
工程と、両部材の突き合わせ部を挟んだ所定領域内にレ
ーザ光を複数回走査し、各回の走査により形成される各
単位ビードがそれぞれ隣接する単位ビードと重複領域を
有するように、複数の単位ビードからなる溶接ビードを
形成する溶接工程と、を備えたことを特徴とするもので
ある。
【0009】この第1の手段によれば、レーザ照射位置
の位置決め精度を十分に向上させることができない環境
下においても、確実に高品質の溶接を行うことが可能と
なる。
【0010】また、第2の手段は、第1の手段におい
て、前記溶接工程は、前記各単位ビードが、その深さ方
向全域に対して、隣接する単位ビードと重複する領域を
有し、かつ、突き合わせ部近傍全域が溶融組織となるよ
うに行われることを特徴とするものである。
【0011】また、第3の手段は、第1の手段におい
て、前記溶接工程においてレーザ光を複数回走査させる
場合、第1回目のレーザ光の走査が両部材の突き合わせ
部を挟んだ所定領域の一端側で行われ、第2回目以降の
レーザー光の走査が、前記所定領域の他端側に向けて順
次ずれた位置で行われることを特徴とするものである。
また、第4の手段は、第1の手段において、前記溶接工
程において、複数回なされるレーザー光の走査方向が突
き合わせ面が延びる方向と平行であることを特徴とする
ものである。
【0012】また、第5の手段は、第1乃至第3の手段
において、前記2つの部材はパイプ材からなり、前記溶
接工程において、両部材の突き合わせ部を挟んだ所定領
域の一端側から他端側に向けてレーザ光を螺旋状に走査
させることにより螺旋の周回数に対応した複数回の走査
が行われることを特徴とするものである。
【0013】また、第6の手段は、第5の手段におい
て、前記準備工程において、前記突き合わせ面の傾斜角
度αが45〜90度とされ、前記溶接工程において、レ
ーザ光の照射角度βが前記傾斜角度αと略同一の条件で
溶接が行われることを特徴とするものである。
【0014】また、第7の手段は、第5の手段におい
て、前記準備工程において、前記突き合わせ面の傾斜角
度αが45〜90度とされ、前記溶接工程において、レ
ーザ光の照射角度βが前記傾斜角度αより大きい条件で
溶接が行われることを特徴とするものである。
【0015】また、第8の手段は、第1乃至第5の手段
において、前記準備工程において、両部材の突き合わせ
面に段差が形成され、前記突き合わせ工程において、両
部材は、各々の段差が噛み合うように突き合わされ、前
記溶接工程において、両部材の噛み合い部近傍の全域が
溶融組織となるように溶接が行われることを特徴とする
ものである。
【0016】また、第9の手段は、第1乃至第5の手段
において、前記準備工程において、前記突き合わせ面の
傾斜角度αが45〜90度とされるとともに、一方の部
材の端部に他方の端部が重なるようにオーバラップ部が
形成され、前記突き合わせ工程において、前記オーバラ
ップ部が他方の部材に重ねられるとともに両部材の突き
合わせ面が突き合わされ、前記溶接工程において、オー
バーラップ部および突き合わせ部の近傍の全体が溶融組
織となるように溶接が行われることを特徴とするもので
ある。
【0017】また、第10の手段は、第1乃至第5の手
段において、前記溶接工程が終了した後、溶接ビード表
面にレーザ光を照射して溶接ビードの全表面層を再溶融
する表面溶融処理工程を更に備えたことを特徴とするも
のである。
【0018】また、第11の手段は、第1乃至第5の手
段において、前記溶接工程が終了した後、フィラーワイ
ヤを用いて溶接ビードの全面にレーザ肉盛りを施す工程
を更に備えたことを特徴とするものである。
【0019】また、第12の手段は、第1乃至第5の手
段において、前記準備工程において、2つの部材の突き
合わせ部に切欠き溝が形成され、前記溶接工程におい
て、レーザ光の走査は両部材の切欠き溝底においてなさ
れ、前記溶接工程の後、前記切欠き溝の断面形状に対応
した部材が前記切欠き溝にはめ込む工程と、はめ込まれ
た部材およびこのはめ込まれた部材の近傍の2つの部材
の表面に対してレーザ光を照射して、はめ込まれた部材
の全体およびはめ込まれた部材の近傍の2つの部材の一
部を溶かして溶接ビードを形成する第2の溶接工程と、
が更に実施されることを特徴とするものである。
【0020】また、第13の手段は、第1乃至第12の
手段において、前記溶接工程において、2つの部材の突
き合わせ部の裏面に、突き合わせ部を覆うようにスパッ
タ飛散防止具を取り付けた状態で溶接が行われることを
特徴とするものである。
【0021】これら第2乃至第13の手段によれば、よ
り高品質な突き合わせ溶接を行うことができる。
【0022】また、第14の手段は、2つの部材をレー
ザ光を用い重ね合わせ溶接する溶接方法において、所定
の形状を有する2つの部材を準備する準備工程と、一方
の部材を他方の部材に重ね合わせる重ね合わせ工程と、
前記一方の部材の端縁に沿う方向と略平行な方向にレー
ザ光を複数回走査し、各回の走査により形成される各単
位ビードがそれぞれ隣接する単位ビードと重複領域を有
するように、複数の単位ビードからなる溶接ビードを形
成する溶接工程と、を備え、前記複数回のレーザ光の走
査は、第1回目の走査が一方の部材の端縁より内側に所
定量ずれた位置で行われ、第2回目以降の走査が他方の
部材側に順次ずれてゆくようになされることを特徴とす
るものである。
【0023】また、第15の手段は、第14の手段にお
いて、前記溶接工程は、前記各単位ビードが、その深さ
方向全域に対して、隣接する単位ビードと重複する領域
を有し、かつ、突き合わせ部近傍全域が溶融組織となる
ように行われることを特徴とするものである。
【0024】また、第16の手段は、第14または第1
5の手段において、前記2つの部材のうち、前記一方の
部材は相対的に肉厚の厚い部材であり、前記他方の部材
は前記一方の部材にあてがわれて溶接される相対的に肉
厚の薄くかつ相対的に小さい部材であることを特徴とす
るものである。
【0025】また、第17の手段は、レーザ溶接装置に
おいて、レーザ光を伝送するためのレーザ光伝送用光フ
ァイバーと、前記レーザ光伝送用光ファイバーから出射
されたレーザ光を被溶接部材に集光するレーザ集光レン
ズと、前記レーザ光伝送用光ファイバーの周囲に設けら
れた画像伝送用のイメージファイバーと、を備え、溶接
部近傍の画像をレーザ集光レンズを介してイメージファ
イバ一端部に結像させ、結像した画像をイメージファイ
バーによって伝送し、イメージファイバー他端に設けら
れた画像処理装置によって溶接部近傍を観察することを
特徴とするものである。
【0026】また、第18の手段は、レーザ溶接装置に
おいて、レーザ光を伝送するためのレーザ光伝送用光フ
ァイバーと、前記レーザ光伝送用光ファイバーから出射
されたレーザ光を被溶接部材に集光するレーザ集光レン
ズと、前記レーザ光伝送用光ファイバーの周囲に設けら
れた反射鏡と、画像伝送用のイメージファイバーと、を
備え、溶接部近傍の画像を前記レーザ集光レンズおよび
前記反射鏡を介してイメージファイバ一端部に結像さ
せ、結像した画像をイメージファイバーによって伝送
し、イメージファイバー他端に設けられた画像処理装置
によって溶接部近傍を観察することを特徴とするもので
ある。
【0027】これら、第17乃至第18の手段によれ
ば、溶接部近傍の状況を確認できるため、より高品質の
溶接を行うことができる。
【0028】また、第19の手段は、上記手段によるレ
ーザ溶接装置を用い、上記各工程のうち少なくとも一つ
の工程の前後または工程中に、溶接部近傍の観察が行な
われることを特徴とするレーザ溶接方法である。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態について説明する。
【0030】まず、本発明によるレーザ溶接方法を用い
て2つの部材を突き合わせ溶接する方法について図1に
より説明する。
【0031】まず、2つの部材3、4の突き合わせ面1
が所定形状に整えられる。
【0032】次に、図1(a)に示すように、第1回目
のレーザ光の走査が行われる。この第1回目の走査は、
両板材3、4の突き合わせ面1から一方の部材4側に所
定量、好ましくは0〜5mmずらした位置おいて、好ま
しくは図1(a)に示すように突き合わせ面1の延びる
方向と平行な方向にレーザ光2の走査を行うことにより
実施される。この第1回目のレーザ光2の走査により、
図1(b)に示すような単位ビード11が形成される。
【0033】なお、本明細書において、「単位ビード」
なる用語は、1回のレーザ光の走査により形成される溶
接ビードを意味する。さらに本明細書において「レーザ
光の走査回数」は、突き合わせ面1の長さxに実質的に
対応する距離分の走査が行われるごとに1回の走査が行
われたものとして数えるものとする。
【0034】次に、図1(c)に示すように、第2回目
のレーザ光2の走査が行われる。この第2回目の走査
は、第1回目のレーザ光2の走査により形成された単位
ビード11のうち単位ビード幅が最小となっている部分
11a(以下「最小ビード幅部分」という。図1(b)
参照)と、第2回目のレーザ光2の走査により形成され
た単位ビード12の最小ビード幅部分が互いに重なり合
うように、すなわち単位ビード11,12がその深さ方
向全域に対して互いに重複する部分を有するように第1
回目の走査におけるレーザ光2の照射位置から突き合わ
せ面1側にずれた位置において、レーザ光2の走査を行
うことにより実施される。第2回目のレーザ光2の走査
軌跡と第1回目のレーザ光の走査軌跡Lとは互いに平行
であり、被溶接部材に対するレーザ光2の入射角度は第
1回目と第2回目において互いに略同一である。
【0035】更に、図1(c)に示すように、レーザ光
2の走査軌跡を徐々に他方の部材3側にずらしながら、
複数回のレーザ光2の走査が行われる。この場合、各回
におけるレーザ光2の走査により形成される単位ビード
と、当該回の1回前のレーザ光2の走査により形成され
る単位ビードとの関係は、第1回目の走査により形成さ
れる単位ビード11と第2回目の走査により形成される
単位ビード12との関係と同一である。
【0036】レーザ光2の走査、好ましくは、図1
(c)に示すように、突き合わせ面1を含まない単位ビ
ード16が他方の板材3に形成されるまで続けられる。
【0037】以上のようにして、レーザ光2の走査を複
数回行うことにより、図1(c)に示すような複数の単
位ビード11、12・・・、16が形成される。なお、
各単位ビードの深さは部材3、4の板厚と同一となって
る。
【0038】なお、以下、本明細書において、互いに隣
接する単位ビードの最小ビード幅部分が互いに重複する
ように複数回レーザ光を走査することに実施される溶接
を「多重パス溶接」といい、互いに隣接する単位ビード
の最小ビード幅部分が互いに重複している溶接ビードか
らなる溶接部を「多重パス溶接部」という。多重パス溶
接部は、図1(c)において符号10で示される。な
お、上記説明においてはレーザ光の走査を6回行うこと
により多重パス溶接部10を形成するようにしたが、こ
れに限定されるものではなく、レーザ光の走査回数は2
回以上の任意の回数であればよい。
【0039】以上のようにして、図1(c)に示すよう
な多重パス溶接ビード10を形成することにより、被溶
接部材3、4の突き合わせ面1を挟む一定領域は全て溶
融組織となり、突き合わせ部は確実に溶接される。
【0040】以上においては、被溶接部材3、4の形状
を限定することなく基本的な溶接方法の説明を行った
が、被溶接部材がパイプ材である場合には更に改良を加
えることが好ましい。この改良について以下説明する。
【0041】パイプ材21、22を突き合わせ溶接する
場合には、まずパイプ材21、22の突き合わせ面1が
所定形状に整えられる。すなわち、図2に示すように、
一方のパイプ材22の突き合わせ面1がパイプ材22の
内表面23に対してなす角度(すなわち突き合わせ面の
傾斜角度)がαとされ、他方のパイプ材21の突き合わ
せ面1がパイプ材21の内表面23に対してなす角度が
180度−αとされる。この場合、αの値は好ましくは
45度以上90度未満の範囲に設定される。
【0042】なお、αの値は、パイプ材21を基準とし
て測定した場合と、パイプ材22を基準として測定した
場合とで異なるが(パイプ材21を基準として測定した
場合には、180度−αがαとなる)、本明細書におい
てはαが鋭角となるようなパイプ材を基準として測定す
るものとする。
【0043】次に、2つのパイプ材21、22が突き合
わされる。この場合、各パイプ材の突き合わせ面1が上
述した形状となっているため、パイプ材21、22を互
いに押しつけることにより、両パイプ材は各々の軸線が
一致した状態でずれなく噛み合う。
【0044】次に、図3に示すように突き合わせ面1か
ら両パイプ材の軸線方向に関してパイプ材21側に所定
量、好ましくは0〜5mmずれた位置を始点として、レ
ーザ光2により螺旋状にパイプ材21、22の内面が走
査される。この螺旋状の走査は、好ましくはレーザ光2
の走査軌跡Lが突き合わせ面1を超え、パイプ材22側
に移行するまで行われる。
【0045】レーザ光2の走査は、第n(nは自然数)
周目のレーザ光2の走査により形成される溶接ビードの
最小ビード幅部分と、第n+1周目のレーザ光2の走査
により形成される溶接ビードの最小ビード幅部分とが互
いに重なりあうように、レーザ光2の照射位置がパイプ
材の軸線方向に対して徐々にずれてゆくように行われ
る。これにより多重パス溶接部10が形成される。
【0046】なお、前述した「レーザ光の走査回数」の
定義より、1周分のレーザ光の走査により、1回のレー
ザ光の走査が行われることとなる。従って、n周分のレ
ーザ光の走査が行われると、n個の単位ビードが形成さ
れることになる。
【0047】なお、図3においては、レーザ光2は4周
半走査されるようになっているが、これに限定されるも
のではなく、多重パス溶接部が形成される限りにおい
て、レーザ光2の走査周回数に制限はない。すなわち最
低2周の走査が行われていればよい。
【0048】なお、通常の場合、レーザ光2の照射角度
β(この角度βは角度αの測定基準としたパイプ材、こ
の場合パイプ材22の内表面23を基準として測定され
る)は、図4(a)に示すように、突き合わせ面1の傾
斜角度αと略同一となるように設定されが、突き合わせ
面1にバリがある等の要因により、突き合わせ面1に間
隙が生じている場合には、レーザ光2は間隙を通過して
溶接が行えない場合もある。このような事象が想定され
る場合には、レーザ光2の照射角度βを突き合わせ面1
の傾斜角αと異なる角度、好ましくは図4(b)に示す
ようにレーザ光2の照射角度βを突き合わせ面の傾斜角
αより大きな角度として、多重パス溶接を実施すること
が好ましい。このように、突き合わせ面1とレーザ光2
が交差するようにレーザ光2を照射することで、突き合
わせ面1、1の間にに多少の間隙がある場合でも溶接を
行うことが可能となる。
【0049】上述したようなレーザ光2の螺旋状の走査
により得られる溶接部は、図5に示すようなものとな
る。すなわち被溶接部材であるパイプ材21、22の突
き合わせ面1を挟む一定領域は全て溶融組織となり、突
き合わせ部は確実に溶接される。以上説明したようにし
て溶接を行うことにより、レーザ照射位置の位置決め精
度の向上が困難な場合でも、容易かつ確実にレーザ溶接
を行うことができる。
【0050】なお、上記説明においては、突き合わせ面
1の形状は、平面的なものであったが、これに限定され
るものではない。すなわち、例えば、図6に示すよう
に、2つのパイプ材の突き合わせ面1に段差25を設け
てもよい。この場合、突き合わせ面1、1同士が噛み合
うように、2つのパイプ材21、22を突き合わせ、2
パイプ材21、22の噛み合い部の近傍全体を「多重パ
ス溶接」によって溶融させて溶接すればよい。このよう
にした場合も、パイプ材同士の軸ずれを少なくすること
ができる。
【0051】また、図7に示すように、突き合わせ部1
の裏面に、突き合わせ部1を覆うようにスパッタ飛散防
止具30を取り付けて突き合わせ溶接を行うことも好ま
しい。これにより、溶接加工中に溶接部裏面から飛散す
るスパッタ31の大部分を回収することができ、スパッ
タの後処理を容易に行うことができる。また溶接部近傍
の部材の損傷を防止することができる。
【0052】ところで、周知の通り、レーザ溶接を行う
際には、溶接ビード表面にアンダーカットという溶接欠
陥(図16(b)の符号51参照)が発生しやすい。ア
ンダーカットが発生すると、アンダーカット部への応力
集中や板厚の減少によって溶接部の強度低下の原因とな
るため対策を講じることが好ましい。以下に、アンダー
カットの対策手法について説明する。
【0053】[第1の対策手法]まず、第1の対策手法
について、図8により説明する。第1の対策手法は、溶
接部の継手構造を変更するものである。
【0054】この場合、2つのパイプ材21、22の突
き合わせ面1の傾斜角度αは図4に示したものと同様に
45〜90度の範囲とする。
【0055】そして一方のパイプ材21の端部に他方の
パイプ材22の端部に重なるオーバラップ部26を形成
しておく。
【0056】次に、図8に示すように、このオーバラッ
プ部26を他方のパイプ材22に重ねつつ両パイプ材2
1、22の突き合わせ面1、1を互いに突き合わせ、図
6または図7で示した照射角度βでレーザ光2を照射し
て、オーバーラップ部26全体および両パイプ材の突き
合わせ面1の近傍領域が溶融するように「多重パス溶
接」を実施する。これにより、アンダーカットの発生を
抑制することができる。
【0057】[第2の対策手法]次に、第2の対策手法
について図9により説明する。
【0058】本対策手法は、2つのパイプ材21、22
を「多重パス溶接」によって溶接した後、その「多重パ
ス溶接部」10の表面にレーザ光2を照射して、多重パ
ス溶接部10の表層部を再溶融して、表面溶融処理層2
7を形成するものである。この溶融処理を用いて溶接ビ
ードの表面をなめらかにすることによりアンダーカット
を消失させることができる。
【0059】[第3の対策手法]次に、第3の対策手法
について図10により説明する。
【0060】本対策手法は、2つの部材を多重パスレー
ザ溶接によって溶接した後、その多重パス溶接部10の
表面に母材と同質の溶加材28を供給しつつレーザ光2
を照射して、多重パス溶接部10の表層部に肉盛溶接部
29を形成するものである。この肉盛溶接によってアン
ダーカットを消失させることができる。
【0061】なお、以上説明した3つの対策手法を適宜
組み合わせて実施することも可能である。
【0062】[第1の応用例]次に、「多重パス溶接」
を応用したレーザ溶接方法について図11により説明す
る。本応用例は、レーザ溶接が可能な限界板厚以上の厚
板を突き合わせ溶接する場合に有効である。
【0063】まず、図11(a)に示すように、両厚板
材34、35の突き合わせ部に切欠き溝32を形成す
る。
【0064】次に、両厚板材34、35の突き合わせ面
1を突き合わせ、切欠き溝32の底部において、第1の
「多重パス溶接」を実施する。これにより第1の多重パ
ス溶接部10Aが形成される。
【0065】次に、図11(b)に示すように、所定形
状の帯状部材、好ましくは厚さが切欠き溝32の深さ以
上であり、かつ溝の深さプラス1mm以下の帯状部材3
3を切欠き溝32にはめ込む。
【0066】次に、一方の厚板材34の表面から、はめ
込まれた帯状部材33の表面を経由して、他方の厚板材
35の表面に至るように、順次レーザ光の走査軌跡をず
らしながら第2の「多重パス溶接」を実施する。なお、
この場合、両厚板材34、35の帯状部材33と切欠き
溝32との境界部近傍の全域と、帯状部材33の全部が
溶融組織となるように「多重パス溶接」が実施される。
これにより第2の多重パス溶接部10Bが形成される。
【0067】以上のようにして溶接を行うことにより、
レーザ貫通溶接が可能な限界板厚以上の厚板同士の突き
合わせ溶接を行う場合においても、溶接欠陥のない溶接
部を得ることができる。この手法は、厚板材の板厚がレ
ーザ貫通溶接が可能な限界板厚の2倍以下の場合に適用
することができる。
【0068】[第2の応用例]次に、第2の応用例につ
いて説明する。第2の応用例は、図12(a)に示すよ
うに、厚板材36の表面に応力腐食割れ等の欠陥39が
発生した場合、薄板材37を欠陥39を覆うようにして
あてがい溶接して環境隔離を行う場合に適用されるもの
である。
【0069】このような「あて板溶接」をレーザ溶接法
を用いて行う場合には、図12(b)に示すように、あ
て板として好ましくは0.1〜2mmの板厚を有する薄
板材37を厚板材36にあてがい、この薄板材37の外
縁37aから内側に所定量、好ましくは0〜5mmずら
した位置から薄板材37の外縁方向に沿って第1回目の
レーザ光2の走査を行い、次いでレーザ光の走査軌跡を
順次厚板材36側(外側)に移行させることにより「多
重パス溶接」を実施し、薄板材40の外縁部近傍の薄板
材40および厚板材36の全域を溶融させ、あて板溶接
を行う。
【0070】本応用例によれば、薄板材と厚板材の間に
隙間を作ることなく、確実に溶接を行うことができる。
なお、本応用例は一般的な重ね合わせ溶接に適用するこ
とができる。
【0071】なお、上記説明においては、主としてパイ
プ材同士の溶接に適した溶接方法について説明したが、
上記方法は、他の形状を有する2つの部材、例えば板材
同士の溶接を行う場合にも適用することができるのは言
うまでもない。
【0072】[遠隔操作によるレーザ溶接の実施に適し
た溶接装置]上述した溶接方法を適用することにより、
確実に高品質の溶接を行うことができるが、遠隔操作に
よりレーザ溶接を行う場合には、溶接に先立ち突き合わ
せ状態の確認や、溶接後の溶接ビード品質を確認するこ
とができれば更に好ましいといえる。以下に、遠隔操作
によるレーザ溶接の実施に適した溶接装置について説明
する。
【0073】図13に、溶接装置の第1の実施形態の光
学系を示す。レーザ光伝送用光ファイバ40の回りに一
本以上(本例においては4本)のイメージファイバ41
がファイバホルダ42によって固定され、さらに、イメ
ージファイバ用集光レンズ43が、各イメージファイバ
41のそれぞれの光軸上であって、かつレーザ集光レン
ズ44の手前において、イメージファイバ用集光レンズ
固定具45により固定されている。
【0074】レーザ光伝送用光ファイバ40から出射さ
れたレーザ光46は、レーザ集光レンズ44によって集
光され、被溶接材47に照射される。また、レーザ溶接
前後のレーザ照射部近傍を観察するため、被溶接材47
の表面の観察範囲48の画像光はレーザ集光レンズ44
およびイメージファイバ用集光レンズ43を介してイメ
ージファイバ41の端面に結像され、イメージファイバ
41によって伝送される。イメージファイバ41の他端
は図示しない画像処理装置に接続されており、この画像
処理装置によりレーザ照射部近傍の状態を観察すること
ができる。
【0075】図14は、溶接装置の第2の実施形態の光
学系を示す。レーザ光伝送用光ファイバ40とレーザ集
光レンズ44との間には、反射ミラー49が設けられて
おり、その反射ミラー49中央に設けられたレーザ光通
過孔50をレーザ光46が通過する構造となっている。
【0076】このレーザ光46はレーザ集光レンズ44
によって集光され被溶接材47に照射されるが、被溶接
材47の表面の観察範囲48の画像光は集光レンズ44
を介した後、反射ミラー49によって90度折り返さ
れ、最終的にイメージファイバ用集光レンズ43によっ
てイメージファイバ41の端面に結像される。
【0077】結像された画像はイメージファイバ41を
伝送され、イメージファイバ41の他端に設けられた図
示しない画像処理装置によって、レーザ照射部近傍の状
態を観察することができる。なお、この場合、光学系の
構成から離解できるように、レーザ光46の合焦位置を
中心とした円形の領域48を1本のイメージファイバに
より観察することができる。このため、複数本のイメー
ジファイバを用いた場合のようにモニタ画像が分割され
ることはなく、より容易に観察を行なうことができる。
【0078】図15は、溶接装置の第3の実施形態の光
学系を示す。図15に示すように、レーザ光伝送用光フ
ァイバ40およびイメージファイバ41は各々の中心軸
52、53が互いに平行な方向を向くように切換装置5
4に取付けられている。
【0079】レーザ溶接時においては、図15に示すよ
うにレーザ集光レンズ44の中心軸51にレーザ光伝送
用光ファイバ40の中心軸52が一致するようにセット
され、レーザ光伝送用光ファイバ40から出射されたレ
ーザ光46は集光レンズ44によって集光され、被溶接
材47に照射される。
【0080】一方、レーザ照射部近傍の観察時には、イ
メージファイバ41の中心軸53とレーザ集光レンズ4
4の中心軸51が一致するように、切換装置21によっ
て、2種類の光ファイバはスライドされるようになって
いる。これにより、レーザ照射部近傍の画像はレーザ集
光レンズ44とイメージファイバ用集光レンズ43とに
より、イメージファイバ41の端面に結像される。
【0081】結像された画像はイメージファイバ41を
伝送され、他端に設けられた図示しない画像処理装置に
よって、レーザ照射部近傍の状態を観察することができ
る。以上3つの実施形態に示す光学系を有する溶接装置
を使用して、溶接前に突き合わせ部の突き合わせ状況
を、溶接後に形成された溶接ビードの状況を、またレー
ザ光照射中にレーザ光の照射位置を観察することによ
り、より高品質の溶接を行うことができる。レーザ照射
位置決め精度の向上も可能となる。なお、上記溶接装置
は、レーザ集光レンズが観察用光学系の一部を構成する
ようになっているため、光学系をコンパクトに構成する
ことができる。
【0082】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
例えば核融合炉や原子炉内構造物の補修溶接のように、
遠隔操作で溶接施工を行う場合に、レーザ照射位置の位
置決め精度を十分に向上させることができない環境下に
おいても、確実に高品質の溶接を行うことが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のレーザ溶接方法を用いて板材同士を突
き合わせ溶接する方法を説明する図。
【図2】本発明のレーザ溶接方法を用いてパイプ材同士
を突き合わせ溶接する方法を説明する図であって、突き
合わせ面の好ましい形状を示す断面図。
【図3】本発明のレーザ溶接方法を用いてパイプ材同士
を突き合わせ溶接する方法を説明する図であって、レー
ザ光の走査軌跡を示す図。
【図4】本発明のレーザ溶接方法を用いてパイプ材同士
を突き合わせ溶接する方法を説明する図であって、突き
合わせ面の傾斜角度とレーザ光の照射角度との関係を示
す図。
【図5】本発明のレーザ溶接方法を用いてパイプ材同士
を突き合わせ溶接する方法を説明する図であって、溶接
終了後の状態を示す図。
【図6】パイプ同士の突き合わせ溶接する際に適用可能
な、他の好ましい突き合わせ面の形状を示す断面図。
【図7】スパッタの飛散を防止する方法を示す図。
【図8】アンダーカットの対策手法を示す図。
【図9】他のアンダーカット対策手法を示す図。
【図10】更に他のアンダーカット対策手法を示す図。
【図11】多重パス溶接を応用した厚板材を突き合わせ
溶接する方法を示す図。
【図12】多重パス溶接を応用したあて板を溶接する方
法を示す図。
【図13】本発明の実施に適した溶接装置の要部を示す
図であって、図13(a)はレーザ光光軸を含む断面図
を示す図、図13(b)はファイバホルダの正面図。
【図14】本発明の実施に適した他の溶接装置の要部を
示す図であって、レーザ光光軸を含む断面を示す図。
【図15】本発明の実施に適した更に他の溶接装置の要
部を示す図であって、レーザ光光軸を含む断面を示す
図。
【図16】従来のレーザ溶接方法を示す図。
【符号の説明】
1 突き合わせ面 2 レーザ光 3、4、21、22 被溶接部材 40 レーザ光伝送用光ファイバ 41 イメージファイバ 43 イメージファイバ用集光レンズ 44 レーザ集光レンズ 49 反射鏡
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木 村 盛一郎 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内 (72)発明者 佐々木 奈 美 東京都港区芝浦一丁目1番1号 株式会社 東芝本社事務所内 (72)発明者 西 村 哲 郎 東京都府中市晴見町2丁目24番地の1 東 芝エフエーシステムエンジニアリング株式 会社内

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2つの部材をレーザ光を用いて突き合わせ
    溶接するレーザ溶接方法において、 所定の形状を有する突き合わせ部を有する2つの部材を
    準備する準備工程と、 両部材の突き合わせ面を突き合わせる突き合わせ工程
    と、 両部材の突き合わせ部を挟んだ所定領域内にレーザ光を
    複数回走査し、各回の走査により形成される各単位ビー
    ドがそれぞれ隣接する単位ビードと重複領域を有するよ
    うに、複数の単位ビードからなる溶接ビードを形成する
    溶接工程と、を備えたことを特徴とするレーザ溶接方
    法。
  2. 【請求項2】前記溶接工程は、前記各単位ビードが、そ
    の深さ方向全域に対して、隣接する単位ビードと重複す
    る領域を有し、かつ、突き合わせ部近傍全域が溶融組織
    となるように行われることを特徴とする、請求項1に記
    載のレーザ溶接方法。
  3. 【請求項3】前記溶接工程においてレーザ光を複数回走
    査させる場合、 第1回目のレーザ光の走査が両部材の突き合わせ部を挟
    んだ所定領域の一端側で行われ、 第2回目以降のレーザー光の走査が、前記所定領域の他
    端側に向けて順次ずれた位置で行われることを特徴とす
    る、請求項1に記載のレーザ溶接方法。
  4. 【請求項4】前記溶接工程において、複数回なされるレ
    ーザー光の走査方向が突き合わせ面が延びる方向と平行
    であることを特徴とする、請求項1に記載のレーザ溶接
    方法。
  5. 【請求項5】前記2つの部材はパイプ材からなり、 前記溶接工程において、両部材の突き合わせ部を挟んだ
    所定領域の一端側から他端側に向けてレーザ光を螺旋状
    に走査させることにより螺旋の周回数に対応した複数回
    の走査が行われることを特徴とする、請求項1乃至3の
    いずれかに記載のレーザ溶接方法。
  6. 【請求項6】前記準備工程において、前記突き合わせ面
    の傾斜角度αは45〜90度とされ、 前記溶接工程において、レーザ光の照射角度βが前記傾
    斜角度αと略同一の条件で溶接が行われることを特徴と
    する、請求項5に記載のレーザ溶接方法。
  7. 【請求項7】前記準備工程において、前記突き合わせ面
    の傾斜角度αは45〜90度とされ、 前記溶接工程において、レーザ光の照射角度βが前記傾
    斜角度αより大きい条件で溶接が行われることを特徴と
    する、請求項5に記載のレーザ溶接方法。
  8. 【請求項8】前記準備工程において、両部材の突き合わ
    せ面に段差が形成され、 前記突き合わせ工程において、両部材は、各々の段差が
    噛み合うように突き合わされ、 前記溶接工程において、両部材の噛み合い部近傍の全域
    が溶融組織となるように溶接が行われることを特徴とす
    る、請求項1乃至5のいずれかに記載のレーザ溶接方
    法。
  9. 【請求項9】前記準備工程において、前記突き合わせ面
    の傾斜角度αが45〜90度とされるとともに、一方の
    部材の端部に他方の端部が重なるようにオーバラップ部
    が形成され、 前記突き合わせ工程において、前記オーバラップ部が他
    方の部材に重ねられるとともに両部材の突き合わせ面が
    突き合わされ、 前記溶接工程において、オーバーラップ部および突き合
    わせ部の近傍の全体が溶融組織となるように溶接が行わ
    れることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれかに記
    載のレーザ溶接方法。
  10. 【請求項10】前記溶接工程が終了した後、溶接ビード
    表面にレーザ光を照射して溶接ビードの全表面層を再溶
    融する表面溶融処理工程を更に備えたことを特徴とす
    る、請求項1乃至5のいずれかに記載のレーザ溶接方
    法。
  11. 【請求項11】前記溶接工程が終了した後、フィラーワ
    イヤを用いて溶接ビードの全面にレーザ肉盛りを施す工
    程を更に備えたことを特徴とする、請求項1乃至5のい
    ずれかに記載のレーザ溶接方法。
  12. 【請求項12】前記準備工程において、2つの部材の突
    き合わせ部に切欠き溝が形成され、 前記溶接工程において、レーザ光の走査は両部材の切欠
    き溝底においてなされ、 前記溶接工程の後、前記切欠き溝の断面形状に対応した
    部材が前記切欠き溝にはめ込む工程と、 はめ込まれた部材およびこのはめ込まれた部材の近傍の
    2つの部材の表面に対してレーザ光を照射して、はめ込
    まれた部材の全体およびはめ込まれた部材の近傍の2つ
    の部材の一部を溶かして溶接ビードを形成する第2の溶
    接工程と、が更に実施されることを特徴とする、請求項
    1乃至5のいずれかに記載のレーザ溶接方法。
  13. 【請求項13】前記溶接工程において、2つの部材の突
    き合わせ部の裏面に、突き合わせ部を覆うようにスパッ
    タ飛散防止具を取り付けた状態で溶接が行われることを
    特徴とする、請求項1乃至12のいずれかに記載のレー
    ザ溶接方法。
  14. 【請求項14】2つの部材をレーザ光を用い重ね合わせ
    溶接する溶接方法において、 所定の形状を有する2つの部材を準備する準備工程と、 一方の部材を他方の部材に重ね合わせる重ね合わせ工程
    と、 前記一方の部材の端縁に沿う方向と略平行な方向にレー
    ザ光を複数回走査し、各回の走査により形成される各単
    位ビードがそれぞれ隣接する単位ビードと重複領域を有
    するように、複数の単位ビードからなる溶接ビードを形
    成する溶接工程と、を備え、 前記複数回のレーザ光の走査は、第1回目の走査が一方
    の部材の端縁より内側に所定量ずれた位置で行われ、第
    2回目以降の走査が他方の部材側に順次ずれてゆくよう
    になされることを特徴とするレーザ溶接方法。
  15. 【請求項15】前記溶接工程は、前記各単位ビードが、
    その深さ方向全域に対して、隣接する単位ビードと重複
    する領域を有し、かつ、突き合わせ部近傍全域が溶融組
    織となるように行われることを特徴とする、請求項14
    に記載のレーザ溶接方法。
  16. 【請求項16】前記2つの部材のうち、前記一方の部材
    は相対的に肉厚の厚い部材であり、前記他方の部材は前
    記一方の部材にあてがわれて溶接される相対的に肉厚の
    薄くかつ相対的に小さい部材であることを特徴とする、
    請求項14または15に記載のレーザ溶接方法。
  17. 【請求項17】レーザ光を伝送するためのレーザ光伝送
    用光ファイバーと、 前記レーザ光伝送用光ファイバーから出射されたレーザ
    光を被溶接部材に集光するレーザ集光レンズと、 前記レーザ光伝送用光ファイバーの周囲に設けられた画
    像伝送用のイメージファイバーと、を備え、 溶接部近傍の画像をレーザ集光レンズを介してイメージ
    ファイバ一端部に結像させ、結像した画像をイメージフ
    ァイバーによって伝送し、イメージファイバー他端に設
    けられた画像処理装置によって溶接部近傍を観察するこ
    とを特徴とするレーザ溶接装置。
  18. 【請求項18】レーザ光を伝送するためのレーザ光伝送
    用光ファイバーと、 前記レーザ光伝送用光ファイバーから出射されたレーザ
    光を被溶接部材に集光するレーザ集光レンズと、 前記レーザ光伝送用光ファイバーの周囲に設けられた反
    射鏡と、 画像伝送用のイメージファイバーと、を備え、 溶接部近傍の画像を前記レーザ集光レンズおよび前記反
    射鏡を介してイメージファイバ一端部に結像させ、結像
    した画像をイメージファイバーによって伝送し、イメー
    ジファイバー他端に設けられた画像処理装置によって溶
    接部近傍を観察することを特徴とするレーザ溶接装置。
  19. 【請求項19】請求項17または18に記載のレーザ溶
    接装置を用い、上記各工程のうち少なくとも一つの工程
    の前後または工程中に、溶接部近傍の観察が行なわれる
    ことを特徴とする、請求項1乃至16のいずれかに記載
    のレーザ溶接方法。
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