JP6059107B2 - 原子炉用制御棒の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、原子炉用制御棒の製造方法に係わり、特に、沸騰水型原子炉に適用するのに好適な原子炉用制御棒の製造方法に関する。
沸騰水型原子炉に用いられる原子炉用制御棒は、横断面が十字形をしており、原子炉の運転中において燃料集合体が装荷された炉心に出し入れされて原子炉出力を制御する。原子炉用制御棒は、運転サイクルの末期には炉心から全て引抜かれる。
特許文献1に原子炉用制御棒の一例が記載されている。この原子炉用制御棒は、シース内側に中性子吸収材である扁平なハフニウム筒状体を配置しブレードを構成している。2本のハフニウム筒状体が原子炉用制御棒の軸方向に設けられている。特許文献1において、ハンドルがタイロッドの上端部に取り付けられ、下部支持部材が下端部に取り付けられている。ハンドルは、ハンドル本体およびハンドル本体から下方に向かって伸びる上部舌状部を有する。また、下部支持部材は、下部支持部材本体および下部支持部材本体から上方に向かって伸びる下部舌状部を有する。ハンドル、タイロッドおよび下部支持部材の集合体をフレームと称する。
ハンドルの上部舌状部が上部ハフニウム筒状体の上端部に挿入され、上部ハフニウム筒状体がハンドルに固定される。また、下部支持部材の下部舌状部が下部ハフニウム筒状体の下端部に挿入され、下部ハフニウム筒状体が下部支持部材に固定される。上部舌状部に取り付けられた複数の上部ハフニウム筒状体、および下部舌状部に取り付けられた複数の下部ハフニウム筒状体が、横断面がU字状であるステンレス鋼製のシース内に挿入される。その後、シースの上端、下端および側端が、ハンドル、下部支持部材およびタイロッドにそれぞれ溶接される。シースの側端部には原子炉用制御棒の軸方向に複数の突出部(タブ)が形成されており、これらのタブがタイロッドに溶接される。シースおよび複数のハフニウム筒状体で1つのブレードが形成され、原子炉用制御棒はタイロッドから四方に伸びる4枚のブレードを有する。
従来のタイロッドとシースの溶接方法を図6に示す。図6はブレードのシース外側から溶接施工する方法を示す模式図である。本溶接方法は、U字状シースの両側端部に設けられたタブがタイロッド軸方向の同じ位置に設けられた従来の原子炉用制御棒の製造に適用されてきた。図6に示した溶接はレーザー溶接を示しており、図示していないレーザー溶接装置から光ファイバケーブル18を介してレーザー溶接トーチ17からレーザービーム16が出射されてタイロッド2の開先に支持されたシース4のタブ12Aをタイロッド2に溶接する。溶接部15には図示していないフィラーワイヤー供給装置からワイヤ状の溶加材が加えられる。
溶接部15はシース4外側のレーザービーム照射面からシースおよびタイロッド内側に拡がる。溶接部15がシース4の厚さを貫通するとタイロッド2とシース4の接合部のシース内側には裏波19Aが形成される。
溶接部15の温度はシース内側の裏波19A側よりもレーザービーム16を照射したシース外側の方が高い。そのため、レーザービーム16を照射したシース外側では融合不良のような溶接欠陥の発生は見られない。一方、タブ12Aにおいて、レーザービーム照射面と反対側の裏波19Aでは、裏波19Aの幅はレーザービーム16を照射したシース外側の溶接部の幅よりも狭い。裏波19Aの幅を大きくする場合には溶融領域を大きくすれば良いが、シース4の厚さはタイロッド2と比較すると薄いため、溶融領域の増大に伴いタブの溶融が起こり得るため、溶接施工条件を正確に管理する必要がある。
特開平9−61576号公報
特許文献1に記載された原子炉用制御棒では、シースの側端部に形成された複数の突出部からなるタブとタイロッドが溶接により接合される。シースのタブとタイロッドの溶接部において、入熱した側の反対側に形成される溶接部領域は裏波と呼ばれる。
特許文献1に記載された原子炉用制御棒では、シースに設けられたタブはブレードの両面で軸方向に同じ位置に配置されている。そのため、シースに設けられたタブとタイロッドとの溶接は、ブレードのシース外側から入熱して実施される。
一般に、シースとタイロッドの溶接部では、シースとタイロッドが互いに完全に溶融され一体化して接合される。原子炉用制御棒の品質の信頼性を確保するためには、ブレード内部に形成されるシースに設けられたタブとタイロッドとの溶接部に未溶着などの欠陥がないことが好ましい。従来の原子炉用制御棒では溶接部の裏波はシース内側に形成され、溶接後にシースによって遮られて外観観察などの検査を行うことができない。また、裏波の形成はブレードの外側から管理する溶接条件で形成される。ブレードの外側からの溶接入熱では、溶接中の溶接部温度は入熱を受ける外側が内側と比較すると高温になるため外側は十分に溶融することができる。一方、内側に完全な裏波を形成させるためには溶接施工条件の管理が必要である。
原子炉用制御棒では、シース端部に設けたタブとタイロッドの溶接部においてブレード内側に未溶着部がある場合にはその部分が隙間環境となり、さらに溶接による引張残留応力と原子炉内における中性子照射により応力腐食割れが発生する場合がある。タイロッドとタブのシース内側の接合部において、未溶着のような溶接欠陥を発生させない製造方法の製造方法を適用した原子炉用制御棒の提供が課題とされている。
本発明の目的は、タイロッドとタブのシース内側の接合部において、未溶着のような溶接欠陥を発生させない製造方法の製造方法を適用した原子炉用制御棒を提供することにある。
本発明は、タイロッドと、タイロッドの一端部に取り付けられたハンドルと、タイロッドの他端部に取り付けられた下部支持部材と、U字状横断面を有し両側端部がタイロッドに接合され上端部がハンドルに接合され下端部が下部支持部材に接合されてタイロッドから四方に伸びている複数のシースと、シース内に配置された中性子吸収部材とを有するブレードとを備えた原子炉用制御棒において、シースの両側端部のうちの一つの側端部である第1側端部にタイロッドに向かって突出した複数の第1突出部が形成され、シースの他の側端部である第2側端部にタイロッドに向かって突出した複数の第2突出部が形成され、第1突出部は第2突出部に対してタイロッド軸方向に互いにずれて配置され、第1突出部とタイロッドの第1溶接部の裏面が、タイロッドと第2側端部の間でタイロッドの軸方向において隣り合う第2突出部の間に形成された第2開口部に対向し、第2突出部とタイロッドの第2溶接部の裏面が、タイロッドと第1側端部の間でタイロッドの軸方向に隣り合う第1突出部の間に形成された第1開口部に対向し、シースの第1突出部とタイロッドの溶接は、溶接入熱する溶接手段を第2開口部側に配置してシース内側から溶接入熱し、シースの第2突出部とタイロッドの溶接は、溶接入熱する溶接手段を第1開口部側に配置してシース内側から溶接入熱して接合することを特徴とする。
本発明は、シースの第1突出部とタイロッドの溶接は、溶接入熱する溶接手段を第2開口部側に配置してシース内側から溶接入熱し、シースの第2突出部とタイロッドの溶接は、溶接入熱する溶接手段を第1開口部側に配置してシース内側から溶接入熱して接合することにより、タイロッドとタブのシース内側の接合部において、未溶着のような溶接欠陥のない原子炉用制御棒を製造することができる。
本発明の実施例1の原子炉用制御棒の側面図である。 図1のA−A断面図である。 図1に示す原子炉用制御棒のタイロッドとシースの溶接部の拡大図である。 図3のO−O断面図である。 図3のB−B断面図である。 図3のC−C断面図である。 図3のD−D断面図である。 従来例のレーザー溶接方法を示す模式図である。 本発明の実施例1におけるレーザー溶接方法を示す模式図である。 本発明の実施例2におけるレーザー溶接方法を示す模式図である。 本発明の実施例3におけるシースの広開口部を示す模式図である。 本発明の実施例4におけるシース内側の未溶着部を示す模式図である。 本発明の実施例4におけるシース内側未溶着部の補修方法を示す模式図である。
本発明を、以下に実施例と図面を用いて説明する。
本発明の実施例1の原子炉用制御棒を、図1〜図5、図7を用いて説明する。実施例1で説明する原子炉用制御棒は沸騰水型原子炉に用いられる原子炉用制御棒である。
図1に実施例1の原子炉用制御棒を示す。実施例1の原子炉用制御棒1は、横断面が十字形をしていて軸心にタイロッド2が配置され、このタイロッド2から四方に伸びる4枚のブレード3を有する。ハンドル5がタイロッド2の上端部に取り付けられ、下部支持部材6がタイロッド2の下端部に取り付けられる。
各ブレード3は、横断面がU字状をしているシース4、扁平な筒状体であり中性子吸収部材であるハフニウム部材7A、7Bを有する。シース4はステンレス鋼(SUS304またSUS316L等)によって構成される。シース4の上端はハンドル5に溶接され、シース4の下端は下部支持部材6に溶接されている。
断面U字状のシース4の両側端部には、複数のタブ12A、12Bがタイロッド軸方向において所定の間隔を置いて形成されている。タブ12A、12Bはシース4の一部であって、シース4の対向する側端部にそれぞれ形成されタイロッド2側に向かって突出している。シース4の一側端部である第1側端部に形成される第1突出部である複数のタブ12Aのタイロッド2軸方向におけるそれぞれの位置と、シース4の他の側端部である第2速端部に形成される第2突出部である複数のタブ12Bのタイロッド2軸方向におけるそれぞれの位置は異なっている。すなわち、タブ12Aのタイロッド軸方向における位置と、タブ12Bのタイロッド軸方向における位置は、タイロッド2軸方向においてオフセット(ずれ)を有している。これにより、タブ12Aのタイロッド軸方向の位置にはタブ12Bが存在しておらず、タブ12Bのタイロッド軸方向の位置にはタブ12Aが存在しない構造をもつ。
図2は、図1のA−A断面図である。タイロッド2の角部にはシース4に設けられたタブを支持する矩形状の開先14が設けられている。1枚のブレード3において、シース4のタブ12Aの反対側の面にタブは存在しておらず開口部13Aが形成されている。
タイロッド2とシース4のタブ12A,12Bを介した接合部の詳細を、図3から図5を用いて説明する。図3は、図1に示す原子炉用制御棒のタイロッドとシースの溶接部の拡大図である。図4は、図3のO−O断面図である。また、図5Aは図3のB−B断面図、図5Bは図3のC−C断面図、図5Cは図3のD−D断面図である。
シース4はタイロッド2とタブ12A,12Bを介して溶接部15で接合される。タイロッド2の両面で溶接部15の位置が軸方向に互い違いにオフセットした配置となる。
図5A、5B、5Cは、各々図3に示したBB断面、CC断面、DD断面を示す。図5Aでは、ブレード3のタブ12Aの反対面は開口部13Aになっている。図5Bでは、ブレード3のタブ12Bの反対面は開口部13Bになっている。図5Cにはタブおよび溶接部は存在しない。
次に、図5A〜5Cに示した溶接部15を形成する溶接方法について説明する。図7は、本発明の実施例1におけるレーザー溶接方法を示す模式図である。
実施例1の製造方法は、タイロッド2とシース4の溶接をタイロッド2とシース4の開口部13Aの側からの入熱により実施することを特徴としている。図7に示すように配置した光ファイバケーブル18に接続された溶接手段であるレーザー溶接トーチ17からレーザービーム16をタイロッド2とシース4の設置部にシース4の内側から照射して溶接部15を形成する。
レーザービーム照射時の溶接部の温度は、レーザービームが照射されているシース4の内側の方が外側よりも高くなる。そのため、シース4の内側は十分に溶融されて溶接欠陥は発生しない。実施例1の溶接方法により、裏波19Bはシース4の外面に形成される。一方、シース4の内側は溶融された溶接面になる。裏波19Bとなるシース4の外側では、仮に裏波側に欠陥が発生したとしてもシース4の外側であるため目視検査が容易であり、欠陥を容易に検出することができる。また、シース4の外側であるため、グラインダによる欠陥の削除および補修溶接を容易に実施することができる。
レーザー溶接を実施する範囲は、図3に示したようにタブ12の幅を包含するように設定する。これによりタブ12の端部の溶け込み不足などの溶接欠陥を抑制することができる。レーザー溶接による溶接部がタブ12の端部を通過した時点でレーザービーム照射を停止させる。
以上は一つのタブを対象にその溶接方法を述べた。上記の溶接方法をシース4両側端部に設けたタブ12A、12Bに順次実施していくことにより、シース4の内側では溶接部が十分に溶融して溶け込み不足を生じない原子炉用制御棒を製作できる。
以上によりシース内部の溶接部に溶け込み不足が生じない原子炉用制御棒を製作することができる。また、裏波が生じるシース外側には目視検査を実施し、さらに欠陥を検出した場合にはそれを補修することにより溶接欠陥がない原子炉用制御棒を製作することができる。この原子炉用制御棒は溶接部に溶け込み不足の欠陥がないため、それを起点とした応力腐食割れの発生を防止することができる。
また、レーザー溶接の実施にあたって、裏波を形成する側の面およびレーザービーム照射する側の面に、不活性ガスのアルゴンを吹き付けた状態で溶接を開始し、溶接中は溶接部が不活性ガスでシールドされている環境を保ち、溶接終了後に当該の不活性ガスの吹き付けを停止することにより、溶接部表面の酸化を抑制することができ、高品質な溶接部を確保することができる。
なお、実施例1では溶接方法としてレーザー溶接を適用したが、他の溶接方法の適用も可能である。例えば、TIG溶接によりタブとタイロッドを接合することができる。溶接手段がTIG溶接用トーチに代わる以外は、上記の方法による施工でシース内に溶接欠陥を発生させない溶接部を設けることができる。
本発明の実施例2の原子炉用制御棒を、図8を用いて説明する。図8は、本発明の実施例2におけるレーザー溶接方法を示す模式図である。
実施例2では、シース4とその端部に設けたタブ12Aは実施例1に記載のものと同じである。シース4のタブ12Aと向かい合うタイロッド2の形状が異なる。実施例2のタイロッド2は、タイロッド2端部に第3突出部、第4突出部であるシース4厚さと同じ厚さを持つ突起部22が設けてあり、タイロッド2に設けた突起部22とシース4に設けたタブ12A、12Bとを突合せて溶接したものである。
実施例1に示したタイロッド2側に開先14を設けタブ12Aを突合せて溶接する場合と比較すると、実施例2ではタブ12A、12Bとタイロッド2とを溶融させ溶着させるために必要な溶融領域が小さくて済む。そのため、溶接により溶接部に発生する残留応力および変形をより小さくできる利点がある。
実施例2では、タイロッド2に設けた突起部22とシース4に設けたタブ12A、12Bとを突合せた状態で仮留めし、シース内側から入熱することによりシース内部に溶け込み不足による欠陥を発生させることなくシース4とタイロッド2とを接合することができる。
本発明の実施例3の原子炉用制御棒を、図9を用いて説明する。図9は、本発明の実施例3における広開口部を持つシースを示す模式図である。
原子炉用制御棒を構成するブレード3、シース4およびタイロッド2の構成は実施例2に記載したものと同一である。実施例3では、シース4においてタブ12Aを有する側と向かい合うシース端部の形状、およびタブ12Bを有する側と向かい合うシース端部の形状が実施例2と異なる。実施例3の原子炉用制御棒では、タブ12を有する側と向かい合うシース端部の形状が、図9に示すようにタイロッド2とシース4の間隔が広くなる広開口部23として加工されている。その他の条件は実施例2と同じである。
シース4の内側からの入熱によりシース4に設けたタブ12A、12Bおよびタイロッド2に設けた突起部22を溶融させ、融合させることにより接合する。このとき、溶接トーチをシース内部に向けるにあたってタブ12A、12Bと反対側のシースの端部はタイロッド2とシース4の端部の間隔が広くなるような形状に加工されているため、溶接トーチの取扱いの自由度を増し、溶接作業を容易に行うことができる。
さらに、実施例3の方法では、タイロッド2とシース4との間隔が広くなっていることから、裏波の検査およびシース内側からの入熱による補修が容易になる利点がある。
本発明の実施例4の原子炉用制御棒を説明する。実施例4は、シース4に設けたタブ12とタイロッド2とをシース外側からの入熱により溶接した後、溶接後の裏波部の検査により裏波部に未溶着部が検出された場合の、補修方法に本発明を適用した事例を示す。
図10は、本発明の実施例4におけるシース内側の未溶着部を示す模式図である。図11は、本発明の実施例4におけるシース内側未溶着部の補修を示す模式図である。
原子炉用制御棒を構成するブレード3、シース4およびタイロッド2の構成は実施例1に記載したものと同一である。
図10は、従来例と同様に、タブ12Aとタイロッド2とをシース外側からの入熱により溶接している状況を示す。溶接入熱が小さい場合には溶接部15はシース4の厚さを貫通せず、シース内側には未溶着部20が形成される。未溶着部20は、シース4とタイロッド2のタブ12を介した溶接が完了した後に、開口部13Aからの目視検査により容易に検出することができる。
補修方法は、最初に小型ディスクグラインダを開口部13Aからシース4とタイロッド2の間に設置し、グラインダを回転させて未溶着部を削りとる。次に小型ディスクグラインダを取り外す。次に図11に示すように、レーザー溶接トーチ17から削りとり部位の溶融を行う。このとき、図示していない溶加材を送給して溶着させる。この補修後に再度外観検査を実施して、欠陥が確認できない場合には溶接が完了する。
なお、当初の目視検査で検出された欠陥がレーザー溶接により溶融できる範囲内の大きさである場合には、小型ディスクグラインダによる研削を行わずに、欠陥が発生した領域に溶加材を給送しながら再溶融させて補修しても良い。
この補修溶接では、裏波側に生じた溶け込み不足領域を再溶融させれば良いため、従来例のようにシース厚さを溶接部が貫通するような高い入熱を初めから適用する必要はなく、図11の補修溶接パス21のように、補修段階で溶接部表面付近を溶融させれば十分である。
本方法によれば、シース内側からの入熱による溶接は欠陥が発生した範囲のみに限られる。また、入熱は溶接部がシースを貫通するような高い値に設定する必要がなく、従来の方法から大きく変更を要する部分が少ないため、従来の溶接施工設備をそのまま用いることができる利点がある。
以上の実施例1から実施例4の原子炉用制御棒では、中性子吸収材として楕円円筒形状をしたハフニウム部材を用いた原子炉用制御棒を対象にした。中性子吸収材として棒状のハフニウム部材を用いたものであっても、シースとタイロッドとがタブを介して接合されている場合には、同様の製造方法を適用することができる。
1…原子炉用制御棒
2…タイロッド
3…ブレード
4…シース
5…ハンドル
6…下部支持部材
7A、7B…ハフニウム部材
10…シース冷却孔
11…ハフニウム部材冷却孔
12A、12B…タブ
13A、13B…開口部
14…開先
15…溶接部
16…レーザービーム
17…レーザー溶接トーチ
18…光ファイバケーブル
19A、19B、19C…裏波
20…未溶着部
21…補修溶接パス
22…突起部
23…広開口部

Claims (7)

  1. タイロッドと、前記タイロッドの一端部に取り付けられたハンドルと、前記タイロッドの他端部に取り付けられた下部支持部材と、U字状横断面を有し両側端部が前記タイロッドに接合され上端部が前記ハンドルに接合され下端部が前記下部支持部材に接合されて前記タイロッドから四方に伸びている複数のシースと、該シース内に配置された中性子吸収部材とを有するブレードとを備えた原子炉用制御棒において、前記シースの前記両側端部のうちの一つの側端部である第1側端部に前記タイロッドに向かって突出した複数の第1突出部が形成され、前記シースの他の側端部である第2側端部に前記タイロッドに向かって突出した複数の第2突出部が形成され、前記第1突出部は前記第2突出部に対して前記タイロッドの軸方向に互いにずれて配置され、前記第1突出部と前記タイロッドの第1溶接部の裏面が、前記タイロッドと前記第2側端部の間で前記タイロッドの軸方向において隣り合う前記第2突出部の間に形成された第2開口部に対向し、前記第2突出部と前記タイロッドの第2溶接部の裏面が、前記タイロッドと前記第1側端部の間で前記タイロッドの軸方向において隣り合う前記第1突出部の間に形成された第1開口部に対向し、
    前記シースの前記第1突出部と前記タイロッドの溶接は、溶接入熱する溶接手段を前記第2開口部側に配置して前記シースの内側から溶接入熱し、
    前記シースの前記第2突出部と前記タイロッドの溶接は、溶接入熱する溶接手段を前記第1開口部側に配置して前記シースの内側から溶接入熱して接合することを特徴とする原子炉用制御棒の製造方法。
  2. 請求項1に記載された原子炉用制御棒の製造方法において、前記タイロッドは、前記シースの第1突出部に対向して前記シースの前記第1側端部に向かって伸びる第3突出部を形成しており、さらに、前記シースの第2突出部に対向して前記シースの前記第2側端部に向かって伸びる第4突出部を形成しており、
    前記第1溶接部が前記第1突出部と前記第3突出部の溶接部を形成し、前記第2溶接部が前記第2突出部と前記第4突出部の溶接部を形成するとともに、
    前記溶接部の溶接は、溶接入熱する前記溶接手段を前記開口部側に配置して前記シースの内側から溶接入熱して接合することを特徴とする原子炉用制御棒の製造方法。
  3. 請求項1に記載された原子炉用制御棒の製造方法において、前記第1開口部の前記第2溶接部の裏面に対向している部分では、前記タイロッドの軸心に直交する方向における幅が、前記第2溶接部の裏面に対向している部分以外の前記第1開口部の前記タイロッドの軸心に直交する方向における幅よりも広く形成され、前記第2溶接部の溶接は当該第1開口部側から実施され、
    前記第2開口部の前記第1溶接部の裏面に対向している部分では、前記タイロッドの軸心に直交する方向における幅が、前記第1溶接部の裏面に対向している部分以外の前記第2開口部の前記タイロッドの軸心に直交する方向における幅よりも広く形成され、前記第1溶接部の溶接は当該第2開口部側から実施されることを特徴とする原子炉用制御棒の製造方法。
  4. 前記請求項1乃至3のいずれか一項に記載された原子炉用制御棒の製造方法において、溶接方法をレーザー溶接とすることを特徴とする原子炉用制御棒の製造方法。
  5. 前記請求項1乃至3のいずれか一項に記載された原子炉用制御棒の製造方法において、溶接方法をアーク溶接とすることを特徴とする原子炉用制御棒の製造方法。
  6. 前記請求項1乃至5のいずれか一項に記載された原子炉用制御棒の製造方法において、溶接中のタイロッドおよびシースの突出部の溶接入熱されている面およびその反対側の面は、不活性ガスの雰囲気に曝されていることを特徴とする原子炉用制御棒の製造方法。
  7. タイロッドと、前記タイロッドの一端部に取り付けられたハンドル及び他端部に取り付けられた下部支持部材と、U字状横断面と前記タイロッドに対向する側端部を有し前記タイロッドから四方に伸びている複数のシースと中性子吸収部材とを有するブレードとを備え、前記シースの前記側端部に前記タイロッドに向かって突出した複数の突出部が形成され、前記シースの前記側端部と前記タイロッドを溶接して溶接部を形成する原子炉用制御棒の製造方法において、
    前記タイロッドと前記シースの突出部の溶接が前記シースの外側から実施され、溶接後に前記溶接部の裏波部に溶接欠陥が検出されたときに、前記溶接部の欠陥の補修溶接を、請求項1に記載された原子炉用制御棒の製造方法を用いて前記シースの内側から行うことを特徴とする原子炉用制御棒の製造方法。
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