JP3752451B2 - 沸騰水型原子炉用制御棒の製造方法 - Google Patents

沸騰水型原子炉用制御棒の製造方法 Download PDF

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    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、沸騰水型原子炉の出力を制御する沸騰水型原子炉用制御棒の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、沸騰水型原子炉の圧力容器には、減速材を兼ねた冷却材が収容されるとともに、原子炉圧力容器の中央部には多くの燃料集合体が装荷された炉心が配置される。燃料集合体の間には制御棒が挿入・引抜自在に設置され、原子炉の起動・停止、反応度補償、負荷追従などの制御は、炉心への制御棒の挿入・引抜により行われる。
【0003】
この制御棒は通常、横断面略十字形のタイロッドの軸方向上部にハンドルを取り付けるとともにタイロッドの軸方向下部に下部支持部材(または落下速度リミッタ、以下同様)を取り付け、さらにハフニウム(Hf)や炭化ホウ素(BC)等の反応度制御材をそれぞれ内包させた4つのシースをハンドルの下端部、下部支持部材の上端部、及びタイロッドの略十字形端部にそれぞれ溶接により固定した構造となっている。このとき、上記のシースとハンドル、シースと下部支持部材、シースとタイロッドの略十字型端部との溶接においては、スポット溶接とした場合の非溶接箇所への炉水含有異物の侵入による腐食を防止するため、元来、TIG溶接による完全溶け込み溶接が行われていた。
【0004】
ところで、上述したように制御棒は燃料集合体間に挿入・引抜されることにより原子炉の起動・停止、反応度補償、負荷追従等を行うものであり、原子炉の運転中には燃料集合体間の狭い間隙を上下動する。このため、制御棒の製造時においては高い加工精度が要求されることになる。
【0005】
しかし、元来行われていた上記TIG溶接は入熱量が多く、溶接による変形が大きくなる傾向にあった。そこで、製造時の変形を極力防止するために、特開2000−329885公報記載のようにTIG溶接に代わり入熱量の少ないレーザ溶接を用いる方法が既に提唱されている。
【0006】
上記従来技術では、完全溶け込み溶接とするために、例えばタイロッドとシースとの溶接においてはタイロッドの各辺先端部に段差部を設け、その段差部にシースのU字形両先端部をはめ込んだ状態で、レーザ光をビーム中心軸位置がタイロッドの段差部端面位置よりタイロッド軸心と反対方向に0.1〜2.0mmの範囲でずらすようにして、直接シース先端部に照射し、これにより裏波ビードを確保するようにしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術には以下のような課題が存在する。
すなわち、タイロッドの各辺先端部に設ける上記段差部の幅は通常0.5mm程度であり、すなわちタイロッドの段差部とシース先端部との重なり代も0.5mm程度である。このため、万一レーザ光のビーム中心軸位置に誤差が生じこの微小な重なり代の幅から外れて照射された場合、レーザ光の照射による熱がタイロッドに熱伝達されにくいためシースが過熱され、シース先端部が溶け落ち溶接不良となる可能性がある。
【0008】
また、レーザ光の照射位置が上記重なり代に収まっていても、レーザ光の照射による熱がタイロッドに良好に熱伝達されるためにはタイロッドの段差部とシース先端部との接触面積が大きくなければならず、そのためにはタイロッドの段差部の形状が精密に矩形状に加工されている必要がある。すなわち、例えば上記タイロッドの段差部の隅部にR形状等が残っていると、タイロッドとシースとの接触面積は小さくなり良好な熱伝達が行われず、これによってもシース先端部が溶け落ち溶接不良となる可能性がある。
【0009】
これらを防ぐために、上記従来技術においてはレーザ光の照射位置が上記重なり代から外れないようにレーザ溶接において高精度の制御が必要となり、またタイロッドの段差部の精密な機械加工も必要となる。これらの結果、制御棒の製造の容易化が困難となり、さらには製造コストの増大を招いていた。
【0010】
なお、以上はタイロッドとシースとの溶接を例にとって説明したが、前述したシースとハンドルとの溶接、シースと下部支持部材(又は落下速度リミッタ)との溶接についても同様の課題が存在する。
【0011】
本発明の目的は、製造の容易化及び製造コストの低減を図ることのできる沸騰水型原子炉用制御棒の製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
(1)上記目的を達成するために、本発明は、十字形横断面形状のタイロッドと、このタイロッドの軸方向上部に取り付けたハンドルと、前記タイロッドの軸方向下部に取り付けた下部支持部材または落下速度リミッタと、前記タイロッドの前記十字形横断面形状の各辺先端部に取り付けたU字形横断面形状のシースとを備える沸騰水型原子炉用制御棒の製造方法において、前記十字形の各辺先端部に前記シース固定用の段差部を備えた前記タイロッドを形成し、このタイロッドの前記段差部に、前記シースの前記U字形両先端部をはめ込み、そのはめ込んだ状態で、YAGレーザ光またはCOレーザ光を、ビーム中心軸位置が前記段差部の端面位置よりもタイロッド軸心側にずれるように設定し、レーザ光の入熱がタイロッド表面からタイロッド段差部を経由して当該段差部に接するシースへと熱伝達するように照射することにより、前記タイロッドの長手方向において少なくとも一部が連続的な溶接となるようなレーザ溶接を行い、前記シースを前記タイロッドに固定するものとする
【0013】
本発明においては、タイロッドとシースとのレーザ溶接の際、YAGレーザ光またはCOレーザ光を、ビーム中心軸位置がタイロッド段差部の端面位置よりも少なくともタイロッド軸心側にずれるように設定して照射する。この場合、レーザ光は直接シースに照射されるのではなく、まずタイロッド表面に照射され、その後タイロッド表面→タイロッド段差部→段差部に接するシースという入熱経路で熱伝達されることとなる。このため、ビーム中心軸位置に誤差が生じ目標設定位置から多少偏差が生じたとしても熱は必ず段差部とシース等との接触部を通過してシース等に伝達されることとなり、ビーム中心軸位置をタイロッド段差部端面位置よりタイロッド軸心と反対側にずらして設定する従来方法のようにシース等へ直接レーザ照射されることでシース等が溶け落ち溶接不良を招く可能性はない。これにより、上記従来方法のようにシース等溶け落ち防止のためにビーム中心軸位置を高精度に制御しなくても、シース等の溶け落ちを防止し良好な溶接接合性を確保できる。したがって、レーザ溶接の制御が容易となり、制御棒の製造の容易化、さらには製造コストの低減を図ることができる。
【0016】
)上記目的を達成するために、また本発明は、十字形横断面形状のタイロッドと、このタイロッドの軸方向上部に取り付けたハンドルと、前記タイロッドの軸方向下部に取り付けた下部支持部材または落下速度リミッタと、前記タイロッドの前記十字形横断面形状の各辺先端部に取り付けたU字形横断面形状のシースとを備える沸騰水型原子炉用制御棒の製造方法において、前記十字形の各辺先端部に前記シース固定用の段差部を備えた前記タイロッドを引き抜き加工により形成し、このタイロッドの前記段差部に、前記シースの前記U字形両先端部をはめ込み、そのはめ込んだ状態で、YAGレーザ光またはCOレーザ光を、ビーム中心軸位置が前記段差部の端面位置よりもタイロッド軸心側にずれるように設定し、レーザ光の入熱がタイロッド表面からタイロッド段差部を経由して当該段差部に接するシースへと熱伝達するように照射することにより、前記タイロッドの長手方向において少なくとも一部が連続的な溶接となるようなレーザ溶接を行い、前記シースを前記タイロッドに固定するものとする
【0017】
)上記目的を達成するために、また本発明は、十字形横断面形状のタイロッドと、このタイロッドの軸方向上部に取り付けたハンドルと、前記タイロッドの軸方向下部に取り付けた下部支持部材または落下速度リミッタと、少なくとも前記ハンドルの下端部に固定されるシースとを備える沸騰水型原子炉用制御棒の製造方法において、前記ハンドルの下端部に、前記シース固定用の段差部を形成し、この段差部に、前記シースの上縁部をはめ込み、そのはめ込んだ状態で、YAGレーザ光またはCOレーザ光を、ビーム中心軸位置が前記段差部の端面位置よりも反シース側にずれるように設定し、レーザ光の入熱がハンドル表面からタイロッド段差部を経由して当該段差部に接するシースへと熱伝達するように照射することにより、前記シースの上縁部に沿って少なくとも一部が連続的な溶接となるようなレーザ溶接を行い、前記シースを前記ハンドルに固定するものとする
【0018】
本発明においては、シースとハンドルとのレーザ溶接の際、YAGレーザ光またはCOレーザ光を、ビーム中心軸位置がハンドル下端部に設けた段差部の端面位置よりも少なくとも反シース側(組立後における上側)にずれるように設定して照射する。この場合も、上記(1)同様、レーザ光は直接シースに照射されるのではなく、まずハンドル表面に照射され、その後ハンドル表面→ハンドル段差部→段差部に接するシースという入熱経路で熱伝達されることとなる。したがって、ビーム中心軸位置に誤差が生じ目標設定位置から多少偏差が生じたとしても、シース等が溶け落ち溶接不良を招く可能性はないので、上記(1)同様、ビーム中心軸位置を高精度に制御しなくても、シース等の溶け落ちを防止し良好な溶接接合性を確保できる。したがって、レーザ溶接の制御が容易となり、制御棒の製造の容易化、さらには製造コストの低減を図ることができる。
【0019】
)上記目的を達成するために、また本発明は、十字形横断面形状のタイロッドと、このタイロッドの軸方向上部に取り付けたハンドルと、前記タイロッドの軸方向下部に取り付けた下部支持部材または落下速度リミッタと、少なくとも前記下部支持部材又は前記速度リミッタの上端部に固定されるシースとを備える沸騰水型原子炉用制御棒の製造方法において、前記下部支持部材又は前記速度リミッタの上端部に、前記シース固定用の段差部を形成し、この段差部に、前記シースの下縁部をはめ込み、そのはめ込んだ状態で、YAGレーザ光またはCOレーザ光を、ビーム中心軸位置が前記段差部の端面位置よりも反シース側にずれるように設定し、レーザ光の入熱が下部支持部材又は速度リミッタ表面からタイロッド段差部を経由して当該段差部に接するシースへと熱伝達するように照射することにより、前記シースの下縁部に沿って少なくとも一部が連続的な溶接となるようなレーザ溶接を行い、前記シースを前記下部支持部材又は前記速度リミッタに固定するものとする
【0020】
本発明においては、シースと下部支持部材又は落下速度リミッタとのレーザ溶接の際、YAGレーザ光またはCOレーザ光を、ビーム中心軸位置が下部支持部材又は落下速度リミッタ上端部に設けた段差部の端面位置よりも少なくとも反シース側(組立後における下側)にずれるように設定して照射する。この場合も、上記(1)同様、レーザ光は直接シースに照射されるのではなく、まず下部支持部材又は落下速度リミッタ表面に照射され、その後下部支持部材又は落下速度リミッタ表面→段差部→段差部に接するシースという入熱経路で熱伝達されることとなる。したがって、ビーム中心軸位置に誤差が生じ目標設定位置から多少偏差が生じたとしても、シース等が溶け落ち溶接不良を招く可能性はないので、上記(1)同様、ビーム中心軸位置を高精度に制御しなくても、シース等の溶け落ちを防止し良好な溶接接合性を確保できる。したがって、レーザ溶接の制御が容易となり、制御棒の製造の容易化、さらには製造コストの低減を図ることができる。
【0021】
)上記(1)〜()のいずれか1つにおいて、好ましくは、前記レーザ溶接の際、溶着促進のための溶接棒を用いて溶接を行う。
【0022】
)上記()において、さらに好ましくは、前記シースを前記段差部にはめ込んだ状態における前記シースの内周面と前記段差部の底面との間のギャップをG(mm)、前記シースを前記段差部にはめ込んだ状態における前記シースの内周面と前記段差部の底面との重なり代をL(mm)、シース側へ向かう方向を正、その反対側へ向かう軸方向を負とした場合における、前記レーザ光のビーム中心軸位置から前記シースの端部までの距離をA(mm)、前記レーザ光のビームの集光径をD(mm)、前記レーザ溶接による入熱量をH(kJ/cm)、溶接長1m当たりの前記溶接棒の供給量をW(g/m)、としたとき、P=0.184+1.11×G+0.964×A+1.07×H-1.17×D-0.11×W−0.807×Lで求められるパラメータPの値が−0.5以上0.5以下になるように、前記レーザ溶接の施工条件を設定して溶接を行う。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の沸騰水型原子炉用制御棒の製造方法の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態の製造方法により製造された沸騰水型原子炉用制御棒の全体構造を表す一部破断斜視図であり、図2は、図1中II−II断面による横断面図である。なお、図2には燃料集合体Nも併せて図示している。
【0029】
これら図1及び図2において、沸騰水型原子炉用制御棒1は、制御棒支持構造体2と、この制御棒支持構造体2の軸心2A(または後述のタイロッド4の軸心4A)より四方に延びるように配設された4つのブレード3とにより構成され、全体として横断面が十字型形状をしている。
【0030】
上記制御棒支持構造体2は、横断面が十字型形状のタイロッド4と、このタイロッド4の上端に嵌合したハンドル5と、上記タイロッド4の下端に固定された落下速度リミッタ6とにより構成されている。
【0031】
上記ブレード3は、それぞれが中性子吸収材としてのハフニウムフラットチューブ7と、このハフニウムフラットチューブ7を覆うシース8とを備えている。このハフニウムフラットチューブ7は、制御棒支持構造体2の軸心2A方向に2本ずつ、制御棒支持構造体2の軸心2Aより四方に拡がる方向に2本ずつ、すなわち1つのブレード3内に計4本ずつ配設されている。このとき、上部に配設されたハフニウムフラットチューブ7はその上端を上記ハンドル5にピン(図示せず)により固定され、下部に配設されたハフニウムフラットチューブ7はその下端を上記落下速度リミッタ6の基礎部材6aにピン(図示せず)により固定され、さらにこれらを覆う上記シース8により周囲から押さえられることにより、これらのハフニウムフラットチューブ7は制御棒支持構造体2に対し固定されるようになっている。
【0032】
上記シース8は、U字形に曲げ加工された例えばステンレス製のプレートであり、その両先端部(短手方向両先端部)には凸部8aと凹部8bが設けられている。この凸部8aとタイロッド4の各辺先端部4aとが溶接され、またシース8の上縁部8cとハンドル5の下端部5aとが溶接され、さらにシース8の下縁部8dと上記落下速度リミッタ基礎部材6aの上端部6a1とが溶接されることにより、シース8は制御棒支持構造体2に対し固定されるようになっている。なお、このシース8には、冷却材が入出するための複数の冷却孔9が穿設されている。
【0033】
このように構成される本発明の沸騰水型原子炉用制御棒の第1の実施の形態の製造工程を、図3を用いて以下に主要な部材ごとに説明する。
【0034】
(1)シース8
図3において、ステップ10で素材を圧延してプレート10を形成し、次のステップ20で、上記プレート10の切出しを行い前記凸部8a及び凹部8bを設け、また穴開加工を行い前記冷却孔9等を設けてフラットシース11に加工する。その後、ステップ30でプレス機により上記フラットシース11をU字形に曲げ加工し、シース8が出来上がる。
【0035】
(2)タイロッド4
図3において、まずステップ40で素材を引抜加工して引抜タイロッド12を形成し、次にステップ50で上記引抜タイロッド12の切削加工を行い、タイロッド4(以下、上記引抜タイロッド12と区別するために、適宜切削タイロッド4と記述する)が出来上がる。これら引抜タイロッド12及び切削タイロッド4の詳細形状を図4を用いて説明する。
【0036】
図4(a)は、上記引抜タイロッド12の上(又は下)面図、図4(b)は、切削タイロッド4の上(又は下)面図である。
これら図4(a)及び図4(b)において、引抜タイロッド12は、上記したようにステップ40にて素材を引抜加工することにより形成されたタイロッドであり、各辺先端部12aの短手方向両側に段差部12bを備えている。この段差部12bの隅部12b1は、若干R形状となっている。
【0037】
一方、切削タイロッド4も、上記引抜タイロッド12と同様に前記各辺先端部4a両側に段差部4bを備えている。この段差部4bは、上記ステップ50において引抜タイロッド12の上記段差部12bが切削加工され上記隅部12b1のR形状が除去されたことにより、精密な矩形形状となっている。なお、この段差部4bは、後述のステップ110においてシース8をタイロッド4に溶接する際にシース8の両先端部に設けた凸部8aをこの段差部4bにはめ込むために設けられるものである。
【0038】
(3)ハンドル5、落下速度リミッタ6、その他部品
図3に戻り、ステップ60で、ハンドル5、落下速度リミッタ6、及び沸騰水型原子炉用制御棒1を構成するその他の部材を素材から機械加工、組立、溶接等を行い製造する。
【0039】
(4)制御棒支持構造体2
図3において、ステップ70で、上記ステップ50で形成した切削タイロッド4の上端に上記ステップ60で形成したハンドル5を組み付け溶接により固定し、切削タイロッド4の下端に上記ステップ60で形成した落下速度リミッタ6を同様に溶接により固定し、その他の部品も適宜組立・溶接を行って制御棒支持構造体2が出来上がる。
【0040】
(5)ハフニウムフラットチューブ7
図3において、ステップ80で、素材を圧延加工することによりハフニウムプレート13を形成し、次のステップ90で、2枚の上記ハフニウムプレート13,13の両端に曲げ加工をし向かい合わせに組立て、継ぎ目を溶接してハフニウムフラットチューブ7が出来上がる。
【0041】
(6)沸騰水型原子炉用制御棒1
図3において、ステップ100で、まず上記(4)で説明したステップ70により製造された制御棒支持構造体2に上記(5)で説明したステップ90により製造されたハフニウムフラットチューブ7を組み付ける。このとき、前述したように上・下部に配設されるハフニウムフラットチューブ7のそれぞれの上・下端を、ハンドル5、落下速度リミッタ6の基礎部材6aにピンにより固定する。
【0042】
次に、上記のようにして制御棒支持構造体2の四方に配設されたハフニウムフラットチューブ7をU字状先端部側から取り込むようにしてそれらフラットチューブ7を覆うようにシース8を被せ、それぞれのシース8に設けられた前記の凸部8aを、タイロッド4の各辺に設けた前記段差部4bにはめ込む。このとき、前記ハンドル下端部5a及び前記落下速度リミッタ基礎部材上端部6a1にも上記4bと同様に段差部5b(後述の図9参照)及び段差部6ab(後述の図11参照)が設けられており、シース8に設けられた上縁部8c、下縁部8dをこれら段差部5b,6abにそれぞれはめ込む。
【0043】
ステップ110では、上記のシース8の凸部8a、上縁部8c、下縁部8dとタイロッド4の段差部4b、ハンドル下端部5aの段差部5b、落下速度リミッタ基礎部材上端部6a1の段差部6abとのはめ込み箇所をそれぞれレーザ溶接する。これにより、シース8が制御棒支持構造体2に固定され、沸騰水型原子炉用制御棒1が完成する。
【0044】
このような工程から構成される沸騰水型原子炉用制御棒1の製造方法において、本発明の最も大きな特徴は、上記ステップ110においてシース8の凸部8a、上縁部8c、下縁部8dをタイロッド段差部4b、ハンドル下端部5a、落下速度リミッタ基礎部材上端部6a1にそれぞれはめ込んだ状態でレーザ溶接を行うに際し、ビーム中心軸位置をいずれもシース8の端面位置よりもシースと反対側にずらして溶接を行うことである。以下、その詳細について、まずシース8とタイロッド4との溶接を例にとって説明する。
【0045】
図5は、上記の溶接の際に使用したYAGレーザ溶接機の全体構成を表す概念構成図である。
この図5において、YAGレーザ溶接機14は、タイロッド4とシース8を載せる加工テーブル15と、シース8を固定する固定金具16と、レーザ加工装置17と、後述のYAGレーザ光23を出力するレーザ発振器18と、制御装置19とを備えている。
【0046】
上記レーザ加工装置17は、レール17aと、このレール17a上を矢印ア方向に移動可能な架台部17bと、この架台部17b上に設けられた略L字形の支持部材17cと、この支持部材17cの水平部分を矢印イ方向に移動可能なスライダ17dと、このスライダ17dの下部に垂設された支持棒17eと、この支持棒17eに沿って矢印ウ方向に移動可能な加工ヘッド17fとを備えている。このような構造により、上記加工ヘッド17fは加工テーブル15に対し矢印ア、イ、及びウ方向の3軸方向に移動可能なようになっている。
【0047】
また、上記制御装置19と上記レーザ加工装置17の架台部17b、及び制御装置19と上記レーザ発振器18とは信号線20,21により接続されており、またレーザ発振器18と加工ヘッド17fとは光ファイバー22によって接続されている。
【0048】
また、上記制御装置19には図示しない操作盤が接続されており、操作者がこの操作盤を操作することで、加工ヘッド17fの位置やレーザの出力等を制御できるようになっている。
【0049】
以上において、凸部8aは、特許請求の範囲各項記載のシースのU字形両先端部を構成する。
【0050】
次に、上記構成の切削タイロッド4を用いて行う本発明の沸騰水型原子炉用制御棒の製造方法の第1の実施の詳細を図6及び図7を用いて説明する。図6は、上記YAGレーザ溶接機14によるシース8とタイロッド4との溶接箇所を一部拡大して表した斜視図であり、図7は、図6中VII−VII断面による横断面図である。
【0051】
これら図6及び図7において、本実施の形態においては、操作者は前述の操作盤を操作し加工ヘッド17fをタイロッド4の長手方向(図6中矢印エ方向)に移動させつつシース8の凸部8aとタイロッド4の段差部4bとの連続的なレーザ溶接を行う。このレーザ溶接の際は、加工ヘッド17fよりYAGレーザ光23が照射されると共に、シールドガス24が流され溶接部の酸化を防ぐ。また、溶接直後の溶接ビード(図示せず)は酸化しやすい状態にあるので、トレーラノズル25よりトレーラガス26を溶接ビードに噴き付け酸化を防ぐ。そして特にこのとき、本実施の形態の最も大きな特徴としてYAGレーザ光23のビーム中心軸23A(図7参照)の位置をタイロッド段差部4bの端面4b1よりもタイロッド4側(シース8と反対側)にずらし、タイロッド4の表面に直接YAGレーザ光23を照射してレーザ溶接を行う。
【0052】
ここで、ビーム中心軸23Aの位置を上記タイロッド段差部4bの端面4b1よりもシース8側(タイロッド4と反対側)にずらしてレーザ溶接を行う従来技術においては、前述したように微小な重なり代L1(図7参照)内にYAGレーザ光23の照射位置を制御せねばならず、万一YAGレーザ光23のビーム中心軸23Aの位置に誤差が生じこの重なり代L1の幅からさらにシース8側に外れた位置に照射された場合、YAGレーザ光23の照射による熱がタイロッド4に熱伝達されにくいためシース8が過熱され、シース8の凸部8aが溶け落ち溶接不良となる可能性がある。
【0053】
これに対し、上記本実施の形態においては、YAGレーザ光23はまずタイロッド4の表面に照射され、その後この照射による熱はタイロッド4の表面→タイロッド段差部4b→シース8という入熱経路によりシース8に熱伝達されることになる。このため、YAGレーザ光23のビーム中心軸23Aの位置に誤差が生じ目標設定位置から多少偏差が生じたとしても、熱は必ずタイロッド段差部4bとシース8との接触部を通過してシース8に伝達されるので、シース8の凸部8aが溶け落ち溶接不良を招くことを防止することができる。これにより、上記従来技術と比較しYAGレーザ光23のビーム中心軸23A位置を高精度に制御しなくても、シース8の溶け落ちを防止し良好な溶接接合性を確保できる。したがって、レーザ溶接の制御が容易となり、沸騰水型原子炉用制御棒1の製造の容易化、さらには製造コストの低減を図ることができる。
【0054】
以上はシース8とタイロッド4との溶接を例にとって説明したが、次に、シース8とハンドル5との溶接について説明する。図8は、YAGレーザ溶接機14によりシース8とハンドル5とを溶接する際の溶接箇所を一部拡大して表した斜視図であり、図9は、図8中IX−IX断面による横断面図である。これらの図8及び図9において、前述した図6及び図7と同様のものは同符号を付し、説明を省略する。
シース8とハンドル5との溶接の際には、図8及び図9に示すように、加工ヘッド17fをシース8の前記上縁部8cに沿った方向(図8中矢印オ方向)に移動させつつ、シース8の上縁部8cとハンドル5の前記下端部5aに設けた段差部5b(図9参照)との連続的なレーザ溶接を行う。このとき、上記したシース8とタイロッド4との溶接の場合と同様に、YAGレーザ光23のビーム中心軸23Aの位置をハンドル段差部5bの端面5b1(図9参照)よりもハンドル5側(シース8と反対側)にずらし、ハンドル5の表面に直接YAGレーザ光23を照射してレーザ溶接を行う。
【0055】
この場合においても、YAGレーザ光23の照射による熱はハンドル5の表面→ハンドル段差部5b→シース8という入熱経路によりシース8に伝達されることになり、上記したシース8とタイロッド4との溶接の場合と同様に、YAGレーザ光23のビーム中心軸23A位置を高精度に制御しなくても、シース8の溶け落ちを防止し良好な溶接接合性を確保できる。したがって、レーザ溶接の制御が容易となり、沸騰水型原子炉用制御棒1の製造の容易化、さらには製造コストの低減を図ることができる。
【0056】
次に、シース8と落下速度リミッタ6の基礎部材6aとの溶接について説明する。図10は、YAGレーザ溶接機14によりシース8と落下速度リミッタ基礎部材6aとを溶接する際の溶接箇所を一部拡大して表した斜視図であり、図11は、図10中XI−XI断面による横断面図である。これらの図10及び図11において、前述した図6及び図7と同様のものは同符号を付し、説明を省略する。
シース8と落下速度リミッタ基礎部材6aとの溶接の際には、図10及び図11に示すように、加工ヘッド17fをシース8の前記下縁部8dに沿った方向(図10中矢印カ方向)に移動させつつ、シース8の下縁部8dと落下速度リミッタ基礎部材6aの前記上端部6a1に設けた段差部6ab(図11参照)との連続的なレーザ溶接を行う。このとき、上記したシース8とタイロッド4との溶接の場合と同様に、YAGレーザ光23のビーム中心軸23Aの位置を落下速度リミッタ基礎部材6aの上記段差部6abの端面6ab1(図11参照)よりも落下速度リミッタ基礎部材6a側(シース8と反対側)にずらし、落下速度リミッタ基礎部材6aの表面に直接YAGレーザ光23を照射してレーザ溶接を行う。
【0057】
この場合においても、YAGレーザ光23の照射による熱は落下速度リミッタ基礎部材6aの表面→落下速度リミッタ基礎部材段差部6ab→シース8という入熱経路によりシース8に伝達されることとなり、上記したシース8とタイロッド4との溶接の場合と同様に、YAGレーザ光23のビーム中心軸23A位置を高精度に制御しなくても、シース8の溶け落ちを防止し良好な溶接接合性を確保できる。したがって、レーザ溶接の制御が容易となり、沸騰水型原子炉用制御棒1の製造の容易化、さらには製造コストの低減を図ることができる。
【0058】
なお、上記本発明の第1の実施の形態においては、レーザ溶接の際にYAGレーザ光23を直接被溶接材であるタイロッド4、ハンドル5、または落下速度リミッタ基礎部材6aに照射したが、これに限らず溶着促進のために溶接棒を用いてもよい(後述の図23も参照)。この場合、YAGレーザ光23を溶接棒に照射することになるため、この照射による熱は溶接棒(正確には溶融した溶接棒)→シース8という入熱経路によりシース8に伝達されることとなり、これによってもシース8の溶け落ちを防止しさらに良好な溶接接合性を確保できる。
【0059】
次に、本発明の沸騰水型原子炉用制御棒の製造方法の第2の実施の形態を図12乃至図15を参照しつつ説明する。本実施の形態は、引抜加工により形成した前記引抜タイロッド12を、切削加工を行わず引抜加工の状態のままで使用して沸騰水型原子炉用制御棒を製造したものである。
【0060】
図12は、上記本発明の第2の実施の形態の製造方法により製造された沸騰水型原子炉用制御棒の全体構造を表す一部破断斜視図である。この図12において、前述の本発明の第1の実施の形態における図1と同様の部分には同符号を付し、説明を省略する。この図12において、沸騰水型原子炉用制御棒1′は、前記引抜タイロッド12と、この引抜タイロッド12の上端に嵌合したハンドル5と、引抜タイロッド12の下端に固定された落下速度リミッタ6とにより構成された制御棒支持構造体2′を備えている。
【0061】
このように構成される本発明の沸騰水型原子炉用制御棒の第2の実施の形態の製造工程を、図13を用いて以下に説明する。この図13において、前述の本発明の第1の実施の形態における図3と同様の部分には同符号を付し、説明を省略する。
シース8の製造工程であるステップ10〜ステップ30、引抜タイロッド12の製造工程であるステップ40、及びハンドル5、落下速度リミッタ6、その他の部品の製造工程であるステップ60については、前述の本発明の第1の実施の形態と同様である。
【0062】
ここで、前述の第1の実施の形態では、図3においてステップ40の後ステップ50にて切削加工を行ったが、本実施の形態ではこれを行わずそのまま次のステップ70で、引抜タイロッド12の上端にハンドル5を組み付け溶接により固定し、引抜タイロッド12の下端に落下速度リミッタ6を同様に溶接により固定し、その他の部品も適宜組立・溶接を行い、制御棒支持構造体2′が出来上がる。
【0063】
次のハフニウムフラットチューブ7の製造工程であるステップ80、ステップ90、及びこれ以降の沸騰水型原子炉用制御棒1′の製造工程であるステップ100及びステップ110については、前述の本発明の第1の実施の形態と同様である。
【0064】
以上において、引抜タイロッド12は、特許請求の範囲各項記載の引き抜き加工により形成した十字型の各辺先端部にシース固定用の段差部を備えたタイロッドを構成する。
【0065】
次に、本実施の形態の沸騰水型原子炉用制御棒の製造方法の詳細を説明する。図14及び図15に示すように、本実施の形態においては、加工ヘッド17fを引抜タイロッド12の長手方向(図14中矢印キ方向)に移動させつつシース8の凸部8aと引抜タイロッド12の段差部12bとの連続的なレーザ溶接を行う。このとき、前述の本発明の第1の実施の形態と同様に、YAGレーザ光23のビーム中心軸23A(図15参照)の位置を引抜タイロッド段差部12bの端面12b2よりも引抜タイロッド12側(シース8と反対側)にずらし、引抜タイロッド12の表面に直接YAGレーザ光23を照射してレーザ溶接を行う。
【0066】
ここで、前述したように引抜タイロッド12の段差部12bは切削加工を行っていないため隅部12b1(図15参照)が若干R形状となっており、そのためシース8の凸部8aは段差部12bの上記端面12b2まではめ込むことができない。すなわち、本実施の形態における重なり代L2(図15参照)は、前述の第1の実施の形態におけるシース8と切削タイロッド4との重なり代L1よりも小さくなる。
【0067】
これにより、ビーム中心軸23Aの位置を引抜タイロッド段差部12bの端面12b2よりもシース8側(引抜タイロッド12と反対側)にずらしてレーザ溶接を行う従来技術においては、前述の第1の実施の形態における重なり代L1よりもさらに微小な重なり代L2内にYAGレーザ光23の照射位置を制御せねばならず、レーザ照射位置の制御誤差によるシース8の溶け落ちの可能性が大きくなる。またこのとき、重なり代L2が小さいことによりシース8から引抜タイロッド12への熱伝達量も少なく、このため、シース8が溶け落ち溶接不良を招く可能性は一層大きくなる。
【0068】
これに対し、上記本実施の形態においては、前述の第1の実施の形態と同様にYAGレーザ光23は引抜タイロッド12の表面に照射されるため、その照射による熱は引抜タイロッド12の表面→引抜タイロッド段差部12b→シース8という入熱経路によりシース8に伝達されることとなる。このため、YAGレーザ光23の照射位置に多少誤差が生じても、シース8の凸部8aが溶け落ち溶接不良を招くことを防止することができる。
【0069】
すなわち、本実施の形態によれば、YAGレーザ光23の照射位置を引抜タイロッド12側(シース8と反対側)にずらすことにより、段差部12bの形状を精密に矩形状に加工せず断面形状において隅部12b1にR形状が残ったままである引抜タイロッド12を用いても、シース8の溶け落ちを防止し良好な溶接接合性を確保できる。これにより、素材→引抜加工にて引抜タイロッド12形成→段差部12bを矩形状に機械加工、といった工程で通常行うタイロッド製造行程において、機械加工の工程を省略し、引抜加工のみによる引抜タイロッド12を用いて沸騰水型原子炉用制御棒1′の製造をすることが可能となる。したがって、機械加工工程がなくなった分、制御棒の製造の容易化、さらには製造コストの低減を図ることができる。
【0070】
なお、上記本発明の第2の実施の形態においても、前述の第1の実施の形態において説明したように溶着促進のための溶接棒を用いてもよい(後述の図23も参照)。この場合も、上記本発明の第2の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0071】
次に、本発明の沸騰水型原子炉用制御棒の製造方法の第3の実施の形態を図16乃至図23を参照しつつ説明する。本実施の形態は、シース8とタイロッド4との溶接、シース8とハンドル5との溶接、シース8と落下速度リミッタ基礎部材6aとの溶接を自動化したものである。
【0072】
本願発明者等は、レーザ溶接を自動化するにあたり、シース8の溶け落ちを防ぎさらに完全溶け込み溶接となる施工条件を把握するために、各種施工条件を種々変化させつつシース8とタイロッド4を用いた溶接試験を実施した。図16は、このときの施工条件の範囲を示した図である。この溶接試験の結果、溶接後の状態は、裏波ビードがなく完全溶け込み溶接にならないもの、完全溶け込み溶接になったもの、シース8が溶け落ちたものの3種類に大別された。
【0073】
次に、本願発明者等は、これら3種類の状態を入熱量の大きさに関係する入熱パラメータPを用いて数値化した。すなわち、入熱量が少なく完全溶け込み溶接とならなかったものはP=−1、完全溶け込み溶接となったものはP=0、入熱量が多くシース8が溶け落ちたものをP=1とした。
【0074】
また、上記3種類の状態に対応する施工条件を重回帰分析し、次式で与えられる分析パラメータPを得た。
P=0.184+1.11×G+0.964×A+1.07×H-1.17×D-0.11×W−0.807×L
上式において、Gはシース凸部8aをタイロッド段差部4bにはめ込んだ状態におけるシース凸部8aの内周面8a5とタイロッド段差部4bの底面4b3間のギャップ(mm)(後述の図21参照)、Aは、シース8側へ向かう方向を正、その反対側のタイロッド4へ向かう方向を負とした場合におけるYAGレーザ光23のビーム中心軸23Aの位置からシース8の凸部8aの端部8a1(後述の図20参照)までの距離(mm)(以下、適宜レーザ照射位置Aと記述する)、HはYAGレーザ光23による入熱量(kJ/cm)、DはYAGレーザ光23のビーム集光径(mm)、Wは溶接長1m当たりの溶接棒30の供給量(g/m)、Lは、シース凸部8aをタイロッド段差部4bにはめ込んだ状態におけるシース凸部8aの内周面8a5とタイロッド段差部4bの底面4b3との重なり代(mm)(後述の図20参照)である。
【0075】
図17は、上記した入熱パラメータPと分析パラメータPの相関関係を示す図である。この図17によれば、上記の式で表される分析パラメータPが−0.5以上0.5以下であれば、入熱パラメータPは0となり完全溶け込み溶接となることがわかる。すなわち、この図17により、上記分析パラメータPを構成する溶接条件であるギャップG、レーザ照射位置A、入熱量H、ビーム集光径D、溶接棒供給量W、重なり代Lの値が与えられれば、分析パラメータPの値に対して入熱パラメータPの値が定まるため、この入熱パラメータPによって溶接後の状態を把握することができる。なお、本願発明者等の検討によれば、各値の最も良好な条件として、以下の範囲であることがわかった。すなわち、ギャップGが0〜0.3(mm)、レーザ照射位置Aが0〜−0.5(mm)、入熱量Hが0.89±0.2(kJ/cm)、ビーム集光径Dが0.57〜0.6(mm)、溶接棒供給量Wが3.16〜4.06(g/m)、重なり代Lが0.3〜0.6(mm)である。
【0076】
図18は、上記分析パラメータPを用いて自動溶接を行う自動YAGレーザ溶接機の全体構成を表す概念構成図である。この図18において、前述の本発明の第1の実施の形態における図5と同様の部分には同符号を付し、説明を省略する。
この図18において、自動YAGレーザ溶接機27は、前記加工ヘッド17fに取り付けられたレーザスキャン式二次元変位センサ(図示せず)と、同様に加工ヘッド17fに取り付けられ後述の溶接棒30の自動供給を行う溶接棒供給装置(図示せず)と、前記制御装置19に信号線28を介し接続された演算処理装置29と、制御装置19から指示される溶接開始位置及び溶接終了位置に加工ヘッド17fを移動させるためのサーボモータ(図示せず)とを備えている。
【0077】
上記演算処理装置29は、上記レーザスキャン式二次元変位センサの検出値から、溶接開始位置及び溶接終了位置と、シース8とタイロッド4とのギャップG及び重なり代Lを算出し、さらにこのギャップG及び重なり代Lから上記分析パラメータPを用いてレーザ照射位置A、入熱量H、ビーム集光径D、溶接棒供給量Wを算出するようになっている。
【0078】
次に、上記構成の自動YAGレーザ溶接機27を用いて行う本実施の形態の沸騰水型原子炉用制御棒の製造方法の詳細を以下に説明する。
図19は、上記レーザスキャン式二次元変位センサのスキャン方法を示した図であり、図20は図19中XX−XX断面による横断面図、図21は図19中XXI−XXI断面による縦断面図である。
これらの図19乃至図21において、まず自動YAGレーザ溶接機27は、そのレーザスキャン式二次元変位センサが図19中矢印ク方向に自動スキャンすることで、シース8の凹部8bの端部8b1(図20参照)及びタイロッド4の段差部4bの先端側角部4b2(図20参照)の座標をそれぞれ検出する。また、図19中矢印ケ方向にスキャンすることで、シース8の凸部8aの両側端部8a2,8a3(図21参照)の座標を検出すると共に、タイロッド4の段差部4bの底面4b3(図21参照)の高さとシース凸部8aの外周面8a4(図21参照)の高さを検出する。
【0079】
前記演算処理装置29は、レーザスキャン式二次元変位センサの上記2回のスキャンにより得られたデータと、例えば操作者により入力されたシース凸部8aの奥行き(凸部8aの端部8a1と凹部8bの端部8b1との距離)及びシース8の厚さの値とから、シース8とタイロッド4のギャップG及び重なり代Lを計算する。なお、上記スキャンにより得られたシース8の凸部8aの両側端部8a2,8a3の座標が、このまま溶接開始位置及び溶接終了位置となる。
【0080】
また、演算処理装置29は、このようにして得られたギャップG、及び重なり代Lにより、前記分析パラメータPが−0.5以上0.5以下となるようにレーザ照射位置A、入熱量H、ビーム集光径D、溶接棒供給量Wを計算する。なおこのとき、本実施の形態においても前述の第1の実施の形態及び第2の実施の形態と同様にシース8の溶け落ち防止を考慮し、レーザ照射位置Aは負(すなわち、タイロッド4方向)となるように、例えば操作者により事前に入力されている。
【0081】
このようにして、演算処理装置29から溶接開始・終了位置、ギャップG、レーザ照射位置A、入熱量H、ビーム集光径D、溶接棒供給量W、重なり代Lを得た制御装置19は前記レーザ加工装置17及びレーザ発振装置18を制御し、図22及び図23に示すように、YAGレーザ光23のビーム中心軸23Aをタイロッド段差部4bの端面4b1よりもタイロッド4側(シース8と反対側)にずらした位置で溶接棒30にYAGレーザ光23を照射して、自動で完全溶け込み溶接となるようにシース8とタイロッド4との自動レーザ溶接を行う。
【0082】
以上説明した上記本実施の形態によれば、YAGレーザ光23を溶接棒に照射するため、この照射による熱は溶接棒30→シース8という入熱経路によりシース8に伝達されることとなる。このとき特に、前述の第1の実施の形態及び第2の実施の形態と同様にYAGレーザ光23をタイロッド4側にずらした位置で溶接棒30に対し照射するので、万一照射位置に誤差が生じ溶接棒30から外れたとしても、YAGレーザ光23はタイロッド4の表面に照射される。すなわち、この照射による熱はタイロッド4の表面→タイロッド段差部4b→シース8という上記第1の実施の形態と同様の入熱経路により、シース8に伝達されることになる。したがって、シース8の溶け落ちを確実に防止し、良好な溶接接合性を確保することができる。
【0083】
さらに本実施の形態によれば、自動YAGレーザ溶接機27がレーザ照射位置A、入熱量H、ビーム集光径D、溶接棒供給量Wを計算して自動で完全溶け込み溶接となるようにレーザ溶接を行うため、シース8の溶け落ちをさらに確実に防止し、良好な溶接接合性を確保することができる。また、自動でレーザ溶接が行えることで、溶接作業者の作業負荷の低減及び制御棒の生産性の向上の効果をも得ることができる。
【0084】
なお、以上はシース8とタイロッド4との溶接を例にとって説明したが、シース8とハンドル5との溶接、シース8と落下速度リミッタ基礎部材6aとの溶接についても同様の手順で自動溶接を行うことができ、同様の効果を得ることができる。
【0085】
【発明の効果】
本発明によれば、YAGレーザ光をビーム中心軸位置がタイロッドの段差部の端面位置よりもタイロッド側にずれるように設定して照射する。これにより、ビーム中心軸位置を高精度に制御しなくてもシース等の溶け落ちを防止し良好な溶接接合性を確保することができ、また、タイロッドの段差部を精密に機械加工しなくても同様にシース等の溶け落ちを防止し良好な溶接接合性を確保することができる。したがって、制御棒製造工程におけるレーザ溶接の制御が容易になり、また機械加工工程が省略でき、制御棒の製造の容易化、さらには製造コストの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態の製造方法により製造された沸騰水型原子炉用制御棒の全体構造を表す一部破断斜視図である。
【図2】 図1中II−II断面による横断面図である。
【図3】 本発明の第1の実施の形態の製造工程を表す工程図である。
【図4】 本発明の第1の実施の形態を構成するタイロッドの製造過程である引抜タイロッドの上(又は下)面図、及び完成後である切削タイロッドの上(又は下)面図である。
【図5】 本発明の第1の実施の形態による沸騰水型原子炉用制御棒の製造方法におけるシース溶接の際に使用したYAGレーザ溶接機の全体構成を表す概念構成図である。
【図6】 本発明の第1の実施の形態による沸騰水型原子炉用制御棒の製造方法におけるシースとタイロッドとの溶接箇所を一部拡大して表した斜視図である。
【図7】 図6中VII−VII断面による横断面図である。
【図8】 本発明の第1の実施の形態による沸騰水型原子炉用制御棒の製造方法におけるシースとハンドルとの溶接箇所を一部拡大して表した斜視図である。
【図9】 図8中IX−IX断面による横断面図である。
【図10】 本発明の第1の実施の形態による沸騰水型原子炉用制御棒の製造方法におけるシースと落下防止リミッタとの溶接箇所を一部拡大して表した斜視図である。
【図11】 図10中XI−XI断面による横断面図である。
【図12】 本発明の第2の実施の形態の製造方法により製造された沸騰水型原子炉用制御棒の全体構造を表す一部破断斜視図である。
【図13】 本発明の第2の実施の形態の製造工程を表す工程図である。
【図14】 本発明の第2の実施の形態による沸騰水型原子炉用制御棒の製造方法におけるシースと引抜タイロッドとの溶接箇所を一部拡大して表した斜視図である。
【図15】 図14中XV−XV断面による横断面図である。
【図16】 溶接試験の施工条件を示した図である。
【図17】 入熱パラメータPと分析パラメータPの相関関係を示す図である。
【図18】 本発明の第2の実施の形態による沸騰水型原子炉用制御棒の製造方法におけるシース溶接の際に使用した自動YAGレーザ溶接機の全体構成を表す概念構成図である。
【図19】 レーザスキャン式二次元変位センサのスキャン方法を示した図である。
【図20】 図19中XX−XX断面による横断面図である。
【図21】 図19中XXI−XXI断面による縦断面図である。
【図22】 本発明の第3の実施の形態による沸騰水型原子炉用制御棒の製造方法におけるシースとタイロッドとの自動溶接箇所を一部拡大して表した斜視図である。
【図23】 図22中XXIII−XXIII断面による横断面図である。
【符号の説明】
1 沸騰水型原子炉用制御棒
4 タイロッド
4A タイロッド軸心
4a 各辺先端部
4b 段差部
4b1 端面
5 ハンドル
5a 下端部
5b 段差部
6 落下速度リミッタ
6a1 上端部
8 シース
8a 凸部(U字形両先端部)
8c 上縁部
8d 下縁部
12 引抜タイロッド(タイロッド)
23 YAGレーザ光
23A ビーム中心軸
30 溶接棒

Claims (6)

  1. 十字形横断面形状のタイロッドと、このタイロッドの軸方向上部に取り付けたハンドルと、前記タイロッドの軸方向下部に取り付けた下部支持部材または落下速度リミッタと、前記タイロッドの前記十字形横断面形状の各辺先端部に取り付けたU字形横断面形状のシースとを備える沸騰水型原子炉用制御棒の製造方法において、
    前記十字形の各辺先端部に前記シース固定用の段差部を備えた前記タイロッドを形成し、
    このタイロッドの前記段差部に、前記シースの前記U字形両先端部をはめ込み、
    そのはめ込んだ状態で、YAGレーザ光またはCOレーザ光を、ビーム中心軸位置が前記段差部の端面位置よりもタイロッド軸心側にずれるように設定し、レーザ光の入熱がタイロッド表面からタイロッド段差部を経由して当該段差部に接するシースへと熱伝達するように照射することにより、前記タイロッドの長手方向において少なくとも一部が連続的な溶接となるようなレーザ溶接を行い、前記シースを前記タイロッドに固定することを特徴とする沸騰水型原子炉用制御棒の製造方法。
  2. 十字形横断面形状のタイロッドと、このタイロッドの軸方向上部に取り付けたハンドルと、前記タイロッドの軸方向下部に取り付けた下部支持部材または落下速度リミッタと、前記タイロッドの前記十字形横断面形状の各辺先端部に取り付けたU字形横断面形状のシースとを備える沸騰水型原子炉用制御棒の製造方法において、
    前記十字形の各辺先端部に前記シース固定用の段差部を備えた前記タイロッドを引き抜き加工により形成し、
    このタイロッドの前記段差部に、前記シースの前記U字形両先端部をはめ込み、
    そのはめ込んだ状態で、YAGレーザ光またはCOレーザ光を、ビーム中心軸位置が前記段差部の端面位置よりもタイロッド軸心側にずれるように設定し、レーザ光の入熱がタイロッド表面からタイロッド段差部を経由して当該段差部に接するシースへと熱伝達するように照射することにより、前記タイロッドの長手方向において少なくとも一部が連続的な溶接となるようなレーザ溶接を行い、前記シースを前記タイロッドに固定することを特徴とする沸騰水型原子炉用制御棒の製造方法。
  3. 十字形横断面形状のタイロッドと、このタイロッドの軸方向上部に取り付けたハンドルと、前記タイロッドの軸方向下部に取り付けた下部支持部材または落下速度リミッタと、少なくとも前記ハンドルの下端部に固定されるシースとを備える沸騰水型原子炉用制御棒の製造方法において、
    前記ハンドルの下端部に、前記シース固定用の段差部を形成し、
    この段差部に、前記シースの上縁部をはめ込み、
    そのはめ込んだ状態で、YAGレーザ光またはCOレーザ光を、ビーム中心軸位置が前記段差部の端面位置よりも反シース側にずれるように設定し、レーザ光の入熱がハンドル表面からタイロッド段差部を経由して当該段差部に接するシースへと熱伝達するように照射することにより、前記シースの上縁部に沿って少なくとも一部が連続的な溶接となるようなレーザ溶接を行い、前記シースを前記ハンドルに固定することを特徴とする沸騰水型原子炉用制御棒の製造方法。
  4. 十字形横断面形状のタイロッドと、このタイロッドの軸方向上部に取り付けたハンドルと、前記タイロッドの軸方向下部に取り付けた下部支持部材または落下速度リミッタと、少なくとも前記下部支持部材又は前記速度リミッタの上端部に固定されるシースとを備える沸騰水型原子炉用制御棒の製造方法において、
    前記下部支持部材又は前記速度リミッタの上端部に、前記シース固定用の段差部を形成し、
    この段差部に、前記シースの下縁部をはめ込み、
    そのはめ込んだ状態で、YAGレーザ光またはCOレーザ光を、ビーム中心軸位置が前記段差部の端面位置よりも反シース側にずれるように設定し、レーザ光の入熱が下部支持部材又は速度リミッタ表面からタイロッド段差部を経由して当該段差部に接するシースへと熱伝達するように照射することにより、前記シースの下縁部に沿って少なくとも一部が連続的な溶接となるようなレーザ溶接を行い、前記シースを前記下部支持部材又は前記速度リミッタに固定することを特徴とする沸騰水型原子炉用制御棒の製造方法。
  5. 請求項1〜のいずれか1項記載の沸騰水型原子炉用制御棒の製造方法において、前記レーザ溶接の際、溶着促進のための溶接棒を用いて溶接を行うことを特徴とする沸騰水型原子炉用制御棒の製造方法。
  6. 請求項記載の沸騰水型原子炉用制御棒の製造方法において、
    前記シースを前記段差部にはめ込んだ状態における前記シースの内周面と前記段差部の底面との間のギャップをG(mm)、
    前記シースを前記段差部にはめ込んだ状態における前記シースの内周面と前記段差部の底面との重なり代をL(mm)、
    シース側へ向かう方向を正、その反対側へ向かう軸方向を負とした場合における、前記レーザ光のビーム中心軸位置から前記シースの端部までの距離をA(mm)、
    前記レーザ光のビームの集光径をD(mm)、
    前記レーザ溶接による入熱量をH(kJ/cm)、
    溶接長1m当たりの前記溶接棒の供給量をW(g/m)、
    としたとき、
    P=0.184+1.11×G+0.964×A+1.07×H-1.17×D-0.11×W−0.807×L
    で求められるパラメータPの値が−0.5以上0.5以下になるように、前記レーザ溶接の施工条件を設定して溶接を行うことを特徴とする沸騰水型原子炉用制御棒の製造方法。
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