JP4037588B2 - 原子炉制御棒の製造方法及び製造装置 - Google Patents

原子炉制御棒の製造方法及び製造装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザ溶接またはTIG溶接により部品相互を接合するようにした原子炉の制御棒の製造方法及び製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
沸騰水型原子炉の圧力容器の内部構造として、その一例を模式的に示すと、図24のような構造のものがある。以下その概略について説明する。
【0003】
図24において、冷却材である水は、炉心下部より燃料を含む燃料棒1の間隙を上昇しながら加熱されて沸騰する。原子炉の出力は制御棒2の引き抜きまたは挿入にともない変化する。この場合、制御棒2を引き抜くと反応度が増し、また制御棒2を挿入すると反応度が減少する。
【0004】
ここで、上記制御棒2の構造の一例を図25に模式的に示す斜視図により説明する。制御棒2は、図25(a)に示すように大きく分けてブレード3と、このブレード3の上端に取付けられたハンドル4と、ブレード3の下端部に取付けられた下部ブレード5とからなり、特にブレード3は、図25(b)に示すように中性子吸収材6とこれを収納するシース7、このシース7内の中性子吸収材6間に水が流れる部分を確保するために挿入されたコマ8により構成されている。
【0005】
また、ブレード3は4枚一組として各々の接合端をタイロッド9にセットし、全体が十字形となるように接合されている。
【0006】
ところで、従来このような原子炉の制御棒2を製造するには、次のような方法により行っていた。図26は制御棒の製造手順の一例を示すものである。
【0007】
図26に示すようにシース7の外周を切断し、水抜き穴を切断した後、シース7をコの字形に曲げ加工を実施する。そして、コの字形になったシース端面揃えを行った後、シース7の内側に中性子吸収材6である炭化硼素(B4C)を入れたチューブを挿入してブレード3を組み立てる。
【0008】
上記方法で製作したフレームにブレードを固定して制御棒を組み立て、これにタイロッド及びハンドル、下部ブレードの溶接を実施し、最後にワイヤブラシなどを用いて仕上げを実施する。
【0009】
なお、中性子吸収材にB4Cを用いるタイプではコマ8は採用されていない。
【0010】
以上は中性子吸収材にB4Cを用いる場合であるが、次に中性子吸収材にハフニウム(Hf)を用いるタイプについて述べる。
【0011】
図26に示すようにシース7の外周を切断し、水抜き穴を切断した後、シース7をコの字形に曲げ加工を実施する。そして、コの字形になったシース7の端面を揃えた後シース7の内側に中性子吸収材6であるHf板とコマ8を挿入した後、シース7とコマ8との溶接を実施して、ワイヤブラシにより仕上げをしてブレード3を完成させる。
【0012】
上記方法で製作したブレード3にタイロッド9、ハンドル4、下部ブレード5を組み立てて溶接を実施し、最後にワイヤブラシを用いて仕上げを実施する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
このように原子炉の制御棒を製造する場合、シース7の切断、曲げ加工を行ってブレード3を組立て、またタイロッド9、ハンドル4、下部ブレード5の各フレームを組立てた後、これらブレード3、タイロッド9、ハンドル4、下部ブレード5の溶接及びシース7とコマ8との溶接を実施している。
【0014】
従来、これら各部品の溶接には、手動によるTIG溶接が用いられている。このTIG溶接は不活性ガス雰囲気中で非消耗性のタングステン電極と母材との間にアークを発生させて溶融する方法である。
【0015】
しかし、この手動によるTIG溶接は、入熱量が大きいため、加工後の変形が大きく、特に溶接変形は顕著であり、その変形を矯正しながら溶接することも多い。また、溶接の加工速度が遅いため、生産性が低いという問題もある。
【0016】
本発明は上記のような事情に鑑みてなされたもので、入熱量を少なくして加工後の変形を抑制することができ、且つ溶接速度を上げて生産性を向上させることができる原子炉の制御棒の製造方法及び製造装置を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記の目的を達成するため、次のような方法及び装置により原子炉の制御棒を製造するものである。
【0018】
(1)中性子吸収材、コマ、シースからなるブレードを有する原子炉の制御棒の製造方法において、シースに水抜き穴とコマ用穴を切断加工により設けると共に、外周を切断した後、シースを曲げ加工により形成された凹部間に中性子吸収材とコマを挟み、シースのコマ用穴とコマをレーザ光により溶接を行って一体のブレードを形成し、このブレードとハンドルとをレーザ光により溶接を行い、次いでブレードと下部ブレードとをレーザ光を用いて溶接を行った後に各溶接部をワイヤブラシなどにより表面仕上げを行う。
【0019】
(2)中性子吸収材、シースからなるブレードを有する原子炉の制御棒の製造方法において、シースに水抜き穴を設け、外周を切断した後、シースを曲げ加工により形成された凹部間に中性子吸収材を挟んで一体のブレードを形成し、このブレードとハンドルとをレーザ光により溶接を行い、次いでブレードと下部ブレードとをレーザ光を用いて溶接を行った後に各溶接部をワイヤブラシなどにより表面仕上げを行う。
【0020】
このような方法で制御棒を製造することにより、溶接時の入熱量を低くし、加工後の変形を抑制することができる。さらに、溶接の加工速度を早くすることで、生産性を上げることができる。
【0021】
(3)上記溶接で、開先線を確実に溶融させ、且つシース裏面の裏波ビードを確保するため、開先位置直上または開先位置から平行に2mm以内でずらした位置にYAGレーザ光またはCO2レーザ光を照射する。また、1パスまたは1パス目の狙い位置から2パス目以降の狙い位置を0.1〜2mmの範囲でずらし数パスラップさせ、またはレーザ光を直径2mm以内で円運動した状態で前進させた状態で照射する。さらに、レーザ光を円運動させるには、集光レンズの前にプリズムを入れ、このプリズムをレーザ光の軸を中心に回転させながら、回転状態のプリズムにレーザ光を照射することにより、集光レンズに対してレーザ光が回転しながら入射する。
【0022】
このような方法とすることで、いずれも開先線を確実に溶融させ、さらにシース裏面の裏波ビードを確保できる。
【0023】
(4)その他の方法として、ブレードとタイロッド、またはブレードとハンドル、またはブレードと下部ブレードとをレーザ光により溶接を実施するに際して、タイロッド、またはハンドル、または下部ブレードに2本スリットを設け、そのスリットにブレードの凸部を差込み、ブレードとタイロッドの境界、またはブレードとハンドルの境界、またはブレードと下部ブレードの境界を狙ってレーザ光を照射する。
【0024】
このような方法とすることで、いずれも開先線を確実に溶融させ、さらにシース裏面の裏波ビードを確保できるだけでなく、ブレードの加工精度により開先線がずれることがなくなるため、開先線へのレーザ光の照射を確実なものにすることができる。
【0025】
(5)加工ヘッドにCCDカメラを取付け、このCCDカメラを加工ヘッドごと設計上の開先位置まで移動し、CCDカメラにより溶接部付近の撮像し、その画像から画像処理装置により実際の開先位置を検出し、即ち、シースのコマ用穴とコマの溶接では開先位置からコマの中心座標を検出し、あるいはブレードとタイロッドの溶接、ブレードとハンドルの溶接、ブレードと下部ブレードの溶接では開先位置からそれぞれの溶接の始点から終点を検出し、演算処理装置により実際の開先位置と設計上の開先位置を比較してレーザ光の照射位置のずれを計算し、このレーザ光の照射位置のずれ量に加工ヘッドとCCDカメラとのオフセット量を加えた距離だけ加工ヘッドを移動した後、レーザ光を照射する。
【0026】
このような制御棒の製造装置とすれば、設計上の開先位置と実際の開先位置がずれている場合でも、開先線を確実に溶融させ、さらにシース裏面の裏波ビードが確保でき、且つ溶接工程の自動化を図ることができる。また、溶接時の入熱量を低くし、加工後の変形を抑制することができる。さらに、溶接の加工速度を早くすることで、生産性を上げることができる。
【0027】
(5)一方、中性子吸収材、コマ、シースからなるブレード、または中性子吸収材、シースからなるブレードと、このブレードを固定するタイロッド、このタイロッドとブレードに固定するハンドル及び下部ブレードからなる原子炉の制御棒の製造装置において、前記制御棒を構成する各被溶接物をセットし、溶接を実施するための加工テーブルと、YAGレーザ光またはCO2レーザ光を出力するレーザ発振器と、このレーザ発振器より発振するレーザ光を伝送すると共に、集光レンズにより前記被溶接物に収束させる光学系を有する加工ヘッドと、この加工ヘッドに取付けられ、前記被溶接物の開先近傍を撮像するCCDカメラと、このCCDカメラにより撮像された画像から開先位置を検出する画像処理装置と、この画像処理装置から得られる開先位置と前記設計上の開先位置とを比較し、そのずれを計算する演算処理装置と、この演算処理装置により求められた開先位置のずれに前記CCDカメラと加工ヘッドの間のオフセット量を加えた分だけ前記加工ヘッドまたは加工テーブルを移動させるサーボモータと、このサーボモータを駆動制御する制御手段とを備え、前記加工ヘッドと加工テーブルを少なくとも2台ずつ設け、前記レーザ発振器と前記加工ヘッドとの間に可動式のミラーを設ける。
【0028】
このような制御棒の製造装置とすれば、溶接工程の自動化が可能であり、また開先位置を調整することにより、開先線を確実に溶融させ、さらにシース裏面の裏波ビードを確保でき、且つ溶接工程の自動化を図ることができる。また、入熱量を低くし、加工後の変形を抑制することができ、さらに溶接の加工速度を早くすることにより、生産性を上げることができる。
【0029】
(6)原子炉の制御棒の製造方法において、シースに水抜き穴、コマ用穴を切断加工により設けると共に、外周を切断した後、シースを曲げ加工により形成された凹部間に吸収材とコマを挟み、シースのコマ用穴とコマをTIG溶接により溶接を行って一体のブレードを形成し、このブレードとハンドルとをTIG溶接により溶接を行い、次いでブレードと下部ブレードとをTIG溶接方法を用いて溶接を行った後に各溶接部をワイヤブラシ等により表面仕上げを行う。
【0030】
このような方法で制御棒を製造することにより、溶接時の入熱量を低くし、加工後の変形を抑制することができる。さらに、2つの溶接トーチを同時に使用することにより、生産性を上げることができる。
【0031】
(7)上記溶接で、開先線を確実に溶融させ、且つシース裏面の裏波ビードを確保するため、開先位置直上または開先位置から平行に3mm以内でずらした位置に自動TIG溶接を実施する。
【0032】
このような方法とすることで、いずれも開先線を確実に溶融させ、さらにシース裏面の裏波ビードを確保できる。
【0033】
(8)加工ヘッドにCCDカメラを取付け、このCCDカメラを加工ヘッドごと設計上の開先位置まで移動し、CCDカメラにより溶接部付近の撮像し、その画像から画像処理装置により実際の開先位置を検出し、即ち、シースのコマ用穴とコマの溶接では開先位置からコマの中心座標を検出し、あるいはブレードとタイロッドの溶接、ブレードとハンドルの溶接、ブレードと下部ブレードの溶接では開先位置からそれぞれの溶接の始点から終点を検出し、演算処理装置により実際の開先位置と設計上の開先位置を比較して溶接トーチのずれを計算し、この溶接トーチのずれ量に溶接トーチとCCDカメラとのオフセット量を加えた距離だけ溶接トーチを移動した後、TIG溶接を実施する。
【0034】
このような制御棒の製造装置とすれば、設計上の開先位置と実際の開先位置がずれている場合でも、開先線を確実に溶融させ、さらにシース裏面の裏波ビードが確保でき、且つ溶接工程の自動化を図ることができる。また、溶接速度が安定することにより溶接時の入熱量を低くし、加工後の変形を抑制することができると共に、2つの溶接トーチを同時に使用することで、生産性を上げることができる。
【0035】
(9)吸収材、コマ、シースからなるブレードと、このブレードを固定するタイロッド、このタイロッドとブレードに固定するハンドル及び下部ブレードからなる原子炉の制御棒の製造装置において、ブレードを2枚の金属板からなり、溶接開先部分のみTIG溶接トーチがアクセス出来るように開口している冷やし金で挟み込むことにより、溶接による熱を吸収し溶接変形を大幅に抑えることができる。
【0036】
(10)吸収材、コマ、シースからなるブレードと、このブレードを固定するタイロッド、このタイロッドとブレードに固定するハンドル及び下部ブレードからなる原子炉の制御棒の製造装置において、前記制御棒を構成する各被溶接物をセットし、溶接を実施するための加工テーブルと、TIG溶接トーチとこのTIG溶接トーチに取付けられ、前記被溶接物の開先近傍を撮像するCCDカメラと、このCCDカメラにより撮像された画像から開先位置を検出する画像処理装置と、この画像処理装置から得られる開先位置と前記設計上の開先位置とを比較し、そのずれを計算する演算処理装置と、この演算処理装置により求められた開先位置のずれに前記CCDカメラとと加工ヘッドの間のオフセット量を加えた分だけ前記加工ヘッドまたは加工テーブルを移動させるサーボモータと、このサーボモータを駆動制御する制御手段とを備え、前記TIG溶接トーチと加工テーブルを少なくとも2台ずつ設ける。
【0037】
このような制御棒の製造装置とすれば、溶接工程の自動化が可能であり、また開先位置を調整することにより、開先線を確実に溶融させ、さらにシース裏面の裏波ビードを確保でき、且つ溶接工程の自動化を図ることができる。また、入熱量を低くし、加工後の変形を抑制することができ、さらに2つのTIG溶接トーチを同時に使用することにより、生産性を上げることができる。
【0038】
(11)さらに、シースの水抜き用穴、コマ用穴、外周の切断を、高圧窒素ガスを用いたレーザ切断により実施することにより、切断面は無酸化の状態となるので機械的加工による切断面と同等となり、加工精度も機械加工と同等であるが、加工速度は機械加工よりレーザ切断の方が大幅に早いため、生産性を上げることができる。
【0039】
(12)シースを曲げる工程において、タイロッドと接合する端面が不揃いになりやすいため、機械的加工より加工速度が早く、加工精度が機械加工と同等の高圧窒素ガスを用いたレーザ切断により不揃い部分を除去することにより、生産性を大幅に上げることができる。
【0040】
(13)前記と同様にシースを曲げる工程において、タイロッドと接合する端面が不揃いになりやすいため、機械加工より処理時間の早いシャー切断により不揃い部分を除去することにより、生産性を大幅に上げることができる。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0042】
図1は本発明による原子炉制御棒の製造方法を説明するための第1の実施の形態を示す工程図である。なお、制御棒の構成部品については、図25を参照して述べる。また、ここでは中性子吸収材として、Hfを用いる。
【0043】
まず、レーザ光を用いて、シース7には中性子吸収材6を冷却するための水抜き用の穴と、中性子吸収材6とシース7との間の間隙を確保するためのコマ8をセットするための穴あけ切断を行い、その後、シース外周の切断を行う。
【0044】
このようにシース外周の切断及び穴明け切断にレーザ光を用いているのは、精度を高く保つためである。なお、レーザ光の代わりに型抜きやシェアで穴あけを実施しても良い。切断後は曲げる位置を確認するためのけがきをレーザ光を用いて実施する方が良い。
【0045】
次にシース7を曲げ加工によりコの字形に形成し、このコの字形の内側にコマ8と中性子吸収材6を挿入した後、コマ8とシース7とをレーザ光により溶接する。
【0046】
この場合、コマ8を用いているのは、中性子吸収材6の固定とシース7と中性子吸収材6との間隙を確保するためである。
【0047】
ここで、コマ8とシース7のレーザ光による加工条件の一例を図2(a),(b)に示す。
【0048】
ここで、図2(a)はパルス振幅発振のときの条件であり、同図(b)は連続発振のときの条件である。いずれもYAGレーザのものであり、連続発振の方が溶接は安定する傾向にあるが、どちらを適用しても良い。
【0049】
図3はレーザ照射位置を模式的に示すものである。レーザ照射位置は、図3(a)に示すようにコマ8に対応するシース7の開先直上を基本とするが、裏波ビードを確保するため、(b)に示すように開先から0.1〜2.0mmの範囲内でずらしても良い。
【0050】
また、ビード幅が狭い場合には、図3(c)に示すように開先直上か、または開先から2mmの範囲内でレーザ光を数パスラップさせながら照射する方法もある。すなわち、1パスまたは1パス目の狙い位置から0.1〜2.0mmの範囲でずらして数パスラップさせる。
【0051】
図4はレーザ光を円運動させながら照射するためのレーザ照射位置を模式的に示す。レーザ光を直径2mm以内で円運動させながら前進させながら照射する。
【0052】
図3、図4で示す方法により、広幅で安定なビードが得られ、開先線を確実に溶融させ、裏面の裏波ビードを確保できる。
【0053】
このレーザ光を円運動させる方法として、加工ヘッドまたは加工テーブルを機械的に回転させる方法もある。しかし、この機械的な方法を採用すると、加工速度を数m/min程度まで増加させた場合、円運動がいびつになる。
【0054】
図5はプリズムを使ってレーザ光を回転させるための装置の概略構成を示すものである。図5において、20は加工ヘッドで、この加工ヘッド20のレーザ入射部にはレーザ発振器からレーザ光を導く光ファイバー10が接続され、加工ヘッド内にはレーザ入射部側から出射部側に向かって長焦点レンズ11、プリズム12、集光レンズ13が適宜の間隔を存して保持部材によりそれぞれ保持されている。この場合、プリズム12を保持する保持部材は、周面に歯部を有する回転体に回転自在に支持され、加工ヘッド20の外周に設けられたモータ15によりギア14を回転させ、この回転をギア14と噛合する歯部を介して回転体に伝達可能になっている。また、27はプリズム12の回転速度を制御するコントローラである。
【0055】
このようなレーザ光回転装置において、YAGレーザの場合、発振器からYAGレーザ光を光ファイバー10を通して加工ヘッド20まで導く。このレーザ光は加工ヘッド20内で、長焦点レンズ11により平行光となってプリズム12に導かれ、さらに集光レンズ13を通して加工面に照射される。
【0056】
このとき、プリズム12をモータ15によりギア14を回転させることにより、数m/minの高速で焦点位置を数mmの範囲で回転させることができる。
【0057】
上記はYAGレーザの場合の構成であるが、CO2レーザの場合にも同様のレーザ光回転装置によりレーザ光を円運動させることができる。
【0058】
図6はCO2レーザの場合の構成例を示すもので、YAGレーザの場合の構成と異なる部分は長焦点レンズ11がない他は図5と同様である。
【0059】
次に溶接に用いる治具について図7により説明する。
【0060】
本治具は、図7(a),(b)に示すように全体が銅で構成され、シース7を挟み込むようにその上下面に配置され、レーザ溶接時の冷し金16として使用される。この冷し金16の両面にはコマ8の位置に対応させて逆コーン状の穴16aが設けられ、コマ7の溶接時に図5又は図6の加工ヘッド20がアクセスできるようにしてある。
【0061】
なお、この冷し金16は後述するタイロッドへの溶接にも使用される。
【0062】
最後に溶接後のビード表面をワイヤブラシ仕上げにより滑らかにする。
【0063】
上記の方法にて、中性子吸収材6、コマ8をシース7内に収納し、一体化したものをブレード3と呼ぶ。
【0064】
次にタイロッド9に4枚のブレード3をセットし、ハンドル4並びに下部ブレード5も各々セットする。
【0065】
図8はこれらを固定治具17にセットした状態を示すものである。
【0066】
図8に示すように、少なくとも3個以上の固定治具17を用いて、ブレード3、ハンドル4並びに下部ブレード5をタイロッド9にセットする。この場合、固定治具17は図9に示すように上下に2等分に分割され、その上半部17aと下半部17bの間に4枚のブレード3とその中心部に十字形のタイロッド9をセットする。また、ハンドル4に近い方の固定治具17の外周面に歯部が形成され、この歯部に噛合させたギア18にモータ19が接続され、このモータ19により固定治具17に回転力を伝達して加工位置が変更可能になっている。
【0067】
また、タイロッド9とブレード3は全線が開先ではなく、図8(a)に拡大して示すように溶接開先長さは3〜8cm程度で、溶接しない個所は冷却材である水が通るようにシース7とタイロッド9が離れた状態になっている。
【0068】
さらに、タイロッド9は同図(b)に断面で示すように、シース7との位置合せが容易なようにインローが設けられ、図示矢印で示した位置を開先とする。
【0069】
その他の方法として,同図(c)に示すように,ブレード3とタイロッド9とをレーザ光により溶接を行なうとき、ブレード3とタイロッド9との固定を確実にし、かつブレードの加工精度により開先線がずれを防止し、且つ開先線へのレーザ光の照射を容易かつ確実なものとするため、タイロッド9に2本スリットを設け、そのスリットにブレード3の凸部を差込む。同図(d)に断面で示すように、レーザ光をブレード3とタイロッド9の境界である図示矢印で示した位置をねらって照射する。
【0070】
図10はこのような状態にセットされた制御棒の各構成部品において、2台の溶接機によりタイロッド9に各ブレードを溶接する場合のシステム構成例を示す平面図である。図10において、51は加工ヘッド20を径方向と長手方向に駆動するヘッド駆動機構、52はこのヘッド駆動機構51を通してタイロッド9にブレード3の端面を溶接する溶接機、53はこれら溶接機52及びヘッド駆動機構51を制御する制御装置である。
【0071】
次にタイロッド9を溶接するための溶接条件は、前述した図2(a),(b)で示した条件と同じであり、またレーザ光の照射位置は開先直上を基本とするが、裏波ビードを確保するため、開先から2mmの範囲内でずらしても良い。
【0072】
また、ビード幅が狭い場合には開先直上かまたは開先から2mmの範囲内でレーザ光を数パスラップさせながら照射する方法もある。さらに、ビード幅を広くするため、レーザ光を円運動させる方法もある。いずれの方法も図3、図4で示したコマ8の溶接と同様なので、ここではその説明を省略する。
【0073】
また、溶接変形を低減する目的で冷し金16を加工ヘッド20と干渉しない場所、ここでは垂直方向の上下部に存するブレード3にセットしてある。
【0074】
なお、ハンドル並びに下部ブレードも同時にレーザ光を用いて溶接する。そして、溶接後の表面はワイヤブラシ仕上げにより滑らかにする。
【0075】
このように本発明の第1の実施の形態では、原子炉の制御棒の製造方法において、シース7に水抜き穴、コマ用穴、外周を切断してシース7を曲げ加工して曲げ、この曲げ加工を実施したシース7の間に中性子吸収材6とコマ8を挟み、シース7のコマ用穴とコマ8とをレーザ光により熔接を行って一体のブレード3を形成し、次にブレード3とタイロッド9とをレーザ光により溶接を行い、続いてブレード3とハンドル4もレーザ光により溶接を行い、さらにブレード3と下部ブレード5とをレーザ光により溶接を行った後、各溶接部をワイヤブラシにより仕上げている。
【0076】
従って、原子炉制御棒の溶接にYAGレーザ光を用いることにより溶接時の入熱量を低くできるので、加工後の変形を抑制することができる。さらに、TIG溶接に比べ溶接の加工速度を早くすることができるため、生産性を向上させることができる。
【0077】
図11は本発明による原子炉制御棒の製造方法を説明するための第2の実施の形態を示す工程図である。なお、制御棒の構成部品については、図25を参照して述べる。また、ここでは中性子吸収材として、Hfを用いる。
【0078】
まず、レーザ光を用いて、シース7には中性子吸収材6を冷却するための水抜き用の穴と、中性子吸収材6とシース7との間の間隙を確保するためのコマ8をセットするための穴あけ切断を行い、その後、シース外周の切断を行う。
【0079】
このようにシース外周の切断及び穴明け切断にレーザ光を用いているのは、精度を高く保つためである。なお、レーザ光の代わりに型抜きやシェアで穴あけを実施しても良い。切断後は曲げる位置を確認するためのけがきをレーザ光を用いて実施する方が良い。
【0080】
次にシース7を曲げ加工によりコの字形に形成し、このコの字形の内側にコマ8と中性子吸収材6を挿入し、ブレード3の組み立てを行うが、第2の実施の形態では第1の実施の形態とは異なり、コマ8のレーザ光による溶接を行わず、TIG溶接による仮付けのみとしておく。
【0081】
この状態で、タイロッド9に4枚のブレードをセットし、ハンドル4並びに下部プレート5をそれぞれセットする。このセットの状態は、前述した図8に示す通りである。少なくとも3個以上の固定治具17を用いて、ブレード3、ハンドル4並びに下部ブレード5をタイロッド9にセットする。この場合、固定治具17は図9に示すように2等分に上下に分割され、その上半部17aと下半部17bとの間に各部品をセットする。
【0082】
また、タイロッド9はシース7との位置合せが容易なようにインローが設けられ、タイロッド9とシース7の境を開先としている。
【0083】
次にタイロッド9を熔接するための溶接条件は、前述した図2(a),(b)で示した条件と同じであり、またレーザ光の照射位置は開先直上を基本とするが、裏波ビードを確保するため、開先から2mmの範囲内でずらしても良い。
【0084】
また、ビード幅が狭い場合には開先直上かまたは開先から2mmの範囲内でレーザ光を数パスラップさせながら照射する方法もある。さらに、ビード幅を広くするため、レーザ光を円運動させる方法もある。いずれの方法も図2、図3で説明した通りなので、ここではその説明を省略する。
【0085】
また、溶接変形を低減する目的で、冷し金16を加工ヘッド20と干渉しない場所に存するブレード3にセットしてある。
【0086】
なお、ハンドル並びに下部ブレードも同時にレーザ光を用いて溶接する。続けて、レーザ光を用いてコマ8の溶接を実施した後、その表面をワイヤブラシ仕
上げにより滑らかにする。
【0087】
このような本発明の第2の実施の形態においても、第1の実施の形態と同様のの作用効果を得ることができる。
【0088】
図12は本発明による原子炉制御棒の製造方法を説明するための第3の実施の形態を示す工程図である。なお、制御棒の構成部品については、図25を参照して述べる。また、ここでは中性子吸収材として、BCを用いる。BCを用いる制御棒はシース7の間隙を一定に保つコマ8を用いない点が特徴である。
【0089】
まず、レーザ光を用いて、シース7には中性子吸収材6を冷却するための水抜き用の穴あけ切断を行い、その後、シース外周の切断を行う。
【0090】
このようにシース外周の切断及び穴あけ切断にレーザ光を用いているのは、精度を高く保つためである。なお、レーザ光の代わりに型抜きやシェアで穴あけを実施しても良い。切断後は曲げる位置を確認するためのけがきをレーザ光を用いて実施する方が良い。
【0091】
次にシース7を曲げ加工によりコの字形に形成し、このコの字形の内側に中性子吸収材6を挿入し、ブレード3の組立てを行う。
この状態で、タイロッド9に4枚のブレードをセットし、ハンドル4並びに下部プレート5をそれぞれセットする。このセットの状態は、前述した図8に示す通りである。少なくとも3個以上の固定治具17を用いて、ブレード3、ハンドル4並びに下部ブレード5をタイロッド9にセットする。この場合、固定治具17は図9に示すように上下2等分に分割され、その上半部17aと下半部17bとの間に各部品をセットする。
【0092】
また、タイロッド9はシース7との位置合せが容易なようにインローが設けられ、タイロッド9とシース7の境を開先としている。
【0093】
次にタイロッド9を熔接するための溶接条件は、前述した図2(a),(b)で示した条件と同じであり、またレーザ光の照射位置は開先直上を基本とするが、裏波ビードを確保するため、開先から2mmの範囲内でずらしても良い。
【0094】
また、ビード幅が狭い場合には開先直上かまたは開先から2mmの範囲内でレーザ光を数パスラップさせながら照射する方法もある。さらに、ビード幅を広くするため、レーザ光を円運動させる方法もある。いずれの方法も図3、図4で説明した通りなので、ここではその説明を省略する。
【0095】
また、溶接変形を低減する目的で、冷し金16を加工ヘッド20と干渉しない場所に存するブレード3にセットしてある。
【0096】
なお、ハンドル並びに下部ブレードも同時にレーザ光を用いて溶接する。
【0097】
このような本発明の第3の実施の形態においても、第1の実施の形態及び第2の実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0098】
図13は本発明の第4の実施の形態におけるコマ溶接に用いた装置を模式的に示すものである。
【0099】
図13に示すように、シース7の上部からコマ溶接用の穴を通してコマ8が見える。そこで、加工ヘッド20に取付けたCCDカメラ21を通して穴を確認する。
【0100】
図14は自動コマ溶接装置のブロック図を示すものである。図14に示すように、CCDカメラ21にて認識した穴の画像情報は、まず画像処理装置22により形状情報に変換され、円の中心座標を認識し、この座標情報を演算処理装置23に入力する。演算処理装置23では、この座標と予め加工データとして蓄えられた穴の中心座標とを比較し、穴のずれ量を検出する。この情報はオペコン24を通して数値制御装置25にフィードバックされ、NCサーボモータ26を駆動する。
【0101】
図15は自動コマ溶接のシーケンスを示すものである。
【0102】
図15において、まず加工ヘッド20を移動し、加工原点を決定する。これにはCCDカメラ21の加工原点も含む。あるコマの中心位置まで加工ヘッド20を移動し、図14に示したようにCCDカメラ21及び画像処理装置22、演算処理装置23により位置ずれを検出する。この位置のずれ量に加工ヘッド20とCCDカメラ21とのオフセット量を加えた距離だけ加工ヘッド20を移動させる。
【0103】
このような状態で加工ヘッド20の移動を開始し、ビーム照射を開始すると溶接が始まる。そして、溶接が終了するとビーム照射を停止し、加工ヘッド20の移動も停止する。
【0104】
このようにしてブレードの片面のコマ溶接を終了すると、これとは反対側の片面のコマ溶接を実施する。
【0105】
以上はコマ溶接の場合であるが、タイロッド溶接の場合にも前述した図13及び図14に示した装置を用いて同様に実施できる。
【0106】
図16は自動タイロッド溶接のシーケンスを示すものである。
【0107】
図16において、まず加工ヘッド20を移動し、加工原点を決定する。次に図8(d),(e)に拡大図として示すように、タイロッド9とシース7の溶接個所では、シース7側に凸部が、タイロッド9側にインローが設けられている。そのシース7の凸部の片側の端部、即ち加工の原点まで加工ヘッド20を移動し、CCDカメラ21及び画像処理装置22、演算処理装置23により加工の始点の位置ずれを検出する。同様にシース7の凸部のもう片側の端部、即ち加工の終点まで加工ヘッド20を移動し、CCDカメラ21及び画像処理装置22、演算処理装置23により加工の終点の位置ずれを検出する。そして、加工ヘッド20を加工の始点のずれ量に加工ヘッド20とCCDカメラ21とのオフセット量を加えた距離だけ移動する。
【0108】
このような状態で加工ヘッド20の移動を開始し、ビーム照射を開始すると溶接が始まる。そして、溶接が終了するとビーム照射を停止し、加工ヘッド20の移動も停止する。
【0109】
このようにしてブレードの片面のタイロッド溶接が終了すると、残り7面のタイロッド溶接を順次実施する。
【0110】
ただし、前述した第1の実施の形態及び第2の実施の形態において、比較的溶接ビード幅が0.1〜2.0mmと狭い溶接では開先位置とレーザ照射位置とのずれが大きいと、レーザ光を用いた溶接そのものが困難になる。
【0111】
第4の実施の形態では、かかる問題を解消するため、加工ヘッド20に取付けられたCCDカメラ21と画像処理装置22により開先位置を検出し、レーザ光の照射位置を補正することで、精度良くコマ溶接及びタイロッド溶接が可能となり、溶接を自動化することができる。
【0112】
このように本発明の第4の実施の形態では、加工ヘッド20にCCDカメラ21を取付け、数値制御(NC)によりCCDカメラ21ごと設計上の開先位置まで移動し、CCDカメラ21により溶接部付近の画像をとり、その画像情報を画像処理装置22に送り、この画像処理装置22により画像から実際の開先位置を検出し、即ちシース7のコマ用穴とコマ8の溶接では開先位置からコマ8の中心座標を検出し、あるいはブレード3とタイロッド9の溶接、ブレード3とハンドル4の溶接、ブレード3と下部ブレード5の溶接では、開先位置からそれぞれの溶接の始点と終点を検出し、演算処理装置23により実際の開先位置と設計上の開先位置を比較することにより、レーザ光の照射位置のずれを計算し、このレーザ光の照射位置のずれ量に加工ヘッド20とCCDカメラ21とのオフセット量を加えた距離だけ加工ヘッド20を移動した後で、レーザ光を照射するようにしたものである。
【0113】
従って、設計上の開先位置と実際の開先位置がずれている場合でも、開先線を確実に溶融させ、さらにシース裏面の裏波ビードを確保でき、且つ溶接工程の自動化を図ることができる。これにより、溶接時の入熱量を低くし、加工後の変形を抑えることができる。さらに、溶接の加工速度を早くすることで、生産性を向上させることができる。
【0114】
図17は本発明の第5の実施の形態におけるコマ溶接に用いた装置を模式的に示すものである。なお、加工ヘッド部分の構成については図13と同一なので、同一部品には同一符号を付して示す。
【0115】
図17に示すように、少なくとも2台の加工テーブル28上に載置されたシース7に対して、コマ溶接を実施する際、各々のシース7上に加工ヘッド20がセッティングされる。
【0116】
一方、溶接機として設けられたレーザ発振器29より出力されるレーザ光をその光路に配置された可変ミラー30により反射させ、光ファイバー31を通して一方の加工ヘッド20に導き、この加工ヘッド20より溶接個所にレーザ光を照射する。また、他方の加工ヘッド20にレーザ光を導く場合には、可変ミラー30をレーザ光と干渉しない位置に移動させた後、レーザ光路に配置された固定ミラー32に反射させ、光ファイバー31を通して他方の加工ヘッド20に導き、この加工ヘッド20より溶接個所にレーザ光を照射する。
【0117】
この場合、1台のレーザ発振器29のレーザ光を少なくとも2台の加工ヘッドに対して別々の時間帯で使用する、いわゆる時間分光を実施可能にしてレーザ発振器を有効に活用できるようにしている。
【0118】
さらに、各加工ヘッド20に取付けたCCDカメラ21にて認識した穴の画像情報に基いて自動制御でコマ溶接を行うための構成は、図14及び図15で述べた第3の実施の形態と同様なので、ここではその説明を省略する。
【0119】
従って、このような装置を用いることで、溶接工程の自動化が可能であり、且つ開先位置を調整することにより、開先線を確実に溶融させ、さらにシース裏面の裏波ビードを確保でき、且つ溶接工程の自動化を図ることができる。
【0120】
図18は本発明による原子炉制御棒の製造方法を説明するための第6の実施の形態を示す工程図である。なお、制御棒の構成部品については、図25を参照して述べる。また、ここでは吸収材として、Hfを用いる。
【0121】
まず、レーザ光を用いて、シース7には吸収材6を冷却するための水抜き用の穴と、吸収材6とシース7との間の間隙を確保するためのコマ8をセットするための穴あけ切断を行い、その後、シース外周の切断を行う。
【0122】
このようにシース外周の切断及び穴明け切断にレーザ光を用いているのは、精度を高く保つためである。なお、レーザ光の代わりに型抜きやシェアで穴あけを実施しても良い。切断後は曲げる位置を確認するためのけがきをレーザ光を用いて実施する方が良い。
【0123】
次にシース7を曲げ加工によりコの字形に形成する。
【0124】
このとき、シース7のタイロッドと接合する端面側は不揃いになりやすいため、レーザ光を用いて不揃い部分を切断除去する。レーザ光の代わりにシェアで実施しても良い。
【0125】
このコの字形の内側にコマ8と吸収材6を挿入した後、コマ8とシース7とを自動TIG溶接機により溶接する。
【0126】
この場合、コマ8を用いているのは、吸収材6の固定とシース7と中性子吸収材6の間隙を確保するためである。
【0127】
ここで、コマ8とシース7の自動TIG溶接機による溶接条件の一例を図19に示す。
【0128】
TIG溶接機のトーチ位置は、第1の実施の形態で述べた図3(a)と同様にコマ8に対応するシース7の開先直上を基本とするが、裏波ビードを確保するため、(b)に示すように開先から0.1〜3.0mmの範囲内でずらしても良い。
【0129】
図3で示す方法により、安定なビードが得られ、開先線を確実に溶融させ、裏面の裏波ビードを確保できる。
【0130】
次にTIG溶接に用いる治具は、図7と同様なので、ここではその説明を省略する。
【0131】
最後に溶接後のビード表面のグラインダ仕上げにより滑らかにする。
【0132】
上記の方法にて、吸収材6、コマ8をシース7内に収納し、一体化してブレード3とし、次にタイロッド9に4枚のブレード3をセットし、ハンドル4並びに下部ブレード5も各々セットする。
【0133】
これらを固定治具17にセットした状態は図8(a)及び図9と同様なので、ここではその説明を省略する。
【0134】
また、タイロッド9とブレード3は全線が開先ではなく、図8(b)に拡大して示すように溶接開先長さは3〜8cm程度で、溶接しない個所は冷却材である水が通るようにシース7とタイロッド9が離れた状態になっている。
【0135】
さらに、タイロッド9は同図(c)に断面で示すように、シース7との位置合せが容易なようにインローが設けられ、図示矢印で示した位置を開先とする。
【0136】
このような状態にセットされた制御棒の各構成部品において、2台のTIG溶接機によりタイロッド9に各ブレードを溶接する場合のシステム構成は図10と同様である。
【0137】
次にタイロッド9を溶接するための溶接条件は、前述した図19で示した条件と同じであり、またTIG溶接トーチ20の位置は開先直上を基本とするが、裏波ビードを確保するため、開先から3mmの範囲内でずらしても良い。
【0138】
また、溶接変形を低減する目的で冷し金16を溶接トーチ20と干渉しない場所、ここでは垂直方向の上下部に存するブレード3にセットしてある。
【0139】
なお、ハンドル並びに下部ブレードも同時にレーザ光を用いて溶接する。そして、溶接後の表面は表面仕上げにより滑らかにする。
【0140】
このように本発明の第6の実施の形態では、原子炉の制御棒の製造方法において、シース7に水抜き穴、コマ用穴、外周を切断してシース7を曲げ加工して曲げ、この曲げ加工を実施したシース7の間に吸収材6とコマ8を挟み、シース7のコマ用穴とコマ8とをTIG溶接機により溶接を行って一体のブレード3を形成し、次にブレード3とタイロッド9とをTIG溶接機により溶接を行い、続いてブレード3とハンドル4もTIG溶接機により溶接を行い、さらにブレード3と下部ブレード5とをレーザ光により溶接を行った後、各溶接部をワイヤブラシ等により仕上げている。
【0141】
従って、原子炉制御棒の溶接に自動TIG溶接機を用いることにより溶接時の入熱量を低くできるので、加工後の変形を抑制することができる。さらに、2つの加工ヘッドに代わるTIG溶接トーチ20を同時に使用することにより、生産性を向上させることができる。
【0142】
図20は本発明による原子炉制御棒の製造方法を説明するための第7の実施の形態を示す工程図である。なお、制御棒の構成部品については、図25を参照して述べる。また、ここでは吸収材として、Hfを用いる。
【0143】
まず、レーザ光を用いて、シース7には吸収材6を冷却するための水抜き用の穴と、吸収材6とシース7との間の間隙を確保するためのコマ8をセットするための穴あけ切断を行い、その後、シース外周の切断を行う。
【0144】
このようにシース外周の切断及び穴明け切断にレーザ光を用いているのは、精度を高く保つためである。なお、レーザ光の代わりに型抜きやシェアで穴あけを実施しても良い。切断後は曲げる位置を確認するためのけがきをレーザ光を用いて実施する方が良い。
【0145】
次にシース7を曲げ加工によりコの字形に形成する。
【0146】
さらに、このときにシース7のタイロッドと接合する端面側は不揃いになりやすいため、レーザ光を用いて不揃い部分を切断除去する。レーザ光の代わりにシェアで実施しても良い。
【0147】
このコの字形の内側にコマ8と中性子吸収材6を挿入し、ブレード3の組立てを行うが、第7の実施の形態では第6の実施の形態とは異なり、コマ8のレーザ光による溶接を行わず、TIG溶接による仮付けのみとしておく。
【0148】
この状態で、タイロッド9に4枚のブレードをセットし、ハンドル4並びに下部プレート5をそれぞれセットする。
【0149】
これらを固定治具17にセットした状態は図8(a)及び図9と同様なので、ここではその説明を省略する。
【0150】
次にタイロッド9を溶接するための溶接条件は、前述した図19で示した条件と同じであり、またTIG溶接トーチ20の位置は開先直上を基本とするが、裏波ビードを確保するため、開先から3mmの範囲内でずらしても良い。
【0151】
また、溶接変形を低減する目的で、冷し金16を溶接トーチ20と干渉しない場所に存するブレード3にセットしてある。
【0152】
なお、ハンドル並びに下部ブレードも同時にレーザ光を用いて溶接する。続けて、レーザ光を用いてコマ8の溶接を実施した後、その表面を表面仕上げにより滑らかにする。
【0153】
このように本発明の第7の実施の形態においても、第6の実施の形態と同様のの作用効果を得ることができる。
【0154】
図21は本発明の第8の実施の形態として自動TIG溶接機によるコマ溶接を実施する場合のシーケンスを示すものである。
【0155】
なお、自動コマ溶接装置の構成及びその制御装置は図13及び図14と同様なので、ここではその説明を省略する。
【0156】
図21において、まず加工ヘッドに代わる溶接トーチ20を移動し、加工原点を決定する。これにはCCDカメラ21の加工原点も含む。あるコマの中心位置まで溶接トーチ20を移動し、図14に示したようにCCDカメラ21及び画像処理装置22、演算処理装置23により位置ずれを検出する。この位置のずれ量に溶接トーチ20とCCDカメラ21とのオフセット量を加えた距離だけ溶接トーチ20を移動させる。
【0157】
このような状態で溶接トーチ20の移動を開始し、TIG溶接を開始すると溶接が始まる。そして、溶接が終了すると溶接アークが停止し、溶接トーチの移動も停止する。
【0158】
このようにしてブレードの片面のコマ溶接を終了すると、これとは反対側の片面のコマ溶接を実施する。
【0159】
以上はコマ溶接の場合であるが、タイロッド溶接の場合にも前述同様に実施できる。
【0160】
図22は自動TIG溶接機によるタイロッド溶接を実施する場合のシーケンスを示すものである。
【0161】
図22において、まず加工ヘッドに代わる溶接トーチ20を移動し、加工原点を決定する。次に図8(d),(e)に拡大図として示すように、タイロッド9とシース7の溶接個所では、シース7側に凸部が、タイロッド9側にインローが設けられている。そのシース7の凸部の片側の端部、即ち加工の原点まで図14に示す溶接トーチ20を移動し、CCDカメラ21及び画像処理装置22、演算処理装置23により加工の始点の位置ずれを検出する。同様にシース7の凸部のもう片側の端部、即ち加工の終点まで溶接トーチを移動し、CCDカメラ21及び画像処理装置22、演算処理装置23により加工の終点の位置ずれを検出する。そして、溶接トーチを加工の始点のずれ量に溶接トーチとCCDカメラ21とのオフセット量を加えた距離だけ移動する。
【0162】
このような状態で溶接トーチ20の移動を開始し、TIG溶接を開始すると溶接が始まる。そして、溶接が終了すると溶接アークは停止し、溶接トーチの移動も停止する。
【0163】
このようにしてブレードの片面のタイロッド溶接が終了すると、残り7面のタイロッド溶接を順次実施する。
【0164】
ただし、前述した第6の実施の形態及び第7の実施の形態において、開先位置と溶接トーチ位置とのずれが大きいと、溶接そのものが困難になる。
【0165】
第8の実施の形態では、かかる問題を解消するため、溶接トーチ20に取付けられたCCDカメラ21と画像処理装置22により開先位置を検出し、溶接トーチの位置を補正することで、精度良くコマ溶接及びタイロッド溶接が可能となり、溶接を自動化することができる。
【0166】
このように本発明の第8の実施の形態では、溶接トーチ20にCCDカメラ21を取付け、数値制御(NC)によりCCDカメラ21ごと設計上の開先位置まで移動し、CCDカメラ21により溶接部付近の画像をとり、その画像情報を画像処理装置22に送り、この画像処理装置22により画像から実際の開先位置を検出し、即ちシース7のコマ用穴とコマ8の溶接では開先位置からコマ8の中心座標を検出し、あるいはブレード3とタイロッド9の溶接、ブレード3とハンドル4の溶接、ブレード3と下部ブレード5の溶接では、開先位置からそれぞれの溶接の始点と終点を検出し、演算処理装置23により実際の開先位置と設計上の開先位置を比較することにより、TIG溶接トーチの位置のずれを計算し、この溶接トーチ位置のずれ量に溶接トーチとCCDカメラ21とのオフセット量を加えた距離だけ溶接トーチを移動した後で、TIG溶接を実施するようにしたものである。
【0167】
従って、設計上の開先位置と実際の開先位置がずれている場合でも、開先線を確実に溶融させ、さらにシース裏面の裏波ビードを確保でき、且つ溶接工程の自動化を図ることができる。これにより、溶接時の入熱量を低くし、加工後の変形を抑えることができる。さらに、2つの溶接トーチを同時に使用することで、生産性を向上させることができる。
【0168】
図23は本発明の第9の実施の形態におけるコマ溶接に用いた装置を模式的に示すものである。なお、加工ヘッド部分の構成については図25と同一なので、同一部品には同一符号を付して示す。
【0169】
図23に示すように、少なくとも2台の加工テーブル28上に載置されたシース7に対して、コマ溶接を実施する際、各々のシース7上にTIG溶接機29の溶接トーチ20がセッティングされる。
【0170】
さらに、各溶接トーチに取付けたCCDカメラ21にて認識した穴の画像情報に基いて自動制御でコマ溶接を行うための構成は、図14及び図21で述べた第8の実施の形態と同様なので、ここではその説明を省略する。
【0171】
従って、このような装置を用いることで、溶接工程の自動化が可能であり、且つ開先位置を調整することにより、開先線を確実に溶融させ、さらにシース裏面の裏波ビードを確保でき、且つ溶接工程の自動化を図ることができる。
【0172】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、レーザ光による溶接を実施することにより、入熱量を少なくして加工後の変形を抑制することができ、且つ溶接速度を上げて生産性を向上させることができる原子炉の制御棒とその製造方法及び製造装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による原子炉制御棒の製造方法を説明するための第1の実施の形態を示す工程図。
【図2】(a)はパルス振幅発振のときの条件、(b)は連続発振のときの条件を説明するための図。
【図3】(a)乃至(c)は同実施の形態において、レーザ照射位置又はTIG溶接津トーチ位置を示す模式図。
【図4】同実施の形態において、レーザ光を回転させたときのレーザ照射位置を示す模式図。
【図5】同実施の形態において、プリズムを使ってYAGレーザ光を回転させるための装置の概略構成を示す断面図。
【図6】同実施の形態において、プリズムを使ってCO2レーザ光を回転させるための装置の概略構成を示す断面図。
【図7】(a),(b)は同実施の形態で、溶接に用いる固定治具を示す平面図及び断面図。
【図8】(a)は同じく固定治具全体のセット状態を示す斜視図、(b)は(a)のブレードとタイロッドとの結合部Aの拡大図、(c)は(b)のB−B線に沿う断面図、(d)は他の方法によるブレードとタイロッドとの結合部Aの拡大図、(e)は(d)のC−C線に沿う断面図。
【図9】ブレード及びタイロッドを固定した状態を示す固定治具の正面図。
【図10】2台の溶接機によりタイロッドに各ブレードを溶接する場合のシステム構成例を示す平面図。
【図11】本発明による原子炉制御棒の製造方法を説明するための第2の実施の形態を示す工程図。
【図12】本発明による原子炉制御棒の製造方法を説明するための第3の実施の形態を示す工程図。
【図13】本発明による原子炉制御棒の製造装置の第4の実施の形態におけるコマ溶接時に用いられる装置の概略構成図。
【図14】同実施の形態における駆動制御系を示すブロック図。
【図15】同実施の形態における自動コマ溶接時のシーケンスを示す図。
【図16】同じく自動タイロッド溶接時のシーケンスを示す図。
【図17】本発明の第5の実施の形態におけるコマ溶接時に用いられる装置の概略構成図。
【図18】本発明による原子炉制御棒の製造方法を説明するための第6の実施の形態を示す工程図。
【図19】同実施の形態において、自動TIG溶接機によるコマとシースの溶接条件の一例を示す図。
【図20】本発明による原子炉の制御棒の製造方法を説明するための第7の実施の形態を示す工程図。
【図21】本発明の第8の実施の形態として自動TIG溶接機によるコマ溶接を実施する場合のシーケンスを示す図。
【図22】同じく自動TIG溶接機によるタイロッド溶接を実施する場合のシーケンスを示す図。
【図23】本発明の第9の実施の形態におけるコマ溶接に用いた装置を示す概略構成図。
【図24】沸騰水型原子炉の圧力容器の内部構造の一例を示す鳥瞰図。
【図25】(a)は同じく制御棒の構造を説明するための斜視図、(b)はブレードの断面図。
【図26】従来の原子炉の制御棒の製造手順の一例を説明するための工程図。
【符号の説明】
1:燃料棒
2:制御棒
3:ブレード
4:ハンドル
5:下部ブレード
6:中性子吸収材
7:シース
8:コマ
9:タイロッド
10:光ファイバ
11:長焦点レンズ
12:プリズム
13:集光レンズ
14:ギヤ
15:モータ
16:冷し金
17:固定治具
18:ギア
19:モータ
20:加工ヘッド又は溶接トーチ
21:CCDカメラ
22:画像処理装置
23:演算処理装置
24:オペコン
25:数値制御装置
26:サーボモータ
27:コントローラ
28:加工テーブル
29:溶接機
30:可変ミラー
31:光ファイバー
32:固定ミラー

Claims (9)

  1. 中性子吸収材、シースからなるブレードと、このブレードを固定するタイロッドと、このタイロッドと前記ブレードとにそれぞれ固定するハンドル及び下部ブレードからなる原子炉制御棒の製造方法において、
    前記シースに前記中性子吸収材を冷却するための水抜き穴及びシース外周を切断する第1の工程と、
    この第1の工程で切断された前記シースをコ字形状に曲げ加工する第2の工程と、
    この第2の工程の曲げ加工により形成された前記シースの凹部内に前記中性子吸収材を挟み込む第3の工程と、
    前記ブレードと前記タイロッド、前記ブレードと前記ハンドル及び前記ブレードと前記下部ブレードとを順次溶接する第4の工程とを有し、
    この溶接を開先位置からずらした位置で行うことによって開先線の溶接部の裏側に裏波ビードを確保することを特徴とする原子炉制御棒の製造方法。
  2. 請求項1記載の原子炉制御棒の製造方法における溶接は、レーザ溶接とし、開先位置から平行に2mm以内のずらした位置にレーザ光を照射することを特徴とする原子炉制御棒の製造方法。
  3. 請求項2記載の原子炉制御棒の製造方法において、
    1パス又は1パスの狙い位置から2パス目以降の狙い位置を0.1〜2.0mmの範囲でずらして数パスラップさせることを特徴とする原子炉制御棒の製造方法。
  4. 請求項2記載の原子炉制御棒の製造方法において、
    レーザ光を2mm以内で円運動させつつ前進させて照射することを特徴とする原子炉制御棒の製造方法。
  5. 請求項2記載の原子炉制御棒の製造方法において、
    レーザ光を溶接部に照射する光学系の集光レンズに対して、溶接部とは反対側にプリズムを配置し、このプリズムをレーザ光の軸を中心に回転させながらレーザ光を照射することによりレーザ光の焦点を回転させることを特徴とする原子炉制御棒の製造方法。
  6. 求項1記載の原子炉制御棒の製造方法における溶接は、TIG溶接とし、開先位置から平行に3mm以内のずらした位置をTIG溶接することを特徴とする原子炉制御棒の製造方法。
  7. 請求項1の原子炉制御棒の製造方法において、
    第4の工程でブレードとタイロッド、またはブレードとハンドル、またはブレードと下部ブレードとの溶接を実施するに際して、
    前記タイロッド、または前記ハンドル、または前記下部ブレードに2本スリットを設け、このスリットに前記ブレードの凸部を差込み、前記ブレードと前記タイロッドの境界、または前記ブレードと前記下部ブレードの境界を狙って前記レーザ光を照射することを特徴とする原子炉制御棒の製造方法。
  8. 請求項1の原子炉制御棒の製造方法において、
    第4の工程でブレードとタイロッド、またはブレードとハンドル、またはブレードと下部ブレードとの溶接を実施した後、シース相互間の間隔を保つコマをシースに溶接することを特徴とする原子炉制御棒の製造方法。
  9. 中性子吸収材、シースからなるブレードと、このブレードを固定するタイロッドと、このタイロッドと前記ブレードとにそれぞれ固定するハンドル及び下部ブレードからなる原子炉制御棒の製造装置において、
    前記ブレードと前記タイロッド、前記ブレードと前記ハンドル及び前記ブレードと前記下部ブレードとをそれぞれ溶接する溶接装置を備え、
    この溶接装置は、撮像手段が取付けられた加工ヘッドと、この加工ヘッドを各溶接部の開先位置へ移動させる移動手段と、前記撮像手段で撮像された画像信号を処理する画像処理手段と、この画像処理手段で処理された画像データから開先位置を検出する検出手段と、この検出手段で検出された開先位置と設計上の開先位置とを比較して開先位置のずれ量を計算する演算処理手段と、この演算処理手段で得られた加工ヘッドのずれを無くすように前記移動手段に制御指令を出す制御手段とを備え、
    この溶接を開先位置からずらした位置で行うことによって開先線の溶接部の裏側に裏波ビードを確保することを特徴とする原子炉制御棒の製造装置。
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