JP2004314168A - ポンプ機器類のレーザ肉盛装置及び肉盛方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高い耐磨耗性そして耐食性を有する反面、難肉盛性の高クローム鋼そしてステンレス鋼を素材とするポンプ機器類が磨耗性と腐食性の強いスラリー溶液中において使用される際には、3年前後の周期で取り替えを余儀なくされるている。本発明は上記磨耗と腐食に耐える他金属材料をポンプ機器類に肉盛するに際して、母材に割れを発生させることなく迅速且つ正確に肉盛することにある。
【解決手段】強い耐磨耗性と耐食性を有するコバルト基合金またはニッケル基合金を他金属材料とするポンプ機器類の肉盛創製に際して、往復積層法そしてカスケード積層法また飛び石積層法三つの積層法を併用して行い、同時にこれら積層法の実施方法を定量化することによって上記肉盛の創製が可能となり、そして肉盛作業に先立ってのタッチセンサーによるポンプ機器類の形状認識によって多軸ロボットの迅速且つ正確な駆動を可能とした。
【選択図】図5
【解決手段】強い耐磨耗性と耐食性を有するコバルト基合金またはニッケル基合金を他金属材料とするポンプ機器類の肉盛創製に際して、往復積層法そしてカスケード積層法また飛び石積層法三つの積層法を併用して行い、同時にこれら積層法の実施方法を定量化することによって上記肉盛の創製が可能となり、そして肉盛作業に先立ってのタッチセンサーによるポンプ機器類の形状認識によって多軸ロボットの迅速且つ正確な駆動を可能とした。
【選択図】図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高クローム鋼そしてステンレス鋼を素材とするポンプ機器類に高い耐磨耗性と耐食性を備えた他金属材料のレーザ肉盛に係わる装置と肉盛方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
高クローム鋼そしてステンレス鋼等を素材とするポンプ機器類の磨耗と腐食による損傷をガス溶接あるいはアーク溶接によって肉盛補修する際には、損傷部のみならず周辺部の母材を過熱しポンプ機材の熱変形及び割れなど致命的な欠陥を発生させるため、肉盛補修は困難とされている。
【0003】
その主なる理由はガス溶接あるいはアーク溶接にて高クローム鋼そしてステンレス鋼等を素材とするポンプ機器類を肉盛補修する際には、エネルギー密度(J/mm2)はレーザ光に比べ小さいにもかかわらず、エネルギー投入面積(mm2)がレーザ光に比べて大きいため、投入されるエネルギー量が他金属材料を溶融するレベルに到達した時点では、母材に過大なエネルギーが入熱され母材を過熱するところにある。
【0004】
一方、レーザ光による肉盛創製はエネルギー密度(J/mm2)が大きく且つエネルギー投入面積が小さいため、少ない投入エネルギー量ジュール(J)にて他金属材料を溶融することが可能であり、従って母材への過大な入熱による熱変形或いは割れの発生を抑制すると同時に、母材への他金属材料の溶け込みが少ない利点が得られる。
【0005】
図8はステンレス鋼(硬度200Hv前後)に高い耐磨耗性そして耐食性を有するコバルト基合金(硬度600Hv前後)を他金属材料として、アーク溶接肉盛とレーザ肉盛における母材と肉盛層の境界における硬度分布を示す。
【0006】
レーザ肉盛層の硬度は境界面を境に、肉盛層ではコバルト基合金本来の硬度からステンレス鋼の硬度200Hv前後に急激に変化し、高硬度のコバルト基合金と低硬度の母材が相互に溶融することが少ないことを示している。即ち母材を過熱し溶融する領域が小さく、境界面を中心に肉盛層への母材の溶け込みが少ないため、肉盛層は耐磨耗及び耐食性に富んだコバルト基合金本来の硬度を保つことが可能となる。
【0006】
一方アーク溶接肉盛においては、ステンレス鋼へのコバルト基合金の溶け込みが増加するため、境界面を境にステンレス鋼側は高硬度となる反面、肉盛り層における硬度低下により熱変形及び割れに加えて、コバルト基合金本来の耐磨耗性及び耐食性の低下を来たしている。
【0007】
ポンプ機器類の多軸ロボットによるレーザ肉盛には、機器類の形状データを多軸ロボットへ手作業によって入力するテイーチングを必要とするが、テイーチングに一定の時間を要するため肉盛の作業能率を低下させている。
【0008】
更に手作業によるテイーチングは、入力データのバラツキによる多軸ロボットの動作に影響を与え、肉盛層にバラツキを来たし高品質の肉盛創製を困難にしている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
図9 図10は14%前後の石膏(CaSO4)を含む磨耗性及び腐食性に富んだスラリー溶液の昇圧に際して、二相ステンレス鋼等を素材とするポンプ機器のポンプインペラ及びポンプケーシングに不可避的に発生する磨耗と腐食による損傷例である。
【0008】
図9は直径30cm、回転数1800rpm ポンプ出力35Kwのポンプ機器のポンプインペラに発生する損傷例であるが、損傷は主にスラリー溶液が流入しインペラに衝突するインペラ内径部(43)の近傍とインペラの周速度が最大となり且つスラリー溶液が吐出される外径部(44)の近傍において顕著に進行する。
【0009】
図10は上記仕様のポンプ機器のポンプケーシングに発生する損傷例である。ポンプ内に流入したスラリー溶液流(45)が昇圧され、外部へ排出される吐出口(46)付近において損傷は顕著であり、インペラそしてケーシング共にポンプ使用開始後おおよそ3年程度にて上記の損傷に達するが、肉盛補修されることなく更新されている。
【0010】
二相ステンレス鋼を素材とするポンプ機器類のインペラブレードに、コバルト基合金を他金属材料とする肉盛を始端部から終端部方向のみの往路積層法にて肉盛した際には、ポンプインペラ母材部に熱応力の集中による始端部割れ(47)及び終端部割れ(49)が発生する。
表1は上記肉盛の創製条件を示す。
【表1】
【0011】
レーザ肉盛時の入熱はガス溶接そしてアーク溶接に比べると極めて少ないため割れの発生は軽減されるが、二相ステンレス鋼を素材とする金属材料にコバルト基合金を他金属材料としてレーザ肉盛する際には、両者の線膨張係数が大きく異なるため(二相ステンレス鋼14×10−17/℃ コバルト基合金 14×10−14/℃)、二相ステンレス鋼を素材とするポンプ機器類へのコバルト基合金など他金属材料のレーザ肉盛を困難にしている。
【0012】
多軸ロボットによる肉盛に際しては、多軸ロボットに装荷したレーザ装置からのレーザ光照射位置と金属材料表面を常に一定の距離に保持しつつ多軸ロボットが駆動するように、多軸ロボットへ金属材料表面の形状データを記憶させるテイーチングが必要となる。例えば、図12に示すインペラブレード(51)のテイーチングは肉盛対象面をヨコABCDEFとタテabcdeに示すように、金属材料の表面形状に応じて分割し、Aa Ab Acの順にFc まで、合計28点の位置データを駆動ロボットに入力する。
【0013】
多軸ロボットに入力された位置データに従がってインペラブレード表面上を走査するため、複雑な表面形状をテイーチングする際には、上記タテ×ヨコの分割数を増やし位置データの入力を増やすことによって、多軸ロボットがインペラブレード表面と一定の距離を保持しつつ走査することを可能にしている。
【0014】
上記タテ×ヨコ数の設定は表面形状によって異なり、例えば多軸ロボット(36)のアーム(36a)に装荷されたレーザ装置(34)におけるレーザ照射位置とインペラブレード間の許容誤差が±0.1mmの場合には、図12に示すインペラブレード(51)のヨコ方向Aa〜Baの直線部、そしてタテ方向Aa〜Abの直線部が±0.1mmの誤差範囲内で直線となるようにA〜F a〜eを分割して位置データ数を設定することが求められる。
【0015】
従って肉盛の対象となる金属表面が平面的な形状の位置データ入力は少ない一方、曲率半径が小さい曲面形状のデータ入力は多くなるので、ポンプ機器類の複雑な三次元形状面におけるテイーチングにおいては、必然的に位置データ入力作業が増加し肉盛作業能率を低下させ結果となる。
【0016】
【課題を解決するための手段】
請求項1は、図1に示す粉末供給機(6)からアルゴンガスをキヤリアーガスとして搬送される他金属材料(粉末)を、過流式粉末供給ノズル内でアルゴンガスと均一に混合し、同時にシールガスとしてアルゴンと窒素の混合ガスを用いることによって高品質の肉盛層の創製を可能にするレーザ肉盛方法としてある。
【0017】
上記した肉盛方法によれば、レーザ出力の増減によって金属母材と渦流式粉末供給ノズル間の距離を変更した際においても、均一な粉末流のノズルからの噴射により高品質な肉盛層の創製が可能となる。
更にシールドガス中の窒素ガス混合比を高めることにより、二相ステンレス鋼を素材とする母材溶接部の窒素含有量を増し、オーステナイト相のフェライト相への変態を抑制することによって、母材の靭性低下を防止することが可能となる。
【0018】
請求項2の発明は、図2に示すレーザ光(12)を集光する集光レンズ(13)他金属材料(粉末)によるレンズの汚損を防止する保護ガラス(14)粉末供給口(11a 11b)円錐形状のノズルフレーム(内)(15)ノズルフレーム(外)16)窒素とアルゴン混合ガスのシールドガス(11)そして粉末がノズルから放出されるノズル出口(17)から構成され、ノズルフレーム(外)とノズルフレーム(内)の間は一定の間隙を有している。
【0019】
円錐形状ノズルの中心より僅かに偏心して、ノズルフレーム(外)(16)に取りつけられた対抗する2本の粉末供給口(10a 10b)を介して、流入するアルゴンガスを搬送ガスとする粉末流は流速の変化によって渦流を形成すると同時に、ノズル内を旋回しながらノズル出口(17)から流出する構造となっている。
【0020】
粉末供給口を通過した後、ノズル内の粉末流は渦流と旋回流によりアルゴンガスと粉末が均一に混合され、より中心部に供給されるため均質なレーザ肉盛層の創製を可能する。
【0021】
同時に旋回流となってノズル出口(17)から噴射される混合流は、旋回流に対応した広がりを形成するため、高レーザ出力そしてデフォーカス即ちレーザスポットサイズが大きくなることによって肉盛母材とノズル間の距離が増加した際においても、均一な粉末流によって高品質の広肉盛巾と高肉盛厚の創製を可能にする。
【0022】
請求項3の発明は、難肉盛性金属材料である高クローム鋼そしてステンレス鋼等を素材とするポンプ機器類に他金属材料をレーザ肉盛する際に、母材そして肉盛層の割れを防止し高品質の肉盛層を創製する肉盛方法としてある。
【0023】
往復積層法は、図3に示す始端部(18)から終端部(21)の長さを30mmとする肉盛を始端部から開始して終端部(21)に達した後、レーザ肉盛を中断することなく引き続き終端部(21)から始端部(18)に向けて連続して復路におけるレーザ肉盛作業を行うものとしてある。
【0024】
上記積層法は、母材と肉盛層双方への入熱が中断されることなく連続的となるため、母材と肉盛層への熱衝撃が緩和され割れの発生が防止される。特に始端部(18)及び終端部(21)の母材温度は他金属材料を溶融する温度に比べると、周辺母材からの冷却効果のため温度が低下しやすい領域にあるので、両端部からの連続的な肉盛作業は両端部近傍における熱衝撃を緩和し、割れの発生防止を可能にするものである。
【0025】
同時に、往復積層法はレーザ光通過後次のレーザ光が到達するまでの時間を短縮するので、両端部の近傍のみならず両端部間の金属母材及び既肉盛層の温度低下を抑え、両端部近傍及び両端部間の熱衝撃による割れの発生を防止するものである。
【0026】
同時に、レーザ肉盛時の溶湯池が冷却し固化する際に、近傍の母材そして肉盛層に発生する引張応力が往復積層法においては相殺されるため、母材及び肉盛層における割れの発生が抑制される。
【0027】
請求項3のカスケード積層法は、図4に示す往復積層法による肉盛層の形状が、始端部(23)と終端部(24)を基点とする傾斜角が25度(°)から45度(°)(25)の傾斜角線(27)上に沿って創製されるように、往復積層時の始端部と終端部を移動することにある。
【0028】
上記傾斜角線(27)に沿って右方向へ移動する長さは、例えば肉盛層幅2mmにて右下方向に傾斜角45度の肉盛層をカスケード形状にて創製する際には、始端部(23)から終端部(24)へ1パスを肉盛し、次に終端部(24)から始端部(23)へ2パスを創製する際に終端部(24)を2mm右方法へ移動する、そして2パスが始端部(23)に到達する際には2mm手前にて2パスの肉盛を終わり、また3パスの始端部は上記2mm手前の点から右方向へ2mm移動した点とし、これらの肉盛方法を順次繰り返すことによって傾斜角45度(°)のカスケード(菱形)の肉盛層が創製される。
【0029】
上記方法による始端部(23)終端部(24)を起点とする傾斜角線(27)上に沿っての移動に伴って、両端部における熱衝撃も傾斜角線上に沿って移動するので、金属母材と肉盛層への熱衝撃が緩和され割れの発生が抑制される。
【0030】
請求項3の飛び石積層法の発明は、他金属材料を往復積層法とカスケード積層法によって肉盛する際、図5に示す肉盛層(31)から20mm〜30mmの間隔をおいて肉盛層(32)肉盛層(33)を創製し、次いで肉盛層(31a)肉盛層(32a)を順次肉盛するものである。
【0031】
上記飛び石積層法による肉盛層の創製は、異なる材料の線膨張係数差によって発生する残留応力を低減し、肉盛層における割れの発生を抑制するものである。
【0032】
請求項3の他金属材料の発明は、高い耐磨耗性と耐食性を備えた高クローム鋼そしてステンレス鋼を素材に製造されるポンプ機器類が素材の耐磨耗性と耐食性を上回るスラリー溶液中で直面する磨耗と腐食による損傷の低減を可能にするものである。
【0033】
即ち、コバルト基合金そしてニッケル基合金を他金属材料とする肉盛層は高クローム鋼そしてステンレス鋼を耐磨耗性と耐食性で大きく上回わるため、これまで3年程度とされていたポンプ機器寿命の大幅な延長を可能にするものである。
【0034】
また、難肉盛性の金属材料である高クロム鋼そしてステンレス鋼に高い耐磨耗性と耐食性を有するコバルト基合金そしてニッケル基合金の肉盛を可能にするのは請求項3の発明によるものであり、上記肉盛創製によって上記合金の優れた特性の発揮を可能とするものである。
【0035】
請求項3のタッチセンサーによる多軸ロボット作動を介しての肉盛層創製の発明は、三次元形状の金属材料の肉盛作業を迅速且つ正確に実施することにより、肉盛作業の能率向上と品質向上の達成を可能とするものである。
【0036】
多軸ロボット(36)のアーム(36a)先端部に装着されたタッチセンサー検出部(39a)は360度(°)全方向へ自在に作動し、アームを介して一定の強さで金属表面を押し付けて走査することによって金属表面の形状を計測する機能を有している。
【0037】
タッチセンサーによって肉盛の対象となる金属表面の形状を計測する際には、図12のインペラブレード(51)を例に挙げると、ヨコ方向A〜Fの間における位置数とタテ方向a〜eの間における位置数をブレードの表面形状に応じて選択し多軸ロボット制御盤(42)に記憶させることによって、多軸ロボットがブレード表面を走査することが可能となる。位置数の選択は表面形状に依存し、平面的な形状の位置数は少なく、曲率半径が小さい曲面形状の位置数は多くなる。
【0038】
アーム先端部に取り付けたタッチセンサー検出部をインペラブレード表面上に一定の強さで接触させて、タテとヨコの位置数が入力された多軸ロボットを走査することによって、インペラブレードの正確な表面形状が多軸ロボット制御盤に入力され、多軸ロボットによる迅速そして正確な肉盛創製を可能とする。
【0039】
請求項4の発明は、二相ステンレス鋼等の金属材料にコバルト基合金の他金属材料を肉盛りするに当たって、シールドガスとしてアルゴンガスに適量(5〜50%)の窒素ガスを混入することにより、窒素ガスは鋼中に溶解し窒化生成物を作り、肉盛層内に高い硬度を有する介在物として残り、耐磨耗性を向上する肉盛り層が得られるものとなる。
【0040】
又、固溶した窒素はオーステナイト生成元素であるため、二相ステンレス鋼金属のオーステナイト%を増加し靭性の低下を防止することが可能となる。
即ち、アルゴンガスによるシールドのみでは、レーザ肉盛りに際してオーステナイト相50%が30%程度に減少するが、窒素の添加により50%に留まりオーステナイト相の減少が見られない。さらに窒素を添加するとブローホールの発生が抑えられる。
【0041】
【発明の実施の形態】
【実施例】
図13は磨耗腐食の損傷が発生した使用済みポンプインペラのブレードを対象に、タッチセンサー(39)そして粉末供給ノズル(40)を使用して、往復積層法そしてカスケード積層法また飛び石積層法を用いて肉盛した実施例を示す。
【0042】
肉盛層(54)を往復積層法 カスケード積層法にて創製して後、20mm飛び石して同様の方法にて(56)を創製、その後(55)(57)を往復積層法カスケード積層法にて創製して得られるものである。
【0043】
肉盛層の創製条件は表1に示すとうりである。
【0044】
肉盛積層法の条件は次ページの表2に示すとうりである。
【表2】
【0045】
図13における肉盛層(54)〜(58)を始め始端部そして終端部近傍の母材のカラーチェック結果、割れの発生は皆無であることが確認された。
【0046】
磨耗性と腐食性に富んだスラリー溶液で満たされている槽内において、直径360mmの回転円盤に取りつけられた二相ステンレス鋼のテストピースと、コバルト基合金を被金属材料としてレーザ肉盛したテストピースを高速回転する方法にて耐磨耗性そして耐食性を調査した結果、コバルト基合金は二相ステンレス鋼を約4倍上回る耐磨耗性そして耐食性を有することが明らかとなった。
【0047】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、円錐台形状の過流式粉末供給ノズルを用いたレーザ肉盛システムの採用によって、低レーザ出力・小スポットサイズにおける短い焦点外し距離から高レーザ出力・大スポットサイズにおける長い焦点外し距離に至るまで焦点外し距離の長短に関係なく、スポットサイズに対応して均一な粉末流がノズル先端部から噴射されるため、高出力から低出力にいたるまで広範囲にわたって高品質の肉盛層を創製する優れた効果がもたらされる。
【0048】
請求項2の発明によれば、円錐台形状の渦流式粉末ノズルは、上記したようにレーザ出力変更に対応した焦点外し距離の変化、即ちスポット径の変化に対しても、均一な濃度分布を伴った粉末流を被肉盛面に供給することを可能にする構造となっており、低レーザ出力における低肉盛厚さと低肉盛巾から高レーザ出力における高肉盛厚さと高肉盛巾までの広い領域における肉盛層の創製を可能にする。
【0049】
また、請求項2の発明によれば、肉盛に際してのレーザ光が他金属材料の粉末を溶融する最適の位置を、ノズル出口部のしかるべき位置に設定することを可能にするため、従来肉盛作業の都度行うレーザ光の照射線と粉末供給ノズルとの細心の調整作業から解放され、単に作業能率の向上のみならず、高品質の肉盛層の創製を可能にするという優れた効果がもたらされる。
【0050】
請求項3の発明によれば、三つの積層法を適用することにより、使用前ポンプ機器類に高い耐磨耗性及び耐食性を有するコバルト基合金及びニッケル基合金を肉盛し、そして既に使用を開始し損傷を受けたポンプ機器類に対して同様に上記合金を肉盛補修することによって、高品質そして高価格の素材をベースに製造されているポンプ機器類のこれまでの3年程度での更新に代わって、長期間使用による長寿命化と肉盛補修によるリサイクル化が実現可能となり、従来の技術を飛躍的に発展する効果が期待出来る。
【0051】
請求項3のタッチセンサー導入の発明によれば、肉盛作業に先立って対象となるポンプ機器類の肉盛面形状データを多軸ロボットへ入力するテイーチングの手作業に代わるタッチセンサーの導入によって、肉盛作業の品質向上と共に従来作業時間短縮の妨げとなっていたテイーチング時間の大幅な短縮が可能となりコスト削減が期待出来る。
【0052】
請求項4の発明によれば、シールドガスとしてアルゴン・窒素の混合ガスを使用することにより、オーステナイト相の低下を防止し靭性を維持することが期待されると共に、高硬度の窒化生成物を作るため耐磨耗性の向上が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】レーザ肉盛システムを示す図である。
【図2】円錐台形状の粉末供給ノズル概念を示す図である。
【図3】往復レーザ積層法を概念的に示す図である。
【図4】カスケードレーザ積層法を概念的に示す図である。
【図5】飛び石レーザ積層法を概念的に示す図である。
【図6】タッチセンサーを備えたレーザ肉盛システムを示す図である。
【図7】タッチセンサーによる三次元形状金属母材の計測システムを示す図である。
【図8】アーク肉盛とレーザ肉盛における硬度比較を示す図である。
【図9】ポンプインペラにおける磨耗腐食の発生例を示す図である。
【図10】ポンプケーシングにおける摩耗腐食の発生例を示す図である
【図11】往路積層法によるレーザ肉盛法によってインペラブレードにクラックが発生した例を示す図である。
【図12】多軸ロボットへのテイーチングを概念的に示す例である。
【図13】使用済みポンプインペラへ往復・カスケード・飛び石の各積層法を併用して、レーザ肉盛した例を示す図である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、高クローム鋼そしてステンレス鋼を素材とするポンプ機器類に高い耐磨耗性と耐食性を備えた他金属材料のレーザ肉盛に係わる装置と肉盛方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
高クローム鋼そしてステンレス鋼等を素材とするポンプ機器類の磨耗と腐食による損傷をガス溶接あるいはアーク溶接によって肉盛補修する際には、損傷部のみならず周辺部の母材を過熱しポンプ機材の熱変形及び割れなど致命的な欠陥を発生させるため、肉盛補修は困難とされている。
【0003】
その主なる理由はガス溶接あるいはアーク溶接にて高クローム鋼そしてステンレス鋼等を素材とするポンプ機器類を肉盛補修する際には、エネルギー密度(J/mm2)はレーザ光に比べ小さいにもかかわらず、エネルギー投入面積(mm2)がレーザ光に比べて大きいため、投入されるエネルギー量が他金属材料を溶融するレベルに到達した時点では、母材に過大なエネルギーが入熱され母材を過熱するところにある。
【0004】
一方、レーザ光による肉盛創製はエネルギー密度(J/mm2)が大きく且つエネルギー投入面積が小さいため、少ない投入エネルギー量ジュール(J)にて他金属材料を溶融することが可能であり、従って母材への過大な入熱による熱変形或いは割れの発生を抑制すると同時に、母材への他金属材料の溶け込みが少ない利点が得られる。
【0005】
図8はステンレス鋼(硬度200Hv前後)に高い耐磨耗性そして耐食性を有するコバルト基合金(硬度600Hv前後)を他金属材料として、アーク溶接肉盛とレーザ肉盛における母材と肉盛層の境界における硬度分布を示す。
【0006】
レーザ肉盛層の硬度は境界面を境に、肉盛層ではコバルト基合金本来の硬度からステンレス鋼の硬度200Hv前後に急激に変化し、高硬度のコバルト基合金と低硬度の母材が相互に溶融することが少ないことを示している。即ち母材を過熱し溶融する領域が小さく、境界面を中心に肉盛層への母材の溶け込みが少ないため、肉盛層は耐磨耗及び耐食性に富んだコバルト基合金本来の硬度を保つことが可能となる。
【0006】
一方アーク溶接肉盛においては、ステンレス鋼へのコバルト基合金の溶け込みが増加するため、境界面を境にステンレス鋼側は高硬度となる反面、肉盛り層における硬度低下により熱変形及び割れに加えて、コバルト基合金本来の耐磨耗性及び耐食性の低下を来たしている。
【0007】
ポンプ機器類の多軸ロボットによるレーザ肉盛には、機器類の形状データを多軸ロボットへ手作業によって入力するテイーチングを必要とするが、テイーチングに一定の時間を要するため肉盛の作業能率を低下させている。
【0008】
更に手作業によるテイーチングは、入力データのバラツキによる多軸ロボットの動作に影響を与え、肉盛層にバラツキを来たし高品質の肉盛創製を困難にしている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
図9 図10は14%前後の石膏(CaSO4)を含む磨耗性及び腐食性に富んだスラリー溶液の昇圧に際して、二相ステンレス鋼等を素材とするポンプ機器のポンプインペラ及びポンプケーシングに不可避的に発生する磨耗と腐食による損傷例である。
【0008】
図9は直径30cm、回転数1800rpm ポンプ出力35Kwのポンプ機器のポンプインペラに発生する損傷例であるが、損傷は主にスラリー溶液が流入しインペラに衝突するインペラ内径部(43)の近傍とインペラの周速度が最大となり且つスラリー溶液が吐出される外径部(44)の近傍において顕著に進行する。
【0009】
図10は上記仕様のポンプ機器のポンプケーシングに発生する損傷例である。ポンプ内に流入したスラリー溶液流(45)が昇圧され、外部へ排出される吐出口(46)付近において損傷は顕著であり、インペラそしてケーシング共にポンプ使用開始後おおよそ3年程度にて上記の損傷に達するが、肉盛補修されることなく更新されている。
【0010】
二相ステンレス鋼を素材とするポンプ機器類のインペラブレードに、コバルト基合金を他金属材料とする肉盛を始端部から終端部方向のみの往路積層法にて肉盛した際には、ポンプインペラ母材部に熱応力の集中による始端部割れ(47)及び終端部割れ(49)が発生する。
表1は上記肉盛の創製条件を示す。
【表1】
【0011】
レーザ肉盛時の入熱はガス溶接そしてアーク溶接に比べると極めて少ないため割れの発生は軽減されるが、二相ステンレス鋼を素材とする金属材料にコバルト基合金を他金属材料としてレーザ肉盛する際には、両者の線膨張係数が大きく異なるため(二相ステンレス鋼14×10−17/℃ コバルト基合金 14×10−14/℃)、二相ステンレス鋼を素材とするポンプ機器類へのコバルト基合金など他金属材料のレーザ肉盛を困難にしている。
【0012】
多軸ロボットによる肉盛に際しては、多軸ロボットに装荷したレーザ装置からのレーザ光照射位置と金属材料表面を常に一定の距離に保持しつつ多軸ロボットが駆動するように、多軸ロボットへ金属材料表面の形状データを記憶させるテイーチングが必要となる。例えば、図12に示すインペラブレード(51)のテイーチングは肉盛対象面をヨコABCDEFとタテabcdeに示すように、金属材料の表面形状に応じて分割し、Aa Ab Acの順にFc まで、合計28点の位置データを駆動ロボットに入力する。
【0013】
多軸ロボットに入力された位置データに従がってインペラブレード表面上を走査するため、複雑な表面形状をテイーチングする際には、上記タテ×ヨコの分割数を増やし位置データの入力を増やすことによって、多軸ロボットがインペラブレード表面と一定の距離を保持しつつ走査することを可能にしている。
【0014】
上記タテ×ヨコ数の設定は表面形状によって異なり、例えば多軸ロボット(36)のアーム(36a)に装荷されたレーザ装置(34)におけるレーザ照射位置とインペラブレード間の許容誤差が±0.1mmの場合には、図12に示すインペラブレード(51)のヨコ方向Aa〜Baの直線部、そしてタテ方向Aa〜Abの直線部が±0.1mmの誤差範囲内で直線となるようにA〜F a〜eを分割して位置データ数を設定することが求められる。
【0015】
従って肉盛の対象となる金属表面が平面的な形状の位置データ入力は少ない一方、曲率半径が小さい曲面形状のデータ入力は多くなるので、ポンプ機器類の複雑な三次元形状面におけるテイーチングにおいては、必然的に位置データ入力作業が増加し肉盛作業能率を低下させ結果となる。
【0016】
【課題を解決するための手段】
請求項1は、図1に示す粉末供給機(6)からアルゴンガスをキヤリアーガスとして搬送される他金属材料(粉末)を、過流式粉末供給ノズル内でアルゴンガスと均一に混合し、同時にシールガスとしてアルゴンと窒素の混合ガスを用いることによって高品質の肉盛層の創製を可能にするレーザ肉盛方法としてある。
【0017】
上記した肉盛方法によれば、レーザ出力の増減によって金属母材と渦流式粉末供給ノズル間の距離を変更した際においても、均一な粉末流のノズルからの噴射により高品質な肉盛層の創製が可能となる。
更にシールドガス中の窒素ガス混合比を高めることにより、二相ステンレス鋼を素材とする母材溶接部の窒素含有量を増し、オーステナイト相のフェライト相への変態を抑制することによって、母材の靭性低下を防止することが可能となる。
【0018】
請求項2の発明は、図2に示すレーザ光(12)を集光する集光レンズ(13)他金属材料(粉末)によるレンズの汚損を防止する保護ガラス(14)粉末供給口(11a 11b)円錐形状のノズルフレーム(内)(15)ノズルフレーム(外)16)窒素とアルゴン混合ガスのシールドガス(11)そして粉末がノズルから放出されるノズル出口(17)から構成され、ノズルフレーム(外)とノズルフレーム(内)の間は一定の間隙を有している。
【0019】
円錐形状ノズルの中心より僅かに偏心して、ノズルフレーム(外)(16)に取りつけられた対抗する2本の粉末供給口(10a 10b)を介して、流入するアルゴンガスを搬送ガスとする粉末流は流速の変化によって渦流を形成すると同時に、ノズル内を旋回しながらノズル出口(17)から流出する構造となっている。
【0020】
粉末供給口を通過した後、ノズル内の粉末流は渦流と旋回流によりアルゴンガスと粉末が均一に混合され、より中心部に供給されるため均質なレーザ肉盛層の創製を可能する。
【0021】
同時に旋回流となってノズル出口(17)から噴射される混合流は、旋回流に対応した広がりを形成するため、高レーザ出力そしてデフォーカス即ちレーザスポットサイズが大きくなることによって肉盛母材とノズル間の距離が増加した際においても、均一な粉末流によって高品質の広肉盛巾と高肉盛厚の創製を可能にする。
【0022】
請求項3の発明は、難肉盛性金属材料である高クローム鋼そしてステンレス鋼等を素材とするポンプ機器類に他金属材料をレーザ肉盛する際に、母材そして肉盛層の割れを防止し高品質の肉盛層を創製する肉盛方法としてある。
【0023】
往復積層法は、図3に示す始端部(18)から終端部(21)の長さを30mmとする肉盛を始端部から開始して終端部(21)に達した後、レーザ肉盛を中断することなく引き続き終端部(21)から始端部(18)に向けて連続して復路におけるレーザ肉盛作業を行うものとしてある。
【0024】
上記積層法は、母材と肉盛層双方への入熱が中断されることなく連続的となるため、母材と肉盛層への熱衝撃が緩和され割れの発生が防止される。特に始端部(18)及び終端部(21)の母材温度は他金属材料を溶融する温度に比べると、周辺母材からの冷却効果のため温度が低下しやすい領域にあるので、両端部からの連続的な肉盛作業は両端部近傍における熱衝撃を緩和し、割れの発生防止を可能にするものである。
【0025】
同時に、往復積層法はレーザ光通過後次のレーザ光が到達するまでの時間を短縮するので、両端部の近傍のみならず両端部間の金属母材及び既肉盛層の温度低下を抑え、両端部近傍及び両端部間の熱衝撃による割れの発生を防止するものである。
【0026】
同時に、レーザ肉盛時の溶湯池が冷却し固化する際に、近傍の母材そして肉盛層に発生する引張応力が往復積層法においては相殺されるため、母材及び肉盛層における割れの発生が抑制される。
【0027】
請求項3のカスケード積層法は、図4に示す往復積層法による肉盛層の形状が、始端部(23)と終端部(24)を基点とする傾斜角が25度(°)から45度(°)(25)の傾斜角線(27)上に沿って創製されるように、往復積層時の始端部と終端部を移動することにある。
【0028】
上記傾斜角線(27)に沿って右方向へ移動する長さは、例えば肉盛層幅2mmにて右下方向に傾斜角45度の肉盛層をカスケード形状にて創製する際には、始端部(23)から終端部(24)へ1パスを肉盛し、次に終端部(24)から始端部(23)へ2パスを創製する際に終端部(24)を2mm右方法へ移動する、そして2パスが始端部(23)に到達する際には2mm手前にて2パスの肉盛を終わり、また3パスの始端部は上記2mm手前の点から右方向へ2mm移動した点とし、これらの肉盛方法を順次繰り返すことによって傾斜角45度(°)のカスケード(菱形)の肉盛層が創製される。
【0029】
上記方法による始端部(23)終端部(24)を起点とする傾斜角線(27)上に沿っての移動に伴って、両端部における熱衝撃も傾斜角線上に沿って移動するので、金属母材と肉盛層への熱衝撃が緩和され割れの発生が抑制される。
【0030】
請求項3の飛び石積層法の発明は、他金属材料を往復積層法とカスケード積層法によって肉盛する際、図5に示す肉盛層(31)から20mm〜30mmの間隔をおいて肉盛層(32)肉盛層(33)を創製し、次いで肉盛層(31a)肉盛層(32a)を順次肉盛するものである。
【0031】
上記飛び石積層法による肉盛層の創製は、異なる材料の線膨張係数差によって発生する残留応力を低減し、肉盛層における割れの発生を抑制するものである。
【0032】
請求項3の他金属材料の発明は、高い耐磨耗性と耐食性を備えた高クローム鋼そしてステンレス鋼を素材に製造されるポンプ機器類が素材の耐磨耗性と耐食性を上回るスラリー溶液中で直面する磨耗と腐食による損傷の低減を可能にするものである。
【0033】
即ち、コバルト基合金そしてニッケル基合金を他金属材料とする肉盛層は高クローム鋼そしてステンレス鋼を耐磨耗性と耐食性で大きく上回わるため、これまで3年程度とされていたポンプ機器寿命の大幅な延長を可能にするものである。
【0034】
また、難肉盛性の金属材料である高クロム鋼そしてステンレス鋼に高い耐磨耗性と耐食性を有するコバルト基合金そしてニッケル基合金の肉盛を可能にするのは請求項3の発明によるものであり、上記肉盛創製によって上記合金の優れた特性の発揮を可能とするものである。
【0035】
請求項3のタッチセンサーによる多軸ロボット作動を介しての肉盛層創製の発明は、三次元形状の金属材料の肉盛作業を迅速且つ正確に実施することにより、肉盛作業の能率向上と品質向上の達成を可能とするものである。
【0036】
多軸ロボット(36)のアーム(36a)先端部に装着されたタッチセンサー検出部(39a)は360度(°)全方向へ自在に作動し、アームを介して一定の強さで金属表面を押し付けて走査することによって金属表面の形状を計測する機能を有している。
【0037】
タッチセンサーによって肉盛の対象となる金属表面の形状を計測する際には、図12のインペラブレード(51)を例に挙げると、ヨコ方向A〜Fの間における位置数とタテ方向a〜eの間における位置数をブレードの表面形状に応じて選択し多軸ロボット制御盤(42)に記憶させることによって、多軸ロボットがブレード表面を走査することが可能となる。位置数の選択は表面形状に依存し、平面的な形状の位置数は少なく、曲率半径が小さい曲面形状の位置数は多くなる。
【0038】
アーム先端部に取り付けたタッチセンサー検出部をインペラブレード表面上に一定の強さで接触させて、タテとヨコの位置数が入力された多軸ロボットを走査することによって、インペラブレードの正確な表面形状が多軸ロボット制御盤に入力され、多軸ロボットによる迅速そして正確な肉盛創製を可能とする。
【0039】
請求項4の発明は、二相ステンレス鋼等の金属材料にコバルト基合金の他金属材料を肉盛りするに当たって、シールドガスとしてアルゴンガスに適量(5〜50%)の窒素ガスを混入することにより、窒素ガスは鋼中に溶解し窒化生成物を作り、肉盛層内に高い硬度を有する介在物として残り、耐磨耗性を向上する肉盛り層が得られるものとなる。
【0040】
又、固溶した窒素はオーステナイト生成元素であるため、二相ステンレス鋼金属のオーステナイト%を増加し靭性の低下を防止することが可能となる。
即ち、アルゴンガスによるシールドのみでは、レーザ肉盛りに際してオーステナイト相50%が30%程度に減少するが、窒素の添加により50%に留まりオーステナイト相の減少が見られない。さらに窒素を添加するとブローホールの発生が抑えられる。
【0041】
【発明の実施の形態】
【実施例】
図13は磨耗腐食の損傷が発生した使用済みポンプインペラのブレードを対象に、タッチセンサー(39)そして粉末供給ノズル(40)を使用して、往復積層法そしてカスケード積層法また飛び石積層法を用いて肉盛した実施例を示す。
【0042】
肉盛層(54)を往復積層法 カスケード積層法にて創製して後、20mm飛び石して同様の方法にて(56)を創製、その後(55)(57)を往復積層法カスケード積層法にて創製して得られるものである。
【0043】
肉盛層の創製条件は表1に示すとうりである。
【0044】
肉盛積層法の条件は次ページの表2に示すとうりである。
【表2】
【0045】
図13における肉盛層(54)〜(58)を始め始端部そして終端部近傍の母材のカラーチェック結果、割れの発生は皆無であることが確認された。
【0046】
磨耗性と腐食性に富んだスラリー溶液で満たされている槽内において、直径360mmの回転円盤に取りつけられた二相ステンレス鋼のテストピースと、コバルト基合金を被金属材料としてレーザ肉盛したテストピースを高速回転する方法にて耐磨耗性そして耐食性を調査した結果、コバルト基合金は二相ステンレス鋼を約4倍上回る耐磨耗性そして耐食性を有することが明らかとなった。
【0047】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、円錐台形状の過流式粉末供給ノズルを用いたレーザ肉盛システムの採用によって、低レーザ出力・小スポットサイズにおける短い焦点外し距離から高レーザ出力・大スポットサイズにおける長い焦点外し距離に至るまで焦点外し距離の長短に関係なく、スポットサイズに対応して均一な粉末流がノズル先端部から噴射されるため、高出力から低出力にいたるまで広範囲にわたって高品質の肉盛層を創製する優れた効果がもたらされる。
【0048】
請求項2の発明によれば、円錐台形状の渦流式粉末ノズルは、上記したようにレーザ出力変更に対応した焦点外し距離の変化、即ちスポット径の変化に対しても、均一な濃度分布を伴った粉末流を被肉盛面に供給することを可能にする構造となっており、低レーザ出力における低肉盛厚さと低肉盛巾から高レーザ出力における高肉盛厚さと高肉盛巾までの広い領域における肉盛層の創製を可能にする。
【0049】
また、請求項2の発明によれば、肉盛に際してのレーザ光が他金属材料の粉末を溶融する最適の位置を、ノズル出口部のしかるべき位置に設定することを可能にするため、従来肉盛作業の都度行うレーザ光の照射線と粉末供給ノズルとの細心の調整作業から解放され、単に作業能率の向上のみならず、高品質の肉盛層の創製を可能にするという優れた効果がもたらされる。
【0050】
請求項3の発明によれば、三つの積層法を適用することにより、使用前ポンプ機器類に高い耐磨耗性及び耐食性を有するコバルト基合金及びニッケル基合金を肉盛し、そして既に使用を開始し損傷を受けたポンプ機器類に対して同様に上記合金を肉盛補修することによって、高品質そして高価格の素材をベースに製造されているポンプ機器類のこれまでの3年程度での更新に代わって、長期間使用による長寿命化と肉盛補修によるリサイクル化が実現可能となり、従来の技術を飛躍的に発展する効果が期待出来る。
【0051】
請求項3のタッチセンサー導入の発明によれば、肉盛作業に先立って対象となるポンプ機器類の肉盛面形状データを多軸ロボットへ入力するテイーチングの手作業に代わるタッチセンサーの導入によって、肉盛作業の品質向上と共に従来作業時間短縮の妨げとなっていたテイーチング時間の大幅な短縮が可能となりコスト削減が期待出来る。
【0052】
請求項4の発明によれば、シールドガスとしてアルゴン・窒素の混合ガスを使用することにより、オーステナイト相の低下を防止し靭性を維持することが期待されると共に、高硬度の窒化生成物を作るため耐磨耗性の向上が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】レーザ肉盛システムを示す図である。
【図2】円錐台形状の粉末供給ノズル概念を示す図である。
【図3】往復レーザ積層法を概念的に示す図である。
【図4】カスケードレーザ積層法を概念的に示す図である。
【図5】飛び石レーザ積層法を概念的に示す図である。
【図6】タッチセンサーを備えたレーザ肉盛システムを示す図である。
【図7】タッチセンサーによる三次元形状金属母材の計測システムを示す図である。
【図8】アーク肉盛とレーザ肉盛における硬度比較を示す図である。
【図9】ポンプインペラにおける磨耗腐食の発生例を示す図である。
【図10】ポンプケーシングにおける摩耗腐食の発生例を示す図である
【図11】往路積層法によるレーザ肉盛法によってインペラブレードにクラックが発生した例を示す図である。
【図12】多軸ロボットへのテイーチングを概念的に示す例である。
【図13】使用済みポンプインペラへ往復・カスケード・飛び石の各積層法を併用して、レーザ肉盛した例を示す図である。
Claims (4)
- 磨耗腐食よるポンプ機器類の損傷を防止するため、ステンレス鋼などを素材とするポンプ機器類の使用開始前、または磨耗腐食が機器の運転に支障を来たすまでに達した段階で、電源(1)レーザ装置(2)光フアバー(3)多軸ロボット(4)渦流式粉末供給ノズル(5)粉末供給装置(6)アルゴン+窒素の混合シールドガス(7)から構成するレーザ肉盛システムを用いて、他金属材料をレーザ肉盛する装置。
- 円錐台形状の過流式粉末供給ノズルにおいて、2本の粉末供給パイプ(10a・10b)が同軸上になく、偏心していることによりにアルゴンガスをキヤリヤーガスとする粉末流を供給するとき、円錐台形状のノズル内で粉末が渦流となって旋回流を形成し、ノズル出口において均一な粉末流となるように工夫した粉末供給ノズルの装置。
- 高クローム鋼そしてステンレス鋼を素材とするポンプ機器類の使用前または使用中に、インペラブレード及びケーシング表面に他金属材料としてコバルト基合金またはニッケル基合金を投入しつつレーザビームを照射し肉盛層を創製するレーザ肉盛において、始端部(18)から終端部(21)までの長さを30mm以下として往路(19)と復路(20)の両方向から肉盛する往復積層法、そして肉盛層の平面形状を傾斜角θ(25)が25度(°)から45度(°)の菱形となるように始端部と終端部を移動するカスケード積層法、また上記二つの積層法による肉盛層の間隔(31a及び32a)を20〜30mm以内とする飛び石積層法の三つの積層法を併用し、タッチセンサー(39)を装備した多軸ロボット(36)によって肉盛層の創製を迅速に行うことを特徴とする肉盛方法。
- 高クロム鋼そしてステンレス鋼材に他金属材料をレーザ肉盛する際に、アルゴンと窒素の混合ガスをシールドガス(11)として使用することにより肉盛金属の窒素含有量を高めて、オーステナイト相を安定化することを特徴とする肉盛法。
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