JP2006217815A - 非茶系容器詰飲料 - Google Patents

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Abstract

【課題】酸味料を含有し、かつ、カテキンを高濃度に含有し、長期間の飲料保存後においても酸味感特有の爽快感が維持された容器詰飲料であって、特にスポーツシーンでの飲用において見られる酸味感の後引きがなく、口中におけるスッキリ感に優れる容器詰飲料を提供すること。また、酸素透過性の透明容器の形態であっても、色調安定性に優れた非茶系容器詰飲料を提供すること。
【解決手段】固形分中に非重合体カテキン類を含有し、キナ酸(B)と非重合体カテキン類(A)との含有重量比[(B)/(A)]が0〜0.018の範囲である緑茶抽出物の精製物を配合してなり、次の成分;非重合体カテキン類、キナ酸又はその塩、甘味料、酸味料、ナトリウムイオン、カリウムイオンを特定の濃度範囲で含有し、pHが2〜6である非茶系容器詰飲料。
【選択図】なし

Description

本発明は酸味料と緑茶抽出物の精製物を配合し、カテキンを高濃度に含有し、風味に優れ、酸素透過下での色調安定性にも優れた非茶系容器詰飲料に関するものである。
カテキン類の効果としてはコレステロール上昇抑制作用やアミラーゼ活性阻害作用などが報告されている(例えば、特許文献1、2参照)。カテキン類のこのような生理効果を発現させるためには、成人一日あたり4〜5杯のお茶を飲むことが必要であることから、より簡便に大量のカテキン類を摂取するために、飲料にカテキン類を高濃度含有する技術が望まれている。この方法の一つとして、緑茶抽出物の濃縮物(例えば、特許文献3〜5参照)などを利用して、カテキン類を飲料に溶解状態で添加する方法がある。
一方、市販の酸味料を含有する飲料においては、スポーツシーンでの飲用時に酸味の後引きにより口中におけるスッキリ感が十分ではなかった。
また、酸素透過性の透明容器の形態であっても、店頭に並んでショーウィンドウの照明が照射された状態を想定した保存試験(露光試験)時に、飲料の外観が変化しやすく、酸素透過下で光照射による色調安定性に優れなかった。このため、光や酸素を遮断する目的で、酸素透過性が無くかつ不透明な容器の使用が必須であり、商品の多様化が図れなかった。
また、低カフェイン茶ポリフェノールの製造法としては合成吸着剤等を用いて、高度にカフェインを除去(例えばポリフェノール/カフェイン比20000)し、純度の高いポリフェノールを得る方法があるが、カフェイン除去とともに茶抽出物中に本来存在しているアミノ酸やペクチン等の呈味成分や渋味抑制物質までも除去してしまい、苦味、渋味が強いのみならず、長期間飲用する目的には向かなかった(例えば、特許文献6参照)。また、飲料の外観が長期保存時、とくに露光試験時に変化しやすく、透明容器に充填した時に長期間色調が安定でなかった。
特開昭60-156614号公報 特開平3-133928号公報 特開2002-142677号公報 特開平8-298930号公報 特開平8-109178号公報 特表平10-501407号公報
本発明の目的は、酸味料を含有し、かつ、カテキンを高濃度に含有し、長期間の飲料保存後においても酸味感特有の爽快感が維持された容器詰飲料であって、特にスポーツシーンでの飲用において見られる酸味感の後引きがなく、口中におけるスッキリ感に優れる容器詰飲料を提供することにある。また、酸素透過性の透明容器の形態であっても、色調安定性に優れた非茶系容器詰飲料を提供することにある。
そこで、本発明者が検討した結果、この様な酸味料を含有する飲料へ緑茶抽出物の濃縮物を添加することで酸味料由来の後引きやスッキリ感が優れないなどの問題を解決できることが判った。ただその一方で、緑茶抽出物の濃縮物をそのまま用いると、緑茶抽出物の濃縮物に含まれる成分の影響によって、飲料の長期保存後の酸味料由来の特有の爽快感が維持されず、爽快感が希薄になりやすいなどの課題も発生することも判ってきた。
さらに、本発明者は、酸味料を含有し、かつ高濃度のカテキン類を含有する容器詰飲料の風味向上に関して検討した結果、緑茶抽出物の濃縮物をカテキン類に対しキナ酸又はその塩の含有比を0又は0近くにまで精製し、それを使用して飲料中の非重合体カテキン類に対するキナ酸含有量の比率を調整するとともにpHを2〜6に調整すれば、酸味料を含有しかつカテキンを高濃度に含有した長期間の飲料保存後においても酸味感特有の爽快感が維持されており、特にスポーツシーンでの飲用において見られる酸味感の後引きがなく、口中におけるスッキリ感に優れる容器詰飲料が得られることを見出した。また、得られた飲料は、酸素透過性の透明容器の形態であっても、色調安定性に優れている。また、飲料の濁度の安定性が高いことも見出した。
すなわち、固形分中に非重合体カテキン類を含有し、キナ酸又はその塩(B)と非重合体カテキン類(A)との含有重量比[(B)/(A)]が0〜0.018の範囲である緑茶抽出物の精製物を配合してなり、次の成分(A)〜(F);
(A)非重合体カテキン類 0.03〜0.6重量%、
(B)キナ酸又はその塩 成分(B)/成分(A)(重量比)=0〜0.2、
(C)甘味料 0.0001〜20重量%、
(D)酸味料 0.03〜1.0重量%、
(E)ナトリウムイオン 0.0001〜0.2重量%、
(F)カリウムイオン 0.0001〜0.1重量%
を含有し、pHが2〜6である非茶系容器詰飲料を提供するものである。
本発明により製造された非茶系容器詰飲料は、酸味料を含有し、かつカテキンを高濃度に含有し、長期間の飲料保存後においても酸味感特有の爽快感が維持されており、特にスポーツシーンでの飲用において見られる酸味感の後引きがなく、口中におけるスッキリ感に優れる。また、酸素透過性の透明容器の形態であっても、色調安定性に優れる。また、酸素透過性の透明容器の形態であっても、露光試験時に、飲料の外観が変化しにくく、酸素透過下で光照射による色調安定性に優れている。併せて、飲料の濁度の安定性が高い。
本発明で非重合体カテキン類(A)とは、カテキン、ガロカテキン、カテキンガレート、ガロカテキンガレート等の非エピ体カテキン類及びエピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレート等のエピ体カテキン類をあわせての総称を指す。
本発明の容器詰飲料に使用する緑茶抽出物の精製物は、固形成分中に非重合体カテキン類を20〜90重量%含有する緑茶抽出物の濃縮物中の非重合体カテキン類(A)とキナ酸又はその塩(B)の含有重量比[(B)/(A)]を0〜0.018に調整したものである。
ここでいう緑茶抽出物の精製物には、茶葉から熱水もしくは水溶性有機溶媒により抽出された抽出物を濃縮したものを更に精製したものの他、抽出された抽出物を直接精製したもの、精製された茶葉から抽出された抽出物の精製物も含まれる。
緑茶抽出物の精製物として、市販の三井農林(株)「ポリフェノン」、伊藤園(株)「テアフラン」、太陽化学(株)「サンフェノン」等の緑茶抽出物の濃縮物の精製物を使用してもよい。
緑茶抽出物の濃縮物の精製方法としては、例えば、固形分中に非重合体カテキン類を20〜90重量%含有する緑茶抽出物の濃縮物を水又は水と有機溶媒の混合物に懸濁又は溶解し、これに有機溶媒を添加することにより生じた沈殿を除去し、次いで溶媒を留去する方法;緑茶抽出物の濃縮物を有機溶媒に溶解し、これに水又は水と有機溶媒の混合物を添加することにより生じた沈殿を除去し、次いで溶媒を留去する方法等が挙げられる。ここで、有機溶媒としてはメタノール、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコールが挙げられ、特にエタノールが好ましい。
また、固形分中に非重合体カテキン類を20〜90重量%含有する緑茶抽出物の濃縮物を、有機溶媒と水の重量比9.9/1〜1/9の混合溶液に溶解させ、活性炭及び酸性白土又は活性白土と接触させてもよい。または、超臨界抽出による精製や吸着樹脂に吸着させエタノール溶液で溶離させ、エタノールを留去したもの等でもよい。
ここでいう緑茶抽出物の精製物の形態としては、固体、水溶液、スラリー状等種々のものが挙げられるが、特に水溶液、スラリー状が乾燥等の影響が少なく好ましい。
本発明に用いる緑茶抽出物の精製物は、キナ酸又はその塩(以下、あわせてキナ酸と記載することがある)(B)と非重合体カテキン類(A)との含有重量比[(B)/(A)]が0〜0.018であるが、好ましくは0.00005〜0.016、より好ましくは0.00005〜0.014、更に好ましくは0.00005〜0.012、更に好ましくは0.00005〜0.01、特に好ましくは0.00005〜0.008、もっとも好ましくは0.00005〜0.008である。飲料化する際に、緑茶抽出物の精製物以外の飲料成分からキナ酸が混入する場合が考えられるので、本発明の効果を発現させるためには、緑茶抽出物の精製物中のキナ酸の量は上記範囲に調整しておく必要がある。含有重量比[(B)/(A)]がこの範囲にあると、長期間の飲料保存後においても、爽快感が希薄にならず、特にスポーツシーンでの飲用において見られる酸味感の後引きがなく、口中におけるスッキリ感に優れる。また、酸素透過性の透明容器の形態であっても、露光試験時でも飲料の外観が変化しにくく、酸素透過下で光照射による色調安定性に優れる。上記の範囲を外れると、本発明の効果が得られないのみならず、供給源からキナ酸が飲料に多く持ち込まれることになり、飲料の風味にまとまりがなくなり、しまりのない味になってしまう。
本発明で用いる緑茶抽出物の精製物中の非重合体カテキン類含有量は、50〜100重量%が好ましく、より好ましくは55〜100重量%が、更に好ましくは60〜100重量%が、更に好ましくは65〜100重量%である。更に好ましくは70〜100重量%、特に好ましくは75〜100重量%、殊更好ましくは80〜100重量%、最も好ましくは81〜100重量%である。この範囲にあると、飲料に含有すべき緑茶抽出物の精製物の含有量が、高濃度カテキン類濃度であっても、非重合体カテキン類に対する所定のキナ酸の比率が容易に得られ、更に飲料の風味にまとまりよく、しまりのある味になり好ましい。非茶系容器詰飲料の製造には、緑茶抽出物の精製物と他の飲料成分とをあらかじめプレミックスしてから製造する場合もあり、緑茶抽出物の精製物中の非重合体カテキン類含有量を上記範囲にするのが好ましい。また、緑茶抽出物の精製物中の非重合体カテキン類含有量は固形分当たりの含有量である。
また、緑茶抽出物の精製物中の(G)シュウ酸又はその塩と(A)非重合体カテキン類との含有重量比[(G)/(A)]は、飲料を長期保存しても異味・異臭の発生が少なく、風味剤の変質臭を感じにくくなり、長期間の飲用性の観点から、好ましくは0〜0.0018、より好ましくは0〜0.0015、更に好ましくは0〜0.0012、更に好ましくは0〜0.001、特に好ましくは0〜0.0008、もっとも好ましくは0〜0.0007である。シュウ酸又はその塩を特異的に低減する方法として、たとえば緑茶抽出物の濃縮物を水に溶解し、有機溶媒により多段抽出する方法が挙げられる。
本発明の非茶系容器詰飲料は、緑茶抽出物の精製物に、更に必要な成分を含有することができる。
本発明の非茶系容器詰飲料中には、水に溶解状態にある非重合体カテキン類(A)を、0.03〜0.6重量%含有するが、好ましくは0.04〜0.6重量%、より好ましくは0.05〜0.6重量%、更に好ましくは0.06〜0.5重量%、更に好ましくは0.07〜0.5重量%、更に好ましくは0.08〜0.5重量%、更に好ましくは0.09〜0.4重量%、殊更好ましくは0.1〜0.4重量%、特に好ましくは0.1〜0.3重量%、もっとも好ましくは0.1〜0.26重量%含有する。非重合体カテキン類含量が上記の範囲にあると、多量の非重合カテキン類を容易に取り易く、容器詰飲料製造工程における風味変化が少ない点からも好ましい。
飲料中のキナ酸の含有量を低減させる方法としては、緑茶抽出物の精製物を水に溶解後、活性炭処理、酸性白土処理又は高分子樹脂処理の単独又は組合せにより、精製することができる。配合手順としては、緑茶抽出物の溶解又は希釈後、上記精製を行う場合と全ての組成を配合後、行うことができるが、前者が含有組成の変化が少ないので好ましい。
また、本発明で用いる緑茶抽出物中のカテキンガレート、エピカテキンガレート、ガロカテキンガレート及びエピガロカテキンガレートからなる総称ガレート体の全非重合体カテキン類中での割合が35〜100重量%の方が、非重合体カテキン類の生理効果の有効性上好ましい。調味のしやすさからは、35〜98重量%がより好ましく、35〜95重量%がとくに好ましい。
本発明の非茶系容器詰飲料においては、エピ体カテキン類(H)と非重合体カテキン類(A)との含有重量比[(H)/(A)]は0.7〜1.0であるのが好ましく、より好ましくは0.72〜1.0、より好ましくは0.74〜1.0、更に好ましくは0.76〜1.0、特に好ましくは0.76〜0.99、もっとも好ましくは0.77〜0.98である。エピ体カテキン類(H)とは、エピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレート等に例示される。上記範囲であると、飲料調製工程における風味変化が少ない点から好ましいことに加え、自然界の茶葉に含まれているカテキン類の組成ときわめて類似するため、天然に存在しているカテキン類を多く摂取しやすい形態となり好ましい。
本発明の非茶系容器詰飲料中のキナ酸又はその塩(B)と非重合体カテキン類(A)との含有重量比[(B)/(A)]は0〜0.2であり、好ましくは0.00005〜0.18、より好ましくは0.00005〜0.15、更に好ましくは0.00005〜0.1、更に好ましくは0.00005〜0.08、更に好ましくは0.00005〜0.04、更に好ましくは0.00005〜0.02、更に好ましくは0.00005〜0.018、殊更好ましくは0.00005〜0.016、特に好ましくは0.00005〜0.014、もっとも好ましくは0.00005〜0.014である。キナ酸は、主に茶抽出物を含む植物や果物抽出液に含まれている。酸の形態でも塩の形態でも加えることができ、またキナ酸を含んだ組成物の形で加えてもよい。ここでキナ酸の塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩が挙げられる。
非重合体カテキン類に対するキナ酸の比率がこの範囲にあることにより、カテキン類とキナ酸が水素結合等による弱い会合体を形成して味らい細胞に吸着して、カテキン類の苦味受容部への接触を制御することがなく、カテキン類本来の味質を変えることがない。
これらの成分の含有重量比[(B)/(A)]及び[(G)/(A)]を上記の範囲にすることにより、長期間の飲料保存時においても、爽快感が希薄にならず、特にスポーツシーンでの飲用において見られる酸味感の後引きがなく、口中におけるスッキリ感に優れる。また、酸素透過性の透明容器の形態であっても、露光試験時でも飲料の外観が変化しにくく、酸素透過下で光照射による色調安定性に優れる。
本発明の非茶系容器詰飲料中のカフェイン(I)と非重合体カテキン類(A)との含有重量比[(I)/(A)]は、飲料の長期保存しても異味・異臭の発生が少なく、風味剤の変質臭を感じにくくなり、長期間の飲用性の観点から、0〜0.09であり、好ましくは0〜0.08、より好ましくは0〜0.07、更に好ましくは0〜0.06、より更に好ましくは0〜0.05、特に好ましくは0〜0.04、もっとも好ましくは0〜0.03である。
本発明の非茶系容器詰飲料中の酸味料(D)の含有量は、0.03〜1.0重量%であり、好ましくは0.05〜1.0重量%、より好ましくは0.1〜1.0重量%、更に好ましくは0.12〜1.0重量%、特に好ましくは0.15〜0.9重量%である。酸味料(D)は非茶系容器詰飲料に酸味を賦与するためだけでなく、pHを2〜6に維持するためにも用いられる。酸味料(D)としては、食用有機酸又は無機酸またはそれらの塩が挙げられる。これらの酸はそれらの非解離形又はそれらのナトリウム塩、カリウム塩等の塩として用いてもよい。好ましい酸としては、クエン酸、リンゴ酸、フマル酸、アジピン酸、グルコン酸、酒石酸、酢酸、リン酸又はそれらの混合物等が挙げられる。特にクエン酸及びリンゴ酸が好ましい。これらの酸味料は飲料成分を安定化させる酸化防止剤としても役立つ。ここで酸味料(D)にはアスコルビン酸、キナ酸とシュウ酸またはそれらの塩は含まない。
本発明の非茶系容器詰飲料には、ナトリウムイオン(E)及びカリウムイオン(F)を含有してもよく、長期間の飲料保存時においても、爽快感が希薄にならず、特にスポーツシーンでの飲用において見られる酸味感の後引きがなく、口中におけるスッキリ感に優れる。また日常生活での飲用はもちろんのこと、特にスポーツなどの場面で、ゴクゴク飲む飲料として適している。
本発明の非茶系容器詰飲料には、ナトリウムイオン(E)0.0001〜0.2重量%及びカリウムイオン(F)0.0001〜0.1重量%含有するのが好ましい。この範囲にあると、種々の状況下で飲用しても味的に十分で、効果的なミネラル補給ができ、塩類自体の味が強くなく、長期間にわたって飲用する上でも好ましい。
ナトリウムイオン(E)としては、塩化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、クエン酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、酒石酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム等及びそれらの混合物のような容易に入手し得るナトリウム塩、植物や果物抽出物又は茶の成分由来のものも含まれる。ナトリウムイオン濃度は浸透圧による水の吸収を容易にさせる上で低い方が望ましいが、体から腸に水を浸透圧吸引しない程度であることが好ましい。これを行うために必要なナトリウムイオン濃度は、血漿中ナトリウムイオン濃度よりも低いことが好ましい。本発明の非茶系容器詰飲料中のナトリウムイオン(E)含有量は0.0001〜0.2重量%が好ましく、より好ましくは0.0005〜0.2重量%、更に好ましくは0.001〜0.15重量%、更に好ましくは0.002〜0.15重量%、特に好ましくは0.003〜0.1重量%、もっとも好ましくは0.0035〜0.09重量%である。
カリウムイオン(F)としては、塩化カリウム、炭酸カリウム、硫酸カリウム、酢酸カリウム、炭酸水素カリウム、クエン酸カリウム、リン酸カリウム、リン酸水素カリウム、酒石酸カリウム、ソルビン酸カリウム等又はそれらの混合物のようなカリウム塩、植物や果物抽出物又は茶の成分由来のものも含まれる。本発明容器詰飲料中のカリウムイオン(F)は、0.0001〜0.1重量%が好ましく、より好ましくは0.0005〜0.1重量%、更に好ましくは0.001〜0.08重量%、更に好ましくは0.002〜0.08重量%、特に好ましくは0.003〜0.08重量%、もっとも好ましくは0.0035〜0.07重量%である。
ナトリウムイオン(E)及びカリウムイオン(F)に加えて、本発明の非茶系容器詰飲料には0.0001〜0.3重量%、好ましくは0.0002〜0.3重量%、特に好ましくは0.0005〜0.3重量%の塩化物イオンを含有させてもよい。塩化物イオン成分は塩化ナトリウム又は塩化カリウムのような塩の形で配合できる。更に、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、鉄のような他の微量イオンを含んでも良い。これらのイオンも塩として含有してもよい。存在するイオンの総レベルには、加えられたイオン添加量と共に、飲料中に天然で存在する量を含む。例えば、塩化ナトリウムが加えられると、その量のナトリウムイオン及びその量の塩化物イオンも、それに応じて各イオンの総量に含まれることになる。
本発明の非茶系容器詰飲料には、味を改善する目的で、甘味料(C)を含有させる。甘味料(C)としては人工甘味料、炭水化物系甘味料又はグリセロール類が挙げられ、人工甘味料が好ましい。これらの甘味料は、本発明の非茶系容器詰飲料中に0.0001〜20重量%、更に好ましくは0.001〜15重量%、特に好ましくは0.001〜10重量%、もっとも好ましくは0.001〜8重量%含有する。0.0001重量%未満であると、甘みがほとんどなく、酸味、塩味とのバランスがとれない。一方、20重量%を超えると、飲料中の固形物量が増すために、飲料がとろみを帯びてしまい、日常生活での飲用はもちろんのこと、とくにスポーツ等の水分を欲する場面で飲む止渇飲料として好ましくない場合がある。
人工甘味料としては、アスパルテーム、サッカリン、シクラメート、アセスルフェーム−K、L−アスパルチル−L−フェニルアラニン低級アルキルエステル甘味料、L−アスパルチル−D−アラニンアミド、L−アスパルチル−D−セリンアミド、L−アスパルチル−ヒドロキシメチルアルカンアミド甘味料、L−アスパルチル−1−ヒドロキシエチルアルカンアミド甘味料、スクラロース、ソーマチン等の高甘度甘味料、エリスリトール、キシリトール、トレハロース等の糖アルコール、グリチルリチン、合成アルコキシ芳香族化合物等が挙げられる。ステビオシド及び他の天然源の甘味料も使用できる。人工甘味料を用いる場合の含有量は、0.0001〜20重量%である。
炭水化物系甘味料としては、可溶性炭水化物が用いられる。可溶性炭水化物には、甘味料とエネルギー源との役割がある。本飲料で使用の炭水化物を選択する場合、選択されるレベルは十分な胃排出及び腸吸収速度を有効にさせることが重要である。炭水化物はグルコース及びフルクトースの混合物でも、または消化管で加水分解するか又はグルコース及びフルクトースを形成する炭水化物であってもよい。本明細書で用いられる“炭水化物”という用語は、単糖、オリゴ糖、複合多糖又はそれらの混合物を含む。
単糖にはテトロース、ペントース、ヘキソース及びケトヘキソースがある。ヘキソースの例は、ブドウ糖として知られるグルコースのようなアルドヘキソースである。グルコースを用いる場合の含有量は、好ましくは0.0001〜20重量%、更に好ましくは0.001〜15重量%、特に好ましくは0.001〜10重量%、もっとも好ましくは0.001〜8重量%含有する。果糖として知られるフルクトースはケトヘキソースである。フルクトースを用いる場合の含有量は、好ましくは0.0001〜20重量%、更に好ましくは0.001〜15重量%、特に好ましくは0.001〜10重量%、もっとも好ましくは0.001〜8重量%含有する。
オリゴ糖としては、これら2種の単糖を体内で生成する炭水化物(すなわち、スクロース、マルトデキストリン、コーンシロップ、高フルクトースコーンシロップ)が挙げられる。このオリゴ糖の重要なタイプは二糖である。二糖の例は、ショ糖又はテンサイ糖として知られるスクロースである。スクロースを用いる場合の含有量は、好ましくは0.001〜20重量%、更に好ましくは0.001〜15重量%、特に好ましくは0.001〜10重量%、もっとも好ましくは0.001〜8重量%含有する。
複合多糖として好ましい例は、マルトデキストリンである。マルトデキストリンは長さがいくつかのグルコース単位からなる複合多糖である。それらはコーンスターチの加水分解により得られるスプレードライ多糖である。
炭水化物系甘味料としては、必要なカロリーを供給できるエネルギー源を与えるフルクトース及びグルコースの組合せから構成されるものが好ましい。スクロースは消化管でフルクトース及びグルコースに加水分解されるため、フルクトース及びグルコースの供給源として用いることができる。これら糖は体の細胞により完全に利用しうるエネルギー食品である。
グリセロール類としては、グリセロールが挙げられる。グリセロール類を用いる場合の含有量は、好ましくは0.1〜15重量%、より好ましくは0.1〜10重量%である。
本発明の非茶系容器詰飲料には、全炭水化物量は、全重量の0.0001〜20重量%を使用するのが好ましい。炭水化物の総量には、甘味料として使用されるものに加えて、フルーツジュース又は茶抽出物中に天然で存在するもの、添加された炭水化物も含む。炭水化物誘導体、グリセロール類を除く多価アルコール等を供給して、それが容易に吸収されて体全体に分布されるようにエネルギーを供給する目的で用いてよい。
本発明の非茶系容器詰飲料には、更に嗜好性を上げる目的で植物及び/又は果物から選ばれる1種以上の風味剤を含有してもよい。風味剤は、一般に香料又はフレーバー、果汁又はフルーツジュースと呼ばれている。天然又は合成の風味剤が使用できる。
香料又はフレーバーとして、フルーツフレーバー、植物フレーバー、茶フレーバー及びそれらの混合物が使用できる。特に、フルーツフレーバーと一緒に茶フレーバー、好ましくは緑茶又は紅茶フレーバーの組合せが好ましい味を有している。
特に好ましい香料は、オレンジフレーバー、レモンフレーバー、ライムフレーバー及びグレープフルーツフレーバーを含めたシトラスフレーバーである。他のフルーツフレーバーは、リンゴフレーバー、ブドウフレーバー、ラズベリーフレーバー、クランベリーフレーバー、チェリーフレーバー、パイナップルフレーバー等が使用できる。更に、天然フレーバーとしてはジャスミン、カミツレ、バラ、ペパーミント、サンザシ、キク、ヒシ、サトウキビ、レイシ、タケノコ等が挙げられる。これらのフレーバーはフルーツフレーバー及び香油のような天然物でも又は合成物でもよい。香料には、様々なフレーバーのブレンド、例えばレモン及びライムフレーバー、シトラスフレーバーと選択されたスパイス(典型的コーラソフトドリンクフレーバー)等を含めることができる。親油性の濃縮物又は抽出物の香料としては、合成香味エステル類、アルコール類、アルデヒド類、テルペン類、セスキテルペン類等を含有できる。
風味剤として香料又はフレーバーを使用する場合は、本発明の非茶系容器詰飲料中に0.0001〜5重量%、好ましくは0.0001〜3重量%、より好ましくは0.0001〜1重量%、更に好ましくは0.001〜1重量%、更に好ましくは0.001〜0.5.重量%、特に好ましくは0.001〜0.2重量%、最も好ましくは0.003〜0.18重量%含有するのが好ましい。
香料又はフレーバーはエマルジョン小滴を形成し、その後飲料に分散してもよい。すなわち、乳化香料としてもよい。これらのエマルジョン小滴は、通常水の場合よりも低い比重を有していて、分離相を形成するため、エマルジョン小滴を飲料に分散させておくために、比重調整剤(曇化剤としても作用できる)を含有するのが好ましい。このような比重調整剤の例は、臭素化植物油(BVO)及び樹脂エステル、特にエステルガムである。液体飲料での比重調整及び曇化剤の使用については、L.F.Green、Developments in Soft Drinks Technology、Vol.1(Applied Science Publishers Ltd.1978),pp.87−93に記載されている。典型的には、乳化香料は濃縮物又は抽出物として、あるいは合成香味エステル、アルコール、アルデヒド、テルペン、セスキテルペン等の形で容易に入手できる。典型的には、このような乳化香料は本発明飲料に0.0001〜5重量%、好ましくは0.001〜3重量%を含有される。代表例として、太陽化学社製「スーパーエマルションフレーバーシリーズ」グレープフルーツ106JX、レモン106JX、オレンジ106JXなどがある。
果汁としてはリンゴ、ナシ、レモン、ライム、マンダリン、グレープフルーツ、クランベリー、オレンジ、ストロベリー、ブドウ、キゥイ、モモ、パイナップル、パッションフルーツ、マンゴ、ウメ、グァバ、ラズベリー、チェリー等の果汁が好ましい。シトラスジュース、特にグレープフルーツ、オレンジ、レモン、ライム、マンダリンと、マンゴ、パッションフルーツ及びグァバのジュース又はそれらの混合物が好ましい。
風味剤として果汁又はフルーツジュースを使用する場合には、本発明の非茶系容器詰飲料中に0.001〜15重量%、特に0.002〜10重量%含有させるのが好ましい。
併せてキナ酸の含有量が低い風味剤を用いる方が好ましい。
本発明の非茶系容器詰飲料は、苦渋味抑制剤を含有すると、更に飲用しやすくなり好ましい。用いる苦渋味抑制剤としては、サイクロデキストリンが好ましい。サイクロデキストリンとしては、α−、β−、γ−サイクロデキストリン及び分岐α−、β−、γ−サイクロデキストリンが使用できる。サイクロデキストリンは飲料中に0.005〜0.5重量%、好ましくは、0.01〜0.3重量%含有するのがよい。
本発明の非茶系容器詰飲料には、更に、ビタミンを含有させることができる。好ましいビタミンとしては、ビタミンA、ビタミンC及びビタミンEが挙げられる。ビタミンD及びビタミンBのような他のビタミンも用いることができる。また、ミネラルも用いることができる。ミネラルとしては、カルシウム、クロム、銅、フッ素、ヨウ素、鉄、マグネシウム、マンガン、リン、セレン、ケイ素、モリブデン及び亜鉛等が挙げられ、特にマグネシウム、リン及び鉄が好ましい。
本発明の非茶系容器詰飲料は、以上の成分の他にも、各種エステル類、色素類、乳化剤、保存料、調味料、ガム、油、アミノ酸、野菜エキス類、花蜜エキス類、pH調整剤、品質安定剤、二酸化炭素等の成分を単独又は併用して含有してもよい。
本発明の非茶系容器詰飲料のpHは2〜6であるが、好ましくは2.8〜6、より好ましくは3〜6、更に好ましくは3.1〜5.5、特に好ましくは3.2〜5.5である。pHが低すぎると飲料の酸味、刺激臭が強くなるだけでなく、日常生活での飲用はもちろんのこと、特にスポーツ等の水分を欲する場面での止渇飲料としては、喉が痛くゴクゴク飲めなくなり、嗜好性が劣るだけでなく、飲料の長期保存時において、苦味渋味や非重合体カテキン類の安定性がやや劣るようになり、また異味・異臭がやや発生しやすくなり、好ましくない。また、pHが高すぎると風味の調和が取れなくなり、日常生活での飲用やスポーツ時の飲用において嗜好性の低下が見られ、好ましくない。
本発明容器詰飲料の濁度は、好ましくは0.15〜80、より好ましくは0.5〜80、更に好ましくは1〜75、更に好ましくは1〜70の範囲である。ただし、ヘイズ値は0〜100の範囲で、水は0とする。容器詰飲料のヘイズ値が上記範囲にある場合、成分が均一に分散して存在していることを示し、不溶分による飲料の長期保存時の異味・異臭の発生、風味剤の変質臭が感じられず、長期間の飲用に適する。また、酸素透過性の透明容器の形態であっても、露光試験時に、飲料の外観に変化が生ぜず、酸素透過下での光照射による色調安定性に優れる。
非茶系容器詰飲料としては、例えばソフトドリンクである炭酸飲料、果実エキス入り飲料、野菜エキス入りジュースやニアウォーター、スポーツドリンク、アイソトニック飲料ダイエット飲料等が挙げられる。スポーツドリンクとは、身体運動後に汗として失われる水分、ミネラルを速やかに補給できる飲料であると一般的に規定される。ただし、炭酸飲料は、飲料の酸味、刺激が強くなりすぎるので、とくにスポーツ等の水分を欲するときの止渇飲料としては、喉が痛く、ごくごくと飲めなくなり、嗜好性が劣る。更に飲料の長期保存時において、苦味渋味や非重合体カテキン類の安定性がやや劣るようになり、また異味・異臭がやや発生しやすくなり、避けた方が望ましい。
本発明の非茶系容器詰飲料に使用される容器は、一般の飲料と同様にポリエチレンテレフタレートを主成分とする成形容器(いわゆるPETボトル)、金属缶、金属箔やプラスチックフィルムと複合された紙容器、瓶等の通常の形態で提供することができる。本発明の非茶系容器詰飲料は、酸素透過性の透明容器の形態が好ましい。容器の酸素透過係数(室温)は0〜0.1mL/350mL・day・atm、好ましくは、0.0001〜0.09mL/350mL・day・atm、より好ましくは0.0001〜0.07mL/350mL・day・atm、更に好ましくは、0.0001〜0.05mL/350mL・day・atmである。着色された酸素透過性の容器であっても、透明容器であれば含まれる。酸素透過性の透明容器の形態であっても、長期間に渡って照明が照射された時でも飲料の外観が変化しにくく、酸素透過下での光照射による色調安定性に優れており、本発明の効果が発現される。
本発明の非茶系容器詰飲料は、例えば、金属缶のように容器に充填後、加熱殺菌できる場合にあっては食品衛生法に定められた殺菌条件で製造されるが、PETボトル、紙容器のようにレトルト殺菌できないものについては、あらかじめ上記と同等の殺菌条件、例えばプレート式熱交換器等で高温短時間殺菌後、一定の温度迄冷却して容器に充填する等の方法が採用される。また無菌下で、充填された容器に別の成分を含有して充填してもよい。更に、酸性下で加熱殺菌後、無菌下でpHを中性に戻すことや、中性下で加熱殺菌後、無菌下でpHを酸性に戻す等の操作も可能である。
以下に実施例で用いた測定法を示すが、高感度、かつ高精度に検出できる方法などを用いて正確に測定できる条件であれば、下記方法や測定条件に限定されるものではなく、代用しても一切構わない。また、必要に応じて試料の前処理(例えば、凍結乾燥や測定上妨害となる成分の除去)などを適用する。
カテキン類の測定
フィルター(0.8μm)で濾し、次いで蒸留水で希釈した容器詰めされた飲料を、島津製作所製、高速液体クロマトグラフ(型式SCL-10AVP)を用い、オクタデシル基導入液体クロマトグラフ用パックドカラム L-カラムTM ODS(4.6mm×250mm:財団法人 化学物質評価研究機構製)を装着し、カラム温度35℃でグラジエント法により行った。移動相A液は酢酸を0.1mol/L含有の蒸留水溶液、B液は酢酸を0.1mol/L含有のアセトニトリル溶液とし、試料注入量は20μL、UV検出器波長は280nmの条件で行った。
シュウ酸を除く有機酸の測定
改訂食品分析ハンドブック(平成3年9月1日改訂版第4刷発行、発行所 建帛社)の7.有機酸の分析定量(367〜379頁)に記載の分析定量の方法に準ずる。
たとえば、キナ酸においては、HPLCによる日本食品分析センター法。検体2gを超音波処理後濾過し、高速液体クロマトグラフで測定した。
機種:LC−10AD(島津製作所(株))
検出器:紫外可視分光光度計 SPD−6AV(島津製作所(株))
カラム:TSKGEL OApak,φ7.8mm×300mm(東ソー(株))
カラム温度:40℃
移動相:0.75mmol/L硫酸
反応液:0.2mmol/Lブロムチモールブルー含有
15mmol/Lリン酸水素ニナトリウム溶液
測定波長:445nm
流量:移動相0.8mL/min、反応液0.8mL/min
シュウ酸の測定
日本ダイオネックス社製イオンクロマトグラフ装置に、カラム:IonPacAS4A−SC、4×250mmを装着し、サプレッサーASRS−ULTRA(ダイオネックス社製)に接続し、リサイクルモードで行った。移動相は1.8mmol/L、Na2CO3/1.7mmol/L、NaHCO3を1.0mL/minで流し、試料注入量は25μLとした。検出器は電気伝導度計を使用した。
ナトリウムイオン量の測定
:原子吸光光度法(塩酸抽出)
試料5gを10%塩酸(定溶時に1%塩酸溶液になるように)に入れ、その後イオン交換水で定溶し吸光度測定を行った。
波長:589.6nm
フレーム:アセチレン-空気
カリウムイオン量の測定
:原子吸光光度法(塩酸抽出)
試料5gを10%塩酸(定溶時に1%塩酸溶液になるように)に入れ、その後イオン交換水で定溶し吸光度測定を行った。
実施例1〜5、比較例1〜3
表1及び表2に示す成分を混合して、所定の後処理を行い、容器詰飲料を製造した。
Figure 2006217815
Figure 2006217815
(*1)緑茶抽出物の精製物A
緑茶抽出物の濃縮物としてポリフェノンHG(東京フードテクノ社製)100gを常温、250r/min攪拌条件下の95%エタノール水溶液490.9g中に懸濁させ、活性炭クラレコールGLC(クラレケミカル社製)20gと酸性白土ミズカエース#600(水澤化学社製)35gを投入後、約10分間攪拌を続けた。そして40%エタノール水溶液409.1gを10分間かけて滴下したのち、室温のまま約30分間の攪拌処理を続けた。その後、2号濾紙で活性炭及び沈殿物を濾過したのちに0.2μmメンブランフィルターによって再濾過を行った。最後にイオン交換水200gを濾過液に添加して、40℃、0.0272kg/cm2でエタノールを留去し製品を得た。
処理後の非重合体カテキン類は22重量%含有。
処理後のキナ酸/非重合体カテキン類重量比=0.02
処理後のシュウ酸/非重合体カテキン類重量比=0.01
(*2)緑茶抽出物の濃縮物B
非重合体カテキン類含有量33.70重量%、ガレート体率50.7重量%であった。キナ酸/非重合体カテキン類重量比=0.16であった。シュウ酸/非重合体カテキン類重量比=0.06であった。
(*3)緑茶抽出物の精製物C
非重合体カテキン類含有量81.4重量%、ガレート体率65重量%であった。キナ酸/非重合体カテキン類重量比=0.00001であった。シュウ酸/非重合体カテキン類重量比=0.00001であった。
(*4)緑茶抽出物の精製物D
非重合体カテキン類含有量77.0重量%、ガレート体率99重量%であった。キナ酸/非重合体カテキン類重量比=0.00001であった。シュウ酸/非重合体カテキン類重量比=0.00001であった。
(*5)緑茶抽出物の精製物E
栗田工業株式会社製のエピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレートのそれぞれの試薬を混合して精製物Eとした。非重合体カテキン類含有量99.0重量%、ガレート体率65重量%であった。キナ酸/非重合体カテキン類重量比=0であった。シュウ酸/非重合体カテキン類重量比=0であった。
(*6)乳化香料:グレープフルーツ106JX
(*7)非乳化香料:グレープフルーツフレーバー
キナ酸、シュウ酸(東京化成工業株式会社製 試薬)
<実施例1〜5及び比較例1〜3の容器詰飲料の製造法>
表1及び表2にあげる代表的なスポーツドリンク処方で各成分(重量部)を配合し、イオン交換水でメスアップし調合液を調製した。食品衛生法に基づく殺菌工程、ならびにホットパック充填を行い、容器詰飲料とした。飲料の成分値もあわせて示した。
本発明の目的である、酸味料由来の酸味感特有の爽快感が維持され、長期間の飲料保存後においても、爽快感が希薄にならず、また常温でもおいしく飲める飲料となるかどうか評価を行った。
500mLを自由な飲用をしてもらい、500mL飲用後の評価を以下の基準で評点をつけさせた。製造直後品を5℃で保管していたものと37℃で3ヶ月保管しているのを試験に用い、5℃で保管しているものに対して評価した。なお、飲用温度は常温である。対照として、比較例を用い、同様な飲用試験を行った。
爽快感の維持
A 維持されている
B やや維持されている
C やや維持されていない
D 維持されていない
それのみならず、特にスポーツシーンでの飲用において、カテキン類を含有しない容器詰飲料で見られる酸味感の後引きが抑制され、口中におけるスッキリ感に優れ、日常生活での飲用はもちろんのこと、特にスポーツなどの場面で、ゴクゴク飲む飲料として適している味かどうか評価を行った。運動習慣のあるスポーツドリンクユーザー(男性20〜30才台。10名。)を用い、スポーツシーン(夏場におけるテニスコートでのテニス)において、それぞれ500mLを自由な飲用をしてもらい、500mL飲用後の評価を以下の基準で評点をつけさせた。飲用温度は常温である。なお、対照として、比較例を用い、同様な飲用試験を行った。
酸味感の喉への刺激
A 弱い
B やや弱い
C やや強い
D 強い
口中におけるすっきり感
A 優れる
B やや優れる
C やや優れない
D 優れない
酸素透過性の透明容器(酸素透過係数(室温)0.04mL/350mL・day・atm)の形態であっても、店頭に並んでショーウィンドウの照明が照射された時を想定した保存試験(露光試験)時に、飲料の外観が変化しにくく、酸素透過や露光下での色調安定性に優れることについては、500mL容量の透明PET(ポリエチレンテレフタレート)ボトル容器に充填した飲料を10000ルクスの可視光照射下で、15℃で60日間保存しておき、保存前後での飲料の色調変化及び濁度の変化を、10名のパネラーに目視で以下の基準で評点をつけさせた。
A 変化しない
B やや変化する
C 変化する
D 大きく変化する
表1及び表2から明らかなように、本発明の飲料は、スポーツ時に飲用したときの酸味感が良好でかつ口中におけるすっきり感に優れている。また、長期保存しても酸味感が良好であるとともに酸素透過下で光照射しても色調が安定であった。

Claims (9)

  1. 飲料中に配合する全緑茶抽出物の精製物のキナ酸又はその塩(B)と非重合体カテキン類(A)との含有重量比[(B)/(A)]が0〜0.018の範囲であり、次の成分(A)〜(F);
    (A)非重合体カテキン類 0.03〜0.6重量%、
    (B)キナ酸又はその塩 成分(B)/成分(A)(重量比)=0〜0.2、
    (C)甘味料 0.0001〜20重量%、
    (D)酸味料 0.03〜1.0重量%、
    (E)ナトリウムイオン 0.0001〜0.2重量%、
    (F)カリウムイオン 0.0001〜0.1重量%
    を含有し、pHが2〜6である非茶系容器詰飲料。
  2. 容器の酸素透過係数(室温)が、0.1mL/350mL・day・atm以下である酸素透過性の容器に充填されたものである請求項1項記載の非茶系容器詰飲料。
  3. 飲料の濁度が、0.1〜80である請求項1又は2記載の非茶系容器詰飲料。
  4. 風味剤として乳化香料を含有する請求項1〜3のいずれか1項記載の非茶系容器詰飲料。
  5. (B)キナ酸又はその塩と(A)非重合体カテキン類の含有重量比[(B)/(A)]が0.00005〜0.018である請求項1〜4のいずれか1記載の非茶系容器詰飲料。
  6. 緑茶抽出物の精製物が、(G)シュウ酸又はその塩と(A)非重合体カテキン類との含有重量比[(G)/(A)]が0〜0.002の範囲になるようにシュウ酸又はその塩を除去したものである請求項1〜5のいずれか1項記載の非茶系容器詰飲料。
  7. (C)甘味料が、人工甘味料である請求項1〜6のいずれか1項記載の容器詰飲料。
  8. 透明な容器に充填されたものである請求項1〜7のいずれか1項記載の非茶系容器詰飲料。
  9. pHが3〜6である請求項1〜8のいずれか1項記載の非茶系容器詰飲料。
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