以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。本発明に係る伸縮ブームのワイヤ切断検出装置を備えた高所作業車1を図2に示している。この高所作業車1は、前後輪3a,3bを有して走行可能であり、前部に運転キャビン2aを有したトラック車両をベースに構成される。このトラック車両の車体2の上に図示しない旋回モータ(油圧モータ)により駆動されて水平旋回可能に構成された旋回台4が配設されている。この旋回台4に基端部が枢結されて伸縮ブーム5が取り付けられており、この伸縮ブーム5は起伏シリンダ6により起伏動されるようになっている。伸縮ブーム5は、基端ブーム5a、中間ブーム5bおよび先端ブーム5cを入れ子式に組み合わせて、内蔵の伸縮シリンダ7により伸縮動可能に構成されている。また、伸縮ブーム5は、伸縮シリンダ7の伸縮作動に伴って、中間ブーム5bおよび先端ブーム5cが(基端ブーム5aおよび中間ブーム5bに対して)同時に伸縮動するようになっている。
先端ブーム5cは先端にブームヘッド5dを有し、このブームヘッド5dに枢結されて支持部材8が上下に揺動可能に取り付けられている。この支持部材8は垂直ポスト部(図示せず)を有し、ブームヘッド5dと支持部材8との間に配設されたレベリングシリンダ(図示せず)により支持部材8の揺動制御が行われ、ブーム5の起伏の如何に拘わらず垂直ポスト部が常に垂直に延びて位置するように支持部材8が揺動制御される。このように常時垂直に保持される垂直ポスト部に水平旋回自在に(首振り自在に)作業台9が取り付けられおり、作業台9はブーム5の起伏に拘わらず常に水平に保持される。
なお、車体2の前後左右の四カ所に下方に伸縮自在なアウトリガ10が設けられており、高所作業を行うときには、図示のようにアウトリガ10を下方に張り出して車体2を持ち上げ支持できるようになっている。
以上のように概略構成される高所作業車1には、伸縮ブーム5の長さを検出するためのブーム長さ検出装置20および本発明に係るワイヤ切断検出装置19が設けられており、まず、第1実施形態のブーム長さ検出装置20およびワイヤ切断検出装置19について図1を参照しながら説明する。ブーム長さ検出装置20は、基端側が基端ブーム5aに連結されるとともに先端側が中間ブーム5bに連結されたワイヤ21と、ワイヤ21を巻き取りもしくは繰り出し可能なワイヤ巻き取り器22と、ワイヤ巻き取り器22に設けられたポテンショメータ26とを主体に構成される。また、ワイヤ切断検出装置19は、ワイヤ巻き取り器22から繰り出されたワイヤ21が掛け回されるシーブ28と、シーブ28を保持する揺動部材30と、揺動検出スイッチ40とを主体に構成される。
ワイヤ巻き取り器22は、図3に示すように、ワイヤ21を巻き取りもしくは繰り出し可能なドラム24と、このドラム24を回転自在に収容するケース23とを主体に構成され、図1に示すように、基端ブーム5aの基端側上面に固設されたブラケット15の側部に取り付けられる。ドラム24は、図3に示すように、円筒状に形成されてケース23内部に回転自在に収容され、ワイヤ21の基端が連結されてワイヤ21を巻き取りもしくは繰り出し可能に構成される。ドラム24の内部には渦巻きバネ25が取り付けられており、ドラム24をワイヤ21の巻き取り方向に回転付勢するようになっている。
また、ケース23内部には、ワイヤ21の繰り出し長さを検出するためのポテンショメータ26が取り付けられている。このポテンショメータ26は、歯車機構27を介してドラム24と連結されており、ドラム24の回転変位を検出してコントローラ45(図5を参照)に出力するようになっている。
揺動部材30は、図1に示すように、円筒状に形成された揺動軸部31と、揺動軸部31の先端外周部に形成された揺動アーム部32と、揺動軸部31の中央外周部に形成されたセンサードグ33とを主体に構成され、揺動部材固定ボルト35を揺動軸部31の内部に通過させてブラケット15の側部にネジ固定することにより、揺動部材30がブラケット15の側部に対し鉛直面内で揺動自在に取り付けられる。なお、揺動部材30は、基端ブーム5aにおけるワイヤ巻き取り器22より基端側に位置するようになっている。
揺動アーム部32は、揺動軸部31の先端外周部から鉛直面内で下方へ延びる板状に形成されており、揺動軸部31を揺動軸として揺動するようになっている。また、センサードグ33は、揺動軸部31の中央外周部から半径方向へ突出する板状に形成されており、揺動軸部31を揺動軸として揺動するようになっている。なお、揺動軸部31の向きは、ワイヤ21の延設方向に対して垂直になるようになっている。
揺動アーム部32の先端部(揺動側端部)には、シーブ28がシーブ取り付けナット36等を用いて回転自在に取り付け保持されており、ワイヤ巻き取り器22のドラム24から基端ブーム5aの基端側に繰り出されたワイヤ21がこのシーブ28に掛け回されて方向を反転させ、基端ブーム5aの先端側に(すなわち、中間ブーム5bに向けて)延出されるようになっている。なお、揺動部材30に保持されたシーブ28は、基端ブーム5aの基端側上縁部と対向する位置(すなわち、ワイヤ巻き取り器22より基端側)に位置するようになっており、ワイヤ巻き取り器22から繰り出されたワイヤ21は、シーブ28に達するまでは基端ブーム5aの上(外)側を通過し、シーブ28で方向を反転させた後は基端ブーム5aの内側を通過するようになっている。
そして、ワイヤ21が掛け回されたシーブ28を保持する揺動部材30は、渦巻きバネ25の回転付勢力を基に生じたワイヤ21の張力を受けて図1における時計回りに揺動し、図1に示すように、常には所定使用位置に揺動変位するようになっている。なお、ブラケット15の側部には、揺動部材30の上方に位置してストッパ38が取り付けられており、揺動部材30が所定使用位置に達すると揺動部材30のセンサードグ33がこのストッパ38に当接し、揺動部材30がワイヤ21の張力を受けつつ所定使用位置で停止するようになっている。
また、揺動軸部31の基端側には、ねじりコイルバネ37が取り付けられており、揺動部材30をワイヤ21の張力を受けて揺動する向きと反対方向に(すなわち、図1における反時計回りに)揺動させる付勢力を揺動部材30に加えるようになっている。なお、ねじりコイルバネ37が揺動部材30に加える付勢力は、揺動部材30が受けるワイヤ21の張力より小さく設定される。
揺動検出スイッチ40は、いわゆるローラーレバー形のマイクロスイッチであり、ブラケット15の側部における揺動部材30より先端側に取り付けられる。そして、揺動部材30がねじりコイルバネ37の付勢力を受けて図1における反時計回りに揺動し、図4に示すように、所定使用位置より基端側に位置する所定検出位置に揺動変位すると、揺動部材30のセンサードグ33が揺動検出スイッチ40のスイッチレバー41を押圧して揺動させ、揺動部材30がねじりコイルバネ37の付勢力を受けつつ所定検出位置で停止するようになっている。また、揺動検出スイッチ40は、スイッチレバー41が揺動してオン状態になると、コントローラ45に切断検出信号を出力するようになっている。
なお、図5に示すように、ポテンショメータ26および揺動検出スイッチ40は、コントローラ45と電気的に接続されており、このコントローラ45には、ポテンショメータ26からの回転変位検出信号と、揺動検出スイッチ40からの切断検出信号とが入力されるようになっている。そして、コントローラ45は、ポテンショメータ26から回転変位検出信号が入力されると、回転変位検出信号におけるドラム24の回転変位量に基づいてワイヤ21の繰り出し長さを算出し、算出したワイヤ21の繰り出し長さに基づいて伸縮ブーム5の長さを算出するようになっている。また、コントローラ45は、揺動検出スイッチ40から切断検出信号が入力されると、例えば、警報装置46に警報作動を行わせる警報作動信号を出力したり、また例えば、起伏シリンダ6や伸縮シリンダ7を有して構成されるブームアクチュエータ47にブーム伸長作動規制信号を出力したりするようになっている。
以上のように構成される第1実施形態のブーム長さ検出装置20およびワイヤ切断検出装置19において、前述したように、シーブ28を保持する揺動部材30は、渦巻きバネ25の回転付勢力を基に生じたワイヤ21の張力を受けて、図1に示すように、常には所定使用位置に揺動変位するようになっている。そして、揺動部材30が所定使用位置に揺動変位した状態で、ブーム長さ検出装置20により伸縮ブーム5の長さが検出される。
具体的には、伸縮ブーム5の伸縮動に伴ってワイヤ21がドラム24により巻き取りもしくは繰り出され、ワイヤ21の巻き取りもしくは繰り出しによって回転するドラム24の回転変位量をポテンショメータ26が検出してコントローラ45に回転変位検出信号を出力する。そして、ポテンショメータ26からコントローラ45に回転変位検出信号が入力されると、コントローラ45は、入力されたドラム24の回転変位量に基づいてワイヤ21の繰り出し長さを算出し、算出したワイヤ21の繰り出し長さに基づいて伸縮ブーム5の長さを算出する。
このとき、ワイヤ21が切れた場合には、ワイヤ切断検出装置19によりワイヤ21の切断が検出される。具体的には、ワイヤ21が切れると、ワイヤ21が掛け回されていたシーブ28および揺動部材30にワイヤ21の張力が作用しなくなり、図4に示すように、シーブ28を保持する揺動部材30がねじりコイルバネ37の付勢力を受けて所定検出位置に揺動変位する。そして、揺動部材30が所定検出位置に揺動変位すると、揺動部材30のセンサードグ33が揺動検出スイッチ40のスイッチレバー41を押圧して揺動検出スイッチ40がオン状態となり、揺動検出スイッチ40がコントローラ45に切断検出信号を出力する。これにより、ワイヤ21の切断をより確実に検出することができる。
さらに、ワイヤ21が切断されて伸縮ブーム5内の構造物等に引っ掛かった場合でも、シーブ28および揺動部材30にはワイヤ21の張力が一時作用しなくなり、揺動部材30がねじりコイルバネ37の付勢力を受けて所定検出位置に揺動変位することから、ワイヤ21の切断をより確実に検出することができる。また、図1に示すように、ワイヤ巻き取り器22から基端ブーム5aの基端側に繰り出されたワイヤ21は、シーブ28に掛け回されて方向を反転させ基端ブーム5aの先端側に延出されるようになっており、これにより、シーブ28を保持した揺動部材30にワイヤ21の張力が確実に作用するため、ワイヤ21の切断検出における誤検出を防止することができる。
なお、揺動検出スイッチ40からコントローラ45に切断検出信号が入力されると、例えば、コントローラ45が警報装置46に警報作動信号を出力することで、警報装置46による警報作動が行われ、また例えば、コントローラ45がブームアクチュエータ47にブーム伸長作動規制信号を出力することで、伸縮ブーム5の伸長作動が規制される。
以上のような構成の第1実施形態のワイヤ切断検出装置19によれば、ワイヤ21が切断されると、ワイヤ21が掛け回されていたシーブ28および揺動部材30にワイヤ21の張力が作用しなくなり、シーブ28を保持する揺動部材30がねじりコイルバネ37の付勢力を受けて所定使用位置から変位した所定検出位置に揺動変位する。そして、この揺動部材30が所定検出位置に揺動変位したか否かを揺動検出スイッチ40が検出するため、ワイヤ21の切断をより確実に検出することができる。
また、ワイヤ巻き取り器22から(基端ブーム5aの)基端側に繰り出されたワイヤ21がシーブ28に掛け回されて方向を反転させ先端側に延出されるように構成されることで、シーブ28を保持した揺動部材30にワイヤ21の張力が確実に作用するため、ワイヤ21の切断検出における誤検出を防止することができる。
なお、上述の第1実施形態において、ねじりコイルバネ37を用いて、ワイヤ21の張力を受けて揺動する向きと反対方向に揺動させる付勢力を揺動部材30に加えるように構成されているが、これに限られるものではなく、例えば、引っ張りコイルバネ等を用いるようにしてもよい。
また、上述の第1実施形態において、揺動部材30が所定検出位置に揺動変位したときに揺動検出スイッチ40がオン状態となるように構成されているが、これに限られるものではなく、揺動部材30が所定検出位置に揺動変位したときに揺動検出スイッチ40がオフ状態となるように構成されてもよい。
次に、第2実施形態のブーム長さ検出装置70およびワイヤ切断検出装置69について図6を参照しながら説明する。ブーム長さ検出装置70は、基端側が基端ブーム5aに連結されるとともに先端側が中間ブーム5bに連結されたワイヤ21と、ワイヤ21を巻き取りもしくは繰り出し可能なワイヤ巻き取り器22と、ワイヤ巻き取り器22に設けられたポテンショメータ26とを主体に構成される。また、ワイヤ切断検出装置69は、ワイヤ巻き取り器22から繰り出されたワイヤ21が掛け回されるシーブ78と、揺動検出スイッチ80とを主体に構成される。
なお、第2実施形態のブーム長さ検出装置70に構成されるワイヤ21、ワイヤ巻き取り器22、およびポテンショメータ26は、第1実施形態のものと同様の構成であり、同一の番号を付して説明を省略する。また、第2実施形態におけるワイヤ巻き取り器22は、図6に示すように、基端ブーム5aの基端側上面に固設されたブラケット75の側部に取り付けられる。
揺動検出スイッチ80は、いわゆるレバー形のリミットスイッチであり、ブラケット75の側部に取り付けられたスイッチ本体81と、スイッチ本体81に対して揺動自在なスイッチレバー82とを主体に構成される。なお、揺動検出スイッチ80は、基端ブーム5aにおけるワイヤ巻き取り器22より基端側に位置するようになっている。スイッチレバー82は、鉛直面内で下方へ延びる板状に形成されており、スイッチ本体81に設けられた揺動軸部83に連結される。なお、揺動軸部83の向きは、ワイヤ21の延設方向に対して垂直になるようになっている。
スイッチレバー82の先端部(揺動側端部)には、シーブ78がシーブ取り付けナット86等を用いて回転自在に取り付け保持されており、ワイヤ巻き取り器22のドラム24から基端ブーム5aの基端側に繰り出されたワイヤ21がこのシーブ78に掛け回されて方向を反転させ、基端ブーム5aの先端側に(すなわち、中間ブーム5bに向けて)延出されるようになっている。なお、スイッチレバー82に保持されたシーブ78は、基端ブーム5aの基端側上縁部と対向する位置(すなわち、ワイヤ巻き取り器22より基端側)に位置するようになっており、ワイヤ巻き取り器22から繰り出されたワイヤ21は、シーブ78に達するまでは基端ブーム5aの上(外)側を通過し、シーブ78で方向を反転させた後は基端ブーム5aの内側を通過するようになっている。
そして、ワイヤ21が掛け回されたシーブ78を保持するスイッチレバー82は、渦巻きバネ25の回転付勢力を基に生じたワイヤ21の張力を受けて図6における時計回りに揺動し、図6に示すように、常には所定使用位置に揺動変位するようになっている。なお、ブラケット75の側部には、スイッチ本体81の下方に位置してストッパ88が取り付けられており、スイッチレバー82が所定使用位置に達するとこのストッパ88に当接し、スイッチレバー82がワイヤ21の張力を受けつつ所定使用位置で停止するようになっている。
また、スイッチ本体81には、コイルバネ等の揺動付勢バネ(図示せず)が内蔵されており、スイッチレバー82をワイヤ21の張力を受けて揺動する向きと反対方向に(すなわち、図6における反時計回りに)揺動させる付勢力を揺動軸部83およびスイッチレバー82に加えるようになっている。なお、揺動付勢バネの付勢力は、スイッチレバー82が受けるワイヤ21の張力より小さく設定される。
そして、スイッチレバー82が揺動付勢バネ(図示せず)の付勢力を受けて図6における反時計回りに揺動すると、図7に示すように、所定使用位置より基端側に位置する所定検出位置に揺動変位するようになっている。すなわち、揺動検出スイッチ80は、スイッチレバー82が所定使用位置に揺動変位すると、オン状態になってコントローラ45(図5を参照)にオン信号を出力し、スイッチレバー82が所定検出位置に揺動変位すると、オフ状態になってコントローラ45にオフ信号を切断検出信号として出力するようになっている。
なお、図5に示すように、ポテンショメータ26および揺動検出スイッチ80は、第1実施形態と同様に、コントローラ45と電気的に接続される。そして、コントローラ45は、揺動検出スイッチ80から切断検出信号としてオフ信号が入力されると、第1実施形態と同様に、警報装置46に警報作動信号を出力したり、ブームアクチュエータ47にブーム伸長作動規制信号を出力したりするようになっている。
以上のように構成される第2実施形態のブーム長さ検出装置70およびワイヤ切断検出装置69において、前述したように、シーブ78を保持する揺動検出スイッチ80のスイッチレバー82は、渦巻きバネ25の回転付勢力を基に生じたワイヤ21の張力を受けて、図6に示すように、常には所定使用位置に揺動変位するようになっている。そして、スイッチレバー82が所定使用位置に揺動変位した状態で、ブーム長さ検出装置70により伸縮ブーム5の長さが検出される。具体的には、第1実施形態のブーム長さ検出装置20と同様に、ポテンショメータ26からコントローラ45に回転変位検出信号が入力され、コントローラ45において伸縮ブーム5の長さが算出される。なお、スイッチレバー82が所定使用位置に揺動変位するとき、揺動検出スイッチ80はオン状態になってコントローラ45(図5を参照)にオン信号を出力する。
このとき、ワイヤ21が切れた場合には、ワイヤ切断検出装置69によりワイヤ21の切断が検出される。具体的には、ワイヤ21が切れると、ワイヤ21が掛け回されていたシーブ78およびスイッチレバー82にワイヤ21の張力が作用しなくなり、図7に示すように、シーブ78を保持するスイッチレバー82が揺動付勢バネ(図示せず)の付勢力を受けて所定検出位置に揺動変位する。そして、スイッチレバー82が所定検出位置に揺動変位すると、揺動検出スイッチ80はオフ状態になってコントローラ45にオフ信号を切断検出信号として出力する。これにより、ワイヤ21の切断をより確実に検出することができる。
さらに、ワイヤ21が切断されて伸縮ブーム5内の構造物等に引っ掛かった場合でも、シーブ78およびスイッチレバー82にはワイヤ21の張力が一時作用しなくなり、スイッチレバー82が揺動付勢バネの付勢力を受けて所定検出位置に揺動変位することから、ワイヤ21の切断をより確実に検出することができる。また、スイッチレバー82の先端部にシーブ78が取り付けられることで、別途揺動部材等が不要となり、大幅なコスト上昇を招かずにワイヤ21の切断をより確実に検出することができる。また、図6に示すように、ワイヤ巻き取り器22から基端ブーム5aの基端側に繰り出されたワイヤ21は、シーブ78に掛け回されて方向を反転させ基端ブーム5aの先端側に延出されるようになっており、これにより、シーブ78を保持したスイッチレバー82にワイヤ21の張力が確実に作用するため、ワイヤ21の切断検出における誤検出を防止することができる。
なお、揺動検出スイッチ80からコントローラ45に切断検出信号としてオフ信号が入力されると、例えば、コントローラ45が警報装置46に警報作動信号を出力することで、警報装置46による警報作動が行われ、また例えば、コントローラ45がブームアクチュエータ47にブーム伸長作動規制信号を出力することで、伸縮ブーム5の伸長作動が規制される。
以上のような構成の第2実施形態のワイヤ切断検出装置69によれば、ワイヤ21が切断されると、ワイヤ21が掛け回されていたシーブ78およびスイッチレバー82にワイヤ21の張力が作用しなくなり、シーブ78を保持するスイッチレバー82が揺動付勢バネの付勢力を受けて所定使用位置から変位した所定検出位置に揺動変位する。そして、スイッチレバー82が所定検出位置に揺動変位したか否かを揺動検出スイッチ80が検出するため、ワイヤ21の切断をより確実に検出することができる。
また、ワイヤ巻き取り器22から(基端ブーム5aの)基端側に繰り出されたワイヤ21がシーブ78に掛け回されて方向を反転させ先端側に延出されるように構成されることで、シーブ78を保持したスイッチレバー82にワイヤ21の張力が確実に作用するため、ワイヤ21の切断検出における誤検出を防止することができる。
なお、上述の第2実施形態において、スイッチレバー82が所定検出位置に揺動変位したときに揺動検出スイッチ80がオフ状態となるように構成されているが、これに限られるものではなく、スイッチレバー82が所定検出位置に揺動変位したときに揺動検出スイッチ80がオン状態となるように構成されてもよい。
続いて、第3実施形態のブーム長さ検出装置120およびワイヤ切断検出装置119について図8を参照しながら説明する。ブーム長さ検出装置120は、基端側が基端ブーム5aに連結されるとともに先端側が中間ブーム5bに連結されたワイヤ21と、ワイヤ21を巻き取りもしくは繰り出し可能なワイヤ巻き取り器22と、ワイヤ巻き取り器22に設けられたポテンショメータ26と、ワイヤ巻き取り器22から繰り出されたワイヤ21が掛け回されるシーブ128とを主体に構成される。また、ワイヤ切断検出装置119は、ワイヤ21と接触可能なローラ131を有する揺動部材130と、揺動検出スイッチ140とを主体に構成される。
なお、第3実施形態のブーム長さ検出装置120に構成されるワイヤ21、ワイヤ巻き取り器22、およびポテンショメータ26は、第1実施形態のものと同様の構成であり、同一の番号を付して説明を省略する。また、第3実施形態におけるワイヤ巻き取り器22は、図8に示すように、基端ブーム5aの基端側上面に固設されたブラケット125の側部に取り付けられる。
シーブ128は、シーブ取り付け部材129等を用いてブラケット125の側部に対し回転自在に取り付け保持されており、ワイヤ巻き取り器22のドラム24から基端ブーム5aの基端側に繰り出されたワイヤ21がこのシーブ128に掛け回されて方向を反転させ、基端ブーム5aの先端側に(すなわち、中間ブーム5bに向けて)延出されるようになっている。なお、シーブ128は、基端ブーム5aの基端側上縁部と対向する位置(すなわち、ワイヤ巻き取り器22より基端側)に位置するようになっており、ワイヤ巻き取り器22から繰り出されたワイヤ21は、シーブ128に達するまでは基端ブーム5aの上(外)側を通過し、シーブ128で方向を反転させた後は基端ブーム5aの内側を通過するようになっている。
揺動部材130は、図8に示すように、基端側がブラケット125の側部に枢結された揺動アーム部132と、この揺動アーム部132の先端部に回転自在に取り付けられたローラ131とを主体に構成され、軸部材135を用いてブラケット125の側部に対し鉛直面内で揺動自在に取り付けられる。なお、揺動部材130は、基端ブーム5aにおけるワイヤ巻き取り器22より基端側に位置するようになっている。
揺動アーム部132は、鉛直面内で延びる板状に形成されており、軸部材135の中心を揺動軸として揺動するようになっている。なお、軸部材135の向きは、ワイヤ21の延設方向に対して垂直になるようになっている。揺動アーム部132の基端側には、センサードグ133が揺動アーム部132に対して垂直に折り曲げられるように形成されており、揺動検出スイッチ140のスイッチレバー141に当接可能に構成される。
ローラ131は、揺動アーム部132の先端部(揺動側端部)に回転自在に取り付けられており、ワイヤ巻き取り器22のドラム24から繰り出されたワイヤ21と円滑接触可能に構成される。また、揺動アーム部132の先端部におけるローラ131の近傍には、バネ係止部134が形成されており、引っ張りコイルバネ136の一端がこのバネ係止部133に係止するようになっている。
引っ張りコイルバネ136は、一端が揺動部材130のバネ係止部133に係止するとともに、他端がブラケット125の側部に係止するようになっており、揺動部材130を一方向へ(図8における時計回りに)揺動させる付勢力を揺動部材130に加えるようになっている。そして、ワイヤ21がワイヤ巻き取り器22から繰り出されてシーブ128に掛け回された状態では、図8に示すように、揺動部材130が引っ張りコイルバネ136の付勢力を受けつつ揺動変位して、常にはローラ131がワイヤ21の上側と接触するようになっている。
揺動検出スイッチ140は、いわゆるローラーレバー形のマイクロスイッチであり、ブラケット125の側部における揺動部材130より先端側に取り付けられる。そして、図9に示すように、揺動部材130が引っ張りコイルバネ136の付勢力を受けてローラ131がワイヤ21と接触する位置を超えて揺動変位すると、揺動部材130のセンサードグ133が揺動検出スイッチ140のスイッチレバー141を押圧して揺動させるようになっている。また、揺動検出スイッチ140は、スイッチレバー141が揺動してオン状態になると、コントローラ45に切断検出信号を出力するようになっている。
なお、図5に示すように、ポテンショメータ26および揺動検出スイッチ140は、第1実施形態と同様に、コントローラ45と電気的に接続される。そして、コントローラ45は、揺動検出スイッチ140から切断検出信号が入力されると、第1実施形態と同様に、警報装置46に警報作動信号を出力したり、ブームアクチュエータ47にブーム伸長作動規制信号を出力したりするようになっている。
以上のように構成される第3実施形態のブーム長さ検出装置120およびワイヤ切断検出装置119において、前述したように、ワイヤ21がワイヤ巻き取り器22から繰り出されてシーブ128に掛け回された状態では、図8に示すように、揺動部材130が引っ張りコイルバネ136の付勢力を受けつつ揺動変位して、常にはローラ131がワイヤ21の上側と接触するようになっている。そして、ローラ131がワイヤ21の上側と接触した状態で、ブーム長さ検出装置70により伸縮ブーム5の長さが検出される。具体的には、第1実施形態のブーム長さ検出装置20と同様に、ポテンショメータ26からコントローラ45に回転変位検出信号が入力され、コントローラ45において伸縮ブーム5の長さが算出される。
このとき、ワイヤ21が切れた場合には、ワイヤ切断検出装置119によりワイヤ21の切断が検出される。具体的には、ワイヤ21が切れると、切断されたワイヤ21の一端側がワイヤ巻き取り器22に巻き取られ、このとき、ローラ131が接触していた部分も巻き取られて無くなってしまうため、図9に示すように、ローラ131を有する揺動部材130は、引っ張りコイルバネ136の付勢力を受けてローラ131がワイヤ21と接触する(接触していた)位置を超えて揺動変位する。そして、揺動部材130が引っ張りコイルバネ136の付勢力を受けてローラ131がワイヤ21と接触する位置を超えて揺動変位すると、揺動部材130のセンサードグ133が揺動検出スイッチ140のスイッチレバー141を押圧して揺動検出スイッチ140がオン状態となり、揺動検出スイッチ140がコントローラ45に切断検出信号を出力する。これにより、ワイヤ21の切断をより確実に検出することができる。
なお、揺動検出スイッチ140からコントローラ45に切断検出信号が入力されると、例えば、コントローラ45が警報装置46に警報作動信号を出力することで、警報装置46による警報作動が行われ、また例えば、コントローラ45がブームアクチュエータ47にブーム伸長作動規制信号を出力することで、伸縮ブーム5の伸長作動が規制される。
以上のような構成の第3実施形態のワイヤ切断検出装置119によれば、ワイヤ21が切断されると、切断されたワイヤ21の一端側がワイヤ巻き取り器22に巻き取られ、このとき、ローラ131が接触していた部分も巻き取られて無くなってしまうため、ローラ131を有する揺動部材130が引っ張りコイルバネ136の付勢力を受けてローラ131がワイヤ21と接触する位置を超えて揺動変位する。そして、この揺動部材130が(ローラ131が)ワイヤ21と接触する位置を超えて揺動変位したか否かを揺動検出スイッチ140が検出するため、ワイヤ21の切断をより確実に検出することができる。
なお、上述の第3実施形態において、引っ張りコイルバネ136を用いて、揺動部材130を一方向へ揺動させる付勢力を揺動部材130に加えるように構成されているが、これに限られるものではなく、例えば、ねじりコイルバネ等を用いるようにしてもよい。
また、上述の第3実施形態において、揺動部材130が所定検出位置に揺動変位したときに揺動検出スイッチ140がオン状態となるように構成されているが、これに限られるものではなく、揺動部材130が所定検出位置に揺動変位したときに揺動検出スイッチ140がオフ状態となるように構成されてもよい。
さらに、上述の第3実施形態において、ワイヤ21と接触可能なローラ131が揺動アーム部132の先端部に取り付けられているが、これに限られるものではなく、ワイヤ21と円滑接触可能なピン部材を揺動アーム部132の先端部に取り付けるようにしてもよい。
次に、第4実施形態のブーム長さ検出装置170およびワイヤ切断検出装置169について図10を参照しながら説明する。ブーム長さ検出装置170は、基端側が基端ブーム5aに連結されるとともに先端側が中間ブーム5bに連結されたワイヤ21と、ワイヤ21を巻き取りもしくは繰り出し可能なワイヤ巻き取り器22と、ワイヤ巻き取り器22に設けられたポテンショメータ26とを主体に構成される。また、ワイヤ切断検出装置169は、ワイヤ巻き取り器22から繰り出されたワイヤ21が掛け回されるシーブ178と、ワイヤ21と接触可能なローラ181を有する揺動部材180と、揺動検出スイッチ190とを主体に構成される。
なお、第4実施形態のブーム長さ検出装置170に構成されるワイヤ21、ワイヤ巻き取り器22、およびポテンショメータ26は、第1実施形態のものと同様の構成であり、同一の番号を付して説明を省略する。また、第4実施形態におけるワイヤ巻き取り器22は、図10に示すように、基端ブーム5aの基端側上面に固設されたブラケット175の側部に取り付けられる。
シーブ178は、シーブ取り付け部材179等を用いてブラケット175の側部に対し回転自在に取り付け保持されており、ワイヤ巻き取り器22のドラム24から基端ブーム5aの基端側に繰り出されたワイヤ21がこのシーブ178に掛け回されて方向を反転させ、基端ブーム5aの先端側に(すなわち、中間ブーム5bに向けて)延出されるようになっている。なお、シーブ178は、基端ブーム5aの基端側上縁部と対向する位置(すなわち、ワイヤ巻き取り器22より基端側)に位置するようになっており、ワイヤ巻き取り器22から繰り出されたワイヤ21は、シーブ178に達するまでは基端ブーム5aの上(外)側を通過し、シーブ178で方向を反転させた後は基端ブーム5aの内側を通過するようになっている。
揺動部材180は、図10に示すように、中央部近傍がブラケット175の側部に枢結された揺動アーム部182と、この揺動アーム部182の一端に回転自在に取り付けられたローラ181と、揺動アーム部182の他端に形成されたセンサードグ183とを主体に構成され、軸部材185を用いてブラケット175の側部に対し鉛直面内で揺動自在に取り付けられる。なお、揺動部材180は、基端ブーム5aにおけるワイヤ巻き取り器22より基端側に位置するようになっている。
揺動アーム部182は、鉛直面内で「く」の字形に延びる板状に形成されており、揺動アーム部182の中央部近傍に位置する曲がり部分が軸部材185を用いてブラケット175の側部に枢結され、揺動アーム部182の一端側および他端側が軸部材185の中心を揺動軸として揺動するようになっている。なお、軸部材185の向きは、ワイヤ21の延設方向に対して垂直になるようになっている。
ローラ181は、揺動アーム部182の一端に回転自在に取り付けられており、ワイヤ巻き取り器22のドラム24から繰り出されたワイヤ21と円滑接触可能に構成される。センサードグ183は、揺動アーム部182の他端に、揺動アーム部182に対して垂直に折り曲げられるように形成されており、揺動検出スイッチ190のスイッチレバー191に当接可能に構成される。
また、軸部材185には、図示しないねじりコイルバネが取り付けられており、揺動部材180を一方向へ(図10における時計回りに)揺動させる付勢力を揺動部材180に加えるようになっている。そして、ワイヤ21がワイヤ巻き取り器22から繰り出されてシーブ178に掛け回された状態では、図10に示すように、揺動部材180がねじりコイルバネ(図示せず)の付勢力を受けつつ揺動変位して、常にはローラ181がシーブ178に掛かるワイヤ21の外周部と接触するようになっている。
揺動検出スイッチ190は、いわゆるローラーレバー形のマイクロスイッチであり、ブラケット175の側部における揺動部材180より先端側に取り付けられる。そして、図11に示すように、揺動部材180がねじりコイルバネ(図示せず)の付勢力を受けてローラ181がワイヤ21と接触する位置を超えて揺動変位すると、揺動部材180のセンサードグ183が揺動検出スイッチ190のスイッチレバー191を押圧して揺動させるようになっている。また、揺動検出スイッチ190は、スイッチレバー191が揺動してオン状態になると、コントローラ45に切断検出信号を出力するようになっている。
なお、図5に示すように、ポテンショメータ26および揺動検出スイッチ190は、第1実施形態と同様に、コントローラ45と電気的に接続される。そして、コントローラ45は、揺動検出スイッチ190から切断検出信号が入力されると、第1実施形態と同様に、警報装置46に警報作動信号を出力したり、ブームアクチュエータ47にブーム伸長作動規制信号を出力したりするようになっている。
以上のように構成される第4実施形態のブーム長さ検出装置170およびワイヤ切断検出装置169において、前述したように、ワイヤ21がワイヤ巻き取り器22から繰り出されてシーブ178に掛け回された状態では、図10に示すように、揺動部材180がねじりコイルバネ(図示せず)の付勢力を受けつつ揺動変位して、常にはローラ181がシーブ178に掛かるワイヤ21の外周部と接触するようになっている。そして、ローラ181がシーブ178に掛かるワイヤ21の外周部と接触した状態で、ブーム長さ検出装置170により伸縮ブーム5の長さが検出される。具体的には、第1実施形態のブーム長さ検出装置20と同様に、ポテンショメータ26からコントローラ45に回転変位検出信号が入力され、コントローラ45において伸縮ブーム5の長さが算出される。
このとき、ワイヤ21が切れた場合には、ワイヤ切断検出装置169によりワイヤ21の切断が検出される。具体的には、ワイヤ21が切れると、切断されたワイヤ21の一端側がワイヤ巻き取り器22に巻き取られ、このとき、ローラ181が接触していた部分も巻き取られて無くなってしまうため、図11に示すように、ローラ181を有する揺動部材180は、ねじりコイルバネの付勢力を受けてローラ181がワイヤ21と接触する(接触していた)位置を超えて揺動変位する。そして、揺動部材180がねじりコイルバネの付勢力を受けてローラ181がワイヤ21と接触する位置を超えて揺動変位すると、ローラ181がシーブ178の外周部に当接するとともに、揺動部材180のセンサードグ183が揺動検出スイッチ190のスイッチレバー191を押圧して揺動検出スイッチ190がオン状態となり、揺動検出スイッチ190がコントローラ45に切断検出信号を出力する。これにより、ワイヤ21の切断をより確実に検出することができる。さらに、ローラ181がシーブ178に掛かるワイヤ21の外周部と接触するように構成されるため、ワイヤ21の撓みによる影響を排除することができることから、ワイヤ21の切断検出における誤検出を防止することができる。
なお、揺動検出スイッチ190からコントローラ45に切断検出信号が入力されると、例えば、コントローラ45が警報装置46に警報作動信号を出力することで、警報装置46による警報作動が行われ、また例えば、コントローラ45がブームアクチュエータ47にブーム伸長作動規制信号を出力することで、伸縮ブーム5の伸長作動が規制される。
以上のような構成の第4実施形態のワイヤ切断検出装置169によれば、ワイヤ21が切断されると、切断されたワイヤ21の一端側がワイヤ巻き取り器22に巻き取られ、このとき、ローラ181が接触していた部分も巻き取られて無くなってしまうため、ローラ181を有する揺動部材180がねじりコイルバネの付勢力を受けてローラ181がワイヤ21と接触する位置を超えて揺動変位する。そして、この揺動部材180が(ローラ181が)ワイヤ21と接触する位置を超えて揺動変位したか否かを揺動検出スイッチ190が検出するため、ワイヤ21の切断をより確実に検出することができる。さらに、ローラ181がシーブ178に掛かるワイヤ21の外周部と接触するように構成されるため、ワイヤ21の撓みによる影響を排除することができることから、ワイヤ21の切断検出における誤検出を防止することができる。
なお、上述の第4実施形態において、ねじりコイルバネ(図示せず)を用いて、揺動部材180を一方向へ揺動させる付勢力を揺動部材180に加えるように構成されているが、これに限られるものではなく、例えば、引っ張りコイルバネ等を用いるようにしてもよい。
また、上述の第4実施形態において、揺動部材180が所定検出位置に揺動変位したときに揺動検出スイッチ190がオン状態となるように構成されているが、これに限られるものではなく、揺動部材180が所定検出位置に揺動変位したときに揺動検出スイッチ190がオフ状態となるように構成されてもよい。
続いて、第5実施形態のブーム長さ検出装置220およびワイヤ切断検出装置219について図12および図13を参照しながら説明する。ブーム長さ検出装置220は、基端側が基端ブーム5aに連結されるとともに先端側が中間ブーム5bに連結されたワイヤ21と、ワイヤ21を巻き取りもしくは繰り出し可能なワイヤ巻き取り器22と、ワイヤ巻き取り器22に設けられたポテンショメータ26とを主体に構成される。また、ワイヤ切断検出装置219は、ワイヤ巻き取り器22から繰り出されたワイヤ21が掛け回される第1および第2シーブ228,229と、第1シーブ228を保持する揺動部材230と、揺動検出スイッチ240(図13では不図示)とを主体に構成される。
なお、第5実施形態のブーム長さ検出装置220に構成されるワイヤ21、ワイヤ巻き取り器22、およびポテンショメータ26は、第1実施形態のものと同様の構成であり、同一の番号を付して説明を省略する。また、第5実施形態におけるワイヤ巻き取り器22は、図12および図13に示すように、基端ブーム5aの基端側側面に取り付けられ、ワイヤ21が基端ブーム5aの先端側に向けて繰り出されるようになっている。
揺動部材230は、図14(a)に示すように、円筒状に形成された揺動軸部231と、揺動軸部231の外周部に形成された揺動アーム部232と、同じく揺動軸部231の外周部に形成されたセンサードグ233とを主体に構成され、揺動部材固定ボルト235を揺動軸部231の内部に通過させてブラケット225の上面側にネジ固定することにより、揺動部材230がブラケット225の上面側に対しブラケット225(基端ブーム5a)の上面と略平行な面内で揺動自在に取り付けられる。なお、ブラケット225は、図12および図13に示すように、基端ブーム5aの基端側側面に固設され、基端ブーム5aの延設方向に対し略平行に延びている。また、揺動部材230は、基端ブーム5aにおけるワイヤ巻き取り器22より先端側に位置するようになっている。
揺動アーム部232は、図14(a)に示すように、揺動軸部231の外周部からブラケット225(基端ブーム5a)の上面と略平行な面内で延びる板状に形成されており、揺動軸部231を揺動軸として揺動するようになっている。また、センサードグ233は、揺動軸部231の外周部から半径方向へ突出する板状に形成されており、揺動軸部231を揺動軸として揺動するようになっている。なお、揺動軸部231の向きは、ワイヤ21の延設方向に対して垂直になるようになっている。
揺動アーム部232の先端部(揺動側端部)には、第1シーブ228が回転自在に取り付け保持されており、ワイヤ巻き取り器22のドラム24から基端ブーム5aの先端側に(基端ブーム5aの延設方向に対し略平行な向きに)繰り出されたワイヤ21がこの第1シーブ228に掛け回されて、基端ブーム5aの延設方向に対し傾斜する向きに方向を変え、第2シーブ229に向けて(基端ブーム5aの先端側に)延出されるようになっている。
そして、ワイヤ21が掛け回された第1シーブ228を保持する揺動部材230は、渦巻きバネ25の回転付勢力を基に生じたワイヤ21の張力を受けて図14における時計回りに揺動し、図14(a)に示すように、常には所定使用位置に揺動変位するようになっている。なお、ブラケット225には図示しないストッパが設けられており、揺動部材230が所定使用位置に達すると揺動部材230の一部がストッパに当接し、揺動部材230がワイヤ21の張力を受けつつ所定使用位置で停止するようになっている。
また、揺動軸部231には、第1実施形態の揺動軸部31(揺動部材30)と同様に、ねじりコイルバネ(図示せず)が取り付けられており、揺動部材230をワイヤ21の張力を受けて揺動する向きと反対方向に(すなわち、図14における反時計回りに)揺動させる付勢力を揺動部材230に加えるようになっている。なお、ねじりコイルバネが揺動部材230に加える付勢力は、揺動部材230が受けるワイヤ21の張力より小さく設定される。
第2シーブ229は、シーブ取り付け部材239等を用いてブラケット225の上面側(第1シーブ228より先端側)に回転自在に取り付け保持されており、第1シーブ228から基端ブーム5aの先端側に向けて延びるワイヤ21がこの第2シーブ229に掛け回されて、基端ブーム5aの延設方向に対し若干傾斜する向きに方向を変え、中間ブーム5bに向けて延出されるようになっている。なお、第2シーブ229から中間ブーム5bに向かうワイヤ21は、基端ブーム5aおよびブラケット225の側部に形成された通過穴226を通過して中間ブーム5bに達するようになっている。
揺動検出スイッチ240は、いわゆるローラーレバー形のマイクロスイッチであり、ブラケット225の上面側における揺動部材230の側方(基端ブーム5aに対して外方)に取り付けられる。そして、揺動部材230がねじりコイルバネの付勢力を受けて図14における反時計回りに揺動し、図14(b)に示すように、所定使用位置の側方に位置する所定検出位置に揺動変位すると、揺動部材230のセンサードグ233が揺動検出スイッチ240のスイッチレバー241を押圧して揺動させ、揺動部材230がねじりコイルバネの付勢力を受けつつ所定検出位置で停止するようになっている。また、揺動検出スイッチ240は、スイッチレバー241が揺動してオン状態になると、コントローラ45に切断検出信号を出力するようになっている。
なお、図5に示すように、ポテンショメータ26および揺動検出スイッチ240は、第1実施形態と同様に、コントローラ45と電気的に接続される。そして、コントローラ45は、揺動検出スイッチ140から切断検出信号が入力されると、第1実施形態と同様に、警報装置46に警報作動信号を出力したり、ブームアクチュエータ47にブーム伸長作動規制信号を出力したりするようになっている。
以上のように構成される第5実施形態のブーム長さ検出装置220およびワイヤ切断検出装置219において、前述したように、第1シーブ228を保持する揺動部材230は、渦巻きバネ25の回転付勢力を基に生じたワイヤ21の張力を受けて、図14(a)に示すように、常には所定使用位置に揺動変位するようになっている。そして、揺動部材230が所定使用位置に揺動変位した状態で、ブーム長さ検出装置220により伸縮ブーム5の長さが検出される。具体的には、第1実施形態のブーム長さ検出装置20と同様に、ポテンショメータ26からコントローラ45に回転変位検出信号が入力され、コントローラ45において伸縮ブーム5の長さが算出される。
このとき、ワイヤ21が切れた場合には、ワイヤ切断検出装置219によりワイヤ21の切断が検出される。具体的には、ワイヤ21が切れると、ワイヤ21が掛け回されていた第1シーブ228および揺動部材230にワイヤ21の張力が作用しなくなり、図14(b)に示すように、第1シーブ228を保持する揺動部材230がねじりコイルバネ(図示せず)の付勢力を受けて所定検出位置に揺動変位する。そして、揺動部材230が所定検出位置に揺動変位すると、揺動部材230のセンサードグ233が揺動検出スイッチ240のスイッチレバー241を押圧して揺動検出スイッチ240がオン状態となり、揺動検出スイッチ240がコントローラ45に切断検出信号を出力する。これにより、ワイヤ21の切断をより確実に検出することができる。
さらに、ワイヤ21が切断されて伸縮ブーム5内の構造物等に引っ掛かった場合でも、シーブ28および揺動部材230にはワイヤ21の張力が一時作用しなくなり、揺動部材230がねじりコイルバネの付勢力を受けて所定検出位置に揺動変位することから、ワイヤ21の切断をより確実に検出することができる。
なお、揺動検出スイッチ240からコントローラ45に切断検出信号が入力されると、例えば、コントローラ45が警報装置46に警報作動信号を出力することで、警報装置46による警報作動が行われ、また例えば、コントローラ45がブームアクチュエータ47にブーム伸長作動規制信号を出力することで、伸縮ブーム5の伸長作動が規制される。
以上のような構成の第5実施形態のワイヤ切断検出装置219によれば、ワイヤ21が切断されると、ワイヤ21が掛け回されていた第1シーブ228および揺動部材230にワイヤ21の張力が作用しなくなり、第1シーブ228を保持する揺動部材230がねじりコイルバネの付勢力を受けて所定使用位置から変位した所定検出位置に揺動変位する。そして、この揺動部材230が所定検出位置に揺動変位したか否かを揺動検出スイッチ240が検出するため、ワイヤ21の切断をより確実に検出することができる。
なお、上述の第5実施形態において、ねじりコイルバネを用いて、ワイヤ21の張力を受けて揺動する向きと反対方向に揺動させる付勢力を揺動部材230に加えるように構成されているが、これに限られるものではなく、例えば、引っ張りコイルバネ等を用いるようにしてもよい。
また、上述の第5実施形態において、揺動部材230が所定検出位置に揺動変位したときに揺動検出スイッチ240がオン状態となるように構成されているが、これに限られるものではなく、揺動部材230が所定検出位置に揺動変位したときに揺動検出スイッチ240がオフ状態となるように構成されてもよい。
さらに、上述の第5実施形態において、揺動部材230が第1シーブ228を保持するように構成されているが、これに限られるものではなく、第2シーブ229を保持するように構成されてもよい。
また、上述の各実施形態において、本発明に係るブーム長さ検出装置を備えた作業車として高所作業車1を例に説明したが、これに限られるものではなく、例えば、クレーン車や穴掘り建柱車等にも、本発明を適用することができる。
さらに、上述の各実施形態において、伸縮ブーム5が、基端ブーム5a、中間ブーム5bおよび先端ブーム5cの3つのブームから構成されているが、これに限られるものではなく、例えば、ブームの数は2つでも5つでもよく、伸縮ブームは複数のブームを入れ子式に組み合わせて伸縮動可能に構成されていればよい。
また、上述の各実施形態において、ワイヤ21の先端が中間ブーム5bと連結されるように構成されているが、これに限られるものではなく、先端ブーム5cと連結されるように構成されてもよい。特に、伸縮シリンダの伸縮作動に伴って中間ブームおよび先端ブームが順に伸縮動するように構成された伸縮ブームに対して有効である。
さらに、上述の各実施形態において、ワイヤ21の繰り出し長さを検出するためにポテンショメータ26を用いているが、これに限られるものではなく、例えば、ロータリーエンコーダ等を用いるようにしてもよく、ワイヤの繰り出し長さを検出可能に構成されていればよい。
また、上述の各実施形態において、本発明における揺動検出器(揺動検出スイッチ)としてマイクロスイッチやリミットスイッチが用いられているが、これに限られるものではなく、例えば、ビームセンサや近接センサ等を用いるようにしてもよい。