JP2006207398A - 内燃機関の始動時バルブタイミング調節装置 - Google Patents

内燃機関の始動時バルブタイミング調節装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 内燃機関において複数のバルブタイミング調節機構の内の一部が異常であっても異常に対応した始動性の低下を引き起こさないようにする。
【解決手段】 始動時に左右バンクのいずれかのバルブタイミング調節機構(VVT)が異常の場合、正常なバンクの吸気バルブ閉弁タイミングを、通常始動時よりも燃焼による出力が上昇するバルブタイミング側に制御、すなわち吸気行程BDCに近づくように制御している(S110,S114)。このことにより左右バンクの内で異常な方により生じたエンジンの始動性悪化を或程度相殺することができる。尚、排気バルブ開弁タイミングを膨張行程BDCに近づくように制御しても良い。こうして、一部のVVTが異常であっても異常に対応した始動性の低下を引き起こさないようにすることができる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、吸気バルブタイミングあるいは排気バルブタイミングを調節可能なバルブタイミング調節機構が複数設けられた内燃機関において始動時のバルブタイミングを調節する装置に関する。
V型内燃機関においてバンク毎にバルブタイミングを調節する装置を備えてバンク間での燃焼状態のずれに応じて、バルブタイミングを調節している技術が提案されている(例えば特許文献1参照)。更に、バルブタイミングを電動機にて調節する技術が特許文献2のごとく提案されている。
特開平10−141097号公報(第5−8頁、図1,3) 特開2004−150397号公報(第7−19頁、図1−22)
特許文献1のバルブタイミング制御装置においては、始動時についてのバルブタイミング制御は直接的には記載されていないが、通常は、冷間時の始動や暖機後の始動に関わらず汎用的なバルブタイミングにて始動している。
例えば、吸気バルブタイミングについては、例えば特許文献2に示した電動機によるバルブタイミング調整装置を用いて、閉弁タイミングを通常の機関運転における閉弁タイミング領域内にて始動時用に設定した特定のバルブタイミングに設定している。このような特定の吸気バルブ閉弁タイミングを設定しているのは、内燃機関の回転抵抗とスタータ駆動力とのバランス上から内燃機関が円滑に回転でき、燃焼開始による始動が早期となる位置を考慮したためである。
しかし特許文献1のごとく2バンクに気筒群が分別されて気筒群毎にバルブタイミング調節が可能とされている場合に、一方のバンクのバルブタイミング調節が異常となる場合がある。特許文献2で言えば電動機が故障する場合がある。
この場合には、異常な方の吸気カムシャフトには電動機等によるバルブタイミング調節用の駆動力が作用しないので、クランキング時に吸気カムシャフトに生じる回転抵抗力により吸気バルブタイミングは最遅角の状態に移動してしまう。正常な方のバンクの吸気バルブタイミングについては電動機等により調節が可能であるため、前述した始動時用の特定の閉弁タイミングに調節されることになる。
しかし内燃機関全体で見ると、異常な方のバンクについては、吸気バルブの閉弁タイミングが通常の始動時よりも遅角して、一旦燃焼室内に吸入した空気の可成りの部分を再度、吸気バルブから吸気ポート側へ排出することになり、十分な空気を始動初期の燃焼に用いることができない。このために一部のバンクはいまだ正常であるにもかかわらず、内燃機関全体としては始動性が低下することになる。特に冷間時の始動のためには、暖機後の始動よりも多量の吸入空気が必要であり、始動性の低下が顕著となるおそれがある。
このような一部のバンクにおけるバルブタイミングの調節異常による始動性の低下は、排気バルブタイミングを調節する装置を備えている場合についても同じである。すなわち排気バルブタイミング調節機構では、開弁タイミングを進角側に付勢するバネなどが組み込まれている。したがって排気バルブタイミング調節機構が異常となって始動時に電動機等の駆動力が作用しないと、排気バルブタイミングはバネ等の付勢力によって過剰に進角したままであり早期に開弁する状態で始動させることになる。このため始動時初期の燃焼において、十分に燃焼室内の圧力をピストンを介してクランクシャフトに伝達することができなくなる可能性がある。したがって一部のバンクはいまだ正常であるにもかかわらず、内燃機関全体として始動性が低下する。そしてこの始動性の低下は冷間時において顕著となるおそれがある。
更にこのようなバルブタイミング調節の異常は、単一のバンクにおいて吸気バルブタイミングと排気バルブタイミングとの両者が調節可能である内燃機関にても同じである。すなわち一方のバルブタイミング調節が異常となることによる始動性の低下は、他方のバルブタイミング調節が正常であるにもかかわらず、内燃機関全体として始動性が低下し、特に冷間時において顕著となるおそれがある。
本発明は、複数のバルブタイミング調節機構の内の一部が異常であっても異常に対応した始動性の低下を引き起こさないようにすることを目的とするものである。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の内燃機関の始動時バルブタイミング調節装置は、吸気バルブタイミングあるいは排気バルブタイミングを調節可能なバルブタイミング調節機構が複数設けられた内燃機関において始動時のバルブタイミングを調節する装置であって、前記バルブタイミング調節機構の異常を検出するバルブタイミング調節異常検出手段と、前記バルブタイミング調節異常検出手段により一部のバルブタイミング調節機構が異常であると検出された場合には、正常なバルブタイミング調節機構による始動時のバルブタイミングを、通常始動時よりも燃焼による出力が上昇するバルブタイミング側に制御する始動時補償手段とを備えたことを特徴とする。
一部のバルブタイミング調節機構が異常である場合には内燃機関回転抵抗とスタータ駆動力とのバランスが正常時のバランスから変化したり、あるいは始動時の初期の燃焼から得られる内燃機関の回転力と始動後に好適なバルブタイミングとのバランスが変化する。このため、早期に始動できるバルブタイミングは、正常時にて始動されることが前提の始動時用バルブタイミングから変化することになる。そしてこの変化は、バルブタイミングが通常始動時よりも燃焼による出力が上昇するバルブタイミング側に移動することが判明した。
したがって始動時補償手段は、異常時には、正常なバルブタイミング調節機構による始動時のバルブタイミングを、通常始動時よりも燃焼による出力が上昇するバルブタイミング側に制御している。このことで、異常なバルブタイミング調節機構により生じた始動性悪化を或程度相殺することができる。
こうして、複数のバルブタイミング調節機構の内の一部が異常であっても異常に対応した始動性の低下を引き起こさないようにすることができる。
請求項2に記載の内燃機関の始動時バルブタイミング調節装置では、請求項1において、前記始動時補償手段は、正常なバルブタイミング調節機構が吸気バルブタイミングを調節するものである場合には、前記バルブタイミング調節異常検出手段による異常検出時には、通常始動時よりも吸気バルブの閉弁タイミングを吸気行程下死点へ又は該下死点近傍に設定した始動時出力補償領域へ近づけることにより、燃焼による出力を上昇させることを特徴とする。
通常、始動時における吸気バルブの閉弁タイミングは、内燃機関回転抵抗とスタータ駆動力とのバランスから吸気行程下死点よりも離れた位置に配置されている。このため始動時補償手段は、異常時には、正常なバルブタイミング調節機構による吸気バルブの閉弁タイミングを、吸気行程下死点へ又はこの下死点近傍に設定した始動時出力補償領域へ近づけることにより、燃焼に用いられる吸入空気量を増加させられ、燃焼による出力を上昇できる。このことにより、異常なバルブタイミング調節機構により生じた始動性悪化を或程度相殺することができる。
したがって複数のバルブタイミング調節機構の内の一部が異常であっても異常に対応した始動性の低下を引き起こさないようにすることができる。
請求項3に記載の内燃機関の始動時バルブタイミング調節装置では、請求項1において、前記始動時補償手段は、正常なバルブタイミング調節機構が排気バルブタイミングを調節するものである場合には、前記バルブタイミング調節異常検出手段による異常検出時には、通常始動時よりも排気バルブの開弁タイミングを膨張行程下死点へ又は該下死点近傍に設定した始動時出力補償領域へ近づけることにより、燃焼による出力を上昇させることを特徴とする。
通常、始動時における排気バルブの開弁タイミングは、始動時の初期の燃焼から得られる内燃機関の回転力と始動後に好適なバルブタイミングとのバランスから膨張行程下死点よりも離れた位置に配置されている。このため始動時補償手段は、異常時には、正常なバルブタイミング調節機構による排気バルブの開弁タイミングを、膨張行程下死点へ又はこの下死点近傍に設定した始動時出力補償領域へ近づける。このことにより、燃焼開始直後にピストンに作用する圧力を十分にクランクシャフトに伝達でき、燃焼による出力を上昇できる。こうして異常なバルブタイミング調節機構により生じた始動性悪化を或程度相殺することができる。
したがって複数のバルブタイミング調節機構の内の一部が異常であっても異常に対応した始動性の低下を引き起こさないようにすることができる。
請求項4に記載の内燃機関の始動時バルブタイミング調節装置では、請求項1〜3のいずれかにおいて、内燃機関の気筒を複数の気筒群に分別し、前記複数のバルブタイミング調節機構は、各気筒群に振り分けて設けられていると共に、前記始動時補償手段は、前記バルブタイミング調節異常検出手段による異常検出時には、前記バルブタイミング調節機構が正常な気筒群におけるバルブタイミング調節機構による始動時のバルブタイミングを、通常始動時よりも燃焼による出力が上昇するバルブタイミング側に制御することを特徴とする。
このように内燃機関は、気筒群を複数設定して、気筒群毎にバルブタイミング調節機構を備えているものが存在する。このような内燃機関においては、始動時補償手段は、バルブタイミング調節機構が正常である方の気筒群における始動時のバルブタイミングを、通常始動時よりも燃焼による出力が上昇するバルブタイミング側に制御する。このことにより、異常なバルブタイミング調節機構を備えた気筒群により生じた内燃機関の始動性悪化を或程度相殺することができる。
したがって複数の気筒群の内の一部の気筒群に属するバルブタイミング調節機構が異常であっても異常に対応した始動性の低下を引き起こさないようにすることができる。
請求項5に記載の内燃機関の始動時バルブタイミング調節装置では、請求項4において、内燃機関は複数バンクを設けており、該バンク毎に気筒群が分別されて、各バンクに前記複数のバルブタイミング調節機構が振り分けて設けられていることを特徴とする。
このように内燃機関が複数のバンクを備えている場合には、各バンクに複数のバルブタイミング調節機構を振り分けて設けても良い。このことにより、異常なバルブタイミング調節機構を備えたバンクにより生じた内燃機関の始動性悪化を或程度相殺することができ、複数のバンクの内の一部のバンクに属するバルブタイミング調節機構が異常であっても異常に対応した始動性の低下を引き起こさないようにすることができる。
請求項6に記載の内燃機関の始動時バルブタイミング調節装置では、請求項4又は5において、内燃機関は、吸気バルブの閉弁タイミング及び排気バルブの開弁タイミングの少なくとも一方を調節できるバルブタイミング調節機構を備えた第1気筒群と、吸気バルブの閉弁タイミングを調節できるバルブタイミング調節機構を備えた第2気筒群とを備え、前記始動時補償手段は、前記バルブタイミング調節異常検出手段によって前記第1気筒群のバルブタイミング調節機構のみが異常であると検出された場合には、前記第2気筒群におけるバルブタイミング調節機構による始動時の吸気バルブの閉弁タイミングを、通常始動時よりも燃焼による出力が上昇するバルブタイミング側に制御することを特徴とする。
上記第1気筒群のバルブタイミング調節機構のみが異常の場合には、上記第2気筒群の始動時の吸気バルブの閉弁タイミングを、通常始動時よりも燃焼による出力が上昇するバルブタイミング側に制御することにより、第1気筒群により生じた内燃機関の始動性悪化を或程度相殺することができる。こうして、2つの気筒群の一方に属するバルブタイミング調節機構が異常であっても異常に対応した始動性の低下を引き起こさないようにすることができる。
請求項7に記載の内燃機関の始動時バルブタイミング調節装置では、請求項4又は5において、内燃機関は、吸気バルブの閉弁タイミング及び排気バルブの開弁タイミングの少なくとも一方を調節できるバルブタイミング調節機構を備えた第1気筒群と、排気バルブの開弁タイミングを調節できるバルブタイミング調節機構を備えた第2気筒群とを備え、前記始動時補償手段は、前記バルブタイミング調節異常検出手段によって前記第1気筒群のバルブタイミング調節機構のみが異常であると検出された場合には、前記第2気筒群におけるバルブタイミング調節機構による始動時の排気バルブの開弁タイミングを、通常始動時よりも燃焼による出力が上昇するバルブタイミング側に制御することを特徴とする。
上記第1気筒群のバルブタイミング調節機構のみが異常の場合には、上記第2気筒群の始動時の排気バルブの開弁タイミングを、通常始動時よりも燃焼による出力が上昇するバルブタイミング側に制御することにより、第1気筒群により生じた内燃機関の始動性悪化を或程度相殺することができる。こうして、2つの気筒群の一方に属するバルブタイミング調節機構が異常であっても異常に対応した始動性の低下を引き起こさないようにすることができる。
請求項8に記載の内燃機関の始動時バルブタイミング調節装置では、請求項1〜7のいずれかにおいて、前記バルブタイミング調節機構は、電動機により駆動されることを特徴とする。
バルブタイミング調節機構として、電動機により駆動されるバルブタイミング調節機構を用いた場合には、始動時に直ちに最大限の出力で駆動することが可能であることから、特にバルブタイミングの幅が広く設定されることが有る。
このような場合には異常により電動機が機能しなくなると、例えば吸気バルブの閉弁タイミングでは極めて大きな遅角状態となり、排気バルブの開弁タイミングでは極めて大きな進角状態となるおそれがある。このため、始動性の悪化が顕著になるおそれが高い。
しかし、前述したごとく始動時補償手段が、正常なバルブタイミング調節機構による始動時のバルブタイミングを、通常始動時よりも燃焼による出力が上昇するバルブタイミング側に制御することにより、異常なバルブタイミング調節機構により生じた始動性悪化を、より効果的に抑制することができる。
このことにより、複数のバルブタイミング調節機構の内の一部が異常であっても異常に対応した始動性の低下を引き起こさないようにすることができる。
[実施の形態1]
図1は上述した発明が適用された車両用エンジン2及びその制御系の概略構成図である。エンジン2はV型6気筒のガソリンエンジンである。
シリンダブロック4の各バンク6,8に設けられたシリンダヘッド6a,8aには、各3つの気筒毎に吸気ポート6b,8bと排気ポート6c,8cとが形成されている。吸気ポート6b,8bは吸気バルブ10,12により開閉され、排気ポート6c,8cは排気バルブ14,16により開閉される。尚、図1においては各バンク6,8の任意の1気筒を示している。
吸気バルブ10,12はシリンダヘッド6a,8a上に配置された吸気カムシャフト10a,12aの回転に連動する吸気カム10b,12bにより駆動される。排気バルブ14,16はシリンダヘッド6a,8a上に配置された排気カムシャフト14a,16aの回転に連動する排気カム14b,16bにより駆動される。
吸気カムシャフト10a,12a及び排気カムシャフト14a,16aは、クランクシャフト20により回転されるクランクスプロケット20aに連動して、クランクシャフト20の回転数、すなわちエンジン回転数NEの1/2の回転数で回転する。クランクスプロケット20aの回転力は破線で示すタイミングチェーン20bにより各カムスプロケット10c,12c,14c,16cに伝達される。ここでカムスプロケット10c,12c,14c,16cは直接、カムシャフト10a,12a,14a,16aに連結されているわけではなく、バルブタイミング調節機構(以下、「VVT」と称する)10d,12d,14d,16dを介して回転力をカムシャフト10a〜16aに伝達している。
VVT10d〜16dは、それぞれ内蔵する電動機の回転方向により各バルブ10〜16におけるバルブタイミングを、各カムスプロケット10c〜16cに対して進角したり遅角したりする機能を果たしている。このような電動機の制御はECU(電子制御ユニット)22により運転状態に応じてなされる。
このようなVVT10d〜16dは、例えば前記特許文献2に示した装置を用いることができる。左バンク6のVVT10d,14dの概略を図2の分解斜視図に示す。尚、右バンク8については吸気バルブ12のVVT12dと排気バルブ16のVVT16dとの配置が左右で入れ替わっているのみで、基本的な構成は以下に説明する構成と同じである。
図2に示すごとく、吸気バルブ10のVVT10dは、第1係合板62、第2係合板64、制御板66、電動機としての電動モータ68及び3本の制御ピン70から構成されている。第1係合板62はカムスプロケット10cに固定されてカムスプロケット10cと一体に回転する。第2係合板64はカムシャフト10aに固定されてカムシャフト10aと一体に回転する。電動モータ68はシリンダヘッド6a側に固定されて制御板66に回転トルクを与える。
第1係合板62と第2係合板64とにはそれぞれ3つの螺旋状長孔62a,64aが形成されている。ただし第1係合板62の螺旋状長孔62aはカムシャフト10aの回転方向にて次第に軸から離れる形状であり、第2係合板64の螺旋状長孔64aは逆に次第に軸に近づく形状である。制御板66には3つの螺旋状長孔66aが、カムシャフト10aの回転方向にて次第に軸から離れる形状に形成されている。ただしこの螺旋状長孔66aは第1係合板62の螺旋状長孔62aに比較して緩い傾斜で形成されている。
そして各螺旋状長孔62a,64a,66aを軸方向に制御ピン70が貫通している。電動モータ68はECU22により制御され、出力軸68aから制御板66に与える回転トルクを調節している。電動モータ68に対して駆動電流が与えられていない時には、カムスプロケット10cが回転すると、カムシャフト10aに生じる回転抵抗力により、第2係合板64は第1係合板62に対して遅角し、同時に3本の制御ピン70は集合するように軸側に移動する。このことにより、最終的に吸気バルブ10のバルブタイミングは最遅角状態となる。尚、電動モータ68に対して駆動電流が与えられていない時に吸気バルブ10のバルブタイミングが確実に最遅角状態となるように、第1係合板62と第2係合板64との間に、第1係合板62に対して第2係合板64を遅角側に付勢するバネを設けても良い。
吸気バルブ10のバルブタイミングを一定に維持するためには、電動モータ68により、カムシャフト10aの回転方向とは逆方向(遅角方向)への保持回転トルクを、制御板66に対して与える。このことにより3本の制御ピン70が軸側にも外側にも移動しなくなり、吸気バルブ10のバルブタイミングを固定できる。
ECU22が電動モータ68を制御して、前記保持回転トルクを弱めたり、あるいは制御板66にカムシャフト10aの回転方向とは同方向(進角方向)への回転トルクを与えると、制御板66に進角方向への回転が生じる。このことにより螺旋状長孔66aに誘導されて制御ピン70が軸側へ集合するように移動し、相対的に第2係合板64は第1係合板62に対して遅角側に回転位相が移動する。したがってカムスプロケット10cに対してカムシャフト10aは遅角するので、吸気カム10bによる吸気バルブ10のバルブタイミングは遅角側に調節されることになる。
逆に、制御板66に遅角方向へ或程度以上の回転トルクを与えると、制御板66の遅角方向への回転に伴って螺旋状長孔66aに誘導されて制御ピン70が外側へ分散するように移動する。このことにより相対的に第2係合板64は第1係合板62に対して進角側に回転位相が移動する。したがってカムスプロケット10cに対してカムシャフト10aは進角するので、吸気カム10bによる吸気バルブ10のバルブタイミングは進角側に調節されることになる。
このような構成及び機能は、右バンク8における吸気バルブ12のVVT12dも同様である。このことによりECU22は吸気バルブ10,12のバルブタイミングを進角したり遅角したりすることができる。
排気バルブ14のVVT14dは、第1係合板72、第2係合板74、制御板76、電動モータ78、制御ピン80及び付勢バネ82から構成されている。第1係合板72、第2係合板74、制御板76、電動モータ78及び制御ピン80については、吸気バルブ10,12側のVVT10d,12dと同じである。
ただし排気バルブ14のVVT14dは第1係合板72と第2係合板74との間に付勢バネ82を備えている。この付勢バネ82は第1係合板72に対して常に第2係合板74を進角側に付勢するものである。したがって電動モータ78に対して駆動電流が与えられていないときには、付勢バネ82の付勢力により第2係合板74は第1係合板72に対して進角し、最終的に排気バルブ14のバルブタイミングは最進角状態となる。排気バルブ14のバルブタイミングを一定に維持する時には電動モータ78は或程度の保持回転トルクを制御板76に対して進角方向に与える。このような構成及び機能は、右バンク8における排気バルブ16のVVT16dも同様である。このことによりECU22はそれぞれの電動モータ78を制御して、排気バルブ14,16のバルブタイミングを進角したり遅角したりすることができる。
前述したごとく吸気バルブ10,12のバルブタイミングが調節される吸気ポート6b,8bは、図1に示したごとくサージタンク24にて集合し、このサージタンク24へは吸気通路26を介してエアクリーナ側から空気が供給される。この吸気通路26内には吸気温THAを検出する吸気温センサ28、吸入空気量GAを検出する吸入空気量センサ30が設けられている。更に各気筒に対する吸入空気量を調節するスロットルバルブ32が設けられ、このスロットルバルブ32にはスロットル開度TAを検出するスロットル開度センサ34が設けられ、更にスロットルバルブ32を駆動する電動モータ36が設けられている。
前述したごとく排気バルブ14,16のバルブタイミングが調節される排気ポート6c,8cは、排気マニホールドに集合した後、排気浄化触媒及びマフラー等が配置されている排気管に接続されている。
ECU22は、前述した吸気温センサ28、吸入空気量センサ30、スロットル開度センサ34以外にも各種センサやスイッチ類から信号を受けている。すなわち、クランクシャフト20に設けた回転数センサ38、各カムシャフト10a〜16aの回転位相を検出するカム角センサ10e,12e,14e,16e、アクセル開度センサ40、スタータスイッチ42、エンジン冷却水温THWを検出する冷却水温センサ43等から信号を受けている。
そしてこれらの信号や各種演算により求めた制御量に基づいて、各種装置を駆動制御している。すなわち、スロットルバルブ32による吸入空気量、燃料噴射弁44,46からの燃料噴射量及び噴射時期、点火プラグ48,50による点火時期、VVT10d〜16dによるバルブタイミング、スタータモータ52によるエンジン2の始動などの制御がなされる。
次にECU22により実行される処理の内で、始動時の各バルブ10〜16のバルブタイミングを調節する始動時バルブタイミング制御処理を図3のフローチャートに示す。本処理はスタータスイッチ42がスタート位置となった場合に開始され、正常なVVT10d〜16dの調節完了まで、短時間周期で繰り返し実行される。
本処理が開始されると、まずECU22はVVT10d〜16dについて始動時に調節すべきバルブタイミングへの調節が未完了か否かを判定する(S102)。初期においては未完了であるので(S102で「yes」)、次に左バンク6及び右バンク8のVVT10d〜16dが共に正常か否かが判定される(S104)。初期においては異常との検出がなされていないので、ここでは正常と判定される(S104で「yes」)。
次に、VVT10d〜16dに対して各バルブ10〜16を通常始動時用のバルブタイミングとする調節が実行される(S106)。すなわちカム角センサ10e,12eと回転数センサ38の検出値とに基づいて図4の(A)に実線にて示すごとく吸気バルブ10,12のバルブタイミングが設定される。更にカム角センサ14e,16eと回転数センサ38の検出値とに基づいて図4の(B)に実線にて示すごとく排気バルブ14,16のバルブタイミングが設定される(S106)。すなわち吸気バルブタイミングは吸気行程BDC(下死点)からの閉弁タイミングが遅角値θis分の遅角となるように設定される。この遅角値θisは、スタータモータ52の出力と燃焼室内の圧縮圧力との関係からスタータモータ52にてクランクシャフト20を回転させることにより、円滑にエンジン2が始動し、かつ始動直後の燃焼にて安定したエンジン回転となるように実験等により設定したものである。
排気バルブタイミングは膨張行程BDCからの開弁タイミングが進角値θes分の進角となるように設定される。この進角値θesは始動時の初期の燃焼から得られるエンジン2の回転力と始動後にバルブオーバーラップ等を考慮した好適なバルブタイミングとのバランスの観点から実験等により設定したものである。
これらの通常始動時用のバルブタイミングは汎用的な始動時バルブタイミングとして予め決定されてECU22内のROMに記憶されている。
このようにして図4に実線にて示した通常時のバルブタイミングとなるようにVVT10d〜16dに設けられているそれぞれの電動モータ68,78の駆動を開始し、一旦、本処理を終了する。
このような4つの電動モータ68,78に対する駆動制御が開始されると、ECU22は電動モータ68,78への駆動電圧や駆動電流の値から電動モータ68,78の異常を検出できる。
次の制御周期において未だバルブタイミング調節は完了していないとすると(S102で「yes」)、次に左右バンク6,8のVVT10d〜16dが共に正常か否かが判定される(S104)。いずれの電動モータ68,78においても、正常時の駆動電圧や駆動電流から乖離していない場合には左右バンク6,8のVVT10d〜16dが共に正常であるとして(S104で「yes」)、更に前述した通常始動時用VVT制御(S106)を継続する。
そして図4に実線にて示したバルブタイミングが達成されれば、調節完了であるので(S102で「no」)、本処理の周期的実行を停止する処理を実行して(S116)、本処理を終了する。こうして始動時バルブタイミング制御処理は終了し、始動後の制御に移る。
始動時バルブタイミング制御処理の周期的な実行中に、4つの電動モータ68,78の内のいずれかにおいて、正常時の駆動電圧や駆動電流から乖離した場合には左右バンク6,8のVVT10d〜16dが共に正常であるとは言えない(S104で「no」)と判定される。したがって次に左バンク6のVVT10d,14dは正常か否かが判定される(S108)。すなわち右バンク8のVVT12d,16dのいずれか一方又は両方のみが異常か否かが判定されることになる。
左バンク6のVVT10d,14dが正常であれば(S108で「yes」)、左バンク6の吸気バルブ10用VVT10dの電動モータ68を駆動して、前記図4の(A)に一点鎖線にて示した補償時用のバルブタイミングに変更する。すなわち、吸気バルブ10の閉弁タイミングを、遅角値θis分、遅角している状態から、吸気行程BDCに近づける制御、この場合は進角する制御を実行する(S110)。
例えば右バンク8の吸気バルブ用VVT12dが異常である場合には、図2に示した制御板66に電動モータ68から回転トルクが伝達されず、クランキング時にはカムシャフト12aの回転抵抗により、図4の(A)に破線(異常時)で示すごとく吸気バルブ12のバルブタイミングは最遅角状態となる。このように吸気バルブ12の閉弁タイミングが最遅角状態となると、吸気バルブ12を介して燃焼室内に流入した吸入空気が再度吸気ポート8b側へ大量に戻るようになる。このことにより燃焼に用いられるべき吸入空気量が大きく低下して始動が困難となる。
このように片方の右バンク8においてVVT12dの異常に起因して始動が困難となった状況では、正常な方の左バンク6を通常時用の吸気バルブタイミングとするよりも、吸気バルブ10の閉弁タイミングを吸気行程BDCに近づけた方で始動性が向上する。すなわち異常側の右バンク8で上述したごとく吸入される吸入空気量が低下するため、圧縮圧力による回転抵抗も低くなる。したがって正常な左バンク6の方の吸気バルブ10の閉弁タイミングを吸気行程BDCに近づけて、吸入空気量を増加させることで圧縮抵抗が増加したとしても、エンジン2全体としては圧縮抵抗増加は相殺される。したがって正常な方の吸気バルブ10の閉弁タイミングを吸気行程BDCに近づけた分、左バンク6の吸入空気量は増加し、燃焼による出力が上昇して、右バンク8のVVT12d異常に起因する始動性悪化を抑制することができる。
例えば右バンク8の排気バルブ用VVT16dが異常である場合には、図2に示した制御板76に電動モータ78から回転トルクが伝達されず、クランキング時には付勢バネ82の付勢力により、図4の(B)に破線(異常時)で示すごとく排気バルブ16のバルブタイミングは最進角状態となる。このように排気バルブ16の開弁タイミングが最進角状態となると、燃焼開始直後においてピストン8dが十分に燃焼室内の燃焼圧力を受けることができず安定した始動が困難となる。
このように片方の右バンク8においてVVT16dの異常に起因して始動が困難となった状況であっても、上述したごとく正常な方の左バンク6について吸気バルブ10の閉弁タイミングを吸気行程BDCに近づけたことで正常な方の左バンク6にて燃焼による出力が上昇する。このことでエンジン2全体としては燃焼開始直後での回転安定性を増加させることができ、始動性悪化を抑制できる。
このように正常な方の吸気バルブ10の閉弁タイミングを、遅角値θisの状態から吸気行程BDCに近づける制御(S110)を繰り返した後に、バルブタイミング調節が完了すれば(S102で「no」)、停止処理を実行して(S116)、始動時バルブタイミング制御処理(図3)を終了する。
左バンク6のVVT10d,14dのいずれか一方又は両方が異常で(S108で「no」)、右バンク8のVVT12d,16dが正常である場合(S112で「yes」)を考える。この場合は上述とは逆に、右バンク8の吸気バルブ12用VVT12dの電動モータ68を駆動して、前記図4の(A)に一点鎖線で示した補償時用バルブタイミングに変更する。すなわち、吸気バルブ12の閉弁タイミングを、遅角値θisの状態から吸気行程BDCに近づける制御、この場合は進角する制御を実行する(S114)。このことにより前述したメカニズムにより、始動性の悪化を抑制することができる。
左右バンク6,8が共に異常となった場合には(S112で「no」)、この場合には、停止処理(S116)後に本処理を終了する。
尚、左右バンク6,8のVVT10d〜16dのいずれかに異常が生じた場合には(S104で「yes」)、ECU22は、別途実行される処理にて、ダッシュボードなどに備えられている警報ランプを点灯させるなどの警報出力をする。
上述した処理において行われる制御の一例を、図5に正常時のタイミングチャート、図6に右バンク8の吸気バルブ用VVT異常時のタイミングチャート、図7に右バンク8の排気バルブ用VVT異常時のタイミングチャートに示す。図5においてはスタータスイッチ42が「ON」(スタータON)となって(t1)、直ちに全バルブタイミングは通常始動時のバルブタイミングに移動している。図6及び図7においては、正常な方の左バンク6の吸気バルブ閉弁タイミングを、スタータONとなった(t2,t3)直後に吸気行程BDCに近づけることにより、始動性悪化が抑制されている。
上述した構成において、請求項との関係は、ECU22がバルブタイミング調節異常検出手段と始動時補償手段とに相当する。そして電動モータ68,78の駆動電圧や駆動電流に基づいて実行されるVVT10d〜16dの異常判定処理がバルブタイミング調節異常検出手段としての処理に相当し、始動時バルブタイミング制御処理(図3)のステップS108〜S114が始動時補償手段としての処理に相当する。
以上説明した本実施の形態1によれば、以下の効果が得られる。
(イ).始動時に、左右バンク6,8のいずれかのみのVVT10d〜16dが異常の場合、正常なバンクの吸気バルブ閉弁タイミングを、通常始動時よりも燃焼による出力が上昇するバルブタイミング側に制御、すなわち吸気行程BDCに近づくように制御している(S110,S114)。このことにより、前述したごとくバンク6,8の内で異常な方により生じたエンジン2の始動性悪化を或程度相殺することができる。こうして、2つのバンク6,8の一方に属するVVT10d〜16dが異常であっても異常に対応した始動性の低下を引き起こさないようにすることができる。
(ロ).VVT10d〜16dは、電動機、ここでは電動モータ68,78により駆動されている。このため始動時に直ちに最大限の出力で駆動できることから、特に調節できるバルブタイミングの幅が広く設定されている。
このような広い調節幅では、異常により電動モータ68,78が機能しなくなると、吸気バルブ10,12の閉弁タイミングは極めて大きい遅角状態となり、排気バルブ14,16の開弁タイミングは極めて大きい進角状態となる。このため、始動性の悪化が顕著になるおそれが高くなる。
しかし、前述したごとく始動時バルブタイミング制御処理(図3)が実行されることにより、異常なVVTにより生じた始動性悪化を或程度相殺することができる。したがって異常に対応した始動性悪化を、より効果的に抑制することができる。
[実施の形態2]
本実施の形態では、前記図3の代わりに図8に示す始動時バルブタイミング制御処理が実行される点が前記実施の形態1と異なる。他の構成は前記実施の形態1と同じであるので、図1,2を参照して説明する。更に図8の始動時バルブタイミング制御処理においては、ステップS202〜S208,S212,S216は、図3のステップS102〜S108,S112,S116と同じである。
異なるのは次の2つの処理(S210,S214)である。すなわち右バンク8のVVT12d,16dの少なくとも一方が異常で、左バンク6のVVT10d,14dが共に正常である時に(S208で「yes」)、左バンク6の排気バルブ用VVT14dを駆動して、排気バルブ14の開弁タイミングを膨張行程BDCに近づける処理を行う(S210)。そして左バンク6のVVT10d,14dの少なくとも一方が異常で、右バンク8のVVT12d,16dが共に正常である時に(S212で「yes」)、右バンク8の排気バルブ用VVT16dを駆動して、排気バルブ16の開弁タイミングを膨張行程BDCに近づける処理を行う(S214)。
このように排気バルブ14,16のいずれかを開弁タイミングを膨張行程BDCに近づけるためには、排気バルブ14,16用VVT14d,16dのいずれかの電動モータ78を駆動して、前記図4の(B)に示したバルブタイミングを変更する。すなわち、排気バルブ開弁タイミングを、進角値θesの状態から膨張行程BDCに近づける制御、この場合は遅角させる制御を実行する(S210,S214)。
前記実施の形態1にて述べたごとく、左右バンク6,8の内のいずれか一方のバンクのVVT10d〜16dが異常である時には、異常に対応してエンジン2の始動性が低下する。しかし正常な方のバンク、例えば左バンク6のVVT10d,14dは正常であるとすると、この左バンク6の排気バルブ14用VVT14dにより排気バルブ14の開弁タイミングを進角値θesの状態から膨張行程BDCに近づける制御を実行する。このことにより、燃焼開始直後において左バンク6のピストン6dが、より長期間に渡って燃焼室内の燃焼圧力を受けられるようになる。このため左バンク6では、最初の燃焼において、通常よりも強い回転力をクランクシャフト20に与えることができる。このためエンジン2全体として始動性の悪化を抑制することができる。
逆に、右バンク8のVVT12d,16dの方が正常であれば、右バンク8の排気バルブ16用VVT16dにより排気バルブ16の開弁タイミングを進角値θesの状態から膨張行程BDCに近づける制御を実行することにより、同様にエンジン2全体として始動性の悪化を抑制することができる。
上述した処理において行われる制御の一例を、図9に右バンク8の吸気バルブ用VVT異常時のタイミングチャート、図10に右バンク8の排気バルブ用VVT異常時のタイミングチャートに示す。正常時のタイミングチャートは前記実施の形態1の図5に示したごとくである。図9及び図10においては、正常な方の左バンク6の排気バルブ開弁タイミングを、スタータONとなった(t12,t13)直後に膨張行程BDCに近づけることにより、始動性悪化が抑制されている。
上述した構成において、請求項との関係は、始動時バルブタイミング制御処理(図8)のステップS208〜S214が始動時補償手段としての処理に相当する。
以上説明した本実施の形態2によれば、以下の効果が得られる。
(イ).左右バンク6,8のいずれかのみのVVT10d〜16dが異常の場合、正常なバンクの始動時における排気バルブ開弁タイミングを、通常始動時よりも燃焼による出力が上昇するバルブタイミング側に制御、すなわち膨張行程BDCに近づくように制御している(S210,S214)。このことにより、前述したごとく異常な方のバンクにより生じたエンジン2の始動性悪化を或程度相殺することができる。こうして、2つのバンク6,8の一方に属するVVT10d〜16dが異常であっても異常に対応した始動性の低下を引き起こさないようにすることができる。
(ロ).前記実施の形態1の(ロ)の効果を生じる。
[実施の形態3]
本実施の形態では、前記図3の代わりに図11に示す始動時バルブタイミング制御処理が実行される点が前記実施の形態1と異なる。他の構成は前記実施の形態1と同じであるので、図1,2を参照して説明する。
図11の始動時バルブタイミング制御処理においてステップS302〜S308,S312,S316は図3のステップS102〜S108,S112,S116と同じである。
異なるのは次の2つの処理(S310,S314)である。すなわち右バンク8のVVT12d,16dの一方又は両方が異常で左バンク6のVVT10d,14dが共に正常である時には(S308で「yes」)、ステップS310にて、左バンク6の吸気バルブ10用VVT10dを駆動して通常始動時の吸気バルブ閉弁タイミングを吸気行程BDCに近づける。更にステップS310では左バンク6の排気バルブ14用VVT14dを駆動して通常始動時の排気バルブ開弁タイミングを膨張行程BDCに近づける処理も行う。
左バンク6のVVT10d,14dの一方又は両方が異常で右バンク8のVVT12d,16dが共に正常である時には(S312で「yes」)、ステップS314にて、右バンク8の吸気バルブ12用VVT12dを駆動して、通常始動時の吸気バルブ閉弁タイミングを吸気行程BDCに近づける。更にステップS314では右バンク8の排気バルブ16用VVT16dを駆動して通常始動時の排気バルブ開弁タイミングを膨張行程BDCに近づける処理を行う。
このように始動性悪化を抑制するための処理として、吸気バルブ閉弁タイミングを吸気行程BDCに近づける処理と、排気バルブ開弁タイミングを膨張行程BDCに近づける処理との両方を実行する。
上述した処理において行われる制御の一例を、図12に右バンク8の吸気バルブ用VVT異常時のタイミングチャート、図13に右バンク8の排気バルブ用VVT異常時のタイミングチャートに示す。正常時のタイミングチャートは前記実施の形態1の図5に示したごとくである。図12及び図13においては、スタータONとなった(t22,t23)直後に、正常な方の左バンク6の吸気バルブ閉弁タイミングを吸気行程BDCに近づけ、排気バルブ開弁タイミングを膨張行程BDCに近づけることにより、始動性悪化が抑制されている。
上述した構成において、請求項との関係は、始動時バルブタイミング制御処理(図11)のステップS308〜S314が始動時補償手段としての処理に相当する。
以上説明した本実施の形態3によれば、以下の効果が得られる。
(イ).前記実施の形態1及び前記実施の形態2の効果を生じることにより、より効果的にエンジンの始動性悪化を抑制できる。
[実施の形態4]
本実施の形態では、前記図3の代わりに図14に示す始動時バルブタイミング制御処理が実行される点が前記実施の形態1と異なる。他の構成は前記実施の形態1と同じであるので、図1,2を参照して説明する。
まずECU22は、VVT10d〜16dについて始動時に調節すべきバルブタイミングへの調節が未完了か否かを判定する(S402)。初期においては未完了であるので(S402で「yes」)、次に左右バンク6,8のVVT10d〜16dが全て正常か否かが判定される(S404)。初期においては異常との検出がなされていないので、ここではVVT10d〜16dは全て正常と判定される(S404で「yes」)。そして次に、VVT10d〜16dを通常始動時用のバルブタイミングとなるように調節が実行される(S406)。このステップS406の処理は前記図3のステップS106の処理と同じであり、図4の(A)及び(B)に実線にて示したごとく吸気バルブタイミングと排気バルブタイミングとが調節される。そして、一旦、本処理を終了する。
再度、本処理が開始されて、未だ調節は完了していないとすると(S402で「yes」)、次に左右バンク6,8のVVT10d〜16dが全て正常か否かが判定される(S404)。いずれの電動モータ68,78においても、正常時の駆動電圧や駆動電流から乖離していない場合には左右バンク6,8のVVT10d〜16dは全て正常であるので(S404で「yes」)、更に前述した通常始動時用VVT制御(S406)を継続する。
そして図4に示したバルブタイミングが達成されれば、調節完了であるので(S402で「no」)、本処理の周期的実行を停止する処理を実行して(S416)、本処理を終了する。こうして始動時バルブタイミング制御処理は終了し、始動後の制御に移る。
このようにVVT10d〜16dが全て正常であれば、前記図3における正常時での処理と同じ処理が行われる。
始動時バルブタイミング制御処理の周期的な実行中に、4つの電動モータ68,78のいずれかにおいて、正常時の駆動電圧や駆動電流から乖離した状態となった場合にはVVT10d〜16dの全てが正常とは言えず、ステップS404で「no」と判定される。
そしてVVT10d〜16dの内で、1つでも正常なものが存在するか否かが判定される(S408)。VVT10d〜16dの全てが異常であれば(S408で「no」)、ステップS416の処理が実行されて本処理を終了する。
VVT10d〜16dの内で1つでも正常なものが存在した場合(S408で「yes」)、VVT10d〜16dの内で正常なものが吸気バルブ用であればその吸気バルブの閉弁タイミングを吸気行程BDCに近づける処理を行う(S410)。更にVVT10d〜16dの内で正常なものが排気バルブ用であればその排気バルブの開弁タイミングを膨張行程BDCに近づける処理を行う(S414)。
例えば図15のタイミングチャートに、左バンク6の吸気バルブ10用VVT10d、排気バルブ14用VVT14d、及び右バンク8の排気バルブ16用VVT16dが正常で、右バンク8の吸気バルブ12用VVT12dが異常であった場合を示す。この場合には左バンク6の吸気バルブ閉弁タイミングを吸気行程BDCに近づける処理を行い(S410)、左右バンク6,8のそれぞれの排気バルブ開弁タイミングを膨張行程BDCに近づける処理を行う(S414)。
図16は左バンク6の吸気バルブ10用VVT10d、排気バルブ14用VVT14d、及び右バンク8の吸気バルブ12用VVT12dが正常で、右バンク8の排気バルブ16用VVT16dが異常であった場合を示す。この場合には、左右バンク6,8のそれぞれの吸気バルブ閉弁タイミングを吸気行程BDCに近づけ(S410)、左バンク6の排気バルブ開弁タイミングを膨張行程BDCに近づける(S414)。
図17は左バンク6の吸気バルブ10用VVT10d及び右バンク8の排気バルブ16用VVT16dが正常で、左バンク6の排気バルブ14用VVT14d及び右バンク8の吸気バルブ12用VVT12dが異常であった場合を示している。この場合には左バンク6の吸気バルブ閉弁タイミングを吸気行程BDCに近づけ(S410)、右バンク8の排気バルブ開弁タイミングを膨張行程BDCに近づける(S414)。
図18は右バンク8の吸気バルブ12用VVT12dのみが正常で、他のVVT10d,14d,16dが異常であった場合を示している。この場合には右バンク8の吸気バルブ閉弁タイミングを吸気行程BDCに近づける処理を行う(S410)がステップS414の処理は実質的に行われない。
このようにVVT10d〜16dのいずれかが異常である場合には、VVT10d〜16dの内で正常であるものは全て、始動性悪化を抑制する処理が行われる。VVT10d〜16dの全てが正常である場合のタイミングチャートは前記実施の形態1の図5と同じである。
上述した構成において、請求項との関係は、始動時バルブタイミング制御処理(図14)のステップS408〜S414が始動時補償手段としての処理に相当する。
以上説明した本実施の形態4によれば、以下の効果が得られる。
(イ).前記実施の形態3の効果を生じると共に、同一のバンク6,8においても一方のVVTが異常でも、他方のVVTが正常であれば、正常な方のVVTを駆動して始動性悪化を抑制しているので、より広い範囲で始動性悪化を抑制できる。
[実施の形態5]
本実施の形態は、図19に示すごとくバンクが1つのエンジン502の例である。このエンジン502では全気筒に共通の吸気カムシャフト510a及び排気カムシャフト514aが設けられている。吸気カムシャフト510aには前記実施の形態1の図2に示した吸気バルブ用VVT10dと同一構成の吸気バルブ用VVT510dが設けられている。したがって全気筒の吸気バルブ510のバルブタイミングが吸気バルブ用VVT510dにより一律に調節される。
排気カムシャフト514aには同じく図2に示した排気バルブ用VVT14dと同一構成の排気バルブ用VVT514dが設けられている。したがって全気筒の排気バルブ514のバルブタイミングが排気バルブ用VVT514dにより一律に調節される。
このような構成のエンジン502においてECU522が実行する始動時バルブタイミング制御処理を図20のフローチャートに示す。本処理においてステップS502〜S506,S516は前記実施の形態4の図14にて説明したステップS402〜S406,S416と同じである。
前記図14と異なる点は、吸気バルブ用VVT510dと排気バルブ用VVT514dとの一方が異常である場合の処理である。吸気バルブ用VVT510dが正常であり、排気バルブ用VVT514dが異常である場合には(S508で「yes」)、吸気バルブ用VVT510dにより吸気バルブ閉弁タイミングを吸気行程BDCに近づける処理が行われる(S510)。吸気バルブ用VVT510dが異常であり、排気バルブ用VVT514dが正常である場合には(S512で「yes」)、排気バルブ用VVT514dにより排気バルブ開弁タイミングを膨張行程BDCに近づける処理が行われる(S514)。
図21のタイミングチャートに、始動時に吸気バルブ用VVT510dが正常で排気バルブ用VVT514dが異常な状態である場合を、図22のタイミングチャートに、始動時に吸気バルブ用VVT510dが異常で排気バルブ用VVT514dが正常な状態である場合を示す。
上述した構成において、請求項との関係は、ECU522がバルブタイミング調節異常検出手段と始動時補償手段とに相当する。そして電動モータの駆動電圧や駆動電流に基づいて実行されるVVT510d,514dの異常判定処理がバルブタイミング調節異常検出手段としての処理に相当し、始動時バルブタイミング制御処理(図20)のステップS508〜S514が始動時補償手段としての処理に相当する。
以上説明した本実施の形態5によれば、以下の効果が得られる。
(イ).吸気バルブ用VVT510dと排気バルブ用VVT514dとが全気筒共通のエンジン502においても、VVT510d,514dの一方のみが異常な場合には、他方にて始動性悪化を抑制できる。このことにより前記実施の形態1の効果を生じさせることができる。
[その他の実施の形態]
(a).前記各実施の形態では、正常なVVTによる吸気バルブ閉弁タイミングあるいは排気バルブ開弁タイミングを各BDCに近づけるようにしていた。この近づける程度は各BDCに完全に一致するように近づけても良く、或る幅で近づけても良い。
(b).前記各実施の形態では吸気バルブ閉弁タイミングあるいは排気バルブ開弁タイミングを近づける基準は各BDCであったが、各BDCの近傍にそれぞれ始動時出力補償領域を設けて、この領域に近づけるようにしても良い。そして始動性悪化抑制時には、この各始動時出力補償領域内に、吸気バルブ閉弁タイミングあるいは排気バルブ開弁タイミングが入るように制御する。
(c).図2に示したVVTの構成は一例であり、始動時に電動モータや他の電動機、あるいは他の駆動源を用いてバルブタイミングを変更できるVVTであれば本発明を適用できる。
例えば、進角油圧室と遅角油圧室を各カムシャフトの軸周りに設けて、油圧にてバルブタイミングを調節するVVTについても、油圧を蓄圧したり、エンジン始動前に予め電動機にて油圧を発生させたりしておくことにより、本発明を適用することができる。
(d).前記実施の形態1〜4において、エンジンのV角は60°であったが、45°や90°でも良く、あるいは水平対向型エンジンでも良い。
(e).前記実施の形態1〜4においては、吸気バルブと排気バルブとに共にVVTが設けられていたが、左右バンクの吸気バルブのみ、あるいは排気バルブのみに設けられていても良い。このようにバルブの種類が1つでも独立に調節できるVVTが2つ以上設けられていれば、異常なVVTによる始動性の悪化を、正常な方のVVTを各実施の形態にて示したごとく調節することにより、始動性の悪化を抑制できる。
前記実施の形態5のごとくバンクが1つでも、気筒が複数の気筒群に分別されて、吸気バルブあるいは排気バルブのいずれかにおいて複数のVVTが設けられていれば、異常なVVTによる始動性の悪化を正常な方のVVTを各実施の形態にて示したごとく調節することにより始動性の悪化を抑制できる。
(f).前記各実施の形態の構成では、各バルブタイミングは、開弁期間全体を進角したり遅角したりしていたが、調節すべき方のタイミング、すなわち吸気バルブでは閉弁タイミングのみ、排気バルブでは開弁タイミングのみを調節するようにしても良い。このような調節は、前記各実施の形態のVVTに、更にバルブリフト量を調節する機構を加えることで可能となる。
実施の形態1のエンジン及びその制御系の概略構成図。 実施の形態1のVVTの構成説明図。 実施の形態1のECUにより実行される始動時バルブタイミング制御処理のフローチャート。 吸気バルブと排気バルブとのバルブタイミングを説明するグラフ。 実施の形態1の正常時における制御の一例を示すタイミングチャート。 同じく異常時における制御の一例を示すタイミングチャート。 同じく異常時における制御の一例を示すタイミングチャート。 実施の形態2の始動時バルブタイミング制御処理のフローチャート。 実施の形態2の異常時における制御の一例を示すタイミングチャート。 同じく異常時における制御の一例を示すタイミングチャート。 実施の形態3の始動時バルブタイミング制御処理のフローチャート。 実施の形態3の異常時における制御の一例を示すタイミングチャート。 同じく異常時における制御の一例を示すタイミングチャート。 実施の形態4の始動時バルブタイミング制御処理のフローチャート。 実施の形態4の異常時における制御の一例を示すタイミングチャート。 同じく異常時における制御の一例を示すタイミングチャート。 同じく異常時における制御の一例を示すタイミングチャート。 同じく異常時における制御の一例を示すタイミングチャート。 実施の形態5のエンジン及びその制御系の概略構成図。 実施の形態5の始動時バルブタイミング制御処理のフローチャート。 実施の形態5の異常時における制御の一例を示すタイミングチャート。 同じく異常時における制御の一例を示すタイミングチャート。
符号の説明
2…エンジン、4…シリンダブロック、6,8…バンク、6a,8a…シリンダヘッド、6b,8b…吸気ポート、6c,8c…排気ポート、6d,8d…ピストン、10,12…吸気バルブ、10a,12a…吸気カムシャフト、10b,12b…吸気カム、10c,12c…カムスプロケット、10d,12d…吸気バルブ用VVT、10e,12e…カム角センサ、14,16…排気バルブ、14a,16a…排気カムシャフト、14b,16b…排気カム、14c,16c…カムスプロケット、14d,16d…排気バルブ用VVT、14e,16e…カム角センサ、20…クランクシャフト、20a…クランクスプロケット、20b…タイミングチェーン、22…ECU、24…サージタンク、26…吸気通路、28…吸気温センサ、30…吸入空気量センサ、32…スロットルバルブ、34…スロットル開度センサ、36…電動モータ、38…回転数センサ、40…アクセル開度センサ、42…スタータスイッチ、43…冷却水温センサ、44,46…燃料噴射弁、48,50…点火プラグ、52…スタータモータ、62…第1係合板、62a…螺旋状長孔、64…第2係合板、64a…螺旋状長孔、66…制御板、66a…螺旋状長孔、68…電動モータ、68a…出力軸、70…制御ピン、72…第1係合板、74…第2係合板、76…制御板、78…電動モータ、80…制御ピン、82…付勢バネ、502…エンジン、510…吸気バルブ、510a…吸気カムシャフト、510d…吸気バルブ用VVT、514…排気バルブ、514a…排気カムシャフト、514d…排気バルブ用VVT、520…クランクシャフト、522…ECU、538…回転数センサ、540…アクセル開度センサ、542…スタータスイッチ、552…スタータモータ。

Claims (8)

  1. 吸気バルブタイミングあるいは排気バルブタイミングを調節可能なバルブタイミング調節機構が複数設けられた内燃機関において始動時のバルブタイミングを調節する装置であって、
    前記バルブタイミング調節機構の異常を検出するバルブタイミング調節異常検出手段と、
    前記バルブタイミング調節異常検出手段により一部のバルブタイミング調節機構が異常であると検出された場合には、正常なバルブタイミング調節機構による始動時のバルブタイミングを、通常始動時よりも燃焼による出力が上昇するバルブタイミング側に制御する始動時補償手段と、
    を備えたことを特徴とする内燃機関の始動時バルブタイミング調節装置。
  2. 請求項1において、前記始動時補償手段は、正常なバルブタイミング調節機構が吸気バルブタイミングを調節するものである場合には、前記バルブタイミング調節異常検出手段による異常検出時には、通常始動時よりも吸気バルブの閉弁タイミングを吸気行程下死点へ又は該下死点近傍に設定した始動時出力補償領域へ近づけることにより、燃焼による出力を上昇させることを特徴とする内燃機関の始動時バルブタイミング調節装置。
  3. 請求項1において、前記始動時補償手段は、正常なバルブタイミング調節機構が排気バルブタイミングを調節するものである場合には、前記バルブタイミング調節異常検出手段による異常検出時には、通常始動時よりも排気バルブの開弁タイミングを膨張行程下死点へ又は該下死点近傍に設定した始動時出力補償領域へ近づけることにより、燃焼による出力を上昇させることを特徴とする内燃機関の始動時バルブタイミング調節装置。
  4. 請求項1〜3のいずれかにおいて、内燃機関の気筒を複数の気筒群に分別し、前記複数のバルブタイミング調節機構は、各気筒群に振り分けて設けられていると共に、
    前記始動時補償手段は、前記バルブタイミング調節異常検出手段による異常検出時には、前記バルブタイミング調節機構が正常な気筒群におけるバルブタイミング調節機構による始動時のバルブタイミングを、通常始動時よりも燃焼による出力が上昇するバルブタイミング側に制御することを特徴とする内燃機関の始動時バルブタイミング調節装置。
  5. 請求項4において、内燃機関は複数バンクを設けており、該バンク毎に気筒群が分別されて、各バンクに前記複数のバルブタイミング調節機構が振り分けて設けられていることを特徴とする内燃機関の始動時バルブタイミング調節装置。
  6. 請求項4又は5において、内燃機関は、吸気バルブの閉弁タイミング及び排気バルブの開弁タイミングの少なくとも一方を調節できるバルブタイミング調節機構を備えた第1気筒群と、吸気バルブの閉弁タイミングを調節できるバルブタイミング調節機構を備えた第2気筒群とを備え、
    前記始動時補償手段は、前記バルブタイミング調節異常検出手段によって前記第1気筒群のバルブタイミング調節機構のみが異常であると検出された場合には、前記第2気筒群におけるバルブタイミング調節機構による始動時の吸気バルブの閉弁タイミングを、通常始動時よりも燃焼による出力が上昇するバルブタイミング側に制御することを特徴とする内燃機関の始動時バルブタイミング調節装置。
  7. 請求項4又は5において、内燃機関は、吸気バルブの閉弁タイミング及び排気バルブの開弁タイミングの少なくとも一方を調節できるバルブタイミング調節機構を備えた第1気筒群と、排気バルブの開弁タイミングを調節できるバルブタイミング調節機構を備えた第2気筒群とを備え、
    前記始動時補償手段は、前記バルブタイミング調節異常検出手段によって前記第1気筒群のバルブタイミング調節機構のみが異常であると検出された場合には、前記第2気筒群におけるバルブタイミング調節機構による始動時の排気バルブの開弁タイミングを、通常始動時よりも燃焼による出力が上昇するバルブタイミング側に制御することを特徴とする内燃機関の始動時バルブタイミング調節装置。
  8. 請求項1〜7のいずれかにおいて、前記バルブタイミング調節機構は、電動機により駆動されることを特徴とする内燃機関の始動時バルブタイミング調節装置。
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