JP5893586B2 - 内燃機関のバルブタイミング制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、クランクシャフトに対する吸気カム及び/又は排気カムの位相であるカム位相を変更することにより、機関弁の開閉タイミングを制御する内燃機関のバルブタイミング制御装置に関する。
従来、この種のバルブタイミング制御装置として、例えば特許文献1に記載されたものが知られている。このバルブタイミング制御装置は、エンジンの吸気バルブ及び排気バルブの少なくとも一方の開閉タイミングを変更する可変バルブタイミング機構と、エンジンの冷却水温(以下「エンジン水温」という)を検出する水温センサと、可変バルブタイミング機構を制御するECUなどを備えている。
このバルブタイミング制御装置では、エンジンにおけるポンピングロスを低減するために、エンジン回転数及びスロットル開度をパラメータとする所定のマップに基づき、吸気バルブの開閉タイミングを進角させるように構成されている。また、上記のバルブタイミング制御装置では、エンジンの有効圧縮比の低下を抑制するために、エンジン水温に応じて、吸気バルブの開閉タイミングの制御範囲を規制するようにしている。具体的には、エンジン水温が低いほど、吸気バルブの開閉タイミングを進角させる際の可変位相の範囲(以下、単に「位相範囲」という)が次第に狭くなるように設定されている。したがって、吸気バルブの上記の位相範囲における下限側の位相(以下「下限位相」という)については、エンジン水温が低いほど、大きくなるように設定される一方、上限側の位相については、エンジン水温が低いほど、小さくなるように設定されている。
特許第3175243号
上述したように、上記のバルブタイミング制御装置では、エンジン水温が低いほど、吸気バルブの下限位相が大きくなるように設定され、進角の際には、その下限位相以上に進角するように、吸気バルブが制御される。しかし、低温時において、例えばエンジンの始動時などの低負荷時に、上記の設定された下限位相が比較的大きく、その下限位相以上に吸気バルブが進角したときに、エンジンの吸気系において異音が発生することがある。これは、エンジンの気筒に吸引された吸気の吹き返しによって発生する衝撃波により、エンジンの吸気マニホルドなどが共鳴するためであると考えられる。
また、可変バルブタイミング機構が油圧によって作動するように構成されている場合、低温時には、作動油の粘度が高くなり、そのため、エンジンの始動直後などにおいて、可変バルブタイミング機構の作動及び制御を適切に行えないことがある。具体的には、可変バルブタイミング機構によって変更すべき吸気カムや排気カムのカム位相を、エンジンの運転状態に応じた目標カム位相に迅速に追従させることができず、その結果、所望の開閉タイミングに対する機関弁の応答性が低下してしまう。
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたものであり、異音の発生を回避しながら、低温時であっても、機関弁を適正な開閉タイミングに速やかに制御することができる内燃機関のバルブタイミング制御装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、請求項1に係る発明は、クランクシャフト9に対する吸気カム6a及び排気カム7aの少なくとも一方の位相であるカム位相CAINを変更することにより、機関弁(実施形態における(以下、本項において同じ)吸気バルブ4及び排気バルブ5の少なくとも一方)の開閉タイミングを制御する内燃機関3のバルブタイミング制御装置1であって、カム位相を所定の位相範囲内で変更するカム位相可変機構8と、内燃機関の温度(エンジン水温TW)を検出する温度検出手段(水温センサ26)と、検出された温度が所定の第1温度tw1以下であるときに、位相範囲の一方の限界であって内燃機関の停止時におけるカム位相が相当する第1限界位相(最遅角値lmt1)と、位相範囲の他方の限界である第2限界位相(最進角値lmt2)との間において、位相範囲の一方側の限界(遅角限界CAINLMT)を、第1限界位相に代えて、第2限界位相側に所定分、接近させた第3限界位相(遅角限界値lmt3)に設定する限界位相設定手段(ECU2)と、検出された温度が第1温度以下であるときに、カム位相を第3限界位相に保持するように、カム位相可変機構8を制御する制御手段(ECU2)と、を備え、第1温度tw1は、0℃よりも低い温度であり、限界位相設定手段は、検出された温度が、第1温度と、0℃以上の所定の第2温度tw2との間のときには、検出された温度が高いほど、位相範囲の一方側の限界を、第2限界位相から離れるように設定することを特徴とする。
この構成によれば、カム位相可変機構によって、吸気カム及び排気カムの少なくとも一方のカム位相を所定の位相範囲内で変更することにより、機関弁(吸気バルブ及び排気バルブの少なくも一方)の開閉タイミングを、進角又は遅角するように制御する。また、温度検出手段によって検出された内燃機関の温度が、所定の第1温度以下であるときに、限界位相設定手段により、位相範囲の一方側の限界を、第1限界位相に代えて、位相範囲の他方の限界である第2限界位相側に所定分、接近させた第3限界位相に設定するとともに、制御手段によってカム位相可変機構を制御することにより、カム位相を第3限界位相に保持する。
前述したように、従来のバルブタイミング制御装置では、低温・低負荷時において、吸気バルブの開閉タイミングが所定の位相以上に進角するように制御されると、内燃機関の吸気系において異音が発生することがある。したがって、上記の第3限界位相として、例えば、内燃機関の運転時に異音の発生を回避し得る位相を設定し、低温・低負荷時において機関弁の開閉タイミングを第3限界位相に進角又は遅角した状態に保持することにより、内燃機関の低温・低負荷時における異音の発生を確実に回避することができる。また、内燃機関の温度が第1温度以下である低温時において、機関弁の開閉タイミングを、あらかじめ第3限界位相に保持し、その後、第3限界位相から進角又は遅角させることが可能であるので、第1限界位相から進角又は遅角させる場合に比べて、所望の開閉タイミングに対する機関弁の応答性を向上させることができ、それにより、機関弁を適正な開閉タイミングに速やかに制御することができる。
また、上記の構成によれば、内燃機関の温度が、0℃よりも低い温度である第1温度と、0℃以上の第2温度との間のときには、温度が高いほど、位相範囲の一方側の限界、すなわち第1限界位相側の限界が、第2限界位相から離れるように設定される。これにより、内燃機関が冷機状態から暖機状態になるにつれて、カム位相の位相範囲をゆるやかに拡大することができる。これにより、機関弁の開閉タイミングの位相範囲を拡大しながら、内燃機関の運転状態に応じて、適切に進角又は遅角させることができる。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置において、機関弁は、吸気カムの回転に伴って開閉される吸気バルブ4であり、第3限界位相(遅角限界値lmt3)は、内燃機関の運転時に異音の発生を回避し得る位相になるように設定されていることを特徴とする。
この構成によれば、機関弁としての吸気バルブを開閉するための吸気カムに対し、その第3限界位相を、内燃機関の運転時に異音の発生を回避し得る位相に設定する。これにより、前述した請求項1の作用、効果、すなわち、内燃機関の低温・低負荷時における異音の発生を確実に回避しながら、吸気バルブを適正な開閉タイミングに速やかに制御することができるという作用、効果を得ることができる。
請求項に係る発明は、請求項1又は2に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置において、内燃機関の始動時において、カム位相可変機構の作動を内燃機関の始動後から所定時間(作動禁止時間TNG)、禁止するカム位相変更禁止手段(ECU2)と、検出された温度が低いほど、所定時間を長くするように設定する禁止時間設定手段(ECU2)と、をさらに備えていることを特徴とする。
この構成によれば、内燃機関の始動時において、カム位相変更禁止手段により、カム位相可変機構の作動を内燃機関の始動後から所定時間、禁止する。また、この所定時間は、内燃機関の温度が低いほど、長くなるように設定されている。一般に、カム位相可変機構が油圧によって作動するように構成されている場合、オイルポンプなどの起動による油圧の立ち上がりに時間を要するため、カム位相可変機構の応答性が低下してしまう。また、油温が低い場合には、作動油の粘度が高いために、油圧の立ち上がりに、より多くの時間を要し、その結果、カム位相可変機構の応答性がより一層低下してしまう。このため、本発明によれば、カム位相可変機構の作動を内燃機関の始動後から所定時間、禁止し、加えて、その所定時間を、内燃機関の温度が低いほど長くするように設定することにより、油圧の立ち上がりを待ってから、カム位相変更機構を作動させるので、内燃機関の運転状態に応じた機関弁の開閉タイミングの十分な応答性を確保でき、機関弁に対する適正な制御を実行することができる。
本発明の一実施形態による内燃機関のバルブタイミング制御装置の概略構成図である。 図1の制御装置によるカム位相可変機構(VTC)の制御処理を示すメインルーチンである。 VTCの作動禁止時間の設定処理を示すサブルーチンである。 VTCによる吸気バルブの遅角限界の設定処理を示すサブルーチンである。 VTCによる吸気バルブの遅角限界への進角処理を示すサブルーチンである。 VTCの作動禁止時間の算出に用いるマップの一例を示す図である。 吸気バルブの遅角限界の算出に用いるマップの一例を示す図である。 内燃機関の始動時からのカム位相の遅角限界の推移の一例、及びカム位相の可変範囲を説明するためのタイミングチャートである。
以下、図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態による内燃機関のバルブタイミング制御装置(以下、単に「制御装置」という)の概略構成を示している。同図に示すように、この制御装置1は、ECU2を備えており、このECU2が、本発明の限界位相設定手段、制御手段、カム位相変更禁止手段及び禁止時間設定手段を構成しており、内燃機関(以下「エンジン」という)3の運転状態に応じて、後述する制御処理を実行する。
エンジン3は、例えば車両用の4サイクルDOHC型ガソリンエンジンであり、吸気カムシャフト6及び排気カムシャフト7を備えている。両カムシャフト6、7はそれぞれの従動スプロケット6b、7b及びタイミングチェーン(図示せず)を介して、クランクシャフト9に連結されており、クランクシャフト9の2回転当たり1回転の割合で回転駆動される。吸気カムシャフト6及び排気カムシャフト7には、吸気バルブ4及び排気バルブ5をそれぞれ開閉駆動する複数の吸気カム6a及び排気カム7a(いずれも1つのみ図示)が一体に設けられている。
また、吸気カムシャフト6は、その従動スプロケット6bに所定角度の範囲で回転可能に連結されている。この従動スプロケット6bに対する吸気カムシャフト6の相対的角度を変更することにより、クランクシャフト9に対する吸気カム6aの位相(以下、単に「カム位相」という)CAINが変更され、吸気バルブ4の開閉タイミング(バルブタイミング)が進角又は遅角する。また、吸気カムシャフト6の一端部には、カム位相CAINを制御するためのカム位相可変機構(以下「VTC」という)8及び油圧制御弁10が設けられている。
VTC8は、吸気カムシャフト6と一体のベーン(図示せず)の両側に画成された進角室及び遅角室(いずれも図示せず)を有しており、エンジン3で駆動されるオイルポンプ(図示せず)の油圧が、油圧制御弁10の制御により、進角室又は遅角室に選択的に供給されることによって、吸気カムシャフト6を従動スプロケット6bに対し、進角方向又は遅角方向に回転駆動するように構成されている。
油圧制御弁10は、コイルと、これにより駆動されるスプール(いずれも図示せず)などを備えるリニアソレノイド弁で構成されている。油圧制御弁10は、ECU2により制御されるコイルへの電流の出力デューティ比DDOUTに従って、スプールの位置が無段階に変化するように構成されていて、その位置に応じてVTC8の進角室又は遅角室を開閉する。
上記のVTC8及び油圧制御弁10により、吸気カム6aのカム位相CAINが、所定の最遅角値と所定の最進角値との間の位相範囲内で、連続的に変更可能になっている。上記の位相範囲の両限界は、後述する図7及び図8に示すように、遅角側の限界である最遅角値lmt1(第1限界位相)と、進角側の限界である最進角値lmt2(第2限界位相)とで規定されている。また、エンジン3の停止時には、吸気カム6aのカム位相CAINは、最遅角値lmt1に相当しており、この最遅角値lmt1が基準値として0degに設定されている。
また、図1に示すように、吸気カムシャフト6のVTC8と反対側の端部には、カム角センサ11が設けられている。このカム角センサ11は、例えばマグネットロータ及びMREピックアップで構成されており、吸気カムシャフト6の回転に伴い、パルス信号であるCAM信号を所定のカム角(例えば1deg)ごとに、ECU2に出力する。また、クランクシャフト9には、クランク角センサ12が設けられている。このクランク角センサ12は、カム角センサ11と同様に構成されており、クランクシャフト9の回転に伴い、所定のクランク角(例えば1deg)ごとに、パルス信号であるCRK信号をECU2に出力する。ECU2は、このCRK信号及び上記CAM信号から実際のカム位相CAINを算出(検出)する(以下、このように実際に検出されたカム位相を適宜「実カム位相」という)。また、ECU2は、CRK信号に基づき、エンジン回転数NEを求める。
また、エンジン3の吸気管20には、スロットル弁開度センサ21を取り付けたスロットル弁22が設けられており、その下流側にはさらに、インジェクタ23、吸気温センサ24、及び吸気圧センサ25が取り付けられている。インジェクタ23の燃料噴射時間(燃料噴射量)TOUTは、ECU2からの駆動信号によって制御される。
吸気温センサ24は吸気管20内の吸入空気の温度である吸気温TAを、吸気圧センサ25は吸気管20内の絶対圧PBAを、スロットル弁開度センサ21はスロットル弁22の開度θTHをそれぞれ検出し、それらの検出信号をECU2に送る。
また、エンジン3の本体には、エンジン水温センサ26(温度検出手段)が取り付けられており、このエンジン水温センサ26は、エンジン3のシリンダブロック内を循環する冷却水の温度であるエンジン水温TWを検出して、その検出信号をECU2に送る。
また、ECU2には、エンジン3を始動させるためのイグニッションスイッチから、そのON信号及びOFF信号がIG信号として出力される。
ECU2は、I/Oインターフェース,CPU、RAM及びROM(いずれも図示せず)などから成るマイクロコンピュータで構成されている。CPUは、各種のセンサからの入力信号に応じて、エンジン3の運転状態を判別するとともに、判別した運転状態に応じ、ROMに記憶された制御プログラム及びデータ、並びにRAMに記憶されたデータに従って、以下に述べるようにして、VTC8の制御(以下「VTC制御」という)を実行する。
図2は、VTC制御の処理を示すメインルーチンである。この制御処理は、前述したIG信号がONに切り替わったときに開始され、所定の制御周期CYCL(例えば100msec)で実行される。
図2のステップ1(図では「S1」と表示。以下同じ)ではまず、後述する禁止タイマ設定済みフラグF_TMSETが「1」であるか否かを判別する。この判別結果がYESのときには、ダウンカウントタイマである禁止タイマTMが既に設定されているとして、後述するステップ2をスキップし、ステップ3に進む。一方、ステップ1の判別結果がNOのときには、VTC8の作動禁止時間を設定する(ステップ2)。
この設定処理は、図3に示すように、まず、エンジン水温TWに基づき、図6に示すマップを検索することにより、作動禁止時間TNGを算出する。同図に示すように、このマップでは、作動禁止時間TNGは、エンジン水温TWが所定温度tw0(>0℃)よりも低いほど、より長い時間に設定され、エンジン水温TWが所定温度tw0以上のときには、一定の所定時間tng(例えば1sec)に設定されている。これは、VTC8を作動させる油圧の油温が、所定温度tw0よりも低いほど、作動油の粘度がより高く、油圧の立ち上がりに、より多くの時間を要するので、油圧の立ち上がりを待ってから、VTC8を作動させるためである。
次いで、算出された作動禁止時間TNGを、禁止タイマTMにセットし(ステップ12)、そのことを表すための禁止タイマ設定済みフラグF_TMSETを「1」にセットして(ステップ13)、本処理を終了する。
図2に戻り、続くステップ3において、禁止タイマTMのタイマ値が0であるか否かを判別する。この判別結果がNOのときには、そのまま本メインルーチンを終了する。一方、ステップ3の判別結果がYESで、エンジン3の始動後から作動禁止時間TNGが経過したときには、VTC8の作動が許可され、続くステップ4において、エンジン水温TWが所定の第2温度tw2(>0℃)よりも低いか否かを判別する。この判別結果がNOで、エンジン水温TWが第2温度tw2以上であるときには、エンジン3の温度が高く、暖機済みであるとして、VTC8の後述する通常制御を実行し(ステップ9)、本メインルーチンを終了する。
一方、ステップ4の判別結果がYESで、エンジン水温TWが第2温度tw2よりも低いときには、続くステップ5において、遅角限界設定済みフラグF_LMTSETが「1」であるか否かを判別する。この判別結果がYESのときには、VTC8による吸気カム6aの後述する遅角限界CAINLMTが既に設定されているとして、ステップ6をスキップし、ステップ7に進む。一方、ステップ5の判別結果がNOのときには、吸気カム6aの遅角限界CAINLMTを設定する(ステップ6)。
この設定処理は、図4に示すように、エンジン水温TWに基づき、図7に示すマップを検索することにより、吸気カム6aの遅角限界CAINLMTを算出する(ステップ21)。図7に示すように、このマップでは、遅角限界CAINLMTは、エンジン水温TWが所定の第1温度tw1(<0℃)以下のときには、最遅角値lmt1よりも所定分、最進角値lmt2側に接近した所定の遅角限界値lmt3に設定される。この遅角限界値lmt3は、エンジン3の低温・低負荷の運転時に異音の発生を回避し得る位相に設定されている。また、エンジン水温TWが所定の第2温度tw2(>0℃)以上のときには、遅角限界CAINLMTは、最遅角値lmt1に設定される。さらに、エンジン水温TWが第1温度tw1と第2温度tw2の間のときには、エンジン水温TWが高いほど、遅角限界CAINLMTがより小さくなるようにリニアに設定されている。換言すると、エンジン水温TWが高いほど、遅角限界CAINLMTが、最進角値lmt2から離れ、最遅角値lmt1に接近するように、設定されている。
次いで、上記の遅角限界CAINLMTが設定されたことを表すために、遅角限界設定済みフラグF_LMTSETを「1」にセットして(ステップ22)、本処理を終了する。
図2に戻り、続くステップ7において、上記ステップ6で設定された遅角限界CAINLMT分、吸気カム6a(吸気カムシャフト6)を進角させる。
この進角処理は、図5に示すように、まず、エンジン水温TWに基づき、図示しないマップを検索することにより、進角速度ADVを算出する。このマップでは、進角速度ADVは、単位時間当たりの角度(例えばdeg/sec)で表されており、VTC8による吸気カム6aの進角可能な速度であって、エンジン水温TWが高いほど、値が大きくなるように設定されている。次いで、算出された進角速度ADVとメインルーチンの制御周期CYCL(本例では0.1sec)との積を、進角増加分ΔADとしてセットする(ステップ32)。
次いで、目標カム位相CAIN_CMDの前回値に進角増加分ΔADを加算し、目標カム位相CAIN_CMDの今回値としてセットする(ステップ33)。なお、目標カム位相の初期値は値0に設定されている。そして、吸気カム6aの実カム位相CAINが目標カム位相CAIN_CMDになるように、VTC8を進角駆動する(ステップ34)。そして、実カム位相CAINが、遅角限界CAINLMT以上であるか否かを判別し(ステップ35)、その判別結果がNOのときには、本処理をそのまま終了する。一方、ステップ35の判別結果がYESで、実カム位相CAINが遅角限界CAINLMTに達したときには、そのことを表すために、遅角限界進角終了フラグF_VTCLMTADを「1」にセットして(ステップ36)、本処理を終了する。
図2に戻り、続くステップ8において、前記ステップ36で設定される遅角限界進角終了フラグF_VTCLMTADが「1」であるか否かを判別する。この判別結果がNOのときには、そのまま本処理を終了する。一方、ステップ8の判別結果がYESで、カム位相CAINの遅角限界CAINLMTへの進角が終了しているときには、VTC8について通常制御を実行し(ステップ9)、本メインルーチンを終了する。
図8は、エンジン3の始動時からのカム位相CAINの遅角限界CAINLMTの推移の一例、及びカム位相CAINの可変範囲を示している。同図に示すように、エンジン水温TWが第1温度tw1(<0℃)よりも低い状態において、エンジン3を始動させると、その始動時(時刻t1)から、VTC8の作動禁止時間TNGが経過後(時刻t2)、VTC8が作動し、吸気カム6aの実カム位相CAINを、同図の一点鎖線の矢印で示すように、最遅角値lmt1から徐々に進角させながら、エンジン水温TWが第1温度tw1よりも低いときの遅角限界CAINLMT、すなわち遅角限界値lmt3まで進角させる(時刻t3)。
その後、VTC8については、前記ステップ9の通常制御を実行する。すなわち、吸気カム6aの実カム位相CAINが、エンジン3の運転状態に応じて設定される目標カム位相CAIN_CMDになるように、フィードバック制御され、吸気カム6aが、図8の白抜き矢印で示すように、最進角値lmt2と、エンジン水温TWに応じて設定される遅角限界CAINLMTとの間で、進角又は遅角される。
具体的には、吸気カム6aのカム位相CAINは、エンジン水温TWが第1温度tw1よりも低いとき(時刻t3〜t4)には、最進角値lmt2と遅角限界値lmt3の間で、エンジン水温TWが第1温度tw1と第2温度tw2の間のとき(時刻t4〜t5)には、最進角値lmt2と遅角限界CAINLMTとの間で、エンジン水温TWが第2温度tw2以上のとき(時刻t5以降)には、最進角値lmt2と最遅角値lmt1の間で、進角又は遅角される。
以上詳述したように、本実施形態によれば、エンジン3のエンジン水温TWが第1温度tw1以下の低温であるときに、吸気カム6aのカム位相CAINを、最遅角値lmt1に代えて、最進角値lmt2寄りの所定の遅角限界値lmt3に進角させる。この遅角限界値lmt3は、エンジン3の低温・低負荷時における異音の発生を回避し得る位相であるので、エンジン3の始動時などの低負荷時において、吸気カム6aのカム位相CAINを遅角限界値lmt3に保持することにより、異音の発生を確実に回避することができる。また、エンジン水温TWが第1温度tw1以下である低温時において、吸気カム6aのカム位相CAINを遅角限界値lmt3に進角させてから、VTC8の通常制御を行うので、例えば、吸気カム6aのカム位相CAINを最遅角値lmt1から進角させる場合に比べて、所望の開閉タイミングに対する吸気バルブ4の応答性を向上させることができ、それにより、吸気バルブ4を適正な開閉タイミングに速やかに制御することができる。
なお、本発明は、説明した上記実施形態に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。例えば、実施形態では、VTC8によって、吸気カム6aのカム位相CAINのみを変更することにより、吸気バルブ4の開閉タイミングを制御したが、吸気カム6aに代えて、または吸気カム6aとともに、排気カム7aのカム位相を変更することにより、排気バルブ5の開閉タイミングを制御することも、もちろん可能である。また、実施形態では、油圧によって作動するカム位相可変機構8を例示したが、電動式のものを採用することも可能である。さらに、エンジン3の温度として、エンジン水温TWを検出し、これに応じて、VTC8の作動禁止時間TNG、及び遅角限界CAINLMTを算出するようにしたが、これらを、油圧の作動油の温度に応じて算出することも可能である。
また、実施形態では、本発明の制御装置を車両用のガソリンエンジンに適用したが、本発明の制御装置が適用される内燃機関はこれに限定されるものではなく、車両用のディーゼルエンジンの他、船舶用の内燃機関など、産業用の種々の内燃機関に適用することができる。さらに、実施形態で示した制御装置1の細部の構成などは、あくまで例示であり、本発明の趣旨の範囲内で適宜、変更することができる。
1 バルブタイミング制御装置
2 ECU(限界位相設定手段、制御手段、カム位相変更禁止手段
及び禁止時間設定手段)
3 内燃機関
4 吸気バルブ(機関弁)
5 排気バルブ(機関弁)
6 吸気カムシャフト
6a 吸気カム
7 排気カムシャフト
7a 排気カム
8 カム位相可変機構
9 クランクシャフト
10 油圧制御弁
26 水温センサ(温度検出手段)
CAIN カム位相
lmt1 最遅角値(第1限界位相)
lmt2 最進角値(第2限界位相)
lmt3 遅角限界値(第3限界位相)
TW エンジン水温
CYCL 制御周期
TNG 作動禁止時間
tw1 第1温度
tw2 第2温度
CAINLMT 遅角限界

Claims (3)

  1. クランクシャフトに対する吸気カム及び排気カムの少なくとも一方の位相であるカム位相を変更することにより、機関弁の開閉タイミングを制御する内燃機関のバルブタイミング制御装置であって、
    前記カム位相を所定の位相範囲内で変更するカム位相可変機構と、
    内燃機関の温度を検出する温度検出手段と、
    前記検出された温度が所定の第1温度以下であるときに、前記位相範囲の一方の限界であって内燃機関の停止時における前記カム位相が相当する第1限界位相と、前記位相範囲の他方の限界である第2限界位相との間において、前記位相範囲の前記一方側の限界を、前記第1限界位相に代えて、前記第2限界位相側に所定分、接近させた第3限界位相に設定する限界位相設定手段と、
    前記検出された温度が前記第1温度以下であるときに、前記カム位相を前記第3限界位相に保持するように、前記カム位相可変機構を制御する制御手段と、
    を備え
    前記第1温度は、0℃よりも低い温度であり、
    前記限界位相設定手段は、前記検出された温度が、前記第1温度と、0℃以上の所定の第2温度との間のときには、当該検出された温度が高いほど、前記位相範囲の前記一方側の限界を、前記第2限界位相から離れるように設定することを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  2. 前記機関弁は、前記吸気カムの回転に伴って開閉される吸気バルブであり、
    前記第3限界位相は、内燃機関の運転時に異音の発生を回避し得る位相になるように設定されていることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  3. 内燃機関の始動時において、前記カム位相可変機構の作動を当該内燃機関の始動後から所定時間、禁止するカム位相変更禁止手段と、
    前記検出された温度が低いほど、前記所定時間を長くするように設定する禁止時間設定手段と、
    をさらに備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置。
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