JP3799462B2 - ベーン式カム位相可変装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、自動車等の内燃機関(エンジン)のバルブの開閉タイミングを可変制御するためのカム位相可変装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
燃費向上あるいは環境への配慮から、車両停止時にエンジンが自動停止するように制御される自動車が提案されている。この種の車両では、エンジンが再始動する時のクランキングの圧縮反力による振動が問題となる。この振動を低減するための一手段として、エンジンの吸気バルブの開弁時機をシフトさせることができるカム位相可変装置を用いて、クランキング時に吸気バルブを最遅角位相に設定し、吸入空気量を減らすことが提案されている。この種の車両において、低中速域では、上記カム位相可変装置によって、クランキング時やアイドリング時よりも吸気バルブを進角側にシフトさせることにより、トルクを増大させることが行われる。したがってこの車両をエンジン停止状態からフル加速させるには、クランキング時の最遅角状態からエンジン点火後は素早く進角側に変化させる必要がある。
【0003】
上記カム位相可変装置として、例えばベーン式のものがある。ベーン式のカム位相可変装置は、カムシャフトと同期回転するスプロケットにハウジングを固定し、このハウジングの内部に、カムシャフトに固定されるベーンを相対回転可能に収容したもので、ベーンとハウジングとの間に遅角油室と進角油室とを形成している。そしてコントロールバルブを介して上記遅角油室および進角油室に油を供給することにより、ベーンとハウジングとの回転方向の相対位置を変化させ、スプロケットとカムシャフトとの位相をずらして吸気バルブの開閉タイミングをシフトさせる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしベーン式のカム位相可変装置は、ベーンで仕切られている遅角油室と進角油室に油が充満していない状態(空気が入っている状態)で上記位相制御を行うと、吸気バルブの駆動トルク変動により空気が圧縮されたり膨張するなどしてベーンの位相が変化し、所望の進角制御あるいは遅角制御を行うことができないことが問題である。
【0005】
上記ベーンは、エンジン停止時にロック機構によって最遅角側に固定されるようになっている。そしてエンジン停止後は、コントロールバルブのスプール隙間などから油がリークするなどして遅角油室内に空気が吸い込まれることから、比較的短時間に油量が減少する。このような油挙動はオイル粘度が低いほど早く進行する。
【0006】
このためエンジン再始動時に遅角油室が油で満たされていない状態となり、そのまま進角制御を行ってしまうと、ベーンを所定位置に保持できなくなり、カムシャフトとスプロケットの位相ばたつきを生じ、失火の原因となる。また、位相ばたつきによって、ベーン等の油圧アクチュエータ構成要素に過剰な負荷がかかり、耐久性に悪影響を与えることにもなる。このため点火後に素早く進角側に移行させることができず、エンジン停止状態からのフル加速制御などに支障が生じる。このことはベーン式に限らず、ヘリカル式等の油圧を用いてカム位相可変するものにもあてはまる。
【0007】
さらには、前記コントロールバルブがオイルパン油面よりも高い位置にあると長時間エンジンが停止していた時に、オイルポンプからコントロールバルブに至る供給油路中の油が自重により落ちてしまい、供給油路に空気が入り込む。このため長時間停車していた車両では、油温が下がっていることにより粘度が高く、流動しにくいことから、エンジン始動直後にオイルポンプから遅角油室に送られる空気の混入した油が比較的ゆっくりと遅角油室に供給され、遅角油室内の空気が排出されにくいことから、前述の問題が助長されてしまう。
【0008】
そこで、エンジン始動後に無条件に所定時間の間、カム位相制御を中止することも考えられるが、そのようにすると、例えばハイブリッド車のように短時間のエンジン停止後にエンジンを再始動し、始動と同時に高出力が要求される状況においては、上記所定時間はベーンが最遅角側に保持されたままとなるため、高出力が出せずにドライバビリティが悪化してしまう。
【0009】
従って本発明の目的は、位相ばたつきを防止することができ、かつ、エンジン停止時間が短い時にはエンジン始動後に進角制御を速やかに行うことが可能なベーン式カム位相可変装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記目的を果たすための請求項1に記載された本発明では、クランクシャフトと同期して回転する第1回転部材と、上記第1回転部材に対し相対回転変位可能に設けられかつカムシャフトと同期回転する第2回転部材と、ベーンと遅角油室および進角油室を含み上記第1回転部材と上記第2回転部材との相対回転角を調整可能に設けられた油圧アクチュエータと、上記ベーンに設けられたロックピンと上記ベーンが最遅角位置に回動した状態において上記ロックピンが嵌合するピン嵌合穴とを有すると共に上記進角油室に導入される油圧により上記ロックピンの上記ピン嵌合穴への嵌合が解除されるよう構成されたロック機構と、上記油圧アクチュエータへの油の供給を制御するコントロールバルブと、エンジンの温度を検出するエンジン温度検出手段と、エンジンの運転状態を検出するエンジン運転状態検出手段と、制御手段とを具備している。
エンジン温度検出手段は、エンジン始動時の油温あるいはエンジン冷却水等の温度を検出し、エンジンの温度に関する電気的な信号を出力する。エンジンが暖まっていれば、エンジンが停止していた時間が短く、油が低粘度に維持されていて流動しやすい状態にあると判断される。エンジン運転状態検出手段は、エンジンの回転あるいはアクセル開度などを検出し、エンジンが動いているか否かの情報やエンジンの運転速度などに関する信号を出力する。
【0011】
エンジンコントロールコンピュータ等を利用する制御手段は、エンジン運転状態検出手段から出力される電気的な信号に基き、エンジンが動いている間、コントロールバルブの作動を制御して油圧アクチュエータを作動させ、カム位相を可変制御する。この制御手段は、エンジン始動後の所定時間内は上記ロック機構の上記ロックピンを上記ピン嵌合穴に嵌合させることにより上記ベーンを最遅角側に固定しかつ上記エンジン運転状態検出手段の出力に基くカム位相可変制御を中止し、上記エンジン温度検出手段から検出されるエンジン温度の高さに応じて上記所定時間を短く設定することにより、始動後の所定時間は上記ベーンを上記ロック機構によって最遅角側にロックした状態で運転する。すなわちエンジン温度が高いときには上記所定時間を短縮し(ゼロでもよい)、エンジン始動後に速やかにコントロールバルブによるカム位相制御を開始できるようにする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明の一実施形態のベーン式カム位相可変装置について、添付図面を参照して説明する。
図1に示すベーン式カム位相可変装置10は、エンジンのクランクシャフトと同期して回転するスプロケット11に設けたハウジング12を備えている。スプロケット11とハウジング12は、この発明でいう第1回転部材の一例である。スプロケット11は、図示しないタイミングベルトによってクランクシャフトと同期回転する。
【0013】
ハウジング12は、その周壁を構成するハウジングブロック15と、ハウジングブロック15の前面を塞ぐ蓋部16と、蓋部16に設けたキャップボルト17などによって構成されている。このハウジング12は、ボルト18(図2等に示す)によって、スプロケット11の円板部11aに液密に締結されている。図2に示すようにハウジング12の内部には、正面側からみて十字形のベーン油室を規定する内壁面12aが形成されている。
【0014】
エンジンの動弁系を構成するカムシャフト20の端部に、この発明でいう第2回転部材として機能するロータ21が設けられている。ロータ21は、その中心部に位置するボルト22によってカムシャフト20の端面に固定され、カムシャフト20とロータ21とが一体に回転するようになっている。すなわちカムシャフト20とロータ21は、スプロケット11とハウジング12に対して軸回りに相対回転変位可能であり、後述する油圧アクチュエータ53によって相対回転角を変えることができる。
【0015】
カムシャフト20は、軸受部材25によってエンジンのシリンダヘッド側に回転自在に支持されている。軸受部材25に2系統の流通部26,27が形成されている。第1の流通部26は、カムシャフト20に形成された流通孔30を介して、ロータ21の遅角油室用油路31に連通している。第2の流通部27は、カムシャフト20に形成された流通孔32とボルト22に形成された流通孔33を介して、ロータ21の進角油室用油路34に連通している。
【0016】
ハウジング12の内部にベーン40が収容されている。図2に示すようにベーン40は、ロータ21の外周側にロータ21と一体に放射状に形成されている。すなわちこれらのベーン40はロータ21の径方向に延出している。なお図示例のベーン40は4枚であるが、2枚あるいはそれ以外の枚数でもかまわない。ベーン40の先端部にはハウジング12の内壁面12aとの間をシールするためのシール材41が設けられている。
【0017】
図2に示すように、各ベーン40の時計回り側の面40aとハウジング12の内壁面12aとの間に、遅角油室50が形成されている。各ベーン40の反時計回り側の面40bとハウジング12の内壁面12aとの間に、進角油室51が形成されている。ハウジング12とベーン40は互いに相対回転変位自在であるから、ハウジング12とベーン40との相対位置に応じて、遅角油室50と進角油室51との容積比が変化することになる。
【0018】
上記ベーン40と遅角油室50と進角油室51などは、この発明で言う第1回転部材(スプロケット11など)と第2回転部材(ロータ21)との相対回転角を調整するための油圧アクチュエータ53を構成する。
【0019】
このカム位相可変装置10は、図3および図4に示すようにロック機構55を備えている。ロック機構55は、ベーン40に設けたロックピン56と、スプロケット11に設けたピン嵌合穴57と、ロック用油路58と、ロック解除用油路59などからなる。ピン嵌合穴57は、ベーン40が最遅角位置まで回動したときにロックピン56の先端が嵌合できる位置に形成されている。
【0020】
ロック用油路58はロックピン56の基端側と遅角油室50に連通し、遅角油室50に導入される油圧により、ロックピン56をピン嵌合穴57に向かって押し出すようになっている。ロック解除用油路59はロックピン56の先端側と進角油室51に連通し、進角油室51に導入される油圧により、ロックピン56をピン嵌合穴57から出す方向に移動させることができるようになっている。
【0021】
図1に示すように、この位相可変装置10は油圧を発生するための油圧供給源61を備えている。油圧供給源61としては、エンジンの潤滑系に標準装備されているオイルポンプ等を利用できる。油圧供給源61は、その吐出側に接続される供給油路62と下記コントロールバルブ70を介して、遅角油室50と進角油室51とに接続される。供給油路62の途中に、エンジン潤滑部63への潤滑油路64が分岐する分岐部65が設けられている。
【0022】
油圧供給源61および分岐部65の上方に、オイルコントロールバルブ70が設けられている。このコントロールバルブ70は、分岐部65よりも高い位置において供給油路62に設けられ、後述するエンジン運転センサ92の出力に基いて、エンジンコントロールコンピュータ等の下記制御手段90からの指令によってスプール位置を制御するように構成されている。
【0023】
電磁弁の一種であるコントロールバルブ70は、例えば制御電流非通電時(デューティ:ゼロ)には図1に示す第1ポジションにあって、遅角油室50は流通孔30、流通部26、第1油路71を介して油圧供給源61と連通する。進角油室51は、流通孔32,33、流通部27、第2油路72を介してドレンタンク73、排出油路74と連通する。また制御電流通電時(デューティ:100%)にはスプール位置が第2ポジションに切り替わり、油圧供給源61とドレンタンク73、排出油路74とが逆になる。そしてスプール中立位置のとき油路71,72を遮断するといった制御が行われる。
【0024】
上記供給油路62は、分岐路65とコントロールバルブ70との間の流通部80にチェックバルブ81を備えている。このチェックバルブ81は、コントロールバルブ70側からの油の逆流を阻止するものであり、分岐部65の下流側でかつこの分岐部65の近傍に設けられている。従ってチェックバルブ81からコントロールバルブ70に至る供給油路62は、その全長がチェックバルブ81よりも高い位置にある。
【0025】
上記チェックバルブ81を備えた供給油路62を採用したことにより、エンジン停止後に30分経過してもベーン油室(遅角油室50と進角油室51)には約90%の残油量が確保され、さらに長期間が経過してようやく50%程度の残油量に至る。なお、チェックバルブ81を設けない場合には、エンジン停止後に数分間で25%ほど油量が急減し、その後は徐々に油量が減少して数時間で50%前後の残油量となる。いずれにせよ、放置時間が長ければ残油量は減少する。
【0026】
この実施形態のカム位相可変装置10は、エンジンコントロールコンピュータ等を利用した制御手段90と、エンジン温度を検出するためのエンジン温度検出手段の一例として機能する温度センサ91と、エンジンの運転状態を検出するためのエンジン運転状態検出手段として機能するエンジン運転センサ92を備えている。温度センサ91は、例えば潤滑油の温度あるいは冷却水温を検出するものである。エンジン運転センサ92は、例えばエンジン回転数あるいはアクセル開度などを検出することによって、エンジンが動いているか否かを判断し、かつ、エンジンの運転速度などに関する電気的な信号を制御手段90に出力するようになっている。
【0027】
制御手段90は、エンジン運転センサ92の出力に基いてコントロールバルブ70の作動を制御して油圧アクチュエータ53によりカム位相を可変制御する。そしてこの制御手段90は、エンジン始動後の所定時間内は、エンジン運転センサ92の出力に基く前記カム位相制御を中止し、温度センサ91が検出するエンジン温度の高さに応じて上記所定時間を短縮するようにプログラミングされている。
【0028】
図5は、制御手段90の機能の一例として、しきい値に基いて前記所定時間を判断する場合を示している。このフローチャートの機能例では、エンジン始動時にエンジン潤滑油の油温を検出し、油温が例えば60℃のしきい値に達しているか否かを判断する。そして油温が上記しきい値(60℃)に達している場合に、エンジン停止時間が短いと判断する。
【0029】
言い換えると、エンジン停止時間が短かければ油圧アクチュエータ53の遅角油室50に十分な残油量があると判断され、かつ、油温が高いことにより油の粘度が低く、流通抵抗が小さいことにより、油圧供給源61から遅角油室50に短時間で油が供給されると判断することができる。従ってこの場合、前記所定時間を短縮する(例えばゼロにする)ことにより、エンジン始動後に直ちにコントロールバルブ70を作動させて、カム位相進角制御を行うようにしている。
【0030】
また図5に示すフローチャートにおいて、油温が前記しきい値に達していない場合には、エンジン停止から長時間経過していたと判断する。その場合、遅角油室50の残油量が減少している可能性があるとともに、油の粘度が高くなっていて流通抵抗が大きいと判断される。従ってこの場合には、遅角油室50に油が充填されるまでにある程度時間がかかると判断することにより、前記所定時間を長く設定し、エンジン始動後のカム位相進角制御を一時中止するように構成されている。
【0031】
なお、上記しきい値を用いる代りに、油温と時間との関係を表すマップをコンピュータのメモリに記憶しておき、このマップに基いて前記所定時間を設定するように構成してもよい。その場合、エンジン停止後の経過時間とベーン油室の残油量との関係を予め測定しておき、また、エンジン始動からベーン油室に油が満たされるのに要する時間を予め求めてマップ化しておき、始動時のエンジン温度が低いときほど前記所定時間を長く設定するような制御を行ってもよい。このような制御を行えば、ベーン油室に油が満たされた直後に進角制御が行えるため、いかなる状況においても、その状況下で、正確かつ一番早い制御を行うこととなる。
【0032】
次に上記カム位相可変装置10の作用について説明する。
エンジン回転中は、クランクシャフトの回転に同期して動くタイミングベルトによりスプロケット11が回転する。また、油圧供給源61によって加圧された油が分岐部65と潤滑油路64を経てエンジン潤滑部63に供給され、エンジンの潤滑がなされる。
【0033】
クランキング時やアイドリング時あるいはエンジンが停止するときには、ベーン40が最遅角側に位置するように制御手段90によってコントロールバルブ70が制御される。すなわち油圧供給源61から送られる油がコントロールバルブ70を経て遅角油室50に供給され、ベーン40が最遅角側に移動する。このとき、ロックピン56は遅角油室50に導入された油圧によってピン嵌合穴57の方向に押されるため、図6および図7に示すようにロックピン56がピン嵌合穴57に嵌合し、ロック状態になる。
【0034】
エンジンの始動時に、温度センサ91からの電気的な出力とエンジン運転センサ92からの電気的な出力が制御手段90に入力され、エンジン始動後の所定時間内は、前記カム位相制御を中止し、かつ、温度センサ91によって検出されるエンジン温度の高さに応じて上記所定時間を短縮する。すなわち、エンジン温度が高ければ速やかにカム位相制御に移行できるようにし、エンジン温度が低い場合には所定時間だけカム位相制御を中止する。カム位相制御を中止している間、ベーン40は主にロック機構55によって最遅角側に保持され、クランクキングおよびエンジン始動後の回転が維持される。
【0035】
前記実施形態では、チェックバルブ81の下流側からコントロールバルブ70に至る間の供給油路62に油が常に確保されているから、エンジンが長期間停止することによって遅角油室50の残油量が減少しても、エンジンを始動させたときにオイルポンプ等の油圧供給源61が作動することにより、それまで供給油路62内に残留していた油(チェックバルブ81によって閉じ込められていた空気の混入していない油)が速やかに遅角油室50に充填されることになる。このため前記所定時間(待ち時間)を可及的短く設定することが可能となる。
【0036】
そしてエンジンの中低速域では、エンジン運転センサ92の出力に基いて、図2に示すようにベーン40がエンジン回転数に応じて進角側に移動するようにコントロールバルブ70が制御される。この場合、油圧供給源61から送られる油がコントロールバルブ70を経て進角油室51に供給され、ベーン40が進角側に移動する。このときロックピン56は、進角油室51に導入された油圧によってピン嵌合穴57から抜ける方向に付勢されている。
【0037】
お、この発明を実施するに当たってこの発明を構成する第1回転部材、第2回転部材、油圧アクチュエータ、コントロールバルブ、エンジン温度検出手段、エンジン運転状態検出手段をはじめとして、各構成要素をそれぞれ適宜に変形して実施できることは言うまでもない。
【0038】
【発明の効果】
請求項1に記載した発明によれば、エンジンが長時間停止していてもエンジン始動後に油圧アクチュエータ内に油が満たされたのちにカム位相制御に移行するため、位相ばたつきが防止され、失火の発生が回避される。また、短時間のエンジン停止後の再始動時にはクランキングから加速に移行する際の迅速なカム位相制御が可能となり、高出力が得られることにより加速性能が向上する。また、油圧アクチュエータ内に空気が入ったまま位相制御が行われてしまうことを回避できるため、ベーン等の油圧アクチュエータ構成要素の負担が軽減し、始動回数が多くても耐久性が確保される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態を示すカム位相可変装置の断面図。
【図2】 図1中のF2−F2線に沿うカム位相可変装置の非ロック状態の断面図。
【図3】 図2中のF3−F3線に沿う上記カム位相可変装置の一部の断面図。
【図4】 図2中のF4−F4線に沿う上記カム位相可変装置の断面図。
【図5】 上記カム位相可変装置に使われる制御手段の機能を示すフローチャート。
【図6】 図1中のF2−F2線に沿う上記カム位相可変装置のロック状態の断面図。
【図7】 図6中のF7−F7線に沿う上記カム位相可変装置の断面図。
【符号の説明】
10…ベーン式カム位相可変装置
11…スプロケット(第1回転部材)
12…ハウジング(第1回転部材)
21…ロータ(第2回転部材)
53…油圧アクチュエータ
70…コントロールバルブ
90…制御手段
91…温度センサ(エンジン温度検出手段)
92…エンジン運転センサ(エンジン運転状態検出手段)

Claims (1)

  1. クランクシャフトと同期して回転する第1回転部材と、
    上記第1回転部材に対し相対回転変位可能に設けられかつカムシャフトと同期回転する第2回転部材と、
    ベーンと遅角油室および進角油室を含み上記第1回転部材と上記第2回転部材との相対回転角を調整可能に設けられた油圧アクチュエータと、
    上記ベーンに設けられたロックピンと上記ベーンが最遅角位置に回動した状態において上記ロックピンが嵌合するピン嵌合穴とを有すると共に上記進角油室に導入される油圧により上記ロックピンの上記ピン嵌合穴への嵌合が解除されるよう構成されたロック機構と、
    上記油圧アクチュエータへの油の供給を制御するコントロールバルブと、
    エンジンの温度を検出するエンジン温度検出手段と、
    エンジンの運転状態を検出するエンジン運転状態検出手段と、
    上記エンジン運転状態検出手段の出力に基いて上記コントロールバルブの作動を制御してカム位相を可変制御するとともに、エンジン始動後の所定時間内は上記ロック機構の上記ロックピンを上記ピン嵌合穴に嵌合させることにより上記ベーンを最遅角側に固定しかつ上記エンジン運転状態検出手段の出力に基くカム位相可変制御を中止し、上記エンジン温度検出手段から検出されるエンジン温度の高さに応じて上記所定時間を短く設定することにより、始動後の所定時間は上記ベーンを上記ロック機構によって最遅角側にロックした状態で運転するように構成された制御手段と、
    を具備したことを特徴とするベーン式カム位相可変装置。
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