JP3826668B2 - 内燃機関のバルブタイミング調整装置 - Google Patents

内燃機関のバルブタイミング調整装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関のバルブタイミング調整装置に関し、詳しくは、クランクシャフトの下死点以降の回転角で内燃機関の吸気バルブの閉タイミングを調整するバルブタイミング調整装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の内燃機関のバルブタイミング調整装置としては、クランクシャフトに対するカムシャフトの回転位相を変更して内燃機関の吸気バルブの開閉タイミングを変更するものが提案されている(特開平8−121122号公報など)。この装置は、クランクシャフトと同期して回転するハウジングと、カムシャフトに結合されハウジングに対して相対的に回転可能なベーンと、油の流入によってその体積を広げてベーンのクランクシャフトに対する回転位相を進角させる進角室と、油の流入によってその体積を広げてベーンのクランクシャフトに対する回転位相を遅角させる遅角室とを備え、進角室と遅角室への油の流入を制御することにより、吸気バルブを駆動するカムシャフトのクランクシャフトに対する回転位相を可変とし、これによって吸気バルブの開閉タイミングを変更できるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、こうしたバルブタイミング調整装置では、内燃機関の始動が適切に行えない場合を生じるといった問題があった。一般に、内燃機関の吸気バルブの閉タイミングは、吸気の慣性を利用して混合気をできるだけ多くシリンダ内に充填するために、吸気行程におけるクランクシャフトの下死点以降の回転角(例えば、45度など)としているが、吸気バルブの開閉タイミングを調整する装置では、内燃機関の運転を停止したときの開閉タイミングによって内燃機関を始動することになるから、始動に適切なタイミングとならない場合が生じる。例えば、吸気バルブの閉タイミングが遅い状態で冷えた内燃機関を始動すると、始動時の圧縮圧力が不足して始動が困難な場合を生じたり、吸気バルブの閉タイミングが早い状態で暖まった内燃機関を始動すると、圧縮圧力が高くなりすぎて始動時の振動が大きくなる場合を生じる。こうした問題は、内燃機関の吸気バルブの閉タイミングを、ノッキングの減少や振動の減少,燃費の向上を図るために遅角側で行なうようにした内燃機関では顕著に現われる。
【0004】
こうした問題に対して、内燃機関の始動時に吸気バルブの閉タイミングを変更することも考えられるが、進角室や遅角室への油圧を発生させるポンプの駆動力を内燃機関の駆動力から得るものでは内燃機関の始動時に油圧を発生することができない。
【0005】
本発明の内燃機関のバルブタイミング調整装置は、内燃機関の始動時に吸気バルブの閉タイミングを適切なタイミングとすることを目的の一つとする。また、こうした目的を簡易な構成で達成することを目的の一つとする。
【0006】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
本発明の第1および第2の内燃機関のバルブタイミング調整装置は、上述の目的の少なくとも一部を達成するために以下の手段を採った。
【0007】
本発明の第1の内燃機関のバルブタイミング調整装置は、
内燃機関のクランクシャフトの回転角に対する吸気バルブの位相を調整することにより、該クランクシャフトの下死点以降の回転角で前記吸気バルブの閉タイミングを調整するバルブタイミング調整装置であって、
前記クランクシャフトを回転駆動する電動機と、
前記クランクシャフトの回転角に対する前記の吸気バルブの位相を固定して、前記吸気バルブの閉タイミングを進角側の所定角に固定可能なタイミング固定手段と、
前記内燃機関の温度を検出する状態検出手段と、
前記内燃機関の始動要求がなされたとき、前記状態検出手段により検出された該内燃機関の温度が所定温度以下の場合には、前記吸気バルブの閉タイミングを前記進角側の所定角に設定するタイミング設定手段と、
前記タイミング設定手段による設定に基づいて、前記電動機により前記クランクシャフトを所定の角度逆回転させることにより、前記タイミング固定手段によって前記クランクシャフトの回転角に対する前記吸気バルブの位相を前記進角側の所定角に固定する進角制御手段と
を備えることを要旨とする。
【0008】
この本発明の第1の内燃機関のバルブタイミング調整装置は、内燃機関の始動要求がなされたとき、タイミング設定手段が、状態検出手段により検出された内燃機関の温度が所定温度以下の状態のときには、吸気バルブの閉タイミングを進角側の所定角に設定する。タイミング制御手段は、この設定された閉タイミングで内燃機関が始動されるように、電動機によりクランクシャフトを所定の角度逆回転させて、クランクシャフトの回転角に対する前記の吸気バルブの位相を、上記進角側の所定角に固定する。したがって、内燃機関の駆動力が得られない内燃機関の始動前であっても、吸気バルブの閉タイミングを変更することができる。
【0009】
ここで、「内燃機関の状態」には、内燃機関の温度や内燃機関の停止時からの経過時間などが含まれる。したがって、例えば、状態検出手段を内燃機関の温度を検出する手段とし、内燃機関の温度が所定温度未満であるか否かに基づいて吸気バルブの閉タイミングを設定したり、あるいは、状態検出手段を内燃機関の停止時からの経過時間を検出する手段とし、内燃機関の停止時からの経過時間が所定時間以上である否かに基づいて吸気バルブの閉タイミングを設定するものなども含まれる。
【0010】
こうした本発明の第1の内燃機関のバルブタイミング調整装置によれば、内燃機関の温度が所定温度以下のときには、電動機を用いて、吸気バルブの閉タイミングを進角側の所定角に固定するから、吸気バルブの閉タイミングを、内燃機関の温度から必要とされる進角側の所定角として、内燃機関を始動することができる。この結果、始動時の圧縮圧力が不足して始動が困難となるといった不都合を回避することができる。
【0011】
これら変形例を含めて本発明の第1の内燃機関のバルブタイミング調整装置において、前記状態検出手段により検出された前記内燃機関の前記温度が所定の温度以下でないときには、前記吸気バルブの閉タイミングを遅角側の所定角とする手段を設けることもできる。この態様のバルブタイミング調整装置では、前記クランクシャフトの回転角との位相を前記遅角側に所定角に固定する遅角固定手段を備え、内燃機関の温度に基づいて、遅角固定手段により前記クランクシャフトの回転角に対する前記の吸気バルブの位相を前記遅角側の所定角に固定する構成とすることもできる。
【0012】
また、本発明の第2の内燃機関のバルブタイミング調整装置は、
内燃機関のクランクシャフトの回転角に対する吸気バルブの位相を調整することにより、該クランクシャフトの下死点以降の回転角で前記吸気バルブの閉タイミングを調整するバルブタイミング調整装置であって、
前記クランクシャフトの回転角に対する前記の吸気バルブの位相を進角側の所定角に固定する進角固定手段および前記クランクシャフトの回転角に対する前記の吸気バルブの位相を遅角側の所定角に固定する遅角固定手段を有し、前記吸気バルブの閉タイミングを、該進角側の所定値および該遅角側の固定角のいずれかまたは両固定角間に変更可能なタイミング変更手段と、
前記内燃機関の温度を検出する状態検出手段と、
前記内燃機関の始動要求がなされたとき、前記状態検出手段により検出された該内燃機関の前記温度に基づいて前記吸気バルブの閉タイミングを設定するタイミング設定手段と、
該設定された閉タイミングで前記内燃機関が始動されるよう前記タイミング変更手段を制御するタイミング制御手段と
前記内燃機関の停止要求がなされたとき、該内燃機関が停止したときの前記吸気バルブの閉タイミングが前記進角側の所定角と前記遅角側の所定角との間のタイミングとなるよう前記タイミング変更手段を制御する停止制御手段と
を備え、
前記タイミング設定手段は、前記状態検出手段により検出された前記内燃機関の温度に基づいて前記吸気バルブの閉タイミングを前記進角側の所定角と前記遅角側の所定角のいずれかに設定する手段であり、
前記タイミング設定手段は、前記状態検出手段により検出された前記内燃機関の温度が所定の温度以下のときには前記吸気バルブの閉タイミングを前記進角側の所定角となるタイミングに設定し、該内燃機関の温度が所定の温度以下でないときには前記吸気バルブの閉タイミングを前記遅角側の所定角となるタイミングに設定する手段であり、
前記タイミング制御手段は、前記タイミング設定手段による設定に基づいて前記進角固定手段と前記遅角固定手段のいずれかにより前記クランクシャフトの回転角に対する前記の吸気バルブの位相が固定されるよう制御する手段であること
を要旨としている。
【0013】
かかるバルブタイミング調整装置では、吸気バルブの閉タイミングを、進角側の所定角および遅角側の所定角のいずれかまたは両固定角の間に変更可能であり、内燃機関の停止要求がなされたときには、吸気バルブの閉タイミングを両固定角の間のタイミングに制御する。その上で、内燃機関の始動要求がなされたときには、内燃機関の温度が所定の温度以下のときには、吸気バルブの閉タイミングを進角側の所定角に固定し、内燃機関の温度が所定温度以下でないときには、遅角側の所定角に固定する。このため、適正な吸気バルブの閉タイミングで内燃機関を始動することができ、始動時の圧縮圧力が不足して始動が困難となったり、圧縮圧力が高くなりすぎて始動時の振動が大きくなるといった不都合を回避することができる。
【0014】
この態様のバルブタイミング調整装置では、
前記クランクシャフトを回転駆動する電動機を備え、
前記タイミング制御手段は、
前記タイミング設定手段により前記吸気バルブの閉タイミングが前記進角側の所定角に設定されたときには、前記電動機により前記クランクシャフトを所定の角度逆回転させて前記進角固定手段により前記クランクシャフトの回転角に対する前記の吸気バルブの位相が固定されるよう制御する進角制御手段と、
前記タイミング設定手段により前記吸気バルブの閉タイミングが前記遅角側の所定角に設定されたときには、前記電動機により前記クランクシャフトを所定の角度正回転させて前記遅角固定手段により前記クランクシャフトの回転角に対する前記の吸気バルブの位相が固定されるよう制御する遅角制御手段とを備える
ものとすることもできる。
【0015】
こうすれば、油圧を発生させるポンプの駆動力を内燃機関の駆動力から得るものであっても、内燃機関の状態に応じてクランクシャフトを正逆に所定の角度回転させることにより吸気バルブの閉タイミングを調整することができる。
【0016】
進角制御手段を備える本発明の第1、第2の内燃機関のバルブタイミング調整装置において、前記タイミング変更手段は、圧力流体が出入りする出入弁を有し該圧力流体が流入することにより前記クランクシャフトの回転角に対する前記の吸気バルブの位相を遅角させる遅角室を備え、前記進角制御手段は、前記クランクシャフトを逆回転させる際に前記出入弁が開弁するよう前記タイミング変更手段を制御する開弁制御手段を備えるものとすることもできる。こうすれば、開弁されることによって遅角室の圧力流体が流出するから、クランクシャフトの回転角に対する前記の吸気バルブの位相を容易に進角側に変更することができる。
【0017】
本発明の第3の内燃機関のバルブタイミング調整装置は、
内燃機関のクランクシャフトの回転角に対する吸気バルブの位相を調整することにより、該クランクシャフトの下死点以降の回転角で内燃機関の吸気バルブの閉タイミングを調整するバルブタイミング調整装置であって、
前記クランクシャフトの回転角に対する前記の吸気バルブの位相を変更することにより前記吸気バルブの閉タイミングを変更するタイミング変更手段と、
前記内燃機関の停止要求がなされたとき、該停止要求の要因に基づいて、該内燃機関の停止から次の始動までの経過時間が所定時間以上になると判断した場合は、次の始動時に該内燃機関は所定の状態にあると予測する状態予測手段と、
該予測に基づき、前記内燃機関の次の始動に備えて、前記吸気バルブの閉タイミングを設定するタイミング設定手段と、
該予測に基づき、前記内燃機関の次の始動に備えて、前記吸気バルブの閉タイミングを設定するタイミング設定手段と、
該設定された閉タイミングで前記内燃機関が停止するよう前記タイミング変更手段を制御するタイミング制御手段と
を備えることを要旨とする。
【0018】
この本発明の第3の内燃機関のバルブタイミング調整装置は、内燃機関の停止要求がなされたときに、状態予測手段が、この停止要求の要因に基づいて、内燃機関の停止から次の始動までの経過時間が所定時間以上になるかの判断を行ない、経過時間が所定時間以上と判断したとき、次の始動時に内燃機関は所定の状態にあると予測し、タイミング設定手段が、この予測された状態に基づき、内燃機関の次の始動時に備えて、吸気バルブの閉タイミングを設定する。タイミング制御手段は、この設定された閉タイミングで内燃機関が停止するようクランクシャフトの回転角に対する前記の吸気バルブの位相を変更することにより吸気バルブの閉タイミングを変更するタイミング変更手段を制御する。なお、停止要求の要因としては、運転者による車両停止時の内燃機関の停止か、車両制御上の養成による内燃機関の自動停止か、などの区別を設けることができる。
【0019】
こうした本発明の第3の内燃機関のバルブタイミング調整装置によれば、予測された内燃機関の状態に基づき、内燃機関の次の始動に備えて、吸気バルブの閉タイミングを設定し、内燃機関がその閉タイミングで停止するから、次の内燃機関の始動を、より適正な吸気バルブの閉タイミングで行なうことができる。この結果、始動時の圧縮圧力が不足して始動が困難となったり、圧縮圧力が高くなりすぎて始動時の振動が大きくなるといった不都合を回避することができる。
【0020】
この本発明の第3の内燃機関のバルブタイミング調整装置において、前記タイミング設定手段は、前記状態予測手段により内燃機関の温度が所定温度以下であると予測されたときには、前記吸気バルブの閉タイミングを進角側の所定角となるタイミングに設定する手段であるものとすることもできる。この態様のバルブタイミング調整装置では、前記タイミング変更手段は、前記クランクシャフトの回転角に対する前記の吸気バルブの位相を前記進角側の所定角に固定する進角固定手段を備え、前記タイミング制御手段は、前記タイミング設定手段による設定に基づいて前記進角固定手段により前記クランクシャフトの回転角に対する前記の吸気バルブの位相が前記所定角に固定されるよう制御する手段であるものとすることもできる。
【0021】
これら変形例を含めて本発明の第3の内燃機関のバルブタイミング調整装置において、前記タイミング設定手段は、前記状態予測手段により予測された前記内燃機関の温度が所定温度以下でないときには、前記吸気バルブの閉タイミングを遅角側の所定角となるタイミングに設定する手段であるものとすることもできる。この態様のバルブタイミング調整装置では、前記タイミング変更手段は、前記クランクシャフトの回転角との位相を前記遅角側に所定角に固定する遅角固定手段を備え、前記タイミング制御手段は、前記タイミング設定手段による設定に基づいて前記遅角固定手段により前記クランクシャフトの回転角に対する前記の吸気バルブの位相が前記遅角側の所定角に固定されるよう制御する手段であるものとすることもできる。
【0022】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を実施例に基づき説明する。図1は本発明の一実施例であるバルブタイミング調整装置10の構成の概略を示す構成図、図2および図3は図1のバルブタイミング調整装置10のA−A線断面図、図4は吸気側カムシャフト12と排気側カムシャフト23の構成を例示する構成図、図5は実施例のバルブタイミング調整装置10により吸気バルブのタイミングが調整されるエンジン60を搭載する車両100の概略構成図である。
【0023】
まず、図5を用いて車両100の構成について簡単に説明する。図示するように、車両100は、エンジン60と、エンジン60から出力される動力により発電すると共にエンジン60を始動する際のセルモータとして駆動可能な発電用モータ69と、駆動輪174,176にディファレンシャルギヤ172を介して結合された駆動軸170を駆動する駆動用モータ150と、発電用モータ69を駆動する発電用モータ駆動回路142と、駆動用モータ150を駆動する駆動用モータ駆動回路152と、発電用モータ駆動回路142を介して発電用モータ69と電力の授受を行なうと共に駆動用モータ150を介して駆動用モータ150と電力の授受を行なうバッテリ160と、エンジン60および両モータ69,150を駆動制御すると共にバルブタイミング調整装置10を制御する電子制御ユニット(以下、ECUという)17とを備える、いわゆるハイブリッド型の電気自動車である。ここで、実施例のバルブタイミング調整装置10は、エンジン60に組み込まれた後述する位相変更機構11やECU17などにより構成される。
【0024】
ECU17は、CPU(図示せず)を中心としたマイクロコンピュータであり、制御プログラムを記憶したROMやワーク用のRAM,入出力ポートなどを備える。ECU17の入力ポートには、図1および図5に示すように、エンジン60の運転状態や発電用モータ69および駆動用モータ150の運転状態等を示す種々のセンサやこれらを運転するのに必要なセンサが接続されている。例えば、エンジン60の運転状態を検出するセンサとしては、エンジン60の負荷を検出する吸気圧センサ80、図示しないディストリビュータに設けられクランクシャフト68の回転数と回転角度を検出する回転数センサ81およびクランク角センサ82、後述する吸気側カムシャフト12の回転角度を検出するカム角センサ83、エンジン60の水温を検出する水温センサ84など、また、発電用モータ69および駆動用モータ150の運転状態を検出するセンサとしては、発電用モータ駆動回路142を介して発電用モータ69に流される三相の電流を検出する電流計144や駆動用モータ駆動回路152を介して駆動用モータ150に流される三相の電流を検出する電流計154などである。このほか、ECU17には、例えば、イグニッションキーの状態を検出するイグニッションスイッチ85や時間を計測するタイマ86、アクセルペダル163の踏込量を検出するアクセルペダルポジションセンサ164、ブレーキペダル165の踏込量を検出するブレーキペダルポジションセンサ166、バッテリ160の残容量BRMを検出する残容量計162、図示しないスロットルバルブの開度(ポジション)を検出するスロットルバルブポジションセンサなども接続されているが、その他のセンサ,スイッチなどの図示は省略した。また、ECU17の出力ポートには、発電用モータ駆動回路142や駆動用モータ駆動回路152、図示しないイグナイタや燃料噴射弁やスロットルバルブアクチュエータ、後述するオイルコントロールバルブ16の電磁ソレノイド78等が接続されている。
【0025】
こうして構成された車両100では、ECU17は、アクセルペダルポジションセンサ164やブレーキペダルポジションセンサ166により検出されたアクセルペダル163やブレーキペダル165の踏込量に応じたトルクを駆動用モータ150から出力するよう駆動用モータ駆動回路152を制御すると共に、残容量計162により検出されるバッテリ160の残容量BRMが所定範囲内となるようエンジン60を間欠運転制御する。
【0026】
次に、こうした車両100に組み込まれる本発明の実施例としてのバルブタイミング調整装置10について説明する。バルブタイミング調整装置10は、図1に示すように、吸気側カムシャフト12に取り付けられた位相変更機構11と、エンジン60の駆動力を動力源として位相変更機構11へオイルを圧送するオイルポンプ15と、オイルポンプ15により圧送されるオイルの油路を変更するオイルコントロールバルブ16と、ECU17とを備える。
【0027】
吸気側カムシャフト12は、エンジン60のシリンダヘッド18の上端面とベアリングキャップ19により回転可能に軸支されており、その図1の右端側には、図4に示すように外周部に2つで1対をなす4対のカム20が形成されている。各カム20には、エンジン60の気筒毎に設けられた吸気バルブ62の上端部が当接されており、吸気側カムシャフト12と共にカム20が回転することにより吸気バルブ62が開閉するようになっている。
【0028】
吸気側カムシャフト12のシリンダヘッド18およびベアリングキャップ19により軸支された部分より先端側(図1の左側)の部分には広径部21が形成されており、この広径部21の外周には、環状のドリブンギヤ22が回転可能に被嵌されている。このドリブンギヤ22の外周部には、複数の外歯22aが形成されており、この外歯22aは、図4に示すように、排気側カムシャフト23に取り付けられたギヤ比が1:1のドライブギヤ24の外歯24aに噛合されている。排気側カムシャフト23には、吸気側カムシャフト12と同様に、2つで1対をなす4対のカム25が形成されており、各カム25には、エンジン60の気筒毎に設けられた排気バルブ64の上端部が当接されている。この結果、排気側カムシャフト23と共にカム25が回転することにより排気バルブ64が開閉駆動する。
【0029】
このように噛合したドリブンギヤ22とドライブギヤ24は、図4に示すように、クランクシャフト68の端部に取り付けられたクランクプーリ68Aにタイミングベルト27によって掛装されている。クランクプーリ68Aとドリブンギヤ22およびドライブギヤ24とのギヤ比は1:2となっているから、クランクシャフト68が2回転すると、ドリブンギヤ22およびドライブギヤ24が一回転するようになっている。
【0030】
位相変更機構11は、図1ないし図3に示すように、略中空円盤状のハウジング28と、このハウジング28内に回転自在に嵌挿されたベーン29とを備えている。ハウジング28は、ベーン29を覆うカバー38と共にボルト30でドリブンギヤ22に固定されており、カバー38と共にドリブンギヤ22と一体となって回転する。ハウジング28の内部には、所定間隔を隔てた位置に吸気側カムシャフト12の軸心に向けて突出した4つの突部33が形成されており、この4つの突部33と、ベーン29の固定部31に形成された略十字状の4つの受圧部32とにより、4つの進角油圧室13と4つの遅角油圧室14とが形成されている。この進角油圧室13と遅角油圧室14とは、各受圧部32の外周部形成された外周溝35にシール部材36が板ばね37により外周面に付勢されるよう配設されることによりシールされている。ベーン29は、その固定部31の中心に設けられた中心孔40に挿入された取付ボルト41により吸気側カムシャフト12に固定されると共に、図示しないノックピンにより吸気側カムシャフト12と係合されており、吸気側カムシャフト12と一体となって回転する。
【0031】
ベーン29は、ハウジング28に回転自在に嵌挿されているから、ハウジング28に対して図3の断面図の状態から図4の断面図の状態まで回転することができ、その回転角だけハウジング28に対して回転位相をもつこととなる。この回転位相は、ハウジング28がクランクシャフト68に同期して回転することから、クランクシャフト68に対するものということができる。したがって、ハウジング28に対するベーン29の位置、すなわち進角油圧室13と遅角油圧室14の大きさを調整することによりクランクシャフト68に対する吸気側カムシャフト12の回転位相を変更することができる。こうした回転位相の変更は、進角油圧室13および遅角油圧室14に連通する進角側油路P1と遅角側油路P2と介してオイルコントロールバルブ16からオイルを供給することによって行なうことができる。
【0032】
なお、実施例では、図6のバルブタイミングダイヤグラムに例示するように、吸気バルブ62の閉タイミングがクランクシャフト68の下死点から約90度遅角させた位置を挟む範囲で調整できるようにカム20とのタイミングがとってある。このように吸気バルブ62の閉タイミングをクランクシャフト68の下死点から大きく遅角させたのは、エンジン60の出力トルクと回転数とを効率のよい運転ポイントで定常運転できるシリーズハイブリッド型の電気自動車にバルブタイミング調整装置10を組み込んだからである。吸気バルブ62の閉タイミングをこのように遅角させると、吸気バルブ62は圧縮行程になってもまだ開いているから、エンジン60の燃料室に一旦吸入された混合気の一部は吸気マニホールド側に排出されことになり、実際の圧縮行程を短くすることができる。このような膨張行程に比べて圧縮行程が短いいわゆるアトキンソンサイクルでは、圧縮圧が小さくなるからエンジン60をノッキングや振動の少ないものとすることができると共に、サイクルの効率も高くなるからエンジン60を燃費のよいものとすることができる。
【0033】
ベーン29の4つの受圧部32のうち対角の位置にある2つには、吸気側カムシャフト12の軸方向に段差部42aを有する貫通孔42が形成されており、この貫通孔42には有底円筒状のロックピン43が嵌挿されている。このロックピン43の内部にはスプリング48が配設されており、ロックピン43はドリブンギヤ22側に付勢されるようになっている。図3におけるドリブンギヤ22のベーン29への当接面の図3中下部に位置するロックピン43に対向する位置(図2中の下部に形成される遅角油圧室14の略中央の位置)には、ロックピン43を挿入可能な進角側係止穴49Aが形成されており、ロックピン43を進角側係止穴49Aに嵌挿することによりベーン29の回転位相を最進角側に固定できるようになっている。同様に、図2におけるドリブンギヤ22のベーン29への当接面の図2中上部に位置するロックピン43に対向する位置(図3中の上部に形成される進角油圧室13の略中央の位置)には、ロックピン43を挿入可能な遅角側係止穴49Bが形成されており、ロックピン43を遅角側係止穴49Bに嵌挿することによりベーン29の回転位相を最遅角側に固定できるようになっている。なお、上述したように、ロックピン43はスプリング48によりドリブンギヤ22側に付勢されているから、ベーン29を回転させてロックピン43を進角側係止穴49Aか遅角側係止穴49Bに整合させれば、ロックピン43は進角側係止穴49Aか遅角側係止穴49Bに嵌挿することになり、ベーン29の回転位相を最進角側か最遅角側に固定できる。
【0034】
ロックピン43の先端部には広径部43aが形成されており、貫通孔42との間に環状の油圧室44を形成している。図2中上部に位置するロックピン43により形成される油圧室44は連絡路45Aによって進角側油路P1と連通している。したがって、図2中上部に位置するロックピン43が遅角側係止穴49Bに嵌挿した状態(ベーン29が最遅角側に固定された状態)のときに、進角側油路P1を介してこのロックピン43によって形成される油圧室44にオイルを供給することにより、ロックピン43の広径部43aに油圧が作用して、ロックピン43が遅角側係止穴49Bから抜け出し、ベーン29の進角側への回転を可能とする。一方、図2中下部に位置するロックピン43により形成される油圧室44は連絡路45Bによって遅角側油路P2と連通している。したがって、図2中下部に位置するロックピン43が進角側係止穴49Aに嵌挿した状態(ベーン29が最進角側に固定された状態)のときに、遅角側油路P2を介してこのロックピン43によって形成される油圧室44にオイルを供給することにより、ロックピン43が進角側係止穴49Aから抜け出し、ベーン29の遅角側への回転を可能とする。
【0035】
オイルポンプ15は、図1に示すように、エンジン60の駆動力を駆動源として動作するポンプで、オイルパン57に貯蔵されたオイルをオイルコントロールバルブ16に圧送する。なお、オイルポンプ15とオイルコントロールバルブ16との間には、オイル中の異物を除去するオイルフィルタ55が設けられている。
【0036】
オイルコントロールバルブ16は、図1に示すように、ケーシング70と、ケーシング70に嵌挿されたスプール76と、スプール76をその軸方向に駆動する電磁ソレノイド78と、スプール76を電磁ソレノイド78側に付勢するスプリング79とを備える。ケーシング70には、進角側油路P1に接続された進角側ポート71と、進角側油路P1から流れ込んだオイルをオイルパン57に排出する進角側ドレンポート72と、遅角側油路P2に接続された遅角側ポート73と、遅角側油路P2から流れ込んだオイルをオイルパン57に排出する遅角側ドレンポート74と、オイルポンプ15からオイルフィルタ55を介して圧送されるオイルの流入口である流入ポート75とが形成されている。
【0037】
スプール76には、進角側ポート71と遅角側ポート73とを同時に閉成可能な位置にそれぞれ弁体77が形成されていると共に、進角側ドレンポート72および遅角側ドレンポート74が開成されるように両サイドの弁体77が形成されている。したがって、スプール76を図中右側に移動させて図1の状態とし、流入ポート75と遅角側ポート73とを連通する共に進角側ポート71と進角側ドレンポート72とを連通することにより、遅角側油路P2を介して遅角油圧室14にオイルを供給すると共に進角側油路P1を介して進角油圧室13からオイルを排出して、ベーン29を遅角側に回転させることができる。逆に、スプール76を図中左側に移動させて流入ポート75と進角側ポート71とを連通すると共に遅角側ポート73と遅角側ドレンポート74とを連通することにより、進角側油路P1を介して進角油圧室13にオイルを供給すると共に遅角側油路P2を介して遅角油圧室14からオイルを排出して、ベーン29を進角側に回転させることができる。なお、このスプール76は、電磁ソレノイド78による図中左側への付勢力とスプリング79による図中右側への付勢力とが釣り合う位置に静止するから、電磁ソレノイド78へ印加する電圧をデューティ制御することによってその位置を制御することができる。
【0038】
次に実施例のバルブタイミング調整装置10によるエンジン60の停止時および始動時の制御について図7に例示するエンジン停止時制御ルーチンと図8に例示するエンジン始動時停止ルーチンとに基づき説明する。
【0039】
図7のエンジン停止時制御ルーチンは、ECU17によるバッテリ160の残容量BRMの検出に基づいてエンジン60の運転を停止する信号が出力されたとき及び運転者によりイグニッションキーをオフとしたのをイグニッションスイッチ85により検出したときに実行される。本ルーチンが実行されると、ECU17は、まず、吸気バルブ62の開閉タイミングを変更可能な範囲の中央値に変更する(ステップS100)。具体的には、クランク角センサ82とカム角センサ83とにより検出されるクランクシャフト68の回転角度と吸気側カムシャフト12の回転角度との回転位相をもとめ、この回転位相が変更可能な範囲の中央値となるようオイルコントロールバルブ16を駆動制御するのである。
【0040】
続いて、回転数センサ81により検出されるクランクシャフト68の回転数、すなわちエンジン60の回転数Neを読み込み(ステップS102)、エンジン60が停止しているかを判定し(ステップS104)、エンジン60が停止するのを待って本ルーチンを終了する。
【0041】
こうした処理により吸気バルブ62の開閉タイミングを変更可能な範囲の中央値にすることができる。すなわち位相変更機構11のベーン29は、進角油圧室13と遅角油圧室14とがほぼ同体積となる位置となり、進角側係止穴49Aや遅角側係止穴49Bにはロックピン43が嵌挿されていない状態となる。
【0042】
この開閉タイミングでエンジン60が停止状態にあるときに、ECU17によるバッテリ160の残容量BRMの検出に基づいてエンジン60を始動する信号が出力されたり、運転者がイグニッションキーをオンとしたのをイグニッションスイッチ85により検出されると、ECU17は、図8のエンジン始動時制御ルーチンを実行してエンジン60を始動する。本ルーチンが実行されると、ECU17は、まず、水温センサ84により検出されるエンジン60の冷却水の温度THWを読み込み(ステップS110)、読み込んだ温度THWを閾値THWRと比較する(ステップS112)。ここで、閾値THWRは、冷却水の温度THWによりエンジン60がまだ暖かいか既に冷えてしまったかを判定する値である。
【0043】
温度THWが閾値THWRより低いときには、エンジン60は既に冷えてしまっている判断し、遅角側ポート73と遅角側ドレンポート74とが連通するようオイルコントロールバルブ16を駆動すると共に(ステップS114)、発電用モータ69により所定角度だけクランクシャフト68を逆回転させて(ステップS116)、エンジン60を始動する(ステップS120)。エンジン60の始動の前にクランクシャフト68を逆回転させるのは、変更可能な範囲の中央値に位置するベーン29を吸気側カムシャフト12の静止摩擦力の作用により進角側に移動させ、進角側係止穴49Aにロックピン43を嵌挿させて、吸気バルブ62の開閉タイミングを最進角位置に固定するためである。なお、クランクシャフト68の逆回転に先立って遅角側ポート73と遅角側ドレンポート74とが連通するようオイルコントロールバルブ16を駆動するのは、遅角油圧室14に溜まっているオイルによってベーン29の移動が妨げられるのを防止するためである。このように冷間時のエンジン60を始動するときに吸気バルブ62の開閉タイミングを最進角とするのは、冷間時のエンジン60は混合気に十分な圧縮圧を与えないと始動し難いから、吸気バルブ62の閉タイミングをクランクシャフト68の下死点に向けて進角させることにより圧縮行程を長くして十分な圧縮圧を確保し、圧縮比の不足による始動の困難性を低減するためである。
【0044】
一方、温度THWが閾値THWRより高いときには、エンジン60はまだ暖かい判断し、進角側ポート71と進角側ドレンポート72とが連通するようオイルコントロールバルブ16を駆動して(ステップS118)、エンジン60を始動する(ステップS120)。エンジン60を始動させると、変更可能な範囲の中央値に位置するベーン29は、吸気側カムシャフト12の静止摩擦力の作用により遅角側に移動し、遅角側係止穴49Bにロックピン43を嵌挿させて、吸気バルブ62の開閉タイミングを最遅角位置に固定する。したがって、この場合は、吸気バルブ62の開閉タイミングを最遅角位置とした状態でエンジン60を始動する動作となる。ここで、エンジン60の始動に先立って進角側ポート71と進角側ドレンポート72とが連通するようオイルコントロールバルブ16を駆動するのは、進角油圧室13に溜まっているオイルによってベーン29の移動が妨げられるのを防止するためである。なお、このように温間時のエンジン60を始動するときに吸気バルブ62の開閉タイミングを最遅角とするのは、エンジン60はまだ暖かいから十分な圧縮圧を与えなくても始動するから、吸気バルブ62の閉タイミングをクランクシャフト68の下死点から遅角させることにより圧縮行程を短くして始動時および始動直後の振動を小さくするためである。
【0045】
以上説明した実施例のバルブタイミング調整装置10によれば、エンジン60の温度に基づいて、吸気バルブ62の開閉タイミングをより適切なタイミングとしてエンジン60を始動することができる。すなわち、冷間時の始動では、吸気バルブ62の開閉タイミングを最進角として圧縮行程における混合気の圧縮圧を高くするから、エンジン60の始動の困難性をより小さくすることができ、温間時の始動では、吸気バルブ62の開閉タイミングを最遅角として圧縮行程における混合気の圧縮圧を小さくするから、始動時およびその直後の振動を小さくすることができる。
【0046】
実施例のバルブタイミング調整装置10では、吸気バルブ62の開閉タイミングが変更可能な範囲の中央値となる状態でエンジン60を停止させたが、ロックピン43が進角側係止穴49Aや遅角側係止穴49Bに嵌挿されていなければ、如何なる位置の状態でエンジン60を停止させるものとしてもよい。
【0047】
実施例のバルブタイミング調整装置10では、遅角側係止穴49Bを備え、温間時の始動でロックピン43を遅角側係止穴49Bに嵌挿させるものとしたが、遅角側係止穴49Bを備えないものとしてもよい。温間時の始動では、ベーン29は吸気側カムシャフト12の静止摩擦力や動摩擦力によって遅角側に移動し、ベーン29の受圧部32がハウジング28の突部33に当接することにより最遅角位置となるからである。
【0048】
実施例のバルブタイミング調整装置10では、クランクシャフト68の逆回転やエンジン60の始動に先立ってオイルコントロールバルブ16を駆動して遅角油圧室14または進角油圧室13のオイルが抜けやすいようにしたが、エンジン60を停止した後に進角油圧室13や遅角油圧室14に溜まっているオイルが抜ける構成の場合には、オイルコントロールバルブ16の駆動は不要となる。
【0049】
実施例のバルブタイミング調整装置10では、エンジン60の駆動力により駆動するオイルポンプ15を用いてオイルを圧送するものとしたが、バッテリ160に蓄えられた電力により駆動するオイルポンプを用いるものとしてもよい。この場合、図7のエンジン停止制御ルーチンの実行は不要となり、図8のエンジン始動制御ルーチンの実行では、ステップS114およびS116の処理に代えて吸気バルブ62の開閉タイミングが最進角位置となるようオイルコントロールバルブ16を駆動する処理を行ない、ステップS118の処理に代えて吸気バルブ62の開閉タイミングが最遅角位置となるようオイルコントロールバルブ16を駆動する処理を行なえばよい。
【0050】
実施例のバルブタイミング調整装置10では、エンジン60を間欠運転する構成に適用したが、エンジン60を間欠運転しない構成に適用するものとしてもよい。
【0051】
次に、本発明の第2の実施例のバルブタイミング調整装置10Bについて説明する。第2実施例のバルブタイミング調整装置10Bは、第1実施例のバルブタイミング調整装置10と同一のハード構成をしている。したがって、第2実施例のバルブタイミング調整装置10Bのハード構成については、第1実施例のバルブタイミング調整装置10のハード構成に付した符号と同一の符号を付し、その説明は省略する。以下、第2実施例のバルブタイミング調整装置10Bによるエンジン60の停止時の制御について図9に例示するエンジン停止時制御ルーチンに基づき説明する。
【0052】
図9のエンジン停止時制御ルーチンも、第1実施例のバルブタイミング調整装置10が実行する図7のエンジン停止時制御ルーチンと同様に、ECU17によるバッテリ160の残容量BRMの検出に基づいてエンジン60の運転を停止する信号が出力されたときや運転者によりイグニッションキーをオフとしたのをイグニッションスイッチ85により検出したときに実行される。本ルーチンが実行されると、ECU17は、まず、エンジン60の停止命令(信号)が、ECU17によるバッテリ160の残容量BRMの検出に基づいてエンジン60の運転を停止する信号であるか、運転者によるイグニッションキーの操作に基づいてイグニッションスイッチ85から出力される信号であるかを判定する(ステップS200)。
【0053】
運転停止の信号が運転者によるものと判定されたときには、エンジン60の次の始動までに長時間経過し次の始動が冷間時の始動になると判断して、吸気バルブ62の開閉タイミングを最進角位置に変更し(ステップS202)、運転停止の信号がECU17によるものと判定されたときには、エンジン60がまだ暖かいうちに始動されると判断して、吸気バルブ62の開閉タイミングを最遅角位置に変更する(ステップS204)。そして、エンジン60が停止するのを待って(ステップS206およびS208)、本ルーチンを終了する。なお、第2実施例のバルブタイミング調整装置10Bのハード構成は第1実施例のバルブタイミング調整装置10と同一であるから、吸気バルブ62の開閉タイミングを最進角位置に変更すれば、ロックピン43が進角側係止穴49Aに嵌挿されてベーン29が最進角位置で固定され、吸気バルブ62の開閉タイミングを最遅角位置に変更すれば、ロックピン43が遅角側係止穴49Bに嵌挿されてベーン29が最遅角位置で固定される。したがって、次のエンジン60の始動は、吸気バルブ62の開閉タイミングが最進角位置か最遅角位置に固定された状態で行なわれる。
【0054】
以上説明した第2実施例のバルブタイミング調整装置10Bによれば、エンジン60の停止信号の種類に基づいてエンジン60の次の始動時の温度を予測し、その温度に適する吸気バルブ62の開閉タイミングとしてエンジン60の運転を停止することができる。したがって、エンジン60の始動を、吸気バルブ62の開閉タイミングの調整なしに、適切な開閉タイミングで行なうことができる。
【0055】
次に、本発明の第3の実施例としてのバルブタイミング調整装置10Cについて説明する。第3実施例のバルブタイミング調整装置10Cのハード構成は、遅角側係止穴49Bとこの遅角側係止穴49Bに嵌挿するロックピン43とがない点を除いて第1実施例のバルブタイミング調整装置10のハード構成と同一の構成をしている。したがって、第3実施例のバルブタイミング調整装置10Cの構成のうち第1実施例のバルブタイミング調整装置10の構成と同一の構成については同一の符号を付し、その説明は省略する。以下、第3実施例のバルブタイミング調整装置10Cによるエンジン60の停止時の制御と始動時の制御について図10に例示するエンジン停止時制御ルーチンと図11に例示するエンジン始動制御ルーチンに基づき説明する。なお、図10のエンジン停止制御ルーチンは、第1実施例や第2実施例と同様に、ECU17によるバッテリ160の残容量BRMの検出に基づいてエンジン60の運転を停止する信号が出力されたとき及び運転者によりイグニッションキーをオフとしたのをイグニッションスイッチ85により検出したときに実行され、図11のエンジン始動時制御ルーチンは、第1実施例と同様に、ECU17によるバッテリ160の残容量BRMの検出に基づいてエンジン60を始動する信号が出力されたり、運転者がイグニッションキーをオンとしたのをイグニッションスイッチ85により検出されたときに実行される。まず図10のエンジン停止時制御ルーチンに基づいてエンジン60の停止時の処理について説明する。
【0056】
図10のエンジン停止時制御ルーチンが実行されると、ECU17は、まず、第2実施例の図9のエンジン停止時制御ルーチンのステップS200の処理と同様に、エンジン60の停止命令(信号)がECU17によるものか運転者によるものかを判定する(ステップS300)。運転停止の信号が運転者によるものではると判定されたときには、水温センサ84により検出されるエンジン60の冷却水の温度THWを読み込み(ステップS302)、読み込んだ温度THWを閾値THWRと比較する(ステップS304)。この閾値THWRは、第1実施例で用いたものと同じものである。温度THWが閾値THWRより低いときには、吸気バルブ62の次の始動は冷間時の始動になると判断して、吸気バルブ62の開閉タイミングを最進角位置に変更し(ステップS306)、エンジン60が停止するのを待って(ステップS310およびS312)、タイマ86をリセットし(ステップS314)、本ルーチンを終了する。なお、吸気バルブ62の開閉タイミングを最進角位置に変更すると、進角側係止穴49Aにロックピン43が嵌挿されるから、吸気バルブ62の開閉タイミングは最進角位置に固定されることになる。
【0057】
一方、ステップS300でエンジン60の運転停止の信号がECU17によるものであると判定されたときや、ステップS304で温度THWが閾値THWRより高いときには、エンジン60がまだ暖かいうちに始動される場合があると判断して、吸気バルブ62の開閉タイミングを最遅角位置に変更し(ステップS308)、エンジン60が停止するのを待って(ステップS310およびS312)、タイマ86をリセットし(ステップS314)、本ルーチンを終了する。第3実施例のバルブタイミング調整装置10では、遅角側係止穴49Bとこれに嵌挿するロックピン43は備えないから、吸気バルブ62の開閉タイミングを最遅角位置に変更しても、吸気バルブ62の開閉タイミングは最遅角位置に固定されることはない。
【0058】
こうしてエンジン60が停止状態にあるときに、ECU17によるバッテリ160の残容量BRMの検出に基づいてエンジン60を始動する信号が出力されたり、運転者がイグニッションキーをオンとしたのをイグニッションスイッチ85により検出されると、ECU17は、図11のエンジン始動時制御ルーチンを実行してエンジン60を始動する。本ルーチンが実行されると、ECU17は、まず、停止時と同様に、エンジン60の始動命令(信号)が、ECU17によるものか運転者によるものかを判定する(ステップS320)。エンジン始動の信号が運転者によるものと判定したときには、エンジン60の冷却水の温度THWを読み込み(ステップS322)、読み込んだ温度THWを閾値THWRと比較する(ステップS324)。温度THWが閾値THWRより低いときには、冷間時の始動と判断し、遅角側ポート73と遅角側ドレンポート74とが連通するようオイルコントロールバルブ16を駆動すると共に(ステップS326)、発電用モータ69により所定角度だけクランクシャフト68を逆回転させて(ステップS328)、エンジン60を始動する(ステップS336)。吸気バルブ62の開閉タイミングは、図10のエンジン停止時制御ルーチンにより、最進角位置か最遅角位置にあるから、最進角位置にあるときには、その位置に固定された状態でクランクシャフト68が逆回転された後にエンジン60が始動され、最遅角位置にあるときには、クランクシャフト68の逆回転により最進角位置に固定された後にエンジン60が始動される。したがって、吸気バルブ62の開閉タイミングが如何なる位置にあっても最進角位置で固定されてエンジン60が始動されることになる。
【0059】
ステップS320でECU17によるものと判定されたときや、ステップS324で温度THWが閾値THWRより高いときには、タイマ86により計測されているエンジン60の停止からの経過時間TIMを読み込み(ステップS330)、経過時間TIMを閾値TIMRと比較する(ステップS332)。ここで、閾値TIMRは、オイルコントロールバルブ16のケーシング70とスプール76の弁体77との間の若干のクリアランスが存在することにより進角油圧室13や遅角油圧室14からオイルが抜け出しているか否かを判定するためのものである。進角油圧室13や遅角油圧室14からオイルが抜け出しているときに、吸気バルブ62の開閉タイミングを固定せずにエンジン60を始動すると異音を生じることがある。経過時間TIMを閾値TIMRと比較して吸気バルブ62の開閉タイミングを変更するのは、こうした異音の発生を防止するためである。
【0060】
こうしたステップS330およびS332が実行されるときは、エンジン60の始動信号がECU17によるものと判定されたときか、エンジン60の始動信号が運転者によるものと判定されてもエンジン60の冷却水の温度THWが閾値THWRより高いときである。こうした始動処理に先立つエンジン60の停止制御(図10)では、エンジン60の始動信号がECU17によるものと判定されるときには、エンジン60の停止信号もECU17によるものと判定されるから、吸気バルブ62の開閉タイミングは最遅角位置とされ(図10のステップS308)、エンジン60の始動信号が運転者によるものと判定されてもエンジン60の冷却水の温度THWが閾値THWRより高いときには、エンジン60の停止信号も運転者によると判定されるがエンジン60の冷却水の温度THWも閾値THWRより高いと判定されるから(図10のステップS304)、これも同様に、吸気バルブ62の開閉タイミングは最遅角位置とされる(図10のステップS308)。したがって、ステップS330およびS332の処理が実行されるときには、吸気バルブ62の開閉タイミングは、いつも最遅角位置になっていることになる。
【0061】
経過時間TIMが閾値TIMRより短いときには、進角油圧室13や遅角油圧室14からのオイルの抜け出しはないと判断し、エンジン60を始動する(ステップS336)。
【0062】
一方、経過時間TIMが閾値TIMRより長いときには、進角油圧室13や遅角油圧室14からオイルが抜け出している場合があると判断し、吸気バルブ62の開閉タイミングを固定するために、遅角側ポート73と遅角側ドレンポート74とが連通するようオイルコントロールバルブ16を駆動すると共に(ステップS326)、発電用モータ69により所定角度だけクランクシャフト68を逆回転させて(ステップS328)、エンジン60を始動する(ステップS336)。なお、遅角側ポート73と遅角側ドレンポート74とが連通するようオイルコントロールバルブ16を駆動するのは、オイルの抜け出しがないときや、抜け出しがあっても少量のときに、遅角油圧室14に溜まっているオイルによってベーン29の移動が妨げられるのを防止するためである。こうした処理により、吸気バルブ62の開閉タイミングは最進角位置に固定されるから、エンジン60の始動時に異音が生じる場合を防止することができる。
【0063】
以上説明した第3実施例のバルブタイミング調整装置10Cによれば、エンジン60の温度に基づいて、吸気バルブ62の開閉タイミングをより適切なタイミングとしてエンジン60を始動することができる。すなわち、冷間時の始動では、吸気バルブ62の開閉タイミングを最進角として圧縮行程における混合気の圧縮圧を高くするから、エンジン60の始動の困難性をより小さくすることができ、温間時の始動では、吸気バルブ62の開閉タイミングを最遅角として圧縮行程における混合気の圧縮圧を小さくするから、始動時およびその直後の振動を小さくすることができる。しかも、エンジン60の停止信号の種類に基づいてエンジン60の次の始動時の温度を予測し、その温度に適する吸気バルブ62の開閉タイミングとしてエンジン60の運転を停止することができ、エンジン60の始動をより適切な吸気バルブ62の開閉タイミングで行なうことができる。さらに、エンジン60の停止からの経過時間により進角油圧室13や遅角油圧室14からのオイルの抜け出しを推測し、オイルの抜け出しが推測されるときには、吸気バルブ62の開閉タイミングを最進角位置に固定してエンジン60を始動するから、始動時に異音が生じるといった不都合を回避することができる。
【0064】
第1,第2および第3実施例のバルブタイミング調整装置10,10B,10Cでは、吸気バルブ62の閉タイミングをクランクシャフト68の下死点よりかなり遅角した範囲で調整可能なものに適用したが、クランクシャフト68の下死点以降の如何なる範囲で調整可能なものに適用するものとしてもよい。
【0065】
また、第1,第2および第3実施例のバルブタイミング調整装置10,10B,10Cでは、吸気バルブ62の閉タイミングの変更に伴って開タイミングも変更されるものとしたが、吸気バルブ62の閉タイミングと開タイミングとを独立に変更可能な構成としてもよい。
【0066】
第1,第2および第3実施例のバルブタイミング調整装置10,10B,10Cでは、ダブルオーバーヘッドカムシャフト式(DOHC式)のエンジン60に適用したが、シングルオーバーヘッドカムシャフト式(SOHC式)のエンジンやオーバーヘッドバルブ式(OHV式)のエンジンに適用するものとしてもよい。
【0067】
第1,第2および第3実施例のバルブタイミング調整装置10,10B,10Cでは、バルブタイミング調整装置をいわゆるシリーズハイブリッド型の電気自動車に組み込んだが、バルブタイミング調整装置をエンジンとモータとを動力源とするいわゆるパラレルハイブリッド型の電気自動車に組み込むものとしてもよく、ハイブリッド型の電気自動車に限らず通常のガソリンエンジンにより駆動する自動車に組み込むものとしてもよい。
【0068】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、例えば、バルブタイミング調整装置を船舶や航空機などの交通手段や、その他各種産業機械などに搭載するなど、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるバルブタイミング調整装置10の構成の概略を示す構成図である。
【図2】図1のバルブタイミング調整装置10のA−A線断面図である。
【図3】図1のバルブタイミング調整装置10のA−A線断面図である。
【図4】吸気側カムシャフト12と排気側カムシャフト23の構成を例示する構成図である。
【図5】実施例のバルブタイミング調整装置10により吸気バルブのタイミングが調整されるエンジン60を搭載する車両100の概略構成図である。
【図6】吸気バルブ62および排気バルブ64の開閉タイミングを例示するバルブタイミングダイヤグラムである。
【図7】ECU17により実行されるエンジン停止時制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。
【図8】ECU17により実行されるエンジン始動時制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。
【図9】第2実施例のバルブタイミング調整装置10BのECU17により実行されるエンジン停止時制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。
【図10】第3実施例のバルブタイミング調整装置10CのECU17により実行されるエンジン停止時制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。
【図11】第3実施例のバルブタイミング調整装置10CのECU17により実行されるエンジン始動時制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10…バルブタイミング調整装置
10B…バルブタイミング調整装置
10C…バルブタイミング調整装置
11…位相変更機構
12…吸気側カムシャフト
13…進角油圧室
14…遅角油圧室
15…オイルポンプ
16…オイルコントロールバルブ
17…ECU
18…シリンダヘッド
19…ベアリングキャップ
20…カム
21…広径部
22…ドリブンギヤ
22a…外歯
23…排気側カムシャフト
24…ドライブギヤ
24a…外歯
25…カム
27…タイミングベルト
28…ハウジング
29…ベーン
30…ボルト
31…固定部
32…受圧部
33…突部
35…外周溝
36…シール部材
37…板ばね
38…カバー
40…中心孔
41…取付ボルト
42…貫通孔
42a…段差部
43…ロックピン
43a…広径部
44…油圧室
45A…連絡路
45B…連絡路
48…スプリング
49A…進角側係止穴
49B…遅角側係止穴
55…オイルフィルタ
57…オイルパン
60…エンジン
62…吸気バルブ
64…排気バルブ
68…クランクシャフト
68A…クランクプーリ
69…発電用モータ
70…ケーシング
71…進角側ポート
72…進角側ドレンポート
73…遅角側ポート
74…遅角側ドレンポート
75…流入ポート
76…スプール
77…弁体
78…電磁ソレノイド
79…スプリング
80…吸気圧センサ
81…回転数センサ
82…クランク角センサ
83…カム角センサ
84…水温センサ
85…イグニッションスイッチ
86…タイマ
100…車両
142…発電用モータ駆動回路
144…電流計
150…駆動用モータ
152…駆動用モータ駆動回路
154…電流計
160…バッテリ
162…残容量計
163…アクセルペダル
164…アクセルペダルポジションセンサ
165…ブレーキペダル
166…ブレーキペダルポジションセンサ
170…駆動軸
172…ディファレンシャルギヤ
174,176…駆動輪
P1…進角側油路
P2…遅角側油路

Claims (9)

  1. 内燃機関のクランクシャフトの回転角に対する吸気バルブの位相を調整することにより、該クランクシャフトの下死点以降の回転角で前記吸気バルブの閉タイミングを調整するバルブタイミング調整装置であって、
    前記クランクシャフトを回転駆動する電動機と、
    前記クランクシャフトの回転角に対する前記の吸気バルブの位相を固定して、前記吸気バルブの閉タイミングを進角側の所定角に固定可能なタイミング固定手段と、
    前記内燃機関の温度を検出する状態検出手段と、
    前記内燃機関の始動要求がなされたとき、前記状態検出手段により検出された該内燃機関の温度が所定温度以下の場合には、前記吸気バルブの閉タイミングを前記進角側の所定角に設定するタイミング設定手段と、
    前記タイミング設定手段による設定に基づいて、前記電動機により前記クランクシャフトを所定の角度逆回転させることにより、前記タイミング固定手段によって前記クランクシャフトの回転角に対する前記吸気バルブの位相を前記進角側の所定角に固定する進角制御手段と
    を備えるバルブタイミング調整装置。
  2. 前記状態検出手段により検出された前記内燃機関の温度が所定温度以下でないときには、前記吸気バルブの閉タイミングを遅角側のタイミングに設定する遅角制御手段を備えた請求項1記載のバルブタイミング調整装置。
  3. 請求項2記載のバルブタイミング調整装置であって、
    前記クランクシャフトの回転角に対する前記の吸気バルブの位相を固定して、前記吸気バルブの閉タイミングを遅角側の所定角に固定可能な遅角固定手段を備え、
    前記遅角制御手段は、前記状態検出手段が検出した始動時の内燃機関の前記温度が所定の温度以下でない場合には、前記遅角固定手段により、前記クランクシャフトの回転角との位相を前記遅角側の所定角に固定する手段である
    バルブタイミング調整装置。
  4. 内燃機関のクランクシャフトの回転角に対する吸気バルブの位相を調整することにより、該クランクシャフトの下死点以降の回転角で前記吸気バルブの閉タイミングを調整するバルブタイミング調整装置であって、
    前記クランクシャフトの回転角に対する前記の吸気バルブの位相を進角側の所定角に固定する進角固定手段および前記クランクシャフトの回転角に対する前記の吸気バルブの位相を遅角側の所定角に固定する遅角固定手段を有し、前記吸気バルブの閉タイミングを、該進角側の所定値および該遅角側の固定角のいずれかまたは両固定角間に変更可能なタイミング変更手段と、
    前記内燃機関の温度を検出する状態検出手段と、
    前記内燃機関の始動要求がなされたとき、前記状態検出手段により検出された該内燃機関の前記温度に基づいて前記吸気バルブの閉タイミングを設定するタイミング設定手段と、
    該設定された閉タイミングで前記内燃機関が始動されるよう前記タイミング変更手段を制御するタイミング制御手段と
    前記内燃機関の停止要求がなされたとき、該内燃機関が停止したときの前記吸気バルブの閉タイミングが前記進角側の所定角と前記遅角側の所定角との間のタイミングとなるよう前記タイミング変更手段を制御する停止制御手段と
    を備え、
    前記タイミング設定手段は、前記状態検出手段により検出された前記内燃機関の温度に基づいて前記吸気バルブの閉タイミングを前記進角側の所定角と前記遅角側の所定角のいずれかに設定する手段であり、
    前記タイミング設定手段は、前記状態検出手段により検出された前記内燃機関の温度が所定の温度以下のときには前記吸気バルブの閉タイミングを前記進角側の所定角となるタイミングに設定し、該内燃機関の温度が所定の温度以下でないときには前記吸気バルブの閉タイミングを前記遅角側の所定角となるタイミングに設定する手段であり、
    前記タイミング制御手段は、前記タイミング設定手段による設定に基づいて前記進角固定手段と前記遅角固定手段のいずれかにより前記クランクシャフトの回転角に対する前記の吸気バルブの位相が固定されるよう制御する手段である
    バルブタイミング調整装置。
  5. 請求項4記載のバルブタイミング調整装置であって、
    前記クランクシャフトを回転駆動する電動機を備え、
    前記タイミング制御手段は、
    前記タイミング設定手段により前記吸気バルブの閉タイミングが前記進角側の所定角に設定されたときには、前記電動機により前記クランクシャフトを所定の角度逆回転させて前記進角固定手段により前記クランクシャフトの回転角に対する前記の吸気バルブの位相が固定されるよう制御する進角制御手段と、
    前記タイミング設定手段により前記吸気バルブの閉タイミングが前記遅角側の所定角に設定されたときには、前記電動機により前記クランクシャフトを所定の角度正回転させて前記遅角固定手段により前記クランクシャフトの回転角に対する前記の吸気バルブの位相が固定されるよう制御する遅角制御手段とを備える
    バルブタイミング調整装置。
  6. 請求項1または5記載のバルブタイミング調整装置であって、
    前記タイミング変更手段は、圧力流体が出入りする出入弁を有し該圧力流体が流入することにより前記クランクシャフトの回転角に対する前記の吸気バルブの位相を遅角させる遅角室を備え、
    前記進角制御手段は、前記電動機により前記クランクシャフトを逆回転させる際に前記出入弁が開弁するよう前記タイミング変更手段を制御する開弁制御手段を備える
    バルブタイミング調整装置。
  7. 請求項1ないし6いずれか記載のバルブタイミング調整装置であって、
    前記状態検出手段は、前記内燃機関の冷却水の温度を検出する手段であるバルブタイミング調整装置。
  8. 請求項1ないしいずれか記載のバルブタイミング調整装置であって、
    記内燃機関の停止時から該内燃機関の次の始動までの経過時間を検出する手段を備え
    前記タイミング設定手段は、前記内燃機関の温度が前記所定値以下でない場合でも、前記経過時間が所定時間以上のとき、前記内燃機関の温度が前記所定温度以下の場合と同一の設定を行なう手段である
    バルブタイミング調整装置。
  9. 内燃機関のクランクシャフトの回転角に対する吸気バルブの位相を調整することにより、該クランクシャフトの下死点以降の回転角で内燃機関の吸気バルブの閉タイミングを調整するバルブタイミング調整装置であって、
    前記クランクシャフトの回転角に対する前記の吸気バルブの位相を変更することにより前記吸気バルブの閉タイミングを変更するタイミング変更手段と、
    前記内燃機関の停止要求がなされたとき、該停止要求の要因に基づいて、該内燃機関の停止から次の始動までの経過時間が所定時間以上になると判断した場合は、次の始動時に該内燃機関は所定の状態にあると予測する状態予測手段と、
    該予測に基づき、前記内燃機関の次の始動に備えて、前記吸気バルブの閉タイミングを設定するタイミング設定手段と、
    該設定された閉タイミングで前記内燃機関が停止するよう前記タイミング変更手段を制御するタイミング制御手段と
    を備えるバルブタイミング調整装置。
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