JP2002256910A - 弁開閉時期制御装置 - Google Patents

弁開閉時期制御装置

Info

Publication number
JP2002256910A
JP2002256910A JP2001048822A JP2001048822A JP2002256910A JP 2002256910 A JP2002256910 A JP 2002256910A JP 2001048822 A JP2001048822 A JP 2001048822A JP 2001048822 A JP2001048822 A JP 2001048822A JP 2002256910 A JP2002256910 A JP 2002256910A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
combustion engine
internal combustion
control device
chamber
phase
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001048822A
Other languages
English (en)
Inventor
Osamu Komazawa
修 駒沢
Masazumi Yoshida
雅澄 吉田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Aisin Corp
Original Assignee
Aisin Seiki Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Aisin Seiki Co Ltd filed Critical Aisin Seiki Co Ltd
Priority to JP2001048822A priority Critical patent/JP2002256910A/ja
Publication of JP2002256910A publication Critical patent/JP2002256910A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

Landscapes

  • Valve Device For Special Equipments (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】内燃機関の始動時における振動の低減と、内燃
機関の始動性の確保との両立を図るのに有利な弁開閉時
期制御装置を提供する。 【解決手段】弁開閉時期制御装置は、回転部材(1)
と、回転伝達部材(2)と、流体圧室(40)を遅角室
(42)及び進角室(43)に仕切るベーン(5)と、
ベーン(5)をこれの最遅角位相と最遅角位相との間の
中間位相状態に保持する中間位相保持機構(6,6B)
と、遅角室(42)及び進角室(43)に対して油を供
給可能及び排出可能な流体給排装置(7)とを有する。
制御装置(100)は、ベーン(5)が最進角位相と最
遅角位相との間の中間位相となる中間位相状態と、中間
位相状態よりもベーン(5)が遅角方向に寄る遅角位相
状態(一般的には最遅角位相状態)とのいずれか一方
を、内燃機関の始動時に選択する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は車両等に搭載される
内燃機関の弁の開閉時期のタイミングを調整する弁開閉
時期制御装置に関する。本発明は、運転者の積極的意思
によることなく内燃機関の停止及び始動を行う場合に適
用することができる。更に本発明は、運転者の積極的意
思によって内燃機関を始動させる場合にも適用すること
ができる。
【0002】
【従来の技術】従来、内燃機関の駆動条件に応じて内燃
機関の弁の開閉時期のタイミングを調整する弁開閉時期
制御装置が提供されている。この弁開閉時期制御装置と
して、内燃機関に組み付けられ内燃機関の弁開閉用の回
転部材と、回転部材に相対回転可能に組み付けられた回
転伝達部材と、回転部材と回転伝達部材とにより形成さ
れた流体圧室と、流体圧室に配置されるように回転部材
に保持されたベーンとを備えているものがある。ベーン
は、回転部材及び回転伝達部材の相対位相を相対回転方
向のうち遅角方向に相対回転させる遅角室と、相対回転
方向のうち進角方向に相対回転させる進角室とに、流体
圧室を仕切る。
【0003】この弁開閉時期制御装置として、回転伝達
部材に対する回転部材の相対位相が最進角位相と最遅角
位相との間の中間位相状態となるように、回転伝達部材
に対する回転部材の相対位相を中間位相状態に保持する
中間位相保持機構と、流体圧室の遅角室及び進角室に対
して油を供給可能及び排出可能な流体給排装置とを具備
しており、回転伝達部材に対する回転部材の相対位相が
中間位相状態のときに内燃機関を始動させるものが知ら
れており、例えば特開平11−223112号公報に開
示されている。
【0004】ところで、近年、内燃機関及び走行用のモ
ータを搭載したハイブリッドカーが提供されている。ま
た、アイドリングをいったん停止させた後に内燃機関を
自動的に再始動させるアイドルストップ制御を行う内燃
機関を搭載した車両等も提供されている。これらの車両
の場合には、運転者の積極的意思によることなく内燃機
関の停止及び始動が自動的に行われる。この場合、運転
者は内燃機関の始動開始を認識していないため、運転者
へ与える違和感を軽減すべく、内燃機関の始動時におけ
る振動はできるだけ小さい方が好ましい。
【0005】しかしながら上記したように回転伝達部材
に対する回転部材の相対位相が中間位相状態のときに内
燃機関を始動させる弁開閉時期制御装置によれば、回転
伝達部材に対する回転部材の相対位相が遅角位相状態の
ときに内燃機関を始動させる場合に比較して、内燃機関
へ送給される混合気の圧縮比が大きいため、内燃機関の
始動時における振動が大きくなりがちである。
【0006】また、ハイブリッドカー、アイドルストッ
プ制御を行う内燃機関を搭載した車両以外の通常車両で
あっても、必要な始動性が確保されるならば、内燃機関
の始動時における振動はできるだけ小さい方が好まし
い。しかしながら内燃機関の始動時における振動を低減
すべく、回転伝達部材に対する回転部材の相対位相を遅
角位相状態としたときに内燃機関を始動させることにす
ると、内燃機関の始動性よりも内燃機関の始動時におけ
る振動抑制が優先されるため、内燃機関の始動性が低い
始動環境のとき(例えば、外気の温度がかなり低い場合
等の冷間始動時)、必ずしも満足できる始動性が得られ
ない。
【0007】また近年、特開平10−227236号公
報には、内燃機関の冷却水温度が低いときには、車載の
モータを駆動させることにより内燃機関のクランクシャ
フトを逆回転させて、回転伝達部材に対する回転部材の
相対位相を最進角位相状態として内燃機関を始動させ、
且つ、冷却水温度が高いときには、そのままクランキン
グすることにより回転伝達部材に対する回転部材の相対
位相を最遅角位相状態に固定して内燃機関を始動させる
技術が開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記した特開平10−
227236号公報に係る技術によれば、内燃機関の冷
却水の温度が低いときには、車載のモータを駆動させる
ことによりクランクシャフトを逆回転させて回転伝達部
材に対する回転部材の相対位相を最進角位相状態として
内燃機関を始動させる。このため、クランクシャフトを
駆動させる車載のモータ、モータ駆動回路が必須であ
る。更に回転伝達部材に対する回転部材の相対位相を最
進角位相状態としたとき内燃機関を始動させると、内燃
機関の燃焼室に送給された混合気の圧縮比が大きくなる
ため、内燃機関の始動時における振動が大きくなる傾向
がある。よってハイブリッドカー、アイドルストップ制
御を行なう内燃機関を搭載した車両等のように、内燃機
関の始動開始を運転者にあまり認識させたくない場合に
は、適切ではない。
【0009】本発明は上記した実情に鑑みてなされたも
のであり、内燃機関の始動性が良好な中間位相状態と、
内燃機関における振動低減効果が得られる遅角位相状態
とのうちのいずれか一方を、内燃機関の始動時において
選択する方式を採用することにより、内燃機関の始動時
における振動の低減と、内燃機関の始動性の確保との両
立を図るのに有利であり、更に、内燃機関の始動時にお
ける選択により、回転伝達部材に対する回転部材の相対
位相を最進角位相状態ではなく中間位相状態として内燃
機関を始動させるため、内燃機関の始動性を確保しつつ
振動低減を図るのに有利な弁開閉時期制御装置を提供す
ることを解決すべき課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の弁開閉時期制御
装置は、内燃機関に組み付けられ内燃機関の弁開閉用の
回転部材と、回転部材に相対回転可能に組み付けられた
回転伝達部材と、回転部材と回転伝達部材とにより形成
された流体圧室と、流体圧室内に配置され、回転伝達部
材に対する回転部材の相対位相を相対回転方向のうち遅
角方向に移動させる遅角室と、回転伝達部材に対する回
転部材の相対位相を相対回転方向のうち進角方向に移動
させる進角室とに流体圧室を仕切るベーンと、回転伝達
部材に対する回転部材の相対位相を、これの最遅角位相
と最進角位相との間の中間位相状態に保持する中間位相
保持機構と、流体圧室の遅角室及び進角室に対して油を
供給可能及び排出可能な流体給排装置とを具備してお
り、回転伝達部材に対する回転部材の相対位相の調整に
より内燃機関の弁の開閉時期を制御する弁開閉時期制御
装置において、回転伝達部材に対する回転部材の相対位
相が最進角位相と最遅角位相との間の中間位相となる中
間位相状態と、回転伝達部材に対する回転部材の相対位
相が中間位相状態よりも遅角方向に寄る遅角位相状態と
のいずれか一方を、内燃機関の始動時に選択する制御装
置を備えていることを特徴とするものである。
【0011】本発明に係る装置によれば、内燃機関の始
動時に、制御装置は、回転伝達部材に対する回転部材の
相対位相が最進角位相と最遅角位相との間の中間位相と
なる中間位相状態と、回転伝達部材に対する回転部材の
相対位相が中間位相状態よりも遅角方向に寄る遅角位相
状態とのいずれか一方を選択する。
【0012】回転伝達部材に対する回転部材の相対位相
を遅角位相状態として内燃機関を始動させる場合には、
内燃機関の始動時における振動抑制が優先される。この
場合は、ハイブリッドカー、アイドルストップ制御を行
う内燃機関を搭載した車両などのように、内燃機関の始
動開始を運転者にあまり認識させたくないときに適す
る。また、回転伝達部材に対する回転部材の相対位相を
中間位相状態として内燃機関を始動させる場合には、内
燃機関の振動抑制よりも内燃機関の始動性が優先され
る。この場合は、冷間始動時のように始動性が低い始動
環境で内燃機関を始動させるときに適する。
【0013】
【発明の実施の形態】図10は、内燃機関に搭載される
吸気側の弁開閉時期制御装置において、クランク角(横
軸)と内燃機関の弁のリフト量(縦軸)との関係である
リフト特性を模式的に示す。横軸はクランク角を示すた
めピストン位置も示す。図10において特性線A1は、
回転伝達部材に対する回転部材の相対位相が中間位相状
態のときにおけるリフト特性を示す。特性線A2は、回
転伝達部材に対する回転部材の相対位相が最遅角位相状
態(最も遅角方向に移動した位相)のときにおけるリフ
ト特性を示す。特性線A3は、回転伝達部材に対する回
転部材の相対位相が最進角位相状態(最も進角方向に移
動した位相)のときにおけるリフト特性を示す。
【0014】図10の特性線A2に示すように回転伝達
部材に対する回転部材の相対位相が最遅角位相状態のと
き内燃機関を始動させる場合には、リフト量が0(弁閉
じ)のとき、ピストンが下死点Xdから上死点Xu側に
移行している移行量m1が大きく、従ってピストンが上
死点Xu側にかなり移動してから弁が閉じる。故に内燃
機関の燃焼室に送給された混合気の圧縮比は相対的に小
さく、内燃機関の始動性の確保よりも内燃機関の振動抑
制が相対的に優先される。これに対して、特性線A1に
示すように回転伝達部材に対する回転部材の相対位相が
中間位相状態のとき内燃機関を始動させる場合には、リ
フト量が0(弁閉じ)のとき、ピストンが下死点Xdか
ら上死点Xu側に移行している移行量m2が特性線A2
の場合に比較して少なく、従ってピストンが上死点Xu
側にあまり移動していないときに弁が閉じる。従ってこ
の場合には、内燃機関の燃焼室に送給された混合気の圧
縮比が相対的に大きく、特性線A2の場合に比較して内
燃機関の振動抑制よりも内燃機関の円滑始動性が相対的
に優先される。
【0015】本発明に係る弁開閉時期制御装置によれ
ば、次の実施形態の少なくとも一つを採用することがで
きる。
【0016】・制御装置としては、内燃機関の始動時に
おける振動を抑制する要請が強いときには、内燃機関の
始動時に、回転伝達部材に対する回転部材の相対位相を
遅角位相状態(例えば最遅角位相状態)とする指令を流
体給排装置に出力する形態を例示できる。また制御装置
としては、内燃機関の始動時の振動を抑制する要請が弱
いときには、内燃機関の始動時に、回転伝達部材に対す
る回転部材の相対位相を中間位相状態とする指令を流体
給排装置に出力する形態を例示できる。この場合には内
燃機関の始動性が優先的に確保される。
【0017】・内燃機関の冷却水の水温が所定値よりも
高いときは、内燃機関の始動性が高い始動環境である。
この場合には内燃機関の始動性が確保されるため、始動
時における振動抑制を優先させることが好ましい。また
ハイブリッドカー、アイドルストップ制御を行う内燃機
関を搭載した車両などのように、運転者の積極的意思に
よらずに内燃機関の停止及び始動を行うときには、運転
者に内燃機関の始動開始をなるべく認識させないよう
に、内燃機関の始動時における振動の抑制を優先させる
ことが好ましい。このため、内燃機関の始動性が高い始
動環境のとき(例えば内燃機関の冷却水の水温が所定値
よりも高いとき)、運転者の積極的意思によらずに内燃
機関を始動させるときのうちの少なくとも一方におい
て、制御装置としては、内燃機関の始動時に、回転伝達
部材に対する回転部材の相対位相を遅角位相状態(一般
的には最遅角位相状態)とする指令を流体給排装置に出
力する形態を採用できる。この場合には振動の抑制に有
利である。
【0018】これに対して、内燃機関の冷却水の水温が
所定値よりも低いときには、外気の温度が低いため冷間
始動に相当し、内燃機関の始動性を優先させることが好
ましい。運転者の積極的意思によって内燃機関を始動さ
せるときには、運転者は内燃機関が始動することを予め
認識しているため、始動時に振動が生じても別段の支障
はなく、従って振動低減よりも内燃機関の始動性を優先
させることができる。このため内燃機関の始動性が低い
始動環境のとき(例えば、内燃機関の冷却水の水温が所
定値よりも低いときのように冷間始動時)、運転者の積
極的意思によって内燃機関を始動させるときのうちの少
なくとも一方においては、制御装置としては、内燃機関
の始動時に、回転伝達部材に対する回転部材の相対位相
を中間位相状態とする指令を流体給排装置に出力する形
態を採用できる。
【0019】・内燃機関の停止後に、回転伝達部材に対
する回転部材の相対位相を遅角位相状態(例えば最遅角
位相状態)に保持し続けるときには、遅角室の油等の流
体がドレイン側に漏れるおそれがある。この漏れが大き
い場合、遅角室に空気が混在し易くなり、内燃機関を再
始動させるときにベーンのばたつきが発生するおそれが
ある。そこで、制御装置としては、内燃機関の停止後か
ら、遅角位相状態(例えば最遅角位相状態)で内燃機関
を始動させる次の要求があるまでの間、遅角室の流体の
洩れ、または、遅角室と進角室との両室の流体の洩れを
抑える指令を流体給排装置に出力する形態を採用でき
る。
【0020】・流体給排装置はオイルポンプ及び油溜め
部につながる少なくとも1個の制御弁を有する形態を採
用できる。この場合、制御弁は、遅角室及び進角室を油
溜め部(ドレイン側)につなぐ切替位置と、遅角室をオ
イルポンプにつなぐと共に進角室を油溜め部につなぐ切
替位置と、遅角室及び進角室を油溜め部に非連通とする
切替位置と、進角室をオイルポンプにつなぐと共に遅角
室を油溜め部につなぐ切替位置とに切替可能である形態
を採用できる。そして、内燃機関の停止後から、遅角位
相状態(例えば最遅角位相状態)で内燃機関を始動させ
る次の要求があるまでの間、遅角室を油溜め部に非連通
とする切替位置に維持する指令を制御装置が制御弁に出
力する形態を採用できる。
【0021】・特性線A2に代表されるように、回転伝
達部材に対する回転部材の相対位相が遅角位相状態のと
き内燃機関を始動させる場合には、前述したように、内
燃機関の燃焼室に送給された混合気の圧縮比が相対的に
小さく、始動時における振動低減効果が得られる。この
ため内燃機関を停止させるときにおいても、内燃機関の
停止時における振動の抑制効果が得られる。故に制御装
置としては、内燃機関を停止させるとき、回転伝達部材
に対する回転部材の相対位相を遅角位相状態(例えば最
遅角位相状態)とする指令を流体給排装置に出力する形
態を採用できる。このようにすれば、内燃機関の停止時
における振動低減効果が得られる。そればかりか、遅角
位相状態(例えば最遅角位相状態)で内燃機関を再始動
させるのにも有利となる。
【0022】
【実施例】(第1実施例)以下、本発明を具体化した第
1実施例を図1〜図5に基づいて説明する。本実施例
は、車両等に搭載される内燃機関の弁開閉時期制御装置
に適用した場合である。図1は内燃機関の弁を開放させ
るカムを有するカムシャフト3の軸長方向に沿った弁開
閉時期制御装置の断面図を示す。図2はカムシャフト3
の軸直角方向に沿った弁開閉時期制御装置の断面図を示
す。図2は図面の複雑化回避のためハッチングを略して
いる。
【0023】まず全体構成を説明する。本実施例に係る
弁開閉時期制御装置は、図1に示すように、内燃機関に
組み付けられ内燃機関の弁開閉用の回転部材として機能
する内ロータ1と、内ロータ1に相対回転可能に組み付
けられた回転伝達部材2とを備えている。内ロータ1
は、内燃機関のシリンダブロック34に回転可能に保持
されたカムシャフト3の先端部に固定ボルト30により
固定されており、カムシャフト3と一体回転する。図1
に示すように、内ロータ1は、カムシャフト3の軸長方
向に沿ったシャフト遅角通路31に連通する遅角通路1
0と、カムシャフト3の軸長方向に沿ったシャフト進角
通路32に連通する進角通路11とを有する。
【0024】図1に示すように、回転伝達部材2は、ハ
ウジング部材20と、ハウジング部材20のボルト挿通
孔20pに挿通された取付ボルト21によりハウジング
部材20の片面側に取り付けられた第1プレートとして
のフロントプレート22と、取付ボルト21によりハウ
ジング部材20の他の片面側に取り付けられた第2プレ
ートとしてのリヤプレート23とを有する。リヤプレー
ト23はタイミングスプロケット23aをもつ。タイミ
ングスプロケット23aと内燃機関のクランクシャフト
のギヤとの間には、タイミングチェーンまたはタイミン
グベルト等の伝達部材24が架設されている。内燃機関
のクランクシャフトが駆動すると、タイミングチェーン
またはタイミングベルト等の伝達部材24を経て、タイ
ミングスプロケット23a、リヤプレート23、ハウジ
ング部材20、内ロータ1が回転し、ひいては内ロータ
1と一体のカムシャフト3が回転し、カムシャフト3の
カムが内燃機関の弁を開閉させる。
【0025】図2に示すように、回転伝達部材2の主要
素であるハウジング部材20には、径内方向に突出する
シューとして機能する厚肉の突部4が複数個設けられて
いる。相対回転方向において突部4は、互いに背向する
位相に端面44s、44rを有する。隣設する突部4間
には、相対回転方向(矢印S1、S2方向)に沿って並
設された複数個(実施例では4個)の流体圧室40が形
成されている。複数個の流体圧室40は内ロータ1とハ
ウジング部材20とで形成されている。
【0026】内ロータ1の外周部には、各流体圧室40
に対面するようにベーン溝41が所定の間隔を隔てて放
射状に複数個(実施例では4個)形成されている。各ベ
ーン溝41には、仕切部材として機能するベーン5が放
射方向に沿って各それぞれ摺動可能に挿入されている。
ベーン5の数は流体圧室40と同数である。図2に示す
ように、べーン5は、各流体圧室40をハウジング部材
20及び内ロータ1の相対回転方向(矢印S1、S2方
向)において遅角室42と進角室43とに仕切る。流体
圧室40の進角室43は内ロータ1の進角通路11に連
通する。流体圧室40の遅角室42は内ロータ1の遅角
通路10に連通する。
【0027】図2に示すように、内ロータ1の外周部の
溝14aの端には遅角方向ストッパ14が形成されてい
る。遅角方向ストッパ14は、ハウジング部材20に対
して内ロータ1及びベーン5が遅角方向(矢印S1方
向)へそれ以上移動することを阻止する。内ロータ1の
外周部の溝16aの端には進角方向ストッパ16が形成
されている。進角方向ストッパ16は、ハウジング部材
20に対して内ロータ1及びベーン5が進角方向(矢印
S2方向)へそれ以上移動することを阻止する。内ロー
タ1に形成されている複数の遅角通路10のうち1個が
遅角リリース通路17を構成する。内ロータ1に形成さ
れている複数の進角通路11のうち1個が進角リリース
通路18を構成する。
【0028】図2に示すようにハウジング部材20の突
部4には、ハウジング部材20に対する内ロータ1の相
対位相を中間位相状態にメカニカルに保持する中間位相
保持機構として機能する遅角用のロック部6、進角用の
ロック部6Bが取り付けられている。遅角用のロック部
6は、内ロータ1が遅角方向に移動することを阻止する
機能をもつ。進角用のロック部6Bは、内ロータ1が進
角方向に移動することを阻止する機能をもつ。進進角用
のロック部6B遅角用のロック部6は、プレート形状ま
たはピン形状のロック体60と、ロック体60をロック
方向である径内方向(矢印K1方向)に付勢する付勢力
をもつねじりコイルバネで形成されたバネ61とを有す
る。進角用のロック部6Bは、遅角用のロック部6と同
様に、プレート形状またはピン形状のロック体60B
と、ロック体60Bをロック方向である径内方向(矢印
K1方向)に付勢する付勢力をもつねじりコイルバネで
形成されたバネ61Bとを有する。
【0029】遅角リリース通路17、進角リリース通路
18の油圧が解除されているとき、ハウジング部材20
に対する内ロータ1の相対位相が所定の位相(即ち、流
体圧室40における中間位相状態)になると、バネ61
の付勢力により遅角用のロック部6のロック体60はロ
ック方向である矢印K1方向に移動し、図2に示すよう
に、内ロータ1の遅角方向ストッパ14にロック体60
の先端部が係止すると共に、バネ61Bの付勢力により
進角用のロック部6Bのロック体60Bがロック方向で
ある矢印K1方向に移動し、内ロータ1の進角方向スト
ッパ16に進角用のロック部6Bのロック体60Bの先
端部が係止することにより、ハウジング部材20に対す
る内ロータ1の相対位相をベーン5の位相と共にメカニ
カルにロックすることができる。このようにハウジング
部材20に対する内ロータ1の相対位相がロックされる
と、ハウジング部材20に対する内ロータ1の相対位相
は保持され、内ロータ1及びハウジング部材20は一体
回転するようになる。
【0030】内燃機関の駆動条件に応じて、ハウジング
部材20に対する内ロータ1の相対位相を変化させる場
合には、遅角用のロック部6及び進角用のロック部6B
の一方または双方を解除する。遅角用のロック部6のロ
ック作用を解除する場合には、遅角リリース通路17に
供給された油の油圧により遅角用のロック部6のロック
体60の先端部の加圧面60mを加圧し、ロック体60
を径外方向つまり矢印K2方向に移動させてリリースす
る。遅角用のロック部6のロック作用が解除されたとき
には、内ロータ1は遅角方向(矢印S1方向)にベーン
5と共に移動することができる。
【0031】また進角用のロック部6Bのロック作用を
解除する場合には、進角リリース通路18に供給された
油の油圧により進角用のロック部6Bのロック体60B
の先端部の加圧面60mを加圧し、ロック体60Bを径
外方向つまり矢印K2方向に移動させてリリースする。
このように進角用のロック部6Bのロックが解除された
ときには、内ロータ1は進角方向(矢印S2方向)にベ
ーン5と共に移動することができる。遅角用のロック部
6、進角用のロック部6Bの双方のロックが解除された
ときには、ハウジング部材20に対する内ロータ1の相
対位相は遅角方向へも進角方向へも移動でき、ベーン5
を有する内ロータ1の相対回転量は増加する。このよう
にロック部6、6Bがロック解除されているとき、ハウ
ジング部材20に対する内ロータ1の相対回転、ベーン
5の移動は可能となり、内燃機関の駆動条件に応じてク
ランクシャフトの回転位相に対するカムシャフト3の回
転位相を遅角方向(矢印S1方向)または進角方向(矢
印S2方向)に必要に応じて調整して、内燃機関の出力
特性を調整することができる。なお、遅角方向は内燃機
関の弁の開閉時期が遅くなる方向を意味する。進角方向
は内燃機関の弁の開閉時期が早まる方向を意味する。
【0032】さて本実施例においては図3に示すよう
に、流体給排装置として機能する油圧回路7が設けられ
ている。油圧回路7は、油溜め部70と、遅角室42と
油溜め部70とを連通可能な通路71(通路71a、7
1b、71c、71e)と、通路71に設けられたオイ
ルポンプ75と、通路71に設けられソレノイド80x
及びバネ80yを有する制御弁80とを有する。通路7
1は、制御弁80及び進角室43を連通する通路71a
と、制御弁80及び油溜め部70を連通する通路71b
と、制御弁80及び遅角室42を連通する通路71c
と、制御弁80及びオイルポンプ75を連通する通路7
1eとを有する。
【0033】通路71aは進角通路11を経て複数個の
進角室43のそれぞれにつながるが、図3の油圧回路で
は模式化されている。同様に、通路71cは遅角通路1
0を経て複数個の遅角室42のそれぞれにつながるが、
図3の油圧回路では模式化されている。制御弁80はポ
ート80a、80b、80c、80dを有し、4位相切
替方式であり、第1位置A、第2位置B、第3位置C、
第4位置Dに切替可能である。制御弁80のポート80
aはオイルポンプ75につながる。オイルポンプ75の
吸込側75xは油溜め部70につながる。制御弁80の
通路80fは制御弁80のポート80c、80d、80
bを連通しており、遅角室42につながる通路71c
と、進角室43につながる通路71aとを連通して、こ
れらを油溜め部70につなぐ。制御弁80のポート80
bは油溜め部70につながり、ポート80cは通路71
cを経て各遅角室42につながり、ポート80dは通路
71aを経て各進角室43につながる。図4に示すよう
に制御弁80の第1位置Aでは、ポート80aが閉鎖さ
れ、通路80fによりポート80d、80c、80bが
油溜め部70に連通するため、遅角室42及び進角室4
3の双方がドレインされて油溜め部70に連通する。制
御弁80の第2位置Bでは、ポート80a、80cが連
通し、ポート80b、80dが連通するため、オイルポ
ンプ75と各遅角室42とが連通すると共に、各進角室
43と油溜め部70とが連通する。制御弁80の第3位
置Cでは、ポート80a、80cが非連通となり、ポー
ト80b、80dが非連通となるため、遅角室42及び
進角室43に対して油遮断機能を奏する。制御弁80の
第4位置Dでは、ポート80a、80dが連通し、ポー
ト80b、80cが連通するため、オイルポンプ75と
各進角室43とが連通すると共に、各遅角室42と油溜
め部70とが連通する。本実施例において、遅角室4
2、進角室43に装填されている油量を保持する場合に
は、制御弁80を、油遮断機能を奏する位相Cに設定す
る。
【0034】制御弁80を制御する電子制御装置(以
下、ECUという)100が設けられている。図5に示
すようにECU100は、入力処理回路101、出力処
理回路202、RAM103、ROM104、CPU1
05、定電圧電源106、バックアップRAM107を
有する。ECU100の入力処理回路101には、内燃
機関始動用スイッチ201、内燃機関の冷却水の水温セ
ンサ202、内燃機関の油の油温センサ203、内燃機
関の回転数センサ204、車速センサ205、スロット
ル開度センサ206、カム角センサ207、クランク角
センサ208等の各種センサからの信号が入力される。
水温センサ202及び油温センサ203の一方または双
方は、内燃機関の始動性の高低を検出する検出手段とし
て機能できる。
【0035】運転者が運転席スイッチ201を操作して
内燃機関を始動させれば、内燃機関を始動させる運転者
の積極的意思がECU100に入力される。上記した各
種センサからの信号に基づいて、ECU100は、内燃
機関の運転状況に応じて、制御弁80に通電する電流に
関するデューティ比を変え、制御弁80のソレノイド8
0xで発生する電磁力を調整することにより、制御弁8
0の位置A〜位置Dを切り替える。更にECU100は
イグナイタ300、エアコントロールバルブ(ACV)
301、インジェクタ302等への制御信号を出力す
る。
【0036】本実施例においても、ベーン5と共に、ハ
ウジング部材20に対する内ロータ1の相対位相を遅角
方向(矢印S1方向)に移動させて、ハウジング部材2
0に対する内ロータ1の相対位相を最遅角位相状態とす
る場合には、進角室43の油を排出すると共に、遅角室
42に油を送給して遅角室42の油量を増加させる。こ
の場合には図3から理解できるように、ECU100は
制御弁80を第2位置B(ポート80b、80dの連通
状態、ポート80a、80cの連通状態)に設定する。
すると図3から理解できるように、オイルポンプ75か
らの油は制御弁80の第2位置B、通路71cを経て各
遅角室42に供給されると共に、各進角室43の油は通
路71a、制御弁80の第2位置Bを経て油溜め部70
に戻される。この結果図3に示すように、遅角室42の
容積を最も増加させると共に進角室43の容積を最も小
さくするように、内ロータ1はベーン5と共に遅角方向
(矢印S1方向)に向けてハウジング部材20に対して
相対回転する。
【0037】一方、ハウジング部材20に対する内ロー
タ1の相対位相を進角方向(矢印S2方向)に移動させ
て、ハウジング部材20に対する内ロータ1の相対位相
を最進角位相状態とする場合には、遅角室42の油を排
出すると共に進角室43に油を送給する。従って、制御
弁80を第4位置Dに設定する。この場合、オイルポン
プ75からの油は制御弁80の第4位置D(ポート80
a、80dの連通状態)、通路71aを経て各進角室4
3に供給されると共に、各遅角室42の油は通路71
c、制御弁80の第4位置D(ポート80c、80bの
連通状態)を経て油溜め部70に戻される。この結果、
進角室43の容積を最も増加させると共に遅角室42の
容積を最も小さくするように、内ロータ1はベーン5と
共に進角方向(矢印S2方向)に向けてハウジング部材
20に対して相対回転する。上記のようにして内燃機関
の駆動条件に応じて内燃機関の弁開閉時期のタイミング
を調整することができ、内燃機関の出力特性を調整する
ことができる。
【0038】さて要部構成について説明する。ハイブリ
ッドカー、アイドルストップ制御を行う内燃機関を搭載
している車両等のように、運転者の積極的意思によらず
に内燃機関の停止及び始動が行われるときには、運転者
に内燃機関の始動開始をなるべく認識させないために、
内燃機関の始動時における振動の抑制を優先させること
が好ましい。また水温センサ202で検出された内燃機
関の冷却水の水温が所定値よりも高いときには、内燃機
関の始動性が高い始動環境であるため、始動性よりも振
動の抑制を優先させることが好ましい。このため本実施
例においてはECU100は、運転者の積極的意思によ
らずに内燃機関を始動させるとき、あるいは、内燃機関
の始動性が高い始動環境のとき(例えば、外気の気温が
高いとき、水温センサ202で検出された内燃機関の冷
却水の水温が所定値よりも高いとき)には、内燃機関の
始動時にベーン5を遅角位相状態(一般的には最遅角位
相状態)とする指令を制御弁80に出力する。このため
図3に示すようにECU100は制御弁80を位置Bと
する。制御弁80が位置Bであれば、図3から理解でき
るように、オイルポンプ75から油が遅角室42に送給
されると共に、進角室43からの油が油溜め部70側に
排出されてドレインされ、ベーン5と共に内ロータ1は
ハウジング部材20に対して矢印S1方向に回転し、最
遅角位相状態となる。
【0039】これに対して、運転者の積極的意思によっ
て内燃機関を始動させるとき、あるいは、内燃機関の始
動性が低い始動環境のとき(例えば、外気の気温が低い
冷間始動時、水温センサ202で検出された内燃機関の
冷却水の水温が所定値よりも低いとき)には、ECU1
00は、始動性が高い中間位相状態とする指令を内燃機
関の始動時に制御弁80に出力する。この指令に基づい
て、図4に示すように制御弁80は位置Aに切り替えら
れる。従って図4に示すように、制御弁80のポート8
0c、80dは油溜め部70につながり、遅角室42の
油、進角室43の油は油溜め部70側に排出されてドレ
インされる。このようにすれば、遅角室42の油、進角
室43の油は低減されるため、内燃機関の始動の際のカ
ム変動トルクにより、ハウジング部材20に対する内ロ
ータ1の相対位相は中間位相状態までスムースに移動で
きる。そして、ハウジング部材20に対する内ロータ1
の相対位相が中間位相状態に到達したら、前述したよう
に図4に示すごとくロック部6のバネ61でロック体6
0が移動して遅角方向用ストッパ14に係止すると共
に、第2ロック部6Bのバネ61Bで移動して進角方向
用ストッパ16に係止し、ハウジング部材20に対する
内ロータ1の相対位相は中間位相状態でメカニカルに自
動的にロックされる。このようにハウジング部材20に
対する内ロータ1の相対位相が中間位相状態にメカニカ
ルにロックされた状態で、内燃機関を始動させれば、冷
間始動時等のように内燃機関の始動性が低い始動環境の
ときであっても、内燃機関の円滑始動性が得られる。
【0040】図6はECU100のCPU105が行う
始動選択処理の一例を示すフローチャートである。図6
において、ステップS102では各種センサ信号の読み
込みが行われる。ステップS104ではハイブリッド制
御またはアイドルストップ制御を行っているか判定す
る。即ち、運転者の積極的意思によらずに内燃機関を始
動させるかを判定する。運転者の積極的意思によらずに
内燃機関を始動させると判定されたときには、内燃機関
の始動時における振動を低減するため、ステップS10
6に進み、振動低減に有利な遅角位相状態(一般的には
最遅角位相状態)とするサブルーチンを実行する。ステ
ップS104において、運転者の積極的意思によって内
燃機関を始動させると判定されたときには、ステップS
108に進み、水温センサ202で検出された水温の温
度の高低を判定する。温度が高ければ、内燃機関の始動
性が確保されているため、内燃機関の始動時における振
動の低減を優先すべく、ステップS106に進み、振動
低減に有利な遅角位相状態とするサブルーチンを実行す
る。またステップS108での判定の結果、水温センサ
202で検出された水温の温度が低ければ、内燃機関の
始動性が低い始動環境であるため、ステップS110に
進み、始動性を高める中間位相状態とするサブルーチン
を実行する。
【0041】ところで内燃機関の停止後において、図3
に示すように、ハウジング部材20に対する内ロータ1
の相対位相を最遅角位相状態に保持し続けるときには、
遅角室42の油がドレイン側である油溜め部70側に漏
れるおそれがある。油の漏れが大きい場合には、遅角室
42に空気が混在し易くなり、内燃機関を再始動させる
ときにベーン5のばたつきが発生するおそれが往々にし
てある。そこで本実施例においては、内燃機関の停止後
から、遅角位相状態(一般的には最遅角位相状態)で内
燃機関を始動させる次の要求があるまでの間、ECU1
00は、遅角室42の流体である油の洩れを抑える指令
を制御弁80に出力し、制御弁80を位置Cに保持す
る。制御弁80の位置Cでは、ポート80c、80dが
閉鎖されているため、遅角室42からの油漏れ、遅角室
42及び進角室43からの油漏れが抑えられる。このた
め内燃機関の停止後において、前記した遅角位相状態
(一般的には最遅角位相状態)で内燃機関を始動させる
次の要求があったときには、直ちに、その状態で内燃機
関を始動させ得る利点が得られる。
【0042】また、ハウジング部材20に対する内ロー
タ1の相対位相を遅角位相状態(一般的には最遅角位相
状態)として内燃機関を始動させる場合には、前述した
ように内燃機関の燃焼室に送給された混合気の圧縮比が
相対的に小さい。このため始動時ばかりでなく、内燃機
関を停止させるときにおいても振動の抑制効果が得られ
る。従って本実施例においては内燃機関を停止させると
き、ECU100は、ハウジング部材20に対する内ロ
ータ1の相対位相を遅角位相状態(一般的には最遅角位
相状態)とする指令を制御弁80に出力し、図3に示す
ように制御弁80を位置Bとする。このようにすれば、
内燃機関の停止時において振動低減効果を得ることがで
きる。更に、振動低減に有利な遅角位相状態(一般的に
は最遅角位相状態)で内燃機関の再始動させるのに有利
となる。
【0043】(第2実施例)図7及び図8は第2実施例
を示す。第2実施例は第1実施例と基本的には共通の構
成を有し、基本的には共通の作用効果を有する。第1実
施例と共通する機能を奏する部位には共通の符号を付す
る。図7及び図8に示すように、流体給排装置として機
能する油圧回路7Bが設けられている。油圧回路7B
は、油溜め部70と、遅角室42及び進角室43と油溜
め部70とをつなぐ通路71(71a〜71e)と、オ
イルポンプ75と、通路71に設けられソレノイド76
x及びバネ76yを有する第1制御弁76と、通路71
に設けられソレノイド77x及びバネ77yを有する第
2制御弁77とを有する。
【0044】第1制御弁76はECU100により制御
され、ポート76a、76b、76c、76dを有し、
3位相切替方式であり、第1位置A、第2位置B、第3
位置Cに切替可能である。ポート76aは通路71eを
経てオイルポンプ75につながる。オイルポンプ75の
吸込側75xは油貯め部70につながる。ポート76b
は油溜め部70につながる。ポート76dは通路71a
を経て各進角室43につながる。第1制御弁76の第1
位置Aでは、ポート76a、76cが連通し、ポート7
6b、76dが連通するため、第2制御弁77のポート
77b、77dを経てオイルポンプ75と遅角室42と
が連通すると共に、油溜め部70と進角室43とが連通
する。第1制御弁76の第2位置Bでは、ポート76
a、76cが閉鎖され、ポート76b、76dが閉鎖さ
れるため、遅角室42及び進角室43の双方に対して油
遮断機能を奏する。第1制御弁76の第3位置Cでは、
ポート76a、76dが連通し、ポート76b、76c
が連通するため、オイルポンプ75と各進角室43とが
連通すると共に、各遅角室42と油溜め部70とが連通
する。
【0045】第2制御弁77はECU100により制御
され、図7に示すように、ポート77a、77b、77
dを有し、2位相切替方式であり、第1位置A、第2位
置Bに切替可能である。第2制御弁77のポート77a
は油溜め部70につながる。第2制御弁77のポート7
7bは第1制御弁76のポート76cにつながる。第2
制御弁77のポート77dは通路71cを介して各遅角
室42につながる。第2制御弁77の第1位置Aでは、
ポート77b、77dが連通し、ポート77aが閉鎖さ
れるため、第1制御弁76の第1位置Aを経て各遅角室
42とオイルポンプ75とを連通する。第2制御弁77
の第2位置Bでは、ポート77d、77aが連通するた
め、各遅角室42は油溜め部70に通路71dを経て連
通すると共に、ポート77bが閉鎖されるため遅角室4
2及び進角室43はオイルポンプ75に非連通とされ
る。遅角室42、進角室43に装填されている油量を保
持する場合には、第1制御弁76は油遮断機能を奏する
位置Bに設定される。
【0046】図7に示す実施例においても、ハウジング
部材20に対する内ロータ1の相対位相をベーン5と共
に遅角方向(矢印S1方向)に移動させて最遅角位相状
態とする場合には、進角室43の油を排出すると共に、
遅角室42に油を送給して遅角室42の油量を高める。
従って図7から理解できるように、第2制御弁77を第
1位置A(ポート77b、77dの連通状態)に設定
し、第1制御弁76を第1位置A(ポート76a、76
cの連通状態、ポート76b、76dの連通状態)に設
定する。すると図7から理解できるように、オイルポン
プ75からの油は、第1制御弁76の第1位置A、第2
制御弁77の第1位置A、通路71cを経て各遅角室4
2に供給されると共に、各進角室43の油は通路71
a、第1制御弁76の第1位置A、通路71bを経て油
溜め部70に戻される。この結果図7に示すように、遅
角室42の容積を最も増加させると共に進角室43の容
積を最も小さくするように、内ロータ1はベーン5と共
に遅角方向(矢印S1方向)に向けてハウジング部材2
0に対して相対回転する。
【0047】一方、ハウジング部材20に対する内ロー
タ1の相対位相をベーン5と共に進角方向(矢印S2方
向)に移動させて最進角位相状態とする場合には、遅角
室42の油を排出すると共に進角室43に油を送給し、
進角室43の油量を増加する。従って第2制御弁77を
第2位置Bに設定し、第1制御弁76を第3位置Cに設
定する。するとオイルポンプ75からの油は第1制御弁
76の第3位置C(ポート76a、76dの連通状
態)、通路71aを経て各進角室43に供給されると共
に、各遅角室42の油は通路71c、第2制御弁77の
第2位置B(ポート77d、77aの連通状態)、通路
71dを経て油溜め部70に戻される。この結果、進角
室43の容積を増加させると共に遅角室42の容積を小
さくするように、内ロータ1はベーン5と共に進角方向
(矢印S2方向)に向けてハウジング部材20に対して
相対回転する。
【0048】ところで内燃機関の冷却水の水温が所定値
よりも高いときには、内燃機関の始動性が高い始動環境
であり、内燃機関の始動性よりも振動抑制効果を優先さ
せることが好ましい。またハイブリッドカー、アイドル
ストップ制御を行う場合のように、運転者の積極的意思
によらずに内燃機関の停止及び始動が行われるときに
は、運転者に始動開始をなるべく認識させないために、
内燃機関の始動時における振動の抑制を図ることが好ま
しい。このため本実施例においては、内燃機関の始動性
が高い始動環境のとき(例えば内燃機関の冷却水の水温
が所定値よりも高いとき)、あるいは、ハイブリッドカ
ー、アイドルストップ制御を行う内燃機関を搭載した車
両等のように、運転者の積極的意思によらずに内燃機関
を始動させるときには、ECU100は、内燃機関の始
動時に遅角位相状態(一般的には最遅角位相状態)とす
る指令を選択し、この指令を第1制御弁76及び第2制
御弁77に出力する。従って、図7に示すように、第1
制御弁76は位置Aに、第2制御弁77は位置Aにそれ
ぞれ設定される。
【0049】これに対して、運転者の積極的意思によっ
て内燃機関を始動させるとき、内燃機関の始動性が低い
始動環境のとき(例えば、内燃機関の冷却水の水温が所
定値よりも低いときのような冷間始動時)の少なくとも
一方においては、ECU100は、内燃機関の始動時に
中間位相状態とする指令を第1制御弁76及び第2制御
弁77に出力する。この指令に基づいて、図8に示すよ
うに第1制御弁76は位置A、第2制御弁77は位置B
に切り替えられる。従って、進角室43の油は通路71
a及び第1制御弁76の位置Aを経て、遅角室42の油
は通路71c及び第2制御弁77の位置Bを経て、油溜
め部70側に排出されてドレインされる。このようにす
れば遅角室42及び進角室43の油は低減されるため、
流体圧室40におけるベーン5の移動性は高まり、従っ
て内燃機関の始動の際のカム変動トルクにより、ハウジ
ング部材20に対する内ロータ1の相対位相は中間位相
状態までスムースに移動できる。そしてハウジング部材
20に対する内ロータ1の相対位相が中間位相状態に到
達したら、前述したように、ロック部6、第2ロック部
6Bにより内ロータ1は自動的にメカニカルにロックさ
れ、ひいてはハウジング部材20に対する内ロータ1の
相対位相は中間位相状態に自動的にメカニカルにロック
される。このように始動性が確保される中間位相状態
に、ハウジング部材20に対する内ロータ1の相対位相
が自動的にロックされた状態で、内燃機関を始動させれ
ば、冷間始動時等のように内燃機関の始動性が低い始動
環境のときであっても、内燃機関の円滑始動性が得られ
る。
【0050】また内燃機関の停止後において、図7に示
すように、ハウジング部材20に対する内ロータ1の相
対位相を遅角位相状態(一般的には最遅角位相状態)に
長時間保持し続けるときには、遅角室42の油がドレイ
ン側に漏れるおそれがある。油の漏れが大きい場合に
は、遅角室42に空気が混在し易くなり、内燃機関を再
始動させるときにベーン5のばたつきが発生するおそれ
がある。そこで本実施例においては、ECU100は、
内燃機関の停止後から、遅角位相状態(一般的には最遅
角位相状態)で内燃機関を始動させる次の要求があるま
での間、遅角室42の油の洩れを抑える指令を第1制御
弁76及び第2制御弁77に出力する。この結果、第1
制御弁76は位置Bに、第2制御弁77は位置Aに保持
され、遅角室42及び進角室43は遮断されて油溜め部
70に非連通とされる。
【0051】また、ハウジング部材20に対する内ロー
タ1の相対位相を遅角位相状態(一般的には最遅角位相
状態)として内燃機関を始動させる場合には、前述した
ように内燃機関の燃焼室に送給された混合気の圧縮比が
相対的に小さい。このため、内燃機関を始動させるとき
ばかりか、停止させるときにおいても内燃機関の振動抑
制効果が得られる。このため本実施例においてはECU
100は、内燃機関を停止させるとき、振動低減に有利
な遅角位相状態(一般的には最遅角位相状態)とする指
令を第1制御弁76及び第2制御弁77に出力する。こ
の結果、図7に示すように第1制御弁76は位置Aとさ
れ、第2制御弁77は位置Aとされる。
【0052】(第3実施例)図9は第3実施例を示す。
第3実施例は第2実施例と基本的には共通の構成を有
し、基本的には共通の作用効果を有する。第2実施例と
共通する機能を奏する部位には、共通の符号を付する。
以下異なる部分を中心として説明する。本実施例は遅角
室42及び進角室43に対する油のカットオフ性を高め
ている。
【0053】図9に示すように、遅角室42及び進角室
43と、第1制御弁76及び第2制御弁77との間に
は、油遮断機能をもつ第3制御弁79が設けられてい
る。第3制御弁79はソレノイド79x及びバネ79y
をもち、ポート79a、79b、79c、79dを有
し、ECU100により制御される2位置切替方式であ
り、第1位置X、第2位置Yに切替可能である。ポート
79dは通路71aを経て各進角室43につながる。ポ
ート79cは通路71cを経て各遅角室42につなが
る。図9に示すように第3制御弁79の第1位置Xで
は、ポート79a、79cが連通し、ポート79b、7
9dが連通する。第3制御弁79の第2位置Yでは、ポ
ート79a、79c、79b、79dが閉鎖されるた
め、遅角室42及び進角室43の双方に対して油遮断機
能を奏する。
【0054】ECU100は、内燃機関の停止後から、
遅角位相状態(一般的には最遅角位相状態)で内燃機関
を始動させる次の要求があるまでの間、遅角室42の油
の洩れを抑える指令を第3制御弁79に出力する。よっ
て図9に示すように第3制御弁79は油遮断機能をもつ
位置Yに保持される。この結果、遅角室43の油漏れが
防止され、遅角状態(一般的には最遅角位相状態)で内
燃機関を再始動させるとき、ベーン5のバタツキを抑制
できる。
【0055】(第4実施例)図11は第4実施例を示
す。第4実施例は図3に示す実施例と基本的には共通の
構成を有し、基本的には共通の作用効果を有する。共通
する機能を奏する部位には共通の符号を付する。以下異
なる部分を中心として説明する。図11に示す第4実施
例のように、油圧回路7内に、補助のオイルポンプ30
0(電動モータ301付き)、逆止弁310をもつ通路
320を設け、弁開閉時期制御装置の進角室43又は遅
角室42から漏れた油の量だけ、補助のオイルポンプ3
00の作動により両室に油を供給するように構成するこ
ともできる。これにより内燃機関の再始動時等に内ロー
タ1と共にベーン5が流体圧室40で回動するのを防止
できる。逆止弁310は補助のオイルポンプ300から
進角室43、遅角室42へ油を供給できるものの、これ
と逆方向への油の移動は阻止されている。
【0056】(その他)上記した実施例においては、ハ
イブリッドカー、アイドルストップ制御を行う内燃機関
を搭載した車両等のように、運転者の積極的意思によら
ずにつまり運転者の内燃機関始動用スイッチ201の操
作によることなく内燃機関の停止及び始動が行われると
きには、運転者に内燃機関の始動をなるべく認識させな
いために、内燃機関の始動時における振動抑制を優先
し、内燃機関の始動時に、ハウジング部材20に対する
内ロータ1の相対位相を遅角位相状態(一般的には最遅
角位相状態)とする。しかしながらこれに限らず、上記
したハイブリッドカー、アイドルストップ制御を行う内
燃機関を搭載した車両などのように、運転者の積極的意
思によらずに内燃機関の停止及び始動を行うときであっ
ても、内燃機関の始動性が低い始動環境のとき(例え
ば、水温センサ202で検出した内燃機関の冷却水の水
温が所定値よりも低い場合等のように外気の温度が低い
とき)には、内燃機関の円滑始動性が確保されにくいこ
とが往々にしてある。このような場合には、内燃機関の
振動抑制よりも内燃機関の始動性を優先することにして
も良い。
【0057】即ちハイブリッドカー、アイドルストップ
制御の場合のように運転者の積極的意思によらずに内燃
機関の停止及び始動を行うときであっても、内燃機関の
始動環境が悪いときには、内燃機関の始動時に、ハウジ
ング部材20に対する内ロータ1の相対位相が中間位相
状態となるように、ECU100は上記した第1制御弁
76、第2制御弁77、第3制御弁79、制御弁80を
制御することにしても良い。
【0058】上記した実施例では、ベーン5は内ロータ
1の外周部に保持されているが、これに限らず、ハウジ
ング部材20に保持することにしても良い。上記した実
施例では、ハウジング部材20は内燃機関のクランクシ
ャフトにより回転されると共に内ロータ1はカムシャフ
ト3に連結されているが、内ロータ1を内燃機関のクラ
ンクシャフトにより回転すると共にハウジング部材20
をカムシャフト3に連結することにしても良い。なお、
上記した実施例は吸気側の弁開閉時期制御装置に適用し
ているが、排気側の弁開閉時期制御装置に適用すること
もできる。
【0059】更に上記した実施例においては、ハウジン
グ部材20に対する内ロータ1の相対位相を最遅角位置
に保持して内燃機関を始動させるように構成したが、最
遅角位相に保持して内燃機関を始動させる場合に限られ
るものではなく、ハウジング部材20に対する内ロータ
1の相対位相を、中間位相位置(ロック作動位置)より
も遅角方向側にある所定のハウジング部材20に対する
内ロータ1の相対位相となるように、遅角室41及び進
角室43への油の量を調整して内燃機関を始動させるこ
ともできる。その他、本発明は上記しかつ図面に示した
実施例のみに限定されるものではなく、要旨を逸脱しな
い範囲内で適宜変更して実施できるものである。実施の
形態、実施例に記載した語句は、一部であっても各請求
項に記載できるものである。
【0060】(付記)上記した記載から次の技術的思想
を把握できる。 ・各請求項において、運転者の積極的意思によらずに停
止及び始動が行われる内燃機関に使用されることを特徴
とする弁開閉時期制御装置。 ・各請求項において、運転者の積極的意思によらずに停
止及び始動が行われる内燃機関に使用され、内燃機関の
始動性が低い始動環境のときには、制御装置は、内燃機
関の始動時に、前記回転伝達部材に対する前記回転部材
の相対位相を中間位相状態とする指令を流体給排装置に
出力することを特徴とする弁開閉時期制御装置。 ・各請求項において、内燃機関の始動性が低い始動環境
のときには、制御装置は、内燃機関の始動時に、前記回
転伝達部材に対する前記回転部材の相対位相を中間位相
状態とする指令を流体給排装置に出力することを特徴と
する弁開閉時期制御装置。 ・各請求項において、内燃機関の始動性が低い始動環境
のとき、内燃機関の始動時の振動防止の要請が少ないと
き、運転者の積極的意思によって内燃機関を始動させる
ときのうちの少なくとも一方においては、制御装置は、
内燃機関の始動時に、前記回転伝達部材に対する前記回
転部材の相対位相を中間位相状態とする指令を流体給排
装置に出力することを特徴とする弁開閉時期制御装置。 ・各請求項において、内燃機関の始動性が高い始動環境
のとき、内燃機関の始動時の振動防止の要請が強いと
き、運転者の積極的意思によらずに内燃機関を始動させ
るときのうちの少なくとも一方においては、制御装置
は、内燃機関の始動時に、前記回転伝達部材に対する前
記回転部材の相対位相を遅角位相状態とする指令を流体
給排装置に出力することを特徴とする弁開閉時期制御装
置。 ・各請求項において、回転部材はカムシャフト及びクラ
ンクシャフトのうちのいずれか一方に連動し、回転伝達
部材はカムシャフト及びクランクシャフトのうちのいず
れか他方に連動することを特徴とする弁開閉時期制御装
置。 ・各請求項において、流体給排装置は、遅角室及び進角
室の油等の流体を油溜め部の側に排出するドレイン機能
を有することを特徴とする弁開閉時期制御装置。 ・各請求項において、内燃機関の始動性の高低を検出す
る検出手段を備えていることを特徴とする弁開閉時期制
御装置。
【0061】
【発明の効果】本発明に係る弁開閉時期制御装置によれ
ば、振動低減よりも内燃機関の始動性が優先される中間
位相状態と、内燃機関の始動性よりも振動低減が優先さ
れる遅角位相状態とのいずれか一方を、内燃機関の始動
時に選択する方式を採用している。このため内燃機関の
始動状況に応じて、内燃機関の始動時における振動の低
減を優先させる場合と、内燃機関の始動性を優先させる
場合とを選択することができる。従って、内燃機関の始
動時における振動低減と内燃機関の始動性との両立を図
るのに有利である。
【0062】更に特開平11−223112号公報に係
る技術とは異なり、回転伝達部材に対する回転部材の相
対位相の最進角位相状態ではなく、回転伝達部材に対す
る回転部材の相対位相の中間位相状態で内燃機関を始動
させるため、内燃機関の始動性を確保しつつ振動低減を
図るのに有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】カムシャフトの軸長方向に沿った弁開閉時期制
御装置の断面図である。
【図2】ベーンが中間位相状態にあるときの弁開閉時期
制御装置の断面を示し、図1のII−II線に沿った断
面図である。
【図3】弁開閉時期制御装置と共に示す油圧回路の回路
図である。
【図4】弁開閉時期制御装置と共に示す油圧回路の回路
図である。
【図5】ECUとその周辺の部品との電気的関係を示す
プロック図である。
【図6】ECUが実行する始動選択処理の一例を示すフ
ローチャートである。
【図7】第2実施例に係り、油圧回路を含む弁開閉時期
制御装置の構成図である。
【図8】第2実施例に係り、油圧回路を含む弁開閉時期
制御装置の構成図である
【図9】第3実施例に係り、油圧回路を含む弁開閉時期
制御装置の構成図である。
【図10】吸気側の弁開閉時期制御装置に係り、内燃機
関のクランク角と弁のリフト量との関係であるリフト特
性を模式的に示すグラフである。
【図11】第4実施例に係り、油圧回路を含む弁開閉時
期制御装置の構成図である。
【符号の説明】
図中、1は内ロータ(回転部材)、2は回転伝達部材、
20はハウジング部材、40は流体圧室、42は遅角
室、43は進角室、5はベーン、6及び6Bはロック部
(中間位相保持機構)、7及び7Bは油圧回路(流体給
排装置)、70は油溜め部、75はオイルポンプ、76
は第1制御弁、77は第2制御弁、80は制御弁、10
0はECU(制御装置)を示す。
フロントページの続き Fターム(参考) 3G018 BA29 BA33 CA20 DA58 DA69 EA02 EA05 EA11 EA17 EA20 EA21 EA31 EA32 EA33 EA35 FA01 FA07 GA11 GA32 3G092 AA11 DA01 DA10 DF04 DG05 DG09 EA01 EA02 EA03 EA04 EA08 EA13 EA28 FA14 FA31 GA01 HA06Z HA13X HE01Z HE03Z HE08Z HF21Z

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内燃機関に組み付けられ内燃機関の弁開閉
    用の回転部材と、 前記回転部材に相対回転可能に組み付けられた回転伝達
    部材と、 前記回転部材と前記回転伝達部材とにより形成された流
    体圧室と、 前記流体圧室内に配置され、前記回転伝達部材に対する
    前記回転部材の相対位相を前記相対回転方向のうち遅角
    方向に移動させる遅角室と、前記回転伝達部材に対する
    前記回転部材の相対位相を前記相対回転方向のうち進角
    方向に移動させる進角室とに前記流体圧室を仕切るベー
    ンと、 前記回転伝達部材に対する前記回転部材の相対位相を、
    これの最遅角位相と最進角位相との間の中間位相状態に
    保持する中間位相保持機構と、 前記流体圧室の前記遅角室及び前記進角室に対して油を
    供給可能及び排出可能な流体給排装置とを具備してお
    り、前記回転伝達部材に対する前記回転部材の相対位相
    の調整により内燃機関の弁の開閉時期を制御する弁開閉
    時期制御装置において、 前記回転伝達部材に対する前記回転部材の相対位相が最
    進角位相と最遅角位相との間の中間位相となる中間位相
    状態と、前記回転伝達部材に対する前記回転部材の相対
    位相が前記中間位相状態よりも遅角方向に寄る遅角位相
    状態とのいずれか一方を、内燃機関の始動時に選択する
    制御装置を備えていることを特徴とする弁開閉時期制御
    装置。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記制御装置は、内燃
    機関の始動時の振動を抑制する要請が強いときには、内
    燃機関の始動時に、前記回転伝達部材に対する前記回転
    部材の相対位相を遅角位相状態とする指令を前記流体給
    排装置に出力し、且つ、 前記制御装置は、内燃機関の始動時の振動を抑制する要
    請が弱いときには、内燃機関の始動時に、前記回転伝達
    部材に対する前記回転部材の相対位相を中間位相状態と
    する指令を前記流体給排装置に出力することを特徴とす
    る弁開閉時期制御装置。
  3. 【請求項3】請求項1または2において、前記制御装置
    は、内燃機関の始動性が高い始動環境のとき、運転者の
    積極的意思によらずに内燃機関を始動させるときのうち
    の少なくとも一方において、内燃機関の始動時に、前記
    回転伝達部材に対する前記回転部材の相対位相を遅角位
    相状態とする指令を前記流体給排装置に出力することを
    特徴とする弁開閉時期制御装置。
  4. 【請求項4】請求項1、2または3において、前記制御
    装置は、内燃機関の始動性が低い始動環境のとき、運転
    者の積極的意思によって内燃機関を始動させるときのう
    ちの少なくとも一方において、内燃機関の始動時に、回
    転伝達部材に対する回転部材の相対位相を中間位相状態
    とする指令を前記流体給排装置に出力することを特徴と
    する弁開閉時期制御装置。
  5. 【請求項5】請求項1、2、3または4において、前記
    制御装置は、内燃機関の停止後から、遅角位相状態で内
    燃機関を始動させる次の要求があるまでの間、前記遅角
    室からの流体の洩れ、または、前記遅角室と前記進角室
    からの流体の洩れを抑える指令を前記流体給排装置に出
    力することを特徴とする弁開閉時期制御装置。
  6. 【請求項6】請求項1、2、3、4または5において、
    前記流体給排装置はオイルポンプ及び油溜め部につなが
    る少なくとも1個の制御弁を有し、 前記制御弁は、前記遅角室及び前記進角室を油溜め部に
    つなぐ切替位置と、前記遅角室をオイルポンプにつなぐ
    と共に前記進角室を油溜め部につなぐ切替位置と、前記
    遅角室及び前記進角室を油溜め部に非連通とする切替位
    置と、前記進角室をオイルポンプにつなぐと共に前記遅
    角室を油溜め部につなぐ切替位置とに切替可能であり、 内燃機関の停止後から、遅角位相状態で内燃機関を始動
    させる次の要求があるまでの間、前記制御装置は、前記
    遅角室を油溜め部に非連通とする切替位置に維持する指
    令を前記制御弁に出力することを特徴とする弁開閉時期
    制御装置。
  7. 【請求項7】請求項1、2、3、4、5または6におい
    て、前記制御装置は、内燃機関を停止させるとき、前記
    回転伝達部材に対する前記回転部材の相対位相を遅角位
    相状態とする指令を前記流体給排装置に出力することを
    特徴とする弁開閉時期制御装置。
JP2001048822A 2001-02-23 2001-02-23 弁開閉時期制御装置 Pending JP2002256910A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001048822A JP2002256910A (ja) 2001-02-23 2001-02-23 弁開閉時期制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001048822A JP2002256910A (ja) 2001-02-23 2001-02-23 弁開閉時期制御装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002256910A true JP2002256910A (ja) 2002-09-11

Family

ID=18910022

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001048822A Pending JP2002256910A (ja) 2001-02-23 2001-02-23 弁開閉時期制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002256910A (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007064127A (ja) * 2005-08-31 2007-03-15 Aisin Seiki Co Ltd 弁開閉時期制御装置
EP1653056A3 (de) * 2004-10-07 2009-05-27 Schaeffler KG Vorrichtung zur Veränderung der Steuerzeiten von Gaswechselventilen einer Brennkraftmaschine
JP2013096375A (ja) * 2011-11-04 2013-05-20 Aisin Seiki Co Ltd 弁開閉制御装置
JP2013177878A (ja) * 2012-02-08 2013-09-09 Denso Corp バルブタイミング調整装置
JP2014051919A (ja) * 2012-09-06 2014-03-20 Aisin Seiki Co Ltd 弁開閉時期制御装置
DE102013220241A1 (de) 2012-10-10 2014-04-10 Denso Corporation Ventilsteuerzeit-Verstellvorrichtung
JP2014114730A (ja) * 2012-12-07 2014-06-26 Denso Corp バルブタイミング調整装置
JP2014173533A (ja) * 2013-03-11 2014-09-22 Aisin Seiki Co Ltd 弁開閉時期制御装置
US9140197B2 (en) 2013-04-09 2015-09-22 Denso Corporation Valve timing control apparatus
US9169786B2 (en) 2011-09-02 2015-10-27 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Vehicle engine control device

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10227236A (ja) * 1997-02-14 1998-08-25 Toyota Motor Corp 内燃機関のバルブタイミング調整装置
JPH11241608A (ja) * 1997-12-24 1999-09-07 Toyota Motor Corp 内燃機関におけるバルブタイミング調整機構
JP2000034913A (ja) * 1998-07-17 2000-02-02 Toyota Motor Corp 内燃機関の可変動弁装置
JP2000045724A (ja) * 1998-07-31 2000-02-15 Aisin Seiki Co Ltd 弁開閉時期制御装置
JP2000154753A (ja) * 1998-11-19 2000-06-06 Nissan Motor Co Ltd エンジンの始動制御装置
JP2000213383A (ja) * 1999-01-20 2000-08-02 Mitsubishi Motors Corp ハイブリッド車
JP2000257453A (ja) * 1999-01-07 2000-09-19 Nissan Motor Co Ltd エンジンの動弁制御装置
JP2000320356A (ja) * 1997-02-14 2000-11-21 Toyota Motor Corp 内燃機関のバルブタイミング調整装置

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10227236A (ja) * 1997-02-14 1998-08-25 Toyota Motor Corp 内燃機関のバルブタイミング調整装置
JP2000320356A (ja) * 1997-02-14 2000-11-21 Toyota Motor Corp 内燃機関のバルブタイミング調整装置
JPH11241608A (ja) * 1997-12-24 1999-09-07 Toyota Motor Corp 内燃機関におけるバルブタイミング調整機構
JP2000034913A (ja) * 1998-07-17 2000-02-02 Toyota Motor Corp 内燃機関の可変動弁装置
JP2000045724A (ja) * 1998-07-31 2000-02-15 Aisin Seiki Co Ltd 弁開閉時期制御装置
JP2000154753A (ja) * 1998-11-19 2000-06-06 Nissan Motor Co Ltd エンジンの始動制御装置
JP2000257453A (ja) * 1999-01-07 2000-09-19 Nissan Motor Co Ltd エンジンの動弁制御装置
JP2000213383A (ja) * 1999-01-20 2000-08-02 Mitsubishi Motors Corp ハイブリッド車

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1653056A3 (de) * 2004-10-07 2009-05-27 Schaeffler KG Vorrichtung zur Veränderung der Steuerzeiten von Gaswechselventilen einer Brennkraftmaschine
JP2007064127A (ja) * 2005-08-31 2007-03-15 Aisin Seiki Co Ltd 弁開閉時期制御装置
JP4687964B2 (ja) * 2005-08-31 2011-05-25 アイシン精機株式会社 弁開閉時期制御装置
DE112011105587B4 (de) 2011-09-02 2018-05-30 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Fahrzeugmotorsteuerungsvorrichtung
US9169786B2 (en) 2011-09-02 2015-10-27 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Vehicle engine control device
JP2013096375A (ja) * 2011-11-04 2013-05-20 Aisin Seiki Co Ltd 弁開閉制御装置
US8844485B2 (en) 2012-02-08 2014-09-30 Denso Corporation Valve timing controller
JP2013177878A (ja) * 2012-02-08 2013-09-09 Denso Corp バルブタイミング調整装置
JP2014051919A (ja) * 2012-09-06 2014-03-20 Aisin Seiki Co Ltd 弁開閉時期制御装置
DE102013220241A1 (de) 2012-10-10 2014-04-10 Denso Corporation Ventilsteuerzeit-Verstellvorrichtung
US8991345B2 (en) 2012-10-10 2015-03-31 Denso Corporation Valve timing adjusting device
JP2014114730A (ja) * 2012-12-07 2014-06-26 Denso Corp バルブタイミング調整装置
JP2014173533A (ja) * 2013-03-11 2014-09-22 Aisin Seiki Co Ltd 弁開閉時期制御装置
US9140197B2 (en) 2013-04-09 2015-09-22 Denso Corporation Valve timing control apparatus

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6279127B2 (ja) 油圧により係合されるロックピンを備えた可変カムシャフトタイミング機構
JP3164007B2 (ja) 内燃機関のバルブタイミング調整装置
US6634329B2 (en) Apparatus for controlling valve timing of engine
US20010015185A1 (en) Variable valve timing system
KR100444419B1 (ko) 기관 작동 특성 변경 수단의 록크 방지 작동 제어 방법
JP2000034913A (ja) 内燃機関の可変動弁装置
JP2006170085A (ja) 弁開閉時期制御装置及び最低トルクの設定方法
EP2669481B1 (en) Valve timing control apparatus
JP2002227621A (ja) 内燃機関用バルブタイミング調整装置
US8919310B2 (en) Valve open/close timing control device
JP2002256910A (ja) 弁開閉時期制御装置
JP3826668B2 (ja) 内燃機関のバルブタイミング調整装置
JP5979093B2 (ja) 弁開閉時期制御装置
JP2004316561A (ja) 内燃機関の始動制御装置
JP2015034501A (ja) 弁開閉時期制御装置
JP4478855B2 (ja) 弁開閉時期制御装置
JP2014051919A (ja) 弁開閉時期制御装置
JP2003020966A (ja) 機関作動特性変更手段のロック待機作動制御方法
JP3864802B2 (ja) 弁開閉時期制御装置
JP2019019721A (ja) 内燃機関の制御装置
JP2000179365A (ja) カム位相可変装置
JP6551440B2 (ja) エンジンの制御装置
JP2002309974A (ja) 内燃機関の制御装置
JP4096786B2 (ja) 内燃機関のバルブタイミング制御装置
JP2001140663A (ja) バルブタイミング制御装置、動力出力装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080121

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20091001

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091015

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091124

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100527

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100713

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20101221