JP4478855B2 - 弁開閉時期制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は車両等に搭載される内燃機関(以下、エンジンともいう)の弁の開閉時期のタイミングを調整する弁開閉時期制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、内燃機関の駆動条件に応じて内燃機関の弁の開閉時期のタイミングを調整する弁開閉時期制御装置が提供されている。この弁開閉時期制御装置として、内燃機関に組み付けられ内燃機関の弁開閉用の回転部材と、回転部材に相対回転可能に組み付けられた回転伝達部材と、回転部材と回転伝達部材とにより形成された流体圧室と、流体圧室に配置されるように回転部材に保持されたベーンとを備えているものがある。ベーンは、回転部材及び回転伝達部材の相対位相を相対回転方向のうち遅角方向に相対回転させる遅角室と、相対回転方向のうち進角方向に相対回転させる進角室とに、流体圧室を仕切る。
【0003】
この弁開閉時期制御装置として、流体圧室においてベーンが最進角位相と最遅角位相との間の中間位相となるように、回転部材と回転伝達部材との相対位相を中間位相に保持する中間位相保持機構と、流体圧室の遅角室及び進角室に対して油を供給可能及び排出可能な流体給排装置とを具備しており、ベーンが流体圧室において中間位相のときに内燃機関を始動させるものが知られており、例えば特開平11−223112号公報に開示されている。
【0004】
更に、特開平8−261027号公報には、車両の運転席のイグニッションスイッチがオフとされたときにアクチュエータを作動させ、弁の開閉タイミングが次回の始動時に応じたタイミングとなるように制御する弁開閉時期制御装置が開示されている。このものは、弁の開閉タイミングを次回の始動時に応じたタイミングとなるように制御するものの、運転席のイグニッションスイッチに連動する方式が採用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、弁開閉時期制御装置が搭載されていない内燃機関においても、弁開閉時期制御装置が搭載されている内燃機関においても、整備不良、運転者の運転操作ミス、その他、エンジン・ストール(以下エンストともいう)の発生する運転状況が重なった時等には、エンジン・ストールが発生するおそれが皆無であるとはいえない。このため内燃機関のエンジン・ストールに対する改善は、従来より数々実施されている。
【0006】
本発明は上記した弁開閉時期制御装置における開発の一環としてなされたものであり、内燃機関の回転数が低下したり、回転数変化率が急激に減速方向に向かったりしたとき、内燃機関のエンジン・ストールに対応するのに有利な弁開閉時期制御装置を提供することを解決すべき課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
(1)請求項1に係る本発明の弁開閉時期制御装置は、内燃機関のクランクシャフトからカムへカム駆動力を伝達する伝達経路に回転可能に設けられる回転部材と、回転部材に相対回転可能に組み付けられると共に回転部材とで流体圧室を形成する回転伝達部材と、流体圧室内に配置され、回転伝達部材に対する回転部材の相対位相を前記相対回転方向のうち遅角方向に移動させる遅角室と、回転伝達部材に対する回転部材の相対位相を相対回転方向のうち進角方向に移動させる進角室とに流体圧室を仕切るベーンと、流体圧室の遅角室及び進角室に対して流体を供給可能及び排出可能な流体給排装置と、流体圧室におけるベーンの位相調整により内燃機関の弁の開閉時期を制御する制御手段とを具備する弁開閉時期制御装置において、制御手段は、内燃機関の実際の回転数と内燃機関の基準回転数との偏差を検出する第1検出手段と、内燃機関の実際の回転数が変化する変化率を検出する第2検出手段と、第2検出手段及び第1検出手段の検出結果に基づいて内燃機関のエンジン・ストールの可能性を判定する判定手段と、判定手段によってエンジン・ストール回避可能と判定されたときにはベーンをエンジン・ストールを回避する位相に移動させる指令を流体給排装置に供給し、判定手段によってエンジン・ストール回避不可能と判定されたときにはベーンを内燃機関の再始動に備える位相に移動させる指令を流体給排装置に供給する対応手段とを具備していることを特徴とするものである。
【0008】
請求項1に係る本発明に係る弁開閉時期制御装置によれば、第1検出手段により、内燃機関の実際の回転数と内燃機関の基準回転数との偏差が検出される。第2検出手段により、内燃機関の実際の回転数が変化する変化率が検出される。
【0009】
請求項1に係る本発明の弁開閉時期制御装置によれば、第2検出手段及び第1検出手段の双方の検出結果に基づいて、判定手段が内燃機関のエンジン・ストールの可能性を判定する。内燃機関の回転数の低下が急激である(回転数の変化率が負であり、且つその値が大きい)ときには、エンジン・ストール回避不可能と判定される。内燃機関の回転数の低下が少ないかまたは無いとき、回転数が高いときには、エンジン・ストールの可能性は無しと判定される。判定手段によってエンジン・ストール回避可能と判定されたときには、対応手段は、ベーンをエンジン・ストールを回避する位相に移動させる指令を流体給排装置に供給する。また、判定手段によってエンジン・ストール回避不可能と判定されたときには、対応手段はベーンを内燃機関の再始動に備える位相に移動させる指令を流体給排装置に供給する。
【0010】
(2)請求項2に係る本発明の弁開閉時期制御装置は、内燃機関のクランクシャフトからカムへカム駆動力を伝達する伝達経路に回転可能に設けられる回転部材と、回転部材に相対回転可能に組み付けられると共に回転部材とで流体圧室を形成する回転伝達部材と、流体圧室内に配置され、回転伝達部材に対する回転部材の相対位相を相対回転方向のうち遅角方向に移動させる遅角室と、回転伝達部材に対する回転部材の相対位相を相対回転方向のうち進角方向に移動させる進角室とに流体圧室を仕切るベーンと、流体圧室の遅角室及び進角室に対して流体を供給可能及び排出可能な流体給排装置と、流体圧室におけるベーンの位相調整により内燃機関の弁の開閉時期を制御する制御手段とを具備する弁開閉時期制御装置において、制御手段は、内燃機関の実際の回転数と内燃機関の基準回転数との偏差を検出する第1検出手段と、内燃機関の実際の回転数が変化する変化率を検出する第2検出手段と、第2検出手段及び第1検出手段の少なくとも一方の検出結果に基づいて内燃機関のエンジン・ストールの可能性を判定する判定手段と、判定手段によってエンジン・ストール回避可能と判定されたときにはベーンをエンジン・ストールを回避する位相に移動させる指令を流体給排装置に供給し、判定手段によってエンジン・ストール回避不可能と判定されたときにはベーンを内燃機関の再始動に備える位相に移動させる指令を流体給排装置に供給する対応手段とを具備しており、判定手段は、第1検出手段と第2検出手段の少なくとも一方の検出結果に基づいて、内燃機関のエンジン・ストールの緊急性を判定し、判定手段によってエンジン・ストールの発生が緊急ではなく、且つ、エンジン・ストールの発生が回避可能と判定されたときには、対応手段は判定に応じてベーンの位相に関するフィードバック制御用の第1位相目標値を設定し、第1位相目標値に基づいてベーンの位相を移動させる指令を流体給排装置に供給することを特徴とする。
【0011】
請求項2に係る本発明の弁開閉時期制御装置によれば、第1検出手段により、内燃機関の実際の回転数と内燃機関の基準回転数との偏差が検出される。第2検出手段により、内燃機関の実際の回転数が変化する変化率が検出される。第2検出手段及び第1検出手段の少なくとも一方の検出結果に基づいて、判定手段が内燃機関のエンジン・ストールの可能性を判定する。内燃機関の回転数の低下が急激である(回転数の変化率が負であり、且つその値が大きい)ときには、エンジン・ストール回避不可能と判定される。
【0012】
判定手段によってエンジン・ストールの発生が緊急ではなく、且つ、エンジン・ストールの発生が回避可能と判定されたときには、対応手段は判定に応じてベーンの位相に関するフィードバック制御用の第1位相目標値を設定し、第1位相目標値に基づいてベーンの位相を移動させる指令を流体給排装置に供給する。
【0013】
(3)請求項3に係る本発明の弁開閉時期制御装置は、内燃機関のクランクシャフトからカムへカム駆動力を伝達する伝達経路に回転可能に設けられる回転部材と、回転部材に相対回転可能に組み付けられると共に回転部材とで流体圧室を形成する回転伝達部材と、流体圧室内に配置され、回転伝達部材に対する回転部材の相対位相を相対回転方向のうち遅角方向に移動させる遅角室と、回転伝達部材に対する回転部材の相対位相を相対回転方向のうち進角方向に移動させる進角室とに流体圧室を仕切るベーンと、流体圧室の遅角室及び進角室に対して流体を供給可能及び排出可能な流体給排装置と、流体圧室におけるベーンの位相調整により内燃機関の弁の開閉時期を制御する制御手段とを具備する弁開閉時期制御装置において、制御手段は、内燃機関の実際の回転数と内燃機関の基準回転数との偏差を検出する第1検出手段と、内燃機関の実際の回転数が変化する変化率を検出する第2検出手段と、第2検出手段及び第1検出手段の少なくとも一方の検出結果に基づいて内燃機関のエンジン・ストールの可能性を判定する判定手段と、判定手段によってエンジン・ストール回避可能と判定されたときにはベーンをエンジン・ストールを回避する位相に移動させる指令を流体給排装置に供給し、判定手段によってエンジン・ストール回避不可能と判定されたときにはベーンを内燃機関の再始動に備える位相に移動させる指令を流体給排装置に供給する対応手段とを具備しており、
判定手段は、第1検出手段と第2検出手段の少なくとも一方の検出結果に基づいて、内燃機関のエンジン・ストールの緊急性を判定し、判定手段によってエンジン・ストールの発生が緊急であり、且つ、エンジン・ストールの発生が回避可能と判定されたときには、対応手段は判定に応じて、ベーンの位相に関する第2位相目標値及び/またはベーンを第2位相目標値に移動させるための流体給排装置の制御量を設定し、フィードバック制御によらず、第2位相目標値及び/または制御量に基づいてベーンの位相を移動させる指令を流体給排装置に供給することを特徴とする。
【0014】
請求項3に係る本発明に係る弁開閉時期制御装置によれば、第1検出手段により、内燃機関の実際の回転数と内燃機関の基準回転数との偏差が検出される。第2検出手段により、内燃機関の実際の回転数が変化する変化率が検出される。
【0015】
判定手段は、第1検出手段と第2検出手段の少なくとも一方の検出結果に基づいて、内燃機関のエンジン・ストールの緊急性を判定する。判定手段によってエンジン・ストールの発生が緊急であり、且つ、エンジン・ストールの発生が回避可能と判定されたときには、対応手段は判定に応じて、ベーンの位相に関する第2位相目標値及び/またはベーンを第2位相目標値に移動させるための流体給排装置の制御量を設定し、フィードバック制御によらず、第2位相目標値及び/または制御量に基づいてベーンの位相を移動させる指令を流体給排装置に供給する。
【0016】
(4)なお図10の横軸は一般的な内燃機関のクランク角を示し、縦軸は内燃機関の弁のリフト量を示す。特性線A1は吸気弁に係り、ベーンが中間位相のときにおけるリフト特性を示す。特性線B1は排気弁に係り、ベーンが中間位相のときにおけるリフト特性を示す。エンジン・ストールを回避するためには、内燃機関の吸気弁を遅角側(矢印S1方向)に、内燃機関の排気弁を進角側(矢印S2方向)に設定し、弁オーバラップ領域Xを少なくあるいは無しとすることが好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明に係る弁開閉時期制御装置によれば、次の実施形態の少なくとも一つを採用することができる。
・ベーンが中間位相にあるときに、内燃機関の始動性が向上するように弁の開閉時期が設定されている形態を採用できる。
・内燃機関の吸気弁を開閉させる弁開閉時期制御装置においては、判定手段によってエンジン・ストール回避可能と判定されたときには、対応手段はベーンを最遅角位相(エンジン・ストールの発生を回避する位相)に移動させる指令を流体給排装置に供給する。判定手段によってエンジン・ストール回避不可能と判定されたときには、対応手段はベーンを中間位相(再始動準備位相)に移動させる指令を流体給排装置に供給する形態を採用できる。内燃機関の吸気弁を開閉させる弁開閉時期制御装置においては、ベーンが最遅角位相のときには、弁オーバラップXが小さくなるか無しとすることが好ましい。
・内燃機関の排気弁を開閉させる弁開閉時期制御装置においては、判定手段によってエンジン・ストール回避可能と判定されたときには、対応手段は、ベーンを最進角位相(エンジン・ストールの発生を回避する位相)に向かって移動させる指令を流体給排装置に供給する。判定手段によってエンジン・ストール回避不可能と判定されたときには、対応手段は、ベーンを中間位相(再始動準備位相に相当)に移動させる指令を流体給排装置に供給する形態を採用できる。内燃機関の排気弁を開閉させる弁開閉時期制御装置においては、ベーンが最進角位相のとき、弁オーバラップXが小さくなるか無しとなるため、内燃機関の燃焼性が良好であり、エンジン・ストール回避に有効である。
・内燃機関の吸気弁の開閉に用いられる弁開閉時期制御装置であって、対応手段は、判定手段によってエンジン・ストール回避可能と判定されたときにはベーンを最遅角位相に向けて移動させる指令を流体給排装置に供給し、判定手段によってエンジン・ストール回避不可能と判定されたときにはベーンを中間位相に移動させる指令を前記流体給排装置に供給する形態を採用できる。
・判定手段は、第1検出手段の検出結果、または第1検出手段と第2検出手段の少なくとも一方の検出結果に基づいて内燃機関のエンジン・ストールの緊急性を判定する形態を採用できる。
・判定手段によってエンジン・ストールの発生が緊急ではなく、且つ、エンジン・ストールの発生が回避可能と判定されたときには、対応手段は、判定手段の判定結果に応じてベーンの位相に関するフィードバック制御用の第1位相目標値を設定し、第1位相目標値に基づいてベーンの位相を移動させる指令を前記流体給排装置に供給する形態を採用できる。
・判定手段によってエンジン・ストールの発生が緊急であり、且つ、エンジン・ストールの発生が回避可能と判定されたときには、対応手段は、判定手段の判定結果に応じて、ベーンの位相に関する第2位相目標値および/または前記ベーンを第2位相目標値に移動させるための流体給排装置の制御量を設定し、フィールドバック制御によらず、第2位相目標値及び/または制御量に基づいて前記ベーンの位相を移動させる指令を流体給排装置に供給する形態を採用できる。
・判定手段は第1検出手段の検出結果、または、第1検出手段と第2検出手段の少なくとも一方の検出結果に基づいて内燃機関のエンジン・ストールの緊急性を判定する形態を採用できる。
・判定手段によってエンジン・ストールの発生が緊急ではなく、且つ、エンジン・ストールの発生が回避可能と判定されたときには、対応手段は前記判定に応じてベーンの位相に関するフィードバック制御用の第1位相目標値を設定し、第1位相目標値に基づいてベーンの位相を移動させる指令を流体給排装置に供給する形態を採用できる。
・判定手段によってエンジン・ストールの発生が緊急であり、且つ、エンジン・ストールの発生が回避可能と判定されたときには、対応手段は判定に応じて、ベーンの位相に関する第2位相目標値及び/またはベーンを第2位相目標値に移動させるための流体給排装置の制御量を設定し、フィードバック制御によらず、第2位相目標値及び/または制御量に基づいてベーンの位相を移動させる指令を前記流体給排装置に供給する形態を採用できる。
・内燃機関のエンジン・ストールの緊急性(放置すれば、エンジン・ストールする状態)が有るが制御によりエンジン・ストール回避可能であると、判定手段によって判定されたときには、対応手段は、判定手段の判定結果に応じてベーンの位相に関する制御量を設定し、制御量に基づいてベーンの位相を移動させる指令を流体給排装置に供給する形態を採用できる。
・内燃機関のエンジン・ストールの緊急性が有る場合には、内燃機関のクランクシャフト及びカムシャフトの回転がかなり低速化している。故に、フィードバック制御においては、クランク角センサ及びカム角センサ等のベーン位相検出手段によりベーンの位相をセンシングするための時間が、内燃機関が正常に駆動している場合に比較して、長くかかる傾向がある。このため判定手段の判定結果に応じて、ベーンの位相に関する制御量を設定し、フィードバック制御によらず、制御量に基づいてベーンの位相を移動させる指令を流体給排装置に供給する。このようにすれば、ベーンの位相のセンシングに時間を要するフィードバック制御を経ないため、内燃機関のエンジン・ストール回避対策に迅速に対応することができる。
・流体給排装置はオイルポンプ及び油溜め部につながる少なくとも1個の制御弁を有する形態を採用できる。この場合、制御弁は、遅角室及び進角室を油溜め部(ドレイン側)につなぐ切替位置と、遅角室をオイルポンプにつなぐと共に進角室を油溜め部につなぐ切替位置と、遅角室及び進角室を油溜め部に非連通とする切替位置と、進角室をオイルポンプにつなぐと共に遅角室を油溜め部につなぐ切替位置とに切替可能である形態を採用できる。
【0018】
【実施例】
以下、本発明を具体化した第1実施例を図1〜図6に基づいて説明する。本実施例は、車両等に搭載される内燃機関の吸気弁の開閉を制御する弁開閉時期制御装置に適用した場合である。図1は内燃機関の弁を開放させるカムを有するカムシャフト3の軸長方向に沿った弁開閉時期制御装置の断面図を示す。図2はカムシャフト3の軸直角方向に沿った弁開閉時期制御装置の断面図を示す。図2は図面の複雑化回避のためハッチングを略している。
【0019】
まず全体構成を説明する。本実施例に係る弁開閉時期制御装置は、図1に示すように、内燃機関に組み付けられ内燃機関の弁開閉用の回転部材として機能する内ロータ1と、内ロータ1に相対回転可能に組み付けられた回転伝達部材2とを備えている。内ロータ1は回転伝達部材2と共に内燃機関のクランクシャフトからカムシャフト3のカムへカム駆動力を伝達する伝達経路に設けられている。内ロータ1は、内燃機関のシリンダブロック34に回転可能に保持されたカムシャフト3の先端部に固定ボルト30により固定されており、カムシャフト3と一体回転する。図1に示すように、内ロータ1は、カムシャフト3の軸長方向に沿ったシャフト遅角通路31に連通する遅角通路10と、カムシャフト3の軸長方向に沿ったシャフト進角通路32に連通する進角通路11とを有する。
【0020】
図1に示すように、回転伝達部材2は、ハウジング部材20と、ハウジング部材20のボルト挿通孔20pに挿通された取付ボルト21によりハウジング部材20の片面側に取り付けられた第1プレートとしてのフロントプレート22と、取付ボルト21によりハウジング部材20の他の片面側に取り付けられた第2プレートとしてのリヤプレート23とを有する。リヤプレート23はタイミングスプロケット23aをもつ。タイミングスプロケット23aと内燃機関のクランクシャフトのギヤとの間には、タイミングチェーンまたはタイミングベルト等の伝達部材24が架設されている。内燃機関のクランクシャフトが駆動すると、タイミングチェーンまたはタイミングベルト等の伝達部材24を経て、タイミングスプロケット23a、リヤプレート23、ハウジング部材20、内ロータ1が回転し、ひいては内ロータ1と一体のカムシャフト3が回転し、カムシャフト3のカムが内燃機関の弁を開閉させる。
【0021】
図2に示すように、回転伝達部材2の主要素であるハウジング部材20には、径内方向に突出するシューとして機能する厚肉の突部4が複数個設けられている。相対回転方向において突部4は、互いに背向する位相に端面44s、44rを有する。隣設する突部4間には、相対回転方向(矢印S1、S2方向)に沿って並設された複数個(実施例では4個)の流体圧室40が形成されている。複数個の流体圧室40は内ロータ1とハウジング部材20とで形成されている。
【0022】
内ロータ1の外周部には、各流体圧室40に対面するようにベーン溝41が所定の間隔を隔てて放射状に複数個(実施例では4個)形成されている。各ベーン溝41には、仕切部材として機能するベーン5が放射方向に沿って各それぞれ摺動可能に挿入されている。ベーン5の数は流体圧室40と同数である。図2に示すように、べーン5は、各流体圧室40をハウジング部材20及び内ロータ1の相対回転方向(矢印S1、S2方向)において遅角室42と進角室43とに仕切る。流体圧室40の進角室43は内ロータ1の進角通路11に連通する。流体圧室40の遅角室42は内ロータ1の遅角通路10に連通する。
【0023】
図2に示すように、内ロータ1の外周部の溝14aの端には遅角方向ストッパ14が形成されている。遅角方向ストッパ14は、ハウジング部材20に対して内ロータ1及びベーン5が遅角方向(矢印S1方向)へそれ以上移動することを阻止する。内ロータ1の外周部の溝16aの端には進角方向ストッパ16が形成されている。進角方向ストッパ16は、ハウジング部材20に対して内ロータ1及びベーン5が進角方向(矢印S2方向)へそれ以上移動することを阻止する。内ロータ1に形成されている複数の遅角通路10のうち1個が遅角リリース通路17を構成する。内ロータ1に形成されている複数の進角通路11のうち1個が進角リリース通路18を構成する。
【0024】
図2に示すようにハウジング部材20の突部4には、ベーン5を流体圧室40で中間位相にメカニカルに保持する中間位相保持機構として機能する遅角用のロック部6、進角用のロック部6Bが取り付けられている。遅角用のロック部6は、プレート形状またはピン形状のロック体60と、ロック体60をロック方向である径内方向(矢印K1方向)に付勢する付勢力をもつねじりコイルバネで形成されたバネ61とを有する。進角用のロック部6Bは、遅角用のロック部6と同様に、プレート形状またはピン形状のロック体60Bと、ロック体60Bをロック方向である径内方向(矢印K1方向)に付勢する付勢力をもつねじりコイルバネで形成されたバネ61Bとを有する。遅角用のロック部6は、ハウジング部材20に対して内ロータ1が遅角方向に移動することを阻止する。進角用のロック部6Bは、ハウジング部材20に対して内ロータ1が進角方向に移動することを阻止する。ロック体60,60Bの形状はこれに限定されるものではない。
【0025】
遅角リリース通路17、進角リリース通路18の油圧が解除されているとき、ハウジング部材20に対する内ロータ1の相対位相が所定の位相(即ち、流体圧室40における中間位相)になると、バネ61の付勢力に最遅角用のロック部6のロック体60はロック方向である矢印K1方向に移動し、図2に示すように、内ロータ1の遅角方向ストッパ14にロック体60の先端部が係止すると共に、バネ61Bの付勢力により進角用のロック部6Bのロック体60Bがロック方向である矢印K1方向に移動し、内ロータ1の進角方向ストッパ16に進角用のロック部6Bのロック体60Bの先端部が係止することにより、ハウジング部材20に対する内ロータ1の相対位相をベーン5の位相と共にメカニカルにロックすることができる。このようにハウジング部材20に対する内ロータ1の相対位相がロックされると、ハウジング部材20に対する内ロータ1の相対位相は保持され、内ロータ1及びハウジング部材20は一体回転するようになる。
【0026】
内燃機関の駆動条件に応じて、ハウジング部材20に対する内ロータ1の相対位相の相対位相を変化させる場合には、遅角用のロック部6及び進角用のロック部6Bの一方または双方を解除する。遅角用のロック部6のロック作用を解除する場合には、遅角リリース通路17に供給された油の油圧に最遅角用のロック部6のロック体60の先端部の加圧面60mを加圧し、ロック体60を径外方向つまり矢印K2方向に移動させてリリースする。遅角用のロック部6のロック作用が解除されたときには、内ロータ1は遅角方向(矢印S1方向)にベーン5と共に移動することができる。ベーン5の位相は、ハウジング部材20に対する内ロータ1の相対位相に相当する。ベーン5の移動は、ハウジング部材20に対する内ロータ1の移動に相当する。
【0027】
また進角用のロック部6Bのロック作用を解除する場合には、進角リリース通路18に供給された油の油圧により進角用のロック部6Bのロック体60Bの先端部の加圧面60mを加圧し、ロック体60Bを径外方向つまり矢印K2方向に移動させてリリースする。このように進角用のロック部6Bのロックが解除されたときには、内ロータ1は進角方向(矢印S2方向)にベーン5と共に移動することができる。遅角用のロック部6、進角用のロック部6Bの双方のロックが解除されたときには、ベーン5は遅角方向へも進角方向へも移動でき、ベーン5を有する内ロータ1の相対回転量は増加する。このようにロック部6、6Bがロック解除されているとき、ハウジング部材20に対する内ロータ1の相対回転、ベーン5の移動は可能となり、内燃機関の駆動条件に応じてクランクシャフトの回転位相に対するカムシャフト3のカムの回転位相を遅角方向(矢印S1方向)または進角方向(矢印S2方向)に必要に応じて調整して、内燃機関の出力特性を調整することができる。なお、遅角方向は内燃機関の弁の開閉時期が遅くなる方向を意味する。進角方向は内燃機関の弁の開閉時期が早まる方向を意味する。
【0028】
本実施例においては図3に示すように、流体給排装置として機能する油圧回路7が設けられている。油圧回路7は、油溜め部70と、遅角室42と油溜め部70とを連通可能な通路71(通路71a、71b、71c、71e)と、通路71に設けられたオイルポンプ75と、通路71に設けられソレノイド80x及びバネ80yを有する制御弁80とを有する。通路71は、進角室43と制御弁80とをつなぐ通路71aと、制御弁80と油溜め部70とをつなぐ通路71bと、遅角室42と制御弁80とをつなぐ通路71cと、制御弁80と油溜め部70とをつなぐ通路71eをもつ。通路71aは進角通路11を経て複数個の進角室43のそれぞれにつながるが、図3及び図4の油圧回路では模式化されている。同様に、通路71cは遅角通路10を経て複数個の遅角室42のそれぞれにつながるが、図3及び図4の油圧回路では模式化されている。制御弁80はポート80a、80b、80c、80dを有し、4位相切替方式であり、第1位置A、第2位置B、第3位置C、第4位置Dに切替可能である。制御弁80のポート80aはオイルポンプ75につながる。オイルポンプ75の吸込側75xは油溜め部70につながる。制御弁80のポート80bは油溜め部70につながり、ポート80cは通路71cを経て各遅角室42につながり、ポート80dは通路71aを経て各進角室43につながる。図4に示すように制御弁80の第1位置Aでは、ポート80aが閉鎖され、ポート80d、80c、80bが油溜め部70に連通するため、遅角室42及び進角室43の双方がドレインされて油溜め部70に連通する。制御弁80の第2位置Bでは、ポート80a、80cが連通し、ポート80b、80dが連通するため、オイルポンプ75と各遅角室42とが連通すると共に、各進角室43と油溜め部70とが連通する。制御弁80の第3位置Cでは、ポート80a、80cが非連通となり、ポート80b、80dが非連通となるため、遅角室42及び進角室43に対して油遮断機能を奏する。制御弁80の第4位置Dでは、ポート80a、80dが連通し、ポート80b、80cが連通するため、オイルポンプ75と各進角室43とが連通すると共に、各遅角室42と油溜め部70とが連通する。なお遅角室42及び進角室43に装填されている油量を保持する場合には、制御弁80を、油遮断機能を奏する位相Cに設定する。
【0029】
制御弁80を制御する制御手段として機能する電子制御装置(以下、ECUという)100が設けられている。図5に示すようにECU100は、入力処理回路101、出力処理回路202、記憶手段としてのROM104及びRAM103、CPU105、定電圧電源106、バックアップRAM107を有しており、第1検出手段、第2検出手段、判定手段、対応手段の機能を実現する。ECU100の入力処理回路101には、内燃機関始動用のスイッチ201、内燃機関の冷却水の水温センサ202、内燃機関の油の油温センサ203、内燃機関の回転数センサ204(回転数検出手段)、車速センサ205(車速検出手段)、スロットル開度センサ206、カム角センサ207、クランク角センサ208等の各種センサからの信号が入力される。水温センサ202、油温センサ203は、内燃機関の始動性の高低を検出する検出手段として機能できる。カム角センサ207で検出されたカム角、クランク角センサ208で検出されたクランク角に基づいて、ベーン5の位相を検出することができる。従って、カム角センサ207及びクランク角センサ208は、ベーン5の実際の位相を検出するベーン位相検出手段として機能する。運転者が運転席の内燃機関始動用のスイッチ201を操作して内燃機関を始動させれば、内燃機関を始動させる運転者の積極的意思がECU100に入力される。上記した各種センサからの信号に基づいて、ECU100は、内燃機関の運転状況に応じて、制御弁80のソレノイド80xに通電する電流に関するデューティ比を変え、制御弁80のソレノイド80xで発生する電磁力を調整することにより、制御弁80の位置A〜位置Dを切り替える。更にECU100はイグナイタ300、エアコントロールバルブ(ACV)301、インジェクタ302等への制御指令を供給する。
【0030】
本実施例において、ハウジング部材20に対する内ロータ1の相対位相を遅角方向(矢印S1方向)に移動させてベーン5を最遅角位相とする場合には、進角室43の油を排出すると共に、遅角室42に油を送給して遅角室42の油量を増加させる。この場合には図3から理解できるように、ECU100は制御弁80を第2位置B(ポート80b、80dの連通状態、ポート80a、80cの連通状態)に設定する。すると図3から理解できるように、オイルポンプ75からの油は制御弁80の第2位置B、通路71cを経て各遅角室42に供給されると共に、各進角室43の油は通路71a、制御弁80の第2位置Bを経て油溜め部70に戻される。この結果図3に示すように、遅角室42の容積を最も増加させると共に進角室43の容積を最も小さくするように、内ロータ1はベーン5と共に遅角方向(矢印S1方向)に向けてハウジング部材20に対して相対回転する。
【0031】
一方、ハウジング部材20に対する内ロータ1の相対位相を進角方向(矢印S2方向)に移動させてベーン5を最進角位相とする場合には、遅角室42の油を排出すると共に進角室43に油を送給する。従って、制御弁80を第4位置Dに設定する。この場合、オイルポンプ75からの油は制御弁80の第4位置D(ポート80a、80dの連通状態)、通路71aを経て各進角室43に供給されると共に、各遅角室42の油は通路71c、制御弁80の第4位置D(ポート80c、80bの連通状態)を経て油溜め部70に戻される。この結果、進角室43の容積を最も増加させると共に遅角室42の容積を最も小さくするように、内ロータ1はベーン5と共に進角方向(矢印S2方向)に向けてハウジング部材20に対して相対回転する。上記のようにして内燃機関の駆動条件に応じて内燃機関の弁開閉時期のタイミングを調整することができ、内燃機関の出力特性を調整することができる。
【0032】
さて本実施例の要部構成について説明する。図6は内燃機関の吸気弁に係るエンジン・ストール特性の代表的形態を示す。図6の横軸は回転数偏差(絶対値:内燃機関の実際の回転数−基準回転数)を示す。基準回転数は一般的にアイドリング時の回転数とすることができるが、これに限定されるものではない。回転数偏差が大きいときには、車両の内燃機関の回転数は大きい。回転数偏差が小さいとき又はマイナスのときには、車両の内燃機関の実際の回転数は小さい。図6の縦軸はエンジン回転数変化率αを示す。エンジン回転数変化率αが+方向に向かうときには、回転数の増加率が高いことを意味する。エンジン回転数変化率αが−方向に向かうときには、回転数の減少率が高いことを意味する。回転数の増加率、減少率が大きいことは、内燃機関の回転数の変化が急激であることを示す。W1はエンジン・ストール回避不可判定ラインを示す。W2はエンジン・ストール回避可能判定ラインを示す。ラインW2よりも上方の領域Aは、内燃機関がエンジン・ストールを起こすことなく正常に駆動している正常領域を示す。ラインW1、W2で区画された領域Bは、内燃機関の回転数が低いため、内燃機関の状況がエンジン・ストール状態に近づいているものの、エンジン・ストールを回避できる回避可能領域を意味する。ラインW1と図6の縦軸と横軸とで区画された領域Cは、内燃機関のエンジン・ストールを回避できないエンジン・ストール回避不可能領域を意味する。図6に示すデータはROM104のエリアに格納されている。
【0033】
ECU100は、回転数センサ204からの信号に基づいて、内燃機関の実際の回転数と内燃機関の基準回転数との偏差ΔNと、内燃機関の実際の回転数が変化する回転数変化率αとを演算で求める。回転数偏差ΔNと回転数変化率αと図6に示すデータとに基づいて、ECU100は内燃機関のエンジン・ストールの可能性を判定する。
【0034】
ECU100は、内燃機関の現在状況が図6の領域Aにあり内燃機関の駆動が正常であると判定したときには、吸気側の弁開閉時期制御装置の通常制御を行う。 ECU100は、内燃機関の状況が領域Bにありエンジン・ストールに近づいているもののエンジン・ストール回避可能と判定したときには、ベーン5を最遅角位相(エンジン・ストール回避方向)に向けて移動させる指令を制御弁80のソレノイド80xに供給する。ベーン5の最遅角位相は、前記したように弁オーバラップ領域Xが小さくなるかあるいは無しとなり、内燃機関の燃焼性が向上し、内燃機関のエンジン・ストール回避に有効となる。このようにベーン5を最遅角位相に向けて移動させるためには、図3に示すようにECU100は制御弁80を位置Bとする。制御弁80が位置Bであれば、図3から理解できるように、オイルポンプ75から油が遅角室42に送給されると共に、進角室43からの油が油溜め部70側に排出されてドレインされ、内ロータ1と共にベーン5はハウジング部材20に対して最遅角位相(矢印S1方向)に向かう。
【0035】
またECU100は、内燃機関の現在状況が図6の領域Cにありエンジン・ストール回避不可能と判定したときには、ベーン5を内燃機関の再始動に備える再始動準備位相に移動させる。具体的にはECU100はベーン5を中間位相(再始動準備位相)とする指令を制御弁80に供給する。ベーン5の中間位相は、内燃機関の始動に適するように弁の開閉タイミングが設定されているため、内燃機関の再始動を良好に且つ迅速に行い得る。
【0036】
(フローチャート)
図7はECU100のCPU105が行うエンジン・ストール(エンスト)対応処理の一例を示すフローチャートである。図7において、ステップS102では上記したスイッチ201、水温センサ202、油温センサ203、回転数センサ204、車速センサ205、スロットル開度センサ206、カム角センサ207、クランク角センサ208等の各種センサの信号の読み込みが行われる。ステップS104では、内燃機関の実際の回転数と内燃機関の基準回転数との偏差ΔNを演算する。ステップS106では、内燃機関の実際の回転数が変化する回転数変化率αを演算する。ステップS108では、回転数偏差ΔN、回転数変化率α、図6に示すデータに基づいて、内燃機関の現在状況が領域A、領域B、領域Cのいずれであるかを判定する。従ってステップS108はエンジン・ストールの可能性を判定する判定手段として機能する。ステップS108で判定された結果、内燃機関の現在状況が領域Aであれば、内燃機関の駆動は正常であり、エンジン・ストールを起こさないため、弁開閉時期制御装置の制御弁80に対して通常制御を行う。
【0037】
ステップS108で判定された結果、内燃機関の現在状況が領域Bであれば、エンジン・ストールの回避制御を行う。具体的にはステップS300に進み、領域B用の補正値を演算する。演算された領域B用の補正値に基づいて、制御弁80のソレノイド80xへ供給するデューティ比を決定し、ベーン5を最遅角方向(エンジン・ストール回避方向)に移動させて内燃機関の燃焼性を向上させ、内燃機関のエンジン・ストールを回避する。
【0038】
またステップS108で判定された結果、内燃機関の現在状況が領域Cであれば、ステップS400に進み、領域C用の補正値を演算する。ステップS402に進んで再始動準備制御を行なう。即ち、演算された領域C用の補正値に基づいて、制御弁80のソレノイド80xへ供給するデューティ比を決定し、デューティ比に基づいて制御弁80を制御し、ベーン5を中間位相(再始動準備位相)に移動させる。前記したようにベーン5が中間位相であれば、内燃機関の始動性が向上しているため、内燃機関を直ちに再始動させ得る。従ってステップS300、S302、S400、S402は対応手段として機能する。
【0039】
図8はステップS302に示すエンジン・ストール回避制御の一例を示す。図8に示すように、ステップS306では、内燃機関の回転数に基づいて、つまり、内燃機関の回転数とエンジン・ストールしきい値回転数との比較結果と、回転数変化率とに基づいて、内燃機関のエンジン・ストール発生の緊急性の有無を判定する。従って、ステップS306は内燃機関のエンジン・ストールの緊急性判定手段として機能する。内燃機関のエンジン・ストールの緊急性が無ければ、ステップS306からステップS308に進み、ベーン5の現在位相を検出(センシング)する。この場合、クランクセンサ208及びカム角センサ207の検出信号に基づいて、ベーン2の現在位相を検出する。ステップS310において、上記した領域B用の補正値に基づいて、制御弁80のソレノイド80xへ供給する目標デューティ比を決定し、つまり、フィードバック制御用のベーン位相目標値(第1位相目標値)を設定し、これを制御弁80のソレノイド80xに供給する。ステップS312において、フィードバック制御用のベーン位相目標値(第1位相目標値)とベーン2の現在位相とを比較する。両者に所定の偏差があれば、ステップS312からステップS308に戻り、上記したステップS308、S310、S312を繰り返し、ベーン5に対するフィードバック制御を繰り返す。両者の偏差がなくなれば、メインルーチンにリターンする。即ち、ステップS308〜ステップS312間においては、クランクセンサ208及びカム角センサ207の検出信号に基づいてベーン2の現在位相をセンシングすると共に、センシングしたベーン2の実際の位相とフィードバック制御用のベーン位相目標値とを比較し、両者の偏差が解消する方向に制御弁80のソレノイド80xを制御し、以てベーン5の位相をフィードバック制御する。
【0040】
一方、エンジン・ストール回避可能であるもののエンジン・ストールの緊急性が有る場合には、内燃機関の回転数がかなり小さくなっており、カムシャフト3の回転はかなり低速である。このため、クランク角センサ208及びカム角センサ207で検出するベーン5の位相のセンシング間隔がかなり長くなり、内燃機関のエンジン・ストール発生に対して上記したフィードバック制御が追いつかないおそれがある。更に内燃機関の回転数がかなり小さくなっているため、内燃機関の油圧もかなり低下しており、制御弁80に送給される油量も制約されている。そこで、エンジン・ストール回避可能であるもののエンジン・ストールの緊急性が有る場合には、ステップS306からステップS320に進み、ECU100は、フィードバック制御を経ないでベーン5を制御するために、ベーン5の位相に関する第2位相目標値、および/または、ベーン5を第2位相目標値に移動させるための制御弁80への制御量を設定する。そしてECU100は、その第2位相目標値および/または制御量に相当するデューティ比を、制御弁80のソレノイド80xに供給する。このようにすれば、内燃機関の回転数はかなり小さくなっており、且つ、カム角センサ207で検出するベーン5の現在位相のセンシング間隔が長く、ベーン5の現在位相のセンシングタイミングが内燃機関のエンジン・ストール発生に追いつかないおそれがある場合であっても、ベーン5の位相のセンシングを行うフィードバック制御を経ないため、ベーン5を最遅角方向(エンジン・ストール回避方向)に迅速に移動させることができる。この場合には、エンジン・ストール直前であり内燃機関の油圧がかなり低下していることを考慮すると、上記した制御量としては、ベーン5を最遅角方向(エンジン・ストール回避方向)に制御する制御量であることが好ましい。
【0041】
(他の実施例)
図9は内燃機関の排気弁に係るエンジン・ストール特性の代表的形態を示す。図9の横軸は回転数偏差(内燃機関の実際の回転数−基準回転数)を示す。基準回転数は一般的にアイドリング時の回転数とすることができるが、これに限定されるものではない。図9の縦軸はエンジン回転数変化率αを示す。縦軸のエンジン回転数変化率が+方向に向かうときには、回転数の増加率が高いことを意味する。縦軸のエンジン回転数変化率が−方向に向かうときには、回転数の減少率が高いことを意味する。図6の場合と同様に、W1はエンジン・ストール回避不可判定ラインを示す。W2はエンジン・ストール回避可能判定ラインを示す。ラインW2よりも上方の領域Aは、内燃機関が正常に駆動している正常領域を示す。ラインW1、W2で区画された領域Bは、内燃機関の回転数が低いため、内燃機関の状況がエンジン・ストール状態に接近しているものの、エンジン・ストールを回避できる回避可能領域を意味する。ラインW1と図6縦軸と横軸とで区画された領域Cは、内燃機関のエンジン・ストールを回避できないエンジン・ストール回避不可能領域を意味する。
【0042】
ECU100は、内燃機関の現在状況が領域Aであれば、内燃機関の駆動は正常であるため、排気側の弁開閉時期制御装置のベーン5に対する通常制御を行う。内燃機関の現在状況が図9の領域Bにあり、エンジン・ストール回避可能であると判定したときには、ECU100は、ベーン5をエンジン・ストール回避する位相につまりベーン5の最進角位相(ハウジング部材20に対する内ロータ1の相対位相の最進角位相)に向けて最進角方向に移動させる指令を制御弁80に供給する。排気系の弁開閉時期制御装置では、ベーン5を最進角方向に移動させれば、前記した弁オーバラップ領域Xが小さくなるか無しとなるため、燃焼性の向上が図られ、エンジン・ストールの回避に有効である。
【0043】
ECU100は、内燃機関の現在状況が図9の領域Cにあり、エンジン・ストール回避不可能と判定したときにはベーン5を内燃機関の再始動に備える中間位相(再始動準備位相)に移動させる指令を制御弁80Kのソレノイド80xに供給する。ベーン5の中間位相は、前記したように、内燃機関の始動に適するように弁の開閉タイミングが設定されているため、内燃機関の再始動を良好に且つ迅速に行い得る。
【0044】
(その他)上記した実施例においては、対応手段の一部であるステップS306においてエンジン・ストールの緊急性を判定するように構成したが、これに限られるものではない。例えば、判定手段であるステップS108において、エンジン・ストールの緊急性を判定することにしても良い。この場合には、内燃機関の回転数とエンジン・ストールしきい値回転数との比較結果と、回転数変化率とに基づいて、エンジン・ストールの緊急性の判定を行うことができる。この場合には、対応手段の一部であるステップS306においてエンジン・ストールの緊急性を判定を行わないようにすることができ、ステップS306においては、ステップS108において判定された判定値の入力のみが行われ、図8に示す以降のステップが実行される。
【0045】
上記した実施例においては、ベーン5は内ロータ1の外周部に保持されているが、これに限らず、ハウジング部材20に保持されている場合でも良い。上記した実施例では、ハウジング部材20は内燃機関のクランクシャフトにより回転されると共に内ロータ1はカムシャフト3に連結されているが、内ロータ1を内燃機関のクランクシャフトにより回転すると共にハウジング部材20をカムシャフト3に連結することにしても良い。ロック部6、6Bのバネ61、61Bは上記したねじりコイルバネに限らず、公知のバネを用いることができる。なお、上記した図1〜図6に示す実施例は吸気側の弁開閉時期制御装置に適用しているが、排気側の弁開閉時期制御装置に適用することもできる。その他、本発明は上記しかつ図面に示した実施例のみに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施できるものである。実施の形態、実施例に記載した語句は、一部であっても各請求項に記載できるものである。
【0046】
(付記)上記した記載から次の技術的思想を把握できる。
・各請求項において、内燃機関の回転数検出手段を有する弁開閉時期制御装置。
・各請求項において、内燃機関のベーン位相検出手段を有する弁開閉時期制御装置。
・各請求項において、内燃機関のエンジン・ストールの緊急性の有無を判定するエンジン・ストールの緊急性判定手段を有する弁開閉時期制御装置。
・各請求項において、内燃機関のエンジン・ストールの緊急性の有無を判定するエンジン・ストールの緊急性判定手段を有し、エンジン・ストールの緊急性判定手段は、内燃機関の回転数と、内燃機関の回転数の変化率の少なくとも一方(一方または双方)に基づいて判定することを特徴とする弁開閉時期制御装置。
・各請求項において、制御手段は、内燃機関のエンジン・ストールの緊急性の有無を判定するエンジン・ストールの緊急性判定手段を有する弁開閉時期制御装置。・各請求項において、制御手段を構成する判定手段及び対応手段のうちの少なくとも一方は、内燃機関のエンジン・ストールの緊急性の有無を判定するエンジン・ストールの緊急性判定手段を有する弁開閉時期制御装置。
・各請求項において、回転部材及び回転伝達部材の相対位相を中間位相に保持することにより、流体圧室においてベーンをこれの最遅角位相と最進角位相との間の中間位相に保持する中間位相保持機構を有する弁開閉時期制御装置。
・各請求項において、再始動準備位相はベーンの中間位相であることを特徴とする弁開閉時期制御装置。
・各請求項において、ベーンの位相は前記回転伝達部材に対する前記回転部材の相対位相に相当することを特徴とする弁開閉時期制御装置。
【0047】
【発明の効果】
本発明に係る弁開閉時期制御装置によれば、内燃機関の回転数が低下したり、回転数変化率が急激に減速方向に向かったりしたとき、内燃機関のエンジン・ストールに対応するのに有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】カムシャフトの軸長方向に沿った弁開閉時期制御装置の断面図である。
【図2】ベーンが中間位相にあるときの弁開閉時期制御装置の断面を示し、図1のII−II線に沿った断面図である。
【図3】弁開閉時期制御装置と共に示す油圧回路の回路図である。
【図4】弁開閉時期制御装置と共に示す油圧回路の回路図である。
【図5】ECUとその周辺の部品との電気的関係を示すプロック図である。
【図6】内燃機関の吸気弁側におけるエンジン・ストール特性を示すグラフである。
【図7】ECUが実行するエンジン・ストール対策制御の一例を示すフローチャートである。
【図8】ECUが実行するエンジン・ストール回避制御の一例を示すフローチャートである。
【図9】内燃機関の排気弁側におけるエンジン・ストール特性を示すグラフである。
【図10】内燃機関のクランク角と弁のリフト量との関係であるリフト特性を模式的に示すグラフである。
【符号の説明】
図中、1は内ロータ(回転部材)、2は回転伝達部材、20はハウジング部材、40は流体圧室、42は遅角室、43は進角室、5はベーン、6及び6Bはロック部(中間位相保持機構)、7は油圧回路(流体給排装置)、70は油溜め部、75はオイルポンプ、80は制御弁、100はECU(制御手段)、204は回転数センサを示す。
Claims (7)
- 内燃機関のクランクシャフトからカムへカム駆動力を伝達する伝達経路に回転可能に設けられる回転部材と、
前記回転部材に相対回転可能に組み付けられると共に前記回転部材とで流体圧室を形成する回転伝達部材と、
前記流体圧室内に配置され、前記回転伝達部材に対する前記回転部材の相対位相を前記相対回転方向のうち遅角方向に移動させる遅角室と、前記回転伝達部材に対する前記回転部材の相対位相を前記相対回転方向のうち進角方向に移動させる進角室とに前記流体圧室を仕切るベーンと、
前記流体圧室の前記遅角室及び前記進角室に対して流体を供給可能及び排出可能な流体給排装置と、
前記流体圧室における前記ベーンの位相調整により内燃機関の弁の開閉時期を制御する制御手段とを具備する弁開閉時期制御装置において、
前記制御手段は、
内燃機関の実際の回転数と内燃機関の基準回転数との偏差を検出する第1検出手段と、
内燃機関の実際の回転数が変化する変化率を検出する第2検出手段と、
前記第2検出手段及び前記第1検出手段の検出結果に基づいて内燃機関のエンジン・ストールの可能性を判定する判定手段と、
前記判定手段によってエンジン・ストール回避可能と判定されたときには前記ベーンをエンジン・ストールを回避する位相に移動させる指令を前記流体給排装置に供給し、前記判定手段によってエンジン・ストール回避不可能と判定されたときには前記ベーンを内燃機関の再始動に備える位相に移動させる指令を前記流体給排装置に供給する対応手段とを具備していることを特徴とする弁開閉時期制御装置。 - 内燃機関のクランクシャフトからカムへカム駆動力を伝達する伝達経路に回転可能に設けられる回転部材と、
前記回転部材に相対回転可能に組み付けられると共に前記回転部材とで流体圧室を形成する回転伝達部材と、
前記流体圧室内に配置され、前記回転伝達部材に対する前記回転部材の相対位相を前記相対回転方向のうち遅角方向に移動させる遅角室と、前記回転伝達部材に対する前記回転部材の相対位相を前記相対回転方向のうち進角方向に移動させる進角室とに前記流体圧室を仕切るベーンと、
前記流体圧室の前記遅角室及び前記進角室に対して流体を供給可能及び排出可能な流体給排装置と、
前記流体圧室における前記ベーンの位相調整により内燃機関の弁の開閉時期を制御する制御手段とを具備する弁開閉時期制御装置において、
前記制御手段は、
内燃機関の実際の回転数と内燃機関の基準回転数との偏差を検出する第1検出手段と、
内燃機関の実際の回転数が変化する変化率を検出する第2検出手段と、
前記第2検出手段及び前記第1検出手段の少なくとも一方の検出結果に基づいて内燃機関のエンジン・ストールの可能性を判定する判定手段と、
前記判定手段によってエンジン・ストール回避可能と判定されたときには前記ベーンをエンジン・ストールを回避する位相に移動させる指令を前記流体給排装置に供給し、前記判定手段によってエンジン・ストール回避不可能と判定されたときには前記ベーンを内燃機関の再始動に備える位相に移動させる指令を前記流体給排装置に供給する対応手段とを具備しており、
前記判定手段は、前記第1検出手段と前記第2検出手段の少なくとも一方の検出結果に基づいて、内燃機関のエンジン・ストールの緊急性を判定し、
前記判定手段によってエンジン・ストールの発生が緊急ではなく、且つ、エンジン・ストールの発生が回避可能と判定されたときには、前記対応手段は前記判定に応じて前記ベーンの位相に関するフィードバック制御用の第1位相目標値を設定し、前記第1位相目標値に基づいて前記ベーンの位相を移動させる指令を前記流体給排装置に供給することを特徴とする弁開閉時期制御装置。 - 内燃機関のクランクシャフトからカムへカム駆動力を伝達する伝達経路に回転可能に設けられる回転部材と、
前記回転部材に相対回転可能に組み付けられると共に前記回転部材とで流体圧室を形成する回転伝達部材と、
前記流体圧室内に配置され、前記回転伝達部材に対する前記回転部材の相対位相を前記相対回転方向のうち遅角方向に移動させる遅角室と、前記回転伝達部材に対する前記回転部材の相対位相を前記相対回転方向のうち進角方向に移動させる進角室とに前記流体圧室を仕切るベーンと、
前記流体圧室の前記遅角室及び前記進角室に対して流体を供給可能及び排出可能な流体給排装置と、
前記流体圧室における前記ベーンの位相調整により内燃機関の弁の開閉時期を制御する制御手段とを具備する弁開閉時期制御装置において、
前記制御手段は、
内燃機関の実際の回転数と内燃機関の基準回転数との偏差を検出する第1検出手段と、
内燃機関の実際の回転数が変化する変化率を検出する第2検出手段と、
前記第2検出手段及び前記第1検出手段の少なくとも一方の検出結果に基づいて内燃機関のエンジン・ストールの可能性を判定する判定手段と、
前記判定手段によってエンジン・ストール回避可能と判定されたときには前記ベーンをエンジン・ストールを回避する位相に移動させる指令を前記流体給排装置に供給し、前記判定手段によってエンジン・ストール回避不可能と判定されたときには前記ベーンを内燃機関の再始動に備える位相に移動させる指令を前記流体給排装置に供給する対応手段とを具備しており、
前記判定手段は、前記第1検出手段と前記第2検出手段の少なくとも一方の検出結果に基づいて、内燃機関のエンジン・ストールの緊急性を判定し、前記判定手段によってエンジン・ストールの発生が緊急であり、且つ、エンジン・ストールの発生が回避可能と判定されたときには、前記対応手段は前記判定に応じて、前記ベーンの位相に関する第2位相目標値及び/または前記ベーンを第2位相目標値に移動させるための前記流体給排装置の制御量を設定し、前記フィードバック制御によらず、前記2位相目標値及び/または前記制御量に基づいて前記ベーンの位相を移動させる指令を前記流体給排装置に供給することを特徴とする弁開閉時期制御装置。 - 請求項1〜3のうちの一項において、内燃機関の吸気弁の開閉に用いられる弁開閉時期制御装置であって、前記対応手段は、前記判定手段によってエンジン・ストール回避可能と判定されたときには前記ベーンを最遅角位相に向けて移動させる指令を前記流体給排装置に供給し、前記判定手段によってエンジン・ストール回避不可能と判定されたときには前記ベーンを中間位相に移動させる指令を前記流体給排装置に供給することを特徴とする弁開閉時期制御装置。
- 請求項2〜4のうちの一項において、前記判定手段は、前記第1検出手段の検出結果、または、前記第1検出手段と前記第2検出手段の少なくとも一方の検出結果に基づいて、内燃機関のエンジン・ストールの緊急性を判定することを特徴とする弁開閉時期制御装置。
- 請求項1,3,4のうちの一項において、前記判定手段によってエンジン・ストールの発生が緊急ではなく、且つ、エンジン・ストールの発生が回避可能と判定されたときには、前記対応手段は、前記判定手段の判定結果に応じて前記ベーンの位相に関するフィードバック制御用の第1位相目標値を設定し、前記第1位相目標値に基づいて前記ベーンの位相を移動させる指令を前記流体給排装置に供給することを特徴とする弁開閉時期制御装置。
- 請求項1,2,4,5,6のうちの一項において、前記判定手段によってエンジン・ストールの発生が緊急であり、且つ、エンジン・ストールの発生が回避可能と判定されたときには、前記対応手段は、前記判定手段の判定結果に応じて、前記ベーンの位相に関する第2位相目標値および/または前記ベーンを前記第2位相目標値に移動させるための前記流体給排装置の制御量を設定し、前記フィールドバック制御によらず、前記第2位相目標値及び/または前記制御量に基づいて前記ベーンの位相を移動させる指令を前記流体給排装置に供給することを特徴とする弁開閉時期制御装置。
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