JP2000034913A - 内燃機関の可変動弁装置 - Google Patents

内燃機関の可変動弁装置

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JP2000034913A
JP2000034913A JP10203569A JP20356998A JP2000034913A JP 2000034913 A JP2000034913 A JP 2000034913A JP 10203569 A JP10203569 A JP 10203569A JP 20356998 A JP20356998 A JP 20356998A JP 2000034913 A JP2000034913 A JP 2000034913A
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JP
Japan
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internal combustion
variable
combustion engine
valve
intake valve
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JP10203569A
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Kazuhisa Sanpei
和久 三瓶
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Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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    • Y02T10/62Hybrid vehicles

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  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 内燃機関の自動停止時あるいは自動始動時に
おける内燃機関の振動を抑制して運転者に違和感を与え
ないようにする。 【解決手段】 エンジン自動停止自動始動時にリフト量
可変アクチュエータを駆動して作用角を最大領域に設定
する(S1074)。また回転位相差可変アクチュエー
タについても自動停止自動始動を行う際に吸気バルブが
最も遅く閉じるように位相差を0に設定する(S107
2,S1073)。このことで吸気バルブの閉タイミン
グが最大に遅角した位置でエンジンの自動停止自動始動
が行われることになる。このようにすると吸気バルブの
閉タイミングが圧縮行程に深く入り、慣性過給が低下す
るとともにデコンプ作用が生じて実圧縮比も低下する。
このため自動停止時や自動始動時において、エンジンや
その駆動力伝達系に振動を生じることが抑制され、運転
者に違和感を与えることがなくなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動停止および自
動始動のいずれか一方または両方の自動処理を行う内燃
機関に備えられ、該内燃機関の吸気バルブのリフト量を
可変とすることで前記吸気バルブの作用角の大きさを変
更可能な可変動弁装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、内燃機関の吸気バルブのリフト量
を可変とすることで吸気バルブの作用角の大きさを変更
してバルブタイミングを可変とする可変動弁装置が知ら
れている(特開平9−32519号公報)。
【0003】この装置は、アクチュエータによりカムシ
ャフトを軸方向へ移動させることにより、カムシャフト
に取り付けられた3次元カムにおいてカムフォロアに接
触するカムプロフィールを変更して吸気バルブのバルブ
リフト量を連続的に可変とするものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな可変動弁装置は、その作用角によっては、内燃機関
が自動停止あるいは自動始動がなされる場合に内燃機関
やその動力伝達系に振動を発生して、自動停止や自動始
動を意識していない運転者に違和感を与える場合があっ
た。
【0005】例えば、自動車に搭載された内燃機関の場
合、自動車が停止した場合には内燃機関を停止させ、運
転者が発進操作をした場合には直ちに内燃機関を始動さ
せて、燃費を向上させるシステムが提案されている。こ
のようなシステムにおける内燃機関の自動停止あるいは
自動始動は、運転者の意志によらずに内燃機関が停止し
たり始動したりするため、その際の振動が運転者にとっ
て違和感を与えることになる。
【0006】本発明は、上述した自動停止時あるいは自
動始動時における内燃機関の振動を抑制して運転者に違
和感を与えないようにすることを目的とするものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の内燃機関
の可変動弁装置は、自動停止および自動始動のいずれか
一方または両方の自動処理を行う内燃機関に備えられ、
該内燃機関の吸気バルブのリフト量を可変とすることで
前記吸気バルブの作用角の大きさを変更可能な可変動弁
装置であって、前記自動処理がなされる場合に、前記作
用角を最大領域に設定する作用角最大化手段を備えたこ
とを特徴とする。
【0008】内燃機関の可変動弁装置は、吸気バルブの
開期間を表す作用角の大きさを変更することにより、吸
気バルブの開弁タイミングと閉弁タイミングとを運転状
態に応じて適切に調整するものである。そして、このよ
うな可変動弁装置において、内燃機関が自動停止や自動
始動を行う際には、作用角最大化手段により作用角を最
大領域に設定する。すなわち、閉弁タイミングを最も遅
角した状態で内燃機関の自動停止や自動始動が行われる
ことになる。
【0009】この作用角の最大領域では、吸気バルブが
開弁している状態が圧縮行程に深く入ることになる。す
なわち吸気バルブの閉タイミングが極めて大きく遅角さ
れることになり、吸気の慣性過給が低下するとともにデ
コンプ作用が生じて実圧縮比も低下する状態となる。
【0010】従来では、自動停止や自動始動時に作用角
を最大領域に設定するという処理が行われていないの
で、通常、実圧縮比が高いままで、自動停止や自動始動
が行われる。このことにより、内燃機関やその駆動力伝
達系に振動を生じて運転者に違和感を与える。しかし、
本発明では、運転者の意志によらない自動停止や自動始
動時には実圧縮比が低下するため、内燃機関停止時ある
いは始動時の振動を抑制でき、運転者に違和感を与えな
いようにすることができる。
【0011】請求項2記載の内燃機関の可変動弁装置
は、請求項1記載の構成において、カムシャフトに設け
られ、前記吸気バルブと連動するカムフォロアが当接す
るためのカム面を有し、カムプロフィールが回転軸方向
にて連続的に変化している3次元カムと、前記カムシャ
フトを軸方向へ移動させることにより、前記3次元カム
による前記吸気バルブのバルブリフト量を連続的に可変
とするリフト量可変アクチュエータとを備えることで前
記吸気バルブのリフト量を可変とするとともに、前記作
用角最大化手段は、前記自動処理がなされる場合に、前
記リフト量可変アクチュエータにより前記作用角が前記
最大領域となるように前記カムシャフトを軸方向へ移動
させることを特徴とする。
【0012】このような3次元カムを用いることによ
り、前記請求項1の作用効果を生じさせることができ
る。しかも、カムシャフトを軸方向に移動させるのみで
可能であり、可変動弁装置の構成も簡便なものとするこ
とができる。また、連続的に無段階に作用角を切り替え
られるので微妙な作用角の調整も可能である。
【0013】請求項3記載の内燃機関の可変動弁装置
は、自動始動を行う内燃機関に備えられ、該内燃機関の
吸気バルブのリフト量を可変とすることで前記吸気バル
ブの作用角の大きさを変更可能な可変動弁装置であっ
て、カムシャフトに設けられ、前記吸気バルブと連動す
るカムフォロアが当接するためのカム面を有し、カムプ
ロフィールが回転軸方向にて連続的に変化している3次
元カムと、前記カムシャフトを軸方向へ移動させること
により、前記3次元カムによる前記吸気バルブのバルブ
リフト量を連続的に可変とするリフト量可変アクチュエ
ータと、前記内燃機関における始動性低下因子の状態を
検出する始動性低下因子検出手段と、前記自動始動がな
される場合に、前記始動性低下因子検出手段にて検出さ
れた前記始動性低下因子の状態に応じて、前記リフト量
可変アクチュエータにより前記作用角を最大領域から減
少した位置に設定するように前記カムシャフトを軸方向
へ移動させる作用角設定手段とを備えたことを特徴とす
る。
【0014】本発明では、作用角設定手段は単に作用角
を最大領域に設定するのではなく、自動始動時において
は、始動性低下因子検出手段にて検出された始動性低下
因子の状態に応じて、作用角を最大領域から減少するよ
うにしている。すなわち、吸気バルブの閉タイミングを
最大遅角位置から進角させている。
【0015】作用角を最大領域に設定した状態では前述
したごとく圧縮比の低下により内燃機関の始動性は低下
する。このため、作用角が最大領域に存在する状態で始
動性低下因子が大きくなれば、始動自体が困難となるお
それがある。したがって、作用角設定手段は、吸気バル
ブのバルブリフト量を調整して、始動性低下因子の状態
に応じて作用角を最大領域から減少した位置に設定す
る。このように、吸気バルブの閉タイミングを最大遅角
位置から進角して圧縮比の低下を抑制するので、内燃機
関の始動性を確保しつつ、内燃機関始動時の振動を極力
抑制することができる。
【0016】請求項4記載の内燃機関の可変動弁装置
は、請求項3記載の構成に対して、前記始動性低下因子
検出手段は、前記内燃機関における始動性低下因子とし
て、前記内燃機関の温度または前記内燃機関が存在する
気圧のいずれか一方または両方の状態を検出し、前記作
用角設定手段は、前記温度または前記気圧のいずれか一
方または両方が低いほど前記作用角を最大領域から減少
した位置に設定することを特徴とする。
【0017】このように、内燃機関における始動性低下
因子としては内燃機関の温度や内燃機関が存在する気圧
が挙げられ、これらのいずれか一方または両方が低いほ
ど内燃機関の始動性は低下する。このため、作用角を最
大領域から減少した位置に設定することで、前記請求項
3と同様の作用効果を生じさせることができる。なお、
気圧は内燃機関が存在する高度により変化することから
高度として捉えることもできる。
【0018】請求項5記載の内燃機関の可変動弁装置
は、請求項2〜4のいずれか記載の構成に対して、前記
リフト量可変アクチュエータは、電動式であることを特
徴とする。
【0019】内燃機関により駆動されるオイルポンプか
ら発生する油圧にてリフト量可変アクチュエータが作動
されるのが通常であるが、このように直接、内燃機関の
駆動力を利用していたのでは、特に始動時にはリフト量
可変アクチュエータを作動することが困難となる。した
がって、リフト量可変アクチュエータを電動とすること
により、蓄電池等の電気エネルギーを利用して油圧をリ
フト量可変アクチュエータに供給することができる。こ
のため内燃機関が始動時にあっても十分にリフト量可変
アクチュエータを作動させることができ、所望の作用角
を実現することができる。
【0020】請求項6記載の内燃機関の可変動弁装置
は、請求項2〜4のいずれか記載の構成に対して、前記
リフト量可変アクチュエータは、電動式ポンプから供給
される油圧により作動することを特徴とする。
【0021】このように油圧ポンプも、電動式ポンプと
することにより、直接、リフト量可変アクチュエータが
電動式でなくても、前記請求項5と同様な作用効果を生
じさせることができる。
【0022】請求項7記載の内燃機関の可変動弁装置
は、請求項2〜6のいずれか記載の構成に対して、前記
リフト量可変アクチュエータは、前記作用角が最大領域
となる方向に前記カムシャフトを軸方向へ機械的に付勢
する付勢手段を備えたことを特徴とする。
【0023】このように、付勢手段を備えることによ
り、内燃機関が停止してリフト量可変アクチュエータの
作動を停止した場合に、付勢手段の機械的な付勢力によ
り、作用角が最大領域となる方向に、自然にカムシャフ
トが軸方向へ移動される。
【0024】したがって、特にリフト量可変アクチュエ
ータを調整しなくても、極めて簡単な構成で、自動停止
や自動始動時に作用角を最大領域に設定でき、内燃機関
停止時あるいは始動時の振動を抑制でき、運転者に違和
感を与えないようにすることができる。
【0025】請求項8の内燃機関の可変動弁装置は、請
求項1〜7のいずれか記載の構成に対して、前記最大領
域とは、前記内燃機関の自動停止または自動始動時に発
生する振動を抑制する圧縮率を実現する作用角領域であ
ることを特徴とする。
【0026】このように、作用角の最大領域としては、
内燃機関の自動停止または自動始動時に発生する振動を
抑制する圧縮率を実現する作用角領域であり、最大作用
角の位置のみに限らず、十分に振動を抑制する圧縮率を
実現できる作用角であればよく、作用角としてある程度
の幅を有するものである。
【0027】請求項9記載の内燃機関の可変動弁装置
は、請求項1〜8のいずれか記載の構成に対して、前記
内燃機関は、自動車に搭載されて該自動車を走行駆動す
るものであるとともに、前記自動車の停止状態を検出す
る走行停止状態検出手段を備え、前記自動停止または自
動始動は、前記走行停止状態検出手段にて停止状態であ
ると検出された場合に行われることを特徴とする。
【0028】具体的には、このように自動車の停止時に
内燃機関の自動停止または自動始動を行うものに適用し
て、燃費の節約とともに、運転者に違和感を与えるよう
な振動を抑制させることができる。
【0029】請求項10記載の内燃機関の可変動弁装置
は、請求項2〜7のいずれか記載の内燃機関の可変動弁
装置において、前記カムシャフトに設けられ、前記内燃
機関の出力軸に対する該カムシャフトの回転位相差を可
変とする回転位相差可変アクチュエータと、前記自動停
止または自動始動がなされる場合に、前記回転位相差可
変アクチュエータにより前記出力軸に対する前記カムシ
ャフトの回転位相差を、前記吸気バルブにおいて最遅角
領域とする最遅角化手段とを備えたことを特徴とする。
【0030】ここでは、前述した3次元カムの取り付け
られたカムシャフトを移動するリフト量可変アクチュエ
ータ以外に、回転位相差可変アクチュエータを設けるこ
とにより出力軸に対するカムシャフトの回転位相差を可
変としている。
【0031】そして、自動停止または自動始動がなされ
る場合には、最遅角化手段が、回転位相差可変アクチュ
エータにより、カムシャフトの回転位相差を吸気バルブ
の閉タイミングにおいて最遅角領域とするように機能す
るので、リフト量可変アクチュエータによる作用角を最
大領域とする機能と相乗して、より大きく吸気バルブの
閉タイミングを遅角させることができるとともに、圧縮
比の調整を一層自由度の高いものとすることができる。
【0032】
【発明の実施の形態】[実施の形態1]図1〜図9によ
り、エンジンの吸気側カムシャフトに対して設けられた
可変動弁装置10について説明する。
【0033】図1には直列4気筒の車載用ガソリンエン
ジン(以下、単に「エンジン」という)11が示されて
いる。このエンジン11は、マニュアルトランスミッシ
ョンを備えた自動車に搭載されて、車両を駆動するもの
である。このエンジン11には、往復移動するピストン
12が設けられたシリンダブロック13と、シリンダブ
ロック13の下側に設けられたオイルパン13aと、シ
リンダブロック13の上側に設けられたシリンダヘッド
14とが備えられている。
【0034】このエンジン11の下部には出力軸である
クランクシャフト15が回転可能に支持され、同クラン
クシャフト15にはコンロッド16を介してピストン1
2が連結されている。そして、ピストン12の往復移動
は、そのコンロッド16によって、クランクシャフト1
5の回転へと変換されるようになっている。また、ピス
トン12の上側には燃焼室17が設けられ、この燃焼室
17には吸気通路18および排気通路19が接続されて
いる。そして、吸気通路18と燃焼室17とは吸気バル
ブ20により連通・遮断され、排気通路19と燃焼室1
7とは排気バルブ21により連通・遮断されるようにな
っている。
【0035】一方、シリンダヘッド14には、吸気側カ
ムシャフト22および排気側カムシャフト23が平行に
設けられている。吸気側カムシャフト22は回転可能か
つ軸方向へ移動可能にシリンダヘッド14上に支持され
ており、排気側カムシャフト23は回転可能であるが軸
方向には移動不可能にシリンダヘッド14上に支持され
ている。
【0036】吸気側カムシャフト22の一端部には、タ
イミングスプロケット24aを備えた回転位相差可変ア
クチュエータ24が設けられ、他端部には吸気側カムシ
ャフト22を軸方向へ移動させるためのリフト量可変ア
クチュエータ22aが設けられている。また、排気側カ
ムシャフト23の一端部にはタイミングスプロケット2
5が取り付けられている。このタイミングスプロケット
25および回転位相差可変アクチュエータ24のタイミ
ングスプロケット24aは、タイミングチェーン26を
介して、クランクシャフト15に取り付けられたスプロ
ケット15aに連結されている。そして、出力軸として
のクランクシャフト15の回転がタイミングチェーン2
6を介して、吸気側カムシャフト22および排気側カム
シャフト23に伝達されることによって、それら吸気側
カムシャフト22および排気側カムシャフト23がクラ
ンクシャフト15の回転に同期して回転するようになっ
ている。
【0037】吸気側カムシャフト22には、吸気バルブ
20の上端に当接する吸気カム27が設けられ、排気側
カムシャフト23には、排気バルブ21の上端に当接す
る排気カム28が設けられている。そして、吸気側カム
シャフト22が回転すると、吸気カム27により吸気バ
ルブ20が開閉駆動され、排気側カムシャフト23が回
転すると、排気カム28により排気バルブ21が開閉駆
動されるようになっている。
【0038】ここで、排気カム28のカムプロフィール
は排気側カムシャフト23の軸方向に対して一定となっ
ているが、吸気カム27のカムプロフィールは、図2に
示すごとく吸気側カムシャフト22の軸方向に連続的に
変化している。すなわち、吸気カム27は3次元カムと
して構成されている。
【0039】そして、吸気側カムシャフト22が矢印A
方向へ移動すると、吸気カム27による吸気バルブ20
のバルブリフト量が徐々に大きくなるとともに、吸気バ
ルブ20の開弁期間が前後の両方向に徐々に長くなる。
すなわち、吸気バルブ20に対する吸気カム27の作用
角が大きくなる。
【0040】また、矢印A方向とは逆方向に吸気側カム
シャフト22が移動すると、吸気カム27による吸気バ
ルブ20のバルブリフト量が徐々に小さくなるととも
に、吸気バルブ20の開弁期間が前後共に徐々に短くな
る。すなわち、吸気バルブ20に対する吸気カム27の
作用角が小さくなる。したがって、吸気側カムシャフト
22をその軸方向へ移動させることにより、吸気バルブ
20のバルブリフト量および開閉タイミングの調整を行
うことができる。
【0041】尚、吸気側カムシャフト22は、例えば、
エンジン11の低回転時には矢印Aと逆方向へ移動し、
エンジン11の高回転時には矢印A方向へ移動するよう
制御される。これは、エンジン11の低回転時には、吸
気バルブ20の開弁期間を短くするとともにバルブリフ
ト量を小さくすることで燃焼室17へ勢いよく混合ガス
を吸入させるためであり、エンジン11の高回転時に
は、吸気バルブ20の開弁期間を長くするとともにバル
ブリフト量を大きくすることで燃焼室17への混合ガス
の吸入効率を向上させるためである。
【0042】次に、吸気側カムシャフト22をその軸方
向へ移動させて吸気バルブ20の開閉タイミングを調整
するためのリフト量可変アクチュエータ22a、およ
び、そのリフト量可変アクチュエータ22aを油圧によ
り駆動するための給油構造について図3に基づき説明す
る。
【0043】図3に示すように、リフト量可変アクチュ
エータ22aは、筒状をなすコイル31と、コイル31
の中心孔内に設けられた鉄芯32と、鉄芯32を矢印A
方向へ付勢するコイルバネ33とから構成されている。
なお、リフト量可変アクチュエータ22aのハウジング
34はシリンダヘッド14に固定されている。
【0044】鉄芯32には、ハウジング34の中心孔内
に挿入された吸気側カムシャフト22が図示していない
ベアリングにて回転可能に連結されている。また、コイ
ル31にはドライバ140を介してバッテリ30が接続
され、後述する電子制御ユニット(以下「ECU」とい
う)130の指示信号により調整された電流がドライバ
140から供給可能とされている。
【0045】この構成により、コイル31に全く電流が
供給されなければ、図3に示すごとく、鉄芯32はコイ
ルバネ33の付勢力により完全に図示の右側に位置す
る。そして、コイル31への電流量を多くすれば、この
電流量に対応して、コイルバネ33の付勢力に抗して鉄
芯32は矢印A方向とは反対側へ移動する。この移動に
より、吸気側カムシャフト22も矢印A方向とは反対側
へ移動する。また、電流量を少なくすれば、これに対応
して、コイルバネ33の付勢力により押し戻されて鉄芯
32は矢印A方向へ移動する。この移動により、吸気側
カムシャフト22も矢印A方向へ移動する。このように
して、吸気側カムシャフト22を軸方向の任意の位置に
移動させることができ、電流量を固定すれば、その位置
に吸気側カムシャフト22を停止させることができる。
【0046】このような構成により、エンジン11の駆
動時に、ECU130による電流制御にて、鉄芯32を
コイルバネ33に抗して矢印A方向とは反対方向へ吸気
側カムシャフト22を移動させると、吸気カム27の作
用角は小さくなり、吸気バルブ20の開タイミングは遅
くなり閉タイミングは早くなる。
【0047】また、逆に、ECU130による電流制御
により、鉄芯32をコイルバネ33にて押し戻させるこ
とで矢印A方向へ吸気側カムシャフト22を移動させる
と、吸気カム27の作用角は大きくなり、吸気バルブ2
0の開タイミングは早くなり閉タイミングは遅くなる。
【0048】次に、吸気側カムシャフト22をクランク
シャフト15に対して相対回転させて吸気バルブ20の
開閉タイミングを調整するための回転位相差可変アクチ
ュエータ24について図4に基づき詳しく説明する。
【0049】図4に示すように、回転位相差可変アクチ
ュエータ24はタイミングスプロケット24aを備え
る。このタイミングスプロケット24aは吸気側カムシ
ャフト22が貫通する筒部51と、筒部51の外周面か
ら突出する円板部52と、円板部52の外周面に設けら
れた複数の外歯53とを備えている。上記タイミングス
プロケット24aの筒部51は、シリンダヘッド14の
軸受部14aに回転可能に支持されている。そして、吸
気側カムシャフト22は、その軸方向へ摺動して移動で
きるように筒部51を貫通している。
【0050】また、吸気側カムシャフト22の先端部を
覆うように設けられたインナギヤ54が、ボルト55に
より固定されている。このインナギヤ54は図5に示す
ごとく、平歯の大径ギヤ部54aと、斜歯の小径ギヤ部
54bとが2段に形成された構成をなしている。
【0051】更に、インナギヤ54の小径ギヤ部54b
には、平歯の外歯56aと斜歯の内歯56bとを備えた
サブギヤ56が、その内歯56bにて、図4に示すごと
く噛み合わされている。この噛み合せの際には、インナ
ギヤ54とサブギヤ56との間にリング状のスプリング
ワッシャ57が配置され、サブギヤ56をインナギヤ5
4から離すように軸方向に付勢している。なお、インナ
ギヤ54とサブギヤ56との外径は同一である。
【0052】タイミングスプロケット24aの円板部5
2には、複数のボルト58(ここでは4本のボルト)に
より、ハウジング59と、ハウジング59の内部の内、
後述する第1圧力室70および第2圧力室71とを密閉
するカバー60とが取り付けられている。なお、カバー
60の中心には、後述する円筒状空間61cを開放して
吸気側カムシャフト22の軸方向への摺動を円滑に行う
ための穴部60aが設けられている。
【0053】なお、ボルト58、カバー60およびボル
ト55を取り外してハウジング59の内部を図4におい
て左から見た状態を図6に示す。なお、図4の回転位相
差可変アクチュエータ24は、図6におけるB−B線で
の断面状態を示している。また図6においては、タイミ
ングスプロケット24aの外歯53は図示省略されてい
る。後述する図9も同様に外歯53は図示省略されてい
る。
【0054】ハウジング59は、内周面59aから中心
方向に向かって複数の壁部62,63,64,65(こ
こでは4つ)が突出している。そして、その壁部62,
63,64,65の先端面に対して、外周面61aにて
接して円盤状のベーンロータ61が回動可能に配置され
ている。
【0055】円盤状のベーンロータ61の中心部は円筒
状空間61c(図4)が形成されて、その内周面は吸気
側カムシャフト22の軸方向に沿って直線状に延びるス
プライン部61bを形成している。前述したインナギヤ
54の大径ギヤ部54aとサブギヤ56の外歯56aと
は共にこのスプライン部61bに噛み合わされている。
【0056】前述した斜歯の内歯56bと斜歯の小径ギ
ヤ部54bとの噛み合わせと、スプリングワッシャ57
との作用により、インナギヤ54の大径ギヤ部54aと
サブギヤ56の外歯56aとは相対的に逆方向に回動す
る付勢力を生じている。このため、スプライン部61b
とギヤ54,56間のバックラッシュによる誤差を吸収
することができ、ベーンロータ61に対してインナギヤ
54は設定される回転位相位置に高精度に配置される。
したがって、ベーンロータ61と吸気側カムシャフト2
2とを、高精度の回転位相関係にて取り付けることがで
きる。なお、図4においては、見やすくするため、スプ
ライン部61bは一部のみ示し、他は図示を省略してい
るが、スプライン部61bはベーンロータ61の円筒状
空間61cの内周面全体に形成されている。
【0057】また円盤状のベーンロータ61の外周面6
1aには、壁部62,63,64,65の間の空間に突
出して、先端をハウジング59の内周面59aに接して
いるベーン66,67,68,69を備えている。これ
らのベーン66,67,68,69が壁部62,63,
64,65間の空間を区画することにより、第1圧力室
70と第2圧力室71とを形成している。
【0058】この内の1つのベーン66は、吸気側カム
シャフト22の軸方向に沿って延びる貫通孔72を有す
る。貫通孔72内において移動可能に収容されたロック
ピン73は、その内部に収容孔73aを有する。この収
容孔73a内に設けられたスプリング74は、ロックピ
ン73を円板部52へ向かって付勢する。
【0059】また、ベーンロータ61はその先端面に形
成された油溝72aを有する。同油溝72aはカバー6
0を貫通している円弧状の貫通開放口72b(図1)と
貫通孔72とを連通する。この貫通開放口72bと油溝
72aとは、貫通孔72の内部においてロックピン73
よりも先端側にある空気あるいは油をカバー60より外
部に排出する機能を有する。
【0060】図6のC−C線における断面である図7お
よび図8に示すごとく、ロックピン73が円板部52に
設けられた係止穴75に対向していた場合(図8)に
は、ロックピン73がスプリング74の付勢力により係
止穴75に係止し、円板部52に対するベーンロータ6
1の相対回動位置が固定される。また、図7において
は、ベーンロータ61は最遅角位置にあり、ベーン66
に設けられたロックピン73は係止穴75に対向してお
らず、ロックピン73の先端部73bが係止穴75に挿
入されていない状態を示している。図6の状態は、図7
と同じく、ロックピン73の先端部73bが係止穴75
に挿入されていない状態である。
【0061】図8に示すごとくロックピン73が係止穴
75に、はまり込んで係止した場合には、ベーンロータ
61とハウジング59との相対回動が禁止され、ベーン
ロータ61とハウジング59とは一体となって回転する
ことができる。また、ロックピン73の係止が解除され
ると、ハウジング59およびベーンロータ61間の相対
回動が許容され、第1圧力室70および第2圧力室71
に供給される油圧に対応して、ハウジング59に対する
ベーンロータ61の相対回動位相が調整可能となる。例
えば、図9に示すごとく、ベーンロータ61をハウジン
グ59に対して更に進角させることができる。
【0062】したがって、上述した構成の回転位相差可
変アクチュエータ24において、エンジン11の駆動に
よりクランクシャフト15が回転し、その回転がタイミ
ングチェーン26を介してタイミングスプロケット24
aに伝達されると、タイミングスプロケット24aおよ
び吸気側カムシャフト22が、調整されている回転位相
差状態で一体に回転する。この吸気側カムシャフト22
の回転に伴なって吸気バルブ20(図1)が開閉駆動さ
れることは、前述したとおりである。
【0063】そして、エンジン11の駆動時に、第1圧
力室70および第2圧力室71に対する油圧制御によ
り、ハウジング59に対してベーンロータ61を回転方
向に相対的に回動させると、すなわち、吸気側カムシャ
フト22をクランクシャフト15に対し進角する側に回
転位相差の調整制御を行うと、吸気バルブ20の開閉タ
イミングは早くなる。
【0064】また、逆に、ハウジング59に対してベー
ンロータ61を回転方向とは逆方向に相対的に回動させ
ると、すなわち吸気側カムシャフト22をクランクシャ
フト15に対し遅角する側に回転位相差の調整制御を行
うと、吸気バルブ20の開閉タイミングは遅くなる。
【0065】次に、回転位相差可変アクチュエータ24
にあって、吸気バルブ20の開閉タイミングを調整する
ための、ハウジング59とベーンロータ61間の回転位
相差を油圧制御する構造について説明する。
【0066】ハウジング59の内部に突出する各壁部6
2〜65の第1圧力室70側には、それぞれ進角用油路
開口部80が開口し、各壁部62〜65の第2圧力室7
1側には、それぞれ遅角用油路開口部81が開口してい
る。また、進角用油路開口部80に接する各壁部62〜
65の内で円板部52側には、ベーン66〜69が進角
用油路開口部80を塞いでいても、ベーンロータ61が
進角方向に回動する油圧を与えることができるように、
凹部62a〜65aが設けられている。同様に、遅角用
油路開口部81に接する各壁部62〜65の内で円板部
52側には、ベーン66〜69が遅角用油路開口部81
を塞いでいても、ベーンロータ61が遅角方向に回動す
る油圧を与えることができるように、凹部62b〜65
bが設けられている。
【0067】各進角用油路開口部80は、円板部52内
の進角制御油路84、筒部51内の進角制御油路86,
88により、筒部51の一方の外周溝51a接続されて
いる。また、各遅角用油路開口部81は、円板部52内
の遅角制御油路85、筒部51内の遅角制御油路87,
89により、筒部51の他方の外周溝51b接続されて
いる。
【0068】また、筒部51内の遅角制御油路87から
分岐した潤滑油路90は筒部51の内周面51cに設け
られた幅広の内周溝91に接続している。このことによ
り、遅角制御油路87内を流れるオイルを、筒部51の
内周面51cと吸気側カムシャフト22の端部外周面2
2bに潤滑油として導く。
【0069】筒部51の一方の外周溝51aは、シリン
ダヘッド14内の進角制御油路92を介してオイルコン
トロールバルブ94に接続され、筒部51の他方の外周
溝51bはシリンダヘッド14内の遅角制御油路93を
介してオイルコントロールバルブ94に接続されてい
る。
【0070】オイルコントロールバルブ94には、供給
通路95および排出通路96が接続されている。そし
て、供給通路95はクランクシャフト15の回転に伴っ
て駆動されるオイルポンプPを介してオイルパン13a
に接続しており、排出通路96はオイルパン13aに直
接接続している。したがって、オイルポンプPは、オイ
ルパン13aから供給通路95へオイルを送り出すよう
になっている。
【0071】オイルコントロールバルブ94は、ケーシ
ング102、第1給排ポート104、第2給排ポート1
06、弁部107、第1排出ポート108、第2排出ポ
ート110、供給ポート112、コイルスプリング11
4、電磁ソレノイド116、およびスプール118を備
えている。そして、第1給排ポート104にはシリンダ
ヘッド14内の遅角制御油路93が接続され、第2給排
ポート106にはシリンダヘッド14内の進角制御油路
92が接続されている。また、供給ポート112には供
給通路95が接続され、第1排出ポート108および第
2排出ポート110には排出通路96が接続されてい
る。
【0072】したがって、電磁ソレノイド116の消磁
状態においては、スプール118がコイルスプリング1
14の弾性力によりケーシング102の一端側(図4に
おいて右側)に配置されて、第1給排ポート104と第
1排出ポート108とが連通し、第2給排ポート106
が供給ポート112と連通する。この状態では、オイル
パン13a内のオイルが、供給通路95、オイルコント
ロールバルブ94、進角制御油路92、外周溝51a、
進角制御油路88、進角制御油路86、進角制御油路8
4、進角用油路開口部80、および凹部62a,63
a,64a,65aを介して、回転位相差可変アクチュ
エータ24の第1圧力室70へ供給される。また、回転
位相差可変アクチュエータ24の第2圧力室71内にあ
ったオイルは、凹部62b,63b,64b,65b、
遅角用油路開口部81、遅角制御油路85、遅角制御油
路87、遅角制御油路89、外周溝51b、遅角制御油
路93、オイルコントロールバルブ94、および排出通
路96を介してオイルパン13a内へ戻される。その結
果、ベーンロータ61がハウジング59に対して進角方
向へ相対回動し、前述したように吸気バルブ20の開閉
タイミングが早められる。
【0073】一方、電磁ソレノイド116が励磁された
ときには、スプール118がコイルスプリング114の
弾性力に抗してケーシング102の他端側(図4におい
て左側)に配置されて、第2給排ポート106が第2排
出ポート110と連通し、第1給排ポート104が供給
ポート112と連通する。この状態では、オイルパン1
3a内のオイルが、供給通路95、オイルコントロール
バルブ94、遅角制御油路93、外周溝51b、遅角制
御油路89、遅角制御油路87、遅角制御油路85、遅
角用油路開口部81、および凹部62b,63b,64
b,65bを介して回転位相差可変アクチュエータ24
の第2圧力室71へ供給される。また、回転位相差可変
アクチュエータ24の第1圧力室70内にあったオイル
は、凹部62a,63a,64a,65a、進角用油路
開口部80、進角制御油路84、進角制御油路86、進
角制御油路88、外周溝51a、進角制御油路92、オ
イルコントロールバルブ94、および排出通路96を介
してオイルパン13a内へ戻される。その結果、ベーン
ロータ61がハウジング59に対して遅角方向へ相対回
動し、前述したように吸気バルブ20の開閉タイミング
が遅くされる。
【0074】更に、電磁ソレノイド116への給電を制
御し、スプール118をケーシング102の中間に位置
させると、第1給排ポート104および第2給排ポート
106が閉塞され、それら給排ポート104,106を
通じてのオイルの移動が禁止される。この状態では、回
転位相差可変アクチュエータ24の第1圧力室70ある
いは第2圧力室71に対してオイルの給排が行われず、
第1圧力室70および第2圧力室71内にはオイルが充
填保持されて、ベーンロータ61はハウジング59に対
する相対回動は停止する。その結果、吸気バルブ20の
開閉タイミングは、ベーンロータ61が固定されたとき
の状態に保持される。
【0075】このような構成の可変動弁装置10にあっ
ては、コイル31への電流量は、ドライバ140を介し
てECU130により駆動制御され、またオイルコント
ロールバルブ94は、ECU130の駆動信号により駆
動制御される。その結果、吸気バルブ20の開閉特性が
変更される。
【0076】ここで、ECU130は、CPU132、
ROM133、RAM134およびバックアップRAM
135等を備える論理演算回路として構成されている。
ROM133は各種制御プログラムや、その各種制御プ
ログラムを実行する際に参照されるテーブルやマップ等
が記憶されるメモリである。CPU132はROM13
3に記憶された各種制御プログラムに基づいて制御に必
要な演算処理を実行する。また、RAM134はCPU
132での演算結果や各センサから入力されたデータ等
を一時的に記憶するメモリであり、バックアップRAM
135はエンジン11の停止時に保存すべきデータを記
憶する不揮発性のメモリである。そして、CPU13
2、ROM133、RAM134およびバックアップR
AM135は、バス136を介して互いに接続されると
ともに、外部入力回路137および外部出力回路138
と接続されている。
【0077】外部入力回路137には、図示しない吸気
圧センサおよびスロットルセンサ等、エンジン11の運
転状態を検出するための各種センサと、クランク側電磁
ピックアップ(回転数センサとしても機能する)12
3、カム側電磁ピックアップ126、車速センサ14
2、クラッチペダルスイッチ144およびエンジン冷却
水用の水温センサ150が接続されている。また、外部
出力回路138には、ドライバ140、オイルコントロ
ールバルブ94および自動始動スイッチ146が接続さ
れている。なお、クラッチペダルスイッチ144は図示
していないクラッチペダルが完全に戻されている場合は
オフ信号を出力し、踏み込まれている場合にオン信号を
出力する。また、自動始動スイッチ146は後述する自
動始動時にスタータ148を駆動するための電流を供給
するスイッチである。
【0078】また、他のECU、ここでは特に燃料噴射
制御用ECUとの間で、必要なデータや指示信号の入出
力が外部入力回路137および外部出力回路138を介
して行われている。
【0079】本実施の形態では、こうした構成のECU
130を通じて、吸気バルブ20のバルブタイミングを
制御する処理が行われる。すなわち、エンジン11の駆
動時においては、ECU130は、エンジン11の運転
状態を検出するために各種センサからの検出信号に基づ
きオイルコントロールバルブ94を駆動制御し、吸気バ
ルブ20がエンジン11の運転状態に適した開閉タイミ
ングとなるよう回転位相差可変アクチュエータ24を作
動させる。また、ECU130は上記各種センサからの
検出信号に基づきドライバ140によるリフト量可変ア
クチュエータ22aへの電流量を制御し、吸気バルブ2
0の開弁期間およびバルブリフト量がエンジン11の運
転状態に適した値となるようにリフト量可変アクチュエ
ータ22aを作動させる。
【0080】また、ECU130は、エンジン自動停止
・始動処理を実行している。このエンジン自動停止・始
動処理は、車速センサ142にて検出される車速が0と
なって、車両が停止した場合に、燃料噴射の停止により
自動的にエンジン11を停止するようにしている。ま
た、クラッチペダルの踏み込みを検出するクラッチペダ
ルスイッチ144にてクラッチペダルが踏み込まれたこ
とを検出した場合には自動的にエンジン11を始動する
ようにしている。このことにより燃費を向上することが
できる。
【0081】以下、ECU130により実行される制御
のうち、このエンジン自動停止・始動処理について説明
する。図10はエンジン自動停止処理、図11はエンジ
ン停止時吸気バルブ閉タイミング制御処理、図12はエ
ンジン自動始動処理、および図13はエンジン始動時吸
気バルブ閉タイミング制御処理のフローチャートであ
る。図10のエンジン自動停止処理および図12のエン
ジン自動始動処理は、時間周期で割り込み実行される処
理である。なお各処理に対応するフローチャート中のス
テップを「S〜」で表す。
【0082】図10のエンジン自動停止処理が開始され
ると、まず自動停止条件がオンであるか否かを判定する
(S1000)。自動停止条件とは、エンジン11の自
動停止を実行しても問題ないことを判定する条件であ
り、例えば、エンジン11が駆動中である状態、運転者
によるエンジンの駆動後に一度は自動車を走行させてい
る状態などの条件をすべて満足すれば、自動停止条件は
オンであると判定する。
【0083】自動停止条件がオンでなければ(S100
0で「NO」)、後述するタイマをオフして(S100
5)、一旦、処理を終了する。自動停止条件がオンであ
れば(S1000で「YES」)、次に、車速センサ1
42にて検出されている車速SPDを読み込む(S10
10)。そしてこの車速SPDが0か否か、すなわち、
自動車が停止しているか否かが判定される(S102
0)。自動車が停止していない場合(SPD>0)には
(S1020で「NO」)、タイマをオフして(S10
05)、一旦、処理を終了する。
【0084】自動車が停止している場合(SPD=0)
には(S1020で「YES」)、次にクラッチペダル
スイッチ144がオフか否か、すなわちクラッチペダル
スイッチ144が完全に戻されてクラッチが接続状態に
あるか否かが判定される(S1025)。クラッチペダ
ルスイッチ144がオンであれば(S1025で「N
O」)、運転者はクラッチを切り離している状態であ
り、直後にマニュアルトランスミッションのシフトを切
り替えてクラッチを接続して発進するかもしれないの
で、タイマをオフして(S1005)、一旦、処理を終
了する。
【0085】クラッチペダルスイッチ144がオフであ
れば(S1025で「YES」)、車速が0であるので
マニュアルトランスミッションはニュートラルであると
推定でき、直ちに発進しないと考えられるので、次に、
停止時間を測定するためのタイマがオン、すなわち自動
車が停止してからの経過時間のカウントを実行している
か否かを判定する(S1030)。タイマがオンしてい
なければ(S1030で「NO」)、次にタイマをクリ
アしてカウント値を0に戻し(S1040)、タイマを
オンして(S1050)、自動車が停止してからの経過
時間をカウントさせる。こうして、一旦、処理を終了す
る。
【0086】次の制御周期となると、直前の制御周期で
はタイマはオンとなっているので、ステップS100
0,S1010,S1020,S1025の処理の後、
ステップS1030では「YES」と判定される。そし
て、次にタイマの値が自動停止判定時間Tsを越えてい
るか否かが判定される(S1060)。
【0087】タイマの値が自動停止判定時間Ts以下で
ある限り(S1060で「NO」)、このまま一旦、処
理を終了する。なお、タイマの値が自動停止判定時間T
sを越えるまで、ステップS1000,S1010,S
1020,S1025,S1030,S1060の処理
を繰り返すが、この間に自動車が走行を始めたり(S1
020で「NO」)、クラッチペダルが踏まれれば(S
1025で「NO」)、タイマがオフされて(S100
5)、処理を、一旦終了する。このことにより、エンジ
ン11の自動停止はなされない。
【0088】タイマの値が自動停止判定時間Tsを越え
れば(S1060で「YES」)、次に図11に示すエ
ンジン11の自動停止時における吸気バルブ20の閉タ
イミング制御処理(S1070)が実行される。
【0089】本吸気バルブ閉タイミング制御処理では、
まず、回転位相差可変アクチュエータ24をオイルコン
トロールバルブ94にて調整することで、吸気バルブ2
0の閉タイミングが最遅角位置、すなわち図6に示した
状態である位相差0°CAとなるように制御する(S1
072)。
【0090】例えば、図14に示すごとく、調整前の吸
気バルブ20の閉タイミングが、(A1)に示すごと
く、60°CA(ABDC)であったものが、回転位相
差可変アクチュエータ24により位相差0°CAに制御
したことで、(B1)にて示すごとく、吸気バルブ20
の閉タイミングが80°CA(ABDC)となる。なお
同時に吸気バルブ20の開タイミングも同様に遅角され
ている。
【0091】そして、次にオイルコントロールバルブ9
4を位相差の保持状態に制御する(S1073)。すな
わち、電磁ソレノイド116への給電を制御して、スプ
ール118をケーシング102の中間に位置させる。こ
の状態では、回転位相差可変アクチュエータ24の第1
圧力室70あるいは第2圧力室71に対してオイルの給
排が行われず、ベーンロータ61はハウジング59に対
する相対回動は停止し、吸気バルブ20の開閉タイミン
グは、回転位相差可変アクチュエータ24における最遅
角位置に保持される。
【0092】次に、リフト量可変アクチュエータ22a
をコイル31への電流量を0にすることで、吸気バルブ
20のリフト量を最大にする。このことで、吸気バルブ
20の閉タイミングを最大の遅角量となる(S107
4)。
【0093】例えば、図14に示すごとく、調整前の吸
気バルブ20の閉タイミングが、(B1)におけるごと
く80°CA(ABDC)であったものが、リフト量可
変アクチュエータ22aにより最大のリフト量としたこ
とで、(C1)におけるごとく吸気バルブ20の閉タイ
ミングが120°CA(ABDC)と、更に遅角され
る。なお、リフト量可変アクチュエータ22aの性質
上、吸気バルブ20の開タイミングは(B1)の状態よ
りも進角している。
【0094】この120°CAが、回転位相差可変アク
チュエータ24とリフト量可変アクチュエータ22aと
により達成できる吸気バルブ20の閉タイミングの最大
遅角位置である。
【0095】こうして、吸気バルブ閉タイミング制御処
理(S1070)を終了すると、次に、エンジン11の
自動停止が行われる(S1080)。ここでは、燃料噴
射制御用ECUに指示して、図示していない燃料噴射バ
ルブからの燃料噴射を停止することにより、エンジン1
1を自動停止させる。そして、タイマをオフして(S1
090)、処理を一旦、終了する。
【0096】このようにして、吸気バルブ20の閉タイ
ミングに対して可変動弁装置10により調整することが
可能な最大の遅角位置である、120°CA(ABD
C)に、吸気バルブ20の閉タイミングが調整された状
態で、エンジン11は自動停止されることになる。この
最大遅角状態では、通常のエンジン制御において最大遅
角状態とする位置よりも、更に遅角した状態であり、実
圧縮比の低下を引き起こす状態である。したがって、図
10に示したエンジン自動停止処理にて停止されるエン
ジン11は、実圧縮比が低下した状態で自動停止される
ことになる。なお、この停止時では、クラッチは接続さ
れており、マニュアルトランスミッションは運転者によ
りニュートラル状態にされている。
【0097】次に、図12のエンジン自動始動処理につ
いて説明する。本エンジン自動始動処理が実行される
と、まず自動始動条件がオンであるか否かが判定される
(S1100)。自動停止条件とは、エンジン11の自
動始動を実行しても問題ないことを判定する条件であ
り、ここでは、例えば、エンジン11の自動停止が行わ
れている状態であることを満足すれば、自動始動条件は
オンであると判定する。
【0098】エンジン11が自動停止した状態でなけれ
ば(S1100で「NO」)、このまま、一旦、処理を
終了する。前述したごとく、図10のエンジン自動停止
処理にてステップS1070,S1080が実行され
て、エンジン11が自動停止した状態となっていれば
(S1100で「YES」)、次にクラッチペダルスイ
ッチ144がオンか否かが判定される(S1110)。
運転者が前述した停止状態を継続している場合には、ク
ラッチペダルを踏み込むことはないので(S1110で
「NO」)、このまま、一旦、処理を終了する。
【0099】運転者が発進しようとして、マニュアルト
ランスミッションの変速段を第1段に入れるために、ク
ラッチペダルを踏み込むと、クラッチペダルスイッチ1
44がオンとなる(S1110で「YES」)。このた
め、図13に示すエンジン11の自動始動時における吸
気バルブ20の閉タイミング制御処理(S1120)が
実行される。
【0100】まず、オイルコントロールバルブ94を位
相差の保持状態に制御する(S1173)。すなわち、
前述したステップS1073と同じ処理を継続する。こ
のことで、未だエンジン11の始動前でオイルポンプP
による油圧は発生していないが、自動停止時と同様に吸
気バルブ20の閉タイミングは、最大遅角位置に保持さ
れる。
【0101】次に、リフト量可変アクチュエータ22a
をコイル31への電流量を0にすることで、吸気バルブ
20のリフト量を最大にし、吸気バルブ20の閉タイミ
ングを最遅角にする(S1174)。実際には、自動停
止時にコイル31への電流量を0にされているので、こ
の場合もその状態を維持するのみでよい。
【0102】なお、ステップS1120の吸気バルブ2
0の閉タイミング制御処理は単に処理を継続するためで
あるので、ステップS1120は省略してもよい。こう
して、自動始動時における吸気バルブ閉タイミング制御
処理(S1120)を終了すると、次に、エンジン11
の自動始動が行われる(S1130)。ここでは、自動
始動スイッチ146をオンとして、スタータ148を回
転させるとともに、燃料噴射制御用ECUに指示して、
図示していない燃料噴射バルブからの燃料噴射を開始さ
せる。このことにより、エンジン11を自動始動させ
る。そして、エンジン11が始動すれば、処理を終了す
る。
【0103】このような制御により、吸気バルブ20の
閉タイミングが最大の遅角位置である120°CA(A
BDC)にて、エンジン11は自動始動されることにな
る。この最大遅角状態では、前述したごとく実圧縮比の
低下を引き起こす。したがって、図12に示したエンジ
ン自動始動処理にて始動されるエンジン11は、実圧縮
比が低下した状態で始動されることになる。
【0104】上述した実施の形態1の内容と請求項との
関係は、ステップS1074,S1174が作用角最大
化手段としての処理に相当し、コイルバネ33が付勢手
段に相当し、ステップS1010,S1020が走行停
止状態検出手段としての処理に相当し、ステップS10
72,S1073,S1173が最遅角化手段としての
処理に相当する関係にある。
【0105】以上説明した本実施の形態1によれば、以
下の効果が得られる。 (イ).エンジン11が自動停止および自動始動を行う
際には、リフト量可変アクチュエータ22aを駆動して
作用角を最大領域に設定している(S1074,S11
74)。また、回転位相差可変アクチュエータ24につ
いても自動停止および自動始動を行う際には、吸気バル
ブ20が最も遅く閉じるように位相差を0に設定してい
る(S1072,S1073,S1173)。このこと
により、吸気バルブ20の閉弁タイミングを最大に遅角
した状態でエンジン11の自動停止や自動始動が行われ
ることになる。
【0106】このように吸気バルブ20の閉タイミング
を最大限に遅角した状態では、吸気バルブ20が開弁し
ている期間が圧縮行程に深く入ることになる。このた
め、吸気の慣性過給が低下するとともにデコンプ作用が
生じて実圧縮比も低下する。このことにより、運転者の
意志によらない自動停止時や自動始動時において、エン
ジン11やその駆動力伝達系に振動を生じることが抑制
され、運転者に違和感を与えることがなくなる。
【0107】(ロ).リフト量可変アクチュエータ22
aと回転位相差可変アクチュエータ24との両方を利用
して、吸気バルブ20の閉タイミングを最大限に遅角し
ているので、実圧縮比も十分に低下することができ、
(イ)の効果が一層高まる。
【0108】(ハ).リフト量可変アクチュエータ22
aとして、3次元カムとして形成されている吸気カム2
7を、吸気側カムシャフト22の軸方向に移動させるこ
とで、作用角を最大に切り替えて、(イ)の効果を生じ
させている。したがって、リフト量可変アクチュエータ
22a自身の構成を簡便なものとすることができる。更
に、連続的に無段階に作用角を切り替えられるので微妙
な作用角の調整も可能である。
【0109】(ニ).リフト量可変アクチュエータ22
aには、吸気バルブ20のバルブリフト量が最大領域
(作用角最大領域)となる方向にカムシャフト22を軸
方向へ機械的に付勢するコイルバネ33が設けられてい
るため、エンジン11の停止時にリフト量可変アクチュ
エータ22aの作動を停止していても、コイルバネ33
の機械的な付勢力により、吸気バルブ20のバルブリフ
ト量が最大となる方向に自動的にカムシャフト22が軸
方向へ移動され、停止期間中、その状態が維持される。
【0110】したがって、ステップS1074またはS
1174にて説明したごとく、特にリフト量可変アクチ
ュエータ22aを調整しなくても、コイル31への電流
供給を停止するのみで、自動停止時や自動始動時に作用
角を最大に設定でき、エンジン11の停止時あるいは始
動時の振動を抑制できる。このためエンジン11の停止
期間中に電気エネルギーを消耗することがない。
【0111】[実施の形態2]本実施の形態2が、前記
実施の形態1と異なる点は、実施の形態1にて図13で
示したエンジン始動時吸気バルブ閉タイミング制御処理
の代わりに図15に示す処理が実行される点である。他
の構成は実施の形態1と同じである。
【0112】図15のエンジン始動時吸気バルブ閉タイ
ミング制御処理が開始されると、まず、オイルコントロ
ールバルブ94を位相差の保持状態に制御する(S12
72)。この処理は図13に示したステップS1173
と同じ処理であり、このことで、自動停止時と同様に吸
気バルブ20の開閉タイミングは、回転位相差可変アク
チュエータ24においての最遅角位置に保持される。
【0113】次に、水温センサ150により検出されて
いるエンジン11の冷却水温度THWが読み込まれる
(S1274)。そして、この冷却水温度THWが冷間
判定温度Hsを越えているか否かが判定される(S12
76)。
【0114】THW>Hsであれば(S1276で「Y
ES」)、図13に示した1174と同じく、リフト量
可変アクチュエータ22aをコイル31への電流量を0
にするあるいは0に維持することで、吸気バルブ20の
リフト量を最大として、吸気バルブ20の閉タイミング
を最遅角にする(S1278)。こうして、吸気バルブ
閉タイミング制御処理を終了し、その後、この最大の遅
角位置にて、図12に示したエンジン11の自動始動処
理(S1130)が行われることになる。
【0115】一方、THW≦Hsであれば(S1276
で「NO」)、エンジン11は冷間状態にあるとして、
リフト量可変アクチュエータ22aによる吸気バルブ閉
タイミングの冷間時用進角制御処理が行われる(S12
80)。
【0116】この冷間時用進角制御処理では、まず、ス
テップS1278の場合と同様に、リフト量可変アクチ
ュエータ22aにより吸気バルブ20のリフト量を最大
にすることで、吸気バルブ20の閉タイミングを最遅角
にする。そして、次にリフト量可変アクチュエータ22
aをリフト量を小さくする方向へ駆動して、吸気バルブ
20の閉タイミングを最遅角状態から進角側へ必要量移
動させる。
【0117】この進角側への移動の程度は、冷間時のエ
ンジン始動不良を回避できる程度であれば良く、一律の
進角量でも良く、冷却水温度THWに応じた量、あるい
は冷間判定温度Hsと冷却水温度THWとの差に応じた
量の進角量としてもよい。
【0118】例えば、図16に示すごとく、調整前の吸
気バルブ20の閉タイミングが、(A2)におけるごと
く120°CA(ABDC)であったものが、冷間時と
判断されたことで、リフト量可変アクチュエータ22a
により最大のリフト量から減少され、(B2)における
ごとく吸気バルブ20の閉タイミングが100°CA
(ABDC)となる。
【0119】こうして、吸気バルブ閉タイミング制御処
理を終了し、その後、最大の遅角位置よりも進角された
位置にて、図12に示したエンジン11の自動始動処理
(S1130)が行われることになる。なお、前記ステ
ップS1272およびステップS1278は、前記実施
の形態1で述べたと同じ理由で処理を省略することがで
きる。
【0120】上述した実施の形態2の内容と請求項との
関係は、ステップS1274が始動性低下因子検出手段
としての処理に相当し、ステップS1276〜S128
0が作用角設定手段としての処理に相当する関係にあ
る。他は実施の形態1の場合と同じである。
【0121】以上説明した本実施の形態2によれば、以
下の効果が得られる。 (イ).前記実施の形態1の(イ)〜(ニ)と同じ効果
が得られる。 (ロ).自動始動時においては、冷却水温度THWの状
態からエンジン11の始動性低下状態を判定して、作用
角を最大領域から進角するようにしている。作用角を最
大領域に設定した状態ではエンジン11の始動性は最も
低下している。このため、作用角が最大領域に存在する
状態でエンジン11の始動性低下因子としての冷却水温
度THWが低くなれば、エンジン11の始動自体が困難
となるおそれがある。したがって、吸気バルブ20のバ
ルブリフト量を、冷却水温度THWの値、あるいは冷却
水温度THWと冷間判定温度Hsとの差に応じて作用角
を最大領域から進角した位置に設定する。このことによ
り、始動性を確保しつつ、エンジン11の始動時の振動
を極力抑制することができる。
【0122】[実施の形態3]本実施の形態3が、前記
実施の形態1と異なる点は、実施の形態1にて図3で示
したリフト量可変アクチュエータ22aの代わりに図1
7に示す構成のリフト量可変アクチュエータ222aが
採用されている点である。他の構成は実施の形態1と同
じである。図17において、前記実施の形態1と同一の
部分については同じ符号を付している。
【0123】ここで、リフト量可変アクチュエータ22
2aは、筒状をなすシリンダチューブ231と、シリン
ダチューブ231内に設けられたピストン232と、シ
リンダチューブ231の両端開口部を塞ぐように設けら
れた一対のエンドカバー233とから構成されている。
このシリンダチューブ231はシリンダヘッド14に固
定されている。
【0124】ピストン232には一方のエンドカバー2
33を貫通した吸気側カムシャフト22が図示していな
いベアリングを介して回転可能に連結されている。ま
た、シリンダチューブ231内は、ピストン232によ
り第1圧力室231aおよび第2圧力室231bに区画
されている。 第1圧力室231aには、一方のエンド
カバー233に形成された第1給排通路234が接続さ
れ、第2圧力室231bには、他方のエンドカバー23
3に形成された第2給排通路235が接続されている。
【0125】そして、第1給排通路234または第2給
排通路235を介して、第1圧力室231aと第2圧力
室231bとに対し選択的にオイルを供給すると、ピス
トン232は吸気側カムシャフト22の軸方向へ移動す
る。このピストン232の移動に伴い、吸気側カムシャ
フト22もその軸方向へ移動する。
【0126】第1給排通路234および第2給排通路2
35は、オイルコントロールバルブ236に接続されて
いる。このオイルコントロールバルブ236には供給通
路237および排出通路238が接続されている。そし
て、供給通路237はオイルポンプP2を介して前記オ
イルパン13aに接続されており、排出通路238はオ
イルパン13aに直接接続されている。
【0127】なお、オイルコントロールバルブ236
は、前記実施の形態1の図4にて示した回転位相差可変
アクチュエータ24におけるオイルコントロールバルブ
94と同じ構成であり、ECU130により第1圧力室
231aおよび第2圧力室231bに対するオイルの供
給・排出・保持を行っている。したがってオイルコント
ロールバルブ236の詳細な説明は省略する。
【0128】ここで、前記実施の形態1のオイルコント
ロールバルブ94と異なるのは、オイルポンプP2がク
ランクシャフト15の駆動力にて作動しているのではな
く、バッテリ30から給電されて回転するモータ250
により作動する点である。モータ250の制御は、EC
U130がモータスイッチ252をオン・オフさせるこ
とによりなされる。
【0129】このような構成において、図11に示した
ステップS1074のリフト量可変アクチュエータ22
2aの処理が行われる場合は、ECU130はモータス
イッチ252をオンしてモータ250にてオイルポンプ
P2を作動させて供給通路237にオイルを供給する。
これとともに、オイルコントロールバルブ236を作動
させて、リフト量可変アクチュエータ222aの第1給
排通路234にオイルを供給し、第2給排通路235か
らオイルを排出する。このことにより、吸気側カムシャ
フト22は図17の矢印A方向に最大限移動する。そし
て、オイルコントロールバルブ236によるオイルの給
排を停止して、ピストン232の位置を保持する。こう
して、吸気バルブ20のリフト量を最大にすることで、
吸気バルブ20の閉タイミングを最大の遅角量にするこ
とができる。
【0130】また、図13に示したステップS1174
では、リフト量可変アクチュエータ222aが既に吸気
バルブ20の閉タイミングを最遅角にしている場合に
は、ECU130はオイルコントロールバルブ236を
制御して第1給排通路234および第2給排通路235
のオイルの移動を停止して、その状態を保持する。吸気
バルブ20の閉タイミングが最大の遅角量でない場合に
は、ECU130はオイルコントロールバルブ236を
制御して第1給排通路234にオイルを供給し、第2給
排通路235からオイルを排出する。このことにより吸
気バルブ20のリフト量を最大にし、吸気バルブ20の
閉タイミングを最大の遅角量にする。
【0131】なお、本実施の形態3に前記実施の形態2
のエンジン始動時吸気バルブ閉タイミング制御処理(図
15)を適用した場合には、ステップS1278につい
ては上述したごとく吸気バルブ20の閉タイミングを最
大の遅角量にするが、ステップS1280においては、
冷却水温度THWの値、あるいは冷却水温度THWと冷
間判定温度Hsとの差に応じて、必要量のオイルを第2
給排通路235に供給し第1給排通路234から排出す
ることにより、矢印A方向とは反対方向に吸気側カムシ
ャフト22を移動させてリフト量を最大リフト量から減
少させる。このことにより吸気バルブ20の閉タイミン
グを始動が可能な閉タイミングに進角させる。
【0132】以上説明した本実施の形態3によれば、以
下の効果が得られる。 (イ).前記実施の形態1の(イ)〜(ハ)と同じ効果
が得られる。 (ロ).前記実施の形態2の(ロ)と同じ効果が得られ
る。
【0133】[実施の形態4]本実施の形態4は、特に
図示しないが、前記実施の形態3の構成において、更
に、回転位相差可変アクチュエータ24側も、モータ2
50にて作動するオイルポンプP2からオイルコントロ
ールバルブ94を介してオイルが供給される点が異な
る。
【0134】このことにより、前記実施の形態2のエン
ジン始動時吸気バルブ閉タイミング制御処理を適用した
場合には、図18に示すごとくの処理とすることができ
る。すなわち、本エンジン始動時吸気バルブ閉タイミン
グ制御処理では、まず、水温センサ150により検出さ
れているエンジン11の冷却水温度THWが読み込まれ
る(S1372)。そして、この冷却水温度THWが冷
間判定温度Hsを越えているか否かが判定される(S1
374)。
【0135】THW>Hsであれば(S1374で「Y
ES」)、次に、モータ250にてオイルポンプP2を
作動し、オイルコントロールバルブ94から回転位相差
可変アクチュエータ24にオイルを供給する。このとき
オイルコントロールバルブ94は、吸気バルブ20の閉
タイミングが回転位相差可変アクチュエータ24におい
て最遅角位置(位相差0°CA)となるように制御する
(S1376)。
【0136】そして、次にオイルコントロールバルブ9
4を位相差の保持状態に制御する(S1378)。すな
わち、電磁ソレノイド116への給電を制御して、回転
位相差可変アクチュエータ24の第1圧力室70あるい
は第2圧力室71に対するオイルの給排を禁止する。こ
のことでベーンロータ61がハウジング59に対して相
対回動しないようにし、吸気バルブ20の開閉タイミン
グを回転位相差可変アクチュエータ24における最遅角
位置に保持する。
【0137】次に、リフト量可変アクチュエータ222
a側のオイルコントロールバルブ236を作動させて、
吸気側カムシャフト22を矢印A方向に最大限移動する
(S1380)。こうして、吸気バルブ20のリフト量
を最大にすることで、吸気バルブ20の閉タイミングを
最大の遅角量にする。
【0138】そして、オイルコントロールバルブ236
によるオイルの給排を停止して、ピストン232の位置
を保持する(S1382)。こうして、エンジン始動時
吸気バルブ閉タイミング制御処理を一旦、終了する。
【0139】一方、THW≦Hsであれば(S1374
で「NO」)、エンジン11は冷間状態であるとして、
まず、回転位相差可変アクチュエータ24による吸気バ
ルブ閉タイミングの冷間時用進角制御処理が行われる
(S1384)。
【0140】この回転位相差可変アクチュエータ24に
よる冷間時用進角制御処理では、モータ250にて作動
しているオイルポンプP2によりオイルが供給されるオ
イルコントロールバルブ94をECU130が制御する
ことにより、回転位相差可変アクチュエータ24が調整
されて、クランクシャフト15に対する吸気側カムシャ
フト22の位相差を0よりも大きくする。すなわち、吸
気バルブ20の閉タイミングが最大の遅角量よりも進角
される。この位相差は、例えば冷却水温度THWや、冷
却水温度THWと冷間判定温度Hsとの差に応じて設定
される。
【0141】そして、オイルコントロールバルブ94に
よるオイルの給排を停止して、ハウジング59とベーン
ロータ61との相対位置を保持する(S1386)。次
に、リフト量可変アクチュエータ222aによる吸気バ
ルブ閉タイミングの冷間時用進角制御処理が行われる
(S1388)。
【0142】このリフト量可変アクチュエータ222a
による冷間時用進角制御処理では、モータ250にて作
動しているオイルポンプP2によりオイルが供給される
オイルコントロールバルブ236をECU130が制御
することにより、リフト量可変アクチュエータ222a
が調整されて、吸気バルブ20のリフト量を最大リフト
量よりも小さくする。すなわち、吸気バルブ20の閉タ
イミングが更に進角される。このリフト量は、例えば冷
却水温度THWや、冷却水温度THWと冷間判定温度H
sとの差に応じて設定される。
【0143】そして、オイルコントロールバルブ236
によるオイルの給排を停止して、シリンダチューブ23
1内でのピストン232の相対位置を保持する(S13
90)。こうして、エンジン始動時吸気バルブ閉タイミ
ング制御処理を一旦、終了する。
【0144】冷間時でない状況で行われるステップS1
376〜S1382の処理は、回転位相差可変アクチュ
エータ24とリフト量可変アクチュエータ222aとが
共同で、吸気バルブ20の閉タイミングが最大遅角位置
となるように制御する処理であるが、冷間時に行われる
ステップS1384〜S1390の処理は、回転位相差
可変アクチュエータ24とリフト量可変アクチュエータ
222aとが共同で、吸気バルブ20の閉タイミングを
最大遅角位置から進角させる処理である。例えば、図1
9に示すごとく、調整前の吸気バルブ20の閉タイミン
グが、(A3)に示すごとく、120°CA(ABD
C)であったものが、回転位相差可変アクチュエータ2
4により位相差0°CA→30°CAに制御したこと
で、(B3)にて示すごとく、吸気バルブ20の閉タイ
ミングが90°CA(ABDC)となる。次に、リフト
量可変アクチュエータ222aによりリフト量が最大リ
フト量よりも減少されたことで更に進角されて、(C
3)におけるごとく吸気バルブ20の閉タイミングが7
0°CA(ABDC)となる。この70°CAにて冷間
時の始動が開始されることになる。
【0145】以上説明した本実施の形態4によれば、以
下の効果が得られる。 (イ).前記実施の形態1の(イ)〜(ハ)と同じ効果
が得られる。 (ロ).自動始動時においては、冷却水温度の状態から
エンジン11の始動性低下状態を判定して、回転位相差
可変アクチュエータ24とリフト量可変アクチュエータ
222aとが共に機能して、吸気バルブ20の閉タイミ
ングを進角する方向に制御している。このため、リフト
量可変アクチュエータ222aのみ使用して冷間始動に
対処するよりも広い範囲での進角要求に対処でき、エン
ジン11の始動性も一層良好に保つことが可能となる。
【0146】[その他の実施の形態] ・前記各実施の形態において、可変動弁装置は、吸気バ
ルブのリフト量を可変とすることで前記吸気バルブの作
用角の大きさを変更可能とするものであったが、例え
ば、ロッカーアームを切り替えて、連続的でなく段階的
に作用角を切り替えるタイプの可変動弁装置でもよい。
【0147】・実施の形態1では、ステップS1073
およびS1173を実行して位相差を保持しているが、
油圧が低下した状態での始動では、図8にて述べたごと
くロックピン73が係止穴75に係止して、ほぼ最遅角
の状態を維持するので、ステップS1073およびS1
173を実行しなくてもよく、この場合にはオイルコン
トロールバルブ94に対する電気エネルギーの節約とな
る。
【0148】・前記各実施の形態では、リフト量可変ア
クチュエータ22a,222aと回転位相差可変アクチ
ュエータ24との両方を使用していたが、リフト量可変
アクチュエータ22a,222aのみで、自動停止時あ
るいは自動始動時に作用角を調整することにより、吸気
バルブ20の閉タイミングを実圧縮比が低下する位置に
制御してもよい。
【0149】・前記実施の形態2,4では始動性低下因
子として冷却水温度THWを用いたが、この他に、高地
において気圧が低下した場合も始動性が悪化することか
ら、始動性低下因子として気圧を用いて、実測された気
圧が高地判定気圧Ps以下の場合にステップS1280
あるいはステップS1384,S1388と同様に進角
する処理を行ってもよい。
【0150】・前記実施の形態3,4にて示したリフト
量可変アクチュエータ222aの第1圧力室231a
に、圧縮バネを配置して吸気側カムシャフト22が矢印
A方向への付勢力を与えられるようにしておけば、実施
の形態3,4にも実施の形態1の(ニ)と同じ効果を生
じさせることができる。
【0151】・前記実施の形態1〜4においては、自動
停止あるいは自動始動時におけるエンジン11の振動を
抑制するために、吸気バルブ20の閉タイミングの最大
遅角位置として120°CAとしたが、エンジン11の
始動・停止時の振動が抑制できる最大遅角領域として
は、例えば、90°CA〜150°CAの範囲に吸気バ
ルブ20の閉タイミングを位置すればよく、この範囲と
なるように、リフト量可変アクチュエータ22a,22
2aによる最大作用角(最大リフト量)および回転位相
差可変アクチュエータ24により最小位相差を設定すれ
ばよい。
【0152】・前記実施の形態1〜4では、自動車の停
止時に内燃機関を停止する際の制御例を示したが、これ
以外に、内燃機関の出力により発電してこれを蓄電やモ
ータに給電してモータの回転により走行するハイブリッ
ドカーに適用してもよい。すなわち、バッテリの蓄電が
十分になされた場合に内燃機関を自動停止し、バッテリ
の蓄電容量が少なくなってきた場合に内燃機関を自動始
動する場合に、リフト量可変アクチュエータのみ、また
はリフト量可変アクチュエータと回転位相差可変アクチ
ュエータとを組み合わせた内燃機関の可変動弁装置によ
り吸気バルブの閉タイミングを最大遅角領域まで遅角す
るようにしてもよい。
【0153】・また、ハイブリッドカーなどごとく、出
力の高いモータが内燃機関の始動に用いられている場
合、このモータにより、始動時に内燃機関の回転数を、
通常のスターターモータ以上に上げることができる。こ
のように、通常行われる始動の回転数よりも高回転数に
て内燃機関を回転させて始動させた場合には、運転者に
違和感を与えるような振動を発する回転領域を極めて短
時間に通過することから、実質的に自動始動時の振動を
抑制することができる。
【0154】・また、ハイブリッドカーなどでは、この
ように内燃機関の始動時に、回転数を迅速に高回転にで
きることから、内燃機関によりオイルポンプが駆動され
ていても、油圧も直ちに上昇する。このため、リフト量
可変アクチュエータと回転位相差可変アクチュエータと
が共に内燃機関により駆動されるオイルポンプからオイ
ルの供給を受けていても、始動時における前述した吸気
バルブの閉タイミングの調整を行うことができる。この
ようにすると、リフト量可変アクチュエータを電動にし
たり、特別にオイルポンプ駆動用モータを設ける必要が
なくなる。
【0155】・また従来型の内燃機関においてもスター
タモータの能力をアップさせ、始動時にスタータモータ
により1000rpm以上の回転数まで駆動できるよう
にすることで、従来型の内燃機関で駆動されるオイルポ
ンプにより十分な油圧を発生させるようにしてもよく、
上述の効果を得ることができる。
【0156】・各実施の形態も含めた上述した内容は、
リフト量可変アクチュエータと回転位相差可変アクチュ
エータとを組み合わせたものであったが、リフト量可変
アクチュエータ単独で自動始動時あるいは自動停止時に
おいて吸気バルブの閉タイミングを最大遅角領域まで遅
角するようにしてもよい。
【0157】・冷間時の判断は、冷却水温度THWによ
り判断していたが、気温の状態とエンジン11を停止し
ていた時間とにより冷間時を判断してもよい。以上、本
発明の実施の形態について説明したが、本発明の実施の
形態には、特許請求の範囲に記載した技術的事項以外に
次のような各種の技術的事項の実施形態を有するもので
あることを付記しておく。
【0158】(1).請求項3または4記載の内燃機関
の可変動弁装置において、前記カムシャフトに設けら
れ、出力軸に対する該カムシャフトの回転位相差を可変
とする回転位相差可変アクチュエータと、前記自動処理
がなされる場合に、前記始動性低下因子検出手段にて検
出された前記内燃機関における始動性低下因子の状態に
応じて、前記回転位相差可変アクチュエータにより前記
出力軸に対する前記カムシャフトの回転位相差を、前記
吸気バルブにおいて最遅角領域から進角した位置に設定
する進角手段と、を備えたことを特徴とする内燃機関の
可変動弁装置。
【0159】(2).請求項1〜10のいずれか記載の
内燃機関の可変動弁装置の各手段としてコンピュータシ
ステムを機能させるためのプログラムを記録したコンピ
ュータ読み取り可能な記録媒体。
【0160】(3).前記回転位相差可変アクチュエー
タは、2つの回転軸の内の一方の駆動側回転軸に連動す
る第1回転体と、前記2つの回転軸の内の他方の従動側
回転軸に連動する第2回転体とを備え、前記第1回転体
は内部に少なくとも1つの圧力室を有し、前記第2回転
体は前記圧力室に接する少なくとも1つの受圧部材を有
し、前記圧力室に対する液圧調整による前記受圧部材の
移動に伴って生じる前記第1回転体と前記第2回転体と
の間の相対回動により、前記2つの回転軸間の回転位相
差を可変設定可能であるとともに、前記第2回転体はス
プライン機構により前記従動側回転軸である前記カムシ
ャフトを係合することで該カムシャフトを軸方向に移動
可能であることを特徴とする請求項10記載の内燃機関
の可変動弁装置。
【0161】
【発明の効果】請求項1記載の内燃機関の可変動弁装置
は、吸気バルブの開期間を表す作用角の大きさを変更す
ることにより、吸気バルブの開弁タイミングと閉弁タイ
ミングとを運転状態に応じて適切に調整するものであ
る。そして、このような可変動弁装置において、内燃機
関が自動停止や自動始動を行う際には、作用角最大化手
段により作用角を最大領域に設定する。すなわち、閉弁
タイミングを最も遅角した状態で内燃機関の自動停止や
自動始動が行われることになる。この作用角の最大領域
では、吸気バルブが開弁している状態が圧縮行程に深く
入ることになる。すなわち吸気バルブの閉タイミングが
極めて大きく遅角されることになり、吸気の慣性過給が
低下するとともにデコンプ作用が生じて実圧縮比も低下
する状態となる。
【0162】このように、運転者の意志によらない自動
停止や自動始動時には実圧縮比が低下するため、内燃機
関停止時あるいは始動時の振動を抑制でき、運転者に違
和感を与えないようにすることができる。
【0163】請求項2記載の内燃機関の可変動弁装置
は、3次元カムにて吸気バルブのバルブリフト量を連続
的に可変とするリフト量可変アクチュエータを備えるこ
とで吸気バルブのリフト量を可変とし、作用角最大化手
段は、自動処理がなされる場合に、リフト量可変アクチ
ュエータにより作用角が前記最大領域となるようにカム
シャフトを軸方向へ移動させている。このように、3次
元カムを用いることにより、前記請求項1の効果を生じ
させることができる。しかも、カムシャフトを軸方向に
移動させるのみで可能であり、可変動弁装置の構成も簡
便なものとすることができる。また、連続的に無段階に
作用角を切り替えられるので微妙な作用角の調整も可能
である。
【0164】請求項3記載の内燃機関の可変動弁装置で
は、作用角設定手段は単に作用角を最大領域に設定する
のではなく、自動始動時においては、始動性低下因子検
出手段にて検出された始動性低下因子の状態に応じて、
作用角を最大領域から減少するようにしている。すなわ
ち、吸気バルブの閉タイミングを最大遅角位置から進角
させている。作用角が最大領域に存在する状態で始動性
低下因子が大きくなれば、始動自体が困難となるおそれ
がある。したがって、作用角設定手段は、吸気バルブの
バルブリフト量を調整して、始動性低下因子の状態に応
じて作用角を最大領域から減少した位置に設定する。こ
のように、吸気バルブの閉タイミングを最大遅角位置か
ら進角して圧縮比の低下を抑制するので、内燃機関の始
動性を確保しつつ、内燃機関始動時の振動を極力抑制す
ることができる。
【0165】請求項4記載の内燃機関の可変動弁装置
は、請求項3記載の構成に対して、始動性低下因子検出
手段が、内燃機関における始動性低下因子として、内燃
機関の温度または前記内燃機関が存在する気圧のいずれ
か一方または両方の状態を検出し、作用角設定手段は、
前記温度または前記気圧のいずれか一方または両方が低
いほど前記作用角を最大領域から減少した位置に設定し
ている。内燃機関における始動性低下因子としては内燃
機関の温度や内燃機関が存在する気圧が挙げられ、これ
らのいずれか一方または両方が低いほど内燃機関の始動
性は低下する。このため、作用角を最大領域から減少し
た位置に設定することで、前記請求項3と同様の効果を
生じさせることができる。なお、気圧は内燃機関が存在
する高度により変化することから高度として捉えること
もできる。
【0166】請求項5記載の内燃機関の可変動弁装置
は、請求項2〜4のいずれか記載の構成に対して、前記
リフト量可変アクチュエータとして電動式のものを用い
ている。このようにリフト量可変アクチュエータを電動
とすることにより、蓄電池等の電気エネルギーを利用し
て油圧をリフト量可変アクチュエータに供給することが
できる。このため内燃機関が始動時にあっても十分にリ
フト量可変アクチュエータを作動させることができ、所
望の作用角を実現することができる。
【0167】請求項6記載の内燃機関の可変動弁装置
は、請求項2〜4のいずれか記載の構成に対して、前記
リフト量可変アクチュエータとして電動式ポンプから供
給される油圧により作動することとしている。このよう
に油圧ポンプも、電動式ポンプとすることにより、直
接、リフト量可変アクチュエータが電動式でなくても、
前記請求項5と同様な効果を生じさせることができる。
【0168】請求項7記載の内燃機関の可変動弁装置
は、請求項2〜6のいずれか記載の構成に対して、前記
リフト量可変アクチュエータは、前記作用角が最大領域
となる方向に前記カムシャフトを軸方向へ機械的に付勢
する付勢手段を備えた構成としている。このように、付
勢手段を備えることにより、内燃機関が停止してリフト
量可変アクチュエータの作動を停止した場合に、付勢手
段の機械的な付勢力により、作用角が最大領域となる方
向に、自然にカムシャフトが軸方向へ移動される。した
がって、特にリフト量可変アクチュエータを調整しなく
ても、極めて簡単な構成で、自動停止や自動始動時に作
用角を最大領域に設定でき、内燃機関停止時あるいは始
動時の振動を抑制でき、運転者に違和感を与えないよう
にすることができる。
【0169】請求項8の内燃機関の可変動弁装置は、請
求項1〜7のいずれか記載の構成に対して、前記最大領
域とは、前記内燃機関の自動停止または自動始動時に発
生する振動を抑制する圧縮率を実現する作用角領域であ
るとしている。このように、作用角の最大領域として
は、内燃機関の自動停止または自動始動時に発生する振
動を抑制する圧縮率を実現する作用角領域であり、最大
作用角の位置のみに限らず、十分に振動を抑制する圧縮
率を実現できる作用角であれば前述した効果を生じる。
【0170】請求項9記載の内燃機関の可変動弁装置
は、請求項1〜8のいずれか記載の構成に対して、内燃
機関は、自動車に搭載されて該自動車を走行駆動するも
のであるとともに、自動車の停止状態を検出する走行停
止状態検出手段を備え、自動停止または自動始動は、走
行停止状態検出手段にて停止状態であると検出された場
合に行われることとしている。このように自動車の停止
時に内燃機関の自動停止または自動始動を行うものに適
用して、燃費の節約とともに、運転者に違和感を与える
ような振動を抑制させることができる。
【0171】請求項10記載の内燃機関の可変動弁装置
は、請求項2〜7のいずれか記載の内燃機関の可変動弁
装置においては、前述した3次元カムの取り付けられた
カムシャフトを移動するリフト量可変アクチュエータ以
外に、回転位相差可変アクチュエータを設けることによ
り出力軸に対するカムシャフトの回転位相差を可変とし
ている。そして、自動停止または自動始動がなされる場
合には、最遅角化手段が、回転位相差可変アクチュエー
タにより、カムシャフトの回転位相差を吸気バルブの閉
タイミングにおいて最遅角領域とするように機能するの
で、リフト量可変アクチュエータによる作用角を最大領
域とする機能と相乗して、より大きく吸気バルブの閉タ
イミングを遅角させることができるとともに、圧縮比の
調整を一層自由度の高いものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1としての可変動弁装置を組み込
んだエンジンの斜視図。
【図2】 実施の形態1において、3次元カムとして吸
気側カムシャフトに用いられる吸気カムの形状を説明す
る斜視図。
【図3】 実施の形態1としての可変動弁装置に備えら
れているリフト量可変アクチュエータの構成説明図。
【図4】 実施の形態1としての可変動弁装置に備えら
れている回転位相差可変アクチュエータの構成説明図。
【図5】 実施の形態1の回転位相差可変アクチュエー
タに用いられるインナギヤおよびサブギヤの形状を示す
斜視図。
【図6】 実施の形態1の回転位相差可変アクチュエー
タにおける内部構成説明図。
【図7】 実施の形態1の回転位相差可変アクチュエー
タにおけるロックピン周辺の構成説明図。
【図8】 実施の形態1の回転位相差可変アクチュエー
タにおけるロックピンの動作説明図。
【図9】 実施の形態1の回転位相差可変アクチュエー
タにおけるベーンロータの回転状態説明図。
【図10】 実施の形態1のECUが実行するエンジン
自動停止処理のフローチャート。
【図11】 実施の形態1のECUが実行するエンジン
停止時吸気バルブ閉タイミング制御処理のフローチャー
ト。
【図12】 実施の形態1のECUが実行するエンジン
自動始動処理のフローチャート。
【図13】 実施の形態1のECUが実行するエンジン
始動時吸気バルブ閉タイミング制御処理のフローチャー
ト。
【図14】 実施の形態1においてエンジン停止時の吸
気バルブ閉タイミングの調整状態を表す説明図。
【図15】 実施の形態2のECUが実行するエンジン
始動時吸気バルブ閉タイミング制御処理のフローチャー
ト。
【図16】 実施の形態2においてエンジン始動時の吸
気バルブ閉タイミングの調整状態を表す説明図。
【図17】 実施の形態3としての可変動弁装置に備え
られているリフト量可変アクチュエータの構成説明図。
【図18】 実施の形態4のECUが実行するエンジン
始動時吸気バルブ閉タイミング制御処理のフローチャー
ト。
【図19】 実施の形態4においてエンジン始動時の吸
気バルブ閉タイミングの調整状態を表す説明図。
【符号の説明】
10…可変動弁装置、11…エンジン、12…ピスト
ン、13…シリンダブロック、13a…オイルパン、1
4…シリンダヘッド、14a…軸受部、15…クランク
シャフト、15a…スプロケット、16…コンロッド、
17…燃焼室、18…吸気通路、19…排気通路、20
…吸気バルブ、21…排気バルブ、22…吸気側カムシ
ャフト、22a…リフト量可変アクチュエータ、22b
…端部外周面、23…排気側カムシャフト、24…回転
位相差可変アクチュエータ、24a…タイミングスプロ
ケット、25…タイミングスプロケット、26…タイミ
ングチェーン、27…吸気カム、28…排気カム、30
…バッテリ、31…コイル、32…鉄芯、33…コイル
バネ、34…ハウジング、51…筒部、51a…外周
溝、51b…外周溝、51c…内周面、52…円板部、
53…外歯、54…インナギヤ、54a…大径ギヤ部、
54b…小径ギヤ部、55…ボルト、56…サブギヤ、
56a…外歯、56b…内歯、57…スプリングワッシ
ャ、58…ボルト、59…ハウジング、59a…内周
面、60… カバー、60a…穴部、61…ベーンロー
タ、61a…外周面、61b…スプライン部、61c…
円筒状空間、62,63,64,65…壁部、62a,
63a,64a,65a,62b,63b,64b,6
5b…凹部、66,67,68,69…ベーン、70…
第1圧力室、71…第2圧力室、72…貫通孔、72a
…油溝、72b…貫通開放口、73…ロックピン、73
a…収容孔、73b…先端部、74…スプリング、75
…係止穴、80…進角用油路開口部、81…遅角用油路
開口部、84…進角制御油路、85…遅角制御油路、8
6…進角制御油路、87…遅角制御油路、88…進角制
御油路、89…遅角制御油路、90…潤滑油路、91…
内周溝、92…進角制御油路、93…遅角制御油路、9
4…オイルコントロールバルブ、95…供給通路、96
…排出通路、102…ケーシング、104…第1給排ポ
ート、106…第2給排ポート、107…弁部、108
…第1排出ポート、110…第2排出ポート、112…
供給ポート、114…コイルスプリング、116…電磁
ソレノイド、118…スプール、123…クランク側電
磁ピックアップ、126…カム側電磁ピックアップ、1
30… 電子制御ユニット(ECU)、132…CP
U、133…ROM、134…RAM、135…バック
アップRAM、136…バス、137…外部入力回路、
138…外部出力回路、140…ドライバ、142…車
速センサ、144…クラッチペダルスイッチ、146…
自動始動スイッチ、148…スタータ、150…水温セ
ンサ、222a…リフト量可変アクチュエータ、231
…シリンダチューブ、231a…第1圧力室、231b
…第2圧力室、232…ピストン、233…一対のエン
ドカバー、234…第1給排通路、235…第2給排通
路、236…オイルコントロールバルブ、237…供給
通路、238…排出通路、250…モータ、252…モ
ータスイッチ。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // F02N 17/00 F02N 17/00 A Fターム(参考) 3G092 AA01 AA11 AA12 AC02 CA01 DA04 DA06 DA07 DD01 DD03 DD10 DF04 DF05 DG05 DG08 DG09 EA02 EA03 EA04 EA08 EA09 EA11 EA13 EA17 EA25 FA03 FA30 GA01 GA10 GB01 GB10 HA13X HA14X HC04X HE08Z HF13Z HF15Z HF21Z HG08Z 3G093 AA01 AA07 BA02 BA21 BA22 CA00 CA01 CB01 CB05 DA05 DB05 DB08 DB10 DB12 EA15 EC01 EC02 EC04 FA11 FB00 FB01 FB02

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自動停止および自動始動のいずれか一方
    または両方の自動処理を行う内燃機関に備えられ、該内
    燃機関の吸気バルブのリフト量を可変とすることで前記
    吸気バルブの作用角の大きさを変更可能な可変動弁装置
    であって、 前記自動処理がなされる場合に、前記作用角を最大領域
    に設定する作用角最大化手段を備えたことを特徴とする
    内燃機関の可変動弁装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の構成において、 カムシャフトに設けられ、前記吸気バルブと連動するカ
    ムフォロアが当接するためのカム面を有し、カムプロフ
    ィールが回転軸方向にて連続的に変化している3次元カ
    ムと、 前記カムシャフトを軸方向へ移動させることにより、前
    記3次元カムによる前記吸気バルブのバルブリフト量を
    連続的に可変とするリフト量可変アクチュエータと、 を備えることで前記吸気バルブのリフト量を可変とする
    とともに、 前記作用角最大化手段は、前記自動処理がなされる場合
    に、前記リフト量可変アクチュエータにより前記作用角
    が前記最大領域となるように前記カムシャフトを軸方向
    へ移動させることを特徴とする内燃機関の可変動弁装
    置。
  3. 【請求項3】 自動始動を行う内燃機関に備えられ、該
    内燃機関の吸気バルブのリフト量を可変とすることで前
    記吸気バルブの作用角の大きさを変更可能な可変動弁装
    置であって、 カムシャフトに設けられ、前記吸気バルブと連動するカ
    ムフォロアが当接するためのカム面を有し、カムプロフ
    ィールが回転軸方向にて連続的に変化している3次元カ
    ムと、 前記カムシャフトを軸方向へ移動させることにより、前
    記3次元カムによる前記吸気バルブのバルブリフト量を
    連続的に可変とするリフト量可変アクチュエータと、 前記内燃機関における始動性低下因子の状態を検出する
    始動性低下因子検出手段と、 前記自動始動がなされる場合に、前記始動性低下因子検
    出手段にて検出された前記始動性低下因子の状態に応じ
    て、前記リフト量可変アクチュエータにより前記作用角
    を最大領域から減少した位置に設定するように前記カム
    シャフトを軸方向へ移動させる作用角設定手段と、 を備えたことを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  4. 【請求項4】 前記始動性低下因子検出手段は、前記内
    燃機関における始動性低下因子として、前記内燃機関の
    温度または前記内燃機関が存在する気圧のいずれか一方
    または両方の状態を検出し、 前記作用角設定手段は、前記温度または前記気圧のいず
    れか一方または両方が低いほど前記作用角を最大領域か
    ら減少した位置に設定することを特徴とする請求項3記
    載の内燃機関の可変動弁装置。
  5. 【請求項5】 前記リフト量可変アクチュエータは、電
    動式であることを特徴とする請求項2〜4のいずれか記
    載の内燃機関の可変動弁装置。
  6. 【請求項6】 前記リフト量可変アクチュエータは、電
    動式ポンプから供給される油圧により作動することを特
    徴とする請求項2〜4のいずれか記載の内燃機関の可変
    動弁装置。
  7. 【請求項7】 前記リフト量可変アクチュエータは、前
    記作用角が最大領域となる方向に前記カムシャフトを軸
    方向へ機械的に付勢する付勢手段を備えたことを特徴と
    する請求項2〜6のいずれか記載の内燃機関の可変動弁
    装置。
  8. 【請求項8】 前記最大領域とは、前記内燃機関の自動
    停止または自動始動時に発生する振動を抑制する圧縮率
    を実現する作用角領域であることを特徴とする請求項1
    〜7のいずれか記載の内燃機関の可変動弁装置。
  9. 【請求項9】 前記内燃機関は、自動車に搭載されて該
    自動車を走行駆動するものであるとともに、前記自動車
    の停止状態を検出する走行停止状態検出手段を備え、 前記自動停止または自動始動は、前記走行停止状態検出
    手段にて停止状態であると検出された場合に行われるこ
    とを特徴とする請求項1〜8のいずれか記載の内燃機関
    の可変動弁装置。
  10. 【請求項10】 請求項2〜7のいずれか記載の内燃機
    関の可変動弁装置において、 前記カムシャフトに設けられ、前記内燃機関の出力軸に
    対する該カムシャフトの回転位相差を可変とする回転位
    相差可変アクチュエータと、 前記自動停止または自動始動がなされる場合に、前記回
    転位相差可変アクチュエータにより前記出力軸に対する
    前記カムシャフトの回転位相差を、前記吸気バルブにお
    いて最遅角領域とする最遅角化手段と、 を備えたことを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
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