JP2006199288A - 車両用パワーシートの配線方法 - Google Patents

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Tomoji Kawai
智司 川合
Kenji Enomoto
憲嗣 榎本
Kazuhide Meguro
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Hirokazu Takewaki
広和 武脇
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Abstract

【課題】配線材の噛み込みや挟み込み等が発生しにくく、配線作業が容易な車両用パワーシートの配線方法を提供する。
【解決手段】所要の配線パターンに形成された薄板導体を絶縁フィルムで挟んで薄板導体と絶縁フィルムを一体化して所要のパターンの可撓性フラット配線材43を形成する。或いは、薄板導体を絶縁フィルムで挟んで薄板導体と絶縁フィルムを一体化した帯状配線材により所要の配線パターンの可撓性フラット配線材43を形成する。この可撓性フラット配線材43を、パワーシートのシートアジャスタ1とクッションフレーム25の間の空間及びシートアジャスタ1内の空間に配線し、可撓性フラット配線材43の端部をパワーシート内に組み込まれているモーター9、11、13、15等に接続する。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車などの車両に用いられるパワーシートの配線方法に関するものである。
パワーシートは、座席内部にモーターを組み込んで、スイッチ操作により、前後スライド調整、前端部上下調整、後端部上下調整、リクライニング調整、ランバーサポート調整などのうちの少なくとも前後スライド調整を含む1種以上の調整を行えるようにしたものである。
上記のような各種調整を行うためには、座席内部に、モーターと、操作スイッチと、電源とをつなぐ配線材を配線する必要がある。従来は、この配線材として多数の電線を束ねたワイヤーハーネスが用いられていた(特許文献1)。
実願平1−3226号(実開平2−96218号)のマイクロフィルム
しかし、ワイヤーハーネスは多数の電線を束ねたものであるため、ある程度の太さを有しているのに対し、パワーシート内部はモーターその他の機構部品が詰まっていて配線に使用できるスペースが限られているため、従来の配線方法では余裕のない配線形態となり、シート移動時にワイヤーハーネスの噛み込み、挟み込み、擦れ等が発生しやすい。これを防止するためワイヤーハーネスに保護管を被せて配線することも行われているが、保護管を被せるとさらに外径が大きくなるため、配線スペースの確保や配線作業が困難になる。
本発明の目的は、上記のような問題点に鑑み、配線材の噛み込みや挟み込み等が発生しにくく、配線作業が容易な車両用パワーシートの配線方法を提供することにある。
この目的を達成するため本発明の配線方法は、所要の配線パターンに形成された薄板導体を絶縁フィルムで挟んで薄板導体と絶縁フィルムを一体化して所要のパターンの可撓性フラット配線材を形成し、この可撓性フラット配線材を、パワーシートのシートアジャスタとクッションフレームの間の空間及び/又はシートアジャスタ内の空間に配線し、可撓性フラット配線材の端部をパワーシート内に組み込まれている各種部品に接続することを特徴とするものである。
上記の配線方法においては、可撓性フラット配線材同士の分岐接続部を設けて複雑な配線パターンに対応するとよい。
また、本発明の配線方法は、薄板導体を絶縁フィルムで挟んで薄板導体と絶縁フィルムを一体化した帯状配線材により所要の配線パターンの可撓性フラット配線材を形成し、この可撓性フラット配線材をパワーシートのシートアジャスタとクッションフレームの間の空間及び/又はシートアジャスタ内の空間に配線し、可撓性フラット配線材の端部をパワーシート内に組み込まれている各種部品に接続するようにしてもよい。
上記の配線方法においては、帯状配線材の折り曲げ、接合、重ね合わせ等の手段により、所要の配線パターンの可撓性フラット配線材を形成することができる。
本発明の配線方法においては、可撓性フラット配線材の端部にコネクタを取り付けておくとよい。
パワーシートの内部には、シートアジャスタの構成部品とクッションフレームとの間に狭い空間がある。またシートアジャスタ内にも構成部品の間に狭い空間がある。本発明においては、薄い可撓性フラット配線材を用いたことにより、上記のような狭い空間に余裕をもって配線することが可能となり、配線材の噛み込みや挟み込み等が発生しにくくなる。また狭いスペースにも余裕をもって配線できると共に、所要の配線パターンに形成された可撓性フラット配線材を使用するため、配線作業が容易になる。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して詳細に説明する。図1及び図2は本発明の一実施形態を示す。図において1はシートアジャスタである。このシートアジャスタ1は、1対ずつの固定レール3、可動レール5、機構部フレーム7などを備えている。またシートアジャスタ1内には、前後スライド調整用モーター9、前端部上下調整用モーター11、後端部上下調整用モーター13、リクライニング調整用モーター15などが組み込まれている。
固定レール3は、フロア接続ブラケット17により車体の床(図示せず)にボルト等により固定される。可動レール5は固定レール3上で前後方向にスライド可能になっている。可動レール5の移動は前後スライド調整用モーター9により行われる。すなわち、固定レール3と可動レール5内にはスクリューと固定ナット(図示せず)が組み込まれており、前記モーター9によってスライドスクリューが回転すると可動レール5が固定レール3上で前後方向に移動するようになっている。
機構部フレーム7は、可動レール5上に設置され、前端部と後端部が別々に上下調整できるようになっている。前端部の上下調整は、前端部上下調整用モーター11の回転で前部リンク機構19を駆動することにより行われる。また後端部の上下調整は、後端部上下調整用モーター13で後部リンク機構21を回転させることにより行われる。
機構部フレーム7の前後にはシートブラケット23が固定されている。このシートブラケット23上にはクッションフレーム25が設置され、その上にはクッションパッド27及びクッションカバー29が設置されている。
また機構部フレーム7の後端部には軸ピン31によりバックフレーム33が傾動可能に取り付けられている。バックフレーム33の背面にはバックボード35が取り付けられ、バックフレーム33の前面にはバックパッド37とバックカバー39が取り付けられている。またバックフレーム33にはランバーサポート調整用モーター41が組み付けられている。
バックフレーム33は、リクライニング調整用モーター15によってリクライニング調整が行えるようになっている。リクライニング調整は、モーター15によってバックフレーム33の下端を回転させることにより行われる。なおリクライニング調整用モーター15はバックフレーム33に組み付けてもよい。
自動車用パワーシートの内部には、上記のように各種部品が組み込まれているため(部品密度は図示の状態より高い)、ワイヤーハーネスのような太い配線材を配線しようとすると、配線ルートが制約されて、配線が非常に困難である。
そこで本発明は、薄い可撓性フラット配線材43を用いることとし、この可撓性フラット配線材43を、シートアジャスタ1とクッションフレーム25の間の空間S及びシートアジャスタ1内の各種部品の間の空間に配線するものである。可撓性フラット配線材43は、銅薄板からの打ち抜き加工、切り抜き加工、エッチング加工又は圧縮加工により所要の配線パターンの薄板導体を形成し、その薄板導体を両面から絶縁フィルムで挟んで熱プレス等により一体化し、絶縁フィルムを所要の形状に外形加工したものである。なお可撓性フラット配線材43は、予め所要の形状に外形加工した絶縁フィルムで薄板導体を挟んで熱プレス等により一体化したものであってもよい。
図3に可撓性フラット配線材43の一例を展開した状態で示す。この可撓性フラット配線材43は配線パターンの端部にそれぞれコネクタ45を取り付けたものである。なお、相手側の補機に可撓性フラット配線材43を直接接続するようにすれば、コネクタ45を取り付けなくてもよい場合もある。またこの可撓性フラット配線材43は、可撓性フラット配線材43同士の分岐接続部47を有している。分岐接続部47は配線パターンが複雑になる場合などに必要に応じて設けられるもので、設けなくてもよい場合もある。
前述のシートアジャスタ1とクッションフレーム25の間の空間S及びシートアジャスタ1内の各種部品の間の空間は非常に狭いものであるが、可撓性フラット配線材43は厚さが薄いので、狭い空間でも余裕をもって配線することが可能である。図1および図2に示すように、可撓性フラット配線材43はモーター9、11、13、15に接続される端部Aと、電源に接続される端部Bと、パワーシート操作スイッチに接続される端部Cを有している。図示の例では、端部Aはモーター9、11、13、15に接続され、端部Bは、機構部フレーム7とクッションフレーム25の間の隙間からパワーシート外に引き出されて電源に接続され、端部Cは機構部フレーム7とクッションフレーム25の間の隙間からパワーシート外に引き出されてパワーシート操作スイッチに接続される。可撓性フラット配線材43は厚さが薄いので、このような狭い隙間を通すことも可能である。
また可撓性フラット配線材43のランバーサポート調整用モーター41に接続される部分Dは、バックフレーム33とバックパッド37の間の空間(バックフレーム33とバックボード35の間の空間でもよい)に配線されている。
なお図1および図2では、可撓性フラット配線材43の端部にコネクタが図示されていないが、可撓性フラット配線材43の端部には図3のようにコネクタを取り付けておくことが配線作業を簡略化する上で好ましい。
また可撓性フラット配線材としては、薄板導体を絶縁フィルムで挟んで薄板導体と絶縁フィルムを一体化した帯状の配線材を、折り曲げ、接合、重ね合わせ等の手段により所要の配線パターンに形成したものを使用することもできる。
本発明に係るパワーシートの配線方法の一実施形態を示す断面図。 図1のパワーシートの配線方法の底面図。 本発明に用いる可撓性フラット配線材の一例を示す斜視図。
符号の説明
1:シートアジャスタ
3:固定レール
5:可動レール
7:機構部フレーム
9、11、13、15:モーター
25:クッションフレーム
33:バックフレーム
35:バックボード
37:バックパッド
41:モーター
43:可撓性フラット配線材
45:コネクタ

Claims (5)

  1. 所要の配線パターンに形成された薄板導体を絶縁フィルムで挟んで薄板導体と絶縁フィルムを一体化して所要のパターンの可撓性フラット配線材を形成し、この可撓性フラット配線材を、パワーシートのシートアジャスタとクッションフレームの間の空間及び/又はシートアジャスタ内の空間に配線し、可撓性フラット配線材の端部をパワーシート内に組み込まれている各種部品に接続することを特徴とする車両用パワーシートの配線方法。
  2. 可撓性フラット配線材同士の分岐接続部を設けて複雑な配線パターンに対応することを特徴とする請求項1記載の車両用パワーシートの配線方法。
  3. 薄板導体を絶縁フィルムで挟んで薄板導体と絶縁フィルムを一体化した帯状配線材により所要の配線パターンの可撓性フラット配線材を形成し、この可撓性フラット配線材をパワーシートのシートアジャスタとクッションフレームの間の空間及び/又はシートアジャスタ内の空間に配線し、可撓性フラット配線材の端部をパワーシート内に組み込まれている各種部品に接続することを特徴とする車両用パワーシートの配線方法。
  4. 帯状配線材の折り曲げ、接合、重ね合わせ等の手段により、所要の配線パターンの可撓性フラット配線材を形成することを特徴とする請求項3記載の車両用パワーシートの配線方法。
  5. 可撓性フラット配線材の端部にコネクタが取り付けられていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の車両用パワーシートの配線方法。
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