JP2006193410A - プラズマディスプレイパネル用誘電体材料 - Google Patents
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Abstract
【課題】 従来から使用されている非鉛系ガラス粉末よりも高い誘電率を有し、しかも、ガラス基板に適合する熱膨張係数を有し、500〜600℃で焼成することが可能なプラズマディスプレイパネル用誘電体材料を提供することである。
【解決手段】 本発明のプラズマディスプレイパネル用誘電体材料は、ZnO−B2O3−K2O系非鉛ガラスに、Nb2O5+La2O3+WO3 1〜30質量%を含有してなるガラス粉末からなることを特徴とする。
【選択図】なし
【解決手段】 本発明のプラズマディスプレイパネル用誘電体材料は、ZnO−B2O3−K2O系非鉛ガラスに、Nb2O5+La2O3+WO3 1〜30質量%を含有してなるガラス粉末からなることを特徴とする。
【選択図】なし
Description
本発明は、プラズマディスプレイパネル用誘電体材料に関し、特に、前面ガラス基板上に形成される透明誘電体層の形成に用いられる誘電体材料に関するものである。
プラズマディスプレイは、自己発光型のフラットパネルディスプレイであり、軽量薄型、高視野角等の優れた特性を備えており、また大画面化が可能であることから、将来性のある表示装置の一つとして注目されている。
プラズマディスプレイパネルの前面ガラス基板には、AgやCr−Cu−Crからなるプラズマ放電用の走査電極が形成され、その上に放電維持のために約30〜40μmの透明な誘電体層が形成される。
一般に、プラズマディスプレイパネルの前面ガラス基板や背面ガラス基板には、ソーダライムガラスや高歪点ガラスが使用されており、ガラス基板への誘電体層の形成にあたっては、ガラス基板の変形を防止し、電極との反応を抑えるために、500〜600℃程度の温度域で焼成する方法が採られている。それ故、誘電体材料には、ガラス基板の熱膨張係数に適合し、500〜600℃で焼成できることが求められている。
また、誘電体層は、高い耐電圧を有すると共に、高い透明性を有する必要があるため、誘電体材料には、焼成時に泡が抜けやすいこと、例え、泡が残存する場合も大きな泡にならないことも求められている。
上記の要求特性を満たすものとして、特許文献1に示すようなPbO−B2O3−SiO2系の鉛ガラス粉末を用いた誘電体材料が使用されてきたが、近年、環境保護の高まりや環境負荷物質の使用削減の動きから、特許文献2に示すようなZnO−B2O3−K2O系の非鉛ガラス粉末を用いた誘電体材料も使用されるようになってきている。
特開平11−11979号公報
特開2000−313635号公報
しかしながら、特許文献1に示すような鉛系ガラスの誘電率が9〜12であるのに対し、特許文献2に示すようなZnO−B2O3−K2O系非鉛ガラスの誘電率は7以下と低いため、上記の非鉛ガラスで作製した誘電体層は、画像を映し出すための放電特性も低くなる。鉛系ガラス粉末からなる誘電体層と同等の放電効率を得るには、誘電体層の膜厚を薄くする必要があるが、誘電体層の膜厚が薄くなると、絶縁性の確保が困難となる。そのため、非鉛系ガラス粉末と鉛系ガラス粉末とは同様の条件で扱えないという問題があった。
本発明の目的は、非鉛系ガラス粉末を用いても、誘電率が高く、しかも、ガラス基板に適合する熱膨張係数を有し、600℃以下の温度で焼成することができ、透明性に優れた誘電体層を形成することが可能なプラズマディスプレイパネル用誘電体材料を提供することである。
本発明者等は種々の実験を行った結果、ZnO−B2O3−K2O系非鉛ガラス粉末からなる誘電体材料であっても、Nb2O5、La2O3及びWO3のいずれかの成分を添加することで、誘電率を高めることができることを見いだし提案するものである。
即ち、本発明のプラズマディスプレイパネル用誘電体材料は、ZnO−B2O3−K2O系非鉛ガラスに、Nb2O5+La2O3+WO3 1〜30質量%を含有してなるガラス粉末からなることを特徴とする。
本発明のプラズマディスプレイパネル用誘電体材料は、誘電率が高く、しかも、ガラス基板に適合する熱膨張係数を有し、600℃以下の温度で焼成でき、透明性に優れた誘電体を得ることができる。それ故、プラズマディスプレイパネル用誘電体材料として好適である。
本発明のプラズマディスプレイパネル用誘電体材料は、ZnO−B2O3−K2O系非鉛ガラスを基本組成とする。この系のガラスは、電極成分であるAgやCuとの反応を抑えてガラスの着色を抑制することができる特性を有している。更に、この系のガラスに、Nb2O5、La2O3及びWO3のいずれかの成分を添加している。このようにすることで、非鉛系ガラス粉末からなる誘電体材料であっても、誘電率が高く、透明性に優れた誘電体層を得ることができる。
尚、誘電率は、25℃、1MHzにおいて、8.0以上、特に、8.2以上となるように調整することが好ましい。誘電率が、8.0より小さくなると、放電特性を確保するために、誘電体層の膜厚を薄くしなければならなくなり、絶縁性の確保が困難となる。そのため、従来から用いられている鉛系ガラス粉末と同様の条件で扱い難くなる。
誘電率を8.0以上にするためには、ZnO−B2O3−K2O系ガラスに、Nb2O5、La2O3及びWO3を合量で1%以上含有させる必要がある。しかし、30%を超えて含有させると、ガラスが結晶化して透明な焼成膜が得難くなったり、ガラスの軟化点が高くなり、600℃以下の温度で焼成し難くなるため好ましくない。好ましい範囲は、2〜25%であり、より好ましくは、3〜20%である。
上記ZnO−B2O3−K2O系ガラスを用いるにあたり、600℃以下の温度で焼成できるようにするには、B2O3/ZnOの値を0.415〜0.680の範囲にすることが好ましい。B2O3/ZnOの値が0.415より小さくなると、結晶が析出しやすくなる傾向にあり、透明な焼成膜が得難くなる。一方、この値が0.680より大きくなるとガラスの軟化点が高くなる傾向にあり、600℃以下の温度で焼成しにくくなる。より好ましくは0.420〜0.675であり、さらに好ましくは0.450〜0.675である。
また、本発明に使用するZnO−B2O3−K2O系ガラス粉末は、透明性に優れ、ガラス基板に適合する熱膨張係数を有し、600℃以下の焼成で良好な流動性を示すガラスであれば制限はないが、特に、実質的にPbOを含有せず、質量百分率で、ZnO 20〜50%、B2O3 10〜40%、K2O 2〜20%、Li2O+Na2O 0〜10%、SiO2 0〜20%、Al2O3 0〜5%、CaO+SrO+BaO 0〜20%、Nb2O5+La2O3+WO3 1〜30%を含有するガラスを使用することが望ましい。
本発明においてガラスの組成を上記のように限定した理由は、次のとおりである。
ZnOはガラスを構成する主成分で有ると共に、軟化点を下げる成分であり、その含有量は20〜50%、好ましくは25〜47%である。ZnOの含有量が少なくなると上記効果が得難くなる。一方、含有量が多くなるとガラスが結晶化し易くなる傾向にあり、透明な焼成膜が得難くなる。
B2O3はガラスの骨格を形成するとともに、ガラス化範囲を広げる成分であり、その含有量は10〜40%、好ましくは15〜35%である。B2O3の含有量が少なくなるとガラスが結晶化し易くなる傾向にあり、透明な焼成膜が得難くなる。一方、含有量が多くなるとガラスの軟化点が高くなる傾向にあり、600℃以下の温度で焼成しにくくなる。また、熱膨張係数がガラス基板より大きくなる傾向にあり、ガラス基板の熱膨張係数と整合し難くなる。
尚、透明性に優れ、600℃以下の温度で焼成できる誘電体層を得るには、B2O3/ZnOの値を0.415〜0.680(より好ましくは0.420〜0.675、さらに好ましくは0.450〜0.675)の範囲にすることが好ましい。この値が小さくなると結晶が析出しやすくなる傾向にあり、透明な焼成膜が得難くなる。一方、この値が大きくなるとガラスの軟化点が高くなる傾向にあり、600℃以下の温度で焼成しにくくなる。
K2Oはガラスの軟化点を低下させたり、熱膨張係数を調整する働きがあり、また、電極成分であるAgやCuとの反応による黄変を抑制する成分であり、その含有量は2〜20%、好ましくは3〜15%である。K2Oの含有量が少なくなると上記効果が得難くなる。一方、含有量が多くなると熱膨張係数がガラス基板より大きくなる傾向にあり、ガラス基板の熱膨張係数と整合し難くなる。
Li2OやNa2Oはガラスを低融点化させたり、熱膨張係数を調整するために添加する成分であり、それらの成分は合量で0〜10%、好ましくは0〜5%である。これらの成分の合量が多くなると、K2Oを使用しても電極との反応による黄変を防止することが困難になる。また、結晶が析出しやすくなる傾向にあり、透明な焼成膜が得難くなる。
尚、Li2OやNa2Oを用いる場合、電極との反応による黄変や結晶の析出を防止するために、モル比で(Li2O+Na2O)/K2O≦1になるようにすることが望ましい。
SiO2はガラスの骨格を形成する成分であり、その含有量は0〜20%、好ましくは3〜15%である。SiO2の含有量が多くなるとガラスの軟化点が高くなる傾向にあり、600℃以下の温度で焼成し難くなる。
Al2O3はガラスの分相性を抑制すると共に、耐候性を向上させる成分であり、その含有量は0〜5%、好ましくは0〜3%である。Al2O3の含有量が多くなるとガラスの軟化点が高くなる傾向にあり、600℃以下の温度で焼成しにくくなる。
CaO、SrO及びBaOはガラスの軟化点を低下させたり、熱膨張係数を調整するために添加する成分であり、これらの成分は合量で0〜20%、好ましくは0〜16%である。これらの成分の合量が多くなると熱膨張係数がガラス基板より大きくなる傾向にあり、ガラス基板の熱膨張係数と整合し難くなる。
Nb2O5、La2O3及びWO3は、ガラスの誘電率を高める成分であり、それらの成分は合量で1〜30%、好ましくは2〜25%であり、より好ましくは、3〜20%である。それらの成分の合量が1%より少なくなると上記効果が得難くなる。一方、それらの成分の合量が30%より多くなると、ガラスが結晶化して透明な焼成膜が得られなくたったり、ガラスの軟化点が高くなり、600℃以下の温度で焼成できなくなる。
尚、La2O3及びWO3は、熱膨張係数を大きくする成分でもあるため、熱膨張係数をあまり大きくしたくない場合は、Nb2O5を必須成分と使用し、必要に応じてLa2O3及びWO3を併用することが望ましい。この場合、各成分の含有量は、Nb2O5 1〜25%、La2O3 0〜15%、WO3 0〜15%であることが好ましい。
また、Nb2O5及びWO3は、原料価格が他の成分に比べて著しく高いため、コストの上昇を抑えたい場合は、La2O3を必須成分と使用し、必要に応じてNb2O5及びWO3に加えて、BaOを併用することが望ましい。この場合、各成分の含有量は、La2O3 1〜25%、Nb2O5 0〜15%、WO3 0〜15%、BaO 0〜18%であることが好ましい。
さらに上記成分以外にも、要求される特性を損なわない範囲で種々の成分を添加することができる。例えば、ガラスの軟化点を低下させるために、Cs2OやRb2O等を合量で10%まで、AgやCuとの反応による黄変をより一層抑制するために、CuO、Bi2O3、Sb2O3、CeO2、MnO等を合量で10%まで、ガラスを安定化させたり、耐水性や耐薬品性を向上させるために、TiO2、ZrO2、SnO2、Ta2O5、P2O5等を合量で10%まで添加することができる。
本発明のプラズマディスプレイパネル用誘電体材料におけるガラス粉末の粒度は、平均粒径D50が3.0μm以下、最大粒径Dmaxが20μm以下のものを使用することが望ましい。いずれか一方でもその上限を超えると、焼成膜中に大きな泡が残存しやすくなるためである。
尚、本発明のプラズマディスプレイパネル用誘電体材料は、前面板に使用される透明誘電体、もしくは背面板に使用されるアドレス誘電体のいずれの用途においても使用することが可能であり、もちろんそれ以外の用途においても使用することができる。アドレス誘電体として使用する場合、焼成後の強度や外観の調節の為に、アルミナ、ジルコン、ジルコニア、ムライト、シリカ、チタニア、酸化スズ、等のセラミック粉末を45質量%までの範囲で含有させることができる。
次に、本発明のプラズマディスプレイパネル用誘電体材料の使用方法を説明する。本発明の材料は、例えばペーストやグリーンシートなどの形態で使用することができる。
ペーストの形態で使用する場合、上述したガラス粉末と共に、熱可塑性樹脂、可塑剤、溶剤等を使用する。ペースト全体に占めるガラス粉末の割合としては、30〜90質量%程度が一般的である。尚、セラミック粉末は必要に応じて使用する。
熱可塑性樹脂は、乾燥後の膜強度を高め、また柔軟性を付与する成分であり、その含有量は、0.1〜20質量%程度が一般的である。熱可塑性樹脂としてはポリブチルメタアクリレート、ポリビニルブチラール、ポリメチルメタアクリレート、ポリエチルメタアクリレート、エチルセルロース等が使用可能であり、これらを単独あるいは混合して使用する。
可塑剤は、乾燥速度をコントロールすると共に、乾燥膜に柔軟性を与える成分であり、その含有量は0〜10質量%程度が一般的である。可塑剤としてはブチルベンジルフタレート、ジオクチルフタレート、ジイソオクチルフタレート、ジカプリルフタレート、ジブチルフタレート等が使用可能であり、これらを単独あるいは混合して使用する。
溶剤は材料をペースト化するための材料であり、その含有量は10〜30質量%程度が一般的である。溶剤としては、例えばターピネオール、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタジオールモノイソブチレート等を単独または混合して使用することができる。
ペーストの作製は、ガラス粉末、セラミック粉末、熱可塑性樹脂、可塑剤、溶剤等を用意し、これを所定の割合で混練することにより行うことができる。
このようなペーストを用いて、誘電体層を形成するには、まず、これらのペーストをスクリーン印刷法や一括コート法等を用いて塗布し、所定の膜厚の塗布層を形成した後、乾燥させる。その後、焼成することで所定の誘電体層を得ることができる。
本発明の材料をグリーンシートの形態で使用する場合、上記ガラス粉末と共に、熱可塑性樹脂、可塑剤等を使用する。尚、セラミック粉末は必要に応じて添加する。
ガラス粉末のグリーンシート中に占める割合は、60〜80質量%程度が一般的である。
熱可塑性樹脂及び可塑剤としては、上記ペーストの調製の際に用いられるのと同様の熱可塑性樹脂及び可塑剤を用いることができ、熱可塑性樹脂の混合割合としては、5〜30質量%程度が一般的であり、可塑剤の混合割合としては、0〜10質量%程度が一般的である。
グリーンシートを作製する一般的な方法としては、上記ガラス粉末、セラミック粉末、熱可塑性樹脂、可塑剤等を用意し、これらにトルエン等の主溶媒や、イソプロピルアルコール等の補助溶媒を添加してスラリーとし、このスラリーをドクターブレード法によって、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のフィルムの上にシート成形する。シート成形後、乾燥させることによって溶媒や溶剤を除去し、グリーンシートとすることができる。
以上のようにして得られたグリーンシートを、ガラス層を形成すべき箇所に熱圧着して塗布層を形成した後に、上述のペーストの場合と同様に焼成して誘電体層を得る。
上記の説明においては、誘電体形成方法として、ペーストまたはグリーンシートを用いた方法を例にして説明しているが、本発明のプラズマディスプレイパネル用誘電体材料は、これらの方法に限定されるものではなく、感光性ペースト法、感光性グリーンシート法などその他の形成方法にも適用され得る材料である。
以下、本発明のプラズマディスプレイの誘電体材料を実施例に基づいて詳細に説明する。
表1〜6は、本発明の実施例(試料No.1〜19)及び比較例(試料No.20〜22)を示している。尚、試料No.22は、鉛系ガラスからなる従来品を示すものである。
表の各試料は、次のようにして調製した。
まず、質量%で表に示すガラス組成となるように原料を調合し、均一に混合した。次いで、白金ルツボに入れて1300℃で2時間溶融した後、溶融ガラスを薄板状に成形した。続いて、これらを流体エネルギーミルにて粉砕し、気流分級して平均粒径D50が3.0μm以下、最大粒径Dmaxが20μm以下のガラス粉末からなる試料を得た。このようにして得られたガラス粉末について誘電率、熱膨張係数、軟化点、ガラスの着色の有無及び結晶の析出の有無を評価した。
表から明らかなように、実施例である試料No.1〜19は、誘電率が8.4以上と高く、熱膨張係数は65〜84×10-7/℃であり、ガラス基板と整合するものであった。また、軟化点は605℃以下であり、600℃以下の温度で焼成できるものであった。更に、ガラスの着色や結晶の析出も殆どなく透明な焼成膜が得られた。
これに対し、比較例である試料No.20は、誘電率が9.8と高いものの、軟化点が650℃と高く、また、軟化点付近の温度で焼成しても、ガラスに結晶が析出し乳白して透明な焼成膜が得られなかった。また、試料No.21は、誘電率が6.8と低かった。
尚、誘電率については、各試料を粉末プレス成型し、焼成した後、2mmの板状体に研磨加工し、JIS C2141に基づいて測定し、25℃、1MHzにおける値を求めた。
熱膨張係数については、各試料を粉末プレス成型し、焼成した後、直径4mm、長さ40mmの円柱状に研磨加工し、JIS R3102に基づいて測定し、30〜300℃の温度範囲における値を求めた。
ガラスの軟化点については、マクロ型示差熱分析計を用いて測定し、第四の変曲点の値を軟化点とした。
焼成温度については、次のようにして測定した。まず、各試料をエチルセルロースの5%ターピネオール溶液に混合し、3本ロールミルにて混練してペースト化した。次いで、このペーストを、約30μmの焼成膜が得られるようにガラス基板上にスクリーン印刷法で塗布、乾燥し、電気炉中に入れた後10分間保持して焼成した。このようにして得られた焼成膜の上に油性インクを塗りつけた後、アルコールで拭き取り、インクが染み込まず、良好に拭き取れた際の温度を焼成温度とした。
ガラスの着色の有無及び結晶の析出の有無については、上記のようにして作製したペーストを、約30μmの焼成膜が得られるようにAg電極が形成されたソーダライムガラス基板上にスクリーン印刷法で塗布、乾燥し、電気炉中に入れた後、表中の焼成温度で10分間保持した。このようにして得られた焼成膜について、電極周辺部や焼成膜全体を目視で観察し着色の有無の評価を行い、次いで、光学顕微鏡を用いて結晶の析出の有無を評価した。尚、観察した焼成膜に、着色や結晶の析出が全く認められなかったものを「◎」、僅かに着色や結晶の析出が認められたものを「○」、明らかに着色や結晶の析出が認められたものを「×」として表中に示した。
Claims (5)
- ZnO−B2O3−K2O系非鉛ガラスに、Nb2O5+La2O3+WO3 1〜30質量%を含有してなるガラス粉末からなることを特徴とするプラズマディスプレイパネル用誘電体材料。
- 非鉛ガラスのB2O3/ZnOの値が、質量比で0.415〜0.680であることを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル用誘電体材料。
- 非鉛ガラスが、質量百分率で、ZnO 20〜50%、B2O3 10〜40%、K2O 2〜20%、Li2O+Na2O 0〜10%、SiO2 0〜20%、Al2O3 0〜5%、CaO+SrO+BaO 0〜20%、Nb2O5+La2O3+WO3 1〜30%を含有することを特徴とする請求項1または2に記載のプラズマディスプレイパネル用誘電体材料。
- 25℃、1MHzにおける誘電率が8.0以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル用誘電体材料。
- ガラス粉末の粒度は、平均粒径D50が3.0μm以下、最大粒径DMaxが20μm以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル用誘電体材料。
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