JP2006191517A - 温度補償型圧電発振器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 圧電振動片を収容するようにした圧電振動子と、温度センサを有する発振回路素子とを備えた温度補償型の圧電発振器であって、圧電振動子は前記圧電振動片と接続された電極部を有し、前記発振回路素子は、前記電極部と接続された接続端子52,59の近傍に、温度センサ12を配置するようにした。
【選択図】 図5
Description
図12は従来の圧電発振器1の概略断面図である(例えば、特許文献1参照)。
この図において、圧電発振器1は、圧電振動子2と、この圧電振動子2と電気的に接続された発振回路素子9とを備えている。
発振回路素子9は集積回路素子からなり、半田ボール7aや、基板上の端子7b、ボンディングワイヤ8を介して、外部端子6と電気的に接続されるようになっており、樹脂10で封止固定されている。
そして、発振回路素子9は、半導体センサなどでなる温度センサ(図示せず)を備えた温度補償回路を有し、これにより、温度を測定して、圧電振動子2の温度特性に起因する発振周波数の変化を制御するようにしている。
かくして、本発明によれば、圧電振動片の温度と温度センサで感知した温度との差異を低減して、圧電振動片の温度特性に起因する発振周波数の変化を正確に制御した圧電発振器を提供することができる。
第2の発明の構成によれば、複数の接続端子どうしを結ぶ仮想の直線上に温度センサが配置されているので、温度センサが複数の接続端子のそれぞれに対して近づいて、第1の発明に比べて、より正確に圧電振動片の温度を感知し易くなる。
第3の発明の構成によれば、出力バッファは、アンプにより増幅した信号を出力するようになっているので電流が多く流れ、発振回路素子の中で最も発熱する部位の一つである。しかし、この出力バッファは温度センサから遠ざけられているので、出力バッファから発熱した熱を温度センサが感知してしまうことを低減できる。
第4の発明の構成によれば、出力バッファから信号を出力するための出力端子は、外部に露出した導電部を利用して実装端子に接続されているので、出力バッファで発生した熱は導電部を介して放熱される。したがって、第3の発明に比べて、出力バッファの熱を温度センサが感知してしまうことを低減し、より正確に圧電振動子内の温度を測定できる。
第5の発明の構成によれば、出力端子はビアホールを利用して実装端子に接続されているので、出力バッファの熱は、ビアホールにより実装端子に導かれて、実装端子を介して大気に放出される。したがって、第4の発明に比べて、出力バッファの熱を放出する経路を増やして、出力バッファの熱を放出し易くし、温度センサが感知してしまうことを低減できる。
第6の発明の構成によれば、出力端子は、圧電振動片よりも外側に配置されているので、出力バッファの熱が圧電振動片に与える影響を抑制できる。
第7の発明の構成によれば、電極部と接続端子とは直接接合されているので、圧電振動片と温度センサとの距離を短くして、第1ないし第6の発明に比べて、より正確に圧電振動子内の温度を測定できる。
これらの図において、圧電発振器10は、圧電振動子21と、この圧電振動子21と電気的に接続された発振回路素子としての例えば集積回路素子(以下、「IC」という)60とを有する温度補償型の圧電発振器である。
圧電振動子21は、IC60側の実装面とは反対側の面に重ねて配置されており、内側に圧電振動片20を収容するようにしている。
本第1の実施形態では、例えば、絶縁材料として、酸化アルミニウム質のセラミックグリーンシートを成型して形成される複数の基板を積層した後に、焼結して形成されたパッケージ30を有し、このパッケージ30内に圧電振動片20を収容している。
すなわち、パッケージ30は、図3に示されるように、下から第1の基板30a、第2の基板30bを重ねて形成され、第2の基板30bの内側に所定の孔を形成することで、第2の基板30bを第1の基板30aに積層した場合に内側に所定の内部空間S1を形成するようにされている。
なお、パッケージ30は、圧電振動片20が収容される空間を有してれば、上述した構成に限られず、例えば、蓋体36の裏面側を凹状にして凹部空間を形成し、この凹部空間を内部空間S1にするようにしてもよい。
この電極部40,40は、圧電振動片20と接続されて、圧電振動片20の信号を入出力する金属材料である。
具体的には、本実施形態の電極部40,40は、下地にW(タングステン)およびNi(ニッケル)メッキ、表面にAu(金)メッキが施されて形成されている。そして、この電極部40,40と圧電振動片20とが、金属バンプ、あるいは銀製の細粒等の導電性の粒子を含有させたエポキシ系、ポリイミド系、またはシリコーン系等の導電性接着剤等の伝熱可能な接合材42,42を利用して、接合されている。
この外部端子62,62は、圧電振動子21とIC60とを接続するための端子であって、図3に示すように、電極部40から垂直に降ろすように形成したビアホール44内に充填された金属材料を介して、電極部40と電気的に接続されている。なお、ビアホール44内に充填された金属材料はタングステンである。
そして、外部端子62,62は、後述するIC60上の複数の接続端子と、それぞれ対向するように配置されており、図3及び図4においては、パッケージ30の裏面の左側に設けられている。
なお、パッケージ30の裏面には、外部端子62以外にも、複数の電極パターン63,64,65,66,67,68が形成されている。これらの電極パターンは圧電振動片20とは電気的に接続されておらず、後述するIC60に設けられた各端子を引き回すための導電パターンとなる。この各電極パターンについては後で詳細に説明する。
図において圧電振動片20は、矩形状にカットされた所謂ATカット振動片を利用しているが、これに限られず、所謂音叉型圧電振動片などであっても勿論よい。
そして、圧電振動片20の表裏面には励振電極23が形成されており、表裏面のそれぞれの励振電極23と電気的に接続された引出電極24,24が形成され、この引出電極24,24が接合材42,42と接続されている。なお、励振電極23および引出電極24は、下地層をクロム(Cr)とし、その上に金(Au)を成膜するようにして形成されている。
図5は圧電発振器10から圧電振動子21を取り外して、上面から見た場合の概略平面図であり、図6は圧電発振器10の概略回路ブロック図である。なお、図5の点線で示す部分は、圧電振動子21の裏面に設けられた外部端子や各電極パターンの位置を示している。また、図5では、理解の便宜のため、IC60の外形も図示している。
発振回路14は、接続端子52,59と接続されており、この接続端子52,59は、図3ないし図5に示すように、圧電振動片20と電気的に接続されている。すなわち、接続端子52,59は、圧電振動子21とはじめて電気的に接続される端子であって、本実施形態の場合、圧電振動子21の外部端子62,62との距離が短くなるように、外部端子62,62と対向するように配置され、電気的機械的に接合される材料、本実施形態ではバンプ61を利用して外部端子62,62と接合されている。
定電圧回路15は、電源電圧端子58と接続され、この電源電圧端子58は、図4および図5に示すように、圧電振動子21の裏面の電極パターン68、及び外部に露出したキャスタレーション上の導電部51eを介して、実装端子(図示せず)と接続されている。
また、定電圧回路15は、図6に示すように、発振回路14、出力バッファ16、及び後述する制御回路13や温度センサ12とともに、グランド端子55とも接続されており、このグランド端子55は、図4および図5に示すように、圧電振動子21の裏面の電極パターン65、及び外部に露出したキャスタレーション上の導電部51bを介して、実装端子64b(図1参照)と接続されている。なお、圧電振動子21の裏面の電極パターン65は、パッケージ30を引き回されて、導電材料からなるロウ材34及び蓋体36(図3参照)と電気的に接続されており、これにより蓋体36もアース接地されている。
具体的には、温度センサ12は、複数の接続端子どうしを結ぶ仮想の直線上、本実施形態では、接続端子52と接続端子59とを結ぶ仮想の直線L上に配置されている。すなわち、温度センサ12の両側に接続端子52と接続端子59とが配置されることで、接続端子52,59それぞれの温度を効率よく感知することができる。
また、温度センサ12は、接続端子52,59の出力端子56側でない近傍に配置されており、さらに、温度センサ12と出力バッファ16との間に、他の制御回路13や発振回路14、定電圧回路15を配置して、温度センサ12と出力バッファ16とを遠ざけるようにしている。これにより、温度センサ12は、IC60内で最も発熱する出力バッファ16の影響を抑制できる。
またIC60の端子の数等も図5に示す端子に限られるものではなく、例えば、図5に対応した変形例である図7に示すように、IC60の動作制御及び/または検査するため制御端子102,104を接続端子52,59どうしを結ぶ仮想の直線L上に配置してもよい。
また、温度センサ12は、複数の接続端子52,59どうしを結ぶ仮想の直線L上に配置されなくても、図7に示すように、接続端子52までの距離と、接続端子59までの距離とを略同様にするように配置して、接続端子52,59それぞれの温度を均等に感知するようにしてもよい。
この図において、図1ないし図7の圧電発振器10と同一の構成には、共通する符号を付して重複する説明は省略し、相違点を中心に説明する。
すなわち、第1の実施形態でも説明したように、出力端子56は、圧電振動子21の裏面に設けられた電極パターン66と接合され、この電極パターン66は、外部に露出した導電部51aを通じて実装端子64aと接続されている。
さらに、本第1の実施形態の第1の変形例では、電極パターン66と実装端子64aとは、外部に露出した導電部51aよりも出力端子56に近い位置に配置されたビアホール72内の導電材料を通じて、接続されている。
この図において、図1ないし図7の圧電発振器10と同一の構成には、共通する符号を付して重複する説明は省略し、相違点を中心に説明する。
すなわち、圧電発振器80では、出力バッファの信号を出力するための出力端子56が、圧電振動片20よりも外側に配置されている。
さらに、本実施形態では、出力端子56は、圧電振動子21よりも外側に配置され、出力端子56の上は圧電振動子21が接合されていない領域となっている。
そして、出力端子56は、バンプ61を用いて、例えばリードフレーム等の外部に露出した導電体74と接合でき、そして、この導電体74をキャスタレーション上の導電部51aを介して、実装端子64aと接続するようになっている。
また、本第2の変形例では、出力端子56と接続された導電体74は、外部に露出しているため、出力バッファで発生した熱を、より大気に放熱できる。
また、IC60の上に圧電振動子21が接合されていない領域があるため、この外部に開放された領域に、例えば制御端子67等を配置するようにしてもよい。これにより、制御及び/又は検査用のプローブをIC60の上(圧電振動子21の横)から当てることができる。したがって、制御端子を側面に形成した場合の、裏面の実装端子と側面の制御端子を同時にプローブにて当てるような複雑なプローブを使用しなくてもよい。
これらの図において、図1ないし図7の圧電発振器10と同一の構成には、共通する符号を付して重複する説明は省略し、相違点を中心に説明する。
すなわち、IC60の実装側の面およびこれと反対側の面(図10の上下面であって、以下、実装側の面を「下面」、反対の面を「上面」という。)にはエポキシあるいはポリイミド等でなる絶縁部79a,79bが形成されており、IC60上面の制御端子53,54,57、グランド端子55、出力端子56、電源電圧端子58は、上面の絶縁部79aで封止されている。そして、この封止されたIC60上面の各端子は、IC60のビアホール82内の配線部83を利用して、IC60の下面の絶縁部79bから露出した各端子と接続されている。
また、IC60のビアホール82内面と配線部83との間には絶縁層85が設けられている。
また、上面の絶縁部79aには、裏面側が凹状に形成された蓋体36が封止材81で接合されており、絶縁部79aおよび蓋体36に囲まれた空間により内部空間S1が形成されている。すなわち、上面の絶縁部79aは、圧電振動子21のパッケージ30の底部も兼ねるようになっている。
具体的には、電極部76,76の夫々には、IC60側(図10で下側)に突出した凸部76aが形成されており、各凸部76aが各貫通孔78内に挿入され、絶縁部79aから形成される各貫通孔78内で、凸部76a,76aと接続端子52,59とが、それぞれ接合されている。
さらに、本実施形態では、凸部76aの水平面積と電極部76の水平面積とを略合わせることで、接続端子52,59と電極部76,76との接触面積が大きくなるように形成されている。
また、電極部76,76のそれぞれには、内部空間S1側に凹部76bが形成され、この凹部76b内に接合材42が付着し、これにより、第1の実施形態に比べて、接合材42と電極部76,76との接触面積を大きくしている。
また、本第2の実施形態では、凸部76aの水平面積と電極部76の水平面積とを略合わせることで、接続端子52,59と電極部76,76との接触面積が大きくなるように形成されているので、電極部76,76の温度が接続端子52,59にさらに伝達され易くなって、温度センサがより正確に圧電振動子21内の温度を測定できる。
Claims (7)
- 圧電振動片を収容するようにした圧電振動子と、温度センサを有する発振回路素子とを備えた温度補償型の圧電発振器であって、
前記圧電振動子は前記圧電振動片と接続された電極部を有し、
前記発振回路素子は、前記電極部と接続された接続端子の近傍に、前記温度センサを配置するようにした
ことを特徴とする温度補償型圧電発振器。 - 前記接続端子は複数形成されており、これら複数の接続端子どうしを結ぶ仮想の直線上に前記温度センサが配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の温度補償型圧電発振器。
- 前記発振回路素子は、アンプにより増幅した信号を出力する出力バッファを有しており、この出力バッファは、前記温度センサとの間に他の回路を配置するようにして、前記温度センサから遠ざけられていることを特徴とする、請求項1または2に記載の温度補償型圧電発振器。
- 前記出力バッファから信号を出力するための出力端子は、外部に露出した導電部を利用して実装端子に接続されていることを特徴とする、請求項3に記載の温度補償型圧電発振器。
- 前記出力端子はビアホールを利用して実装端子に接続されていることを特徴とする、請求項4に記載の温度補償型圧電発振器。
- 前記出力端子は前記圧電振動片よりも外側に配置されていることを特徴とする、請求項4または5のいずれかに記載の温度補償型圧電発振器。
- 前記電極部と前記接続端子とは直接接合されていることを特徴とする、請求項1ないし6のいずれかに記載の温度補償型圧電発振器。
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