JP2006190798A - 半導体装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、発熱素子により加熱されたヒートシンクからの熱が制御素子を搭載した第2リードフレームに伝播することを抑制し、制御素子の温度上昇を最小限に抑えることにより、スイッチング損失の少ない半導体装置を実現することを目的とする。
【解決手段】 本発明の1つの態様による半導体装置は、表面および裏面を含む少なくとも1つの第1および第2のリードフレームと、第1のリードフレームの表面上に搭載された発熱素子と、第2のリードフレームの表面上に搭載された、発熱素子より発熱量の少ない制御素子と、第1のリードフレームの裏面に対向または当接し、第2のリードフレームの裏面に対向しない放熱ブロックと、発熱素子、制御素子、および放熱ブロックを封止する樹脂パッケージとを備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、半導体装置に関し、とりわけ発熱素子および制御素子を内蔵するトランスファモールド型半導体装置に関する。
近年、モータやヒータなどの電子機器に流れる大電流を信頼性よく制御する電力用半導体装置(インテリジェント・パワーモジュール(以下、単に「IPM」という。))に対する需要がますます増大している。こうしたIPMは、概略、駆動時に大量の熱を発する発熱素子(例えば、絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT))と、発熱素子に過電流が流れた場合に、その駆動を安全に停止するように制御する制御素子(例えば、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)チップ)とを有する。
一般に、制御素子のスイッチング時間は、その温度により変動し、とりわけ制御素子の温度が上昇すると増大する。したがって、発熱素子から生じた熱が同一の樹脂パッケージ内に内蔵された制御素子に伝わり、制御素子の温度が上昇すると、IPMのスイッチング損失が増大してしまう。
制御素子の放熱性を改善することにより、制御素子の温度上昇を抑える手法が、これまでにも提案されている。例えば、特開平8−255868号の図1に示す半導体装置によれば、アナログICチップとディジタルICチップをそれぞれ絶縁されたダイパッド金属板に載置固定することにより、ディジタルICチップ自身から生じる熱を外部に効率よく放熱することが開示されている。
特開平8−255868号公報
しかしながら、一般に、IGBTなどのアナログICチップから生じる熱は、CMOSなどのディジタルICチップから生じる熱よりもはるかに大きく、IGBTが搭載された金属板上にさらに放熱フィンを設けて、アナログICチップからの熱をよりいっそう効率よく放熱することが求められるが、従来技術を示す前記特許文献1の図2において、一対の金属板上に放熱フィンを配設すると、アナログICチップからの熱が放熱フィンを介してディジタルICチップに伝播し、ディジタルICチップの放熱性は、むしろ悪くなってしまう。換言すると、この従来技術による半導体装置によれば、より莫大な熱を生じるアナログICチップをより効率よく冷却するために、放熱フィンを金属板上に設けることができない。
そこで本発明は、発熱素子から生じる熱を効率よく放熱する放熱フィンを取り付けることができ、しかも発熱素子からの熱が制御素子に伝播することを抑制することができる半導体装置を提供することを目的とする。
本発明の1つの態様による半導体装置は、表面および裏面を含む少なくとも1組の第1および第2のリードフレームと、前記第1のリードフレームの前記表面上に搭載された発熱素子と、前記第2のリードフレームの前記表面上に搭載された、前記発熱素子より発熱量の少ない制御素子と、前記第1のリードフレームの前記裏面に対向または当接し、前記第2のリードフレームの前記裏面に対向しない放熱ブロックと、前記発熱素子、前記制御素子、および前記放熱ブロックを封止する樹脂パッケージとを備える。
本発明の1つの態様によれば、発熱素子により加熱された放熱ブロックからの熱が制御素子を搭載した第2リードフレームに伝播することを抑制し、制御素子の温度上昇を最小限に抑えることにより、スイッチング損失の少ない半導体装置を実現することができる。
以下、添付図面を参照して本発明に係る半導体装置の実施の形態を説明する。各実施の形態の説明において、理解を容易にするために方向を表す用語(例えば、「X方向」、「Y方向」、「Z方向」、「上方」、および「下方」など)を適宜用いるが、これは説明のためのものであって、これらの用語は本発明を限定するものでない。
実施の形態1.
ここで図1〜図4を参照しながら、本発明に係るトランスファモールド型半導体装置の実施の形態1について以下に説明する。図1に示す実施の形態1の半導体装置1は、概略、複数の第1リードフレーム10と、複数の第2リードフレーム20と、これらのリードフレーム10,20の全体を封止する樹脂パッケージ30とを有する。
また、図2に示す断面図において、樹脂パッケージ30は、第1リードフレーム10の表面11および第2リードフレーム20の表面21に対向する上面31と、第1リードフレーム10の裏面13および第2リードフレーム20の裏面23に対向する下面33とを有する。また、第1リードフレーム10の表面11上には、例えば、フリーホィールダイオードチップ(FWDチップ)12aおよび絶縁ゲート型バイポーラトランジスタチップ(IGBTチップ)12bなどのスイッチング駆動時に極めて大きな熱を生じる少なくとも1つ発熱素子12が半田などの導電性接着剤(図示せず)を用いて搭載されている。同様に、第2リードフレーム20の表面21上には、例えば、IGBTチップ12bに過電流が流れた場合に、そのスイッチング駆動を安全に停止するように制御する相補型金属酸化膜半導体(CMOS)チップなどの制御素子22が導電性接着剤(図示せず)を用いて搭載されている。本願においては、発熱素子12としてFWDチップ12aおよびIGBTチップ12bを例示し、制御素子22の一例としてCMOSチップ22を開示したが、発熱素子12は大量の熱を生じる任意の回路素子であり、同様に制御素子22は発熱素子12よりも発熱量の少ない任意の回路素子であって、発熱素子12および制御素子22の具体的機能は本発明を限定するものではない。
本発明に係る実施の形態1の半導体装置1によれば、図3に示す断面図において、図中の最も左側にある第1リードフレーム10aの表面11上には、3つの発熱素子12が搭載され、その他の第1リードフレーム10b,10c,10dには、それぞれ1つずつの発熱素子12が搭載されるように図示されている。また、この半導体装置1は、第1リードフレーム10の裏面13(図2)に当接して固定される複数のヒートシンク40a〜40f(図3)を有する。これらのヒートシンク40は、銅またはアルミニウムなどの良好な熱導電性を有する金属ブロック(放熱ブロック)で構成されており、それぞれの発熱素子12から生じる熱を効率よく下方に伝達することができる。そして上述のように、発熱素子12、制御素子22、およびヒートシンク40は、樹脂パッケージ30により全体が包囲されるように封止されている。このように、実施の形態1による半導体装置1は、分割ヒートシンク構造を有するトランスファモールド型IPMである。
さらに本発明の実施の形態1によれば、各ヒートシンク40は、図2に示すように、第1リードフレーム10を超えて第2リードフレーム20に向かってX方向に延びることなく、第2リードフレーム20の裏面23は、ヒートシンク40に対向しない。
こうして構成された半導体装置1において、発熱素子12で生じた熱は、ヒートシンク40に伝播し、ヒートシンク40を介して直ちに樹脂パッケージ30の下面33から効率よく放熱される。また、図2および図3に示すように、好適には、放熱フィン50が樹脂パッケージ30の下面33に当接するように取り付けられ、樹脂パッケージ30の下面33からの熱がよりいっそう効果的に放熱される。上述のように、ヒートシンク40は、第2リードフレーム20の下方まで延伸することなく、第2リードフレーム20の裏面23に対向しない(図2)。したがって、実施の形態1によれば、発熱素子12により昇温したヒートシンク40から第2リードフレーム20に熱が伝播することを抑制し、制御素子22の温度上昇を最小限に抑えることができ、スイッチング損失の少ない半導体装置1を実現することができる。
ところで、独立した各ヒートシンク40は、対応するそれぞれの第1リードフレーム10の裏面13に当接して固定されるので、図3に示すように、各ヒートシンク40a〜40fはそれぞれの第1リードフレーム10a〜10dにぶら下がった状態で、樹脂パッケージ30がトランスファモールド成形される。このとき、ヒートシンク40が第1リードフレーム10に固定されると、第1リードフレーム10は、一般に、ヒートシンク40の重みにより下方に沈降する傾向があるが、第1リードフレーム10a〜10dのそれぞれは、ヒートシンク40の同一重量に対して、強度または沈降の度合いにおいて互いに差異(ばらつき)を有する。したがって、図4に示すように、各ヒートシンク40a〜40fと樹脂パッケージ30の下面33の間の距離(厚み)にも互いに差異(ばらつき)が生じ、最も大きく沈降するヒートシンク(例えば40d)と樹脂パッケージ30の下面33の間の距離が、必要最小限度の絶縁耐圧を担保するように設計しなければならない。
しかしながら、本発明に係る実施の形態1によれば、各ヒートシンク40a〜40fは第1リードフレーム10を超えて第2リードフレーム20に向かってX方向に延びることなく、各ヒートシンク40a〜40fの重量を従来のものより実質的に軽量化することができるので、各第1リードフレーム10が沈降する度合いのばらつきを低減することができ、ひいては各ヒートシンク40と樹脂パッケージ30の下面33の間の厚みを薄くすることができる。したがって、実施の形態1によれば、半導体装置1のZ方向の厚みを薄く形成できるとともに、必要最小限度の絶縁耐圧を確保しながら、各ヒートシンク40からの放熱効果を改善することができる。
変形例1〜4.
図5を参照しながら、本発明に係る実施の形態1の変形例1〜4について以下に説明する。変形例1〜4による半導体装置1は、概略、樹脂パッケージ30が第2リードフレーム20と放熱フィン50の間において形成された空隙を有する点を除いて、実施の形態1の半導体装置1と同様の構成を有するので、重複する部分に関する詳細な説明を省略する。
変形例1.
図5および図6に示す変形例1の半導体装置1において、第2リードフレーム20の下方にある樹脂パッケージ30の一部を切除することにより、第2リードフレーム20と放熱フィン50(または樹脂パッケージ30の下面33を含むX−Y平面)との間に切り欠き部(空隙)51を形成する。すなわち、樹脂パッケージ30は、第2リードフレーム20の裏面23と放熱フィン50の間において形成された切り欠き部51を有する。この切り欠き部51は、大気と連通し、樹脂パッケージ30よりさらに低い熱伝導性を有するので、発熱素子12、ヒートシンク40、そして放熱フィン50に伝播した熱が、逆に、樹脂パッケージ30を介して制御素子22に伝わることを防止することができる。したがって、変形例1の半導体装置1によれば、放熱フィン50から制御素子22に逆に伝播する熱を抑制することができ、実施の形態1よりさらにスイッチング損失の少ない半導体装置1を実現することができる。
変形例2.
択一的には、変形例2の半導体装置1は、図7および図8に示すように、第2リードフレーム20の下方にある樹脂パッケージ30の下面33にY方向に延びる通路部(空隙)52を形成してもよい。この通路部52は、変形例1の切り欠き部51と同様、第2リードフレーム20と放熱フィン50(または樹脂パッケージ30の下面33a,33bを含むX−Y平面)の間に空隙を形成する。したがって、変形例2の半導体装置1によれば、変形例1と同様に、放熱フィン50から制御素子22に逆に伝播する熱を抑制することができ、実施の形態1よりさらにスイッチング損失の少ない半導体装置1を実現することができる。
変形例2の半導体装置1のさらなる効果として、とりわけ図7に示すように、通路部52の両側にある樹脂パッケージ30の下面33a,33bが同一平面上にあるので、半導体装置1を放熱フィン50上に安定的に載置できる。すなわち、変形例1に比して、半導体装置1を放熱フィン50に固定する際の作業性を格段に向上することができる。
変形例3.
さらに別の変形例3において、半導体装置1は、図9および図10に示すように、樹脂パッケージ30の下面33から制御素子22に向かって上方向(Z方向)に延びる複数の縦孔部(空隙)53を有していてもよい。各縦孔部53は、図10においては、個々の制御素子22の周辺部を含むX−Y平面領域の下方にZ方向に延びるように図示されているが、一連の制御素子22全体の周辺部を含むX−Y平面領域の下方に、単一の縦孔部(図示せず)を設けてもよい。このように構成された縦孔部53は、変形例1の切り欠き部51および変形例2の通路部52と同様、第2リードフレーム20と放熱フィン50(または樹脂パッケージ30の下面33を含むX−Y平面)の間に空隙を形成する。したがって、変形例3の半導体装置1によれば、変形例1および2と同様に、発熱素子12により加熱された放熱フィン50から制御素子22に逆に伝播する熱を抑制することができ、実施の形態1よりさらにスイッチング損失の少ない半導体装置1を実現することができる。また、変形例1の半導体装置1のように、樹脂パッケージ30の下面33に実質的な段差を生じることなく、半導体装置1を容易に、かつ安定的に放熱フィン50に固定することができる。
変形例4.
さらに別の変形例4によれば、半導体装置1は、図11に示すように、X−Y平面に実質的に平行に延びるスリット(空隙)54を有していてもよい。このスリット54は、上記変形例1〜3と同様、第2リードフレーム20と放熱フィン50の間に空隙を形成する。したがって、変形例4の半導体装置1によれば、変形例1〜3と同様に、発熱素子12により加熱された放熱フィン50から制御素子22に逆に伝播する熱を抑制することができ、実施の形態1よりさらにスイッチング損失の少ない半導体装置1を実現することができる。また、変形例4の半導体装置1は、容易にかつ安定的に放熱フィン50に固定することができる。
実施の形態2.
次に、図12および図13を参照しながら、本発明に係るトランスファモールド型半導体装置の実施の形態2について以下に説明する。なお、実施の形態1と同様の構成部品については、同様の符号を用いて説明する。実施の形態2の半導体装置2は、実施の形態1の半導体装置1と同様、複数の第1リードフレーム10および第2リードフレーム20を有する。また、実施の形態2の半導体装置2は、図12および図13に示すように、第1リードフレーム10の表面11上に搭載された発熱素子12a,12bと、第2リードフレーム20の表面上に搭載された制御素子22と、第1リードフレーム10の裏面11と対向する単一のヒートシンク(放熱ブロック)42とを有する。さらに、実施の形態2によれば、図13の底面図に示すように、ヒートシンク42の下面43が露出するように、発熱素子12、制御素子22、およびヒートシンク42を封止する樹脂パッケージ30が設けられている。樹脂パッケージ30は、上面31および下面33を有する。ヒートシンク42は、銅またはアルミニウムなどの良好な熱導電性を有する金属ブロック(放熱ブロック)で構成されている。すなわち、実施の形態2による半導体装置2は、一体型ヒートシンク構造を有するトランスファモールド型IPMである。
本発明に係る実施の形態2のヒートシンク42は、第1リードフレーム10を超えてY方向に延びることなく、第2リードフレーム20の裏面23と対向せず、第1リードフレーム10の裏面13にのみ対向する。
こうして構成された半導体装置2によれば、実施の形態1と同様、発熱素子12で生じた熱は、ヒートシンク42に伝播して、その下面43から外部に効率よく放熱される。また、図12に示すように、好適には、放熱フィン50がヒートシンク42の下面43に当接するように取り付けられ、ヒートシンク42の下面43からの熱がよりいっそう効果的に放熱される。このとき、ヒートシンク42は、第2リードフレーム20の下方まで延伸することなく、第2リードフレーム20の裏面23に対向しないため(図12)、ヒートシンク42から第2リードフレーム20に熱が伝播しにくくなり、制御素子22の温度上昇をできるだけ小さく抑えることができる。こうして、本発明の実施の形態2によれば、スイッチング損失の少ない半導体装置2を実現することができる。
なお、当業者ならば容易に理解されるように、実施の形態1に対する変形例1〜4は、実施の形態2の半導体装置2に対しても同様に適用することができる。すなわち、第2リードフレーム20と放熱フィン50の間における樹脂パッケージ30に空隙を設けることにより、発熱素子12により加熱された放熱フィン50から制御素子22に逆に伝播する熱を抑制し、実施の形態2よりさらにスイッチング損失の少ない半導体装置2を実現することができる。第2リードフレーム20と放熱フィン50(または樹脂パッケージ30の下面33を含むX−Y平面)の間において形成された樹脂パッケージ30の空隙とは、具体的には、樹脂パッケージ30と放熱フィン50の間の切り欠き部51(図5および図6)、樹脂パッケージ30の下面33にY方向に延びる通路部52(図7および図8)、個々の制御素子22または一連の制御素子22全体の周辺部を含むX−Y平面領域の下方に形成された複数または単一の縦孔部53(図9および図10)、およびX−Y平面に実質的に平行に延びるスリット(図11)のうちのいずれかであってもよい。
実施の形態3.
次に、図14および図15を参照しながら、本発明に係るトランスファモールド型半導体装置の実施の形態3について以下に説明する。なお、実施の形態1および2と同様の構成部品については、同様の符号を用いて説明する。本発明に係る実施の形態3の半導体装置3は、上記説明した実施の形態の半導体装置と同様、複数の第1リードフレーム10および第2リードフレーム20を有する。また、実施の形態3の半導体装置3は、概略、図14および図15に示すように、第1リードフレーム10の表面11上に搭載された発熱素子12a,12bと、第2リードフレーム20の表面21上に搭載された制御素子22と、貫通孔付きヒートシンク(放熱ブロック)44とを有する。実施の形態3によれば、図15の底面図に示すように、貫通孔付きヒートシンク44の下面45が露出するように、発熱素子12、制御素子22、およびヒートシンク42を封止する樹脂パッケージ30が設けられている。樹脂パッケージ30は、上面31および下面33を有する。このように、実施の形態3による半導体装置3は、実施の形態2と同様、一体型ヒートシンク構造を有するトランスファモールド型IPMである。
実施の形態3による貫通孔付きヒートシンク44は、銅またはアルミニウムなどの良好な熱導電性を有する金属ブロック(放熱ブロック)からなり、とりわけ図15に示すように、第1および第2ブロック部44a,44bと、これらを連結して支持する一対のブリッジ部44c,44dとから構成される。図14に示すように、第1ブロック部44aは、第1リードフレーム10の裏面13に対向し、第1リードフレーム10を実質的に超えてX方向に延びることがない。同様に、第2ブロック部44bは、第2リードフレーム20の裏面23に対向し、第2リードフレーム20を実質的に超えて第1リードフレーム10に向かって延伸しない。こうして、実施の形態3の貫通孔付きヒートシンク44は、第1および第2リードフレーム10,20の間においてZ方向に延びる貫通孔46が形成される。この貫通孔46は、トランスファモールド成形されると、その内部にモールド樹脂が充填される。
このように構成された半導体装置3によれば、ヒートシンク44より熱伝導性の低いモールド樹脂が貫通孔46内に充填されるので、発熱素子12で生じ第1ブロック部44aに伝わった熱が第2ブロック部44bに伝播することを抑制することができる。その結果、第2リードフレーム20上の制御素子22の温度上昇を極力抑えることができる。したがって、本発明の実施の形態3によれば、スイッチング損失の少ない半導体装置3を実現することができる。
実施の形態4.
次に、図16〜図19を参照しながら、本発明に係るトランスファモールド型半導体装置の実施の形態4について以下に説明する。なお、実施の形態1〜3と同様の構成部品については、同様の符号を用いて説明する。実施の形態4の半導体装置4は、上記説明した実施の形態の半導体装置と同様、複数の第1リードフレーム10および第2リードフレーム20を有する。また、この半導体装置4は、概略、図16に示すように、第1リードフレーム10の表面11上に搭載された発熱素子12a,12bと、第2リードフレーム20の表面21上に搭載された制御素子22と、第1および第2リードフレーム10,20に対向するヒートシンク(放熱ブロック)47と、ヒートシンク47の下面48が露出するように、発熱素子12、制御素子22、およびヒートシンク47を封止する樹脂パッケージ30とを備える。すなわち、実施の形態4による半導体装置4は、実施の形態2および3と同様、一体型ヒートシンク構造を有するトランスファモールド型IPMである。
図16および図17に示す実施の形態4の半導体装置4において、樹脂パッケージ30は、上面31および下面33を有し、上面31から下面33に向かって下方(−Z方向)に延びる複数の断熱孔35を有する。これらの各断熱孔35は、発熱素子12と制御素子22の間に設けられ、樹脂よりさらに熱伝導率の低い大気と連通しているので、発熱素子12から制御素子22に直接的に伝播する熱を遮断することができる。こうして、本発明の実施の形態4によれば、制御素子22の温度上昇を極力抑え、スイッチング損失の少ない半導体装置4を実現することができる。
なお、実施の形態4で上記説明した断熱孔35は、例えば図18に示すように(半導体装置2)、実施の形態1〜3の半導体装置1〜3にも適用することができる。さらに、例えば図19に示すように(半導体装置3)、樹脂パッケージ30の下面33から上面31に向かって上方に延びるように断熱孔35を形成することができる。これらの断熱孔35は、発熱素子12と制御素子22の間に配置されるので、発熱素子12から制御素子22に直接的に伝播する熱を遮断することができる。したがって、同様に、制御素子22の温度上昇を極力抑え、スイッチング損失の少ない半導体装置4を実現することができる。
実施の形態5.
次に、図20を参照しながら、本発明に係るトランスファモールド型半導体装置の実施の形態5について以下に説明する。なお、実施の形態1〜4と同様の構成部品については、同様の符号を用いて説明する。実施の形態5の半導体装置5は、上記説明した実施の形態の半導体装置と同様、複数の第1リードフレーム10および第2リードフレーム20を有する。また半導体装置5は、図20に示すように、第1リードフレーム10の表面11上に搭載された発熱素子12a,12bと、第2リードフレーム20の表面21上に搭載された制御素子22と、第1および第2リードフレーム20に対向するヒートシンク(放熱ブロック)60と、ヒートシンク60の下面61が露出するように、発熱素子12、制御素子22、およびヒートシンク60を封止する樹脂パッケージ30とを備える。樹脂パッケージ30は、上面31および下面33を有する。このように、実施の形態5による半導体装置5は、実施の形態2〜4と同様、一体型ヒートシンク構造を有するトランスファモールド型IPMである。
図20に示す本発明に係る実施の形態5の半導体装置5は、ヒートシンク60が第1リードフレーム10の裏面13と対向する第1の対向領域62と、第2リードフレーム20の裏面23と対向するX−Y平面と実質的に平行な第2の対向領域64とを有する。第1および第2の対向領域62,64はX−Y平面と実質的に平行である。また、図20に示す半導体装置5において、第1リードフレーム10の裏面13と第1の対向領域62とのZ方向の距離hが第2リードフレーム20の裏面23と第2の対向領域64とのZ方向の距離hより小さく(h>h)なるように構成されている。このように、実施の形態5の半導体装置5によれば、第2リードフレーム20の裏面23の下方にあるヒートシンク60の一部が切除され、第1リードフレーム10と第1の対向領域62の間よりも、第2リードフレーム20と第2の対向領域64の間の方が、厚く樹脂モールドされる。したがって、モールド樹脂の熱伝導率はヒートシンク60を構成する金属材料よりも低いので、ヒートシンク60から第2リードフレーム20に伝わる熱を抑制することができる。こうして、制御素子22の温度上昇を極力抑え、スイッチング損失の少ない半導体装置5を実現することができる。
実施の形態6.
次に、図21を参照しながら、本発明に係るトランスファモールド型半導体装置の実施の形態6について以下に説明する。なお、実施の形態1と同様の構成部品については、同様の符号を用いて説明する。実施の形態6の半導体装置6は、上記説明した実施の形態の半導体装置と同様、複数の第1リードフレーム10および第2リードフレーム20を有する。また半導体装置6は、図21に示すように、第1リードフレーム10の表面11上に搭載された発熱素子12a,12bと、第2リードフレーム20の表面21上に搭載された制御素子22と、第1リードフレーム10に当接し、第2リードフレーム20に対向するヒートシンク(放熱ブロック)40と、発熱素子12、制御素子22、およびヒートシンク40を全体的に封止する樹脂パッケージ30とを備える。すなわち、実施の形態6による半導体装置6は、実施の形態1と同様、分割型ヒートシンク構造を有するトランスファモールド型インテリジェント・パワーモジュールである。
本発明に係る実施の形態6の半導体装置6において、図21に示すように、樹脂パッケージ30は、上面31および下面33を有し、樹脂パッケージ30の上面31上に一連の凹部36および凸部37を有する。すなわち、制御基板70に取り付けられた際の樹脂パッケージ30の制御基板70側の上面31上に複数の凹部36および凸部37を有する。こうして、発熱素子12から生じた熱が、樹脂パッケージ30の制御基板70側の上面31から効率よく放熱され、制御素子22に伝播する熱を低減することができる。
また、樹脂パッケージ30の上面31と発熱素子12の間に別のヒートシンクを設けることなく、発熱素子12を十分に放熱することができるので、樹脂パッケージ30全体の厚みを低減し、半導体装置6を薄厚化することができる。
さらに、図21において、樹脂パッケージ30の上面31と制御基板70が距離dだけ離間するように、第1および第2リードフレーム10,20は、樹脂パッケージ30の上面31を超えて上方に延びている。このように構成された半導体装置6は、樹脂パッケージ30の上面31からの放熱性を確保しつつ、制御基板70への実装性を確保することができる。
好適には、凹部36および凸部37は、図21に示すように、発熱素子12の上方に形成され、発熱素子12の真上に凹部36が形成される。こうして、発熱素子12からの熱をさらに効果的に放熱することができる。したがって、実施の形態6によれば、制御素子22の温度上昇を極力抑え、スイッチング損失の少ない半導体装置6を実現することができる。
なお、この実施の形態で説明した制御基板70側の上面31上の一連の凹部36および凸部37は、分割型ヒートシンク構造を有するトランスファモールド型インテリジェント・パワーモジュールのみならず、一体型ヒートシンク構造を有するトランスファモールド型インテリジェント・パワーモジュールにも同様に形成して、発熱素子12からの効果的な放熱を実現することができる。
本発明に係る実施の形態1の半導体装置の斜視図である。 図1のII−II線から見た断面図である。 図1のIII−III線から見た断面図である。 図4と同様の断面図である。 実施の形態1の変形例1を示す図2と同様の断面図である。 変形例1を示す概略的な側面図である。 実施の形態1の変形例2を示す図2と同様の断面図である。 変形例2を示す概略的な側面図である。 実施の形態1の変形例3を示す図2と同様の断面図である。 下から見た変形例3の底面図である。 実施の形態1の変形例4を示す図2と同様の断面図である。 本発明に係る実施の形態2の半導体装置の断面図である。 下から見た実施の形態2の底面図である。 本発明に係る実施の形態3の半導体装置の断面図である。 下から見た実施の形態3の底面図である。 本発明に係る実施の形態4の半導体装置の断面図である。 上から見た実施の形態4の平面図である。 実施の形態4の変形例を示す図16と同様の断面図である。 実施の形態4の別の変形例を示す図16と同様の断面図である。 本発明に係る実施の形態5の半導体装置の断面図である。 本発明に係る実施の形態6の半導体装置の断面図である。
符号の説明
1〜6 半導体装置、10 第1リードフレーム、12 発熱素子、20 第2リードフレーム、22 制御素子、30 樹脂パッケージ、31 上面、33 下面、40,42,44,47,60 ヒートシンク、46 貫通孔、50 放熱フィン、51 切り欠き部、52 通路部、53 縦孔部、54 スリット、70 制御基板。

Claims (7)

  1. 表面および裏面を含む少なくとも1組の第1および第2のリードフレームと、
    前記第1のリードフレームの前記表面上に搭載された発熱素子と、
    前記第2のリードフレームの前記表面上に搭載された、前記発熱素子より発熱量の少ない制御素子と、
    前記第1のリードフレームの前記裏面に対向または当接し、前記第2のリードフレームの前記裏面に対向しない放熱ブロックと、
    前記発熱素子、前記制御素子、および前記放熱ブロックを封止する樹脂パッケージとを備えたことを特徴とする半導体装置。
  2. 前記樹脂パッケージは、前記第1および第2のリードフレームの前記表面に対向する上面と、前記第1および第2のリードフレームの前記裏面に対向する下面とを有し、前記第2のリードフレームの前記裏面と、該下面を含む平面との間おいて形成された空隙を有することを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  3. 表面および裏面を含む少なくとも1組の第1および第2のリードフレームと、
    前記第1のリードフレームの前記表面上に搭載された発熱素子と、
    前記第2のリードフレームの前記表面上に搭載された、前記発熱素子より発熱量の少ない制御素子と、
    前記第1のリードフレームの前記裏面および前記第2のリードフレームの前記裏面に対向する放熱ブロックと、
    前記第1および第2のリードフレームの前記表面に対向する上面と、前記第1および第2のリードフレームの前記裏面に対向する下面とを有し、前記放熱ブロックの少なくとも一部が露出するように、前記発熱素子、前記制御素子、および前記放熱ブロックを封止する樹脂パッケージとを備え、
    前記放熱ブロックは、前記第1のリードフレームおよび前記第2のリードフレームの間で、前記上面および前記下面に対して垂直な方向に延びる貫通孔を有することを特徴とする半導体装置。
  4. 表面および裏面を含む少なくとも1組の第1および第2のリードフレームと、
    前記第1のリードフレームの前記表面上に搭載された発熱素子と、
    前記第2のリードフレームの前記表面上に搭載された、前記発熱素子より発熱量の少ない制御素子と、
    前記第1のリードフレームの前記裏面に対向または当接する放熱ブロックと、
    前記第1および第2のリードフレームの前記表面に対向する上面と、前記第1および第2のリードフレームの前記裏面に対向する下面とを有し、前記発熱素子、前記制御素子、および前記放熱ブロックを封止する樹脂パッケージとを備え、
    前記樹脂パッケージは、前記発熱素子と前記制御素子の間において、前記上面または前記下面から垂直方向に延びる断熱溝を備えることを特徴とする半導体装置。
  5. 表面および裏面を含む少なくとも1組の第1および第2のリードフレームと、
    前記第1のリードフレームの前記表面上に搭載された発熱素子と、
    前記第2のリードフレームの前記表面上に搭載された、前記発熱素子より発熱量の少ない制御素子と、
    前記第1リードフレームの前記裏面に対向する第1の対向領域と、前記第2のリードフレームの前記裏面に対向する第2の対向領域とを有する放熱ブロックと、
    前記放熱ブロックの少なくとも一部が露出するように、前記発熱素子、前記制御素子、および前記放熱ブロックを封止する樹脂パッケージとを備え、
    前記第1リードフレームの前記裏面と前記放熱ブロックの前記第1の対向領域との間の距離(h)が、前記第2リードフレームの前記裏面と前記放熱ブロックの前記第2の対向領域との間の距離(h)より小さいことを特徴とする半導体装置。
  6. 表面および裏面を含む少なくとも1組の第1および第2のリードフレームと、
    前記第1のリードフレームの前記表面上に搭載された発熱素子と、
    前記第2のリードフレームの前記表面上に搭載された、前記発熱素子より発熱量の少ない制御素子と、
    前記第1のリードフレームの前記裏面に対向または当接する放熱ブロックと、
    前記第1および第2のリードフレームの前記表面に対向する上面と、前記第1および第2のリードフレームの前記裏面に対向する下面とを有し、前記発熱素子、前記制御素子、および前記放熱ブロックを封止する樹脂パッケージとを備え、
    制御基板が前記上面に対向して配設され、
    前記上面上に少なくとも1つの凹部および凸部が形成されることを特徴とする半導体装置。
  7. 前記凹部が前記発熱素子の真上に形成されることを特徴とする請求項6に記載の半導体装置。

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