JP2006189870A - 電子写真感光体,電子写真画像の形成装置,電子写真カートリッジ,電子写真ドラム,画像形成装置,およびナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体 - Google Patents

電子写真感光体,電子写真画像の形成装置,電子写真カートリッジ,電子写真ドラム,画像形成装置,およびナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体 Download PDF

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横田 三郎
Kyung-Yol Yon
連 卿烈
Kaname Makino
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Hwan-Koo Lee
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Abstract

【課題】ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体を含む電子写真感光体,電子写真カートリッジ,電子写真ドラム,および電子写真画像の形成装置を提供する。
【解決手段】本発明によれば,ニトロ基を含む非対称ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体を感光層もしくは中間層に含むことを特徴とする,電子写真感光体,電子写真カートリッジ,電子写真ドラム,および電子写真画像の形成装置が提供される。ニトロ基を含む非対称ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体は,有機溶媒に対する溶解性及びバインダー樹脂との相溶性だけでなく,電子輸送能も優秀であるため,この誘導体を利用して製造された電子写真感光体は,優秀な静電特性を示す。
【選択図】図2

Description

本発明は,電子写真感光体,電子写真画像の形成装置,電子写真カートリッジ,電子写真ドラム,画像形成装置,およびナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体に関する。
電子写真感光体は,レーザプリンタ,複写機,CRTプリンタ,FAX,LEDプリンタ,液晶プリンタ及びレーザ電子写真などの電子写真法で使用される。電子写真感光体は,導電性支持体上に感光層を備え,プレート,ディスク,シート,ベルト,ドラムなどの形態を有する。電子写真法において,画像は,電子写真感光体を利用して次のような過程を通じて形成される。
まず,感光層の表面を均一に静電気的に帯電させ,帯電された表面を光パターンに露光させることによって画像が形成される。露光は,表面に光が衝突された照射領域の電荷を選択的に消散させることによって,帯電及び非帯電領域のパターン,いわゆる潜像を形成する。次いで,湿式または乾式トナーが潜像の隣接部位に提供され,トナー液滴または粒子が帯電または非帯電の領域のうち何れか一つの部位に付着されて感光層の表面上にトナー画像を形成する。上記トナー画像は,紙のような適当な最終または中間受容表面に転写及び定着されるか,または感光層が画像に対する最終受容体として機能できる。その後,残留トナーは清掃され,残留電荷は,電子写真感光体から除去される。
電子写真感光体は,2つの類型に大別される。第1類型は,積層型であってバインダー樹脂及び電荷発生物質(Charge Generating Material:CGM)を含む電荷発生層と,バインダー樹脂及び電荷輸送物質(主に正孔輸送物質(Hole Transporting Material:HTM))を含む電荷輸送層の積層構造を有し,一般的に,(−)型の電子写真感光体の製造に利用される。第2類型は,単層型であってバインダー樹脂,CGM,HTM及び電子輸送物質(Electron Transporting Material:ETM)それぞれを単一層に含む構造であり,一般的に,(+)型の電子写真感光体の製造に利用される。
(+)型の単層型電子写真感光体の長所は,人体に有害なオゾンの発生が少なく,単一感光層であるために製造コストが低いという点である。このような単層型電子写真感光体を構成する物質のうち最も核心的なものは,ETMである。これは,現在使われているETMの電子輸送能が,HTMの正孔輸送能より一般的に100倍以上小さく,単層型電子写真感光体の性能は,ETMの電子輸送能に左右されるためである。
ETMの電子輸送能は,ETM分子の有機溶媒に対する溶解性及び高分子バインダー樹脂との相溶性に大きく影響を受ける。現在用いられているETMとしては,下記化学式iで表示されるジシアノフルオレノン誘導体,下記化学式iiで表されるジフェノキノン誘導体,特許文献1及び2に開示された下記化学式iiiで表されるナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体,および特許文献3に開示された下記化学式ivで表されるナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体等が知られている。
Figure 2006189870
ここで,Rは,置換または非置換のアルキル基またはアリール基である。
Figure 2006189870
ここで,R,R,R,およびRは,独立的に置換もしくは非置換のアルキル基,シクロアルキル基,アリール基またはアルコキシ基を表す。
Figure 2006189870
ここで,RおよびRは,独立的に置換もしくは非置換のアリール基,スルホニル基,スルホン基であり,R,R,R,およびRは,独立的に水素原子,炭素数1〜4のアルキル基,炭素数1〜4のアルコキシ基またはハロゲンを表し,nは,0〜3である。
Figure 2006189870
ここで,Rは,水素原子,アルキル基,アルコキシル基,またはハロゲン原子であり,RとRとは異なり,それぞれ置換もしくは非置換のアルキル基,アルコキシル基またはアリール基であり,Rは,水素原子,置換もしくは非置換アルキル基,アルコキシル基またはアリール基である。
米国特許4,992,349号明細書 米国特許4,442,193号明細書 米国特許6,127,076号明細書 米国特許5,952,140号明細書 特開平5−027469号公報
しかし,化学式iのジシアノフルオレノン誘導体及び化学式iiのジフェノキノン誘導体は,有機溶媒に対する溶解性だけでなく,各化合物自体の電子輸送能が不良であり,これらの化合物をETMとして使用して製作された電子写真感光体は,反復帯電露光時に帯電電位の深刻な低下,および露光電位の上昇などの問題点が現れる。
一方,化学式iii及び化学式ivのナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体は,一般的に,優れた電子輸送能を示すことが知られている。しかし,これらの化合物は,有機溶媒に対する溶解性及び高分子バインダー樹脂との相溶性が不十分であり,電子写真感光体を製作した際に,感光層の表面が結晶化されて感光体の静電特性に悪影響を及ぼす恐れがあるという問題点がある。
したがって,上記のような従来のETMを利用して製作された電子写真感光体,特に,単層型電子写真感光体は,反復使用時に帯電電位の深刻な低下及び露光電位の上昇などの問題点がある。電子写真感光体の表面電位は,一定レベルの電位に維持されねばならないが,このような帯電電位の低下及び露光電位の上昇は,画像品質の低下につながる。
そこで,本発明は,このような問題に鑑みてなされたもので,その目的は,有機溶媒に対する溶解性と高分子バインダー樹脂との相溶性に優れるだけでなく,電子輸送能に優れた,新規かつ改良されたナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体,電子写真感光体,電子写真画像の形成装置,電子写真カートリッジ,電子写真ドラム,および画像形成装置を提供することにある。
上記課題を解決するために,本発明の第1の観点によれば,支持体と上記支持体上に形成された感光層とを含む電子写真感光体であって,上記感光層は,下記化学式1のナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体を含む電子写真感光体が提供される。
上記課題を解決するために,本発明の第2の観点によれば,支持体と,上記支持体上に形成された中間層と,上記中間層上に形成された感光層とを含む電子写真感光体であって,上記中間層は,下記化学式1のナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体を含む電子写真感光体が提供される。
上記課題を解決するために,本発明の第3の観点によれば,電子写真感光体を含む電子写真画像の形成装置であって,上記電子写真感光体は,支持体及び上記支持体上に形成された感光層を含み,上記感光層は,下記化学式1のナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体を含む電子写真画像の形成装置が提供される。
上記課題を解決するために,本発明の第4の観点によれば,電子写真感光体を含む電子写真画像の形成装置であって,上記電子写真感光体は,支持体,上記支持体上に形成された中間層及び上記中間層上に形成された感光層を含み,上記中間層は,下記化学式1のナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体を含む電子写真画像の形成装置が提供される。
上記課題を解決するために,本発明の第5の観点によれば,支持体および上記支持体上に形成された感光層を含み,上記感光層は,下記化学式1のナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体を含む電子写真感光体と,上記電子写真感光体を帯電させる帯電装置,上記電子写真感光体上に形成された静電潜像を現像する現像装置,および上記電子写真感光体の表面をクリーニングするクリーニング装置からなる群より選択された少なくとも何れか一つとを備え,画像形成装置に着脱自在に装着されることを特徴とする電子写真カートリッジが提供される。
上記課題を解決するために,本発明の第6の観点によれば,支持体,上記支持体上に形成された中間層,および上記中間層上に形成された感光層を含み,上記中間層は下記化学式1のナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体を含む電子写真感光体と,上記電子写真感光体を帯電させる帯電装置,上記電子写真感光体上に形成された静電潜像を現像する現像装置,および上記電子写真感光体の表面をクリーニングするクリーニング装置からなる群より選択された少なくとも何れか一つとを備え,画像形成装置に着脱自在に装着されることを特徴とする,電子写真カートリッジが提供される。
上記課題を解決するために,本発明の第7の観点によれば,画像形成装置に着脱自在に装着されるドラムと,上記ドラム上に配置された電子写真感光体と,を備える電子写真ドラムであって,上記電子写真感光体は,導電性支持体および上記導電性支持体上に形成された感光層を備え,上記感光層は,下記化学式1のナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体を含むことを特徴とする電子写真ドラムが提供される。
上記課題を解決するために,本発明の第8の観点によれば,画像形成装置に着脱自在に装着されるドラムと,上記ドラム上に配置された電子写真感光体と,を備える電子写真ドラムであって,上記電子写真感光体は,支持体,上記支持体上に形成された中間層,および上記中間層上に形成された感光層を備え,上記中間層は,下記化学式1のナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体を含むことを特徴とする,電子写真ドラムが提供される。
上記課題を解決するために,本発明の第9の観点によれば,支持体および上記支持体上に形成された感光層を含み,上記感光層が下記化学式1のナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体を含む感光体ユニットと,上記感光体ユニットを帯電させる帯電装置と,
上記感光体ユニット上に静電潜像を形成するために上記帯電された感光体ユニットを画像化された光で照射する画像化光照射装置と,上記感光体ユニット上にトナー画像を形成するために上記静電潜像をトナーで現像する現像ユニットと,受容体上に上記トナー画像を転写する転写装置とを備える画像形成装置が提供される。
上記課題を解決するために,本発明の第10の観点によれば,支持体,上記支持体上に形成された中間層,および上記中間層上に形成された感光層を備え,上記中間層が下記化学式1のナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体を含む感光体ユニットと,上記感光体ユニットを帯電させる帯電装置と,上記感光体ユニット上に静電潜像を形成するために上記帯電された感光体ユニットを画像化された光で照射する画像化光照射装置と,上記感光体ユニット上にトナー画像を形成するために上記静電潜像をトナーで現像する現像ユニットと,受容体上に上記トナー画像を転写する転写装置とを備える画像形成装置が提供される。
上記課題を解決するために,本発明の第11の観点によれば,下記化学式1で表示されるナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体が提供される。
Figure 2006189870
ここで,上記のR1,R2,R3,R4,R5,R6,およびR7は,それぞれ独立的に水素原子,ハロゲン原子,炭素数1〜20の置換もしくは非置換のアルキル基,炭素数1〜20の置換もしくは非置換のアルコキシ基,炭素数6〜30の置換もしくは非置換のアリール基,および炭素数7〜30の置換もしくは非置換のアラルキル基からなる群より選択された何れか一つである。
上記の電子写真感光体,電子写真カートリッジ,電子写真ドラム,電子写真画像の形成装置,および画像形成装置に用いられるナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体は,下記化合物1〜8から選択されてもよい。
Figure 2006189870
Figure 2006189870
Figure 2006189870
Figure 2006189870
Figure 2006189870
Figure 2006189870
Figure 2006189870
Figure 2006189870
上記化学式1で表されるニトロ基を含有する非対称ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体は,従来のナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体に比べて,有機溶媒に対する溶解性及び高分子バインダー樹脂との相溶性に優れる。また,上記化学式1の誘導体は,電子輸送能も優秀である。したがって,この新たな構造のナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体をETMとして利用すれば,特に,単層型電子写真感光体として有用な感光体が得られる。上記化学式1で表示されるナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体が電子写真感光体,特に,電荷発生層及び電荷輸送層を有する複層型電子写真感光体に添加された場合には,露光電位が低下され,かつ電荷,特に正孔が支持体から感光層に注入されることを効果的に防止できる。
本発明によれば,長期間反復使用されても表面電位を一定に維持する特性に優れた,ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体を用いた電子写真感光体,電子写真画像の形成装置,電子写真カートリッジ,電子写真ドラム,および画像形成装置を提供することができる。
以下に添付図面を参照しながら,本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお,本明細書及び図面において,実質的に同一の機能構成を有する構成要素については,同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
本発明の第1の実施形態に係る下記化学式1のナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体は,非対称構造を有するため,有機溶媒に対する溶解性及び高分子バインダー樹脂との相溶性に優れる。また,電子親和性が高いニトロ基の導入によって,電子輸送能もさらに向上する。したがって,この化合物をETMとして利用すれば,静電特性に優れる実用的な電子写真感光体が得られる。
Figure 2006189870
ここで,R1,R2,R3,R4,R5,R6,およびR7は,それぞれ独立的に,例えば,水素原子,ハロゲン原子,炭素数1〜20の置換もしくは非置換のアルキル基,炭素数1〜20の置換もしくは非置換のアルコキシ基,炭素数6〜30の置換もしくは非置換のアリール基,および炭素数7〜30の置換もしくは非置換のアラルキル基からなる群より選択された何れか一つである。
上記ハロゲン原子は,例えば,フッ素,塩素,臭素,ヨウ素を意味する。
上記アルキル基は,例えば,炭素数1〜20の直線型もしくは分枝型アルキル基であり,望ましくは,炭素数1〜12の直線型もしくは分枝型アルキル基である。上記アルキル基の例としては,例えば,メチル,エチル,n−プロピル,イソプロピル,n−ブチル,イソブチル,sec−ブチル,tert−ブチル,ペンチル,へキシル,1,2−ジメチル−プロピル,2−エチル−へキシル等が挙げられる。上記アルキル基は,例えば,フッ素,塩素,臭素またはヨウ素のようなハロゲン原子に置換されてもよい。
上記アルコキシ基は,例えば,炭素数1〜20の直線型もしくは分枝型アルコキシ基であり,望ましくは,炭素数1〜12の直線型もしくは分枝型アルコキシ基である。上記アルコキシ基の例としては,例えば,メトキシ,エトキシ,プロポキシ基が挙げられる。上記アルコキシ基は,例えば,フッ素,塩素,臭素またはヨウ素のようなハロゲン原子に置換されてもよい。
上記アラルキル基は,例えば,炭素数7〜30の直線型もしくは分枝型アラルキル基であり,望ましくは,炭素数7〜15の直線型もしくは分枝型アラルキル基である。上記アラルキル基の具体的な例は,例えば,ベンジル基,メチルベンジル基,フェニルエチル基,ナフチルメチル基,ナフチルエチル基が挙げられる。上記アラルキル基は,例えば,フッ素,塩素,臭素もしくはヨウ素のようなハロゲン原子,アルキル基,アルコキシ基,ニトロ基,ヒドロキシ基,スルホン酸基に置換されてもよい。
上記アリール基は,例えば,炭素数6〜30の芳香族環を意味する。その例としては,例えば,フェニル,トリル,キシリル,ビフェニル,o−テルペニル,ナフチル,アントラセニル,フェナントレニルが挙げられる。上記アリール基は,例えば,アルキル基,アルコキシ基,ニトロ基,ヒドロキシ基,スルホン酸基またはハロゲン原子に置換されてもよい。
本実施形態に係る化学式1によるニトロ基を含む非対称ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体の具体的な例としては,例えば,次の化合物が挙げられる
Figure 2006189870
Figure 2006189870
Figure 2006189870
Figure 2006189870
Figure 2006189870
Figure 2006189870
Figure 2006189870
Figure 2006189870
上述した化合物1〜8の化学構造から分かるように,本実施形態に係るナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体は,非対称構造を有することが分かる。ここで,“非対称”とは,ナフタレンテトラカルボン酸構造における2個のイミド結合の窒素に結合された2個のフェニル基に,異なる置換基が導入されていることを意味する。このような非対称構造によって,本実施形態に係るナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体は,有機溶媒に対する優秀な溶解性及び高分子バインダー樹脂への優れた相溶性を有する。したがって,本実施形態に係るナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体は,電子輸送能が顕著に向上する。それだけでなく,上記ジイミド誘導体は,電子親和性の高いニトロ基の導入によって,電子輸送能が従来のナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体より向上する。本実施形態において,ニトロ基は,例えば,アリール基の4−位に置換される。
次いで,本実施形態に係るナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体の製造方法について説明する。
本実施形態に係るナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体は,下記化学式2のナフタレンテトラカルボン酸二無水物を下記化学式3及び4の置換もしくは非置換アニリン系化合物と反応させて得られる。
Figure 2006189870
Figure 2006189870
Figure 2006189870
ここで,R1,R2,R3,R4,R5,R6,およびR7は,先に定義されたものと同じ置換基を意味する。
反応溶媒としては,例えば,ジメチルホルムアミド(DMF),ジメチルアセトアミド(DMAc),へキサメチルホスフォアミド(HMPA),N−メチル−2−ピロリドン(NMP)などの極性有機溶媒を使用することが望ましい。また,反応温度は,例えば,反応溶媒の沸点−20℃〜反応溶媒の沸点に設定することが望ましく,反応溶媒の沸点−10℃〜反応溶媒の沸点に設定することがさらに望ましい。
上記反応は,通常的に,次のように進められる。まず,DMF,DMAc,HMPA,NMPなどの極性有機溶媒に,化学式2で表示されるナフタレンテトラカルボン酸二無水物化合物を溶解させる。次いで,化学式3及び4で表示されるアニリン系化合物を上記溶液に滴加した後,例えば,3〜24時間,望ましくは,3〜10時間還流させて,ニトロ基を含む非対称ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体を得る。
上記反応において,化学式2のナフタレンテトラカルボン酸二無水物化合物:化学式3のアニリン系化合物:化学式4のアニレン系化合物のモル比は,例えば,1:1:1であることが望ましい。
上記反応で,化学式2の化合物における両側のイミド窒素それぞれに化学式3の化合物が反応するか,または化学式2の化合物における両側のイミド窒素それぞれに化学式4の化合物が反応すれば,対称型ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体が得られる。
このような対称型ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体は,本実施形態に係る非対称型ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体より有機溶媒に対する溶解度が顕著に低い。したがって,このような有機溶媒に対する溶解度の差を利用すれば,本実施形態に係るニトロ基を含む非対称ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体を分離できる。
続いて,本実施形態に係る化学式1のニトロ基を含む非対称ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体を含む電子写真感光体を採用した電子写真画像の形成装置,電子写真感光体ドラム,電子写真カートリッジについて説明する。
図1は,本発明の第1の実施形態に係る電子写真画像の形成装置30,電子写真感光体ドラム28,29,及び電子写真カートリッジ21の模式図である。電子写真カートリッジ21は,通常的に電子写真感光体29,電子写真感光体29を帯電させる一つ以上の帯電装置25,電子写真感光体29上に形成された静電潜像を現像する現像装置24,及び電子写真感光体29の表面をクリーニングするクリーニング装置26を備える。電子写真カートリッジ21は,画像形成装置30に着脱自在に装着される。
本実施形態に係る電子写真感光体29は,ドラム28上に設置されて電子写真感光体ドラム28,29を形成し,電子写真感光体ドラム28,29は,一般的に画像形成装置30に着脱自在に装着される。
一般的に,画像形成装置30は,感光体ユニット(例えば,電子写真感光体ドラム28,29),上記感光体ユニットを帯電させる帯電装置25,上記感光体ユニット上に静電潜像を形成するために上記帯電された感光体ユニットを画像化された光で照射する画像化光照射装置22,上記感光体ユニット上にトナー画像を形成するために静電潜像をトナーで現像する現像装置24,及び紙Pのような受容体上に上記トナー画像を転写する転写装置27を備え,上記感光体ユニットは,後述する電子写真感光体29を含む。帯電装置25は,帯電ユニットとして電圧を供給され,かつ上記電子写真感光体と接触してこれを帯電させうる。画像形成装置30はまた,次のサイクルを準備するために電子写真感光体の表面上の残留電荷を消去するための予備露光ユニット23を備えることもできる。
本実施形態に係る化学式1のナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体を含む電子写真感光体は,レーザプリンタ,複写機,FAXなどの電子写真画像の形成装置に統合されることもできる。
以下,図1で説明された本実施形態に係る電子写真画像の形成装置に採用された化学式1のナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体を含む電子写真感光体について,具体的に説明する。
本実施形態に係る電子写真感光体は,導電性支持体上に形成された感光層を含む構造を有する。上記導電性支持体としては,例えば,金属,導電性ポリマーからなるプレート,ディスク,シート,ベルト,ドラムなどが挙げられる。上記金属としては,例えば,アルミニウム,ステンレススチールなどが挙げられる。上記導電性ポリマーとしては,例えば,ポリエステル樹脂,ポリカルボン酸塩樹脂,ポリアミド樹脂,ポリイミド樹脂,及びこれらの混合物,上記樹脂の製造に使われたモノマーの共重合体に導電性カーボン,酸化スズ,酸化インジウムなどの導電性物質を分散させたものが挙げられる。
上記感光層は,電荷発生層と電荷輸送層とが別途に形成された積層型または一つの層に電荷発生及び電荷輸送の機能を共に有するようにした単層型であってもよい。
本実施形態に係る化学式1のナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体は,電荷輸送物質,望ましくは,ETMとして作用する。積層型感光層の場合は,電荷輸送層に含まれ,単層型感光層の場合には,CGMと共に単一層に含まれる。
感光層に使われうるCGMとしては,例えば,フタロシアニン系顔料,アゾ系顔料,キノン系顔料,ペリレン系顔料,インジゴ系顔料,ビスベンゾイミダゾール系顔料,キナクリドン系顔料,アズレニウム系染料,スクアリリウム系染料,ピリリウム系染料,トリアリールメタン系染料,シアニン系染料などの有機材料と,アモルファスシリコン,アモルファスセレン,三方晶セレン,テルル,セレン−テルル合金,硫化カドミウム,硫化アンチモン,硫化亜鉛などの無機材料が挙げられる。感光層に使われうるCGMは,これに限定されず,またこれらを単独に使用してもよいが,2種類以上のCGMを混合して使用してもよい。
積層型感光体の場合には,上記CGMをバインダー樹脂と共に溶媒に分散させて,浸漬塗布,リング塗布,ロール塗布,スプレイ塗布などの方法で成膜して電荷発生層を形成する。電荷発生層の厚さは,通常,約0.1〜約1μmの範囲内に設定することが望ましい。上記厚さが0.1μm未満であれば,感度が足りないという問題点があり,1μmを超えれば,帯電能及び感度が低下するという問題点がある。
上記積層型感光層の電荷発生層上には,本実施形態に係る化学式1のナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体を含む電荷輸送層が形成されるが,層構成を逆に電荷輸送層上に電荷発生層を設置してもよい。電荷輸送層を形成するために,上記化学式1のナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体とバインダー樹脂とを溶媒として溶解させた溶液を塗布する方法が使われうる。塗布方法としては,感光層の場合と同様に,浸漬塗布,リング塗布,ロール塗布,スプレイ塗布などが挙げられる。電荷輸送層の厚さは,通常,約5〜約50μmの範囲内に設定する。上記厚さが5μm未満であれば,帯電性不良の問題点があり,50μmを超えれば,応答速度の低下及び画像品質の劣化などの問題点がある。
単層型感光体の場合には,上記CGMを結合剤樹脂及びETMとして,本実施形態に係る化学式1のナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体などと共に溶媒に分散させて塗布することによって感光層が得られる。上記感光層の厚さは,通常,約5〜約50μmの範囲であることが望ましい。本実施形態に係る化学式1のナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体以外に,他のETM及び/またはHTMを併用できる。特に,単層型感光体の場合には,HTMを併用することが望ましい。
上記化学式1のナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体と共に感光層に併用されうるHTMとしては,例えば,ピレン系,カルバゾール系,ヒドラゾン系,オクサゾール系,オクサジアゾール系,ピラゾリン系,アリールアミン系,アリールメタン系,ベンジジン系,チアゾール系,スチリル系などの含窒素環式化合物や縮合多環式化合物が挙げられる。また,これらの置換基を主鎖あるいは側鎖に有する高分子化合物やポリシラン系化合物を使用してもよい。
上記化学式1のナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体と共に本発明の感光層に併用されうるETMとしては,例えば,ベンゾキノン系,シアノエチレン系,シアノキノジメタン系,フルオレノン系,キサントン系,フェナントラキノン系,無水フタル酸系,チオピラン系,ジフェノキノン系などの電子水溶性低分子化合物が挙げられるが,これらに限定されず,電子輸送性高分子化合物やn型半導体特性を有する顔料などでもよい。
本実施形態に係る電子写真感光体に併用できるETMまたはHTMは,上記のものに限定されず,その使用においても,単独あるいは2種以上を混合して使用できる。
感光層形成用塗布液を形成するための溶媒としては,例えば,アルコール類,ケトン類,アミド類,エーテル類,エステル類,スルホン類,芳香族類,脂肪族ハロゲン化炭化水素類などの有機溶媒が挙げられる。感光層塗布法としては,浸漬塗布法が望ましいが,それ以外にリング塗布,ロール塗布,スプレイ塗布を利用してもよい。
感光層形成用塗布液を形成するためのバインダー樹脂としては,例えば,ポリカルボン酸塩,ポリエステル,メタクリル樹脂,アクリル樹脂,ポリ塩化ビニル,ポリ塩化ビニリデン,ポリスチレン,ポリビニルアセテート,シリコン樹脂,シリコン−アルキド樹脂,スチレン−アルキド樹脂,ポリ−N−ビニルカルバゾール,フェノキシ樹脂,エポキシ樹脂,ポリビニルブチラル,ポリビニルアセタール,ポリビニルホルマル,ポリスルホン,ポリビニルアルコール,エチルセルロース,フェノール樹脂,ポリアミド,カルボキシメチルセルロース,ポリウレタンなどが挙げられるが,これらに限定されるものではない。これらの高分子重合体は,単独に使われてもよく,2種類以上を混合して使用してもよい。
感光層中のETM及びHTMを含むCTMの含量は,感光層の総質量に対して,例えば10〜60質量%の範囲が望ましい。10質量%未満であれば,電荷輸送能が不充分であるため,感度が足りず,残留電位が高くなる傾向があるので,望ましくない。また60質量%より多ければ,感光層中の樹脂の含量が少なくなって機械的強度が低下する傾向となるので,望ましくない。
本実施形態において,上記支持体と感光層との間に導電層をさらに形成できる。上記導電層は,例えば,カーボンブラック,グラファイト,金属粉末,または金属酸化物粉末のような導電性粉末を溶媒に分散させた後,得られた分散液を支持体上に塗布し,乾燥させて得られる。上記導電層の厚さは,約5〜約50μmの範囲であることが望ましい。
また,上記支持体と感光層との間または導電層と感光層との間には,接着性の向上,あるいは支持体または導電層からの電荷注入を阻止する目的で,中間層が設置されてもよい。このような中間層としては,例えば,アルミニウムの陽極酸化層や,酸化チタン,酸化スズなどの金属酸化物粉末の樹脂分散層や,ポリビニルアルコール,カゼイン,エチルセルロース,ゼラチン,フェノール樹脂,ポリアミドなどの樹脂層が挙げられるが,これらに限定されるものではない。上記中間層の厚さは,約0.05〜約5μmの範囲が望ましい。
また,上記感光層,導電層,中間層には,バインダー樹脂と共に,例えば,可塑剤,レベリング剤,分散安定剤,酸化防止剤,光安定剤などの添加剤が少なくとも1種含まれうる。
酸化防止剤としては,例えば,フェノール系,硫黄系,リン系,アミン系化合物などの酸化防止剤が挙げられる。光安定剤としては,例えば,ベンゾトリアゾール系化合物,ベンゾフェノン系化合物,ヒンダードアミン系化合物が挙げられる。
また,本実施形態に係る電子写真感光体は,必要に応じて表面保護層をさらに備えることもできる。
本発明に係る実施例を参照して,本発明をさらに詳述する。なお,これらの実施例は,本発明を限定するものではない。
(合成例)
(合成例1:化合物1の合成)
以下に,下記のナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物1の合成方法を説明する。
Figure 2006189870
リフラックス冷却器が備えられた250mlの3口フラスコの内部を窒素に置換した後,1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物13.4g(0.05mol)とDMF溶媒500mlとを入れて攪拌して,上記ニ無水物化合物を溶解させた後,還流温度に昇温させた。5−メトキシ−2−メチル−4−ニトロアニリン9.15g(0.05mol)とアニリン4.7g(0.05mol)とをDMF50mlに溶解させて得た溶液を,上記フラスコ内に徐々に滴加した後に4時間還流させ,常温に冷却した。反応液を1000mlのメタノールに加えて沈殿させて固体を得た。この固体をクロロホルム/メタノール溶媒で再結晶し,真空乾燥して22.0gの低い黄色の結晶を得た(収率88%)。図2は,これにより得た上記化合物1のH−NMR(300MHz,CDCl溶媒)スペクトルを示す。
(合成例2:化合物2の合成)
以下に,下記のナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物2の合成方法を説明する。
Figure 2006189870
アニリンの代わりに,4−メチルアニリン5.34g(0.05mol)を使用したことを除いては,合成例1と同じ方法を行って,ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物2を21.2gの低い黄色の結晶として得た(収率81%)。図3は,これにより得た上記化合物(11)のH−NMR(300MHz,溶媒CDCl)スペクトルを示す。
(合成例3:化合物8の合成)
以下に,下記のナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物8の合成方法を説明する。
Figure 2006189870
アニリンの代わりに5−メトキシ−2−メチルアニリン6.86g(0.05mol)を使用したことを除いては,合成例1と同じ方法を行って上記ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物8を22.8gの低い黄色の結晶として得た(収率83%)。図4は,これにより得た上記化合物(12)のH−NMR(300MHz,溶媒CDCl)スペクトルを表す。
なお,アニリンの代わりに4−エチルアニリンを使用し,合成例1と同じ方法を用いることで,上記ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物3を得ることができる。また,アニリンの代わりに4−tert−ブチルアニリンを使用し,合成例1と同じ方法を用いることで,上記ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物4を得ることができる。
また,アニリンの代わりに4−クロロアニリンを使用し,合成例1と同じ方法を用いることで,上記ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物5を得ることができ,アニリンの代わりに4−メトキシアニリンを使用し,合成例1と同じ方法を用いることで,上記ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物6を得ることができる。
また,5−メトキシ−2−メチル−4−ニトロアニリンの代わりに2,5−ジメチル−4ニトロアニリンを使用し,合成例1と同じ方法を用いることで,上記ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物7を得ることができる。
(合成例4:化合物20の合成)
以下に,比較例1及び2でETMとして使われる下記のナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物20の合成方法を説明する。
Figure 2006189870
5−メトキシ−2−メチル−4−ニトロアニリンの代わりに5−メトキシ−2−メチルアニリン6.85g(0.05mol)を使用したことを除いては,合成例1と同じ方法を行って,上記化合物20 20.7gを黄色の結晶として得た(収率90%)。
(合成例5:化合物30の合成)
以下に,比較例3及び4でETMとして使われる下記のナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物30の合成方法を説明する。
Figure 2006189870
アニリンの代わりに4−n−ブチルアニリン7.45g(0.05mol),及び5−メトキシ−2−メチル−4−ニトロアニリンの代わりに4−t−ブチルアニリン7.45g(0.05mol)を使用したことを除いては,合成例1と同じ方法を行って上記ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物30 22.2gを黄色の結晶として得た(収率84%)。
(合成例6:化合物40の合成)
以下に,比較例5及び6でETMとして使われる下記のナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物40の合成方法を説明する。
Figure 2006189870
アニリンを使用せず,5−メトキシ−2−メチル−4−ニトロアニリン18.3g(0.1mol)のみを使用したことを除いては,合成例1と同じ方法を行って上記ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物30 25.4gを薄い黄色の結晶として得た(収率85%)。
(合成例7:化合物50の合成)
以下に,比較例7及び8でETMとして使われる下記のナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物50の合成方法を説明する。
Figure 2006189870
5−メトキシ−2−メチル−4−ニトロアニリンを使用せず,アニリン9.4g(0.1mol)のみを使用したことを除いては,合成例1と同じ方法を行ってナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物50の18.2gを薄い橙色の結晶で得た(収率87%)。
(実施例1)
ETMとして上記合成例1で得たナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物1を4.5質量部,CGMとしてX−タイプ無金属フタロシアニン化合物9を0.9質量部,HTMとしてエナミンスチルベン系化合物10を9質量部,鍾紡社から商品名“O−PET”で入手可能なポリエステルバインダー樹脂化合物11を15.9質量部,メチレン塩化物84質量部,及び1,1,2−トリクロロエタン36質量部を2時間サンドミリングした後,超音波で均一に分散させた。
このように得られた溶液を陽極酸化処理されたアルミニウムドラム(陽極酸化膜の厚さ:5mm)上にリングコーティング法でコーティングした後,110℃で1時間乾燥して約14〜15μm厚さの感光層を有する電子写真感光体ドラムを製造した。
Figure 2006189870
Figure 2006189870
Figure 2006189870
Figure 2006189870
Figure 2006189870
(実施例2)
ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物1の含量を4.05質量部に調節し,また電子受容体として化合物9を0.45質量部さらに使用したことを除いては,実施例1の方法と同じ方法によって電子写真感光体ドラムを製造した。
(実施例3)
ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物1の代わりに,ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物2を4.5質量部使用したことを除いては,実施例1の方法と同じ方法によって電子写真感光体ドラムを製造した。
(実施例4)
ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物2の含量を4.05質量部に調節し,また電子受容体として化合物12を0.45質量部さらに使用したことを除いては,実施例3の方法と同じ方法によって電子写真感光体ドラムを製造した。
(実施例5)
ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物1の代わりに,ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物8を4.5質量部使用したことを除いては,実施例1の方法と同じ方法によって電子写真感光体ドラムを製造した。
(実施例6)
ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物8の含量を4.05質量部に調節し,また電子受容体として化合物12を0.45質量部さらに使用したことを除いては,実施例5の方法と同じ方法によって電子写真感光体ドラムを製造した。
(比較例1)
ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物1の代わりに,ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物20を4.5質量部使用したことを除いては,実施例1の方法と同じ方法によって電子写真感光体ドラムを製造した。
(比較例2)
ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物20の含量を4.05質量部に調節し,また電子受容体として化合物12を0.45質量部さらに使用したことを除いては,比較例1の方法と同じ方法によって電子写真感光体ドラムを製造した。
(比較例3)
ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物1の代わりに,ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物30を4.5質量部使用したことを除いては,実施例1の方法と同じ方法によって電子写真感光体ドラムを製造した。
(比較例4)
ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物30の含量を4.05質量部に調節し,また電子受容体として化合物12を0.45質量部さらに使用したことを除いては,比較例3の方法と同じ方法によって電子写真感光体ドラムを製造した。
(比較例5)
ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物1の代わりに,ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物40を4.5質量部使用したことを除いては,実施例1の方法と同じ方法によって電子写真感光体ドラムを製造した。
(比較例6)
ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物40の含量を4.05質量部に調節し,また電子受容体として化合物12を0.45質量部さらに使用したことを除いては,比較例5の方法と同じ方法によって電子写真感光体ドラムを製造した。
(比較例7)
ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物1の代わりに,ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物50を4.5質量部使用したことを除いては,実施例1の方法と同じ方法によって電子写真感光体ドラムを製造した。
(比較例8)
ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物50の含量を4.05質量部に調節し,また電子受容体として化合物12を0.45質量部さらに使用したことを除いては,比較例7の方法と同じ方法によって電子写真感光体ドラムを製造した。
(比較例9)
ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物1の代わりに,ジシアノフルオレン系化合物13を4.5質量部使用したことを除いては,実施例1の方法と同じ方法によって電子写真感光体ドラムを製造した。
(比較例10)
ジシアノフルオレン系化合物13の含量を4.05質量部に調節し,また電子受容体として化合物12を0.45質量部さらに使用したことを除いては,比較例9の方法と同じ方法によって電子写真感光体ドラムを製造した。
(比較例11)
ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物1の代わりに,エナミンスチルベン化合物10を13.5質量部使用したことを除いては,実施例1と同じ方法によって電子写真感光体ドラムを製造した。
(比較例12)
エナミンスチルベン化合物10の含量を13.05質量部に調節し,また電子受容体として化合物12を0.45質量部さらに使用したことを除いては,比較例11の方法と同じ方法によって電子写真感光体ドラムを製造した。
(試験例)
上記実施例及び比較例で製造した電子写真感光体の静電特性を,自作したスコロトロン帯電方式のドラム感光体評価装置を使用して測定した。初期帯電電位および初期露光電位,及び3000サイクル後の帯電電位と露光電位とをそれぞれ測定した。表1は,静電特性の評価結果を表す。上記評価装置のドラム直径は,30mm,ドラム回転速度は,5ips(inch/second)であった。評価条件は,Vg=1.0kV,Iw=300uA,LSU(Laser Supply Unit)電力=0.9mWであった。ここで,Vgは,グリッド電圧を,Iwは,ワイヤ電流をそれぞれ表す。
Figure 2006189870
表1において,Voinitialは初期帯電電位を,Vdinitialは初期露光電位を,Vo3000は3000サイクル後の帯電電位を,Vd3000は3000サイクル後の露光電位をそれぞれ表す。Vd3000−Vdinitialで定義されるΔVdは3000サイクル後の露光電位の上昇を,Voinitial−Vo3000で定義されるΔVoは3000サイクル後の帯電電位の低下をそれぞれ表す。
表1を参照すれば,本実施形態に係るニトロ基を含む非対称ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物1,2または8を使用した実施例1〜6の場合,ΔVo=0〜2であって,3000サイクル以後にも帯電電位の低下が全くまたはほとんど発生しなかった。
これに比べて,ETMとして米国特許第4,992,349号に開示されたニトロ基を含んでいない非対称ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物20または30を使用した比較例1〜4の場合,ΔVo=16〜42Vであって3000サイクル以後には,帯電電位が大きく低下する望ましくない結果を表した。
比較例1〜4の結果を比較すれば,感光体の製作時に電子受容体を添加した比較例2及び4の場合には,ΔVo=16〜18Vであって,これを添加しない場合の比較例1及び3のΔVo=41〜42Vに比べて帯電電位の低下が大きくなかった。
したがって,ニトロ基を含んでいない非対称ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物をETMとして使用する場合には,電子受容体を共に使用することによって帯電の低下を抑制できるということが分かる。
しかし,実施例1〜6の場合には,前述したように,ΔVo=0〜2であって,電子受容体を使用せずとも帯電電位が全くまたはほとんど低下しない優秀な静電特性を表した。すなわち,本実施形態に係るニトロ基を含む非対称ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物をETMとして使用した電子写真感光体の場合には,これを数千回反復使用した後にも帯電電位が大きく低下しないので,電子写真感光体の使用期間が延長されうるということが分かる。また,長期間使用した後にも,その画像品質が維持されるということが分かる。
比較例5〜12の場合には,ΔVo及びΔVd値がいずれも大きく,静電特性が不良であるということが分かる。特に,ETMとして対称形のナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物を使用した比較例5〜8の場合,有機溶媒に対する溶解性及び結着樹脂との相溶性が足りなくて電子写真感光体ドラムを製作した時,感光層の表面が結晶化される現象が発生した。その結果が実施例1〜6に比べて静電特性が顕著に悪くなった。
上記のように,本実施形態に係るニトロ基を有する非対称ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体は,電子輸送能,有機溶媒に対する溶解度及び結着樹脂との相溶性に優れる。したがって,この誘導体を含む本実施形態に係る電子写真感光体は,長期間反復使用されても表面電位を一定に維持する特性が優秀である。したがって,本実施形態に係る電子写真感光体を用いて,電子写真カートリッジ,電子写真ドラム,画像形成装置等を作製すれば,優秀な品質の画像を長期間にわたって得ることができる。
以上,添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが,本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された範疇内において,各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
本発明に係るナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体と,これを用いた電子写真感光体,電子写真カートリッジ,電子写真ドラム,および電子写真画像形成装置は,レーザプリンタ,複写機,CRTプリンタ,FAX,LEDプリンタ,液晶プリンタ及びレーザ電子写真などに適用可能である。
本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置,電子写真感光体ドラム,及び電子写真カートリッジの模式図である。 合成例1で得た本発明の第1の実施形態に係るナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物1のNMRスペクトルを示すグラフ図である。 合成例2で得た本発明の第1の実施形態に係るナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物2のNMRスペクトルを示すグラフ図である。 合成例3で得た本発明の第1の実施形態に係るナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物8のNMRスペクトルを示すグラフ図である。
符号の説明
21 電子写真カートリッジ
22 画像化光照射装置
23 予備露光ユニット
24 現像装置
25 帯電装置
26 クリーニング装置
27 転写装置
28 ドラム
29 電子写真感光体
30 電子写真画像の形成装置

Claims (12)

  1. 支持体と前記支持体上に形成された感光層とを含む電子写真感光体であって,
    前記感光層は,下記化学式1のナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体を含むことを特徴とする,電子写真感光体。
    Figure 2006189870
    ここで,R1,R2,R3,R4,R5,R6,およびR7は,それぞれ独立的に水素原子,ハロゲン原子,炭素数1〜20の置換もしくは非置換のアルキル基,炭素数1〜20の置換もしくは非置換のアルコキシ基,炭素数6〜30の置換もしくは非置換のアリール基,および炭素数7〜30の置換もしくは非置換のアラルキル基からなる群より選択された何れか一つである。
  2. 支持体と,前記支持体上に形成された中間層と,前記中間層上に形成された感光層とを含む電子写真感光体であって,
    前記中間層は,下記化学式1のナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体を含むことを特徴とする,電子写真感光体。
    Figure 2006189870
    ここで,R1,R2,R3,R4,R5,R6,およびR7は,それぞれ独立的に水素原子,ハロゲン原子,炭素数1〜20の置換もしくは非置換のアルキル基,炭素数1〜20の置換もしくは非置換のアルコキシ基,炭素数6〜30の置換もしくは非置換のアリール基,および炭素数7〜30の置換もしくは非置換のアラルキル基からなる群より選択された何れか一つである。
  3. 電子写真感光体を含む電子写真画像の形成装置であって,
    前記電子写真感光体は,支持体及び前記支持体上に形成された感光層を含み,
    前記感光層は,下記化学式1のナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体を含むことを特徴とする,電子写真画像の形成装置。
    Figure 2006189870
    ここで,R1,R2,R3,R4,R5,R6,およびR7は,それぞれ独立的に水素原子,ハロゲン原子,炭素数1〜20の置換もしくは非置換のアルキル基,炭素数1〜20の置換もしくは非置換のアルコキシ基,炭素数6〜30の置換もしくは非置換のアリール基,および炭素数7〜30の置換もしくは非置換のアラルキル基からなる群より選択された何れか一つである。
  4. 電子写真感光体を含む電子写真画像の形成装置であって,
    前記電子写真感光体は,支持体,前記支持体上に形成された中間層及び前記中間層上に形成された感光層を含み,
    前記中間層は,下記化学式1のナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体を含むことを特徴とする,電子写真画像の形成装置。
    Figure 2006189870
    ここで,R1,R2,R3,R4,R5,R6,およびR7は,それぞれ独立的に水素原子,ハロゲン原子,炭素数1〜20の置換もしくは非置換のアルキル基,炭素数1〜20の置換もしくは非置換のアルコキシ基,炭素数6〜30の置換もしくは非置換のアリール基,および炭素数7〜30の置換もしくは非置換のアラルキル基からなる群より選択された何れか一つである。
  5. 支持体および前記支持体上に形成された感光層を含み,前記感光層は,下記化学式1のナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体を含む電子写真感光体と,
    前記電子写真感光体を帯電させる帯電装置,前記電子写真感光体上に形成された静電潜像を現像する現像装置,および前記電子写真感光体の表面をクリーニングするクリーニング装置からなる群より選択された少なくとも何れか一つと,
    を備え,
    画像形成装置に着脱自在に装着されることを特徴とする,電子写真カートリッジ。
    Figure 2006189870
    ここで,R1,R2,R3,R4,R5,R6,およびR7は,それぞれ独立的に水素原子,ハロゲン原子,炭素数1〜20の置換もしくは非置換のアルキル基,炭素数1〜20の置換もしくは非置換のアルコキシ基,炭素数6〜30の置換もしくは非置換のアリール基,および炭素数7〜30の置換もしくは非置換のアラルキル基からなる群より選択された何れか一つである。
  6. 支持体,前記支持体上に形成された中間層,および前記中間層上に形成された感光層を含み,前記中間層は下記化学式1のナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体を含む電子写真感光体と,
    前記電子写真感光体を帯電させる帯電装置,前記電子写真感光体上に形成された静電潜像を現像する現像装置,および前記電子写真感光体の表面をクリーニングするクリーニング装置からなる群より選択された少なくとも何れか一つと,
    を備え,
    画像形成装置に着脱自在に装着されることを特徴とする,電子写真カートリッジ。
    Figure 2006189870
    ここで,R1,R2,R3,R4,R5,R6,およびR7は,それぞれ独立的に水素原子,ハロゲン原子,炭素数1〜20の置換もしくは非置換のアルキル基,炭素数1〜20の置換もしくは非置換のアルコキシ基,炭素数6〜30の置換もしくは非置換のアリール基,および炭素数7〜30の置換もしくは非置換のアラルキル基からなる群より選択された何れか一つである。
  7. 画像形成装置に着脱自在に装着されるドラムと,前記ドラム上に配置された電子写真感光体と,を備える電子写真ドラムであって,
    前記電子写真感光体は,導電性支持体および前記導電性支持体上に形成された感光層を備え,
    前記感光層は,下記化学式1のナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体を含むことを特徴とする,電子写真ドラム。
    Figure 2006189870
    ここで,R1,R2,R3,R4,R5,R6,およびR7は,それぞれ独立的に水素原子,ハロゲン原子,炭素数1〜20の置換もしくは非置換のアルキル基,炭素数1〜20の置換もしくは非置換のアルコキシ基,炭素数6〜30の置換もしくは非置換のアリール基,および炭素数7〜30の置換もしくは非置換のアラルキル基からなる群より選択された何れか一つである。
  8. 画像形成装置に着脱自在に装着されるドラムと,前記ドラム上に配置された電子写真感光体と,を備える電子写真ドラムであって,
    前記電子写真感光体は,支持体,前記支持体上に形成された中間層,および前記中間層上に形成された感光層を備え,
    前記中間層は,下記化学式1のナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体を含むことを特徴とする,電子写真ドラム。
    Figure 2006189870
    ここで,R1,R2,R3,R4,R5,R6,およびR7は,それぞれ独立的に水素原子,ハロゲン原子,炭素数1〜20の置換もしくは非置換のアルキル基,炭素数1〜20の置換もしくは非置換のアルコキシ基,炭素数6〜30の置換もしくは非置換のアリール基,および炭素数7〜30の置換もしくは非置換のアラルキル基からなる群より選択された何れか一つである。
  9. 支持体および前記支持体上に形成された感光層を含み,前記感光層が下記化学式1のナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体を含む感光体ユニットと,
    前記感光体ユニットを帯電させる帯電装置と,
    前記感光体ユニット上に静電潜像を形成するために前記帯電された感光体ユニットを画像化された光で照射する画像化光照射装置と,
    前記感光体ユニット上にトナー画像を形成するために前記静電潜像をトナーで現像する現像ユニットと,
    受容体上に前記トナー画像を転写する転写装置と,
    を備えることを特徴とする,画像形成装置。
    Figure 2006189870
    ここで,R1,R2,R3,R4,R5,R6,およびR7は,それぞれ独立的に水素原子,ハロゲン原子,炭素数1〜20の置換もしくは非置換のアルキル基,炭素数1〜20の置換もしくは非置換のアルコキシ基,炭素数6〜30の置換もしくは非置換のアリール基,および炭素数7〜30の置換もしくは非置換のアラルキル基からなる群より選択された何れか一つである。
  10. 支持体,前記支持体上に形成された中間層,および前記中間層上に形成された感光層を備え,前記中間層が下記化学式1のナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体を含む感光体ユニットと,
    前記感光体ユニットを帯電させる帯電装置と,
    前記感光体ユニット上に静電潜像を形成するために前記帯電された感光体ユニットを画像化された光で照射する画像化光照射装置と,
    前記感光体ユニット上にトナー画像を形成するために前記静電潜像をトナーで現像する現像ユニットと,
    受容体上に前記トナー画像を転写する転写装置と,
    を備えることを特徴とする,画像形成装置。
    Figure 2006189870
    ここで,R1,R2,R3,R4,R5,R6,およびR7は,それぞれ独立的に水素原子,ハロゲン原子,炭素数1〜20の置換もしくは非置換のアルキル基,炭素数1〜20の置換もしくは非置換のアルコキシ基,炭素数6〜30の置換もしくは非置換のアリール基,および炭素数7〜30の置換もしくは非置換のアラルキル基からなる群より選択された何れか一つである。
  11. 下記化学式1で表示されるナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体。
    Figure 2006189870
    ここで,R1,R2,R3,R4,R5,R6,およびR7は,それぞれ独立的に水素原子,ハロゲン原子,炭素数1〜20の置換もしくは非置換のアルキル基,炭素数1〜20の置換もしくは非置換のアルコキシ基,炭素数6〜30の置換もしくは非置換のアリール基,および炭素数7〜30の置換もしくは非置換のアラルキル基からなる群より選択された何れか一つである。
  12. 前記ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体は,下記化合物1〜8から(なる群より)選択されることを特徴とする,請求項11に記載のナフタレンテトラカルボン酸ジイミド誘導体。
    Figure 2006189870
    Figure 2006189870
    Figure 2006189870
    Figure 2006189870
    Figure 2006189870
    Figure 2006189870
    Figure 2006189870
    Figure 2006189870
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