JP2008170783A - 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 - Google Patents

電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ゴースト抑制効果に優れ、かつ、前露光を搭載しDC帯電方式を採用した場合においても帯電スジの発生が生じにくい電子写真感光体を提供する。また、この電子写真感光体を備えたプロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供する。
【解決手段】電子写真感光体は、導電性支持体上に電荷発生層と電荷輸送層とを有する電子写真感光体において、電荷発生層は、電荷発生材料と、液体クロマトグラフィー法により分析を行ったときのピークが2つである下記構造式(1)

(式中X、X、X及びXのうち少なくとも1つはニトロ基を示し、ニトロ基以外は水素原子を示す。) で示されるナフタレンテトラカルボン酸ジイミドとを含有する。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真感光体、並びにこの電子写真感光体を備えたプロセスカートリッジ及び電子写真装置に関する。
電子写真装置の、高速化、高画質化の要求はより一層高まっており、特にカラー化によりハーフトーン画像やベタ画像が多くなっており、それらの画像品質は年々高まる一方である。例えば、画像1枚の中での濃度、色味等の均一性、さらには連続通紙での安定性が重視され、白黒プリンターや白黒複写機の許容範囲に比べると格段に厳しくなってきている。
特に、画像パターンに対応するハーフトーン部の画像濃度が増加する現象であるポジゴースト画像や、逆にこの画像濃度が低下する現象であるネガゴースト画像のようなゴースト画像に対する許容範囲が厳しくなってきている。これらのゴースト画像は、高感度な電荷発生材料を用いることにより、キャリアーの絶対数が多く、ホールが電荷輸送層中に注入された後のエレクトロンが電荷発生層又は下地層に残りやすく、メモリーとなるためと考えられている。この現象は、近年の高感度な電荷発生材料に特に顕著な現象と考えられている。
一方、電子写真感光体に接触配置した帯電部材に直接電圧を印加し、電子写真感光体を帯電する接触帯電方式を採用した電子写真装置が広く普及している。特に、帯電部材としてローラー形状の帯電部材を電子写真感光体表面に接触させ、直流電圧と交流電圧とを重畳して電圧を印加する方式や、直流電圧のみを印加する方式により、電子写真感光体の帯電を行う方式が主流となっている。直流電圧と交流電圧とを重畳させる場合、以下のデメリットが挙げられる。まず、直流電源と交流電源とが必要となり、装置自体のコストアップを招いてしまう。また、直流電圧のみに比べ装置サイズが大きくなってしまう。さらに、交流電流を多量に消費することにより帯電部材及び感光体の耐久性が低下してしまう。従って、装置コスト削減、装置小型化及び高耐久性を考慮すると、直流電圧のみを印加する方式(DC帯電方式)がより好ましいといえる。しかしながら、DC帯電方式を用いた電子写真装置にあっては、直流電圧と交流電圧とを重畳させる場合に比べて、帯電時の電子写真感光体の表面電位の帯電均一性が劣ってしまう。このため、ハーフトーン画像等で帯電ムラに起因する電子写真感光体の長手方向のスジムラ状の不良画像(帯電スジ)が発生してしまい、画像の点で問題となっている。帯電スジに対しては、特許文献1及び2に開示されているように、帯電部材の表面粗さや電流値の制御等、帯電部材の面からの改良がなされているが、電子写真感光体の面からの改良も望まれている。
これらの帯電スジは、ゴーストと同様、エレクトロンが、基板に到達するまでに、電荷発生層又は下地層に残ることが一因であると考えられている。
ゴースト現象を抑制する従来技術として、特許文献3に開示されているように、電荷発生層に電子輸送物質であるナフタレンテトラカルボン酸ジイミド化合物を含有させることで、エレクトロンの残留を低減でき、ゴーストに対しての効果が発揮されている。しかしながら、低温低湿環境下で、前露光を搭載したサイクルタイムの速いDC帯電方式を用いた電子写真装置に、電荷発生層にナフタレンテトラカルボン酸ジイミドを含有させた電子写真感光体を搭載した場合でも、帯電スジが発生してしまう。このように、従来技術では、ゴースト画像の発生を抑制しつつ、帯電スジの発生を抑制する効果は、十分ではなかった。
特開2004−061640号公報 特開2004−038056号公報 特開2005−208618号公報
本発明は、上記の従来の問題に鑑みてなされたものであり、ゴースト抑制効果に優れ、かつ、前露光を搭載しDC帯電方式を採用した場合においても帯電スジの発生が生じにくい電子写真感光体を提供する。また、この電子写真感光体を備えたプロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供する。
本発明による電子写真感光体は、
導電性支持体上に電荷発生層と電荷輸送層とを有する電子写真感光体において、
該電荷発生層は、電荷発生材料と、液体クロマトグラフィー法により分析を行ったときのピークが2つである下記構造式(1)
(式中X、X、X及びXのうち少なくとも1つはニトロ基を示し、ニトロ基以外は水素原子を示す。)
で示されるナフタレンテトラカルボン酸ジイミドとを含有することを特徴とする。
また、本発明によるプロセスカートリッジ及び電子写真装置は、この電子写真感光体を有することを特徴とする。
本発明によれば、ゴースト抑制効果に優れ、かつ、前露光を搭載しDC帯電方式を採用した電子写真装置に搭載しても帯電スジの発生が生じにくくなる。
以下、本発明の好適な実施形態につき説明する。
本発明の、液体クロマトグラフィー法により分析を行ったときのピークが2つである下記構造式(1)で示されるナフタレンテトラカルボン酸ジイミドについて説明する。

(式中X、X、X及びXのうち少なくとも1つはニトロ基を示し、ニトロ基以外は水素原子を示す。)
本発明において、液体クロマトグラフィー法により分析を行ったときのピークが2つであるナフタレンテトラカルボン酸ジイミドとは、構造が同じでありながら、極性が異なる2つの化合物を含むナフタレンテトラカルボン酸ジイミドであることを意味する。このようなナフタレンテトラカルボン酸ジイミドとしては、立体異性体の関係を有するナフタレンテトラカルボン酸ジイミドが挙げられる。また、この液体クロマトグラフィーの分離条件としては、同じ構造式を有しつつ極性が異なるものを分離し得るものであれば、特に制約はない。例えば、このような分離条件としては、光学異性体の関係を有するものを分離し得る条件が挙げられる。このような液体クロマトグラフィーの測定条件の例は、以下の通りである。
使用装置:日立L7000シリーズ高速クロマトグラフ
(L−7100ポンプ、L−7200オートサンプラー、L−7300カラムオーブン、L−7400検出器(UV290nm)、D−2500形クロマトデーター処理装置)
カラム:内径4.6mm、長さ15cmのODSカラム
(日本ウォーターズ(株)製 「X Terra MS カラム」)
移動相:メタノール/水=3/1
溶離液の流量:1.0ml/分
温度:25℃
試料:ナフタレンテトラカルボン酸イミド0.5mgを酢酸エチル2mlに溶解
同じ構造であり、かつ極性が異なる2つの化合物を含んでいるナフタレンテトラカルボン酸としては、以下のものが好ましい。つまり、ナフタレンテトラカルボン酸を、液体クロマトグラフィー法により分析を行ったときの2つのピークのそれぞれ前成分と後成分とのピーク面積比が0.40以上2.5以下であるものが好ましい。このピーク面積比が0.40未満であると、後成分量が少なくなり、2.5を越えると、前成分量が少なくなるため、効果が十分に得られない場合がある。なお、ピークの分割は垂直分割処理により算出される。
ゴーストは、露光光による電荷のトラップが原因と考えられているが、そのトラップがどのように作用しているか、はっきりしたことはわかっていないが以下のように推測している。つまり、露光光を受けた電子写真感光体の部分では、ホールが電荷輸送層(CTL)に注入され、エレクトロンが基板へ抜けていく。この場合、電荷発生層(CGL)中、下地層中、及びCGL/下地等界面にエレクトロンが残留し、次帯電に基板からのホールのバリアー性が低下する。これがポジゴーストの原因となる。
帯電スジは、特に前露光で顕著に生じることからも、露光により発生したエレクトロンが基板に抜けずに、CGL中、下地層中、及びCGL/下地層界面に残留することで帯電時の基板からのホールバリアー性が低下する。その結果、帯電が不均一になることが原因と考えられる。
エレクトロンの残留を低減させる目的で電荷発生層にナフタレンテトラカルボン酸ジイミドを含有させると、ゴーストに対しての効果が発揮され、さらに帯電スジも改善される。しかし、前露光を搭載したDC帯電方式を採用した電子写真装置に搭載した場合において効果がみられるものの、帯電スジは発生してしまった。そこで、更にエレクトロンの残留を軽減させるために2種類のナフタレンテトラカルボン酸ジイミドを含有させる検討を行った。その結果、2種類のナフタレンテトラカルボン酸ジイミドの相溶性が悪い場合や、還元電位が異なる場合には、帯電スジの発生を抑制する効果がみられなかった。そこで、相溶性や還元電位の双方の問題を改善するには、できるだけ構造が類似し且つ還元電位が近似した種類のナフタレンテトラカルボン酸ジイミドが有効であると考えられる。すなわち、本発明の構成である、構造が同じであり、かつ極性が異なる2種類のナフタレンテトラカルボン酸ジイミドが有効であったと考えられる。
<本発明による電子写真感光体>
次に、本発明の電子写真感光体について詳細に説明する。
(導電性支持体)
本発明による電子写真感光体に用いられる導電性支持体としては、アルミニウム、ニッケル、銅、金、鉄のような金属が挙げられる。また、これらの金属からなる合金、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリイミド、ガラス等の絶縁性支持体上にアルミニウム、銀、金のような金属あるいは酸化インジウム、酸化スズのような導電材料の薄膜を形成したものが挙げられる。さらに、カーボンや導電性フィラーを樹脂中に分散し導電性を付与したものが挙げられる。導電性支持体の表面は、電気的特性改善又は密着性改善のために、陽極酸化等の電気化学的な処理を行ったものであってもよい。また、導電性支持体表面をアルカリリン酸塩、又はリン酸やタンニン酸を主成分とする酸性水溶液に金属塩の化合物又はフッ素化合物の金属塩を溶解してなる溶液で化学処理を施したものであってもよい。
また、単一波長のレーザー光のような露光光を用いたプリンターに本発明による電子写真感光体を用いる場合、干渉縞を抑制するために、導電性支持体の表面を適度に粗らしておいてもよい。具体的には、上記支持体表面をホーニング、ブラスト、切削、電界研磨のような処理をしてもよい。また、アルミニウム及びアルミニウム合金上に導電性金属酸化物及び結着樹脂からなる導電性皮膜を設けたものであってもよい。
ホーニング処理としては、乾式及び湿式での処理方法のいずれを用いてもよい。湿式ホーニング処理は、水のような液体に粉末状の研磨剤を懸濁させ、高速度で基体表面に吹き付けて粗面化する方法であり、表面粗さは、吹き付け圧力、速度、研磨剤の量、種類、形状、大きさ、硬度、比重及び懸濁温度等により制御することができる。同様に、乾式ホーニング処理は、研磨剤をエアーにより、高速度で導電性基体表面に吹き付けて粗面化する方法であり、湿式ホーニング処理と同じように表面粗さを制御することができる。これら湿式又は乾式ホーニング処理に用いる研磨剤としては、炭化ケイ素、アルミナ、鉄、ガラスビーズのような粒子が挙げられる。
(導電層)
支持体と、感光層又は中間層との間には、レーザー光のような露光光散乱による干渉縞の防止や、支持体の傷の被覆を目的として、導電層を設けてもよい。
導電層は、カーボンブラック、金属粒子、金属酸化物粒子のような導電性粒子を結着樹脂に分散させたものを塗布して形成することができる。好適な金属酸化物粒子としては、酸化亜鉛や酸化チタンの粒子が挙げられる。また、導電性粒子として、硫酸バリウムの粒子を用いることもできる。導電性粒子には、被覆層を設けてもよい。
導電層に用いられる結着樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂が挙げられる。これらは、支持体に対する接着性が良好であるとともに、導電性粒子の分散性を向上させ、かつ、成膜後の耐溶剤性が良好である。これらのなかでも、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド酸樹脂が好ましい。
また、導電層には、必要に応じてフッ素又はアンチモンを含有させてもよいし、導電層の表面性を高めるために、レベリング剤を添加してもよい。
(電荷発生層)
本発明による電子写真感光体の電荷発生層において、電荷発生材料としては、以下のものが挙げられる。
(1)モノアゾ、ジスアゾ、トリスアゾのようなアゾ系顔料
(2)金属フタロシアニン、非金属フタロシアニンのようなフタロシアニン系顔料
(3)インジゴ、チオインジゴのようなインジゴ系顔料
(4)ペリレン酸無水物、ペリレン酸イミドのようなペリレン系顔料
(5)アンスラキノン、ピレンキノンのような多環キノン系顔料
(6)スクワリリウム色素
(7)ピリリウム塩、チアピリリウム塩類
(8)トリフェニルメタン系色素
(9)セレン、セレン−テルル、アモルファスシリコンのような無機材料
(10)キナクリドン顔料
(11)アズレニウム塩顔料
(12)シアニン染料
(13)キサンテン色素
(14)キノンイミン色素
(15)スチリル色素
(16)硫化カドミウム
(17)酸化亜鉛
特に、金属フタロシアニン顔料が好ましく、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料が特に好ましい。ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶としては、CuKαを線源とする特性X線回折において、以下の特性を有するものが好ましい。
ブラッグ角度(2θ±0.2°)の7.3°、24.9°及び28.1°に強い回折ピークを有するもの
ブラッグ角度(2θ±0.2°)の7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°及び28.3°に強い回折ピークを有するもの
本発明による電子写真感光体の電荷発生層において、その他の電子輸送材料を含有してもよい。
電荷発生材料と混合する結着樹脂としては、以下のものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ブチラール樹脂
ポリエステル樹脂
ポリカーボネート樹脂
ポリアリレート樹脂
ポリスチレン樹脂
ポリビニルメタクリレート樹脂
ポリビニルアクリレート樹脂
ポリ酢酸ビニル樹脂
ポリ塩化ビニル樹脂
ポリアミド樹脂
ポリウレタン樹脂
シリコーン樹脂
アルキッド樹脂
エポキシ樹脂
セルロース樹脂
メラミン樹脂
特に、この結着樹脂としては、ブチラール樹脂が好ましい。
電荷発生層の膜厚は、0.01〜2μmであることが好ましく、更に0.05〜0.3μmであることがより好ましい。
電荷発生層中のナフタレンテトラカルボン酸ジイミドの割合は、電荷発生層中の電荷発生材料の質量に対して、10質量%以上60質量%以下であることが好ましく、特には21質量%以上40質量%以下であることがより好ましい。10質量%未満であると、本発明の効果が十分に得られない場合があり、60質量%を越えると、溶解性の低下や発生効率の低下による、感度の低下、残電の上昇の問題が生じることがある。
電荷発生層は、電荷発生材料、ナフタレンテトラカルボン酸ジイミドを必要に応じて結着樹脂及び溶剤と共に分散して得られる電荷発生層用塗布液を塗布し、これを乾燥させることによって形成することができる。分散方法としては、ホモジナイザー、超音波分散機、ボールミル、サンドミル、ロールミル、振動ミル、アトライター、液衝突型高速分散機を用いた方法が挙げられる。電荷発生材料と結着樹脂との割合は、1:0.5〜1:4(質量比)の範囲が好ましい。
電荷発生層用塗布液に用いられる溶剤は、使用する結着樹脂や電荷発生材料の溶解性や分散安定性から選択されるが、有機溶剤としてはアルコール、スルホキシド、ケトン、エーテル、エステル、脂肪族ハロゲン化炭化水素、芳香族化合物が挙げられる。
また、電荷発生層には、種々の増感剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤を必要に応じて添加することもできる。
(電荷輸送層)
本発明による電子写真感光体の電荷輸送層は、適当な電荷輸送材料を有する。例えば、電荷輸送材料としては、以下のものが挙げられる。
ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリスチリルアントラセンのような複素環や縮合多環芳香族を有する高分子化合物
ピラゾリン、イミダゾール、オキサゾール、トリアゾール、カルバゾールのような複素環化合物
トリフェニルメタンのようなトリアリールアルカン誘導体
トリフェニルアミンのようなトリアリールアミン誘導体
フェニレンジアミン誘導体、N−フェニルカルバゾール誘導体、スチルベン誘導体、ヒドラゾン誘導体のような低分子化合物
電荷輸送層は、これらの電荷輸送材料を、適当な結着樹脂(上述の電荷発生層用樹脂から選択できる)と共に溶剤に分散/溶解した溶液を上述の公知の方法によって塗布し、乾燥して形成することができる。この場合の電荷輸送材料と結着樹脂との比率は、両者の全質量を100とした場合、電荷輸送材料の質量が好ましくは20〜100、より好ましくは30〜100の範囲である。電荷輸送材料の量がこれらの範囲より少ないと、電荷輸送能が低下し、感度低下及び残留電位の上昇の問題点が生ずる。
電荷輸送層の膜厚は、好ましくは1〜50μm、より好ましくは3〜30μmの範囲である。
(その他の構成)
本発明による電子写真感光体は、上述の構成の他に、電荷輸送層上に表面保護層を更に形成してもよい。
表面保護層は、樹脂単体でもよいし、残留電位を低下する目的で上述の電荷輸送材料や、導電性粉体のような導電性材料を添加してもよい。導電性粉体としては、以下のものが挙げられる。
アルミニウム、銅、ニッケル、銀のような金属粉体、燐片状金属粉体及び金属短繊維
酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化スズのような導電性金属酸化物
ポリピロール、ポリアニリン、高分子電解質のような高分子導電剤
カーボンブラック、カーボンファイバー、グラファイト粉体、有機及び無機の電解質
これらの導電性材料で表面を被覆した導電性粉体
<本発明によるプロセスカートリッジ及び電子写真装置>
本発明によるプロセスカートリッジ及び電子写真装置は、本発明による電子写真感光体を有する。図2にその概略を示す。図2は、本発明によるプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の一例を示す。
図2において、1はドラム状の電子写真感光体であり、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。
回転駆動される電子写真感光体1の周面は、帯電手段3により、正又は負の所定電位に均一に帯電され、次いで、スリット露光やレーザービーム走査露光のような露光手段(図示せず)から出力される露光光(画像露光光)4を受ける。こうして電子写真感光体1の周面に、目的の画像に対応した静電潜像が順次形成されていく。帯電手段3に印加する電圧は、直流電圧のみであってもよいし、交流電圧を重畳した直流電圧であってもよい。
電子写真感光体1の周面に形成された静電潜像は、現像手段5のトナーにより現像されて、静電潜像に対応するトナー画像が電子写真感光体の表面に形成される。次いで、電子写真感光体1の周面に形成担持されているトナー画像は、転写手段(転写ローラー)6からの転写バイアスによって、転写材(例えば、紙)7に順次転写されていく。なお、この転写材7は、転写材供給手段(図示せず)から取り出されて、電子写真感光体1と転写手段6との間(当接部)に、電子写真感光体1の回転と同期して給送されてもよい。
トナー画像の転写を受けた転写材7は、電子写真感光体1の周面から分離されて定着手段8へ導入されて像定着を受けることにより画像形成物(プリント、コピー)として装置外へプリントアウトされる。
トナー像転写後の電子写真感光体1の表面は、クリーニング手段(例えば、クリーニングブレード)9によって転写残りの現像剤(トナー)の除去を受けて清浄面化される。また、電子写真感光体1の表面は、さらに前露光手段(図示せず)からの前露光光10により除電処理された後、繰り返し画像形成に使用される。
本発明によるプロセスカートリッジは、上述の電子写真感光体1と、帯電手段3、現像手段5、転写手段6及びクリーニング手段9のような構成要素のうち複数の構成要素とを容器に納めて一体に結合して構成されたものであってもよい。また、このプロセスカートリッジを、複写機やレーザービームプリンターのような電子写真装置本体に対して着脱自在に構成してもよい。図2では、電子写真感光体1と、接触帯電手段3、現像手段5及びクリーニング手段9とを一体に支持してカートリッジ化して、電子写真装置本体のレールのような案内手段12を用いて電子写真装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジ11としている。
以下、本発明を実施例により説明する。実施例中、「部」は質量部を表す。
(合成例1)
[例示化合物(B−1)及び(B−2)の合成]
窒素気流下、ジメチルアセトアミド(DMAc)50質量部に下記の材料を添加したものを、140℃で24時間加熱撹拌した。
1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物 10質量部
3−クロロ−2,6−ジエチルアニリン 6.85質量部
2−アミノ−5−ニトロトルエン 5.67質量部
反応終了後、溶媒をエバポレーターにて除去、黒褐色粘稠体を得た。これを水で洗浄後、トルエン100質量部中で還流しながら1時間撹拌した。これを濾過し、濾過後の濾液について、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲルの量は100質量部)で分離精製を行った。展開溶媒としては、濾液を充填するまではトルエンを用い、その後トルエン/ヘキサン=1/1の比率のものを用いた。
得た分離精製物を、下記の条件で、液体クロマトグラフィーを用いた処理を行った。
使用装置:日立L7000シリーズ高速クロマトグラフ
(L−7100ポンプ、L−7200オートサンプラー、L−7300カラムオーブン、L−7400検出器(UV290nm)、D−2500形クロマトデーター処理装置)
カラム:内径4.6mm、長さ15cmのODSカラム
(日本ウォーターズ(株)製 「X Terra MS カラム」)
移動相:メタノール/水=3/1
溶離液の流量:1.0ml/分
温度:25℃
試料:ナフタレンテトラカルボン酸イミド0.5mgを酢酸エチル2mlに溶解
この処理中、注入後12.1分のピークが確認されてから、12.1分のピークが確認されなくなるまでの流出液、及び13.7分のピークが確認されてから、13.7分のピークが確認されなくなるまでの流出液をそれぞれ分取した。これらの流出液を、エバポレーターで濃縮し、結晶を得た。両方のピークに由来する流出液は、再び上述と同様に液体クロマトグラフィーで分離を行う操作を、12.1分及び13.7分のそれぞれのピークのみが検出されるまで繰り返した。最終的にそれぞれ黄白色の結晶の前成分(下記の例示化合物(B−1))2.5質量部(12.1分のピークを示す)と、後成分(下記の例示化合物(B−2))2.0質量部(13.7分のピークを示す)とを得た。
この前成分及び後成分について、以下の条件で質量分析を行ったところ、前成分及び後成分の分子量は、568(ピークトップ値として)であり、下記構造式(3)で示される化合物と同一であることを確認した。
質量分析機器:MALDI−TOF MS:ブルカー・ダルトニクス(株)製 ultraflex
加速電圧:20kV
モード:Reflector
分子量標準品:フラーレンC60
(合成例2)
[例示化合物(C−1)及び(C−2)]
窒素気流下、DMAc25質量部に下記の材料を添加したものを、140℃で8時間加熱撹拌した。
1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物 5質量部
2−メチル−5−ニトロアニリン 2.83質量部
その後、3−クロロ−2,6−ジエチルアニリン3.43質量部を添加し、さらに140℃で40時間加熱撹拌した。反応終了後、溶媒をエバポレーターにて除去し、黒褐色粘稠体を得た。これを水で洗浄後、トルエン50質量部中で還流しながら1時間撹拌した。これを濾過し、濾過後の濾液を、合成例1と同様の条件でシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いた分離精製を行った。
得た分離精製物を、12.1分のピーク及び13.7分のピークに代えて、12.8分及び13.3分のピークを対象とした以外は、合成例1と同様の条件で液体クロマトグラフィーを用いて処理を行った。その結果、それぞれ黄白色の結晶を前成分(下記の例示化合物(C−1))1.2質量部(12.8分のピークを示す)と後成分(下記の例示化合物(C−2))1.1質量部(13.3分のピークを示す)とを得た。
さらに、この前成分及び後成分について、合成例1と同様に質量分析を行ったところ、前成分及び後成分の分子量は、568(ピークトップ値として)であり、下記構造式(4)で示される化合物と同一であることを確認した。
(その他の合成例)
以下、合成例1及び2と同様に又はこれと類似の方法により、合成を行い、下記の例示化合物(A−1)乃至(D−2)を得た。これらの化合物を表1に示す。これらの化合物は、下記の各実施例に使用する。また、下記の各比較例に用いる化合物(例示化合物(E)乃至(I))を表2に示す。なお、例示化合物(E)乃至(I)のいずれにおいても、極性の異なる化合物は得られない。
(実施例1)
直径30mm、長さ260.5mmのアルミニウムシリンダーを超音波水洗浄したものを支持体とした。
次に、下記の材料を混合し、1mmφガラスビーズを用いたサンドミル装置で、2時間分散して、導電層用の分散液を調製した。
酸素欠損型SnOを被覆した硫酸バリウム粒子 40部
(粉体抵抗率200Ω・cm、SnOの被覆率(質量比率)は60%)
酸化チタン(商品名:TITANIX JR、テイカ(株)製) 8部
フェノール樹脂(結着樹脂として)(樹脂固形分60%) 25部
(商品名:プライオーフェンJ−325、大日本インキ化学工業(株)製)
メトキシプロパノール 30部
メタノール 30部
この分散液に、下記の材料を添加して攪拌し、導電層用塗布液を調製した。
シリコーン樹脂粒子(表面粗し付与材として) 3.9部
(商品名:トスパール120、GE東芝シリコーン(株)製、平均粒径2μm)
シリコーンオイル(レベリング剤として) 0.002部
(商品名:SH28PA、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製)
この導電層用塗布液を、温度23℃、相対湿度60%の環境下で、支持体上に浸漬塗布し、これを30分間140℃で乾燥・熱硬化させることによって、膜厚が20μmの導電層を形成した。
次に、N−メトキシメチル化6ナイロン5部をメタノール95部中に溶解し、下引き層用塗料を調製した。この塗料を、上記の導電層上に浸漬コーティング法によって塗布し、100℃で20分間乾燥して、0.5μmの下引き層を形成した。
次に、電荷発生層用塗料として、まず、下記の材料をシクロヘキサノン250部に添加し、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミルで4時間分散した。
結晶形のヒドロキシガリウムフタロシアニン 10部
(CuKα特性X線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°の7.5°、9.9°、16.3°、18.6°、25.1°及び28.3°に強いピークを有するもの)
下記構造式(5) 0.1部
ポリビニルブチラール樹脂 5部
(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業社製)
その後、これに、例示化合物(A−1)1.5部及び例示化合物(A−2)1.5部を添加して溶解し、これに酢酸エチル250部を加えて希釈した。このように調製した電荷発生層用塗布液を、下引き層上に塗布した後、100℃で10分間乾燥して膜厚が0.16μmの電荷発生層を形成した。
次に、下記の材料を、モノクロロベンゼン50部及びジクロロメタン30部の混合溶媒中に溶解し、電荷輸送層用塗布液を調製した。
下記構造式(6)で示される化合物 10部
下記構造式(7)の繰り返し単位を有するポリアリレート樹脂 10部
(重量平均分子量Mw≒115000)
なお、重量平均分子量は、常法に従い、以下のようにして測定されたものである。
すなわち、測定対象をテトラヒドロフラン中に入れ、数時間放置した後、振盪しながら測定対象樹脂とテトラヒドロフランとをよく混合し(測定対象樹脂の合一体がなくなるまで混合し)、さらに12時間以上静置した。
その後、東ソー(株)製のサンプル処理フィルターマイショリディスクH−25−5を通過させたものをGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)用試料とした。
次に、40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定化させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてテトラヒドロフランを毎分1mLの流速で流し、GPC用試料を10μL注入して、測定対象樹脂の重量平均分子量を測定した。カラムには、東ソー(株)製のカラムTSKgel SuperHM−Mを用いた。
測定対象の重量平均分子量の測定にあたっては、測定対象樹脂が有する分子量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント数との関係から算出した。検量線作成用の標準ポリスチレン試料には、アルドリッチ社製の単分散ポリスチレンの分子量が、以下のものを10点用いた。3,500、12,000、40,000、75,000、98,000、120,000、240,000、500,000、800,000及び1,800,000。検出器にはRI(屈折率)検出器を用いた。
このように調製した電荷輸送層用塗布液を、上述の電荷発生層上に浸漬コーティング法によって塗布し、120℃で1時間乾燥することによって、膜厚が17μmの電荷輸送層を形成した。
このようにして作成した電子写真感光体を、常温常湿下(温度23℃、相対湿度50%)及び低温低湿下(温度12℃、相対湿度10%)に24時間放置しておいてそれぞれの環境下で画像評価を行った。
画像評価は、ヒューレットパッカード製LBP「レーザージェット2510」(DC接触帯電)を下記の通り改造した装置に電子写真感光体を装着し、以下のプロセス条件を設定して評価を行った。
改造としては、プロセススピードを200mm/秒に変更し、前露光光のオンオフが可能なように変更し、露光光(画像露光光)の光量が可変となるようにし、暗部電位を−500V、明部電位を−150Vとした。
画像の評価は以下のように行った。
LBP−2510のシアン色用のプロセスカートリッジに、作製した電子写真感光体を装着して、シアンのプロセスカートリッジのステーションに装着した。
画像は、図1に示すように、画像の先頭部に黒い四角の画像を出した後、1ドット桂馬パターンで印字したハーフトーン画像を作成した。画像は、1枚目にベタ白画像とし、その後上記パターン画像を連続10枚印字した後、この連続10枚のうちの10枚目を評価した。これを、オンした状態とオフにした状態とで評価した。
[ゴーストの評価]
ゴーストの評価は、分光濃度計X−Rite504/508(X−Rite(株)製)を用いて、ゴーストの出現した画像の部分の濃度を比較して行った。つまり、前露光をオフにした状態での画像に対して、1ドット桂馬パターンで印字した画像のゴースト部の画像濃度からゴースト部ではない画像濃度を引いた濃度を測定し、1枚のゴースト画像で10点測定し、それら10点の平均値を求めた。
なお、ゴースト部の画像濃度からゴースト部ではない画像濃度を引いた濃度が0.05以上であると、見た目に明らかな差があるレベルであり、0.05未満であると、見た目に明らかな差はないレベルである。
帯電スジの評価は、前露光をオフにして得た画像について、以下の基準に従って官能的に観察して行った。
A:帯電スジが全くなし
B:帯電スジがほとんどなし
C:帯電スジがわずかに観測される
D:帯電スジが観測される
E:帯電スジがはっきりわかる
このような評価を、上述の通り得た電子写真感光体の製造後、各環境下24時間放置直後のもの(下記の表中、「初期」と称する。)と、耐久後のもの(下記の表中、「耐久後」と称する。)とで行った。通紙時(若しくは耐久中)は、前露光をオンにした状態で、各色の印字率2%の文字画像をレター紙にて20秒毎に1枚出力する間欠モードでフルカラープリント操作を行い、25000枚の画像出力を行った直後、同様な画像の評価を行った。結果を表3に示す。
別途、例示化合物(A−1)0.25mg及び例示化合物(A−2)0.25mgを酢酸エチル2mlに溶解させた試料を作成し、上記測定条件で液体クロマトグラフィーを測定した際のピーク面積比(前成分/後成分)を求めた。その結果を、表3に示す。
(実施例2)
実施例1において、例示化合物(A−1)及び(A−2)に代えて、例示化合物(B−1)及び(B−2)をそれぞれ用いた以外は実施例1と同様に行った。結果を表3に示す。また、例示化合物(B−1)及び(B−2)について得た液体クロマトグラフィーのチャートを図3に示す。
(実施例3)
実施例1において、例示化合物(A−1)及び(A−2)に代えて、例示化合物(C−1)及び(C−2)をそれぞれ用いた以外は実施例1と同様に行った。結果を表3に示す。
(実施例4)
実施例1において、例示化合物(A−1)及び(A−2)に代えて、例示化合物(D−1)及び(D−2)をそれぞれ用いた以外は実施例1と同様に行った。結果を表3に示す。
(実施例5)
実施例2において、例示化合物(B−1)1.5部及び例示化合物(B−2)1.5部を、それぞれ0.6部及び2.4部に変えた以外は、実施例2と同様に行った。結果を表3に示す。また、別途、例示化合物(B−1)0.1mg及び例示化合物(B−2)0.4mgを酢酸エチル2mlに溶解させた試料を作成し、上記測定条件で液体クロマトグラフィーを測定した際のピーク面積比(前成分/後成分)を求めた。その結果を、表3に示す。
(実施例6)
実施例2において、例示化合物(B−1)1.5部及び例示化合物(B−2)1.5部を、それぞれ0.9部及び2.1部に変えた以外は、実施例2と同様に行った。結果を表3に示す。また、別途、例示化合物(B−1)0.15mg及び例示化合物(B−2)0.35mgを酢酸エチル2mlに溶解させた試料を作成し、上記測定条件で液体クロマトグラフィーを測定した際のピーク面積比(前成分/後成分)を求めた。その結果を、表3に示す。
(実施例7)
実施例2において、例示化合物(B−1)1.5部及び例示化合物(B−2)1.5部を、それぞれ1.2部及び1.8部に代えた以外は、実施例2と同様に行った。結果を表3に示す。また、別途、例示化合物(B−1)0.2mg及び例示化合物(B−2)0.3mgを酢酸エチル2mlに溶解させた試料を作成し、上記測定条件で液体クロマトグラフィーを測定した際のピーク面積比(前成分/後成分)を求めた。その結果を、表3に示す。
(実施例8)
実施例2において、例示化合物(B−1)1.5部及び例示化合物(B−2)1.5部を、それぞれ2.1部及び0.9部に変えた以外は、実施例2と同様に行った。結果を表3に示す。また、別途、例示化合物(B−1)0.35mg及び例示化合物(B−2)0.15mgを酢酸エチル2mlに溶解させた試料を作成し、上記測定条件で液体クロマトグラフィーを測定した際のピーク面積比(前成分/後成分)を求めた。その結果を、表3に示す。
(実施例9)
実施例2において、例示化合物(B−1)1.5部及び例示化合物(B−2)1.5部を、それぞれ2.4部及び0.6部に変えた以外は、実施例2と同様に行った。結果を表3に示す。また、別途、例示化合物(B−1)0.4mg及び例示化合物(B−2)0.1mgを酢酸エチル2mlに溶解させた試料を作成し、上記測定条件で液体クロマトグラフィーを測定した際のピーク面積比(前成分/後成分)を求めた。その結果を、表3に示す。
(実施例10〜13)
実施例2において、電荷発生層中の例示化合物(B−1)及び例示化合物(B−2)の添加量1.5部を、それぞれ0.8部、1.1部、2.0部及び2.5部に変えた以外は実施例2と同様に行った。結果を表3に示す。また、別途、それぞれ0.13mg、1.83mg、0.33mg及び0.42mgの例示化合物(B−1)及び(B−2)を酢酸エチル2mlに溶解させた試料を作成し、上記測定条件で液体クロマトグラフィーを測定した際のピーク面積比(前成分/後成分)を求めた。その結果を、表3に示す。
(実施例14〜16)
実施例6〜8において、電荷発生層中の例示化合物(B−1)及び(B−2)に代えて、例示化合物(C−1)及び(C−2)をそれぞれ用いた以外は実施例6〜8と同様に行った。結果を表3に示す。また、実施例15で用いた例示化合物(C−1)及び(C−2)について、それぞれ0.20mg及び0.30mgを2mlの酢酸エチルに溶解した試料を用いて得た液体クロマトグラフィーのチャートを図4に示す。
(実施例17)
実施例2において、導電層を以下のように形成した以外は、実施例2と同様に行った。結果を表3に示す。
以下の成分を混合し、1mmφガラスビーズを用いたサンドミル装置で、3時間分散して、導電層用の分散液を調製した。
酸素欠損型SnOを被覆したTiO粒子(導電性粒子として) 55部
(粉体抵抗率100Ω・cm、SnOの被覆率(質量比率)は40%)
フェノール樹脂(結着樹脂として)(樹脂固形分60%) 36.5部
(商品名:プライオーフェンJ−325、大日本インキ化学工業(株)製)
メトキシプロパノール(溶剤として) 35部
この分散液に、以下の成分を添加して攪拌し、導電層用塗布液を調製した。
シリコーン樹脂粒子(表面粗し付与材として) 3.9部
(商品名:トスパール120、GE東芝シリコーン(株)製、平均粒径2μm)
シリコーンオイル(レベリング剤として) 0.001部
(商品名:SH28PA、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製)
この導電層用塗布液を、温度23℃、相対湿度60%の環境下で、支持体上に浸漬塗布し、これを30分間140℃で乾燥・熱硬化させることによって、膜厚が15μmの導電層を形成した。
(実施例18)
実施例2において、導電層に用いた酸素欠損型SnOを被覆した硫酸バリウム粒子40部に代えて、以下の成分を用いた以外は、実施例2と同様に行った。結果を表3に示す。
酸素欠損型SnOを被覆したTiO粒子(平均粒径0.30μm) 55部
(粉体抵抗率220Ω・cm、SnOの被覆率(質量比率)は35%)
(実施例19)
実施例17において、例示化合物(B−1)及び(B−2)に代えて、例示化合物(C−1)及び(C−2)をそれぞれ用いた以外は実施例17と同様に行った。結果を表3に示す。
(比較例1)
実施例1において、例示化合物(A−1)1.5部及び例示化合物(A−2)1.5部に代えて、例示化合物(E)3.0部を用いた以外は、実施例1と同様に行った。結果を表4に示す。
(比較例2)
比較例1において、例示化合物(E)に代えて、例示化合物(F)を用いた以外は、比較例1と同様に行った。結果を表4に示す。
(比較例3)
比較例1において、例示化合物(E)に代えて、例示化合物(G)を用いた以外は、比較例1と同様に行った。結果を表4に示す。
(比較例4)
実施例2において、例示化合物(B−2)1.5部を加えなかった以外は、実施例2と同様に行った。結果を表4に示す。
(比較例5)
実施例2において、例示化合物(B−1)1.5部を加えなかった以外は、実施例2と同様に行った。結果を表4に示す。
(比較例6)
比較例4において、例示化合物(B−1)1.5部を3.0部に変えた以外は、比較例4と同様に行った。結果を表4に示す。
(比較例7)
比較例5において、例示化合物(B−2)1.5部を3.0部に変えた以外は、比較例5と同様に行った。結果を表4に示す。
(比較例8)
比較例6において、例示化合物(B−1)に代えて、例示化合物(C−1)を用いた以外は、比較例6と同様に行った。結果を表4に示す。
(比較例9)
比較例7において、例示化合物(B−2)に代えて、例示化合物(C−2)を用いた以外は、比較例7と同様に行った。結果を表4に示す。
(比較例10)
比較例1において、例示化合物(E)を、例示化合物(H)に変えた以外は、比較例1と同様に電子写真感光体を作成し、評価を行った。結果を表4に示す。
(比較例11)
比較例1において、例示化合物(E)に代えて、例示化合物(I)を用いた以外は、比較例1と同様に行った。結果を表4に示す。
(比較例12)
実施例1において、例示化合物(A−1)及び例示化合物(A−2)に代えて、例示化合物(F)及び例示化合物(G)を用いた以外は、実施例1と同様に行った。結果を表4に示す。
(比較例13)
実施例1において、例示化合物(A−1)及び例示化合物(A−2)を加えなかった以外は、実施例1と同様に行った。結果を表4に示す。
(比較例14)
実施例17において、例示化合物(B−1)及び(B−2)を加えなかった以外は、実施例17と同様に行った。結果を表4に示す。
評価画像を示す。 本発明によるプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の一例を示す。 実施例2で得た液体クロマトグラフィーのチャートを示す。 実施例15で得た液体クロマトグラフィーのチャートである。
符号の説明
1 電子写真感光体
2 軸
3 帯電手段
4 露光光
5 現像手段
6 転写手段
7 転写材
8 定着手段
9 クリーニング手段
10 前露光光
11 プロセスカートリッジ
12 案内手段

Claims (7)

  1. 導電性支持体上に電荷発生層と電荷輸送層とを有する電子写真感光体において、
    該電荷発生層は、電荷発生材料と、液体クロマトグラフィー法により分析を行ったときのピークが2つである下記構造式(1)

    (式中X、X、X及びXのうち少なくとも1つはニトロ基を示し、ニトロ基以外は水素原子を示す。)
    で示されるナフタレンテトラカルボン酸ジイミドとを含有することを特徴とする電子写真感光体。
  2. 前記ナフタレンテトラカルボン酸ジイミドは、下記構造式(2)

    である、請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 前記液体クロマトグラフィー法により分析を行ったときの2つのピークの面積比は、0.40以上2.5以下である、請求項1又は2に記載の電子写真感光体。
  4. 前記電荷発生層中のナフタレンテトラカルボン酸ジイミドの含有量は、電荷発生材料の質量に対して、21質量%以上40質量%以下である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電子写真感光体。
  5. 前記電荷発生層中の電荷発生材料は、ヒドロキシガリウムフタロシアニンである、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の電子写真感光体。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の電子写真感光体を備えたことを特徴とするプロセスカートリッジ。
  7. 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の電子写真感光体を備えたことを特徴とする電子写真装置。
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