JP2007187728A - 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 - Google Patents

電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 Download PDF

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Abstract

【課題】高感度を維持しつつ、メモリーを起こさず、高速プロセスで繰り返し使用時にもゴースト画像の発生を抑制することができる電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供する。
【解決手段】導電支持体上に、感光層を含む層構造を有する電子写真感光体において、層構造は、多環芳香族化合物を有し、多環芳香族化合物は、下記分子団(A)乃至(D)からなる群から選択された分子団のうち、少なくとも1つの分子団(B)乃至(D)を含む2個以上6個以下の分子団からなる。

【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真感光体に係り、詳しくは、構成する層に特定の構造を有する化合物を含有する電子写真感光体並びにこの電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置に関する。
従来、電子写真感光体としては、セレン、酸化亜鉛、硫化カドミウムなどの無機光導電性化合物を主成分とする無機感光体が広く用いられてきた。近年では、有機系光導電性物質を樹脂などで結着した電荷輸送層と電荷発生層とを有する、2つの機能に分離させた層を有する積層型有機系電子写真感光体に関して様々な提案がなされている(例えば特許文献1乃至5)。
なかでも、電荷発生層上に電荷輸送層を設けた層構成を有する電子写真感光体は、耐久性に優れており、現在では主流となっている。例えば、トリアリルピラゾリンを含有する電荷移動層を有する感光体(特許文献6)、ペリレン顔料の誘導体からなる電荷発生層と、3−プロピレンとホルムアルデヒドとの縮合体からなる電荷移動層とからなる感光体(特許文献7)等が開示されている。また、ジスアゾ顔料又はトリスアゾ顔料を電荷発生物質として用いた感光体(例えば特許文献8、9)などがある。さらに、有機光導電性化合物は、その化合物によって電子写真感光体の感光波長域を自由に選択することが可能である。例えば、アゾ系の有機顔料に関していえば、可視領域で高感度を示すもの(例えば特許文献10、11)が開示されており、また赤外領域にまで感度を有するもの(例えば特許文献12、13)もある。
これらの材料のうち、赤又は赤外領域に感度を有する材料は、近年の進歩の著しいレーザービームプリンターやLEDプリンターなどに使用されその需要頻度は高くなってきている。従来から赤外領域に感度を有する材料として銅フタロシアニン(例えば特許文献14)や無金属フタロシアニンなどがあげられるが、今日の高感度化には不十分であった。さらに、積層型有機電子写真感光体において、電荷発生層に有機アクセプターを添加して高感度化を図ることが提案されているが(特許文献15)、十分とはいえるものではなかった。近年の高感度に対応できる材料として、オキシチタニウムフタロシアニン顔料(特許文献16、17)、ガリウムフタロシアニン顔料(特許文献18、19)、クロロガリウムフタロシアニン顔料(特許文献20、21)などが注目されている。これらを使用した感光体は、高い量子効率を実現している。
しかし、今日の電子写真技術の発展は著しく、電子写真感光体に求められる特性に対しても非常に高度なレベルが要求されている。例えば、プロセススピードは年々早くなり、帯電特性、感度、耐久安定性などが求められるようになってきている。特に、近年ではカラー化に代表されるように高画質化が求められ、白黒画像が文字中心の画像だったものが、カラー化により、写真に代表されるハーフトーン画像やベタ画像が多くなっており、それらの画像品質は年々高まる一方である。特に、いわゆるポジゴースト画像やネガゴースト画像などに対して許容され得る基準は、白黒プリンターや白黒複写機に比べて、格段に厳しくなってきている。これらのゴースト画像は、高感度な電荷発生材料を用いることにより、キャリアーの絶対数が多く、ホールが電荷輸送層中に注入された後の電子が電荷発生層中に残りやすく、メモリーとなるためと考えられている。従って、ゴースト画像は、近年の高感度電荷発生材料に特に顕著な現象と考えられている。なお、ポジゴースト現象とは、画像1枚の中で光が照射された部分に次回転目でハーフトーン潜像画像が生じた場合において、前回に光照射した上述の部分のみの濃度が濃くなる現象をいう。また、ネガゴースト現象とは、前回に光照射した上述の部分のみの濃度が薄くなる現象をいう。
例えば、これらゴースト画像に関して、特許文献22は、オキシチタニウムフタロシアニンを有する電荷発生層にアクセプター化合物を含有する電子写真感光体を開示する。特許文献22は、この構成を採用することで、残留電位の減少とゴーストの低減とが達成されると述べるが、感光体を+500Vに帯電した状態で5時間放置し、現象を顕著にした後、ゴースト評価を行っている。これは、どちらかというと正の帯電メモリーによるゴーストの効果を示しており、通常のゴーストとは異なる。その他、電荷発生層に電子輸送性材料、電子受容体又は電子吸引物質を添加すること(例えば特許文献23乃至30)が開示されているが、上述のような厳しい許容基準をクリアするまでゴースト改善に効果があるものではなかった。また、特許文献31は、フタロシアニン顔料化工程時に電子輸送性材料を添加して製造するフタロシアニン顔料の製造法を開示する。この文献には、電子輸送性材料が電荷発生材料の近傍に配置されていることが重要で、それにより高感度化を達成することを開示する。しかしながら、これも、上述のような厳しい評価基準をクリアできるほどゴースト改善に効果があるものではなかった。
また、電子写真装置は、従来ではオフセット印刷やスクリーン印刷等、印刷の領域であった市場にも進出しており、プリントスピードの向上が求められている。それに伴い、プロセススピードは年々高速化しており、ゴーストの発生の無い安定した画像品質がより高次元で求められている。
特開昭57−54942号公報 特開昭60−59355号公報 特開昭61−203461号公報 特開昭62−47054号公報 特開昭62−67094号公報 米国特許第3,837,851号明細書 米国特許第3,871,882号明細書 特開昭60−29108号公報 特開昭56−46237号公報 特開昭60−272754号公報 特開昭56−167759号公報 特開昭57−195767号公報 特開昭61−228453号公報 特開昭50−38543号公報 特開昭61−2157号公報 特開昭63−366号公報 特開平1−319934号公報 特開平5−249716号公報 特開平5−263007号公報 特開平5−188615号公報 特開平5−194523号公報 特開平7−104495号公報 特開平2−136860号公報 特開平2−136861号公報 特開平2−146048号公報 特開平2−146049号公報 特開平2−146050号公報 特開平5−150498号公報 特開平6−313974号公報 特開2000−39730号公報 特開2001−040237号公報
本発明は、以上の事情に鑑みてなされたもので、高感度を維持しつつ、メモリーを起こさず、高速プロセスで繰り返し使用時にもゴースト画像の発生を抑制することができる電子写真感光体を提供することを目的とする。また、本発明は、この電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討の結果、電子写真感光体を構成する層に特定の構造を有する化合物を含有させることにより上述の目的を達成できることを見いだした。
すなわち、本発明による電子写真感光体は:
導電支持体上に、感光層を含む層構造を有する電子写真感光体において、
該層構造は、多環芳香族化合物を有し、
該多環芳香族化合物は、下記分子団(A)乃至(D)からなる群から選択された分子団のうち、少なくとも1つの分子団(B)乃至(D)を含む2個以上6個以下の分子団からなることを特徴とする。
式中、
21、Z22、Z31、Z32、Z41及びZ42は、それぞれ独立に、酸素原子、C(CN)、N−R、C(CN)COR、C(CN)COOR、C(CN)R又はC(COOR)を示し、
Rは、置換若しくは無置換のアルキル基又は置換若しくは無置換のアリール基を示し、
11、X12、X13、X14、X15及びX16の少なくとも一つ、X21、X22、X23、X24、X25及びX26の少なくとも一つ、X31、X32、X33、X34、X35及びX36の少なくとも一つ並びにX41、X42、X43、X44、X45、X46、X47及びX48の少なくとも一つは、分子団(A)乃至(D)又は連結基であり、それ以外は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、パーフルオロアルキル基、水酸基、置換若しくは無置換のアルコキシ基、置換若しくは無置換のアルキル基又は置換若しくは無置換のアリール基を示す。
R並びにX11、X12、X13、X14、X15及びX16、X21、X22、X23、X24、X25及びX26、X31、X32、X33、X34、X35及びX36並びにX41、X42、X43、X44、X45、X46、X47及びX48(以下、単にXとも称する。)に係るアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基などが挙げられる。また、R及びXに係るアリール基としては、フェニル基、ナフチル基などが挙げられる。さらに、Xに係るハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素などが挙げられる。その他、Xに係るアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基などが挙げられる。
また、上述の多環芳香族化合物は、下記一般式(1)乃至(3)で示される化合物であることが好ましい。
式中、
E及びEは、それぞれ独立に、分子団(A)乃至(D)からなる群から選ばれる分子団のうち、少なくとも1つの分子団(B)乃至(D)を含む1価又は2価の分子団を示し、
Qは、n価の連結基を示し、
lは、0以上4以下の整数を示し、
nは、3以上6以下の整数を示し、
mは、0以上6以下の整数を示す。
さらに、本発明によるプロセスカートリッジ及び電子写真装置は、上述の電子写真感光体を有することを特徴とする。
高感度を維持しつつ、メモリーを起こさず、高速プロセスにおいての繰り返し使用時にもゴースト画像抑制することができる。
以下に、本発明をより詳細に説明する。まず、本発明の電子写真感光体の構成について説明する。
本発明による電子写真感光体に用いられる導電性支持体としては、アルミニウム、ニッケル、銅、金、鉄等の金属又は合金が挙げられる。また、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリイミド、ガラス等の絶縁性支持体上にアルミニウム、銀、金等の金属や、酸化インジウム、酸化スズ等の導電材料の薄膜を形成したものが挙げられる。さらに、カーボンや導電性フィラーを樹脂中に分散し導電性を付与したもの等が挙げられる。これらの支持体表面は、電気的特性改善又は密着性改善のために、陽極酸化等の電気化学的な処理を行われてもよい。また、支持体表面は、アルカリリン酸塩、リン酸又はタンニン酸等を主成分とする酸性水溶液に金属塩の化合物又はフッ素化合物の金属塩を溶解してなる溶液で化学処理が施されてもよい。
また、本発明による電子写真感光体を単一波長のレーザー光などの光手段を有するプリンターに用いる場合、干渉縞を抑制するために、導電性支持体の表面を適度に粗らしておくことが必要である。具体的には、支持体表面をホーニング、ブラスト、切削、電界研磨等の処理をした支持体、アルミニウム及びアルミニウム合金上に導電性金属酸化物及び結着樹脂からなる導電性皮膜を被覆した支持体を用いることが必要である。
ホーニング処理としては、乾式及び湿式など、種々の公知の処理方法が挙げられる。このうち、湿式ホーニング処理は、水等の液体に粉末状の研磨剤を懸濁させ、高速度で基体表面に吹き付けて粗面化すればよい。この場合、表面粗さは、吹き付け圧力、速度、研磨剤の量、種類、形状、大きさ、硬度、比重及び懸濁温度等により制御することができる。また、乾式ホーニング処理は、研磨剤をエアーにより、高速度で導電性基体表面に吹き付けて粗面化すればよく、湿式ホーニング処理と同じように表面粗さを制御することができる。これら湿式又は乾式ホーニング処理に用いる研磨剤としては、炭化ケイ素、アルミナ、鉄、ガラスビーズ等の粒子が挙げられる。
導電性金属酸化物及び結着樹脂からなる導電性皮膜をアルミニウムやアルミニウム合金の支持体に塗布した導電性支持体では、導電性皮膜中には、フィラーとして、導電性微粒子からなる粉体を有する。この方法は、微粒子を皮膜中に分散させることで、レーザー光を乱反射させ干渉縞を防ぐと共に塗布前の支持体の傷や突起などを隠蔽する効果がある。微粒子には、酸化チタン、硫酸バリウムなどが用いられ、必要に応じて、フィラーとして適切な比抵抗を有するように、この微粒子に酸化錫などで導電性被覆層を設けてもよい。導電性微粒子粉体の比抵抗は、0.1Ω・cm以上1000Ω・cm以下、更には1Ω・cm以上1000Ω・cm以下が好ましい。フィラーの含有量は、導電性皮膜層に対して1.0質量%以上90質量%以下、更には5.0質量%以上80質量%以下が好ましい。被覆層には、必要に応じて、フッ素又はアンチモンを含有してもよい。
上述の導電性皮膜に用いられる結着樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアミド酸、ポリビニールアセタール、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂又はポリエステルなどが好ましい。これらの樹脂は単独でも、二種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの樹脂は、支持体に対する接着性が良好であると共に、本発明で使用するフィラーの分散性を向上させ、且つ成膜後の耐溶剤性が良好である。上述の樹脂のうち、特にフェノール樹脂、ポリウレタン及びポリアミド酸が好ましい。
導電性皮膜は、例えば浸漬やマイヤーバー等を用いた溶剤塗布法で形成されてもよい。導電性皮膜の厚みは、0.1μm以上30μm以下、更には0.5μm以上20μm以下が好ましい。また、導電性皮膜の体積抵抗率は、1013Ωcm以下、更には10Ω・cm以上1012Ω・cm以下が好ましい。導電性皮膜には、被覆層を有する硫酸バリウム微粒子からなる粉体のほか、酸化亜鉛や酸化チタン等の粉体からなるフィラーを含有してもよい。更に、表面性を高めるためにレベリング剤を添加してもよい。
本発明による電子写真感光体は、導電性支持体上に感光層を有する。本発明の感光層の構成は、電荷発生材料と電荷輸送材料との両方を同一の層に含有する単層型と、電荷発生材料を含有する電荷発生層と電荷輸送材料を含有する電荷輸送層とからなる積層型とに大別される。積層型の構成としては、基体上に電荷発生層及び電荷輸送層をこの順に積層した順層型と、逆に、電荷輸送層及び電荷発生層の順に積層した逆層型とがある。本発明による電子写真感光体は、上述のいずれの層構造であっても、上述の層及び下述の層のいずれかに上述の多環芳香族化合物を有すればよく、特に、ゴースト改善の観点から順層型の電荷発生層に上述の多環芳香族化合物を含有することが好ましい。
また、本発明による電子写真感光体では、必要に応じて、感光層と導電性支持体との間に中間層を有してもよく、この中間層は、ゴースト改善の点で、上述の多環芳香族化合物を含有することが好ましい。中間層は、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、エチルセルロース、カゼイン、ポリウレタン、ポリエーテルウレタンなどの樹脂を適当な溶剤に溶解し、これを支持体又は導電層上に塗布・乾燥して形成してもよい。中間層の膜厚は、0.05μm以上5μm以下であることが好ましく、特に、0.3μm以上1μm以下であることがより好ましい。中間層が上述の多環芳香族化合物を有する場合、多環芳香族化合物の含有量は、中間層全体に対して5質量%以上95質量%以下が好ましく、より好ましくは25質量%以上80質量%以下の範囲である。
以下、上述の多環芳香族化合物のうち、一般式(1)乃至(3)で示した化合物の具体例を示す。なお、本発明において、多環芳香族化合物は、これらに限定されるものではない。
一般式(1)の化合物例
一般式(2)の化合物例
一般式(3)の化合物例
積層型の場合、帯電極性により輸送される電荷が異なるため、用い得る材料が異なる。負帯電で用いる順層型及び正帯電で用いる逆層型の電荷輸送層中には、正孔輸送材料を含有し、正帯電で用いる順層型及び負帯電で用いる逆層型の電荷輸送層中には、電子輸送材料を含有する。
有機電子写真感光体を用いる電子写真プロセスにおいては、上述の電荷の輸送には、一般的に、負帯電方式が採用されることが多く、耐久性の点から、順層型が採用されることが一般的である。
本発明において、上述の多環芳香族化合物を含有させることで、ゴースト画像の発生が抑制される理由は定かではないが、以下のように考えられる。ゴースト画像は、露光を受けた部分と受けなかった部分とに残存するキャリアー数が異なることに起因して、次回転露光時に電位差が生じることによるものと考えられる。
露光により電荷発生層で電荷が発生し、分離された正孔及び電子のキャリアーは、バインダー樹脂を介して移動していく。負帯電積層感光体の場合、正孔は、正孔輸送材料を含む電荷輸送層側へ注入されていくが、電子は、電荷発生層内部、電荷発生層と中間層との界面及び中間層内部に残存しやすく、次回転時の帯電及び露光時に電位差を生じる原因になると考えられる。この電位差により、ゴースト画像が発生されると考えられる。上述の多環芳香族化合物は、機能的部位を有する分子団(A)乃至(D)を2個以上6個以下(分子団(B)乃至(D)を少なくとも一つ含む。)有しており、上述の残存した電子を効率的に受容又は輸送する作用をしていると考えられる。
以下、負帯電で使用する積層型(順層)の感光層を有する電子写真感光体について説明する。
本発明に用いられる電荷発生材料としては、以下の(1)乃至(17)が挙げられる。
(1)モノアゾ、ジスアゾ、トリスアゾ等のアゾ系顔料
(2)金属フタロシアニン及び非金属フタロシアニン等のフタロシアニン系顔料
(3)インジゴ及びチオインジゴ等のインジゴ系顔料
(4)ペリレン酸無水物及びペリレン酸イミド等のペリレン系顔料
(5)アンスラキノン及びピレンキノン等の多環キノン系顔料
(6)スクワリリウム色素
(7)ピリリウム塩及びチアピリリウム塩類
(8)トリフェニルメタン系色素
(9)セレン、セレンーテルル、アモルファスシリコン等の無機材料
(10)キナクリドン顔料
(11)アズレニウム塩顔料
(12)シアニン染料
(13)キサンテン色素
(14)キノンイミン色素
(15)スチリル色素
(16)硫化カドミウム
(17)酸化亜鉛等
特に、金属フタロシアニン顔料が好ましく、なかでも、オキシチタニウムフタロシアニン結晶、クロロガリウムフタロシアニン結晶、ジクロロスズフタロシアニン結晶、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料が好ましい。さらに、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料が特に好ましい。
オキシチタニウムフタロシアニン顔料としては、CuKαを線源とする特性X線回折において、以下の(101)及び(102)に示したブラッグ角度(2θ±0.2°)に強い回折ピークを有するオキシチタニウムフタロシアニン顔料が好ましい。
(101)9.0°、14.2°、23.9°及び27.1°
(102)9.5°、9.7°、11.7°、15.0°、23.5°、24.1°及び27.3°
クロロガリウムフタロシアニン結晶としては、CuKαを線源とする特性X線回折において、以下の(111)乃至(113)に示したブラッグ角度(2θ±0.2°)に強い回折ピークを有するクロロガリウムフタロシアニン結晶が好ましい。
(111)7.4°、16.6°、25.5°及び28.2°
(112)6.8°、17.3°、23.6°及び26.9°
(113)8.7〜9.2°、17.6°、24.0°、27.4°及び28.8°
ジクロロスズフタロシアニン結晶としては、CuKαを線源とする特性X線回折において、以下の(121)乃至(124)に示したブラッグ角度(2θ±0.2°)に強い回折ピークを有するジクロロスズフタロシアニン結晶が好ましい。
(121)8.3°、12.2°、13.7°、15.9°、18.9°及び28.2°
(122)8.5°、11.2°、14.5°及び27.2°
(123)8.7°、9.9°、10.9°、13.1°、15.2°、16.3°、17.4°、21.9°及び25.5°
(124)9.2°、12.2°、13.4°、14.6°、17.0°及び25.3°
ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶としては、CuKαを線源とする特性X線回折において、以下の(131)に示したブラッグ角度(2θ±0.2°)強い回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶が好ましい。
(131)7.5°、9.9°、12.5°、16.3°、18.6°、25.1°及び28.3°
本発明による電子写真感光体の電荷発生層に含有される結着樹脂としては、本技術分野公知の種々の化合物を用いることができる。例えば、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレンなどのビニル化合物の重合体及び共重合体が挙げられる。また、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリウレタン、セルロース樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ケイ素樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。なかでも、ポリエステル、酢酸ビニル、ポリビニルアセタールが好ましく、中でもポリビニルアセタールがより好ましい。また、重量平均分子量Mwは、60,000以上150,000以下のものが好ましい。
電荷発生層の膜厚は、0.01μm以上2μm以下であることが好ましく、特には0.05μm以上0.5μm以下であることがより好ましい。電荷発生層中の電荷発生材料と結着樹脂との比率は0.5/1以上4/1以下が好ましく1/1以上1/3以下がより好ましい。
本発明において、電荷発生層は、上述の多環芳香族化合物を有していることが好ましい。多環芳香族化合物の添加量は、電荷発生材料の1質量%以上100質量%以下であることが好ましく、10質量%以上50質量%以下がより好ましい。多環芳香族化合物は、上述の通り、分子団(A)乃至(D)からなる群から選択された分子団のうち、分子団(B)乃至(D)の少なくとも1つの分子団を含めばよい。特に、同一の分子団のみを含むよりは分子団(A)乃至(D)の少なくとも2つ以上の異なった分子団を含む多環芳香族化合物がより好ましい。多環芳香族化合物は、単独又は複数種含まれていてもよい。また、その他電気特性や成膜性等を向上する目的で添加剤を含有してもよい。
本発明において、電荷発生層は、まず、顔料化された電荷発生材料を、結着樹脂及びその他化合物並びに溶剤とともに、ホモジナイザー、超音波分散、ボールミル、振動ボールミル、サンドミル、アトライター及びロールミルなどで分散してもよい。その後、この分散液を塗布し、乾燥して形成される。多環芳香族化合物及び/又は結着樹脂は、分散後添加してもよい。
正孔輸送層は、分子分散状態の正孔輸送性材料と結着樹脂とを含有しており、成膜性を有する結着樹脂と、正孔輸送材料とを溶解した溶液を塗布し、乾燥することによって形成される。
正孔輸送材料としては、例えば、カルバゾール、インドール、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、オキサジアゾール、ピラゾール、ピラゾリン、チアジアゾル及びトリアゾールなどの複素環化合物が挙げられる。また、p−ジエチルアミノベンズアルデヒド−N,N−ジフェニルヒドラゾン及びN,N−ジフェニルヒドラジノ−3−メチリデン−9−エチルカルバゾールなどのヒドラゾン系化合物が挙げられる。さらに、α−フェニル−4’−N,N−ジアミノスチルベン及び5−[4−(ジ−p−トリルアミノ)ベンジリデン]−5H−ジベンゾ[a,d]ジシクロヘプテンなどのスチリル系化合物が挙げられる。そのうえ、ベンジジン系化合物、トリアリールアミン系化合物若しくはトリフェニルアミン又はこれらの化合物からなる基を主鎖又は側鎖に有するポリマー(例えば、ポリ−N−ビニルカルバゾール及びポリビニルアントラセンなど)が挙げられる。なお、正孔輸送材料としては、これらに限定されるものではない。
成膜性を有する樹脂としては、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸エステル、ポリアリレート、ポリサルホン及びポリスチレンなどが挙げられるがこれらに限定されるものではない。なかでも、特に、カーボネート結合を有するポリカーボネートやポリアリレートが好ましい。
正孔輸送材とバインダー樹脂との比率は、10/2以上2/10以下が好ましく、より好ましくは、10/6以上6/10以下である。
さらに、本発明による電子写真感光体は、正孔輸送層上に表面保護層を有してもよい。表面保護層は、結着樹脂に導電性粒子又は電荷輸送材料を含有する構成であってもよい。また、潤滑剤等の添加剤を含有してもよい。さらに、結着樹脂は、導電性や電荷輸送性を有するものであってもよい。この場合、樹脂以外に導電性粒子/電荷輸送材料等を含まなくてもよい。樹脂は、熱/光/放射線等により硬化する硬化性樹脂でも、非硬化性の公知の熱可塑性樹脂でもよい。
これらの電子写真感光体を構成する層の作成する方法は、塗工液を調製した後、例えば、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、カーテンコーティング法及びスピンコーティング法などが挙げられる。なかでも、効率性/生産性の点で、浸漬コーティング法が好ましい。
(本発明によるプロセスカートリッジ及び電子写真装置)
次に、本発明によるプロセスカートリッジ及び電子写真装置を説明する。
図1は、本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の一例を示す。
図1において、1はドラム状の本発明による電子写真感光体であり、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。電子写真感光体1は、回転過程において、帯電手段3によりその周面に正又は負の所定電位の均一帯電を受け、次いで、スリット露光やレーザービーム走査露光などの露光手段(図示せず)からの露光光4を受ける。こうして電子写真感光体1の周面に静電潜像が順次形成されていく。
形成された静電潜像は、次いで現像手段5によりトナー現像される。現像されたトナー現像像は、給紙部(図示せず)から電子写真感光体1と転写手段6との間に電子写真感光体1の回転と同期して給紙された転写材Pに、転写手段6により順次転写されていく。
像転写を受けた転写材Pは、電子写真感光体面から分離されて像定着手段8へ導入されて像定着を受けることにより複写物(コピー)として装置外へプリントアウトされる。
像転写後の電子写真感光体1の表面は、クリーニング手段7によって転写残りトナーの除去を受けて清浄面化され、繰り返し画像形成に使用される。
帯電手段3は、コロナ放電を利用したスコロトロン帯電器やコロトロン帯電器でもよく、ローラ形状、ブレード形状、ブラシ形状など公知の形態が使用される接触型帯電器を用いてもよい。
本発明においては、上述の電子写真感光体1と、帯電手段3、現像手段5及びクリーニング手段7などの構成要素のうち、複数のものとをプロセスカートリッジとして一体に結合して構成する。このプロセスカートリッジを複写機やレーザービームプリンターなどの電子写真装置本体に対して着脱自在に構成してもよい。
例えば、帯電手段3、現像手段5及びクリーニング手段7の少なくとも1つを電子写真感光体1と共に一体に支持してカートリッジ化する。これを、カートリッジ挿入ガイド/装置本体のレールなどの案内手段10を用いて装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジとすることができる。
また、露光光4は、電子写真装置が複写機やプリンターである場合には、原稿からの反射光や透過光であってもよい。また、露光光4は、センサーで原稿を読取り、信号化し、この信号にしたがって行われるレーザービームの走査、LEDアレイの駆動及び液晶シャッターアレイの駆動などにより照射される光であってもよい。
本発明による電子写真感光体は、複写機、レーザープリンター、LEDプリンター、液晶シャッター式プリンターなどの電子写真装置一般に適応し得る。さらに、本発明による電子写真感光体は、電子写真技術を応用したディスプレー、記録、軽印刷、製版及びファクシミリなどの装置にも幅広く適用し得るものである。
以下、実施例にしたがって、本発明をよりさらに詳細に説明する。なお、「部」は、質量部を示す。
(合成例1)
(例示化合物3−7の合成)
5−ブロモアセナフテンキノン5.0g、1,4−フェニレンビスボロン酸1.5g及びテトラキストリフェニホスフィンパラジウム0.5gを有する20%炭酸ナトリウム水溶液10mLをテトラヒドロフラン(THF)200mL中で5時間加熱還流を行った。冷却後、THFを減圧下で留去して得た残留物にエタノールを加え結晶を析出させて、ろ過により分取した。
得た粗結晶をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒は、トルエン:THF=10:1)により生成し、化合物3−7を得た。なお、この化合物3−7の質量分析スペクトル(BRUKER社製、REFLEXIII−TOFを使用しNEGAイオンモードで測定した。)を測定したところ、m/z=438.1(M)であった。
(合成例2)
(例示化合物3−8の合成)
1.0gの例示化合物3−7及びマロノニトリル0.3gをTHF100mL中で1時間加熱還流を行った。冷却後、THFを減圧下で留去して得た残留物をエタノールで再結晶して、例示化合物3−8を得た。この化合物3−8の質量分析スペクトル(BRUKER社製、REFLEXIII−TOFを使用しNEGAイオンモードで測定した。)を測定したところ、m/z=534.1(M)であった。
(合成例3)
(例示化合物1−7の合成)
2−アミノフェナントレンキノン1.0g、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸無水物1.0g及び2−エチル−6−メチルアニリン0.6gを1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン50mL中で6時間加熱還流を行った。冷却後、溶媒を減圧下で留去して得た残留物をTHFで再結晶し、さらにシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒は、トルエン:THF=10:1)により精製して、例示化合物1−7を得た。この化合物1−7の質量分析スペクトル(BRUKER社製、REFLEXIII−TOFを使用しNEGAイオンモードで測定した。)を測定したところ、m/z=590.1(M)であった。
(合成例4)
(例示化合物1−9の合成)
1.0gの例示化合物1−7及びマロノニトリル0.1gをTHF100mL中で1時間加熱還流を行った。冷却後、THFを減圧下で留去して得た残留物をエタノールで再結晶して例示化合物1−9を得た。この化合物1−9の質量分析スペクトル(BRUKER社製、REFLEXIII−TOFを使用しNEGAイオンモードで測定した。)を測定したところ、m/z=638.2(M)であった。
なお、本発明において、その他の化合物についても同様の方法によって合成が可能である。
(実施例1)
〔感光体の作成〕
まず導電層用の塗料を以下の手順で調製した。以下の成分を、φ1mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置で2時間分散して、塗料を調製した。
10%の酸化アンチモンを含有する酸化スズで被覆した導電性酸化チタン粉体
50部
レゾール型フェノール樹脂 25部
(プライオーフェンJ−325、大日本インキ化学工業製)
メチルセロソルブ 20部
メタノール 5部
シリコーン化合物 0.002部
(ポリジメチルシロキサンポリオキシアルキレン共重合体)
この塗料を、φ30mmで長さ260mmのアルミニウムシリンダー上に浸漬塗布方法で塗布し、150℃で30分乾燥して、膜厚15μmの導電層を形成した。
次に、アルコール可溶性ポリアミド樹脂(アミランCM8000:東レ製)15部をメタノール200部とベンジルアルコール150部とからなる液に溶解して中間層用塗料を調製した。この液を上述の導電層の上に浸漬塗布方法で塗布し、100℃で10分間乾燥して、膜厚0.6μmの中間層を形成した。
次に、以下の成分を、φ1mmのガラスビーズを用いたサンドミル装置で3時間分散した。
ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料(HOGaPc) 5部
(電荷発生材料としてCuKαの特性X線回折におけるブラッグ角(2θ±0.2°)において7.3°、24.9°及び28.1°に強いピークを有するもの)
ポリビニルブチラール 2.5部
(商品名エスレックBX−1、積水化学(株)製)
テトラヒドロフラン 25部
シクロヘキサノン 10部
得た組成物に、テトラヒドロフラン200部と、シクロヘキサノン100部と、上述の例示化合物3−8の1.5部とを加えて、平均粒径0.17μmの電荷発生層用塗料を調製した。なお、この平均粒径は、堀場製作所製CAPA700を用いた遠心沈降法で測定した。
この塗料を上述の中間層の上に浸漬塗布方法で塗布し、100℃で10分間乾燥して、膜厚0.18μmの電荷発生層を形成した。
次に、下記成分をモノクロロベンゼン250部、テトラヒドロフラン200部に溶解した。
下記構造式(4)を有するアリルアミン化合物 50部
(正孔輸送化合物として)
下記構造式(5)で示される構成単位を有するポリアリレート樹脂 60部
(重量平均分子量Mw=100,000、フタル酸部位のテレフタル酸構造:イソフタル酸構造=1:1(モル比))
この液を前記の電荷発生層の上に浸漬塗布方法で塗布して120℃で60分間乾燥し、膜厚18μmの正孔輸送層を形成し、電子写真感光体を得た。
なお、上述の重量平均分子量は、以下の条件で測定して得た値をポリスチレン換算した値である。
測定機器 :ゲルパーミエーションクロマトグラフィー「HLC−8120」
(東ソー(株)社製)
展開溶媒 :0.1質量%THF溶液
カラム :東ソー(株)製「TSKgel SuperHM−N」
検出器 :RI
カラム温度 :40℃
インジェクション量:20μL
流速 :1.0ml/分
[評価]
評価は、上述の通り作製した電子写真感光体を、下記の通り改造した評価装置として、ヒューレットパッカード社製LBP「レーザージェット4600」に導入した。これを用いて、15℃/10%RHの環境下において、画像濃度4%画像で3000枚耐久印刷した直後に、ゴースト画像の評価を行った。
プロセススピード :190mm/秒
前露光 :非点灯
帯電条件 :可変
レーザー露光量 :可変
ゴースト画像は、マゼンタ色、シアン色、イエロー色及び黒色のそれぞれ単色で作成し、黒色の場合は、図2に示すように、画像の先頭部に黒い四角の画像を出した後、1ドットを図3に示すように桂馬状に配置したパターンを用いてハーフトーン画像を作成した。画像作成の順番は、1枚目にベタ白画像をとり、その後上記ゴースト画像を連続5枚とり、次に、ベタ黒画像を1枚とった後に再度ゴースト画像を5枚とり、計10枚のゴースト画像を用いて評価を行った。ゴースト画像の評価は、桂馬パターン画像濃度とゴースト部の画像濃度との濃度差を、分光濃度計X−Rite504/508(X−Rite(株)製)で、1枚のゴースト画像で10点測定し、それら10点の平均をとり1枚の結果とした。また、上述の10枚のゴースト画像のすべてについて、同様に測定して、それらの濃度差の平均値を求めた。この方法で、他の3色についても同様に行い、それらの値の平均値で評価を行った。各色の測定結果は、分光濃度計X−Riteのマゼンタ色、シアン色、イエロー色及び黒色の各色の結果で表示されるが、画像の色と同じ色の値を測定値としている。
(実施例2)
電荷発生層用塗料に添加する例示化合物3−8の添加量を2.5部に変えた以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、同様に評価を行った。
(実施例3)
電荷発生層用塗料に添加する化合物を、例示化合物3−8に代えて上述の例示化合物1−9とし、その添加量を0.5部とした以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、同様に評価を行った。
(実施例4)
電荷発生層用塗料に添加する化合物を、例示化合物3−8に代えて上述の例示化合物1−9とし、その添加量を0.25部とした以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、同様に評価を行った。
(実施例5)
電荷発生層用塗料に添加する化合物を、例示化合物3−8に代えて上述の例示化合物1−20とし、その添加量を5部とした以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、同様に評価を行った。
(実施例6)
電荷発生層用塗料に添加する化合物を、例示化合物3−8に代えて上述の例示化合物1−30とし、その添加量を0.25部とした以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、同様に評価を行った。
(実施例7)
電荷発生層用塗料に添加する化合物を、例示化合物3−8に代えて上述の例示化合物2−3とした以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、同様に評価を行った。
(実施例8)
電荷発生層用塗料に添加する化合物を、例示化合物3−8に代えて上述の例示化合物3−1とした以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、同様に評価を行った。
(実施例9)
電荷発生層用塗料に添加する化合物を、例示化合物3−8に代えて上述の例示化合物3−7とした以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、同様に評価を行った。
(実施例10)
電荷発生層用塗料に添加する化合物を、例示化合物3−8に代えて上述の例示化合物2−9とし、その添加量を0.25部とした以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製し同様に評価を行った。
(実施例11)
実施例1において、下記成分(表14中、固形成分と称する。以下、同様。)をメタノール200部とベンジルアルコール150部とからなる液に溶解して中間層用塗料を調製した。この液を、実施例1に記載の導電層上に浸漬塗布方法で塗布し、100℃で10分間乾燥して、膜厚0.6μmの中間層を形成した。
化合物3−8 2部
アルコール可溶性ポリアミド樹脂 8部
(アミランCM8000:東レ製)
この中間層の上に、実施例1の電荷発生層用塗料において化合物3−8を添加しなかった以外は同様にして調製した電荷発生層用塗料を用いて浸漬塗布方法で塗布し、100℃で10分間乾燥して、膜厚0.18μmの電荷発生層を形成した。さらに、この上に実施例1と同様にして正孔輸送層を形成し、同様に評価を行った。
(実施例12)
実施例11の中間層用塗料に代えて、下記成分をメタノール200部とベンジルアルコール150部とからなる液に溶解したものを中間層用塗料として用いた以外は、実施例11と同様に電子写真感光体を作製し、同様に評価を行った。
化合物3−8 5部
アルコール可溶性ポリアミド樹脂 5部
(アミランCM8000:東レ製)
(実施例13)
実施例11と同様にして中間層を形成し、この中間層上に実施例1と同様にして電荷発生層と正孔輸送層とを形成して電子写真感光体を作成し、同様に評価を行った。
(実施例14)
電荷発生層用塗料に添加する化合物を、例示化合物3−8に代えて上述の例示化合物1−9とした以外は実施例13と同様に電子写真感光体を作製し、同様に評価を行った。
(実施例15)
中間層用塗料に添加する化合物を、例示化合物3−8に代えて上述の例示化合物1−9とした以外は実施例14と同様に電子写真感光体を作製し、同様に評価を行った。
(実施例16)
電荷発生層用塗料に添加する化合物を、例示化合物3−8に代えて上述の例示化合物1−10とした以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、同様に評価を行った。
(実施例17)
電荷発生層用塗料に添加する化合物を、例示化合物3−8に代えて上述の例示化合物1−9とした以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、同様に評価を行った。
(実施例18)
電荷発生層用塗料に添加する化合物を、例示化合物3−8に代えて上述の例示化合物1−20とし、その添加量を0.25部とした以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、同様に評価を行った。
(実施例19)
電荷発生層用塗料に添加する化合物を、例示化合物3−8に代えて上述の例示化合物1−20とし、その添加量を0.5部とした以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、同様に評価を行った。
(実施例20)
電荷発生層用塗料に添加する化合物を、例示化合物3−8に代えて上述の例示化合物1−20とし、その添加量を2.5部とした以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、同様に評価を行った。
(比較例1)
電荷発生層に化合物3−8を用いなかった以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製し同様に評価を行った。
(比較例2)
実施例1において電荷発生層用塗料に添加する化合物3−8に代えて下記構造式(6)を用いた以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製し、同様に評価を行った。
(比較例3)
実施例11において中間層用塗料に添加する化合物3−8に代えて上記構造式(6)を用いた以外は実施例11と同様に電子写真感光体を作製し、同様に評価を行った。
(比較例4)
実施例12において、中間層用塗料に添加する化合物3−8に代えて下記構造式(7)の高分子化合物(重量平均分子量15,400)を用いた。また、実施例12において、電荷発生層用塗料に上記構造式(6)1.5部を加えた。これら以外は実施例12と同様に電子写真感光体を作製し、同様に評価を行った。
本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の一例を示す。 本発明の電子写真感光体の評価に用いる画像の概略図を示す。 本発明の電子写真感光体の評価に用いるハーフトーン画像のパターンを示す。
符号の説明
1 電子写真感光体
2 軸
3 帯電手段
4 露光光
5 現像手段
6 転写手段
7 クリーニング手段
8 定着手段
9 プロセスカートリッジ
10 案内手段
P 転写材

Claims (8)

  1. 導電支持体上に、感光層を含む層構造を有する電子写真感光体において、
    該層構造は、多環芳香族化合物を有し、
    該多環芳香族化合物は、下記分子団(A)乃至(D)

    (式中、
    21、Z22、Z31、Z32、Z41及びZ42は、それぞれ独立に、酸素原子、C(CN)、N−R、C(CN)COR、C(CN)COOR、C(CN)R又はC(COOR)を示し、
    Rは、置換若しくは無置換のアルキル基又は置換若しくは無置換のアリール基を示し、
    11、X12、X13、X14、X15及びX16の少なくとも一つ、X21、X22、X23、X24、X25及びX26の少なくとも一つ、X31、X32、X33、X34、X35及びX36の少なくとも一つ並びにX41、X42、X43、X44、X45、X46、X47及びX48の少なくとも一つは、分子団(A)乃至(D)又は連結基であり、それ以外は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、パーフルオロアルキル基、水酸基、置換若しくは無置換のアルコキシ基、置換若しくは無置換のアルキル基又は置換若しくは無置換のアリール基を示す。)
    からなる群から選択された分子団のうち、分子団(B)乃至(D)の少なくとも1つの分子団を含む2個以上6個以下の分子団からなることを特徴とする電子写真感光体。
  2. 前記多環芳香族化合物は、下記一般式(1)乃至(3)

    (式中、
    E及びEは、それぞれ独立に、分子団(A)乃至(D)からなる群から選ばれる分子団のうち、少なくとも1つの分子団(B)乃至(D)を含む1価又は2価の分子団を示し、
    Qは、n価の連結基を示し、
    lは、0以上4以下の整数を示し、
    nは、3以上6以下の整数を示し、
    mは、0以上6以下の整数を示す。)
    で示される化合物である、請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 前記導電性支持体と前記感光層との間に、前記多環芳香族化合物を含有する中間層をさらに有する、請求項1又は2に記載の電子写真感光体。
  4. 前記多環芳香族化合物は、前記分子団(A)乃至(D)のうち2つ以上の異なった分子団からなる、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電子写真感光体。
  5. 前記導電性支持体上に、電荷発生層と、電荷輸送層とをこの順に積層してなる感光層を有する電子写真感光体において、該電荷発生層は、前記多環芳香族化合物を含有する、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の電子写真感光体。
  6. 前記電荷発生層における前記多環芳香族化合物の含有量は、電荷発生材料の10質量%以上50質量%である、請求項5に記載の電子写真感光体。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の電子写真感光体と、帯電手段、現像手段及びクリーニング手段からなる群より選ばれた少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在としたことを特徴とするプロセスカートリッジ。
  8. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の電子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段及び転写手段を有することを特徴とする電子写真装置。
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