JP2006185112A - 印刷装置及びその制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】電子メールを記憶保存するための大容量の不揮発性の記憶手段を不要としつつ、予期せぬ電源断が発生しても、電子メールの印刷処理を完了し、且つ記録紙等の記録媒体の無駄な消費を無くす。
【解決手段】メールサーバから電子メールダウンロードした時点では電子メールの削除要求を発行せず、印刷処理を開始する。印刷処理開始に当たっては、先ずプリンタコントローラ内に設けられた不揮発性メモリに、その電子メールを特定する情報と、初期値“0”の印刷完了ページ番号を示す情報を書き込み、1ページ分の印刷完了毎にそのページ番号情報を更新する。そして、何らかの原因で電源断が発生した後の電源再投入時には、不揮発性メモリに格納されている情報に従って、該当する電子メールを再ダウンロードし、続きのページから印刷を再開する。そして、全ページの印刷完了の場合に、メールサーバに削除要求を行なうと共に、不揮発性メモリからも削除する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ネットワーク接続可能な印刷装置に関するものであり、より具体的には、電子メールを受信し印刷する装置に関するものである。
近年、オフィスで使用される印刷装置の中には電子メールを受信し、電子メールに添付されたファイルを印刷する機能を持つ装置ものがある。電子メールの場合、通信距離は無関係であるので、回線の通信費が大幅に削減できる等のメリットがあるためである。
通常、電子メールを受信した時点で、メールサーバからその電子メールを削除することが行われている。しかし、電子メールを受信が完了した後の印刷処理中に、何らかの原因で電源がOFFになってしまうと、もはやその電子メールのデータは消滅してしまうことになってしまう。
かかる点に鑑み、この種の印刷装置の中には受信した印刷データを、一旦、内部のハードディスク等の不揮発性記憶装置に記憶することによって、受信完了から印刷完了の間に電源が切られてしまった場合でも、印刷未完了のページの印刷を再開するものもあった(特許文献1)。
特開平5−112060号公報
しかしながら、大容量の不揮発性記憶装置を有することで、装置のコスト高は避けられないし、その装置を内蔵することによる大型化は避けられない。
本発明はかかる問題点に鑑みなされたものであり、電子メールを記憶保存するための大容量の不揮発性の記憶手段を不要としつつ、予期せぬ電源断が発生したとしても、電子メールの印刷処理を完了し、尚且つ、記録紙等の記録媒体を無駄に消費しない技術を提供しようとするものである。
この課題を解決するため、例えば本発明の印刷装置は以下の構成を備える。すなわち、
メールサーバと通信する通信手段を有し、受信した電子メールに基づく画像を所定の記録媒体上に印刷する印刷装置であって、
前記通信手段によって前記メールサーバから電子メールをダウンロードする電子メールダウンロード手段と、
ダウンロードした電子メールを特定する情報、並びに、1ページ分の印刷が完了する毎の印刷状況を示す情報を記憶保持するための不揮発性の記憶手段と、
前記ダウンロード手段でダウンロードした電子メールを特定する情報を前記記憶手段に格納すると共に、電子メールに基づく印刷処理をページ単位に行なう毎に印刷状況を示す情報を更新する電子メール印刷制御手段と、
電源投入後、前記記憶手段に印刷未完の電子メールに関する情報が存在した場合、前記電子メールダウンロード手段を制御して、該当する電子メールを再度ダウンロードさせ、前記記憶手段に記憶された印刷状況情報を参照して印刷未完のページの印刷を再開する電子メールリカバリ印刷制御手段と、
前記電子メール印刷制御手段及び前記電子メールリカバリ印刷制御手段で、注目電子メールの全ページの印刷が完了した後に、前記通信手段を介して該当する電子メールの削除要求を前記メールサーバに送信する削除要求手段とを備える。
本発明によれば、電子メールを記憶保存するための大容量の不揮発性の記憶手段を不要としつつ、予期せぬ電源断等が発生したとしても、電子メールの印刷処理を完了し、尚且つ、記録紙等の記録媒体を無駄に消費することが無くなる。
以下、添付図面に従って本発明に係る実施形態を詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係る印刷装置のシステム構成の概略を示す図である。
図において、情報処理装置101は、例えば、パーソナルコンピュータであり、画像情報の供給源、あるいはプリンタの制御装置として機能する。また、106はメールサーバであり、インターネット上に設けられるものである。この実施の形態においては、印刷装置102として、レーザビームプリンタ(プリンタ)を用いている。ただし、レーザビームプリンタに限られるものではなく、インクジェットプリンタ等他のプリント方式のプリンタでもよいことは言うまでもない。
印刷装置102内のプリンタコントローラ103は、情報処理装置101から供給される画像情報(例えば、イメージデータ、ページ記述言語等)、或いはメールサーバ106から受信したメール並びに添付ファイルに基づいて、ページ毎にラスタデータを生成し、プリンタエンジン105に送出する。
プリンタエンジン105は、プリンタコントローラ103から供給されるラスタデータに基づいて、感光ドラム上に潜像を形成し、その潜像を記録媒体上に転写・定着(電子写真方式)することにより画像を記録する。
パネル部104は、ユーザインタフェースとして使用される。ユーザは、パネル部104を操作することにより、所望の動作を指示することができる。また、メールクライアントとしての設定もこのパネル部104を用いて設定することになる。
図2は、印刷装置102の構成を説明する断面図である。図において、201は、プリンタ筐体である。202は、ユーザが各種指示を与えるためのスイッチ、メッセージやプリンタの設定内容等を表示するためのLED表示器やLCD表示器等が配された操作パネルであり、図1に示すパネル部104の一態様である。203は、ボードを収容部であり、プリンタコントローラ103及びプリンタエンジン105の電子回路部分を構成するボードを収容する。
220及び250は、用紙(記録媒体)Sを保持する用紙カセットであり、不図示の仕切り板によって電気的に用紙サイズを検知する機構を有する。221及び251は、カセットクラッチであり、それぞれ用紙カセット220及び250上に載置された用紙Sの最上位の一枚を取り出して、取り出した用紙Sを不図示の駆動手段から伝達される駆動力によって給紙ローラ222及び252まで搬送するカムを有する。このカムは、給紙の度に間欠的に回転し、1回転に対応して1枚の用紙Sを給紙する。221s及び251sは用紙検知センサで、それぞれ用紙カセット220及び250に保持されている用紙Sの量を検知する。
給紙ローラ222は、用紙Sの先端部をレジストシャッタ224まで搬送するローラである。また、給紙ローラ252は、用紙Sの先端部を給紙ローラ222まで搬送するローラである。260は、オプション給紙ローラ(給紙中継搬送ローラ)であり、不図示の給紙オプションユニットから給紙された用紙Sをプリンタ102本体内へ供給する。224は、レジストシャッタであり、用紙Sを押圧することにより給紙を停止することができる。
231は、手差しトレイであり、225は、手差し給紙クラッチである。給紙クラッチ225は、用紙Sの先端をレジストシャッタ224まで搬送するために使用される。画像記録に供する用紙Sは、用紙カセット220及び250及び手差しトレイ225のいずれかの給紙手段を選択して給紙される。
プリンタエンジン105は、プリンタコントローラ103と所定の通信プロトコルにしたがって通信を行い、プリンタコントローラ部103からの指示にしたがって用紙カセット220及び250及び手差しトレイ225の中からいずれかの給紙手段を選択し、印刷の開始指示に応じて該当する給紙手段よりレジストシャッタ224まで用紙Sを搬送する。なお、プリンタエンジン105は、給紙手段、潜像の形成、転写、定着等の電子写真プロセスに関する機構、排紙手段及びそれらの制御手段を含む。
204は、感光ドラム205やトナー保持部等を有する画像記録部であり、電子写真プロセスにより、用紙S上にトナー像を形成する。一方、206は、レーザスキャナ部であり、画像記録部にレーザビームによる画像情報を供給する。
レーザスキャナ部206において、207は、レーザユニットであり、ビデオコントローラ203から送出される画像信号(/VIDEO信号)に応じて、内蔵の半導体レーザを駆動し、レーザビームを発射する。レーザユニット207から発せられたレーザビームは、ポリゴンミラー(回転多面鏡)208により走査され、結像レンズ群209及び反射ミラー211を介して感光ドラム205上に潜像を形成する。210は、ビーム検出器で、レーザユニット207から発せられたレーザビームを検知して主走査同期信号を出力する。212は、光量センサで、レーザユニット207から発せられたレーザビームの光量を検知する。
また、画像記録部204において、241は、一次帯電器で、感光ドラム205上を均一に帯電させる。240は、現像器で、一次帯電器241により帯電され、レーザスキャナ部206によりレーザ露光された感光ドラム205に形成された潜像をトナー現像する。244は、転写帯電器で、現像器240により現像された感光ドラム上のトナー像をレジストローラ223により給紙される用紙Sに転写する。243は、クリーナで、感光ドラム205上の残存トナーを取り除く。242は、前露光ランプで、感光ドラム205を光除電する。226は、定着器で、画像記録部204により用紙Sに形成されたトナー画像を記録紙Sに熱定着させる。227は、搬送ローラで、用紙Sを排紙搬送する。227sは、排紙センサで、用紙Sの排紙状態を検知する。228は、排紙フラッパで、画像記録が完了した用紙Sの搬送方向をフェースダウン排紙トレイ232側に切り換えるか、不図示のフェースアップ排紙トレイあるいは不図示の排紙オプションユニット側に切り換える。229及び230は、排紙ローラで、排紙フラッパ228の切り換えにより搬送される用紙Sをフェースダウン排紙トレイ230に排紙する。230sは排紙積載量検知センサで、フェースダウン排紙トレイ230上に積載された用紙Sの積載量を検知する。
プリンタ102には、さらにオプションカセットや封筒フィーダ等のオプションユニットを装備することができる。また、本プリンタには不図示のジャム検知センサが複数装着されているものとする。
図3は、プリンタコントローラ103の構成例を示すブロック図である。図中、301はパネル部104とのデータ通信を行うパネルインタフェース部である。CPU309はパネルインタフェース部301を介して、ユーザがパネル部104においていずれのスイッチ、ボタン、或いは、タッチパネルが備わっていればその座標を検出することができる。302はホストコンピュータ等の情報処理装置101と双方向に通信接続するためのホストインタフェース部である。306はプリンタエンジン105と通信接続するためのエンジンインタフェース部である。CPU309はエンジンインタフェース部306を介して、信号を制御し、信号の状態、すなわち、プリンタエンジン105の状態を検出することができる。
303は情報処理装置101より供給された画像情報に基づいて、プリンタエンジン105に供給するラスタデータを生成(ラスタライズ)する画像データ発生部である。305は生成したラスタデータを一時的に保持するための画像メモリである。309はROM304に保持された制御プログラムコードに基づいて、バス311に接続されたデバイスを制御するCPUである。307はCPU309が使用する一時記憶用メモリとしてのRAMであり、後述するように受信したメールの一時格納にも利用される。310は例えば、濃度補正テーブル等の制御情報を保持するための不揮発性メモリで構成される。308はDMA制御部であり、CPU309からの指示により画像メモリ305内のラスタデータをエンジンインタフェース部306に転送する。また、ネットワークインタフェース312は、本装置がインターネット上のメールサーバとの通信を行なうため、或いは、本装置がネットワークプリンタとしても機能するためのものである。
311はアドレス、データ、コントロールバスを含むバスである。CPU310は、バス311を介して、パネルインタフェース部301、ホストインタフェース部302、画像データ発生部303、ROM304、画像メモリ305、エンジンインタフェース部306、RAM307、DMA制御部308、不揮発性記憶手段としてのEEPROM310、ネットワークインタフェース312をアクセス可能である。なお、EEPROM310は、そのメモリ容量はHDD等のディスク記憶装置と比較して遥かに容量は少なく、且つ、基板上に設けられるものであるので実装スペースの問題も発生しない。
図4は実施形態における印刷装置102の主にCPU310の通常の印刷処理における機能ブロック構成図である。
ホストコンピュータ101とプリンタ本体102はインタフェースケーブルを介して接続されている。プリンタコントローラ103の内部はソフトウェアの構造を示している。入力部401はホストコンピュータ101との通信を司る部分であり、通信プロトコルの解析を行い、ホストコンピュータから入力されたデータをRAM307に確保された受信バッファ402に格納する。受信バッファ402にデータが格納されると解析部403が動作する。解析部403は受信バッファ402に格納されているデータを読み込み、データを解析して各コマンドに対応するオブジェクト(中間コード)を生成し中間バッファ404(RAM307に確保されている)に格納する。
本実施形態ではプリンタがサポートしているコマンドはPDL(Page Description Language)とするが、PDLでなくてもページ毎に印刷を行うことが可能データはすべて同様である。中間データはページ毎に管理される。中間バッファ404にデータが格納されると描画処理部405が動作する。描画処理部405は、画像データ発生部303を利用して、中間バッファ404から中間データをページ毎に読み出し、1ページ分の印刷イメージデータを生成しイメージバッファ406(画像メモリ305に確保される)に格納する。1ページ分の印刷イメージデータが生成されると出力部407が動作する。出力部407はイメージバッファ406からイメージデータを読み出し、ビデオ信号に変換してプリンタエンジン105に転送し、公知の手順に従って印刷が行われる。
図5は一般的な電子メールの構造を示す図である。電子メール501はメールヘッダ502と、メール本文503と、添付ファイル504,505から構成される。添付ファイルは複数添付可能である。また添付ファイルの形式としては汎用的な画像ファイルであるJPEGファイルやTIFF−F形式のファイル等を用いるものとする。
次に、実施形態における印刷装置102の、電子メールの印刷処理を図6に従って説明する。
図6は実施形態の印刷装置102の処理の概要を示す図である。
同図(a)はプリンタにエラー等が発生せず、印刷開始から印刷完了の間に電源を切られることもなく正常に印刷が行われた場合を示している。本実施形態では電子メールの受信形態はPOP受信を用いるものとする。
まずメールサーバ106からメールを読み込み、メールを解析してメールに添付されている添付ファイルがある場合、本文並びに添付ファイルの印刷を行う。図示ではPage1(602)からPage5(606)まで5枚の印刷を行った例を示している。印刷完了後、メールサーバ106と再び通信し、印刷済みのメールデータの削除を要求する。
図6(b)は印刷が完了する前に何らかの原因で電源がOFFになった場合を示している。すなわち、図6(a)と同様の電子メールデータを受信し、Page1(602)からPage3(604)の3ページを印刷した時点で何らかの原因により電源が切られた場合である。この場合、印刷が完了していないのでメールサーバからのメールデータの削除は行われないので、印刷未完のメールが消滅することはない。
図6(c)は、同図(b)の後に、再度電源が投入された場合を示している。電源投入後、印刷装置は再度同じ電子メールデータをサーバから読み込み、Page1(602)からPage3(604)の分のデータを読み飛ばし、Page4(605)とPage5(606)を印刷し、全ページの印刷が完了した後、メールサーバ106に対して電子メールデータの削除要求を行なう。
上記処理を実現するため、本実施形態では、書き込み可能な不揮発性メモリであるEEPROM310に、リカバリ用の管理テーブルを構築するようにした。
図7は、本実施形態におけるリカバリ用の管理テーブルのデータ構造を示している。リカバリ用管理テーブル700は1メール分の情報に関する構造体701を最低1個分(複数でも良い)だけEEPROM310に確保される。メールサーバ106より電子メールの読み込みを完了した時点で本テーブルに登録され、全ページの印刷が完了した時点で削除される。この管理テーブル700は、1つの構造体を格納するとした場合に必要な容量はせいぜい数KB程度で済むので、HDD等の大容量の記憶装置を設ける場合と比較してコスト、スペース上の問題は発生しない。特に、最近の印刷装置の場合には、ファームウェアを格納しているROMは、バージョンアップを許容するため書き込み可能なメモリを採用していることが多く、上記テーブル700はこのようなプログラムを格納するメモリに設けると、実質上、それを設けるコスト、スペースは無視できる程度になる。
この管理テーブルの構造体701は以下の情報(フィールド)から構成されている。
登録の有無フィールド703、メールSubjectフィールド704、送信元アドレスフィールド705、送信時刻フィールド706、添付ファイル数フィールド707、印刷完了ファイル数フィールド708、印刷完了ページ数フィールド709から構成される。登録有無フィールド703は該当する構造体にデータが登録されているか否かを示す。初期状態では登録は「無」が設定されている。メールSubject、送信アドレス、送信時刻は該当するメールを特定するために使用される情報である。添付ファイル数、印刷完了ファイル数は本実施例では使用しない。印刷完了ページ数フィールド709は実際に紙を印刷、排紙完了したページ数(ジョブ内でのページ数)である。
そして、新規にメールを受信した場合には、先ず、登録有無703に登録されている旨の情報「有」をセットし、印刷完了ページ数709に“0”をセットする。この後、印刷を開始するが、1ページ印刷処理が完了(排紙を含む)する毎に、印刷完了ページ数709の値を“1”だけ増加させる。こうして、全ページの印刷が完了した場合(印刷すべきデータが無くなった場合)、メールサーバ106に対して、該当する電子メールの削除を要求すると共に、登録有無フィールド703を「無」にセットする。
また、印刷処理中に、電源断が発生し、その後、電源が再投入された場合、先ず、この仮テーブル700を参照し、登録有無フィールド703に“有”がセットされている構造体701が存在するか否かを判定し、もしそのような構造体が存在する場合には、他のフィールドを参照して、メールサーバ106の該当する電子メールを再ダウンロードし、印刷完了ページ数フィールド709に格納された次のページから印刷を継続する。この後は、先に説明したのと同様である。
以上を実現するため、実施形態における印刷装置のメイン処理を図8に示し、以下に説明する。
本装置に電源が投入されると、先ず、各種初期化処理を行い、次いで、ステップS800のリカバリ印刷チェック処理を行う。リカバリ印刷チェック処理とはリカバリ印刷が必要か否か(前回の電源オフ時に印刷完了していない電子メールが存在するか)を判定する処理であるが、その詳細は後述する。
ステップS801では、データ入力待ちループに入る。ネットワークで接続された情報処理装置から印刷データの入力が行われると、このデータ入力待ちループS801から抜けてステップS802へ進む。
ステップS802では印刷データの入力処理を行う。入力したデータは受信バッファに記憶される。より具体的には、印刷装置には、予めメールサーバであるメールサーバ(POPサーバ)106のアドレス、自分のメールアドレスなどがパネル操作またはコマンド等によって設定されており、印刷装置は定期的にメールサーバ106にアクセスし、自分のメールアドレスにメールが届いているかをチェックする。メールが届いている場合はメールを読み込む。この時、メールを読み込むだけでサーバからメールの削除は行わない。
ステップS803では受信バッファに記憶されているデータを解析し、コマンドに応じて内部処理に適した形式の中間コードを生成する。中間コードは前述のようにページ毎に管理され、記憶領域に記憶される(詳細は後述)。
ステップS804では解析すべきデータが受信バッファに存在するかチェックを行う。解析すべきデータが存在する場合はデータ解析処理(S803)を繰り返す。解析すべきデータが受信バッファに無くなった場合ステップS805へ進む。
ステップS805では1ページ分以上の中間コードが存在するか否かをチェックする。1ページ分以上の中間コードが存在する場合は、ステップS806へ進み、1ページ分の中間コードを読み出し、中間コードから印刷イメージ(ビットマップ)を生成する。このステップS806ではページのスキップ処理も行う。スキップ処理とは、リカバリ印刷時に設定されたスキップページ数分、ページ毎に生成された中間データを印刷せずに読み飛ばす処理である。これによってリカバリ印刷時にページが重複して印刷されることなく印刷することができる(電源断前に既に印刷されたページも再度印刷してしまうことを防ぐ)。本実施形態ではリカバリ印刷時に中間データを生成してから中間データをスキップする方式であるが、中間データを生成する前に読み飛ばす方式でもよい。 リカバリ印刷とは電子メールを受信完了して電子メールおよび添付ファイルの印刷出力を完了する前に電源をオフされた場合、電源再投入後に同一電子メールの印刷完了していないページを印刷する処理である。生成した印刷イメージは記憶領域に一時記憶される。
ステップS807では給紙選択処理を行う。給紙選択処理については後述する。ステップS808では前記1ページ分の印刷イメージをビデオ信号に変換しプリンタエンジンに転送する。ビデオ信号をプリンタエンジンに転送することによって実際に用紙に印刷が行われ、用紙が排紙されるようになっている。用紙を排紙完了(排紙部にセンサを設け、このセンサでの検出を利用して判定する)したらステップS808のジョブエンドチェック処理に移行する。ジョブエンドチェック処理の詳細は後述する。ジョブエンドチェック処理が終了したらステップS805へ戻る。
ステップ805で1ページ分の中間コードが完成していない場合はステップS801へ戻り続きの入力データを待つ。
図9は上記ステップS803のデータ解析処理内容の詳細を示すフローチャートである。
先ず、ステップS901では入力したデータが電子メールであるか否かを判定する。これはデータの一部、または全部を調べてデータが電子メール形式(MIME形式)であるか否かを判定するが、受信プロトコル(SMTP,POP)で判定しても良い(SMTP,POP経由で入力したデータは電子メールであると判定してもよい)。電子メールであると判断した場合はステップS902へ進む。また、電子メールでないと判定した場合、ステップS908のPDLデータ解析処理に進む。
本実施形態の印刷装置は電子メール以外のデータ(PDLデータ等)も印刷できるものとする。ステップS902では電子メールのヘッダの解析処理を行う。そして、ステップS903では電子メールのヘッダ情報等の、電子メールを特定する情報を記憶する。ここではメールの送信時間、差出アドレス、データ長さの情報を記憶するものとする。この時の記憶領域は不揮発性のメモリとする。本実施形態では1メール分のヘッダ情報等を不揮発性メモリに記憶するものとする。ステップS904ではメール本文を解析し、本文を印刷するための中間コードを生成する。なお、本実施形態ではメール本文も印刷するが、メール本文は印刷せず、添付ファイルのみ印刷する形式であっても構わない。
ステップS905では受信した電子メールに添付ファイルが添付されているかをチェックする。添付ファイルが添付されていない場合は処理を終了する。添付ファイルが添付されている場合はステップS906へ進み添付ファイルの解析処理を行い。添付ファイルを解析して中間データを生成する。ステップS907では全ての添付ファイルを解析完了したかをチェックする。全ての添付ファイルを解析終了した場合、処理を終了する。解析し終わっていない添付ファイルが存在する場合はステップS906へ戻り解析処理を繰り返す。
図10は図9のステップS908のPDLデータ解析処理の詳細を示すフローチャートである。
先ず、ステップS1001ではPDLデータの解析処理を行う。PDLデータは複数のコマンド(命令)で構成されている。データ解析処理は各コマンドを解析する処理である。1コマンド毎に処理を行い、全ての印刷データを解析するまで繰り返される。解析の結果、コマンドが排紙命令であれはステップS1003へ進み、ここまでに生成した中間コードを1ページ分として認識する処理を行う。排紙命令でなければステップS1004へ進む。ステップS1004ではその他のコマンドに対応する処理を行う。文字、イメージ、図形などそれぞれのコマンドに応じて中間コードを生成し、中間バッファに格納する。
図11は図8のステップS809のジョブエンドチェック処理の詳細を示すフローチャートである。
ステップS1101では現在印刷中の電子メール内の全ての印刷ページを印刷完了したかをチェックする。中間コード生成時に電子メールおよび添付ファイルの解析を行うので印刷する時点では(中間コードの生成が完了した時点では)、電子メールの中に添付ファイルがいくつ添付されていてそれぞれの添付ファイルについて何ページ存在するのかが判明している。内部的にはそれぞれの添付ファイルのそれぞれのページはIDで認識され、どのページがジョブ(電子メール)の最後のページなのか判断可能である。ステップS1101のチェックで全てのページを印刷し終わっていると判定した場合はステップS1102へ進み、メールサーバ上から該当する電子メールのデータの削除を行う(削除コマンドを発行する)。印刷(出力)を完了してからサーバ上のファイルを消すため、印刷完了していない間はサーバから再度同じメールデータの読み込みが可能である。
ステップS1103では不揮発性メモリに記憶していたメールヘッダ情報を削除する。本実施形態の印刷装置では不揮発性メモリにメールヘッダ情報が存在する場合は印刷中の電子メールが存在することを意味する。よって不揮発性メモリにヘッダ情報が存在するか否かによって、電源投入時に、前回の電源断時に印刷完了する前に電源断されたか判断がつく。
ステップS1104ではジョブ管理テーブルから該当するジョブを削除(登録有無フィールド703を「無」にする)。
一方、ステップS1101で電子メール中の全てのページを印刷完了していない場合は、ステップS1105に進んで、不揮発性メモリに記憶している印刷完了ページ数フィールドを“1”だけインクリメントする。
次に、図8におけるステップS800のリカバリ印刷チェック処理の詳細を図12のフローチャートに従って説明する。
先ず、ステップS1201では不揮発性メモリに印刷未完となっているメールヘッダ情報が存在するか否か、すなわち、登録有無フィールド703が「有」のものがあるか否かを判断する。ヘッダ情報が存在する場合、前回の電源断時に印刷途中のジョブ(電子メール)があったことを示すことになる。その場合はリカバリ印刷を行う準備を行うため、ステップS1202に進み、メールサーバから再度電子メール(添付ファイルを含む)をダウンロードする。読み込んだメールは不揮発性メモリに存在するヘッダ情報と一致するはずである。また、印刷が完了しなければメールサーバからメールを削除しないので前回(電源断前)に読み込んだメールが残っていることになるので、確実に再ダウンロードできる。しかしながら、確実性を増すため、ステップS1203では再度読み込んだメールのヘッダ情報と不揮発性メモリに記憶されているヘッダ情報を比較する。比較の結果、一致した場合はスへテップS1205へ進み、一致しない場合はステップS1204へ進む。ステップS1204はエラー処理であって不揮発性メモリ内の情報をクリアし、リカバリ印刷を断念する。
また、ステップS1205に処理が進んだ場合には、リカバリ時のスキップ処理のために不揮発性メモリに記憶されている印刷完了ページ数をスキップページ数として別の記憶領域に記憶し、図8のステップS803に処理を進める(この記憶領域は不揮発性である必要性はない)。
以上説明したように本実施形態によれば、メールサーバにアクセスして受信した電子メールを印刷する装置において、ハードディスク装置等の大容量記憶装置ではなく、ごく少量の不揮発性メモリを利用するだけで、予期せぬ電源断が発生したとしても、記録紙等の記録媒体を無駄に消費することなく、電子メールの情報を印刷することが可能になる。
なお、実施形態では、記録方式としてレーザービームを利用した電子写真方式の印刷装置を例にしたが、他の方式、例えばインク液吐出するタイプのプリンタであっても良いし、デジタル複合機にも適用可能である。特に、デジタル複合機に適用した場合には、原稿を読込み、それを電子メールの添付ファイルとして送信する機能を付加できるようになる。
また、実施形態では、リカバリ時のスキップ処理は中間データを生成した後にスキップするものとしたが、中間データ生成前のデータ解析部でスキップするページを決定しても良い。
また、実施形態では、リカバリ管理テーブルに印刷が完了したページ番号を記憶するものとしたが、次に印刷すべきページ番号を記憶するようにしても構わない。
また、実施形態では、電子メールに添付されたファイルは画像ファイルを例にして説明したが、アプリケーションで作成された文書ファイルであっても良い。この場合、その文書ファイルを解析し、印刷データを生成するため解析プログラムをアドオンするようにすればよい。
実施形態における印刷システムの構成図である。 実施形態における印刷装置の断面構造図である。 実施形態における印刷装置のプリンタコントローラのブロック構成図である。 実施形態における印刷処理におけるデータの流れを模式的に示す図である。 電子メールの構造を示す図である。 電子メールの印刷処理及びリカバリ処理の流れを示す図である。 実施形態における不揮発性メモリに確保されるリカバリ用管理テーブルの構造を示す図である。 実施形態における印刷装置のメイン処理を示すフローチャートである。 図8におけるデータ解析処理の詳細を示すフローチャートである。 図9のPDLデータ解析処理の詳細を示すフローチャートである。 図8のジョブエンドチェック処理の詳細を示すフローチャートである。 図8のリカバリ印刷チェック処理の詳細を示すフローチャートである。

Claims (3)

  1. メールサーバと通信する通信手段を有し、受信した電子メールに基づく画像を所定の記録媒体上に印刷する印刷装置であって、
    前記通信手段によって前記メールサーバから電子メールをダウンロードする電子メールダウンロード手段と、
    ダウンロードした電子メールを特定する情報、並びに、1ページ分の印刷が完了する毎の印刷状況を示す情報を記憶保持するための不揮発性の記憶手段と、
    前記ダウンロード手段でダウンロードした電子メールを特定する情報を前記記憶手段に格納すると共に、電子メールに基づく印刷処理をページ単位に行なう毎に印刷状況を示す情報を更新する電子メール印刷制御手段と、
    電源投入後、前記記憶手段に印刷未完の電子メールに関する情報が存在した場合、前記電子メールダウンロード手段を制御して、該当する電子メールを再度ダウンロードさせ、前記記憶手段に記憶された印刷状況情報を参照して印刷未完のページの印刷を再開する電子メールリカバリ印刷制御手段と、
    前記電子メール印刷制御手段及び前記電子メールリカバリ印刷制御手段で、注目電子メールの全ページの印刷が完了した後に、前記通信手段を介して該当する電子メールの削除要求を前記メールサーバに送信する削除要求手段と
    を備えることを特徴とする印刷装置。
  2. 前記記憶手段に記憶される印刷状況の情報は、印刷が完了したページ番号とすることを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
  3. メールサーバと通信する通信手段と、電子メールを特定する情報、並びに、1ページ分の印刷が完了する毎の印刷状況を示す情報を記憶保持するための不揮発性の記憶手段とを有し、受信した電子メールに基づく画像を所定の記録媒体上に印刷する印刷装置の制御方法であって、
    前記通信手段によって前記メールサーバから電子メールをダウンロードする電子メールダウンロード工程と、
    前記ダウンロード工程でダウンロードした電子メールを特定する情報を前記記憶手段に格納すると共に、電子メールに基づく印刷処理をページ単位に行なう毎に印刷状況を示す情報を更新する電子メール印刷制御工程と、
    電源投入後、前記記憶手段に印刷未完の電子メールに関する情報が存在した場合、前記電子メールダウンロード工程を制御して、該当する電子メールを再度ダウンロードさせ、前記記憶手段に記憶された印刷状況情報を参照して印刷未完のページの印刷を再開する電子メールリカバリ印刷制御工程と、
    前記電子メール印刷制御工程及び前記電子メールリカバリ印刷制御工程で、注目電子メールの全ページの印刷が完了した後に、前記通信手段を介して該当する電子メールの削除要求を前記メールサーバに送信する削除要求工程と
    を備えることを特徴とする印刷装置の制御方法。
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