JP2006181602A - 熱間スラブ形状異常検出装置 - Google Patents

熱間スラブ形状異常検出装置 Download PDF

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Yoshiharu Kusumoto
義治 楠本
Katsushi Yamamoto
克史 山本
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Abstract

【課題】 幅プレス圧下された熱間スラブの形状異常を人手を介さずに検出する熱間スラブ形状異常検出装置の提供。
【解決手段】 サイジングプレス装置14の金型16が幅プレス圧下した熱間スラブ30の両側面32を撮影する2基のカメラ26と、カメラ26が撮影したデータから、熱間スラブ30の各側面32の上縁と下縁、各側面32上における金型16の跡の有無、及び、金型16の跡の位置を検出し、熱間スラブ30の側面32上に金型16の跡がついていない長手方向の部分が存在する場合、又は、金型16の跡の位置が熱間スラブ30の側面32上で上下方向に所定量以上偏位している場合に、熱間スラブ30に対する幅プレス圧下が不完全であると判定する判定部28と、を備える熱間スラブ形状異常検出装置24を構成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、サイジングプレス装置の金型によって幅プレス圧下された熱間スラブの形状異常を検出する熱間スラブ形状異常検出装置に関する。
従来、鋼板の熱間圧延ラインにおいては、サイジングプレス装置が加熱炉と熱間圧延装置との間に設置されており、サイジングプレス装置が加熱炉を出た熱間スラブを幅プレス圧下して板幅調整を行い、多種の製品板幅に対応している(特許文献1参照)。
熱間スラブの幅プレス圧下が不完全であると、坐屈や捩れ等の形状異常が熱間スラブに生じる。熱間スラブの幅プレス圧下が不完全な場合として、例えば、サイジングプレス装置の金型が熱間スラブの両側面を長手方向に連続押圧して幅プレス圧下しなかった場合や、熱間スラブの側面を押圧する金型の位置が上下方向に偏位した場合等がある。
形状異常を有する熱間スラブが熱間圧延装置に通されると、鋼板の表面に疵が生じたり、熱間スラブがサイドガイドに衝突して熱間圧延装置の通板性が阻害されたり、熱間圧延装置の入側に設置されているエッジャに過大な負荷がかかる。
このため、サイジングプレス装置と熱間圧延装置の間で、オペレータが幅プレス圧下された熱間スラブを目視検査して形状異常を有する熱間スラブを発見し、形状異常を有する熱間スラブが熱間圧延装置に通されることを防止している。
特開2001−179301号公報(第3図)
しかし、オペレータによる目視検査は、オペレータの熟練度によって左右されやすく、検査結果に個人差が現れることを避けられない。また、目視検査するオペレータにかかる負担も大きい。
本発明は、上記問題を解決するものであり、その目的とするところは、サイジングプレス装置によって幅プレス圧下された熱間スラブの形状異常を人手を介さずに検出する熱間スラブ形状異常検出装置を提供することである。
本発明は、その課題を解決するために以下のような構成をとる。請求項1の発明に係る熱間スラブ形状異常検出装置は、サイジングプレス装置の金型が幅プレス圧下した熱間スラブの両側面を撮影するカメラと、前記カメラが撮影したデータから、熱間スラブの各側面の上下の縁の位置、各側面における前記金型の跡の有無、及び、当該跡の位置を検出し、熱間スラブの幅プレス圧下状況を判定する判定部と、を備える。
サイジングプレス装置の金型が熱間スラブの両側面を長手方向に連続押圧して幅プレス圧下すると、金型の跡が熱間スラブの側面に長手方向に連続してつく。金型によって押圧されなかった部分が熱間スラブの側面にある場合、この部分には金型の跡がつかない。また、熱間スラブの側面において金型が押圧する位置が上下方向に偏位すると、金型の跡も上下方向に偏位する。
幅プレス圧下された熱間スラブの両側面をカメラが撮影し、判定部が、この撮影データに基づいて、熱間スラブの各側面の上下の縁の位置、各側面における金型の跡の有無、及び、金型の跡の位置を検出する。これらの検出結果に基づいて、判定部が熱間スラブの幅プレス圧下状況を判定する。
判定部は熱間スラブの幅プレス圧下状況の判定を以下のように行うことが好ましい。すなわち、熱間スラブの側面において、金型の跡がついていない部分が側面の長手方向に存在する場合、又は、金型の跡の位置が上下方向に所定量以上偏位している部分が存在する場合、熱間スラブの幅プレス圧下が不完全であると判定部が判定する。
請求項2の発明に係る熱間スラブ形状異常検出装置は、請求項1記載の熱間スラブ形状異常検出装置であって、熱間スラブの幅プレス圧下が不完全であると前記判定部が判定した場合に、前記判定部が、熱間スラブに対する幅プレス圧下が不完全であることを知らせる信号を発する。
請求項2の発明によれば、判定部が、熱間スラブの幅プレス圧下が不完全であると判定して信号を発するので、形状異常を有する熱間スラブが熱間圧延装置に通される前に、その存在を検出でき、形状異常を有する熱間スラブが熱間圧延装置に通されることを防止できる。
本発明に係る熱間スラブ形状異常検出装置は、上記のような構成を有するので、サイジングプレス装置によって幅プレス圧下された熱間スラブの形状異常を人手を介さずに検出できる。
本発明を実施するための最良の形態を図1〜図6を参照しつつ説明する。
図1に示す熱間圧延工程の搬送装置10は複数の搬送ロール12を有し、熱間スラブ30を上流側の加熱炉(図示せず)から下流側の熱間圧延装置(図示せず)へ搬送可能に構成されている。
サイジングプレス装置14及び熱間スラブ形状異常検出装置24が、加熱炉と熱間圧延装置との間で搬送装置10に沿って設置されており、サイジングプレス装置14が熱間スラブ形状異常検出装置24の上流側に位置している。
サイジングプレス装置14は搬送装置10の中央部をはさんで両側に配置された一対の金型16を備える。各金型16が油圧シリンダ20に接続されている。図2に示すように、金型16の端部17は、上下面にテーパを有する突起部18を有する。すなわち、突起部18の上下面間の距離は搬送装置10の中央部に向って漸減し、突起部18の頂部19は搬送装置10の中央部を向いている。突起部18の頂部19の上下方向の幅は熱間スラブ30の板厚よりも小さい。そして、油圧シリンダ20によって金型16の端部17が搬送装置10上の熱間スラブ30の両側面32を連続押圧して幅プレス圧下する構成となっている。金型16の端部17が熱間スラブ30の側面32の上下方向中央部分を連続押圧し幅プレス圧下すると、図4に示すように、熱間スラブ30の側面32の上下方向中央部分に、金型16の突起部18の跡38が長手方向に連続して形成される。
サイジングプレス装置14の入側と出側にはそれぞれガイド22が配置されており、搬送装置10上の熱間スラブ30を案内して搬送可能に構成されている。
熱間スラブ形状異常検出装置24は、2基のカメラ26と判定部28をなす演算装置とを備える。2基のカメラ26は架台(図示せず)に支承されて搬送装置10を挟んで両側に配置されており、サイジングプレス装置14の下流側で熱間スラブ30の両側面32を撮影可能に構成されている(図1及び図3を参照)。各カメラ26は判定部28に接続されており、撮影した画像データを判定部28に送信可能に構成されている。
判定部28は、プログラムP1、P2、P3及びP4を有する。
プログラムP1は、カメラ26から受信した画像データに基づいて熱間スラブ30の側面32を解析するプログラムである。
プログラムP1の解析内容を具体的に説明する。まず、プログラムP1が、カメラ26から受信した画像データをグレースケール化する。そして、グレースケール化した画像データから、側面32の上縁34と下縁36の位置、側面32についた金型16の突起部18の跡38、及び、跡38の上縁40と下縁42の位置を検出する。次いで、側面32の上縁34と下縁36の位置、及び、跡38の上縁40と下縁42の位置から、側面32の上縁34と跡38の上縁40との間の上下方向の距離DU、及び、側面32の下縁36と跡38の下縁42との間の上下方向の距離DLとを計算し、距離DUと距離DLの差の絶対値を偏位量|ΔD|として計算し、偏位量|ΔD|を予め設定されている許容量DAと比較し、|ΔD|>DAとなっている部分を検出する。
プログラムP2は、プログラムP1の解析結果に基づいて熱間スラブ30の幅プレス圧下が不完全であるか否かを判定するプログラムである。
プログラムP2の判定内容を具体的に説明する。図5に示すように、金型16の突起部18が熱間スラブ30の側面32を長手方向に連続押圧しなかった場合、押圧されなかった側面32の長手方向の部分には金型16の突起部18の跡38がつかない。プログラムP1が、側面32において跡38がついていない長手方向の部分(実質的に、サイジングプレス装置14に進入する直前の側面32の状態と同じ部分))を検出すると、プログラムP2が、熱間スラブ30の幅プレス圧下が不完全であると判定する。
また、図4に示すように、金型16の突起部18が熱間スラブ30の側面32の上下方向中央部分を押圧すれば偏位量|ΔD|は0となる。しかし、図6に示すように、金型16の端部17によって押圧される熱間スラブ30の側面32の位置が上下方向に許容量DAよりも大きく偏位している場合、|ΔD|>DAとなる。プログラムP1が、側面32において|ΔD|>DAとなっている長手方向の部分を検出すると、プログラムP2が、熱間スラブ30の幅プレス圧下が不完全であると判定する。
プログラムP3は、プログラムP2が熱間スラブ30の幅プレス圧下が不完全であると判定した場合に、警報を鳴らし、搬送装置10を停止させるプログラムである。
本実施の形態は上記のように構成されており、次にその作用について説明する。
加熱炉を出た熱間スラブ30が搬送装置10によってサイジングプレス装置14に搬送され、サイジングプレス装置14の金型16の端部17が熱間スラブ30の両側面32を長手方向に連続押圧し、熱間スラブ30を幅プレス圧下する。幅プレス圧下された各側面32には、金型16の突起部18の跡38がつく。
幅プレス圧下された熱間スラブ30が搬送装置10によって熱間スラブ形状異常検出装置24に搬送され、カメラ26が熱間スラブ30の両側面32を撮影し、撮影した画像データが判定部28に送信される。
判定部28では、プログラムP1がカメラ26から受信した画像データをグレースケール化し、熱間スラブ30の側面32を解析する。プログラムP2がプログラムP1の解析結果に基づいて熱間スラブ30の幅プレス圧下が不完全であるか否かを判定する。そして、プログラムP2が熱間スラブ30の幅プレス圧下が不完全であると判定した場合に、プログラムP3が警報を鳴らし、搬送装置10を停止させる。
警報が鳴り搬送装置10が停止したら、幅プレス圧下が不完全である熱間スラブ30を搬送装置10から取り除き、搬送装置10を再び起動させる。
サイジングプレス装置14の金型16が熱間スラブ30の側面32を長手方向に連続押圧して幅プレス圧下しなかった場合や、熱間スラブ30の側面32を押圧する金型16の位置が上下方向に許容量DAよりも大きく偏位した場合、熱間スラブ30に形状異常が生じるが、形状異常を有する熱間スラブ30は、熱間スラブ形状異常検出装置24によって幅プレス圧下が不完全であると判定され、搬送装置10から取り除かれて、形状異常を有する熱間スラブ30が熱間圧延装置に通されることが防止される。したがって、熱間圧延された鋼板の表面の疵、熱間圧延装置における通板性の阻害、及び、熱間圧延装置のエッジャへの過大な負荷が防止される。また、オペレータによる熱間スラブ30の目視検査を必要としないので、オペレータの個人差を問題とする必要がなく、オペレータの負担も軽減される。
サイジングプレス装置と本発明に係る熱間スラブ形状異常検出装置の配置図である。 図1のI−I線における金型の断面図である。 搬送装置を省略して示す図1のII−II線断面図である。 幅プレス圧下された熱間スラブの側面図である。 金型の跡がついていない部分を有する熱間スラブの側面図である。 金型の跡の位置が上下方向に偏位している部分を有する熱間スラブ側面図である。
符号の説明
10 搬送装置
12 搬送ロール
14 サイジングプレス装置
16 金型
17 金型の端部
18 金型の突起部
19 金型の頂部
20 油圧シリンダ
22 ガイド
24 熱間スラブ形状異常検出装置
26 カメラ
28 判定部
30 熱間スラブ
32 熱間スラブの側面
34 熱間スラブの側面の上縁
36 熱間スラブの側面の下縁
38 金型の頂部の跡
40 金型の頂部の跡の上縁
42 金型の頂部の跡の下縁
P1、P2、P3 プログラム

Claims (2)

  1. サイジングプレス装置の金型が幅プレス圧下した熱間スラブの両側面を撮影するカメラと、
    前記カメラが撮影したデータから、熱間スラブの各側面の上下の縁の位置、各側面における前記金型の跡の有無、及び、当該跡の位置を検出し、熱間スラブの幅プレス圧下状況を判定する判定部と、を備えることを特徴とする熱間スラブ形状異常検出装置。
  2. 熱間スラブの幅プレス圧下が不完全であると前記判定部が判定した場合に、前記判定部が、熱間スラブの幅プレス圧下が不完全であることを知らせる信号を発することを特徴とする請求項1記載の熱間スラブ形状異常検出装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011505257A (ja) * 2007-11-29 2011-02-24 ポスコ エンドレス熱間圧延工程における鋼板の接合部の検出装置及び方法
JP2011173147A (ja) * 2010-02-24 2011-09-08 Jfe Steel Corp エッジシームを低減した熱延鋼帯の製造方法
JP2021133411A (ja) * 2020-02-28 2021-09-13 Jfeスチール株式会社 金属帯の圧延制御方法、圧延制御装置、及び製造方法

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