JP2006176478A - トリフルオロアラニルジペプチド類の製造方法 - Google Patents

トリフルオロアラニルジペプチド類の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】生理活性物質等として有用なトリフルオロアラニルジペプチド類の、工業的な製造に適した方法を提供する。
【解決手段】2−アミノパーフルオロプロペン類を、好ましくは塩基の共存下でα−アミノ酸類と反応させ、引き続いて、酸性条件下にて水と反応させる。本発明の方法により、例えば、N−トリメチルシリル−N−p−メトキシフェニル−1−トリフルオロメチル−2,2−ジフルオロ−エテンアミンと、(S)−アラニンメチルエステル・塩酸塩を原料として、N−p−メトキシフェニル−3,3,3−トリフルオロアラニル−(S)−アラニンメチルエステルを製造できる。本発明により、安価な原料を出発原料として、従来に比較して格段に容易な操作で、高収率で目的化合物を製造できるようになった。
【選択図】なし

Description

本発明は、生理活性物質等として有用なトリフルオロアラニルジペプチド類の製造方法に関する。
フッ素化されたアミノ酸誘導体や該アミノ酸誘導体が組み込まれたペプチドは酵素阻害剤の開発において重要な鍵構造である(非特許文献1、非特許文献2)。トリフルオロアラニンをペプチドに組み込む従来の製造方法としては、1)トリフルオロアラニン誘導体のカルボキシル基を活性化してアミノ酸誘導体のアミノ基と反応させる方法(非特許文献3)、2)3,3,3−トリフルオロ−2−ジアゾプロピオネートから誘導されるカルベノイドのN−H挿入反応による方法(非特許文献4)、3)3,3,3−トリフルオロピルベートから誘導したアシルイミン誘導体の還元による方法(非特許文献5)等が報告されている。
Fluorine−containing Amino Acids,1995年,John Wiley & Sons,Chichester,Chapter 9,10,11 Chemistry and Biochemistry of Amino Acids,Peptides and Proteins,1983年,Dekker,New York,Vol.VII,p.267〜357 Tetrahedron Letters,(英国),1992年,第33巻,第2号,p.193〜194 Tetrahedron Letters,(英国),1996年,第37巻,第5号,p.615〜618 Journal of Fluorine Chemistry,(オランダ),1993年,第61巻,p.163〜170
上記1)〜3)に開示された方法は、いずれも小規模で目的化合物を合成するには好適であるが、工業的規模で目的化合物を合成するには採用しがたいものであった。1)の方法は、予めトリフルオロアラニンを合成し、更にカルボキシル基を活性化する反応基質に変換する必要があり、煩雑な工程を必要とした。また2)の方法は、大量の入手が困難な3,3,3−トリフルオロ−2−ジアゾプロピオネートを使用しており、高価なロジウム触媒を使用する必要もあった。さらに3)の方法も、アシルイミン誘導体の調製や還元において極低温条件で反応を行う等、煩雑な操作を必要とした。
このように、トリフルオロアラニルジペプチド類を工業的に製造できる方法が強く望まれていた。
本発明の目的は、酵素阻害剤の開発において特に重要な鍵構造であるトリフルオロアラニルジペプチド類の工業的な製造方法を提供することにある。
本発明者らは上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、課題を解決するための手段を見出した。すなわち、本発明者は、一般式[1]で表される2−アミノパーフルオロプロペン類を、一般式[2]で表されるα−アミノ酸類と反応させ、引き続いて、酸性条件下にて水と反応させることにより、トリフルオロアラニルジペプチド類が収率良く得られることを見出した。また、2−アミノパーフルオロプロペン類を、α−アミノ酸類と反応させる際、該反応を塩基の存在下、実施すると、特に好ましいことを見出した。本発明の反応は、ごく穏和な条件で進行し、上記1)〜3)のように高価な試薬や複雑な工程を必要としない。なおかつ選択率も高く、分離の難しい副生物も生成しないという利点を有することがわかった。
一般式[1]で示される2−アミノパーフルオロプロペン類においては、gem−ジフルオロメチレン基の求核種に対する反応性がトリフルオロメチル基で著しく活性化されているため、電子的または立体的に求核性が低下したα−アミノ酸類とも良好に反応が進行することに特徴がある。
また、一般式[2]で示されるα−アミノ酸類に含まれる他の官能基については、α位窒素求核部位が選択的に反応するため、他の官能基は敢えて保護基で保護する必要がないことが判った。例えば、他に含まれる水酸基を保護しない場合でもα位窒素求核部位が選択的に反応する(実施例7)。
本発明において、原料である一般式[1]で示される2−アミノパーフルオロプロペン類は、ヘキサフルオロアセトンを原料として、大量に且つ安価に簡便に製造することが可能な化合物であり、この結果として、目的とするトリフルオロアラニルジペプチド類を従来よりも格段に安価に製造できることとなった。
更に、一般式[1]で示される2−アミノパーフルオロプロペン類を、ヘキサフルオロアセトンから誘導される、一般式[4]で示される2−イミノパーフルオロプロパン類を出発物質として合成した場合、当該合成を行った反応容器で、引き続き、α−アミノ酸類との反応を、ワンポット反応として実施できることも見いだした。
このように本発明者は、有用な化合物であるトリフルオロアラニルジペプチド類を製造するための新規で有用な方法を見出し、本発明を完成した。
本発明は、一般式[1]で示される2−アミノパーフルオロプロペン類を、一般式[2]で示されるα−アミノ酸類と反応させ、引き続いて、酸性条件下にて水と反応させることにより、一般式[3]で示されるトリフルオロアラニルジペプチド類を製造することを必須の要件とする(本工程を「第2工程」と呼ぶ)。
そして、この反応の原料である2−アミノパーフルオロプロペン類は、一般式[4]で示される2−イミノパーフルオロプロパン類に、金属マグネシウムと一般式[5]で示されるハロゲン化シリル類を反応させて得ることができ(これを「第1工程」と呼ぶ)、それが経済的に好ましい。第1工程と第2工程を組み合わせて実施する場合には、第1工程の反応が終了した後、別段の精製操作を行うことなく、引き続きワンポットで第2工程の反応を行うことができ、それが操作的にも、経済的にも好ましい。
本発明の概要をスキーム1に示す。
Figure 2006176478
すなわち、本発明は、一般式[1]
Figure 2006176478
で示される2−アミノパーフルオロプロペン類を、一般式[2]
Figure 2006176478
で示されるα−アミノ酸類と反応させ、引き続いて、酸性条件下にて水と反応させることにより、一般式[3]
Figure 2006176478
で示されるトリフルオロアラニルジペプチド類を製造する方法を提供する。
[式中、Rは水素、アルキル基、またはアリール基を表し、R1はそれぞれ独立にアルキル基、またはアリール基を表す。R2は水素、アルキル基、置換アルキル基、またはアリール基を表し、R3は水素、アルキル基または置換アルキル基を表し、R2とR3が共有結合で結ばれ複素環を採ることもできる。R4は水素、アルキル基または置換アルキル基を表し、*は不斉炭素を表し、ラセミ体もしくは光学活性体を採る(但し、R2が水素の場合は不斉炭素でない)]
また本発明は、2−アミノパーフルオロプロペン類をα−アミノ酸類と反応させる際、該反応を塩基の存在下で行うことを特徴とする、上記発明の、トリフルオロアラニルジペプチド類を製造する方法を提供する。
また本発明は、2−アミノパーフルオロプロペン類が、一般式[4]で示される2−イミノパーフルオロプロパン類
Figure 2006176478
に、金属マグネシウムと、一般式[5]で示されるハロゲン化シリル類
Figure 2006176478
を反応させて得たものであることを特徴とする、上記発明の、トリフルオロアラニルジペプチド類を製造する方法を提供する。
[式中、Rは水素、アルキル基、またはアリール基を表し、R1はそれぞれ独立にアルキル基、またはアリール基を表し、Xはハロゲン(F,Cl,BrまたはI)を表す。]
さらに本発明は、第1工程で得られた2−アミノパーフルオロプロペン類を単離精製することなく、続く第2工程に用いることを特徴とする、上記のトリフルオロアラニルジペプチド類を製造する方法を提供する。
本発明は、安価な原料を用いて、穏和な条件で反応が進行し、複雑な工程を必要とせず、なおかつ、分離の難しい副生物も生成せず、目的化合物を工業規模で効率よく生産できるという効果を奏する。
本発明において、R,R1,R2、R3,R4の定義における「アルキル基」とは、炭素数1から12の直鎖状または分枝状のアルキル基を表し、R2、R3,R4の定義における「置換アルキル基」とは、炭素数1から12の直鎖状または分枝状のアルキル基の水素が、低級アルコキシ基(R’O−;R’は低級アルキル基を表す)、低級アルキルアミノ基(R’2N−;R’はそれぞれ独立に水素または低級アルキル基を表す。但し、両方が同時に水素を採らない)、低級アルキルチオ基(R’S−;R’は低級アルキル基を表す)、ハロゲン(フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を表す)、水酸基または保護された水酸基(HO−またはPO−;Pは保護基を表す)、アミノ基または保護されたアミノ基(H2N−、PHN−またはP2N−;Pはそれぞれ独立に保護基を表す)、チオール基または保護されたチオール基(HS−またはPS−;Pは保護基を表す)、カルボキシル基または保護されたカルボキシル基(HO2C−またはPO2C−;Pは保護基を表す)、カルボン酸アミド[R’HN(O=)C−;R’は水素または低級アルキル基を表す]、グアニジノ基[R’HN(HN=)C−;R’は水素または低級アルキル基を表す]、カルバモイルアミノ基[R’HN(O=)CNH−;R’は水素または低級アルキル基を表す]、ホスファチジルオキシ基[(R’O)2(O=)PO−;R’はそれぞれ独立に水素または低級アルキル基を表す]、置換または無置換のフェニル基、置換または無置換のナフチル基、置換または無置換の芳香族含酸素ヘテロ環(縮合骨格も含む)、置換または無置換の芳香族含窒素ヘテロ環(縮合骨格も含む)、または置換または無置換の芳香族含硫黄ヘテロ環(縮合骨格も含む)により、任意の位置に、任意の数で、さらに任意の組み合わせで置換されていても良い。“低級”とは、炭素数1から6の直鎖状または分枝状を表し、“保護基(P)”は、Protective Groups in Organic Synthesis,Third Edition,Wiley−Interscience,1999に記載された保護基から任意に選ぶことができ、“置換または無置換”の“置換”とは、該芳香族炭化水素環または芳香族ヘテロ環の水素が、低級アルキル基(R’−)、低級アルコキシ基(R’O−;R’は低級アルキル基を表す)、低級アルキルアミノ基(R’2N−;R’はそれぞれ独立に水素または低級アルキル基を表す。但し、両方が同時に水素を採らない)、低級アルキルチオ基(R’S−;R’は低級アルキル基を表す)、低級ハロアルキル基(Cn(2n+1)−;nは炭素数を表し、Xはフッ素、塩素または臭素を表す)、低級ハロアルコキシ基(Cn(2n+1)O−;nは炭素数を表し、Xはフッ素、塩素または臭素を表す)、ハロゲン(フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を表す)、水酸基または保護された水酸基(HO−またはPO−;Pは保護基を表す)、アミノ基または保護されたアミノ基(H2N−、PHN−またはP2N−;Pはそれぞれ独立に保護基を表す)、チオール基または保護されたチオール基(HS−またはPS−;Pは保護基を表す)、カルボキシル基または保護されたカルボキシル基(HO2C−またはPO2C−;Pは保護基を表す)、カルボン酸アミド[R’HN(O=)C−;R’は水素または低級アルキル基を表す]、または低級アルキル基または水素が置換した不飽和結合(R’−C(R’)=C(R’)−またはR’−C三C−;R’はそれぞれ独立に水素または低級アルキル基を表す)により、任意の位置に、任意の数で、さらに任意の組み合わせで置換されていても良い。“低級”および“保護基(P)”は、上記と同じで、“不飽和結合(二重結合)の幾何異性”はE体またはZ体の両方が採れる。
またR,R1,R2の定義における「アリール基」とは、置換または無置換のフェニル基、置換または無置換のナフチル基、置換または無置換の芳香族含酸素ヘテロ環(縮合骨格も含む)、置換または無置換の芳香族含窒素ヘテロ環(縮合骨格も含む)、または置換または無置換の芳香族含硫黄ヘテロ環(縮合骨格も含む)を表し、“置換または無置換”の“置換”とは、該芳香族炭化水素環または芳香族ヘテロ環の水素が、低級アルキル基(R’−)、低級アルコキシ基(R’O−;R’は低級アルキル基を表す)、低級アルキルアミノ基(R’2N−;R’はそれぞれ独立に水素または低級アルキル基を表す。但し、両方が同時に水素を採らない)、低級アルキルチオ基(R’S−;R’は低級アルキル基を表す)、低級ハロアルキル基(Cn(2n+1)−;nは炭素数を表し、Xはフッ素、塩素または臭素を表す)、低級ハロアルコキシ基(Cn(2n+1)O−;nは炭素数を表し、Xはフッ素、塩素または臭素を表す)、ハロゲン(フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を表す)、水酸基または保護された水酸基(HO−またはPO−;Pは保護基を表す)、アミノ基または保護されたアミノ基(H2N−、PHN−またはP2N−;Pはそれぞれ独立に保護基を表す)、カルボキシル基または保護されたカルボキシル基(HO2C−またはPO2C−;Pは保護基を表す)、カルボン酸アミド[R’HN(O=)C−;R’は水素または低級アルキル基を表す]、または低級アルキル基または水素が置換した不飽和結合(R’−C(R’)=C(R’)−またはR’−C三C−;R’はそれぞれ独立に水素または低級アルキル基を表す)により、任意の位置に、任意の数で、さらに任意の組み合わせで置換されていても良い。“低級”、“保護基(P)”および“不飽和結合(二重結合)の幾何異性”は、上記と同じである。
Rとして好ましい基は、水素、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、ベンジル基、フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、3,5−キシリル基、o−メトキシフェニル基、m−メトキシフェニル基、p−メトキシフェニル基、o−クロロフェニル基、m−クロロフェニル基、p−クロロフェニル基、o−フルオロフェニル基、m−フルオロフェニル基、p−フルオロフェニル基、o−トリフルオロメチルフェニル基、m−トリフルオロメチルフェニル基、p−トリフルオロメチルフェニル基、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基等が挙げられる。中でも生成物の有用性から、p−メトキシフェニル基(p−アニシル基)が特に好ましい。
1としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、3,5−キシリル基等が挙げられる。しかし(R13Si基は生成物の構造に組み込まれないため、安価なメチル基が好ましく、3つのR1が共にメチル基であることが特に好ましい。
Xとして好ましいのは、ハロゲン(F,Cl,Br,I)であるが、Clが安価で反応性も優れていることから特に好ましい。
2およびR3については、これらの基の組み合わせによって特定される基本骨格のα−アミノ酸は、グリシン、アラニン、システイン、シスチン、セリン、トレオニン、メチオニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、アスパラギン、グルタミン、プロリン、フェニルグリシン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、アスパラギン酸、グルタミン酸、リシン、ヒドロキシリシン、アルギニン、ヒスチジン、オルニチン、シトルリン、ホスホセリン、γ−カルボキシグルタミン酸またはヒドロシキプロリンであることが、生成物の有用性の観点から、特に好ましい。
4としては水素、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、ベンジル基等が挙げられ、メチル基、エチル基、ベンジル基が特に好ましい。
一般式[2]で示されるα−アミノ酸類のR2,R3,R4の置換アルキル基またはアリール基の置換芳香族炭化水素環または芳香族ヘテロ環が、遊離の水酸基、アミノ基、チオール基やカルボキシル基を有する場合には、これらの基を保護基で保護することもできる。水酸基、アミノ基またはチオール基の保護基としては、ホルミル基、アセチル基、ピバロイル基、ベンゾイル基等の炭素数1から11のアシル基、メトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基等の炭素数2から12のアルコキシカルボニル基、ベンジル基、トリチル基、4−モノメトキシトリチル基、4,4'−ジメトキシトリチル基等の炭素数7から25のアラルキル基等が好ましく、カルボキシル基の保護は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基等の炭素数1から8のアルキルエステルとして保護することが好ましい。これらの保護基は、ハロゲン原子、炭素数1から4のアルキル基、炭素数1から4のアルコキシ基等の適当な置換基を有していても良い。ここで記載したものは、これら全ての保護基を含め、上記の"置換アルキル基またはアリール基の置換芳香族炭化水素環または芳香族ヘテロ環"という範囲に定義できる。但し、前述した様に、本発明の第2工程の反応は、敢えて遊離の官能基を保護基によって保護しなくとも選択的に進行するという特徴がある(実施例7を参照)。
一般式[2]で示されるα−アミノ酸類は、グリシン(R2が水素)である場合を除いて、光学異性体が存在するが、当然、ラセミ体を使用することもできるが、生成物の有用性の観点から、光学活性体(R体またはS体)を使用することが特に好ましい。α−アミノ酸類のα位が不斉炭素である場合は、反応がジアステレオ選択的に進行し、一般式[3]で示されるトリフルオロアラニルジペプチド類の片方のジアステレオマーを過剰に得ることができる(実施例3〜実施例7)。
以下、本発明の第1工程につき、説明する。第1工程は、一般式[4]で示される2−イミノパーフルオロプロパン類に、金属マグネシウムと、一般式[5]で示されるハロゲン化シリル類を反応させて、一般式[1]で示される2−アミノパーフルオロプロペン類を製造する工程である(実施例1を参照)。各試薬の比に特別な制限はないが、金属マグネシウムは、2−イミノパーフルオロプロパン類1モルあたり、1〜10モル用いることが好ましく、1〜5モル用いることが特に好ましい。またハロゲン化シリル類は、2−イミノパーフルオロプロパン類1モルあたり1〜20モル用いることが好ましく、1〜8モル用いることが特に好ましい。
本工程の反応は、脱水溶媒中で行うことが好ましい。溶媒としてはn−ペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−ヘプタン等の脂肪族炭化水素系、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族炭化水素系、塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素系、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、t−ブチルメチルエーテル、1,4−ジオキサン等のエーテル系、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル系、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル系、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等が挙げられる。その中でもテトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミドが好ましい。
本工程は、脱水条件を維持するために、窒素、ヘリウム、アルゴンなどの不活性ガスの雰囲気下、行うことが好ましい。温度に特別の制限はないが、内温が−30℃〜+40℃であることが好ましく、−10℃〜+30℃が特に好ましい。当反応は発熱反応であるため、内温を安定に維持するために、2−イミノパーフルオロプロパン類、またはハロゲン化シリル類の何れかを徐々に反応系中に添加し、反応を制御する方法が好適に採用される。
反応終了後は、通常の有機合成の精製手段によって、一般式[1]で示される2−アミノパーフルオロプロペン類を単離精製することができる(実施例1を参照)。しかし、敢えて単離精製せず、そのままワンポットで2−アミノパーフルオロプロペン類を、続く第2工程の原料に使用することができ、操作が著しく簡便になるため、それが好ましい。
次に本発明の第2工程につき、説明する。第2工程は、一般式[1]で示される2−アミノパーフルオロプロペン類を、一般式[2]で示されるα−アミノ酸類と反応させ(第2工程前段)、引き続いて、酸性条件下にて水と反応させる(第2工程後段)ことによりなる。これらの操作により、一般式[3]で示されるトリフルオロアラニルジペプチド類を収率よく製造することができる。
なお、第2工程に用いるα−アミノ酸類としては、遊離のアミノ基を有するものも使用できるが、該アミノ基を適当な酸(後述の酸類の何れも好適に使用できる)でイオン対とした「α−アミノ酸類の塩」も好適に使用することができる(実施例2〜実施例7を参照)。この「塩」が形成されると、α−アミノ酸類の保存安定性が向上し、目的物の純度向上にもつながるため、特に好ましい。
また、第2工程の反応も、窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガスの存在下で、実施することが、より好ましい。
まず、第2工程前段[2−アミノパーフルオロプロペン類とα−アミノ酸類(もしくはその塩)の反応]について述べる。2−アミノパーフルオロプロペン類とα−アミノ酸類の混合比に特別な制限はないが、通常は、より安価なα−アミノ酸類を過剰に用いる。具体的には2−アミノパーフルオロプロペン類1モルあたり、α−アミノ酸類を1〜10モル使用することが好ましく、1〜5モル用いることが、特に好ましい。
この反応は塩基性条件下で、より好ましく進行する。本反応においては、反応の進行に伴ってプロトンが放出され、次第に液性が酸性側に変化する。さらに、上述のように「α−アミノ酸類の塩」を使用する場合には、イオン対として存在している酸に由来して系内が酸性を示す。この酸に由来して、第2工程前段の反応の反応性が低下することがあるので、これを中和し、系内を塩基性に維持するだけの十分な塩基を系内に共存させることが望ましい。実施例2〜実施例7に示すように、α−アミノ酸類のトリフルオロメタンスルホン酸塩や塩酸塩を原料として使用する場合には、2−アミノパーフルオロプロペン類のモル数と、α−アミノ酸類の塩の当量数を合計した量を上回る量の塩基を加えることが好ましい。但し、用いられるα−アミノ酸類の種類、対となる酸の種類、さらには2−アミノパーフルオロプロペン類とのモル比等によって液性は大きく変化するため、当反応を実施するに当たっては、系内が塩基性を示す程度に最小限の塩基を投入しておき、反応の経過と共に随時液性をチェックして、塩基性(ここでいう「塩基性」とは、pHが概ね8以上を意味し、10以上がより好ましい)を維持できなくなったら、塩基を補充するという方法を採用しても良い。
塩基の種類には特別の制限はないが、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリn−プロピルアミン、トリn−ブチルアミン、ジメチルラウリルアミン、ジメチルアミノピリジン、N,N−ジメチルアニリン、ジメチルベンジルアミン、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、1,4−ジアザビシクロ(2,2,2)オクタン、ピリジン、2,4,6−トリメチルピリジン、ピリミジン、ピリダジン、3,5−ルチジン、2,6−ルチジン、2,4−ルチジン、2,5−ルチジン、3,4−ルチジン等の有機塩基、水素化ナトリウム、水素化カリウム、水素化リチウム、水素化カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の無機塩基が挙げられる。その中でも有機塩基が好ましく、特にトリエチルアミンは安価であり、高い反応性を示すことから、より好ましい。
当反応は溶媒の存在下、行うことが好ましい。第1工程と同様、n−ペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−ヘプタン等の脂肪族炭化水素系、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族炭化水素系、塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素系、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、t−ブチルメチルエーテル、1,4−ジオキサン等のエーテル系、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル系、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル系、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等を使用することができ、その中でもテトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミドが好ましい。第1工程と第2工程を連続して行う場合には、第1工程で用いた溶媒をそのまま第2工程に使用することが好ましい。
第2工程前段の反応温度には特別の制限はなく−30〜120℃の幅広い温度で行うことが可能である。しかし室温付近で十分な速度、選択率で進行する反応であるため0〜60℃で行うことが好ましく、10〜40℃が特に好ましい。
続いて、第2工程後段(系内を酸性にし、水と反応させる工程)について説明する。ここで、系内を酸性にするための酸の種類に特別な制限はない。炭酸、塩酸、硫酸、硝酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、リン酸、ホウ酸、過塩素酸等の無機酸の他に、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、シクロヘキサンカルボン酸、オクタン酸、フェニル酢酸、3−フェニルプロピオン酸、ギ酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、ピメリン酸、シアノ酢酸、クエン酸、グリコール酸、グリオキシル酸、ピルビン酸、レブリン酸、オキサロ酢酸、メルカプト酢酸、フェノキシ酢酸、ピクリン酸等の有機酸を何れも好適に用いることができる。その中でも過塩素酸が特に好ましい。
加えるべき酸の量は、上記「第2工程前段」で系内に投入された塩基の種類や量によって、また用いる酸の種類によって大きく変わる。具体的には、第2工程前段の反応混合物に対し、系のpHが5以下になるまで、より好ましくは3以下になるまで、酸を加え、十分に攪拌すれば良い。
第2工程後段で用いる水の量は、十分な収率で目的物を得るためには、2−アミノパーフルオロプロペン類1モルあたり1モル以上であることが好ましく、3モル以上用いることが、より好ましい。但し、それよりも過剰量の水(例えば、2−アミノパーフルオロプロペン類1モルあたり10モル〜200モル)を用いても反応性の点では特に問題ない。但し、あまり過剰の水を使用すると生産性が低下し、工業的には必ずしも有利とはならない。一方、水の量が1モル未満であると、収率が低下する。なお、水としては、上記酸が水溶液として供されるときは、その水で代用することもできる。
第2工程後段の反応温度にも特別な制限はなく、−40〜+100℃の広い範囲で行うことができるが、室温もしくはそれ以下でも速やかに進行する反応であるため、−30〜+40℃で行うことが好ましく、0℃付近に冷却しつつ、穏やかに反応を実施することが特に好ましい。
第2工程の前段、後段ともに、反応時間に特別な制限はないが、ガスクロマトグラフィーや、薄層クロマトグラフィー等の手法によって、反応の進行度を追跡し、原料がほぼ消費したことを確認した後、反応を停止することが望ましい。
一般式[2]で示されるα−アミノ酸類として光学活性体を用いた場合、一般式[3]で示されるトリフルオロアラニルジペプチド類が光学活性なジアステレオマー混合物として得られ、各ジアステレオマーは、再結晶またはカラムクロマトグラフィー等の方法で容易に分離することができ、光学活性な単一のジアステレオマーとして得ることができる。
得られた一般式[3]で示されるトリフルオロアラニルジペプチド類のRがパラメトキシフェニル基の場合、Synlett,(ドイツ),1995年,p.753−754に開示された方法に従い、酸化的に脱保護することができ、一般式[6]で示される、対応する一級アミン類に収率良く変換することもできる。
Figure 2006176478
以下、実施例により本発明の実施の形態を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]N−トリメチルシリル−N−p−メトキシフェニル−1−トリフルオロメチル−2,2−ジフルオロ−エテンアミンの製造(第1工程)
Figure 2006176478
アルゴン雰囲気下、1000mLのフラスコに金属マグネシウム4.86g(200mmol)、N−p−メトキシフェニル−1−トリフルオロメチル−2,2,2−トリフルオロ−エチリデンアミン27.1g(100mmol)と無水テトラヒドロフラン400mLを加え、攪拌しながら内温を0℃に冷却した。この懸濁液にトリメチルシリルクロリド50mL(394mmol)を加えて30分間攪拌し、薄層クロマトグラフィーにより原料基質が完全に消失していることを確認した。残存する金属マグネシウムをデカンテーションにより取り除き、さらに残存する反応溶媒とトリメチルシリルクロリドを濃縮除去し、引き続いて残渣にn−ヘキサンを加えて析出した無機塩を濾過し、濾液を濃縮し、残渣を減圧蒸留することにより(b.p.75℃/1Torr)目的生成物を30.9g(95.0mmol)得た。収率は95%であった。目的生成物の各種機器データを以下に示す。
IR(neat)1734,1512,1348,1292,1238,1170,1134cm-1;
1H NMR(300MHz,CDCl3)δ6.99(d,J=9.0Hz,2H),6.82(d,J=9.0Hz,2H),3.78(s,3H),0.22(s,9H);
19F NMR(282MHz,CDCl3)δ97.4(dd,J=23.4Hz,11.6Hz,3F),78.3(m,1F),76.3(m,1F);
MS(EI)(m/z)325(M+,45),218(100),73(71);
Anal.Calcd for C13165NOSi:C,47.99;H,4.96;N,4.31.Found:C,47.60;H,4.71;N,4.56.
[実施例2]N−p−メトキシフェニル−3,3,3−トリフルオロアラニルグリシンベンジルエステルの製造(第2工程)
Figure 2006176478
アルゴン雰囲気下、30mLのフラスコにN−トリメチルシリル−N−p−メトキシフェニル−1−トリフルオロメチル−2,2−ジフルオロ−エテンアミン325mg(1.0mmol)、テトラヒドロフラン3mL、グリシンベンジルエステル・トリフルオロメタンスルホン酸塩842mg(2.7mmol)とトリエチルアミン385mg(3.8mmol)を加え、室温で1時間30分攪拌した。引き続いて反応混合液の内温を0℃に冷却し、水3mLを加え、pHが1になるまで過塩素酸を加えた。30分攪拌後、反応終了液を水30mLに注ぎ込み、ジエチルエーテル30mLで3回抽出した。回収した有機層を合わせて飽和炭酸水素ナトリウム水溶液10mLで1回、さらに飽和食塩水10mLで3回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムを濾過し、濾液を濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n−ヘキサン/酢酸エチル=5/1)で精製することにより目的生成物を黄色固体として366mg(0.92mmol)得た。収率は92%であった。目的生成物は再結晶(n−ヘキサン/酢酸エチル)によりさらに精製することができた。目的生成物の各種機器データを以下に示す。
IR(KBr)3360,1740,1658,1512,1240cm-1;
1H NMR(600MHz,CDCl3)δ3.75(s,3H),4.12(dd,J=18.5Hz,4.8Hz,1H),4.16(dd,J=18.5Hz,5.7Hz,1H),4.30(m,1H),4.36(d,J=6.0Hz,1H),5.18(s,2H),6.68(m,2H),6.79(m,2H),7.02(broad,1H),7.30−7.40(m,5H);
13C NMR(150MHz,CDCl3)δ41.9,55.9,62.2(q,J=281Hz),67.8,77.3,115.3,123.9(q,281Hz),128.7,128.9,135.1,139.4,154.4,165.1,169.1;
19F NMR(282MHz,CDCl3,C66)δ89.0(d,J=7.1Hz).
[実施例3]N−p−メトキシフェニル−3,3,3−トリフルオロアラニル−(S)−アラニンメチルエステルの製造(第2工程)
Figure 2006176478
アルゴン雰囲気下、10mLのフラスコにN−トリメチルシリル−N−p−メトキシフェニル−1−トリフルオロメチル−2,2−ジフルオロ−エテンアミン114mg(0.35mmol)、蒸留したN,N−ジメチルホルムアミド1.1mL、(S)−アラニンメチルエステル・塩酸塩73mg(0.52mmol)とトリエチルアミン138mg(1.36mmol)を加え、室温で15分攪拌し、薄層クロマトグラフィー(シリカゲル、n−ヘキサン/酢酸エチル=4/1)により原料基質が完全に消失していることを確認した。引き続いて反応混合液を20分氷冷し、水1.1mLを加え、pHが1になるまで過塩素酸を加えて20分攪拌し、薄層クロマトグラフィー(シリカゲル、n−ヘキサン/酢酸エチル=4/1)により中間生成物が完全に消失していることを確認した。反応終了液に水10.5mLを加え、ジエチルエーテル10mLで3回抽出した。回収した有機層を合わせて飽和炭酸水素ナトリウム水溶液5mLで1回、さらに飽和食塩水5mLで3回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムを濾過し、濾液を濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n−ヘキサン/酢酸エチル=4/1)で精製することにより目的生成物を104mg(0.31mmol)得た。収率は89%であった。目的生成物のジアステレオマー過剰率は液体クロマトグラフィーにより決定し12%d.e.であった。目的生成物の各種機器データを以下に示す。
IR(KBr)3316,1740,1662,1522,1248cm-1
1H NMR(600MHz,CDCl3)δ1.43(t,J=6.9Hz,3H),3.74(s,3H),3.76(s,3H),4.23〜4.29(m,1H),4.38(broad,1H),4.60〜4.66(m,1H),6.67〜6.72(m,2H),6.79〜6.82(m,2H),6.94(d,J=6.0Hz),7.04(d,J=6.0Hz);
19F NMR(282MHz,CDCl3,C66)δ88.9(d,J=6.8Hz);
Anal.Calcd for C1417324:C,50.30;H,5.13;N,8.38.Found:C,50.30;H,5.23;N,8.14.
[実施例4〜7]各種トリフルオロアラニルジペプチド類の製造(第2工程)
実施例3と同様に各種α−アミノ酸類を用いて実施し、その結果を表1に纏めた。さらに各実施例で得られた目的生成物の各種機器データを以下に示す。
Figure 2006176478
実施例4[N−p−メトキシフェニル−3,3,3−トリフルオロアラニル−(S)−フェニルアラニンエチルエステル]の各種機器データ
IR(KBr)3348,1734,1664,1520,1238cm-1
1H NMR(600MHz,CDCl3)δ1.21(t,J=7.2Hz),1.25(t,J=7.2Hz),3.10〜3.19(m,2H),3.76(s,3H),4.14〜4.22(m,3H),4.27(d,J=6.0Hz),4.36(d,J=5.4Hz),4.84〜4.93(m,1H),6.61〜6.68(m,2H),6.77〜6.81(m,2H),6.85〜6.89(m,1H),6.98〜7.00(m,2H),7.18〜7.23(m,3H);
13C NMR(150MHz,CDCl3)δ14.27,37.86,53.81,55.90,62.08,62.10(q,J=29.6),62.58(q,J=29.5Hz),115.1,116.2,116.9,123.8(q,J=281Hz),127.5,128.8,129.5,135.4,139.4,154.4,164.3,170.8;
19F NMR(282MHz,CDCl3,C66)δ89.0(d,J=7.1Hz),88.98(d,J=7.1Hz);
Anal.Calcd for C2123324:C,59.43;H,5.46;N,6.60.Found:C,59.42;H,5.55;N,6.56.
実施例5[N−p−メトキシフェニル−3,3,3−トリフルオロアラニル−(S)−ロイシンエチルエステル]の各種機器データ
IR(Nujol)3348,1734,1664,1538cm-1
1H NMR(600MHz,CDCl3)δ0.89(d,J=6.0Hz),0.91(d,J=6.6Hz),1.21〜1.27(m,3H),1.53〜1.68(m,3H),3.75(s,3H),4.13〜4.20(m,2H),4.24〜4.33(m,1H),4.36(d,J=6.0Hz),4.46(d,J=6.0Hz),4.62〜4.68(m,1H),6.66〜6.71(m,2H),6.78〜6.81(m,2H),6.95(d,J=8.4Hz,1H);
19F NMR(282MHz,CDCl3,C66)δ89.0(d,J=6.8Hz),89.1(d,J=7.1Hz).
実施例6[N−p−メトキシフェニル−3,3,3−トリフルオロアラニル−(S)−プロリンメチルエステル]の各種機器データ
IR(film)3348,1734,1664,1538cm-1
1H NMR(600MHz,CDCl3)δ1.94〜2.14(m,4H),2.19〜2.32(m,1H),3.68〜3.83(m,8H),4.52〜4.65(m,3H),6.66〜6.84(m,4H);
19F NMR(282MHz,CDCl3,C66)δ88.7(d,J=4.5Hz),88.8(d,J=4.8Hz).
実施例7[N−p−メトキシフェニル−3,3,3−トリフルオロアラニル−(S)−セリンメチルエステル]の各種機器データ
IR(KBr)3548,3300,1736,1664,1518,1238cm-1
1H NMR(600MHz,CDCl3)δ1.96(broad),2.06(broad),3.75(s),3.76(s),3.77(s),3.79(s),3.89〜3.94(m,1H),4.00〜4.08(m,1H),4.30〜4.43(m,2H),4.68〜4.72(m,1H),6.70〜6.73(m,2H),6.80〜6.83(m,2H),7.28〜7.34(m,1H);
19F NMR(282MHz,CDCl3,C66)δ89.0(d,J=7.1Hz).

Claims (4)

  1. 一般式[1]
    Figure 2006176478
    で示される2−アミノパーフルオロプロペン類を、一般式[2]
    Figure 2006176478
    で示されるα−アミノ酸類と反応させ、引き続いて、酸性条件下にて水と反応させることにより、一般式[3]
    Figure 2006176478
    で示されるトリフルオロアラニルジペプチド類を製造する方法。
    [式中、Rは水素、アルキル基、またはアリール基を表し、R1はそれぞれ独立にアルキル基、またはアリール基を表す。R2は水素、アルキル基、置換アルキル基、またはアリール基を表し、R3は水素、アルキル基または置換アルキル基を表し、R2とR3が共有結合で結ばれ複素環を採ることもできる。R4は水素、アルキル基または置換アルキル基を表し、*は不斉炭素を表し、ラセミ体もしくは光学活性体を採る(但し、R2が水素の場合は不斉炭素でない)。]
  2. 請求項1において、2−アミノパーフルオロプロペン類をα−アミノ酸類と反応させる際、該反応を塩基の存在下で行うことを特徴とする、請求項1に記載の、トリフルオロアラニルジペプチド類を製造する方法。
  3. 請求項1または請求項2において、2−アミノパーフルオロプロペン類が、一般式[4]で示される2−イミノパーフルオロプロパン類
    Figure 2006176478
    に、金属マグネシウムと、一般式[5]で示されるハロゲン化シリル類
    Figure 2006176478
    を反応させて得たものであることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の、トリフルオロアラニルジペプチド類を製造する方法。
    [式中、Rは水素、アルキル基、またはアリール基を表し、R1はそれぞれ独立にアルキル基、またはアリール基を表し、Xはハロゲン(F,Cl,BrまたはI)を表す。]
  4. 請求項3において、2−イミノパーフルオロプロパン類に、金属マグネシウムと、ハロゲン化シリル類を反応させて得た2−アミノパーフルオロプロペン類を単離精製することなく、続く反応に用いることを特徴とする、請求項3に記載の、トリフルオロアラニルジペプチド類を製造する方法。
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