JP2006165359A - ウエハのダイシング方法および液体吐出ヘッド - Google Patents

ウエハのダイシング方法および液体吐出ヘッド Download PDF

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Abstract

【課題】ウエハをダイシングテープにマウントし、半導体素子を切り出すウエハのダイシング方法において、ダイシング後に粘着性を有する切削屑が半導体素子の表面に残留するのを防ぐ。
【解決手段】ウエハ1を切断ライン1bに沿ってダイシングブレードBにより切断し、各半導体素子1aに分離するダイシング工程の前に、ウエハ1をダイシングテープ10にマウントし、ウエハ内の各切断ライン1bと、ウエハ外のダイシングテープ10の空き領域に延在する切断ライン1bの延長部に、それぞれ対応するライン状のパターン開口M1 を有する遮光マスクMを介して紫外線P1 を照射し、ダイシングテープ10の粘着力を選択的に低下させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、ウエハから半導体素子を分離するためのウエハのダイシング方法に関し、特に、素子表面のオリフィスからインク等液体を吐出する液体吐出ヘッドの吐出素子のように、開口部を有する半導体素子が複数配列されたウエハのダイシング方法および液体吐出ヘッドに関するものである。
一般に各種半導体デバイスは、ウエハ上に複数個の半導体素子を同時に形成し、ダイシング工程で個別の素子に分離し、パッケージ封入などの工程を経て製造されている。
図8は一従来例によるダイシング工程を示すもので、同図の(a)に示すように、シリコン基材に複数の半導体素子101aを形成したウエハ101の裏面側を、リング状のフレームKに支持されたダイシングテープ110に貼着する。その後、図示しないダイシング装置上のチャックテーブル上にフレームKを載置固定し、アライメント装置により位置決めした後に、図8の(b)に示すようにダイシングブレードBにより、ウエハ101のX、Y方向の切断ライン(ダイシングストリート)101bに沿って切断分割(ダイシング)する。
図8の(c)に示す工程では、ウエハ101のダイシング後に、ダイシング装置から取り外されたウエハ101とダイシングテープ110とフレームKの一体物に、ダイシングテープ110の裏面側から紫外線Pを照射して、ダイシングテープ110の粘着剤を硬化させることにより被着体であるウエハ101との粘着力を低下させ、各半導体素子101aをダイシングテープ110から剥離し易くする。続いて、図8の(d)に示すように、個々の半導体素子101aがピックアップされる。
図9は、特許文献1に開示されたように、ウエハ101の半導体素子101aが、表面に液滴を吐出するオリフィスを有し、裏面側からオリフィスへインク等液体を供給する液体吐出ヘッドの吐出素子である場合のダイシングを示す。図9の(a)は、ウエハ101がダイシングテープ110にマウントされた状態を示し、(b)は切断ライン101bに沿ってダイシングする工程を示し、(c)はウエハ101の表面の洗浄工程を示し、(d)は各半導体素子101aをダイシングテープ110から剥離しピックアップした状態を示す。
ダイシングの被切削物であるウエハ101の各半導体素子101aは、それぞれオリフィスを形成したオリフィス層102と裏面側へ連通する開口部103を有し、ウエハ101の裏面には同図の(a)に示すようにダイシングテープ110が貼着され、ダイシングテープ110はフィルム状基材111を有し、その表面に粘着剤112が層状に形成されている。
図9の(b)に示すようにダイシングブレードBによりダイシングを行うダイシング工程においては、通常のダイシングマシンを使用する場合、直径がおよそ50mmから75mmの回転ブレードを使用することが一般的である。特に、ダイシングによって個々の素子を完全に切断分離する場合においては、ダイシングブレードBの先端は、ダイシングテープ110に数十μm切り込んで加工する。このためダイシング時には図10に示すように、ウエハ101の切り込みによって発生する切削屑H1 と、ダイシングテープ110のフィルム状基材111や粘着剤112から発生する切削屑H2 がダイシングブレードBの回転力により同時に飛散し、これらが切断中のウエハ101の表面に付着する。
ウエハ101とフレームKの間の空き領域には、ダイシングテープ110の粘着剤112による粘着面が露出する。通常、ダイシングブレードBによる加工領域は、ウエハ101のサイズ(外径)よりも数ミリから十数ミリ大きく設定し、ダイシングブレードBが完全にウエハ101の外縁を通り過ぎてから次の切断ラインに移動するように構成されるため、ダイシングブレードBがダイシングテープ110のみを切断する、いわゆるワーク外加工部110aが、ウエハ101上の各切断ライン101bの切り始めと切り終わりに生じることになる。
すなわち、ウエハ101の各切断ライン101b毎に、ダイシングブレードBの最下端は、切断ライン101bの延長部に沿ってダイシングテープ110の空き領域に延在するワーク外加工部110aを数十ミクロン切り込みながら移動する。このため、ダイシングテープ110のワーク外加工部110aからも粘着剤が混入した微細な切削屑H2 が発生し、ウエハ101の表面に付着する。
ウエハ101に付着した切削屑H1 、H2 のうちで、ウエハ101から生じたシリコンの切削屑H1 は図9の(c)に示す洗浄工程により除去することが可能であるが、粘着剤が混入した切削屑H2 は一度付着すると単なる洗浄では除去することができない。
切断ライン101bに沿ったダイシング後は、ウエハ101の裏面側からダイシングテープ110に対して紫外線照射を行ったうえで、図9の(d)に示すようにダイシングテープ110から各半導体素子101aを剥離しピックアップを行うが、ウエハ101の表面のオリフィス層102に付着した粘着剤を含む切削屑H2 はピックアップ後も粘着力を維持する。また実装以降の熱工程にて加熱された場合、さらに粘着力が増加して除去することが困難となる。
その結果、図9の(e)に示すように、オリフィス層102のオリフィス102aの周囲に付着した粘着剤を含む切削屑H2 は、オリフィス102aからインク等液滴を飛翔させると、液滴が切削屑H2 のほうに引かれて、液滴が真っ直ぐ飛ばないことによる、いわゆる「よれ」の原因となり、プリンタ等の画質を大幅に低下させる。
このようなダイシングテープの粘着剤付着を防止する手段としては、特許文献2に開示された、切断ライン上のみ選択的にダイシングテープの粘着剤を硬化させる方法や、特許文献3に開示されたように、フレームとウエハ間のダイシングテープの空き領域全面の粘着剤を予め硬化させてダイシングする方法があげられる。
特開平11−179926号公報 特開昭62−79649号公報 特開2002−299295号公報
しかし、ダイシングテープの空き領域に露出する粘着剤は、ダイシングによって発生した切削屑を付着保持させ、そこからさらに移動してウエハ表面に再付着することを防ぐ効果があり、特許文献3に開示されるような、空き領域全面の粘着剤を硬化させることは好ましい方法ではない。
また、液体吐出ヘッドの吐出素子のように開口部を有する場合、特許文献2に開示される方法をそのまま使うことはできない。すなわち、切断ラインから開口部までの距離が短いため、図11に示すように、切断ラインに沿って粘着剤112を硬化させた場合には、硬化領域112aの広がりによっては開口部103へオーバーラップし、開口部103から切断ラインにかけてのダイシングテープ110の接着力を低下させてしまう。このような状態でダイシングを行うと、ダイシングテープ110とウエハ101の隙間に切削水Wが浸入し、開口部103内を切削屑で汚染する危険がある。
従って、切断ライン付近のみを精度良く硬化させるために切断ラインと遮光マスクの位置合わせが必要となるが、ダイシングブレードとの位置合わせのためにウエハ表面側に設けられるアライメント装置に加えて、ウエハ裏面側の位置合わせのためのアライメント装置が必要となり、いわゆる両面アライナーのような複雑な機構を持つことになる。
本発明は上記従来の技術の有する未解決の課題に鑑みてなされたものであり、ダイシングによる切削屑のウエハ表面等への付着残りのない半導体素子を安定して製造できるウエハのダイシング方法および液体吐出ヘッドを提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するため、本発明のウエハのダイシング方法は、複数の半導体素子を配列したウエハを切断ラインに沿って各素子に分離するウエハのダイシング方法であって、光硬化型粘着ダイシングテープにウエハをマウントする工程と、ウエハをマウントしたダイシングテープの粘着力を、ウエハ上の切断ラインおよびウエハ上からダイシングテープの空き領域に延在する切断ラインの延長部にそれぞれ対応して、同一の露光工程によって、選択的に低減するダイシングテープ処理工程と、粘着力を選択的に低減したダイシングテープ上のウエハを切断ラインに沿って切断するダイシング工程と、を有することを特徴とする。
ダイシング前に、切断ラインに対応して選択的にダイシングテープの粘着力を低減するとともに、ダイシングテープの空き領域に延在する切断ラインの延長部であるワーク外加工部に対応するライン状部位のダイシングテープの粘着力を選択的に低減しておくことで、半導体素子表面における切削屑の好ましくない付着残りを完全に防止する。
ウエハのダイシングによって発生する切削屑による性能劣化を防ぐことで、安定性能を有し、かつ信頼性の高い半導体素子を製造することが可能となり、半導体素子を搭載した半導体装置の高品質化を大幅に促進できる。
ウエハから切り出される半導体素子が液体吐出ヘッドの吐出素子である場合は、切削屑のオリフィス周囲の付着が基点となる吐出方向のよれがなく、液滴の安定吐出が可能で画像品位の高い液体吐出ヘッドおよびプリンタ等を実現することができる。
また、遮光マスクには、切断ラインとともにワーク外加工部の露光パターンが設けられているため、ウエハ表面側から、ウエハ上の切断ラインと遮光マスクのワーク外加工部の露光パターンとの高精度の位置合わせを行うことができる。
図1の(a)に示すように、複数の半導体素子1aが形成されたウエハ1から個別の半導体素子1aをダイシングブレードBにて切断分離するダイシング方法において、まず、粘着力を有するダイシングテープ10をリング状のフレームKの開口部を塞ぐように貼着し、ダイシングテープ10の中央部に、ウエハ1の裏面側を貼着する。このように、ウエハ1の裏面側をダイシングテープ10にマウントし、図1の(b)に示す露光工程(ダイシングテープ処理工程)により、ウエハ1の切断ライン1bとダイシングテープ10の空き領域に延在する切断ライン1bの延長部にそれぞれ対応して、ダイシングテープ10の粘着力を選択的に低下させたえうで、(c)に示すように、ダイシングブレードBによってウエハ1の表面側からダイシングして個々の素子に分割する。
ダイシングに先立って、ウエハ1の切断ライン1bに対応する部位におけるダイシングテープ10の粘着力を低減するとともに、ダイシングテープ10の空き領域に延在する切断ライン1bの延長部に対応する部位におけるダイシングテープ10の粘着力をも選択的に低下させておくことにより、ダイシングにより生じる切削屑が洗浄後もウエハ表面に付着・残留して半導体素子1aの性能劣化を起こすのを確実に回避できる。
図1および図2は、一実施例によるウエハのダイシング方法を示す工程図である。ダイシング装置でウエハ1をダイシングする際は、チャックテーブルの位置においてウエハ1を保持し、切断ライン1bをダイシング装置に組み込まれているアライメント装置で認識し位置合わせを行う。従って、最初にチャックテーブルにウエハ1を載せた際にある程度の位置が出ていないと画像処理エラーとなってしまうため、図1の(a)に示すように、位置合わせが行いやすいように外周の一部を切り欠いたリング状のフレームKの裏面にダイシングテープ10を貼着して、フレームKの開口に露出するダイシングテープ10の粘着面にウエハ1を貼着する。このとき、ウエハ1の外周とオリエンテーションフラットでフレームKとの位置合わせを行って貼着することにより、ウエハ1がダイシングテープ10を介してフレームKと一体になった状態となる。
なお、ウエハ1をダイシングテープ10にマウントする工程では、フレームKの裏面側が上になるように載置するとともに、その開口にウエハ1を裏面側が上になるように載置し、ダイシングテープ10をフレームKおよびウエハ1に同時に貼着し、カッターを回転させながらダイシングテープ10をフレームKの裏面にあてがって円形にカットする、いわゆるテープマウンターを用いるのが一般的である。
本実施例では、図2に示すように、ダイシングテープ10として、フィルム基材11上に紫外線硬化型の所定の接着力を備えたラジカル重合型アクリル系の粘着剤12が塗工されたリンテック株式会社製D−105Vを使用した。テープ厚は、粘着剤12の厚さ10μm、フィルム基材11の厚さ80μmである。
また、ウエハ1には、インクジェット記録装置(プリンタ)に搭載される液体吐出ヘッドの吐出素子を構成する半導体素子1aが面付けされた厚さ約0.6mmのシリコンウエハを用いた。図2の(a)に示すように、各半導体素子1aの表面には、液体であるインクを吐出させる吐出手段である複数のオリフィスを有するオリフィス層2が形成されており、裏面側には、表面のオリフィスにインクを供給するための開口部3が設けられている。開口部3は、各オリフィスに常に一定のインクを安定的に供給するため、表面のパターンを基準に、異方性エッチングで高精度に加工されている。
図2の(b)に示す工程では、まず、ウエハ1をダイシングテープ10を介してフレームKと一体化したものを、ダイシングテープ10の裏面側が上になるように反転させ、その上にパターン開口M1 を有する遮光マスクMを重ねて位置合わせを行う。
両面アライナーのような装置を備えていれば、ウエハ表面のパターンを認識しながら裏面にマスク位置合わせすることができるが、ここでは、両面アライナーを用いることなく位置合わせを行う方法について図3および図4を用いて説明する。図3の(a)はウエハ1の複数の半導体素子1aのうちで、遮光マスクMとの位置合わせに用いる位置合わせ用チップ1cの位置を示す。図4の(a)は位置合わせ用チップ1cの開口部3を、図4の(b)は遮光マスクMに設けられた位置合わせ用の開口M2 を示し、図4の(c)は双方の位置関係が一致した状態を示す。また、図4の(d)は位置合わせ時のウエハ1と遮光マスクMの状態を示し、図4の(e)は、(d)の円Aで囲んだ部分の拡大図である。
図3の(a)に示すようにウエハ1内の4箇所に位置合わせ用チップ1cが配置されているが、位置合わせ用チップ1cの配置はこれに限定する必要はなく、少なくとも2チップ以上をウエハ1の周辺部へ配置すればよい。位置合わせは、図4の(d)に示すようにウエハ1の裏面側を上に向けて遮光マスクMに対向させ、同図の(a)に示す位置合わせ用チップ1cの開口部3と(b)に示す遮光マスクMの位置合わせ用の開口M2 とを、(c)に示すように一致させることにより行う。
ここで、本実施例に用いた遮光マスクMは、図3の(b)に示すように、ウエハ1の開口部3と位置合わせするための位置合わせ用の開口M2 と、各切断ライン1bに沿った透光部であるパターン開口M1 が形成されているが、パターン開口M1 は、各切断ライン1bに沿ったウエハ内領域だけでなく、ウエハ1の外縁からダイシングテープ10の空き領域に延長してライン状に形成された開口であり、この延長ラインの終端を結ぶ仮想線は、図3の(b)に示すような略円形としてもよいし、また、同図の(c)に示すようにパターン開口M1 をマスク端部まで延長した格子状としてもよい。
ウエハ1と遮光マスクMの位置合わせは、ウエハ表面側から見て行ってもよい。遮光マスクMには、ウエハ1の切断ライン1a、1bの延長上の、ワーク外加工部を同時に露光するための直線状のパターンが設けられているため、ウエハ表面側からの、遮光マスクMとウエハ1との位置合わせ確認ができる。つまり、遮光マスクには、切断ラインとともにワーク外加工部の露光パターンが設けられているため、ウエハ表面側から、ウエハ上の切断ラインと遮光マスクのワーク外加工部の露光パターンとの高精度の位置合わせを行うことができる。
いずれの方法であっても、両面アライナーのような特殊な装置を用いることなく、切断ラインに沿った領域と、その延長上のダイシングテープ空き領域の粘着剤を精度よく硬化させることができる。
以上のように、遮光マスクMとウエハ1との位置合わせを行った後、図1の(b)および図2の(c)に示すように、紫外線照射装置により紫外線P1 を照射する。ダイシングテープ10の粘着剤12は、フィルム基材11側から約400mJ/cm2 (波長365nm)の紫外線照射で表面が硬化し、ウエハ1のシリコン裏面に対してタックフリーの状態になる。ここで、紫外線照射に際し、大気中の酸素によるラジカルの失活を防ぐため、ダイシングテープ10の露光面は窒素パージなどにより酸素濃度を低下させておく必要がある。本実施例では、ウエハ1をダイシングテープ10を介してフレームKと一体となった状態のものに対し遮光マスクMを位置合わせした状態で、図2の(c)に示すようにチャンバーC内に設置し、チャンバーC内の酸素濃度が2%未満になるように保った。これによって、フレームKとウエハ1間のダイシングテープ10の空き領域における粘着剤12のラジカル重合の失活は回避される。
このようにして紫外線を照射することによって、ウエハ1の切断ライン1bとその延長部に対応してダイシングテープ10の粘着剤12をライン状に硬化させ、ダイシングブレードBによって切り込まれる部位の粘着力を低減する。
続いて図1の(c)および図2の(d)に示すようにダイシングが行われ、半導体素子1aが分離される。ダイシングの条件として、ダイシング装置に東京精密(株)製ダイシングマシンA−WD5000Aを用い、回転数5000rpm、加工速度30mm/秒で行った。ダイシングブレードBは、株式会社ディスコ製の製品型番NBC−ZH2050(刃厚50μm)を使用した。
図5はダイシングの際におけるダイシングブレードBとウエハ1およびダイシングテープ10の関係を示す。ダイシングブレードBの先端はダイシングテープ10に50μmまで切り込むように切り残し量を40μmに設定している。ダイシングブレードBはダイシングテープ10を粘着剤12の層よりもさらに下方まで40μmだけ切断しているので、ダイシングブレードBの先端付近の先細り状部分はウエハ1の切断部分にはかからず、ウエハ1の切断面を平面にすることができる。
図6は、ウエハ1のダイシング工程を説明する立面図であり、ウエハ1をダイシングするときのダイシングブレードBと、ウエハ1の外縁から露出するダイシングテープ10の空き領域にのびる切断ライン1bの延長上のワーク外加工部10aに切り込むダイシングブレードBを示すものである。ここでは、ダイシングブレードBとして直径2インチ(50.8mm)のものを用い、厚さ0.6mmのウエハ1を加工するとき、ダイシングブレードBがウエハ1から完全に通過するためのワーク外加工部10aの長さは約5.5mm必要となる。同様にダイシングブレードBの切り初めに際しても、同じ量のワーク外加工部10aが必要となる。
従って、ダイシング工程でダイシングテープ10に切り込む切断長10bは、ウエハ1の切断ライン1bの長さ+約11mmとなり、一般にダイシング装置は、ダイシングブレードBの直径、ウエハサイズ、ウエハ厚さを入力するとマージンを加味してダイシングテープ10の切断長10bを設定するようになっている。
ダイシングの前にダイシングテープ10の粘着剤12をライン状に硬化させる工程では、ウエハ1上の切断ライン1bの長さに、両側のワーク外加工部10aの長さを加えた実際の切断長10b以上を硬化させることが望ましい。
図6に示すように、ダイシング工程では、ウエハ1から発生する切削屑H1 とダイシングテープ10から発生する切削屑H2 が回転するダイシングブレードBの回転力により同時に飛散し、これらが切断中のウエハ1の表面に付着する。このように付着した切削屑H1 、H2 のうちで、ウエハ1の切削屑H1 はシリコン屑であるから図2の(e)に示す洗浄工程により除去することが可能である。またダイシングテープ10の切削屑H2 も既に硬化反応が進み粘着力が低下しているため、同様に洗浄工程にて除去することが可能である。
図1の(d)に示す工程では、ダイシング、洗浄が終了したウエハ1をフレームKごとダイシング装置から取り外し、ダイシングテープ10の裏面から紫外線P2 を全面に照射し、ダイシングテープ10の粘着剤12をすべて硬化させることにより被着体であるウエハ1との粘着力を低下させる。
これにより、図1の(e)および図2の(f)に示すように、各半導体素子1aをウエハ1およびダイシングテープ10から容易にピックアップすることができる。
図7は、本実施例のダイシング方法により得られた半導体素子である吐出素子を実装した液体吐出ヘッドであるインクジェット記録ヘッドを示すもので、その組み立ては以下の工程で行われる。
(1)2種類のウエハから分離された、吐出素子であるブラック用、カラー用素子52A、52Bをマウント基板56にマウントする工程。
(2)フレキシブル基板57の電極端子と各素子52A、52Bの電極部との位置合わせとフレキシブル基板57への接合。
(3)フレキシブル基板57の電極端子と、各素子52A、52Bの電極部との接続と封止。
(4)上記の素子実装部と、インクタンク50、インク供給ユニット58、タンクホルダー59等の液体供給手段であるインク供給部材との組み立て。
以上の工程で作製したインクジェット記録装置は、液滴の「よれ」のない、安定した液滴形成が可能であった。また長期の使用にあたってオリフィス詰まりや吐出不良のない優れた信頼性を得ることができた。
液体吐出ヘッドの吐出素子の切り出しに限らず、各種半導体デバイスに搭載される半導体素子をウエハから分離するダイシングに幅広く適用できる。
一実施例によるウエハのダイシング方法を斜視図で説明する工程図である。 図1のダイシング方法を断面図で説明する工程図である。 ウエハの位置合わせ用チップと、遮光マスクの位置合わせ用の開口を説明する図である。 ウエハと遮光マスクの位置合わせを説明する図である。 ダイシングブレードによる切り込みを説明する図である。 ダイシング工程における切削屑の発生を説明する図である。 液体吐出ヘッドの組み立て工程を説明する図である。 一従来例によるダイシング方法を斜視図で説明する工程図である。 図8のダイシング方法を断面図で説明する工程図である。 図8のダイシング工程における切削屑の発生を説明する図である。 図8のダイシング工程においてウエハの開口部に切削水が侵入する状況を説明する図である。
符号の説明
1 ウエハ
1a 半導体素子
1b 切断ライン
1c 位置合わせ用チップ
2 オリフィス層
3 開口部
10 ダイシングテープ
10a ワーク外加工部
11 フィルム基材
12 粘着剤
50 インクタンク
52A ブラック用素子
52B カラー用素子
56 マウント基板
57 フレキシブル基板
58 インク供給ユニット
59 タンクホルダー

Claims (3)

  1. 複数の半導体素子を配列したウエハを切断ラインに沿って各素子に分離するウエハのダイシング方法であって、
    光硬化型粘着ダイシングテープにウエハをマウントする工程と、
    ウエハをマウントしたダイシングテープの粘着力を、ウエハ上の切断ラインおよびウエハ上からダイシングテープの空き領域に延在する切断ラインの延長部にそれぞれ対応して、同一の露光工程によって、選択的に低減するダイシングテープ処理工程と、
    粘着力を選択的に低減したダイシングテープ上のウエハを切断ラインに沿って切断するダイシング工程と、を有することを特徴とするウエハのダイシング方法。
  2. それぞれ表面側に液体を吐出する吐出手段を有する複数の吐出素子を配列したウエハを切断ラインに沿って各素子に分離するウエハのダイシング方法であって、
    光硬化型粘着ダイシングテープにウエハの裏面側をマウントする工程と、
    ウエハをマウントしたダイシングテープの粘着力を、ウエハ上の切断ラインおよびウエハ上からダイシングテープの空き領域に延在する切断ラインの延長部にそれぞれ対応して、同一の露光工程によって、選択的に低減するダイシングテープ処理工程と、
    粘着力を選択的に低減したダイシングテープ上のウエハを切断ラインに沿って切断するダイシング工程と、を有することを特徴とするウエハのダイシング方法。
  3. 請求項2記載のウエハのダイシング方法によって分離された吐出素子と、前記吐出素子に液体を供給する液体供給手段を有することを特徴とする液体吐出ヘッド。
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