JP2006159909A - オフロード車のタイヤ用の分割されたタイヤ金型 - Google Patents

オフロード車のタイヤ用の分割されたタイヤ金型

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Abstract

【課題】金型の内周部分と金型内に装填されているグリーンタイヤの外周部分との間の寸法上の干渉を最小に抑えるように、グリーンタイヤを、2部分からなるタイヤ金型内に装填する方法および装置を提供する。
【解決手段】上部分32と下部分34を有するタイヤ金型30が、特に産業用乗物用およびオフロード乗物用の大きなグリーンタイヤを挿入するための隙間を設ける、広がることができる中央開口36を有している。タイヤのトレッド部分を形作るための、周状に配置された複数のセグメント42,43が、グリーンタイヤの装填動作中に各部分32,34の直径が大きくなるように半径方向に移動できる。それにより、上部分32および下部分34の内周領域は、タイヤ金型30が開いたときに直径が大きくなり、タイヤ金型30が閉じるときに直径が小さくなる。
【選択図】図2A

Description

本発明は、大きなオフロード車(ORV)のタイヤを組み立てる際に用いられる方法および装置に関する。特に、本発明は、ORVのタイヤを製造する際に用いられる種類の、加熱されたタイヤ金型の構造に関する。
産業用、すなわちオフロード車(ORV)用のタイヤの一連の特徴は、それらの直径と幅と重量が大きいことである。他の特徴は、ORV用タイヤの製造量が、標準的な自動車用のより小さいタイヤと比べて比較的少ないことである。さらに他の特徴は、ORV用タイヤは、特殊なトレッドパターンを有し、注文で製造されることが多いことである。
すべての乗物のタイヤは、大きくても小さくても、組立に手間がかかり、実際に多くの手作業が必要であるが、産業用のオフロード車(ORV)用のタイヤを製造するには、毎年製造されるORVタイヤの数が比較的少ないため、かつ、このようなタイヤは、特にトレッドパターンに関して注文によるという性質を有しているために、特に多くの人手を要する製造工程が必要である。
ほぼすべてのサイズの自動車用空気入りタイヤの製造には、カーカスを作製する工程と、未硬化のゴムで作られたトレッドおよびサイドウォールをそのカーカスに付着させる工程が必要である。ゴムの硬化前の、カーカスとトレッドとサイドウォールの組合せは「グリーンタイヤ」と呼ばれる。タイヤの製造における最終工程は、グリーンタイヤを、タイヤが十分に高い温度に加熱されて硬化工程が実行されるタイヤ金型の中に挿入することである。次に、タイヤは金型から取り外されて製造工程は完了する。
自動車用タイヤの製造は、スポーツ用多用途車(SUV,Sport Utility Vehicle)などの大きな自動車用であっても、比較的軽量のグリーンタイヤに関わる容易な工程であるが、土工作業および建設作業で使用される種類の産業用、すなわち大きなオフロードタイプの自動車用の大きなタイヤを製造するには、数百ポンド(数十kgないし数百kg)の重量を有する大きなグリーンタイヤを取り扱う必要がある。グリーンタイヤの作製段階において、このような大きくて重いタイヤを、上部分と下部分を有する、2部分からなる標準的なタイヤ金型に装填すると、金型の直径寸法と周方向の寸法が、金型に装填される各グリーンタイヤの寸法と、干渉が起こってしまうほど近いため、装填工程中にグリーンタイヤが損傷してしまう場合がある。
このような背景技術の情報は、金型と、金型内に装填されているグリーンタイヤの間の干渉を最小に抑えるタイヤ金型をどのようにして構成するかについて当業者に教示するものではない。
本発明の一態様は、添付される特許請求の範囲の1つまたは2つ以上の請求項に定義され、以下の従属的な態様のうちの1つまたは2つ以上を実現できる方法および装置を提供する。
本発明の一態様は、金型の内周部分と金型内に装填されているグリーンタイヤの外周部分との間の寸法上の干渉を最小に抑えるように、グリーンタイヤを、2部分からなるタイヤ金型内に装填する方法および装置を提供する。
本発明の他の態様は、金型の内周部分と金型内に装填されているグリーンタイヤの外周部分との間の寸法上の干渉を最小に抑えるように、産業用および大きいオフロード車に用いられる種類の大きなグリーンタイヤを、2部分からなる大きなタイヤ金型内に装填する方法および装置を提供する。
本発明の他の態様は、金型を開いたときに上部分および下部分の内周部分の直径が大きくなる、上部分と下部分とを有する、2部分からなるタイヤ金型を提供する。
本発明の他の態様は、金型の2つの部分を閉じてグリーンタイヤを閉じ込めたときに、上部分および下部分の内周部分の直径が小さくなる、上部分と下部分とを有する、2部分からなるタイヤ金型を提供する。
本発明の最後の態様は、硬化されたタイヤを上部分および下部分から容易に取り外すことができる、上部分と下部分とを有する、2部分からなるタイヤ金型を提供する。
本発明は、各々が、グリーンタイヤの半径方向に最も外側の円周面に対応する、内周側の、半径方向に最も外側の円周面を有する、上部分と下部分とを含む、2部分からなるタイヤ金型に関する。上部分と下部分はそれぞれ、グリーンタイヤを装填する前に、内周側の、半径方向に最も外側の円周面を、半径方向に最も外側の第1の直径寸法まで広げる手段と、グリーンタイヤをタイヤ金型内に装填した後に、内周側の、半径方向に最も外側の円周面を、グリーンタイヤの半径方向に最も外側の円周面に対応する、半径方向に最も外側の第2の直径寸法まで縮める手段とを有している。上部分および下部分の、内周側の、半径方向に最も外側の円周面を広げる手段および縮める手段は、上部分内に周状に配置され、半径方向に最も外側の第1の直径寸法から半径方向に最も外側の第2の直径寸法まで移動可能な複数の上部可動セグメントと、下部分内に周状に配置され、半径方向に最も外側の第1の直径寸法から半径方向に最も外側の第2の直径寸法まで移動可能な複数の下部可動セグメントとを含んでいる。複数の上部可動セグメントと複数の下部可動セグメントを、半径方向に最も外側の第1の直径寸法と半径方向に最も外側の第2の直径寸法との間で移動させる手段も設けられている。
タイヤ金型の上部分は、上部サイドウォールリングと、上部作動リング内に周状に配置され上部作動リングによって移動可能に案内される複数の上部可動セグメントを有する上部作動リングとを含み、下部分は、持ち上げ板と、下部サイドウォールリングと、下部作動リング内に周状に配置され下部作動リングによって移動可能に案内される複数の下部可動セグメントを有する下部作動リングとを含む。上部サイドウォールリングと上部作動リングは互いに固定された関係であり、複数の上部可動セグメントは、上部サイドウォールリングと上部作動リングに対して軸線方向および半径方向に移動可能である。下部作動リングは水平面に取り付けられ、下部サイドウォールリングと持ち上げ板も互いに固定された関係であり、下部サイドウォールリングと持ち上げ板は下部作動リングに対して軸線方向に移動可能であり、複数の下部可動セグメントの各々を下部サイドウォールリングと持ち上げ板に対して半径方向に移動させる手段が設けられている。複数の下部可動セグメントの各々を下部サイドウォールリングと持ち上げ板に対して半径方向に移動させる手段は、各下部可動セグメントに取り付けられたストップロックピンと、下部サイドウォールリングに取り付けられ、内部でストップロックピンをサイドウォールリングに対して半径方向に動くように拘束するストップロックピンガイドとを含む。
複数の上部可動セグメントの各々は、複数の上部可動セグメントが上部作動リングに対して軸線方向に移動するときに、上部作動リングによって半径方向に動くように案内され、複数の下部可動セグメントの各々は、複数の下部可動セグメントが下部作動リングに対して軸線方向に移動するときに、下部作動リングによって半径方向に動くように案内される。周状に配置された複数の上部可動セグメントは、複数のセグメントが上部作動リングに対して軸線方向に第1の位置関係にあるときに、周方向の最大寸法を有し、周状に配置された複数の上部可動セグメントは、複数のセグメントが上部作動リングに対して軸線方向に第2の位置関係にあるときに、周方向の最小寸法を有する。同様に、周状に配置された複数の下部可動セグメントは、複数のセグメントが下部作動リングに対して軸線方向に第1の位置関係にあるときに、周方向の最大寸法を有し、周状に配置された複数の下部可動セグメントは、複数のセグメントが下部作動リングに対して軸線方向に第2の関係にあるときに、周方向の最小寸法を有する。複数の上部可動セグメントの各々は複数の下部可動セグメントのうちの1つに対応し、したがって、各上部可動セグメントと、それが対応する1つの下部可動セグメントはそれぞれ接合はめ合い面を有し、上部可動セグメントが半径方向内側に動くと、それが対応する下部可動セグメントは半径方向内側に動き、下部可動セグメントが半径方向外側に動くと、それが対応する上部可動セグメントは半径方向外側に動く。複数の上部可動セグメントの各々と複数の下部可動セグメントの各々は、タイヤ金型の上部分がタイヤ金型の下部分から離れさせられたときに、半径方向の最大位置に配置される。
本発明は、各々が、2部分からなるタイヤ金型が開いたときに直径寸法を大きくすることができる内周領域を有する、上部分と下部分とを含む、2部分からなるタイヤ金型の内側寸法を変える方法であって、上部分に、上部サイドウォールリングと上部作動リングを設けるステップと、周状に配置された複数の上部可動セグメントを上部分内に配置するステップと、下部分に、下部サイドウォールリングと下部作動リングと持ち上げ板を設けるステップと、周状に配置された複数の下部可動セグメントを下部分内に配置するステップとを含む、2部分からなるタイヤ金型の内側寸法を変える方法も提供する。この方法は、上部サイドウォールリングと上部作動リングを互いに固定された関係にするステップと、周状に配置された複数の上部可動セグメントを上部作動リングによって軸線方向および半径方向に案内するのを可能にするステップと、下部作動リングを固定面に取り付けるステップとをさらに含む。この方法は、下部サイドウォールリングと持ち上げ板を互いに固定された関係にするステップと、下部サイドウォールリングと持ち上げ板が互いに固定された関係で軸線方向に移動するのを可能にするステップとをさらに含む。
下部セグメントの半径方向の動きは、各下部セグメントにストップロックピンを設けることと、各ストップロックピンを、半径方向に向けられた複数のピントラックのうちの1つの中に取り付けて各下部セグメントが下部サイドウォールリングに対して半径方向に移動できるように、半径方向に向けられた複数のピントラックを下部サイドウォールリングに取り付けることによって実現する。持ち上げ板を軸線方向に移動させると、各下部セグメントは、持ち上げ板およびサイドウォールリングに対して半径方向に移動するように、下部サイドウォールリングによって案内される。最後に、本発明の方法は、各上部可動セグメントを複数の下部可動セグメントのうちの1つに対応するように配置するステップと、上部可動セグメントを半径方向内側に動かすと、それが対応する下部可動セグメントが半径方向内側に動き、下部可動セグメントを半径方向外側に動かすと、それが対応する上部可動セグメントが半径方向外側に動くように、各上部可動セグメントとそれが対応する1つの下部可動セグメントに接合はめ合い面を設けるステップとを含む。
本発明の構造、動作、および利点は、添付の図面と併せて以下の説明を読むと明らかになるであろう。各図面は例示的なものであり限定するためのものではない。いくつかの図面中のいくつかの部材は省略され、あるいは説明を明瞭にするために、一定ではない縮尺で示されることがある。断面図は「薄切り状の」、または「近視眼的な」断面図の形態であり、説明を明瞭にするために、別の「正しい」断面図では見えるいくつかの背景線が省略されることがある。
本発明は概ね、これらの好ましい実施形態に関連して記載されるが、各図面が本発明の趣旨および範囲をこれらの特定の実施形態に限定するためのものではないことを理解すべきである。
各図面の部材には、類似した複数の部材(同一のものも含む)が単一の図面中で類似した番号で表されるように番号を付けることがある。たとえば、まとめて199と表される複数の部材の各々が、個別に199a,199b,199cなどと表されることがある。あるいは、関連しているが変更されている部材が、同じ番号を有するが、ダッシュ記号で区別されることがある。たとえば、109と109’と109”が、類似しているかまたは何らかの点で関連するが、意義のある変更点を有する3つの異なる部材であり、たとえば、タイヤ109が静的に不釣合いであるのに対して、異なるタイヤ109’は同じ構成を有するが偶力の不釣合いを有する。同じ図面またはいくつかの異なる図面中の、類似した部材同士の間にこのような関係がもしもあれば、該当する場合には特許請求の範囲および要約書を含め、明細書全体で明らかになるであろう。
[定義]
「軸線方向」はタイヤまたはタイヤ金型の主軸に平行な方向を指す。
「周方向」は円筒状ドラムの円形部分、すなわち、ドラムの円周を指す。
「長軸」は円形シリンダの長い円筒軸を指す。
「半径方向」はタイヤまたはタイヤ金型の主軸に垂直な方向を指す。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
本発明は、各々が、主として産業用の使用およびオフロード車(ORV)での使用を目的とした種類の、大きく重いグリーンタイヤを装填できるようにするために、直径方向(および周方向)に広がることができる、上部分と下部分とを有する、2部分からなる改良されたタイヤ金型によって構成されている。上部分と下部分はそれぞれ、グリーンタイヤの半径方向に最も外側の円周面に対応する、内周側の、半径方向に最も外側の円周面を有する。2つの部分、すなわち上部分と下部分の各々は、グリーンタイヤの装填および取外しの前とその最中に、内径寸法を大きくすることができ、かつ、金型を閉じてグリーンタイヤを閉じ込めるときに直径寸法を小さくすることができる。
ORVタイヤの製造に用いられる従来技術のタイヤ金型は、いずれも一定の内側寸法を有する2つの部分、すなわち、取外し可能な上部分と、固定された、つまり不動の下部分とからなる。しかし、大きく重いORVタイヤを、グリーンタイヤの作製段階中に、一般的な従来技術の2部分からなる金型に装填すると、金型の直径寸法および周方向寸法が、装填される各グリーンタイヤの寸法に近いので、グリーンタイヤが損傷してしまうことがある。すなわち、大きくて取扱いが困難なORVグリーンタイヤと、金型の上部分および下部分の周方向部分との間に干渉が生じる可能性があり、グリーンタイヤが損傷することがある。
本発明は、2部分からなるタイヤ金型の上部分と下部分に、グリーンタイヤ、特に産業用、すなわちオフロード車に用いられる種類の大きなグリーンタイヤを挿入するための隙間を設ける、広がることができる開口を設ける方法および装置からなる。本発明によるタイヤ金型は、成形されているタイヤの周方向のトレッド部分を形作るのに寄与する、周状に配置された複数のセグメントが、グリーンタイヤの装填動作中に2つの金型部分の各々の直径をより大きくするような半径方向の運動成分を含む移動を行うことができる、分割されたタイヤ金型を有する。したがって、頂部分および底部分の内周領域の各々は、グリーンタイヤを装填する前に、内周側の、半径方向に最も外側の円周面を、半径方向に最も外側の第1の直径寸法まで広げる手段を有し、かつ、グリーンタイヤをタイヤ金型に装填した後に、内周側の、半径方向に最も外側の円周面を、グリーンタイヤの半径方向に最も外側の円周面に対応する半径方向に最も外側の第2の直径寸法まで縮める手段を有している。
図1Aを参照すると、中央穴12と4つの位置合わせだぼ(alignment dowels)14とを有するタイヤ金型の、垂直な概略平面図が示されている。図1Bは、頂部分16aと、底部分16bと、各々が上部だぼ部分14aおよび下部だぼ部分14bからなる、係合する位置合わせだぼ14とを有するタイヤ金型10の、垂直な概略側面図である。タイヤ金型10の下部分、すなわち底部分16bは、床または固定された取付けプラットフォームなどの固定面18の上に位置している。図1Cは、底部分16bから取り外され、すなわち底部分16bから持ち上げられて離された頂部分16aを示す、タイヤ金型10の、垂直な概略側面図である。係合する上部および下部の位置合わせだぼ部分14a,14bは、互いに離れさせられた状態で示されている。
前記の、タイヤ金型の上部分および下部分の、内周側の、半径方向に最も外側の円周面を広げる、または縮める手段は、上部分内に周状に配置され、半径方向に最も外側の第1の直径寸法から半径方向に最も外側の第2の直径寸法まで移動可能な複数の上部可動セグメントと、下部分内に周状に配置され、半径方向に最も外側の第1の直径寸法から半径方向に最も外側の第2の直径寸法まで移動可能な複数の下部可動セグメントとを含んでいる。添付された図面と関連して以下の説明を読むと明らかなように、複数の上部可動セグメントおよび複数の下部セグメントを、半径方向に最も外側の第1の直径寸法と半径方向に最も外側の第2の直径寸法との間で移動させる手段も設けられている。
ここで図2A,2Bを参照すると、本発明によるタイヤ金型30の、2つの垂直な側面断面図が示されている。図2Aは、金型を閉じてグリーンタイヤ(不図示)を閉じ込める前の状態として、頂部分、すなわち上部分32が下部分34から分離された金型30を示している。頂部分32は、中央開口36と、サイドウォールリング38と、トレッドリング40と、金型30の頂部分32内に滑り可能に取り付けられた、周状に配置された複数の上部可動セグメント42とを有している。これらのセグメント42は一緒に、各セグメント42が作動リング44に対して上向きに移動したときに、各セグメント42を、それらが図示の下方位置にある時に配置される場所の半径方向内側に位置させる、円錐状断面を有する上部環状作動リング44に対して移動できる。すなわち、各セグメント42が作動リング44に対して最も低い位置にあるときに、頂部金型部分32の有効直径は、D1によって示されている寸法に一致する。上部セグメント42が図2Aの円錐状断面を有する上部環状作動リング44に対して異なる位置に示され、すなわち特に各セグメント42がトレッドリング40に接触している図2Bを参照すると、金型30の頂部分32内の各セグメント42同士の間の有効直径D2はD1より小さい。
金型30の上部分32の上部作動リング44内に周状に配置された複数の上部可動セグメント42を、上部サイドウォールリング38と上部トレッドリング40と上部作動リング44に対して軸線方向および半径方向に移動可能に案内することができる。上部分32内に位置し周状に配置された複数の上部可動セグメント42の各々は、上部作動リング44内におけるその軸線方向の位置に応じて半径方向の内側または外側に位置している。
再び図2Aを参照すると、金型30の下部分34は、下部トレッドリング41と下部サイドウォールリング39と複数の下部可動セグメント43とを含んでいる。下部可動セグメント43は、サイドウォールリング39およびトレッドリング41に対してのみ半径方向に移動でき、サイドウォールリング39およびトレッドリング41の構成部材は、下金型部分34を、床54、またはタイヤ金型30が上に取り付けられた、固定された他の水平取付け面に対して固定されている、円錐状断面を有する下部環状作動リング52に対して移動させる持ち上げ板50の上に配置されている。持ち上げ板50がサイドウォールリング39およびトレッドリング41と一緒に、円錐状断面を有する下部環状作動リング52に対して下降した位置に示されている図2Bを参照すると、持ち上げ板50とサイドウォールリング39とトレッドリング41と一緒に垂直方向に移動した下部セグメント43も、上部セグメント42の半径方向の型閉じ位置に対応する位置まで半径方向内側に移動しており、すなわち、具体的には各セグメント43が下部トレッドリング41に接触しており、したがって、金型30の底部分すなわち下部分34におけるセグメント43同士の間の有効直径D2は、金型が図2Aの型開き位置にあるときの有効直径D1よりも小さい。上部サイドウォールリング38と上部作動リング44は互いに固定された関係であり、複数の上部可動セグメント42は上部サイドウォールリング38および上部作動リング44に対して軸線方向および半径方向に移動できることに留意されたい。下部サイドウォールリング39と持ち上げ板50も互いに固定された関係であり、床54などの水平面に固定された下部作動リング52に対して軸線方向に移動できることにも留意されたい。
図3は、金型30が閉じられてグリーンタイヤを閉じ込め、またはまさに閉じられてグリーンタイヤを閉じ込めようとしている場合にそうであるように、金型30が完全に開いた位置になるように2つの部分が互いに離れた位置にある状態を示している、タイヤ金型30の上部分すなわち頂部分32と下部分すなわち底部分34の左側の垂直な断面図である(異なる図面同士の間で実質的に変わっていない部材を示すために、同じ参照番号が用いられていることに留意されたい)。下部サイドウォールリング39とトレッドリング41は持ち上げ板50の上に置かれている。下部作動リング52は、タイヤ製造施設の床であってもよいが必ずしも床でなくてもよい平坦面54の上に位置している。持ち上げ板50は、サイドウォールリング39とトレッドリング41と(1つのみが図示されている)セグメント43を支持しながら、矢印51に沿って垂直方向に移動する。各セグメント43は、持ち上げ板50が(サイドウォールリング39およびトレッドリング41と一緒に)下向きに移動するときに各セグメント43が矢印57に沿って半径方向内側に移動するように、周状に配置された複数のセグメント43に係合する周方向リングである下部作動リング52内を滑るように移動する。
図3では、図4により詳しく示されている、ストップロックピンガイド64内を、両方向矢印65で示されているように水平方向に移動するストップロックピン62に留意されたい。上部セグメント42および下部セグメント43のそれぞれの接合はめ合い面60,60’のはめ合い形状にも留意されたい。複数の下部可動セグメント43は下部作動リング52内に周状に配置されており、各下部セグメント43には、ストップロックピンガイド64によって下部サイドウォールリング39と下部トレッドリング41と持ち上げ板50に対して水平方向に動けないようにされているストップロックピン62が接続されている。言い換えると、各下部セグメント43に付属する各ストップロックピン62は、ストップロックピントラック、すなわちガイド64によって、下部サイドウォールリング39と下部トレッドリング41と持ち上げ板50に対して半径方向に移動するように案内される。したがって、下部分34内の複数の下部可動セグメント43の各々は、下部作動リング52内におけるその軸線方向の位置に応じて、半径方向の内側または外側に位置している。
要するに、複数の上部可動セグメント42の各々と、それが対応する、複数の下部可動セグメント43のうちの1つは、それぞれ、タイヤ金型30を閉じてグリーンタイヤを閉じ込めたときに互いに係合する相補的な係止部を備えたはめ合い面60,60’を有している。
金型を閉じるシーケンスおよび工程の力学的原理を以下に詳しく述べる。
図4A,4Bは、下部作動リング52、複数のセグメント43、垂直方向に移動するサイドウォールリング39、およびトレッドリング41などの、隣接する構造物に対するストップロック機構62の動作を示している。ストップロック機構は、各セグメント43に1本ずつ取り付けられているストップロックピン62と、サイドウォールリング39と一体的な、またはサイドウォールリング39と一体的に移動する他の金型部分と一体的な、ストップロックピン62のピントラック64とを有している。ストップロックピン62は、サイドウォールリング39と、トレッドリング41および持ち上げ板50(この図面には示されていない)などの関連する部品とに対して水平方向に動けないようになっている。図4Aは、すべてが一体的に垂直方向に移動するサイドウォールリング39とトレッドリング41とストップロックピンガイド64の相対位置を示しており、サイドウォールリング39とトレッドリング41とセグメント43とストップロックピン61およびガイド64の組合せが、固定された作動リング52に対して垂直方向に移動するときに、セグメント43がサイドウォールリング39およびトレッドリング41に対して水平方向に移動するようにセグメント43を拘束する、ストップロックピン62が一体的に取り付けられた下部セグメント43も示している。作動リング52に取り付けられた下部位置合わせだぼ14bも示されている。金型30を閉じてグリーンタイヤを閉じ込めると、複数の上部位置合わせだぼ14aの各々と、それが対応する複数の下部位置合わせだぼ14bのうちの1つとがそれぞれ互いに係合する。
図5は、グリーンタイヤを金型30の下部分34(不図示)内に装填する最中の、床などの硬い面70の上に位置させられた頂部分32の垂直な断面図である。頂部分32の周の回りに周状に配置された、合計で数十個存在するセグメント42が、図示されているように最も低い位置までスライドできることと、金型頂部分32が面70の上に位置している間にだぼ14aが金型頂部分32の重量を支持することに留意されたい。本発明のこの実施形態は4つのだぼ14aと、周状に配置された複数のセグメント42を含み、図5に示されている場合と同様に、各セグメント42が、だぼ14a以外の手段によって頂部分32から落ちるのを抑制していることに留意されたい。
金型を閉じる工程の力学的原理と、金型の頂部分内および底部分内でのそれぞれのセグメントの半径方向内側へのしかるべき動きが、図3を考慮すると理解できる。グリーンタイヤを装填するシーケンスは以下のように進行する。
(図5に示されているように)金型30の上部分32を取り外し、邪魔にならないように保管した状態で、持ち上げ板部50を下部作動リング52に対して垂直方向の最大高さに位置させて、グリーンタイヤ(不図示)を金型の下部分34内に装填する。下金型部分34の、下部作動リング52によって持ち上げられる部分、すなわち、サイドウォールリング39とトレッドリング41と複数のセグメント43も、垂直方向の最大高さに位置し、サイドウォールリング39とトレッドリング41と複数のセグメント43は、グリーンタイヤを挿入するための隙間を設けるという本発明の目的を達成するために、半径方向に互いに最大変位した状態に配置されている。
グリーンタイヤが下金型部分34内に装填されると、上金型部分32をグリーンタイヤおよび下金型部分34の上に、上部位置合わせだぼ14aと下部位置合わせだぼ14bをそれぞれ確実に係合させるように下降させる。各上部セグメント42および各下部セグメント43のはめ合い面60および60’は、それぞれの接合はめ合い面60,60’の上に係止部72および72’を有するはめ合い面および/または接合面を設けるように形作られることに留意されたい。上金型部分32が下金型部分34の上に、グリーンタイヤを金型部分32と34の間に介在させた状態で下降させられると、上部セグメント42の係止部72が下部セグメント43の対応する係止部72’に係合し、したがって、上部金型セグメント42の重量が下向きに働くので、上部セグメント42は上部作動リング44によって半径方向内側に押される。上部セグメント42が各係止部72,72’を介して下部セグメント43に係合するため、下部セグメント43は半径方向内側に向けて、金型30内に収容されているグリーンタイヤに押し付けられ、一方、サイドウォールリング39とトレッドリング41と持ち上げ板50を含む、下金型部分34の垂直方向に移動可能な部分が下向きに押され、したがって、下部作動リング52が下部セグメント43を半径方向内側に、グリーンタイヤ(不図示)のトレッド部に押し付ける。金型30が完全に閉じ、上部セグメント42と下部セグメント43が(中心線CLに対して)それらの半径方向に最も内側の位置になると、上部だぼ部分14aが下部だぼ部分14bに係合してロックする。
金型を開く工程の力学的原理と、金型の頂部分内および底部分内での各セグメントの半径方向外側へのしかるべき動きが、図2Aおよび2Bに示されている図面を考慮すると理解できる。加硫された、すなわち硬化されたタイヤを取外すシーケンスは以下のように進行する。
金型30の上部分32は、タイヤ(不図示)と金型30の下部分34から垂直方向に引き上げられるか、または他の方法で持ち上げられる。上部分32を持ち上げると、そこに配置された、周状に配置された複数の可動セグメント42は、円錐状断面を有する上部作動リング44内の、下方であって直径がより大きくなった位置までスライドするか、またはその他の方法で移動し、それによって各セグメントを、タイヤ金型30の上部分32の主軸CLに対して、半径方向に互いに離れるように移動させる。
タイヤ金型30の上部分32を取り外すと、下部サイドウォールプレート39とトレッドプレート41が、タイヤ金型30の下部分34が上に取り付けられた床などの固定面54と、円錐状断面を有する下部作動リング52とに対して上昇させられるように、上向きの力が持ち上げ板50に加えられるまで、硬化されたタイヤ(不図示)は金型30の下部分34内に位置する。持ち上げ板50とサイドウォールリング39とトレッドリング41が上向きに動くことによって、複数の下部可動セグメント43も、円錐状断面を有する下部作動リング52に対して上向きに移動し、それによって、各セグメント43はタイヤ金型30の下部分34の主軸CLに対して、半径方向に互いに離れるように移動できる。すなわち、持ち上げ板50を持ち上げ、その持ち上げ板50によって各部分を持ち上げると、タイヤが上昇させられ、かつ可動セグメントが互いに離れ、かつタイヤから離れるように移動し、それによってタイヤを容易に取り外すための隙間が設けられる。
本発明を、好ましい1つ以上の実施形態に関して示して説明してきたが、他の当業者には、本明細書および添付の図面を読んで理解したときに、いくつかの同等の変更例および修正例が考えられるであろう。特に前記した構成部材(組立体、装置、回路など)によって果たされる様々な機能に関し、そのような構成部材を説明するのに用いられた用語(「手段」への言及を含む)は、特に別途指摘しないかぎり、ここに図示されている本発明の例示的な実施形態における機能を果たす、開示された構造と同等の構造を有していないとしても、前記した構成部材の特定の機能を果たす(すなわち機能の上で同等である)いかなる構成部材にも該当するように意図されている。さらに、本発明の特有の特徴は、いくつかの実施形態のうちの1つのみに関して開示されている場合もあるが、このような特徴を、任意の所与の用途または特定の用途のために望ましくかつ有利な場合もある他の実施形態の1つ以上の特徴と組み合わせてもよい。
タイヤ金型の垂直な概略平面図である。 開いたタイヤ金型の垂直な概略側面図である。 閉じたタイヤ金型の垂直な概略側面図である。 開いたタイヤ金型の垂直な詳細側面断面図である。 閉じたタイヤ金型の垂直な詳細側面断面図である。 ストップロックピンの構成を示す、開いたタイヤ金型の一側面の垂直な詳細側面断面図である。 金型を開いたときのストップロックピンの構成の垂直な概略詳細図である。 金型を閉じたときのストップロックピンの構成の垂直な概略詳細図である。 床などの硬い面上に配置された状態で示されている、タイヤ金型の頂部分の垂直な詳細側面断面図である。
符号の説明
10,30 タイヤ金型
12 中央穴
14 位置合わせだぼ
14a 上部だぼ部分
14b 下部だぼ部分
16a,32 頂部分(上部分)
16b,34 底部分(下部分)
18 固定面
36 中央開口
38 上部サイドウォールリング
39 下部サイドウォールリング
40 上部トレッドリング
41 下部トレッドリング
42 上部可動セグメント
43 下部可動セグメント
44 上部作動リング
50 持ち上げ板
52 下部作動リング
54 床
60、60’ 接合はめ合い面
62 ストップロックピン
64 ストップロックピンガイド
72,72’ 係止部
1 有効直径
2 有効直径

Claims (3)

  1. 各々が、グリーンタイヤの半径方向に最も外側の円周面に対応する、内周側の、半径方向に最も外側の円周面を有する、上部分と下部分とを含む、2部分からなるタイヤ金型において、
    前記上部分と前記下部分はそれぞれ、
    前記グリーンタイヤを装填する前に、前記内周側の、半径方向に最も外側の円周面を、半径方向に最も外側の第1の直径寸法まで広げる手段と、
    前記グリーンタイヤを前記タイヤ金型内に装填した後に、前記内周側の、半径方向に最も外側の円周面を、前記グリーンタイヤの前記半径方向に最も外側の円周面に対応する、半径方向に最も外側の第2の直径寸法まで縮める手段と
    を有していることを特徴とする、2部分からなるタイヤ金型。
  2. 前記上部分および前記下部分の、前記内周側の、半径方向に最も外側の円周面を広げる手段および縮める手段は、
    前記上部分内に周状に配置され、前記半径方向に最も外側の第1の直径寸法から前記半径方向に最も外側の第2の直径寸法まで移動可能な複数の上部可動セグメントと、
    前記下部分内に周状に配置され、前記半径方向に最も外側の第1の直径寸法から前記半径方向に最も外側の第2の直径寸法まで移動可能な複数の下部可動セグメントと、
    前記複数の上部可動セグメントと前記複数の下部可動セグメントを、前記半径方向に最も外側の第1の直径寸法と前記半径方向に最も外側の第2の直径寸法との間で移動させる手段と
    を含む、請求項1に記載の2部分からなるタイヤ金型。
  3. 各々が、2部分からなるタイヤ金型が開いたときに直径寸法を大きくすることができる内周領域を有する、上部分と下部分とを含む、前記2部分からなるタイヤ金型の内側寸法を変える方法であって、
    前記上部分に、上部サイドウォールリングと上部作動リングを設けるステップと、
    周状に配置された複数の上部可動セグメントを前記上部分内に配置するステップと、
    前記下部分に、下部サイドウォールリングと下部作動リングと持ち上げ板を設けるステップと、
    周状に配置された複数の下部可動セグメントを前記下部分内に配置するステップと
    を含む、2部分からなるタイヤ金型の内側寸法を変える方法。
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