JP2006158950A - ゴルフボール - Google Patents

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Abstract

【課題】ゴルフボールの打球感の柔らかさを維持しつつ、飛距離性能を向上させる。
【解決手段】ゴルフボール10のカバー14は、熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマーのうち少なくとも一方と、フラーレン又はカーボンナノチューブのうち少なくとも一方とを含有する。換言すれば、該カバー14は、炭素原子結合体含有組成物からなる。炭素原子結合体含有組成物全体を100重量%とするとき、フラーレン又はカーボンナノチューブの割合は、合計で0.001〜10重量%であることが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、少なくともコアとカバーとを有するゴルフボールに関する。
ゴルフボールは、いわゆる糸巻きコアやソリッドコア等のコアをカバーで被覆することによって形成され、場合によっては、コアとカバーとの間に中間層が介装される。
この種のゴルフボールには、飛距離性能が良好であること、また、ゴルフボールを打球した際、打球したプレイヤーに伝わる感触(打球感)が柔らかいことが希求される。飛距離性能を向上させるには、例えば、高硬度のアイオノマー樹脂を主成分とする層を設ければよいが、この場合、打球感が硬くなる。
このように、飛距離性能と打球感の柔らかさは、一方を向上させると一方が低下する、いわゆるトレードオフの関係にあり、双方をともに向上させることは困難である。
このような観点から、特許文献1には、希求される諸特性すべてを向上させるべく、ゴルフボールにおいて、C60等のフラーレンを基材ゴムに配合してコアの形成材料とすることが提案されている。
特開2002−253703号公報
ところで、飛距離性能と打球感に関しては、カバーや中間層がどのような材質であるかが大きく影響する。カバーや中間層の主成分としては、多くの場合、アイオノマー樹脂が使用される。アイオノマー樹脂は概して高硬度であるので、プレイヤーがゴルフボールを打球した際に大きな反発性を示し、このために十分な飛距離性能を示すからである。
この場合、アイオノマー樹脂の硬度が高くなるほど打球感が硬くなるので、これを回避するべく、アイオノマー樹脂と反発性が同等でありながらも低硬度である熱可塑性エラストマーをアイオノマー樹脂に混合し、この混合物をカバーや中間層の主成分とすることが行われている。混合によってカバーや中間層の硬度が低くなるので、打球感を柔らかくすることができるからである。しかしながら、熱可塑性エラストマーの割合が過度に多くなると、飛距離性能が十分でないゴルフボールとなるのが一般的である。
このように、ゴルフボールでは、アイオノマー樹脂に熱可塑性エラストマーを混合した場合であっても、希求される諸特性すべてを十分に満足するようなカバー又は中間層とすることが困難であるという不具合が顕在化している。
本発明は上記した問題を解決するためになされたもので、飛距離性能と打球感の双方を十分に満足するカバーないし中間層を具備するゴルフボールを提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明は、少なくともコアとカバーとを有するゴルフボールであって、
当該ゴルフボールを構成する層の中の少なくとも1層(ただし、前記コアを除く)が、熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマーのうち少なくとも一方と、フラーレン又はカーボンナノチューブのうち少なくとも一方とを含有する炭素原子結合体含有組成物から形成された層であることを特徴とする。
炭素原子結合体含有組成物からなる層は、中間層を具備しないゴルフボールではカバーである。また、中間層を具備するゴルフボールでは、カバーを炭素原子結合体含有組成物で形成するようにしてもよいし、中間層を炭素原子結合体含有組成物で形成するようにしてもよい。勿論、カバー及び中間層の双方を炭素原子結合体含有組成物で形成するようにしてもよい。
中間層を複数層設ける場合には、すべての中間層を炭素原子結合体含有組成物で形成するようにしてもよいし、中間層の中の1層以上を炭素原子結合体含有組成物で形成するようにしてもよい。勿論、いずれの場合においても、カバーをも炭素原子結合体含有組成物で形成することができる。
このように、ゴルフボールの反発性や打球感の柔らかさ等、ゴルフボールの諸特性に多大な影響を与えるカバーないし中間層の材質を、フラーレンやカーボンナノチューブ等の炭素原子結合体を含有する組成物とすることにより、反発性が高く且つ打球感が柔らかいゴルフボールを構成することができる。フラーレン又はカーボンナノチューブが配合された組成物からなる層は、これらが配合されない熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマーから形成された層と略同程度の硬度を示す一方、優れた反発性を示すからである。
なお、本発明において、「フラーレン」には、水素化フラーレンやハロゲン化フラーレン等の各種の誘導体が含まれるものとする。
熱可塑性樹脂の好適な例としては、アイオノマー樹脂を挙げることができる。一方、熱可塑性エラストマーの好適な例としては、ポリウレタン系エラストマーを挙げることができる。さらに、フラーレンとしては、C60及びC70を含有する混合物が容易に入手可能であることからコスト的に有利である。
そして、フラーレン又はカーボンナノチューブ、すなわち、炭素原子結合体の割合は、炭素原子結合体含有組成物を100重量%とするとき、該炭素原子結合体含有組成物からなる層の耐久性を確保するべく、0.001〜10重量%であることが好ましい。
また、本発明は、コアと、カバーと、前記コアと前記カバーとの間に介在して少なくとも2層を有する中間層とを具備するゴルフボールであって、
前記中間層の中の少なくとも1層(ただし、前記カバーの内側に位置する最外中間層を除く)が、熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマーのうち少なくとも一方と、フラーレンとを含有する炭素原子結合体含有組成物から形成された層であり、
且つ前記カバーの内側に位置する最外中間層がゴム組成物から形成された層であることを特徴とする。
すなわち、この場合、最外中間層がゴム組成物で形成されてさえすればよい。勿論、この場合においても、反発性が高く且つ打球感が柔らかいゴルフボールを構成することができる。
中間層は、例えば、コアの外側に位置する第1中間層と、該第1中間層と前記カバーとの間に介在する第2中間層との2層構造とすることができる。そして、前記第1中間層を炭素原子結合体含有組成物から形成するとともに、前記第2中間層(最外中間層)をゴム組成物から形成することが好ましい。これにより、ゴルフボールの反発性及び打球感の柔らかさを一層向上することができる。
そして、この場合において、熱可塑性エラストマーの好適な例としては、ポリアミド系エラストマー又はポリエステル系エラストマーの少なくともいずれか一方を挙げることができる。勿論、両者の混合物であってもよい。
一方、ゴム組成物の好適な例としては、ポリブタジエンゴムを基材とするものが挙げられる。
いずれの場合においても、上記したように、フラーレンとしては、C60及びC70を含有する混合物がコスト的に有利である。
本発明によれば、コア以外の層にフラーレンやカーボンナノチューブ等の炭素原子結合体を配合したり、中間層が複数層からなる場合には最外中間層以外にフラーレンを配合したりするようにしている。これにより、炭素原子結合体が配合されない場合と同等の打球感の柔らかさを確保できる一方、反発性を向上させることができる。結局、打球感が柔らかく且つ飛距離性能に優れるゴルフボールを構成することができる。
以下、本発明に係るゴルフボールにつき好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。
第1実施形態に係るゴルフボールの全体概略断面を図1に示す。このゴルフボール10は、ソリッドコア12と、該ソリッドコア12を被覆するカバー14の2層からなるツーピースソリッドゴルフボールである。
ソリッドコア12の構成材料としては、天然ゴムや合成ゴムを基材とする、一般的に使用されているゴム組成物を例示することができる。ゴム組成物の具体例としては、ポリブタジエンゴムを基材とし、これにアクリル酸亜鉛等の不飽和カルボン酸の金属塩、ジクミルパーオキサイド等の有機過酸化物、及び酸化亜鉛等の充填剤等がともに配合されたものが挙げられる。なお、ゴム組成物には、必要に応じて、老化防止剤、着色剤等がさらに配合されていてもよい。
カバー14は、熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマーのうち少なくとも一方と、フラーレン又はカーボンナノチューブのうち少なくとも一方とを含有する組成物からなる層である。以下、フラーレン及びカーボンナノチューブを一括して「炭素原子結合体」と表記するとともに、熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマーのうち少なくとも一方と該炭素原子結合体とを含有する組成物を「炭素原子結合体含有組成物」と表記する。
熱可塑性樹脂の好適な例としては、ゴルフボールの原材料として使用されている公知の物質、特にアイオノマー樹脂が挙げられる。一方、熱可塑性エラストマーの好適な例としては、ポリウレタン系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリスチレン系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、エチレン−酢酸ビニル系エラストマー、シリコーン系エラストマー等が挙げられ、このうち、柔軟であるために柔らかい打球感が得られ、且つ反発性も良好であることから、ポリウレタン系エラストマーが特に好ましい。
なお、ポリウレタン系エラストマーとしては、ポリオールと、イソシアネートと、鎖伸張剤とからなるものが例示される。ポリオールの具体例としては、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエーテルポリオール等が挙げられ、イソシアネートの具体例としては、芳香族イソシアネート、脂肪族イソシアネート等が挙げられる。また、鎖伸張剤の具体例としては、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等が挙げられる。
熱可塑性樹脂と熱可塑性エラストマーは、少なくともいずれか一方が配合されていればよく、勿論、双方がともに配合されていてもよい。
そして、上記したように、カバー14には、熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマーの少なくともいずれか一方の他、フラーレン又はカーボンナノチューブの少なくともいずれか一方の炭素原子結合体が配合されている。
ここで、フラーレンとは、60個以上の炭素原子がSP2混成軌道を形成して中空球殻状に結合した構造をなす分子であり、代表的なものとして、図2に示すC60が挙げられる。その他にC70、C74、C76、C78、C80等が存在し、本実施形態においては、炭素原子数に特に限定されることなく、いずれのフラーレンを配合してもよいが、C60及びC70をともに含有する混合物は、市販品として特に容易に入手可能であり、従って、コスト的に有利である。
なお、フラーレンとしては、炭素原子のみからなるものに限定されるものではなく、水酸化フラーレン、水素化フラーレン、ハロゲン化フラーレン等の各種の誘導体であってもよい。
また、カーボンナノチューブとは、図3に示すように、炭素原子同士が結合した6員環が複数個連なって長尺な筒状構造をなす分子である。図3に示す単層の他、筒状構造の内部にさらに別の筒状構造が挿入された形態の多層のものも存在し、本実施形態においては、筒状構造の長さや総数に特に限定されることなく、いずれのカーボンナノチューブを配合してもよい。
フラーレンとカーボンナノチューブも、少なくともいずれか一方が配合されていればよく、勿論、双方がともに配合されていてもよい。
カバー14の形成材料である組成物におけるフラーレン又はカーボンナノチューブの合計割合は、該組成物全体を100重量%とするとき、10重量%以下とすることが好ましい。10重量%を超えると、カバーの耐久性が低下することがある。5重量%以下であることがより好ましく、3重量%以下であることがさらに好ましい。
また、反発性と打球感の柔らかさの双方を確実に向上させるべく、フラーレン又はカーボンナノチューブの合計割合を、0.001重量%以上とすることが好まく、0.01重量%とすることがより好ましい。
カバー14には、上記した組成物の他、酸化防止剤、着色剤、充填剤、光安定剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、蛍光増白剤、分散剤、帯電防止剤等が必要に応じて配合されていてもよい。
第1実施形態に係るゴルフボール10のカバー14は、フラーレン又はカーボンナノチューブが配合されているにも関わらず、これらが配合されない熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマーから形成されたカバーと略同程度の硬度を示す。その一方で、フラーレン又はカーボンナノチューブが配合されたカバー14は、これらが配合されない熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマーから形成されたカバーに比して優れた反発性を示す。従って、ゴルフボール10は、打球感が柔らかく、且つ飛距離性能に優れる。
次に、本発明の第2実施形態に係るゴルフボールを図4に示す。なお、図1に示される構成要素と同一の構成要素には同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
この第2実施形態に係るゴルフボール20は、ソリッドコア12とカバー22との間に中間層24が介装されたスリーピースソリッドゴルフボールである。
この場合、中間層24は、上記ゴルフボール10におけるカバー14と同様、炭素原子結合体含有組成物からなる。熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、フラーレン、カーボンナノチューブの各々の具体例も上記した通りである。この場合においても、フラーレンにはフラーレン誘導体が含まれる。
そして、中間層24におけるフラーレン又はカーボンナノチューブの合計割合は、炭素原子結合体含有組成物全体を100重量%とするとき、上記した理由から、0.001〜10重量%とすることが好ましい。このことから諒解されるように、フラーレン又はカーボンナノチューブの好適な割合は、これらが配合された層の配置位置に関わらず、0.001〜10重量%である。
カバー22の形成材料の好適な例としてはアイオノマー樹脂が挙げられるが、特にこれに限定されるものではなく、ポリアミド系エラストマー等に代表される熱可塑性エラストマーであってもよいし、熱可塑性エラストマーとアイオノマー樹脂との混合物であってもよい。また、カバー22には、上記カバー14と同様に、酸化防止剤、着色剤、充填剤、光安定剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、蛍光増白剤、分散剤、帯電防止剤等が必要に応じて混合されていてもよい。
第2実施形態に係るゴルフボール20では、中間層24が炭素原子結合体含有組成物からなる。この中間層24は、これらが配合されない熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマーから形成された中間層と略同程度の硬度を示す。その一方で、フラーレン又はカーボンナノチューブが配合された中間層24は、これらが配合されない熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマーから形成された中間層に比して優れた反発性を示す。このため、ゴルフボール20もまた、打球感が柔らかく且つ飛距離性能に優れる。
第2実施形態においては、カバー22を、上記カバー14と同様に炭素原子結合体含有組成物から設けるようにしてもよい。すなわち、この場合、中間層24及びカバー22の双方が、炭素原子結合体含有組成物からなる層となる。
また、図5に示すゴルフボール30のように、ソリッドコア12とカバー32との間に第1中間層34、第2中間層36の2つの中間層を介装するようにしてもよい。この場合、第1中間層34、第2中間層36、カバー32の少なくともいずれか1層を炭素原子結合体含有組成物から形成すればよい。例えば、第1中間層34を炭素原子結合体含有組成物から形成した場合、第2中間層36及びカバー32の形成材料としては、上記カバー22の形成材料を選定することができる。
この際、炭素原子結合体含有組成物の原材料である熱可塑性エラストマーは、特に限定されるものではないが、ポリアミド系エラストマー又はポリエステル系エラストマーの少なくともいずれか一方が好適である。
なお、このように中間層を複数層設ける場合、最外中間層をゴム組成物で形成することが好ましい。例えば、図5に示すゴルフボール30であれば、第1中間層34を炭素原子結合体含有組成物から形成するとともに、第2中間層36をゴム組成物で形成することが好ましい。ゴム組成物の好適な例としては、ソリッドコア12を構成する上記ゴム組成物が挙げられ、具体的には、ポリブタジエンゴムを基材とするゴム組成物が含まれる。
このように、本発明に係るゴルフボールは、炭素原子結合体含有組成物からなる層を少なくとも1つ具備するものであればよく、中間層の数が2層以上であってもよい。中間層の個数が2層以上である場合、上記したように、カバーの内側に位置する最外中間層をゴム組成物とし、それ以外の中間層構成層の少なくとも1層を炭素原子結合体含有組成物から形成すればよい。
また、コアは、ゴム組成物を基材とするソリッドコア12に特に限定されるものではなく、糸巻きコアであってもよい。この場合、打球感が一層柔らかくなるという利点がある。
シス−1,4−ポリブタジエン、アクリル酸亜鉛、酸化亜鉛、ジクミルパーオキサイドを混合し、これらを加熱しながら圧縮成形して、ゴム組成物からなるソリッドコアを作製した。
次に、サーリン8945(商品名、米国デュポン社製のアイオノマー樹脂)と、フラーレン混合物(C60:C70:その他のフラーレンが概ね60:25:15)とを99.95重量%、0.05重量%の割合で混合し、炭素原子結合体含有組成物とした。
この炭素原子結合体含有組成物を前記ソリッドコアの表面上に射出成形してカバーを作製し、これによりツーピースソリッドゴルフボールを得た。これを実施例1とする。
また、サーリン8945とフラーレン混合物の重量割合を図6に示すように種々変更したことを除いては実施例1に準拠してツーピースソリッドゴルフボールを作製した。それぞれを実施例2〜5とする。
さらに、サーリン8945に代替してXN−2004(日本ポリウレタン工業社製の熱可塑性ポリウレタン系エラストマー)を使用し、XN−2004とフラーレン混合物の重量割合を図7に示す通りとしたことを除いては実施例1に準拠して、ツーピースソリッドゴルフボールを作製した。それぞれを実施例6、7とする。
比較のため、サーリン8945又はXN−2004のみでカバーを設けたことを除いては実施例1と同様にしてツーピースソリッドゴルフボールを作製した。これらを比較例1、2とする。
以上の実施例1〜7、比較例1、2の各ツーピースソリッドゴルフボールにつき、カバーのショアD硬度と、各ゴルフボールの直径を10mm圧縮させるために要する10mm圧縮荷重とを測定した。測定結果を図6、図7に併せて示す。実施例1〜5と比較例1との対比、及び実施例6、7と比較例2との対比から、フラーレン混合物を配合してもショアD硬度が略同等であること、また、圧縮荷重の上昇が最大でも120N程度であることが分かる。すなわち、ショアD硬度及び圧縮荷重の対比から、フラーレン混合物を混合しても打球感が損なわれることはない。
また、実施例1〜7、比較例1、2の各ツーピースソリッドゴルフボールにつき、米国ゴルフ協会(USGA)が規定したホイール式初速度測定方法に従って初速度を測定した。初速度が大きいほど反発性が高く、飛距離性能に優れるゴルフボールであることを意味する。結果を図6、図7に併せて示す。実施例1〜5と比較例1との対比、及び実施例6、7と比較例2との対比から、フラーレン混合物を配合することによって、初速度が高く、反発性に優れ飛距離性能に優れるゴルフボールとなることが明らかである。
シス−1,4−ポリブタジエン、アクリル酸亜鉛、酸化亜鉛、ジクミルパーオキサイドを重量比で100:19:29:1.2の割合で混合し、これらを加熱しながら圧縮成形して、ゴム組成物からなる直径29.2mm、重量15.6g、JIS−C硬度69のソリッドコアを作製した。
次に、ペバックス3533SN(商品名、アルケマ社製の熱可塑性ポリアミド系エラストマー)と、ペルプレンGP−400(商品名、東洋紡社製の熱可塑性ポリエステル系エラストマー)と、前記フラーレン混合物とを49.975重量%、49.975重量%、0.05重量%の割合で混合し、炭素原子結合体含有組成物とした。この炭素原子結合体含有組成物を前記ソリッドコアの表面上に射出成形して第1中間層を設けた。ソリッドコアが第1中間層に被覆された第1半製品の物性を、図8に示す。
さらに、シス−1,4−ポリブタジエン、アクリル酸亜鉛、酸化亜鉛、ジクミルパーオキサイドが図8に示す重量比で配合されたゴム組成物から、半加硫状態である半球状シェルを2個作製した。そして、これら2個の半球状シェルで構成される球体内部に前記第1半製品を収容し、これを金型内で加熱しながら圧縮成形して、第2中間層を有する第2半製品とした。第2半製品の物性を図8に併せて示す。
次に、アイオノマー樹脂100重量部に対して二酸化チタン1.5重量部を配合した樹脂組成物を第2中間層上に射出成形してカバーを作製し、直径42.6mm、重量45.9gのフォーピースソリッドゴルフボールを得た。これを実施例8とする。
その一方で、ペバックス3533SN、ペルプレンGP−400、フラーレン混合物の重量割合を図8に示すように種々変更したことを除いては実施例8に準拠してフォーピースソリッドゴルフボールを作製した。それぞれを実施例9、10とする。
比較のため、ペバックス3533SN及びペルプレンGP−400の混合物でカバーを設けたことを除いては実施例8と同様にしてフォーピースソリッドゴルフボールを作製した。これを比較例3とする。
以上の実施例8〜10、比較例3の各フォーピースソリッドゴルフボールにつき、実施例1〜7、比較例1、2に準拠して、カバーのショアD硬度、各ゴルフボールの直径を10mm圧縮させるために要する10mm圧縮荷重、初速度を測定した。また、耐久性及び打球感を評価した。なお、耐久性は、各ゴルフボールを55m/秒の速度で金属板に衝突させ、ボールに亀裂が発生するまでの衝突回数を調べた。
結果を併せて図8に示す。この図8から、フラーレン混合物を混合した第1中間層を設けるとともにゴム組成物からなる第2中間層(最外中間層)を設けることにより、耐久性に優れるゴルフボールが得られることが諒解される。
第1実施形態に係るゴルフボールの概略断面図である。 図1のゴルフボールのカバーに配合される代表的なフラーレンの立体構造を示す構造説明図である。 図1のゴルフボールのカバーに配合されるカーボンナノチューブの立体構造を示す構造説明図である。 第2実施形態に係るゴルフボールの概略断面図である。 第3実施形態に係るゴルフボールの概略断面図である。 実施例1〜5及び比較例1の各ツーピースソリッドゴルフボールにおけるカバーの原材料の成分及びその混合割合と、評価結果とを示す図表である。 実施例6、7及び比較例2の各ツーピースソリッドゴルフボールにおけるカバーの原材料の成分及びその混合割合と、評価結果とを示す図表である。 実施例8〜10及び比較例3の各フォーピースソリッドゴルフボールにおける第1中間層、第2中間層の原材料の成分及びその混合割合、第1半製品、第2半製品、ボールとしての物性及び評価結果を示す図表である。
符号の説明
10、20、30…ゴルフボール 12…ソリッドコア
14、22、32…カバー 24…中間層
34…第1中間層 36…第2中間層(最外中間層)

Claims (9)

  1. 少なくともコアとカバーとを有するゴルフボールであって、
    当該ゴルフボールを構成する層の中の少なくとも1層(ただし、前記コアを除く)が、熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマーのうち少なくとも一方と、フラーレン又はカーボンナノチューブのうち少なくとも一方とを含有する炭素原子結合体含有組成物から形成された層であることを特徴とするゴルフボール。
  2. 請求項1記載のゴルフボールにおいて、前記熱可塑性樹脂は、アイオノマー樹脂であることを特徴とするゴルフボール。
  3. 請求項1記載のゴルフボールにおいて、前記熱可塑性エラストマーは、ポリウレタン系エラストマーであること特徴とするゴルフボール。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のゴルフボールにおいて、前記フラーレン又は前記カーボンナノチューブは、前記炭素原子結合体含有組成物を100重量%とするとき、合計で0.001〜10重量%であることを特徴とするゴルフボール。
  5. コアと、カバーと、前記コアと前記カバーとの間に介在して少なくとも2層を有する中間層とを具備するゴルフボールであって、
    前記中間層の中の少なくとも1層(ただし、前記カバーの内側に位置する最外中間層を除く)が、熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマーのうち少なくとも一方と、フラーレンとを含有する炭素原子結合体含有組成物から形成された層であり、
    且つ前記カバーの内側に位置する最外中間層がゴム組成物から形成された層であることを特徴とするゴルフボール。
  6. 請求項5記載のゴルフボールにおいて、前記中間層が、前記コアの外側に位置するとともに前記炭素原子結合体含有組成物から形成された第1中間層と、前記第1中間層と前記カバーとの間に介在するとともに前記ゴム組成物から形成された第2中間層との2層からなることを特徴とするゴルフボール。
  7. 請求項5又は6記載のゴルフボールにおいて、前記熱可塑性エラストマーは、ポリアミド系エラストマー又はポリエステル系エラストマーの少なくともいずれか一方であること特徴とするゴルフボール。
  8. 請求項5〜7のいずれか1項に記載のゴルフボールにおいて、前記ゴム組成物は、ポリブタジエンゴムを基材とすることを特徴とするゴルフボール。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載のゴルフボールにおいて、前記フラーレンは、C60及びC70を含有する混合物であることを特徴とするゴルフボール。
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