JP2006115913A - ゴルフボールカバー用樹脂組成物およびゴルフボール - Google Patents

ゴルフボールカバー用樹脂組成物およびゴルフボール Download PDF

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Abstract

【課題】反発性に優れるゴルフボールを得ることができるゴルフボールカバー用樹脂組成物の提供および該ゴルフボールカバー用樹脂組成物からなるカバー部材で構成されるカバーを有するゴルフボールの提供。
【解決手段】熱可塑性樹脂と、フラーレン化合物とを含有するゴルフボールカバー用樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、ゴルフボールカバー用樹脂組成物およびゴルフボールに関し、特に反発性に優れるゴルフボールを得ることができるゴルフボールカバー用樹脂組成物および該ゴルフボールカバー用樹脂組成物からなるカバー部材で構成されるカバーを有するゴルフボールに関する。
ツーピースゴルフボール、スリーピースゴルフボール等のマルチピースソリッドゴルフボールは、中心に配置されるコアと、該コアの外周面をカバー部材で被覆したカバーとを有する構造のものである。このゴルフボールのカバー部材としては、反発性(飛び性能)が大きく、耐久性、耐磨耗性に優れ傷つきにくい等の特性を有するアイオノマー樹脂が用いられてきており、また硬度が高いほど反発性が高いという傾向から、比較的硬度の高いアイオノマー樹脂が多用されてきた(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、反発性のさらなる向上、反発性とソフトな打球感の両立、反発性とスピン性能の両立を達成することができるゴルフボールのカバー部材が求められていた。
特開2003−759号公報
そこで、本発明は、反発性に優れるゴルフボールを得ることができるゴルフボールカバー用樹脂組成物を提供することを第1の目的とし、該ゴルフボールカバー用樹脂組成物からなるカバー部材で構成されるカバーを有するゴルフボールを提供することを第2の目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、フラーレン化合物をカバー部材に添加した樹脂組成物が、反発性に優れるゴルフボールを得ることができるゴルフボールカバー用樹脂組成物となることを見出し、本発明を達成するに至った。すなわち、本発明は、下記(1)〜(3)に示すゴルフボールカバー用樹脂組成物および下記(4)〜(6)に示すゴルフボールを提供するものである。
(1)熱可塑性樹脂と、フラーレン化合物とを含有するゴルフボールカバー用樹脂組成物(第1の態様)。
(2)上記熱可塑性樹脂が、アイオノマー樹脂である上記(1)に記載のゴルフボールカバー用樹脂組成物。
(3)上記フラーレン化合物が、フラーレンC60および/またはフラーレンC70である上記(1)または(2)に記載のゴルフボールカバー用樹脂組成物。
(4)コアとカバーとを有するゴルフボールであって、
上記カバーの一部または全部が、上記(1)〜(3)のいずれかに記載のゴルフボールカバー用樹脂組成物からなるカバー部材で構成されるゴルフボール(第2の態様)。
(5)上記カバーが外層と内層とを有し、該外層が上記カバー部材で構成され、該内層が上記カバー部材より硬度の低いカバー部材で構成される上記(4)に記載のゴルフボール。
(6)上記カバーが外層と内層とを有し、該外層が上記カバー部材より硬度の低いカバー部材で構成され、該内層が上記カバー部材で構成される上記(4)に記載のゴルフボール。
以下に説明するように、本発明によれば、反発性に優れるゴルフボールおよび該ゴルフボールを得ることができるゴルフボールカバー用樹脂組成物を提供できるため有用である。
本発明の第1の態様に係るゴルフボールカバー用樹脂組成物(以下、単に「本発明の樹脂組成物」ともいう。)は、熱可塑性樹脂と、フラーレン化合物とを含有するゴルフボールカバー用樹脂組成物である。
以下に、本発明の樹脂組成物を構成する熱可塑性樹脂およびフラーレン化合物について詳述する。
<熱可塑性樹脂>
本発明の樹脂組成物に用いる熱可塑性樹脂は、従来公知のゴルフボールのカバー部材として通常用いられているものであれば特に限定されず、その具体例としては、アイオノマー樹脂、ポリエステルエラストマー、ポリウレタンエラストマー、ポリアミドエラストマー、ポリオレフィンエラストマー、ポリアミド樹脂等が挙げられ、これらのうち、アイオノマー樹脂が特に好ましい。このような熱可塑性樹脂は、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。2種以上を併用する場合の混合比は、本発明の樹脂組成物に要求される物性等に応じて任意の比率とすることができる。
上記アイオノマー樹脂は、疎水性の高分子主鎖に少量のイオン基を側鎖、末端鎖あるいは主鎖に有する熱可塑性樹脂であり、その例としては、エチレン−不飽和カルボン酸系共重合体(コポリマー)と、陽イオンを供給し得る金属化合物または有機アミン類との反応物(以下、単に「コポリマータイプ」という。)、あるいは、エチレン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステル系の三元共重合体(ターポリマー)と、陽イオンを供給し得る金属化合物または有機アミン類との反応物(以下、単に「ターポリマータイプ」という。)が挙げられる。
ここで、上記不飽和カルボン酸とは、炭素数3〜6の不飽和カルボン酸のことであり、上記不飽和カルボン酸エステルとは、炭素数4〜12の不飽和カルボン酸エステルのことである。
上記コポリマータイプのアイオノマー樹脂を構成する、炭素数3〜6の不飽和カルボン酸としては、具体的には、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、安息香酸ビニル等が挙げられ、これらのうち、アクリル酸、メクリル酸が好ましい。また、これらは1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
また、上記コポリマータイプのアイオノマー樹脂を構成する、陽イオンを供給し得る金属化合物としては、具体的には、例えば、Li、Na、Kなどのアルカリ金属;Mg、Caなどのアルカリ土類金属;Zn、Mn、Coなどの遷移金属;等の蟻酸塩、酢酸塩、硝酸塩、炭酸塩、炭酸水素酸塩、水酸化物、アルコキシドが挙げられる。これらのうち、Li、Na、MgもしくはZnを用いた金属化合物であることが、これらの金属のイオンで中和されたタイプのアイオノマー樹脂が入手しやすい理由から好ましい。
さらに、上記コポリマータイプのアイオノマー樹脂を構成する、有機アミン類は、ビスアミノアルキル基を有する芳香族もしくは脂環式化合物であって、その具体例としては、o−キシレンジアミン、m−キシレンジアミン、p−キシレンジアミン、またはこれらの水添物である1,2−ビスアミノメチルシクロヘキサン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、1,4−ビスアミノメチルシクロヘキサン等が挙げられる。
このようなコポリマータイプのアイオノマー樹脂としては、具体的には、ナトリウムイオン性エチレン−アクリル酸系共重合体、ナトリウムイオン性エチレン−メタクリル酸系共重合体、亜鉛イオン性エチレン−メタクリル酸系共重合体等が好適に例示される。ここで、ナトリウムイオン性とは、ナトリウムウムイオンで中和されたタイプであることを示し、亜鉛イオン性とは、亜鉛イオンで中和されたタイプであることを示す。
上記ターポリマータイプのアイオノマー樹脂を構成する、炭素数3〜6の不飽和カルボン酸としては、上記コポリマータイプにおいて例示したものと基本的に同様である。
また、上記ターポリマータイプのアイオノマー樹脂を構成する、炭素数4〜12の不飽和カルボン酸エステルとしては、具体的には、例えば、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、マレイン酸エステル、フマル酸エステル、安息香酸ビニルエステル等が挙げられ、これらのうち、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルが好ましい。また、これらは1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルとしては、より具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル等が挙げられる。
さらに、上記ターポリマータイプのアイオノマー樹脂を構成する、陽イオンを供給し得る金属化合物および有機アミン類としては、それぞれ、上記コポリマータイプにおいて例示したものと基本的に同様である。
このようなターポリマータイプのアイオノマー樹脂としては、具体的には、マグネシウイオン性エチレン−アクリル酸−アクリル酸エステル系三元共重合体、マグネシウイオン性エチレン−メタクリル酸−メタクリル酸エステル系三元共重合体、ナトリウムイオン性エチレン−アクリル酸−アクリル酸エステル系三元共重合体、ナトリウムイオン性エチレン−メタクリル酸−メタクリル酸エステル系三元共重合体、亜鉛イオン性エチレン−アクリル酸−アクリル酸エステル系三元共重合体、亜鉛イオン性エチレン−メタクリル酸−メタクリル酸エステル系三元共重合体等が好適に例示される。ここで、マグネシウイオン性とは、マグネシウイオンで中和されたタイプであることを示す。
このようなアイオノマー樹脂としては、市販品を用いることができ、その具体例としては、三井・デュポンポリケミカル社製のハイミラン1605、ハイミラン1706、ハイミラン1707、ハイミランAM7315、ハイミランAM7317、ハイミランAM7318;デュポン社製のサーリン6320、サーリン8120、サーリン8320;エチソンケミカル社製のアイオテック7510、アイオテック7520;東レ・デュポンポリケミカル社製のハイトレル;等が挙げられる。
また、本発明の樹脂組成物に用いる熱可塑性樹脂は、このようなアイオノマー樹脂を、該熱可塑性樹脂の総質量に対して、50質量%以上含有していることが好ましく、70質量%以上含有していることがより好ましい。
<フラーレン化合物>
本発明の樹脂組成物に用いるフラーレン化合物は、20個以上の炭素原子を有し、それらの各炭素原子が隣接する3つの炭素原子と結合して球状あるいはチューブ状に繋がった中空構造を持った分子であり、上記熱可塑性樹脂への補強効果能を有する。
上記フラーレン化合物としては、具体的には、例えば、フラーレンC60(60個の炭素原子を有し、5角形と6角形の多面体から形成される中空球殻構造を持つ分子)、フラーレンC70、フラーレンC76、フラーレンC78、フラーレンC82、フラーレンC84、フラーレンC90、フラーレンC96、ジャイアントフラーレン(100個以上の炭素原子を有する中空球殻構造を持つ分子)等が挙げられる。これらのうち、フラーレンC60、フラーレンC70であることが、市販されているため入手しやすく、後述する本発明の第2の態様に係るゴルフボール(以下、単に「本発明のゴルフボール」ともいう。)が低コストで製造できる理由から好ましい。
このようなフラーレン化合物は、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。2種以上を併用する場合の混合比は、本発明の樹脂組成物に要求される物性等に応じて任意の比率とすることができる。
本発明の樹脂組成物において、上記フラーレン化合物の含有量は、上記熱可塑性樹脂100質量部に対して、0.5〜10質量部であることが好ましく、1〜5質量部であることがより好ましい。上記フラーレン化合物の含有量がこの範囲であれば、得られる本発明のゴルフボールの反発性がより優れる理由から好ましい。これは、フラーレン化合物を含有させることにより、得られる本発明のゴルフボールカバー用樹脂組成物の剛性(硬度)が向上するためであると考えられる。
また、本発明の樹脂組成物は、上記熱可塑性樹脂および上記フラーレン化合物以外に、必要に応じて、本発明の目的を損なわない範囲で、白色顔料、染料、老化(酸化)防止剤、分散助剤、安定剤、滑剤、着色剤等の各種添加剤等を配合させることができる。
白色顔料としては、具体的には、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム等が挙げられる。
染料としては、具体的には、例えば、群青等が挙げられる。
老化防止剤としては、具体的には、例えば、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)等が挙げられる。
本発明の樹脂組成物において、このような各種添加剤を配合する場合の配合量は、上記熱可塑性樹脂100質量部に対して、0.01〜10質量部であることが好ましく、0.05〜5質量部であることがより好ましい。
このような本発明の樹脂組成物は、上述したように、フラーレン化合物を含有しているため、反発性に優れるゴルフボールを得ることができるため有用である。
本発明の樹脂組成物の製造方法は特に限定されず、例えば、上記熱可塑性樹脂と、上記フラーレン化合物と、必要に応じて配合してもよい上記各種添加剤とを、2軸混練押出機等を用いて、100〜250℃の温度範囲で溶融混練し、該熱可塑性樹脂からなる連続相中に、該フラーレン化合物を分散させて製造することができる。
本発明の第2の態様に係るゴルフボールは、コアとカバーとを有するゴルフボールであって、該カバーの一部または全部が、上述した本発明の第1の態様に係るゴルフボールカバー用樹脂組成物からなるカバー部材で構成されるゴルフボールである。
以下に、本発明のゴルフボールを形成するコアおよびカバーについて詳述する。
<コア>
本発明のゴルフボールを形成するコアは、従来公知のゴルフボールのコアとして通常用いられているものであれば特に限定されず、1層から構成されていても、2層以上の多層構造から構成されていてもよい。
上記コアを形成するコア用ゴム組成物としては、具体的には、ポリブタジエン等を主成分とする基材ゴム、不飽和カルボン酸金属塩、有機過酸化物、酸化亜鉛、硫酸バリウム等を含むゴム組成物が好適に例示される。特に、シス−1,4結合を40%以上有するポリブタジエンを含有するゴムが好ましい。
また、基材ゴムには、上記ポリブタジエンを主成分とするゴムを単独で用いることもできるが、必要に応じて他のゴム成分を併用してもよい。用いられる他のゴム成分としては、具体的には、例えば、天然ゴム(NR)、ポリイソプレンゴム(IR)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、エチレン−プロピレンゴム(EPM)、エチレン−ブテンゴム(EBM)等が挙げられる。
上記コアを形成するコア用ゴム組成物の製造方法は特に限定されず、例えば、上記基材ゴムと、不飽和カルボン酸金属塩および有機過酸化物等とを、ロール、ニーダー、押出し機、万能攪拌機、二軸押出機、バンバリーミキサー等により混合して製造することができる。
また、上記コアの製造方法は特に限定されず、例えば、上記コア用ゴム組成物を常法にしたがって均一に混練し、所定の金型に供給して、加圧下で加熱架橋させて一体成形することによって成形することができる。
<カバー>
本発明のゴルフボールを形成するカバーは、その一部または全部が、上述した本発明の樹脂組成物からなるカバー部材で構成されていれば特に限定されず、他のカバー用樹脂組成物からなるカバー部材で構成される部分があってもよい。
また、上記カバーの層構造は特に限定されず、1層のみの構造であっても、内層と外層とを有する多層構造であってもよい。
上記カバーが1層のみの構造である場合、得られる本発明のゴルフボールとしては、例えば、上記コアの外周面に本発明の樹脂組成物からなるカバー部材を被覆した2層構成のゴルフボール(ツーピースゴルフボール)が挙げられ、上記カバーが内層と外層とを有する多層構造である場合、得られる本発明のゴルフボールとしては、例えば、後述する3層構成のゴルフボール(スリーピースゴルフボール)が挙げられる。
上記スリーピースゴルフボールとしては、具体的には、上記コアの外周面に、上記カバーの内層として本発明の樹脂組成物からなるカバー部材より硬度の低い他の樹脂組成物からなるカバー部材を被覆した上に、外層として本発明の樹脂組成物からなるカバー部材を被覆したゴルフボール;
上記コアの外周面に、上記カバーの内層として本発明の樹脂組成物からなるカバー部材を被覆した上に、外層として該カバー部材より硬度の低い他の樹脂組成物からなるカバー部材を被覆したゴルフボール;が好適に例示される。
このようなコアとカバーとを有する本発明のゴルフボールは、上述した本発明の樹脂組成物からなるカバー部材で構成されるカバーを有しているため、反発性に優れるゴルフボールとなるため有用である。
特に、本発明のゴルフボールが、上記で例示したスリーピースゴルフボールである場合おいては、それぞれ、反発性とソフトな打球感の両立、反発性とスピン性能の両立が可能となるため有用である。
本発明のゴルフボールの製造方法は特に限定されず、例えば、上述した方法により得られたコアの外周面に、本発明の樹脂組成物を2軸混練押出機等を用いて溶融混練することにより調製される混練物を被覆することによって製造することができる。
ここで、コアの外周面へ被覆する方法は、所定の射出成形用金型中にコアを配置し、カバー部材から調製される溶融状態の混練物を射出成形して行うことができる。
以下に、実施例および比較例を用いて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1、比較例1)
<ゴルフボールコア用ゴム組成物からなるコアの製造>
基材ゴムであるポリブタジエンゴム(シス−1,4結合97%、BR−11、日本合成ゴム社製)と、不飽和カルボン酸金属塩であるアクリル酸亜鉛と、有機過酸化物であるジクミルパーオキサイドと、無機充填剤である酸化亜鉛と、老化防止剤であるブチルヒドロキシトルエン(BHT)とを、下記表1に示す配合(質量部)でロールおよびニーダーを用いて混練加工することで、ゴルフボールコア用ゴム組成物を得た。
得られた各ゴルフボールコア用ゴム組成物を、ソリッドゴルフボールのコア製造型に入れて、160℃で20分間加熱加圧成形することで、直径38.5mmの球状の架橋物であるコアを製造した。
<ゴルフボールカバー用樹脂組成物(カバー部材)の製造>
アイオノマー樹脂であるナトリウムイオン性エチレン−メタクリル酸系共重合体(ハイミラン1605、ショアーD硬度61、三井・デュポンポリケミカル社製)および亜鉛イオン性エチレン−メタクリル酸系共重合体(ハイミラン1706、ショアーD硬度60、三井・デュポンポリケミカル社製)と、フラーレン化合物であるフラーレンC60と、白色顔料である二酸化チタンとを、下記表1に示す配合(質量部)で二軸押出機に供給し、220℃で溶融混練することにより、ゴルフボールカバー用樹脂組成物(カバー部材)を製造した。
<ツーピースゴルフボール(2PC)の製造>
得られた各コアを芯として、得られたカバー部材を射出成形することで、コアの外周面を2.3mmの厚さのカバーで被覆してなるツーピースゴルフボールを製造した。
得られた各ツーピースゴルフボールについて、下記の方法にしたがってボール特性(反発性指数)を測定し、評価した。その結果を下記表1に示す。
(ボール特性)
<反発性指数>
得られた各ツーピースゴルフボールを、スイングロボット(ショットロボ、ミヤマエ社製)を用いて、ドライバー(ウッド#1)、ヘッドスピード45m/秒で実打した際の初速を測定し、比較例1で得られたソリッドゴルフボールの初速の測定値を100とした場合の相対値を反発性指数として求めた。
Figure 2006115913
(実施例2および3、比較例2)
<ゴルフボールコア用ゴム組成物からなるコアの製造>
下記表2に示す配合(質量部)で、実施例1および比較例1と同様の方法によりゴルフボールコア用ゴム組成物を得た。
得られた各ゴルフボールコア用ゴム組成物を、ソリッドゴルフボールのコア製造型に入れて、160℃で20分間加熱加圧成形することで、直径35.1mmの球状の架橋物であるコアを製造した。
<ゴルフボールカバー用樹脂組成物(カバー部材)の製造>
ゴルフボールのカバーの内層を構成するゴルフボールカバー用樹脂組成物を、ポリエステルエラストマー(ハイトレル、ショアーD硬度40、東レ・デュポンポリケミカル社製)と白色顔料である二酸化チタンとを下記表2に示す配合(質量部)で二軸押出機に供給し、220℃で溶融混練することにより製造した。
ゴルフボールのカバーの外層を構成するゴルフボールカバー用樹脂組成物を、アイオノマー樹脂であるナトリウムイオン性エチレン−メタクリル酸系共重合体(ハイミラン1605、ショアーD硬度61、三井・デュポンポリケミカル社製)および亜鉛イオン性エチレン−メタクリル酸系共重合体(ハイミラン1706、ショアーD硬度60、三井・デュポンポリケミカル社製)と、フラーレン化合物であるフラーレンC60もしくはフラーレンC70と、白色顔料である二酸化チタンとを下記表2に示す配合(質量部)で二軸押出機に供給し、220℃で溶融混練することにより製造した。
<スリーピースゴルフボール(3PC)の製造>
得られた各コアを芯として、得られた内層および外層を構成するカバー部材を、それぞれ2.0mmの厚さとなるように射出成形することで、コアの外周面を4.0mmの厚さのカバーで被覆してなるスリーピースゴルフボールを製造した。
得られた各スリーピースゴルフボールについて、上述の方法にしたがってボール特性(反発性指数)を測定し、評価した。その結果を下記表2に示す。なお、下記表2において、実施例2および3の反発性指数は、比較例2で得られたソリッドゴルフボールの初速の測定値を100とした場合の相対値として求めた。
また、得られた各スリーピースゴルフボールについて、下記の方法にしたがってボール特性(打球感)を測定し、評価した。その結果を下記表2に示す。
(ボール特性)
<打球感>
プロゴルファーおよびトップアマチュアに、得られた各スリーピースゴルフボールを打撃してもらい、フィーリングに関するアンケート調査を行い、フィーリングを評価した。
Figure 2006115913
(実施例4および5、比較例3)
<ゴルフボールコア用ゴム組成物からなるコアの製造>
下記表3に示す配合(質量部)で、実施例2、3および比較例2と同様の方法によりゴルフボールコア用ゴム組成物およびコアを製造した。
<ゴルフボールカバー用樹脂組成物(カバー部材)の製造>
ゴルフボールのカバーの内層を構成するゴルフボールカバー用樹脂組成物を、アイオノマー樹脂であるナトリウムイオン性エチレン−メタクリル酸系共重合体(ハイミラン1605、ショアーD硬度61、三井・デュポンポリケミカル社製)および亜鉛イオン性エチレン−メタクリル酸系共重合体(ハイミラン1706、ショアーD硬度60、三井・デュポンポリケミカル社製)と、フラーレン化合物であるフラーレンC60もしくはフラーレンC70と、白色顔料である二酸化チタンとを下記表3に示す配合(質量部)で二軸押出機に供給し、220℃で溶融混練することにより製造した。
ゴルフボールのカバーの外層を構成するゴルフボールカバー用樹脂組成物を、ウレタンエラストマー(ミラクトラン、ショアーD硬度40、日本ミラクトラン社製)と白色顔料である二酸化チタンとを下記表3に示す配合(質量部)で二軸押出機に供給し、220℃で溶融混練することにより製造した。
<スリーピースゴルフボール(3PC)の製造>
実施例2、3および比較例2と同様の方法でスリーピースゴルフボールを製造した。
得られた各スリーピースゴルフボールについて、上述の方法にしたがってボール特性(反発性指数)を測定し、評価した。その結果を下記表3に示す。なお、下記表3において、実施例4および5の反発性指数は、比較例3で得られたソリッドゴルフボールの初速の測定値を100とした場合の相対値として求めた。
また、得られた各スリーピースゴルフボールについて、下記の方法にしたがってボール特性(スピン指数)を測定し、評価した。その結果を下記表3に示す。
(ボール特性)
<スピン指数>
得られた各スリーピースゴルフボールを、スイングロボット(ショットロボ、ミヤマエ社製)を用いて、ピッチングウェッジ、ヘッドスピード30m/秒で実打した際の打球をストロボ撮影し、ボールの回転角度をストロボの発光間隔で除することによりスピン量の平均値を測定した。実施例4および5のスピン指数は、比較例3で得られたソリッドゴルフボールのスピン量の平均値を100とした場合の相対値として求めた。
Figure 2006115913
上記表1〜3に示す結果より、樹脂組成物としてフラーレン化合物を含有する実施例1〜5で得られるゴルフボールは、フラーレン化合物を含有しないそれぞれの比較例に対して、反発性に優れることが分かり、特に、実施例2および3で得られるゴルフボールは、反発性とソフトな打球感とが両立でき、実施例4および5で得られるゴルフボールは、反発性とスピン性能とが両立できることが分かった。

Claims (6)

  1. 熱可塑性樹脂と、フラーレン化合物とを含有するゴルフボールカバー用樹脂組成物。
  2. 前記熱可塑性樹脂が、アイオノマー樹脂である請求項1に記載のゴルフボールカバー用樹脂組成物。
  3. 前記フラーレン化合物が、フラーレンC60および/またはフラーレンC70である請求項1または2に記載のゴルフボールカバー用樹脂組成物。
  4. コアとカバーとを有するゴルフボールであって、
    前記カバーの一部または全部が、請求項1〜3のいずれかに記載のゴルフボールカバー用樹脂組成物からなるカバー部材で構成されるゴルフボール。
  5. 前記カバーが外層と内層とを有し、該外層が前記カバー部材で構成され、該内層が前記カバー部材より硬度の低いカバー部材で構成される請求項4に記載のゴルフボール。
  6. 前記カバーが外層と内層とを有し、該外層が前記カバー部材より硬度の低いカバー部材で構成され、該内層が前記カバー部材で構成される請求項4に記載のゴルフボール。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006158950A (ja) * 2004-11-15 2006-06-22 Kasco Corp ゴルフボール

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