JP2006147986A - レーザー加工装置 - Google Patents

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洋 宮内
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Abstract

【課題】 ヘッドユニットに不具合が生じた場合におけるメンテナンス性を向上させたレーザー加工装置を提供する。
【解決手段】 共振器20及びQスイッチ24からなるレーザー発振器3により生成されるレーザー出力光をワークAに対して照射するヘッドユニット2と、共振器20へレーザー励起光を伝送する光ファイバーケーブル4aと、レーザー励起光を供給するコントローラユニットを備え、コントローラユニットが、ユニット本体11と、ユニット本体11に着脱可能に取り付けられる励起光源モジュール5からなり、ユニット本体11が、共振器20の出力制御を行う制御回路12と、ヘッドユニット2及び励起光源モジュール5に対して電力供給を行う電源回路13を有し、励起光源モジュール5が、光ファイバーケーブル4の端部が取り付けられるモジュール筐体5aと、レーザー励起光を出力する励起光発生器6を有するように構成される。
【選択図】 図3

Description

本発明は、レーザー加工装置に係り、さらに詳しくは、レーザー結晶からなる共振器により生成されたレーザー出力光を加工対象物に対して照射するヘッドユニットと、レーザー結晶の光ポンピングに用いられるレーザー励起光を生成するコントローラユニットとを光ファイバーケーブルによって接続したレーザー加工装置の改良に関する。
レーザー光を加工対象物(ワーク)に照射することにより、ワーク表面に文字を印字したり、図形を刻印するレーザー加工装置として、レーザーマーキング装置がある。近年、高いレーザー出力が得られるとともに、小スポットへの集光が容易であることから、レーザー媒質にYAGやYVO4などの結晶(レーザー結晶)を用いる固体レーザーがレーザーマーキング装置として普及している。
一般に、この様なレーザー加工装置は、レーザー結晶及び一対の共振用ミラーからなる共振器と、レーザー結晶の光ポンピングに用いられるレーザー励起光を生成するレーザーダイオード(LD)などの半導体レーザー発光素子と、共振器の出力制御を行う制御回路と、半導体レーザー発光素子に電力供給を行う電源回路からなる。レーザー結晶にレーザー励起光を照射すれば、レーザー結晶を構成する各原子が励起され、レーザー結晶内にエネルギー準位に関する反転分布が形成されると、共振器から誘導放射によるレーザー出力光が出力される。
最近では、製造ラインなどへの設置を容易化するという観点から、レーザー出力光をワークに対して照射するレーザー出力部の小型化が要求されている。そこで、レーザー出力部から半導体レーザー発光素子、制御回路及び電源回路を分離して配置するレーザー加工装置が提案されている(例えば、特許文献1)。
特許文献1に記載のレーザー加工装置は、レーザー出力光をワークに対して照射するレーザー出力部としてのヘッドユニットと、ヘッドユニットにレーザー励起光を伝送する光ファイバーケーブルと、光ファイバーケーブルにレーザー励起光を供給するコントローラユニットにより構成される。ヘッドユニットは、共振器と、共振器からのレーザー出力光を2次元走査するための一対のガルバノミラーからなる走査系と、共振器及び走査系が配置される筐体(以下、ヘッド筐体という)を有している。コントローラユニットは、半導体レーザー発光素子、制御回路、電源回路及びこれらが配置される筐体(以下、コントローラ筐体という)を有している。
この様にして、レーザー出力部からコントローラユニットを分離し、両者を光ファイバーケーブルで接続することにより、ヘッドユニットの筐体サイズを小型化することができる。
特願2003−153476号公報
上述したレーザー加工装置では、レーザー出力を安定化させるために、光軸がずれないように、光ファイバーケーブルをヘッド筐体及びコントローラ筐体にそれぞれ接続する必要がある。このため、光ファイバーケーブルをヘッド筐体又はコントローラ筐体から一旦取り外すと、その後の光軸調整が容易ではなかった。このことから、従来のレーザー加工装置では、ヘッドユニットに不具合が生じた場合であっても、ヘッドユニットをコントローラユニットから取り外すことはできず、ヘッドユニット及びコントローラユニットをともに設置場所から整備工場などへ搬送しなければならないという問題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、レーザー出力部からコントローラユニットを分離して光ファイバーケーブルで接続しているレーザー加工装置におけるメンテナンス性を向上させることを目的とする。特に、共振器を有するヘッドユニットに不具合が生じた場合に、ヘッドユニットを整備工場に搬送する際の搬送性を向上させたレーザー加工装置を提供することを目的とする。また、Qスイッチによりレーザー出力光の出力タイミングを決定するレーザー加工装置における安全性を向上させることを目的とする。
本発明によるレーザー加工装置は、第1の筐体内にレーザー結晶からなる共振器を有し、レーザー結晶の光ポンピングに基づいて共振器により生成されるレーザー出力光を加工対象物に対して照射するヘッドユニットと、上記第1の筐体に一端が接続され、上記共振器へ光ポンピング用のレーザー励起光を伝送する光ファイバーケーブルと、上記光ファイバーケーブルの他端が接続され、上記レーザー励起光を供給するコントローラユニットとを備え、上記コントローラユニットが、ユニット本体と、ユニット本体に着脱可能に取り付けられる励起光源モジュールとからなり、上記ユニット本体が、上記共振器の出力制御を行う制御回路と、上記ヘッドユニット及び上記励起光源モジュールに対して電力供給を行う電源回路とを有し、上記励起光源モジュールが、光ファイバーケーブルの端部が取り付けられる第2の筐体と、当該光ファイバーケーブルの端面に対向させて第2の筐体内に配置され、レーザー励起光を生成する半導体レーザー発光素子とを有するように構成される。
この様な構成により、光ファイバーケーブルの他端が接続される励起光源モジュールは、ユニット本体に着脱可能に取り付けられる。このため、上記光ファイバーケーブルの一端が接続されるヘッドユニットと、励起光源モジュールとが当該光ファイバーケーブルによって接続された状態で、ヘッドユニットをユニット本体から分離することができる。従って、不具合が生じた場合などにヘッドユニットをユニット本体から取り外しても、励起光源モジュールをユニット本体に取り付ける際の光軸調整が不要となるので、メンテナンス性を向上させることができる。特に、ヘッドユニットが電源回路を収容するユニット本体から取り外せるので、ヘッドユニットを整備工場に搬送する際の搬送性を向上させることができる。
本発明によるレーザー加工装置は、上記構成に加え、上記ヘッドユニットが、共振器内に配置され、信号伝送ケーブルから入力される制御信号に基づいてレーザー出力光の出力タイミングを決定するQスイッチを有し、上記励起光源モジュールが、上記制御回路に対して着脱可能に接続され、当該制御回路から入力される制御信号を上記信号伝送ケーブルに出力するQスイッチ用接続端子を有し、上記ユニット本体が、上記Qスイッチ用接続端子の着脱状態を監視する接続状態監視手段を有し、上記電源回路が、着脱状態の監視結果に基づいて励起光源モジュールに対する電力供給を行うように構成される。
この様な構成によれば、ヘッドユニットのQスイッチへ信号伝送ケーブルを介して制御信号を出力するQスイッチ用接続端子を励起光源モジュールが有し、ユニット本体の電源回路がQスイッチ用接続端子に関する着脱状態の監視結果に基づいて電力供給を行うので、不用意にレーザー出力光が出力されるのを防止することができ、安全性を向上させることができる。特に、Qスイッチ用接続端子がユニット本体の制御回路に接続されていないにもかかわらず、電源回路から励起光源モジュールの半導体レーザー発光素子に電力供給されるのを防止することができる。
また、本発明によるレーザー加工装置は、上記構成に加え、上記ユニット本体が、上記第2の筐体における光ファイバーケーブルの接続方向に上記励起光源モジュールが挿入される開口部を側面パネルに設けた第3の筐体と、上記開口部に開閉可能に設けられ、励起光源モジュールを第3の筐体内に収容した際に、第2の筐体における光ファイバーケーブルの取り付け面に配置される上記Qスイッチ用接続端子をカバーする端子蓋と、上記端子蓋の開閉を検出可能な蓋センサーとを有し、上記電源回路が、Qスイッチ用接続端子に関する着脱状態の監視結果及び端子蓋の開閉検出結果に基づいて電力供給を行うように構成される。
また、本発明によるレーザー加工装置は、上記構成に加え、上記励起光源モジュールが、レーザー励起光の生成時に上記半導体レーザー発光素子を冷却する電子冷却素子を有し、上記電源回路が、上記電子冷却素子に対して電力供給を行うように構成される。
また、本発明によるレーザー加工装置は、上記構成に加え、上記励起光源モジュールが、上記半導体レーザー発光素子を駆動する発光素子駆動回路を有し、上記電源回路が、上記発光素子駆動回路に対して電力供給を行うように構成される。
本発明によるレーザー加工装置によれば、光ファイバーケーブルの他端が接続される励起光源モジュールは、ユニット本体に着脱可能に取り付けられる。このため、上記光ファイバーケーブルの一端が接続されるヘッドユニットと、励起光源モジュールとが当該光ファイバーケーブルによって接続された状態で、ヘッドユニットをユニット本体から分離することができる。従って、不具合が生じた場合などにヘッドユニットをユニット本体から取り外しても、励起光源モジュールをユニット本体に取り付ける際の光軸調整が不要となるので、メンテナンス性を向上させることができる。特に、ヘッドユニットが電源回路を収容するユニット本体から取り外せるので、ヘッドユニットを整備工場に搬送する際の搬送性を向上させることができる。
また、ヘッドユニットのQスイッチへ信号伝送ケーブルを介して制御信号を出力するQスイッチ用接続端子を励起光源モジュールが有し、ユニット本体の電源回路がQスイッチ用接続端子に関する着脱状態の監視結果に基づいて電力供給を行うので、不用意にレーザー出力光が出力されるのを防止することができ、安全性を向上させることができる。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1によるレーザー加工装置の一構成例を示したブロック図であり、レーザー出力光をワーク(加工対象物)Aに照射して印字や刻印などの加工を行うレーザーマーキング装置が示されている。本実施の形態によるレーザー加工装置1は、レーザー出力光を出力するヘッドユニット2と、レーザー励起光を伝送する光ファイバーケーブル4aと、レーザー励起光を供給するコントローラユニットからなる。このコントローラユニットは、ユニット本体11と、ユニット本体11に着脱可能に取り付けられる励起光源モジュール5からなる。
<ヘッドユニット2>
ヘッドユニット2は、レーザー励起光に基づいてレーザー出力光を生成するレーザー発振器3と、生成されたレーザー出力光を2次元走査する走査系26と、レーザー発振器3及び走査系26を収容するヘッド筐体(第1の筐体)からなる。ヘッド筐体には、光ファイバーケーブル4a及び信号伝送ケーブル4bが接続される接続部21aと、ユニット本体11から電力が供給される接続端子21bと、ユニット本体11から制御信号が入力される接続端子21cが設けられている。
レーザー発振器3は、共振器20と、共振器20内に配置されるQスイッチ24からなる。共振器20は、棒状のレーザー媒質からなるレーザー結晶23と、レーザー結晶23を挟んで配置される一対の共振用ミラー22a及び22bにより構成される。各共振用ミラー22a及び22bは、いずれもレーザー結晶23の軸方向に垂直に配置され、反射面を対向させてヘッド筐体に固定されている。ここでは、レーザー励起光をレーザー結晶23の端面に入射させる励起方式、いわゆるエンドポンピング方式が採用されているものとする。すなわち、レーザー励起光は、共振器20の光軸に沿ってレーザー結晶23に入力される。
レーザー励起光の入力側に配置される共振用ミラー22aは、全反射型反射鏡となっている。出力側に配置される共振用ミラー22bは、半透過型反射鏡となっており、レーザー励起光を吸収することによって励起したレーザー結晶23から誘導放射されたレーザー光の一部をレーザー出力光として出力させることができる。
レーザー結晶23は、レーザー励起光の吸収による光ポンピングによってエネルギー準位に関する反転分布の形成が可能な結晶固体であって、エネルギー準位間の遷移によってレーザー光を放射する結晶固体である。具体的には、ネオジウム(Nd)イオンをドープ(注入)したYAG(イットリウム及びアルミニウムからなるガーネット結晶)やYVO4(イットリウム・バナジウム酸塩)がレーザー結晶23として用いられる。レーザー結晶23から放射されたレーザー光は、共振用ミラー22a及び22bによって反射され、共振用ミラー間で往復することにより増幅される。
Qスイッチ24は、レーザー出力光の出力タイミングを決定するデバイスであり、レーザー結晶23と、出力側の共振用ミラー22bとの間に配置されている。ここでは、信号伝送ケーブル4bから入力される制御信号に基づいてオンオフする音響光学素子(AO素子)がQスイッチ24として用いられるものとする。具体的には、共振器20の光軸上に配置される透明部材と、制御信号としてのRF信号の入力によって超音波を発生する超音波発生器により構成され、超音波の伝搬方向について透明部材の屈折率が変化することでレーザー出力がオンオフされる。Qスイッチ24を適当なタイミングでオンオフさせることにより、連続放射に比べて、ピークパワーが極めて高いパルス状のレーザー出力を得ることができる。
なお、Qスイッチ24としては、AO素子に代えて、電圧の印加によって屈折率が変化する電気光学素子を用いても良い。
レーザー発振器3により生成されたレーザー出力光は、ミラー25によって直角に光路が曲げられ、走査系26へ入力される。走査系26は、レーザー出力光を2次元走査するためのミラー及び駆動部からなる。ここでは、一対のガルバノミラー及び駆動用モーターからなるものとする。各ガルバノミラーは、駆動用モーターの直交する回転軸にそれぞれ取り付けられ、互いに独立して回転することでレーザー出力光を2次元走査させることができる。走査系26へは、接続端子21bを介してユニット本体11から電力が供給され、接続端子21cを介して制御信号が入力される。
<光ファイバーケーブル4a>
光ファイバーケーブル4aは、ヘッドユニット2のレーザー発振器3へレーザー励起光を伝送するための伝送路であり、石英ガラスなどの線状の透明部材からなる。光ファイバーケーブル4aは、端面に入射した光を内部で反射させながら伝搬させることにより、エネルギー損失が極めて小さな伝送路となっている。ここで、光ファイバーケーブル4aは、一端がヘッド筐体に接続され、他端が励起光源モジュール5の筐体(以下、モジュール筐体という)に接続されている。
光ファイバーケーブル4aとヘッド筐体及びモジュール筐体とは、それぞれ接続後に光軸調整が行われ、光ファイバーケーブル4aの端部は、光軸がずれないように各筐体に固定される。
<ユニット本体11>
ユニット本体11は、ヘッドユニット2及び励起光源モジュール5の動作制御を行う制御回路12と、ヘッドユニット2及び励起光源モジュール5に対して電力供給を行う電源回路13と、Qスイッチ用接続端子18の着脱状態を監視する接続状態監視部14aと、端子蓋の開閉を検出可能な蓋センサー14bと、これらを収容する本体筐体(第3の筐体)により構成される。
本体筐体には、端子部15及び16が設けられている。端子部15は、ヘッドユニット2の接続端子21cに制御信号を伝送する信号伝送ケーブルが着脱可能に接続される接続端子と、励起光源モジュール5の端子部18に着脱可能に接続するコネクタからなる。端子部16は、接続端子21bに電力を供給する電源ケーブルが着脱可能に接続される接続端子と、励起光源モジュール5の端子部19に着脱可能に接続するコネクタからなる。
制御回路12は、走査系26に対して駆動制御を行うとともに、レーザー発振器3の出力制御を行っている。すなわち、ユーザによる操作入力、又は、制御プログラムに従って、レーザー出力光を2次元走査する制御が行われる。また、Qスイッチ24をオンオフさせる制御が行われる。Qスイッチ24に対する制御信号は、端子部15及び端子部18を介してユニット本体11から一旦、励起光源モジュール5に入力され、信号伝送ケーブル4bを介して励起光源モジュール5からヘッドユニット2へ伝送される。
接続状態監視部14aは、端子部15及び16の各コネクタがそれぞれ端子部18及び端子部19に接続されているか否かを監視する動作を行っている。具体的には、伝送されるRF信号の伝送路端による反射波に基づいて端子部18の着脱状態を識別することができる。また、電圧レベルの変化から端子部19の着脱状態を識別することができる。
蓋センサー14bは、本体筐体に開閉可能に設けられる端子蓋が閉まっているか否かを検出する動作を行っている。具体的には、端子蓋が閉まるとオン状態となるスイッチを用いて端子蓋の開閉を検出することができる。端子蓋は、閉じた状態において端子部18及び19を覆い、ユーザが端子部18及び19やコネクタに触れることができないようになっている。これにより、レーザー発振中に不用意に各コネクタが端子部18及び19から外れるのを防止している。
電源回路13は、端子部18及び端子部19に関する着脱状態の監視結果と、端子蓋に関する開閉の検出結果に基づいてヘッドユニット2及び励起光源モジュール5に対する電力供給を行う。具体的には、監視結果及び検出結果の論理積が求められ、端子部18及び端子部19がいずれも接続されており、そして、端子蓋が閉まっている場合に、励起光源モジュール5の半導体レーザー発光素子7に対する電力供給が許可される。
<励起光源モジュール5>
励起光源モジュール5は、レーザー励起光を出力する励起光発生器6と、ドライバ9と、ペルチェ素子10と、これらを収容するモジュール筐体(第2の筐体)からなる。モジュール筐体には、光ファイバーケーブル4a及び信号伝送ケーブル4bが接続される接続部17と、ユニット本体11の制御回路12から制御信号が入力される端子部18と、電源回路13から電力が供給される端子部19が設けられている。なお、図示しないが、励起光源モジュール5には、半導体レーザー発光素子7の素子点灯用電源が内蔵されている。この半導体レーザー発光素子7の素子点灯用電源は、ユニット本体11側に設けても良い。
励起光発生器6は、レーザー励起光を生成するレーザーダイオード(LD)などの半導体レーザー発光素子7と、生成されたレーザー励起光を集光する集光レンズ8により構成される。半導体レーザー発光素子7は、発光面を光ファイバーケーブル4aの端面に対向させてモジュール筐体内に固定されている。
ドライバ9は、半導体レーザー発光素子7を駆動する発光素子駆動回路であり、端子部19を介して電源回路13から供給される電力について昇圧する動作を行っている。すなわち、ドライバ9は、電源回路13から入力された電圧を励起光の生成が可能なレベルまで引き上げて半導体レーザー発光素子7に供給している。
ペルチェ素子(Peltier device)10は、レーザー励起光の生成時に半導体レーザー発光素子7を冷却する電子冷却素子であり、端子部19を介して電源回路13から供給される電力によって動作している。ペルチェ素子10は、異種の金属間の接合面に電流を流すことにより、金属間で熱が移動するというぺルチェ効果を利用したデバイスである。ペルチェ素子10を動作させることにより、レーザー励起光の生成に伴って生じる熱によって励起光発生器6周辺が高温になるのを抑制することができる。
図2及び図3は、図1のレーザー加工装置の一例を示した外観斜視図である。図2には、励起光源モジュール5をユニット本体11に装着させた収容状態におけるコントローラユニットの背面側の様子が示され、図3には、励起光源モジュール5をユニット本体11から取り外した分離状態の様子が示されている。この例では、ヘッド筐体2aが光ファイバーケーブル4aの接続方向に長い横長の直方体形状となっている。また、光ファイバーケーブル4a及び信号伝送ケーブル4bがケーブル管31内に配線されている。
ケーブル管31は、一端がヘッド筐体2aの一端面に配置される接続部21aに接続され、他端がモジュール筐体5aの背面パネルに配置される接続部17に接続されている。ヘッド筐体2aに設けられた接続端子21cに接続される制御信号伝送用の信号伝送ケーブル32は、本体筐体11aの背面パネル11bに配置されている接続端子34aにコネクタ34を介して着脱可能に接続される。また、ヘッド筐体2aの上記端面に配置される接続端子21bに接続される電力供給用の電源ケーブル33は、背面パネル11bに配置されている接続端子35aにコネクタ35を介して着脱可能に接続される。
本体筐体11aの背面パネル11bには、モジュール筐体5aにおけるケーブル管31の接続方向に励起光源モジュール5が挿入される開口部11cと、この開口部11cに開閉可能に取り付けられる端子蓋39と、本体筐体11a内で生じた熱を排出する冷却ファン36と、各種機器が接続される端子台40が設けられている。ここでは、本体筐体11aにおける側面パネルの1つを背面パネル11bと呼んでいる。また、開口部11cは、冷却ファン36の上方に配置され、底辺部分が各コネクタ41〜43が設けられる端子部となっている。
端子蓋39は、開口部11cの底辺に配置され、励起光源モジュール5を本体筐体11a内に収容した際に、モジュール筐体5aの背面パネルに配置されているQスイッチ用の接続端子41b、電源用の接続端子42b及び43bと、本体筐体11aの背面パネル11bに配置されている各コネクタ41a〜43aとをカバーする。なお、ここでは、前述した端子部18が接続端子41bからなり、端子部19が接続端子42b及び43bからなるものとしている。また、端子部15がコネクタ41a及び接続端子34aからなり、端子部16がコネクタ42a,43a及び接続端子35aからなるものとしている。
モジュール筐体5aの背面パネルには、励起光源モジュール5をユニット本体11に対して着脱する際に用いる取っ手(ハンドル)38と、モジュール筐体5a内で生じた熱を排出する冷却ファン37が設けられている。ケーブル管31の接続方向に沿って取っ手38を引くことにより、励起光源モジュール5を本体筐体11aから手前に引き出すことができる。
図4は、図1のレーザー加工装置における要部詳細の一例を示した斜視図であり、本体筐体11a内に配置される制御ボード52及び電源ブロック51が示されている。制御ボード52は、制御回路12を構成する複数の配線基板からなり、本体筐体11aの底面に配置されている。
電源ブロック51は、電源回路13を構成する変圧器や配線基板からなり、本体筐体11a底面における冷却ファン36の背面側に配置されている。
本実施の形態によれば、励起光源モジュール5をユニット本体11から容易に取り外すことができるので、ヘッドユニット2や励起光源モジュール5に不具合が生じた場合に、ヘッドユニット2などを整備工場に搬送する際の搬送性を向上させることができる。
また、ユニット本体11の電源回路13がQスイッチ用接続端子18に関する着脱状態の監視結果に基づいて電力供給を行うので、不用意にレーザー出力光が出力されるのを防止することができ、安全性を向上させることができる。特に、Qスイッチ用接続端子18がユニット本体11の制御回路12に接続されていないにもかかわらず、電源用接続端子19を介して電源回路13から励起光源モジュール5の半導体レーザー発光素子7に電力供給されるのを防止することができる。
なお、本実施の形態では、レーザー励起光をレーザー結晶23の端面に入力させるエンドポンピング方式で励起させる場合の例について説明したが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、レーザー励起光を共振器3の光軸に垂直な方向からレーザー結晶23に入力させる、いわゆるサイドポンピング方式でレーザー結晶23を励起させるものであっても良い。
本発明の実施の形態1によるレーザー加工装置の一構成例を示したブロック図である。 図1のレーザー加工装置の一例を示した外観斜視図であり、励起光源モジュール5をユニット本体11に装着させた収容状態におけるコントローラユニットの背面側の様子が示されている。 図1のレーザー加工装置における要部詳細の一例を示した外観斜視図であり、励起光源モジュール5をユニット本体11から取り外した分離状態の様子が示されている。 図1のレーザー加工装置における要部詳細の一例を示した斜視図であり、本体筐体11a内に配置される制御ボード52及び電源ブロック51が示されている。
符号の説明
1 レーザー加工装置
2 ヘッドユニット
2a ヘッド筐体
3 レーザー発振器
4a 光ファイバーケーブル
4b 信号伝送ケーブル
5 励起光源モジュール
5a モジュール筐体
6 励起光発生器
7 半導体レーザー発光素子
8 集光レンズ
9 ドライバ
10 ペルチェ素子
11 ユニット本体
11a 本体筐体
11b 背面パネル
11c 開口部
12 制御回路
13 電源回路
14a 接続状態監視部
14b 蓋センサー
15,16,18,19 端子部
17 接続部
20 共振器
21a 接続部
21b,21c 接続端子
22a,22b 共振用ミラー
23 レーザー結晶
24 Qスイッチ
26 走査系
31 ケーブル管
32 信号伝送ケーブル
33 電源ケーブル
34,35 コネクタ
34a,35a 接続端子
36,37 冷却ファン
38 取っ手
39 端子蓋
40 端子台
41a〜43a コネクタ
41b〜43b 接続端子
51 電源ブロック
52 制御ボード

Claims (5)

  1. 第1の筐体内にレーザー結晶からなる共振器を有し、レーザー結晶の光ポンピングに基づいて共振器により生成されるレーザー出力光を加工対象物に対して照射するヘッドユニットと、
    上記第1の筐体に一端が接続され、上記共振器へ光ポンピング用のレーザー励起光を伝送する光ファイバーケーブルと、
    上記光ファイバーケーブルの他端が接続され、上記レーザー励起光を供給するコントローラユニットとを備え、
    上記コントローラユニットは、ユニット本体と、ユニット本体に着脱可能に取り付けられる励起光源モジュールとからなり、
    上記ユニット本体は、上記共振器の出力制御を行う制御回路と、上記ヘッドユニット及び上記励起光源モジュールに対して電力供給を行う電源回路とを有し、
    上記励起光源モジュールは、光ファイバーケーブルの端部が取り付けられる第2の筐体と、当該光ファイバーケーブルの端面に対向させて第2の筐体内に配置され、レーザー励起光を生成する半導体レーザー発光素子とを有することを特徴とするレーザー加工装置。
  2. 上記ヘッドユニットは、共振器内に配置され、信号伝送ケーブルから入力される制御信号に基づいてレーザー出力光の出力タイミングを決定するQスイッチを有し、
    上記励起光源モジュールは、上記制御回路に対して着脱可能に接続され、当該制御回路から入力される制御信号を上記信号伝送ケーブルに出力するQスイッチ用接続端子を有し、
    上記ユニット本体は、上記Qスイッチ用接続端子の着脱状態を監視する接続状態監視手段を有し、
    上記電源回路は、着脱状態の監視結果に基づいて励起光源モジュールに対する電力供給を行うことを特徴とする請求項1に記載のレーザー加工装置。
  3. 上記ユニット本体は、上記第2の筐体における光ファイバーケーブルの接続方向に上記励起光源モジュールが挿入される開口部を側面パネルに設けた第3の筐体と、
    上記開口部に開閉可能に設けられ、励起光源モジュールを第3の筐体内に収容した際に、第2の筐体における光ファイバーケーブルの取り付け面に配置される上記Qスイッチ用接続端子をカバーする端子蓋と、
    上記端子蓋の開閉を検出可能な蓋センサーとを有し、
    上記電源回路は、Qスイッチ用接続端子に関する着脱状態の監視結果及び端子蓋の開閉検出結果に基づいて、電力供給を行うことを特徴とする請求項2に記載のレーザー加工装置。
  4. 上記励起光源モジュールは、レーザー励起光の生成時に上記半導体レーザー発光素子を冷却する電子冷却素子を有し、
    上記電源回路は、上記電子冷却素子に対して電力供給を行うことを特徴とする請求項1に記載のレーザー加工装置。
  5. 上記励起光源モジュールは、上記半導体レーザー発光素子を駆動する発光素子駆動回路を有し、
    上記電源回路は、上記発光素子駆動回路に対して電力供給を行うことを特徴とする請求項1に記載のレーザー加工装置。
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