JP2006147705A - 半導体装置の移送装置および半導体装置の移送方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ダイシングされた半導体チップを安定してコレットに吸着させるためのチップ突き上げステージを提供する。
【解決手段】 チップ受け台には、コレットでピックアップするチップに隣接するチップの内縁部を支持する領域に方形状の真空吸着溝を形成し、その溝の底面部に設けた真空吸着孔を通じて、複数のチップが貼り付けられた粘着シートをそのチップ受け台に吸着する。コレットでチップをピックアップするにあたって、チップの面積に対して一定比率の面積を有する突き上げブロックでそのチップを突き上げる。
【選択図】 図1
【解決手段】 チップ受け台には、コレットでピックアップするチップに隣接するチップの内縁部を支持する領域に方形状の真空吸着溝を形成し、その溝の底面部に設けた真空吸着孔を通じて、複数のチップが貼り付けられた粘着シートをそのチップ受け台に吸着する。コレットでチップをピックアップするにあたって、チップの面積に対して一定比率の面積を有する突き上げブロックでそのチップを突き上げる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、半導体装置を製造する工程の1つであるダイボンディングなどの実装工程において、個片にダイシングされた半導体装置を搬送する機構および方法に関するものである。
一般に半導体集積回路装置を製造する工程では、円板状のウエハに、多数の矩形のチップが2次元状に規則正しく配列されて形成される。それらの装置は実装に供するためダイシングし、ICチップ個片に切り分ける。そのダイシングの際、予めウエハには、合成樹脂などから作られている伸び性のある粘着シート、いわゆるダイシングテープを貼り付ける。切り分けたICチップの個片はダイシングテープに付着させたまま、まとめて例えばダイボンディング装置に付属するチップ受け台上へ移す。
ICチップの個片は、そのチップ受け台上でダイシングテープから分離する。特許文献1や特許文献2は、ダイシングテープからICチップを分離するための装置を開示している。
特許文献1に記載の分離装置では、チップ受け台に複数の溝を形成している。真空吸着でその溝にダイシングテープを引き込み、ダイシングテープを部分的にチップから剥離する。部分的にチップからダイシングテープを剥離すると、ダイシングテープとは反対側からピックアップツールでチップを真空吸着する。その真空吸着でピックアップツールがチップを保持した状態でピックアップツールを上昇させ、ダイシングテープからチップを分離する。部分的な剥離を事前に行っておくだけでは分離が難しいようなときには、突き上げ針を用いている。ピックアップツールの上昇と同期してチップの下面に突き上げ針を突き上げてそのチップをダイシングテープから分離する。ただし、突き上げ針を用いると、チップ裏面に接触する面積が極めて小さく針先に荷重が集中するので、その荷重によってチップを損傷する危険性がある。特に裏面研磨によって厚さが減少した薄型のチップではその危険性が高くなる。
特許文献2に記載の分離装置では、チップの損傷を避けるため、ダイシングテープから分離するチップの外周に沿って溝をチップ受け台に形成している。この溝を通じてダイシングテープをチップ受け台に真空吸着することで、そのチップの分離前にチップの周辺部分からダイシングテープを剥がしている。チップより少しだけ小さな面を有する可動軸を使ってチップを突き上げると、剥離する量はさらに増える。複数の可動軸を同心円状に配列した例では、それら全ての可動軸でチップを突き上げてから一部の可動軸を下降させることで、剥離を促進している。チップの周辺部分でダイシングテープが剥離すると、コレットを使ってダイシングテープからチップを分離するのが容易になる。
特開2000−195877号公報(第5頁、第6図)
特開2000−353710号公報(第6頁、第4図)
特許文献2に記載されているように柱状の部材でチップを突き上げるとき、対象のチップだけでなく、そのチップに隣接するチップの部分までダイシングテープが支持台から離れてしまう場合がある。隣接するチップの部分まで支持台から離れてしまうと、対象のチップの部分でダイシングテープの剥がれる量が少なくなる。分離対象のチップに粘着している部分が多くなると、コレットを使ってダイシングテープからチップを安定して分離することが困難になる。
本発明は、このような従来の技術における課題を鑑みてなされたものであり、ダイシングテープのようなシートに貼り付けられた半導体装置を安定してそのシートから分離することのできる半導体装置の移送装置および移送方法を提供することを目的とするものである。
上述の目的を達成するために、本発明は、以下のような構成を採用した半導体の移送装置を提供する。この移送装置では、複数の半導体装置が貼り付けられたシートを支持台に裁置する。支持台上の半導体装置は、シートを介して柱状の部材で突き上げられる。コレットは、シートとは反対側で半導体装置を保持しながらシートから離れる方向に移動してシートからその半導体装置を分離する。この分離のため、シートは支持台に真空吸着される。支持台は、シートから分離する半導体装置に隣接する半導体装置の分離する半導体装置側の内縁部を支持する領域に真空吸着孔を有している。真空吸着手段は、その真空吸着孔を通じてシートを支持台に吸着する。
シートから分離する半導体装置に隣接する半導体装置の内縁部で、分離対象の半導体装置側に設けた孔を通じてシートを支持台に真空吸着することで、対象の半導体装置を柱状の部材で突き上げても、その半導体装置に隣接する半導体装置の部分までシートが支持台から離れてしまうのを避けることができる。このため対象の半導体装置の部分でシートが多く剥がれ、コレットを使ってシートから半導体装置を安定して分離することが可能となる。
支持台には、隣接装置の内縁部を支持する領域を通る方形状の溝を設けることができる。その場合、真空吸着孔はその溝の底面部に配置する。これにより、隣接装置の内縁部の部分でシートを均一かつさらに確実に吸着することができる。
また支持台に円形状の溝を設けている場合には、その溝とは別の位置に真空吸着孔を設けるようにしてもよい。溝が円形状であれば、溝の一部が隣接装置の内縁部にあっても他の部分が内縁部から離れてしまう。このため円形状の溝とは別個に、隣接装置の内縁部を支持する領域に真空吸着孔を設け、その真空吸着孔と円形状の溝の底面部に設けた真空吸着孔を通じてシートを支持台に真空吸着するようにしてもよい。
またシートから分離する半導体装置を突き上げるとき、その半導体装置の部分でシートを支持台に吸着せず、隣接装置の内縁部を支持する領域に設けた真空吸着孔を通じてシートを真空吸着するようにしてもよい。
また上述の目的は、突き上げ部材のシートとの接触面の面積を半導体装置のシートとの接触面の5%から30%までの間にすることでも達成することができる。分離対象の半導体装置とあまり変わらない大きさの接触面を有する部材を用いると、その接触面で押えているためにその半導体装置の部分でシートが剥がれる量が限られてしまう。さらに隣接装置の部分までシートが支持台から離れてしまい易くなる。このため、分離対象の半導体装置の部分でシートが剥がれ難くなり、その半導体装置とシートの間の保持力を十分に弱めることができない。また突き上げ部材のシートとの接触面が小さいと、突き上げ時の半導体装置の姿勢が不安定になるとともに、突き上げ針を用いる場合のように半導体装置を損傷する危険性も増大する。上述のような突き上げ部材を用いれば、分離対象の半導体装置の部分でシートが多く剥がれ、また突き上げ時の半導体装置の姿勢が崩れず、半導体装置を損傷する危険性も抑えられる。従って、半導体装置をシートから安定して分離することができる。
このような突き上げ部材を用いて分離対象の半導体装置を突き上げるとともに、上述のように隣接装置の内縁部を支持する領域に設けた孔を通じてシートを支持台に真空吸着すれば、半導体装置をシートからさらに安定して分離することができる。
突き上げ部材は、例えば支持台の中央部に形成された貫通孔に往復動可能に挿嵌され、支持台が形成する面より突出する位置まで移動することで、シートを介して中央部の半導体装置を突き上げる。この突き上げにより、中央部の半導体装置の内縁部分でシートが剥がれ、その半導体装置をシートから分離し易くなる。方形状の真空吸着溝は、中央部の半導体装置に隣接する半導体装置の部分でシートが支持台から離れてしまうのを避けるため、隣接装置の中央部側の内縁部を支持する領域を通り、中央部の貫通孔を取り囲む形で支持台に形成する。
このような半導体装置の移送装置は、ダイボンディング装置で利用することができる。ダイボンディング装置に付随する装置で上述のような構成を採用すれば、安定して半導体装置をピックアップし、ダイボンディングのために中間位置決めテーブルへ移送することが可能となる。
また別の観点では、本発明は半導体装置の移送方法を提供する。この方法では、複数の半導体装置が貼り付けられたシートから分離する半導体装置に隣接する半導体装置の分離する半導体装置側の内縁の部分でシートを支持台に真空吸着し、支持台に吸着されているシートから分離する半導体装置を柱状の部材でシートを介して突き上げる。そして、突き上げられた半導体装置をシートとは反対側から保持したコレットをシートから離れる方向に移動させる。これによって、シートからその半導体装置を安定して分離する。
上述の構成を採用することにより、本発明では、薄型の半導体装置でもシートから安定して分離することができる。
(第1の実施形態) 以下、本発明の第1の実施形態に係る半導体チップの移送機構、方法について、図面を参照しながら説明する。図1はダイボンディング装置に付属した半導体チップ移送機構のうち、半導体チップの突き上げブロック部分を示す斜視図である。この図では、突き上げブロック1の形状を簡単に示すため、ダイシングテープ2を裁置する支持台を示していない。この突き上げブロック1は様々な支持台に対して利用可能である。
図1に示すように、ダイシングテープ2上には複数の半導体チップ3が配置されている。これらのチップ3はウエハに形成された状態から、前工程でのダイシングによって、個々のチップに切り分けられたものである。それらのチップ3は方形状であり、図の例ではその一辺が長さL1で、他辺が長さL2で与えられている。方形状のチップ3は、2次元状に縦横に規則正しく配列される。図1に示されているチップ3は一部であり、実際にはさらに多数のチップが配列される。
ダイシングテープ2は、可撓性樹脂などからなるシート状の部材で、例えば塩ビ系合成樹脂のように伸び性に富む素材でつくられている。複数の半導体チップ3はダイシングで切り離されてからもこのダイシングテープ2に貼り付けられている。その状態でダイシングテープ2は支持台に裁置され、図示しない真空源により支持台に真空吸着される。
突き上げブロック1は、ダイシングテープ2から半導体チップ3を一つずつ分離するために用いる柱状の外形を有する部材である。その分離のために、半導体チップ3を上方に突き上げる。この実施の形態では、突き上げブロック1は矩形の上面部1Aを有している。突き上げの際には、この上面部1Aがダイシングテープ2と接触する。ダイシングテープ2から分離するチップ3Sの中心とその上面部1Aの中心は、図示しない走査機構によって水平方向(矢印Y1方向)に正確に位置合わせされる。また突き上げのため、突き上げブロック1は上下方向(矢印Y2方向)へ往復動可能に支持台に設けられる。図2は突き上げブロックが半導体チップを突き上げる前後の状態を示す。
突き上げ前には図2Aに示すように、突き上げブロック1の上面部1Aがダイシングテープ2の下面とほぼ同じ高さに位置している。突き上げの際には突き上げブロック1が上向きに移動する。この移動で突き上げブロック1はダイシングテープ2を介してチップ3Sを突き上げる。
コレット4は、ダイシングテープ2とは反対側から、突き上げられたチップ3Sを真空吸着でピックアップする。コレット4はダイシングテープ2から離れる方向に移動して、保持したチップ3Sをダイシングテープ2から分離し、図示しないボンディングステージへそのチップ3Sを移載する。
突き上げの際、図2Bに示すようにそのチップ3Sの部分でダイシングテープ2が剥がれると、そのチップ3Sとダイシングテープ2との間の保持力が弱まる。その場合、コレット4は比較的容易にダイシングテープ2からそのチップ3Sを分離することができる。
この実施の形態における半導体チップの移送機構では、ダイシングテープ2からチップ3を安定して分離するため、チップ3の面積に対して一定の比率の面積を上面部1Aが有した突き上げブロック1を採用している。チップ3に対する突き上げ面の面積比は0.05〜0.3が好ましく、さらに好ましくはその面積比が0.08〜0.1である。面積比が0.05より小さくなると、突き上げブロック1でチップ3を突き上げたとき、そのチップ3を損傷する可能性が大きくなる。またチップ3の姿勢が不安定になりそのチップ3を水平に保つことが困難になる。このためそのチップ3が損傷しなかったとしても、コレット4で十分にチップ3を保持できず、そのチップ3をダイシングテープ2から安定して分離するのが困難になる。また面積比が0.3を超えた場合も、安定した分離が難しくなる。面積比が大きくなると、突き上げブロック1がダイシングテープ2を押える面積も増え、分離するチップ3の部分で剥がれる量が突き上げブロック1によって限られてしまう。また面積比が大きくなると、図3Aに示すように、ダイシングテープ2から分離するチップ3Sの部分だけでなく、そのチップ3Sに隣接するチップ3Aの部分でもダイシングテープ2が支持台から離れてしまい易くなる。隣接するチップ3Aの部分でもダインシングテープ2が支持台から離れてしまうと、チップ3Sの部分でダイシングテープ2が剥がれ難くなる。その結果、ダイシングテープ2とそのチップ3Sとの間の保持力は十分に弱まらず、コレット4で安定してそのチップ3Sをダイシングテープ2から分離するのが難しくなる。
ここでは図1に示すように、突き上げブロック1の上面部1Aの一辺が長さB1で他辺が長さB2で与えられている。長さL1と長さB1の関係は、L1=0.3×B1で、長さL2と長さB2の関係は、L2=0.3×B2で表される。すなわち、この実施の形態における半導体チップの移送機構では、チップ3に対する上面部1Aの面積比は0.09である。
面積比を0.09にすることで、チップ3の約90%の部分でダイシングテープ2を剥がすことができる。突き上げブロック1が上昇するに連れて、ダイシングテープ2の剥がれる部分がそのチップ3の縁部から中心部へ移っていく。図3Bに示すように、面積比を0.9にすることで上面部1Aからチップ3Sの外縁までの距離が大きくなり、そのチップ3Sに隣接するチップ3Aの部分でダイシングシート2が支持台から離れ難くなる。その分、チップ3Sの部分ではダイシングテープ2が剥がれ易くなり、最終的に約90%の部分でダイシングテープ2がそのチップ3Sから剥がれたときには、図3Aの場合よりもダイシングテープ2の剥がれた部分とチップ3Sとが形成する角度D1は大きくなる。
約90%の部分でダイシングテープ2がそのチップ3Sから剥がれることで、ダイシングテープ2とそのチップ3Sとの間の保持力も十分に弱まる。また約10%の部分でチップ3の傾きが妨げられるため、チップ3の姿勢は水平に保たれる。従って、安定した状態でコレットはチップ3をピックアップすることができる。
このように面積比を0.08〜0.1にすることにより、チップ3の損傷や姿勢の不安定化を招かない範囲で、突き上げたチップ3の部分でダイシングテープ2の剥がれる量を極大化することができる。
(第2の実施形態) 図4は本発明の第2実施の形態に係るダイボンディング装置に付随する半導体チップ移送機構において、チップ受け台を示す平面図であり、図5は図4のA−A’線で切断したときの移送機構の断面図である。
この実施の形態における半導体チップの移送機構において、支持台5には、ダイシングによって切り分けられた複数の半導体チップ3が貼り付けられたダイシングテープ2が裁置される。図4中ではそのうちのチップ3Sおよび3Aを示している。支持台5の中央部P0には上下方向に貫通孔A0が形成されており、その貫通孔A0には柱状の外形を有した突き上げブロック1が往復動可能に嵌挿されている。分離するチップ3Sの中心はこの支持台5の中央部P0に配置される。突き上げブロック1は、ダイシングテープ2を介して中央部P0の半導体チップ3Sを突き上げる。コレット4は突き上げブロック1と同様に上下方向移動可能であり、ダイシングテープ2とは反対側から中央部P0の半導体チップ3Sを保持し、そのチップ3Sをダイシングテープ2から分離する。
支持台5の上面には、図に示すように、四辺形の真空吸着溝6が形成されている。この真空吸着溝6は貫通孔A0を取り囲み、中央部P0の半導体チップ3Sに隣接するチップ3Aの中央部P0側の内縁部を支持する領域R1を通る。図4および図5の例では、真空吸着溝6の底面部61に4つの真空吸着孔7が形成されている。真空吸着孔7もその領域R1内に配置されている。真空吸着孔7は、支持台5の内室51に通じており、その内室51には真空源8が接続されている。
この実施の形態における半導体チップの移送機構では、真空吸着溝6の外側にもさらに大きな四辺形の真空吸着溝9が形成されている。こちらの真空吸着溝9は隣接チップ3Aの外側の周辺部を支持する領域を通る。その真空吸着溝9の底面部91にも、溝6と同様に4つの真空吸着孔10が形成されている。
支持台5に裁置されたダイシングテープ2は、これらの真空吸着孔7、10および溝6、9を通じて支持台5に真空吸着される。この例では中央部P0の半導体チップ3Sを支持する領域に真空吸着孔や溝を設けておらず、その領域では、ダイシングテープ2を真空吸着していない。
ダイシングテープ2が支持台5に真空吸着された状態で、図示しない駆動機構により、突き上げブロック1が貫通孔A0に沿って上昇する。これによって中央部P0の半導体チップ3Sは突き上げられる。突き上げられる高さは支持台5の裁置面101上から、例えば約0.5mmである。
分離する半導体チップ3Sに隣接するチップ3Aの中央部P0側の内縁部で少なくともダイシングテープ2が十分に吸着されていないと、図6に示すように、突き上げブロック1が上昇したとき、隣接するチップ3Aの部分までダイシングテープ2が支持台5から離れてしまう。隣接するチップ3Aの部分までダイシングテープ2が支持台5から離れてしまうと、突き上げたチップ3Sの部分でダイシングテープ2の剥がれる量が少なくなる。チップ3Sの部分でダイシングテープ2の剥がれる量が少なくなると、ダイシングテープ2とチップ3Sとの間の保持力が十分に弱まらない。このためコレット4がダイシングテープ2からチップ3Sを安定して分離することが難しくなる。
図5に示したような隣接チップ3Aの中央部P0側の内縁部を支持する領域R1を通る四辺形の溝6やその領域R1内に配置された真空吸着孔7は、隣接チップ3Aの部分でダイシングテープ2が剥がれてしまうのを抑える。溝6や孔7をその領域R1に配置することで、隣接チップ3Aの内縁の部分でダイシングテープ2をより確実に支持台5に吸着することが可能となる。さらにその溝6の形状を四辺形にすることで、その溝6は隣接チップ3Aの中央部P0側の辺に沿う。このため、その辺に渡って強い吸着力を確保することができ、隣接チップ3Aの部分までダイシングテープ2が浮き上がってしまうのをさらに確実に避けることができる。
隣接チップ3Aの部分までダイシングテープ2が支持台5から浮き上がってしまうのを避けることで、突き上げたチップ3Sの部分でダイシングテープ2がチップ3Sから剥がれ易くなる。それによって、ダイシングテープ2とチップ3Sとの間の保持力が弱くなるので、コレット4がダイシングテープ2からチップ3Sを安定して分離することが可能となる。
このように隣接チップ3Aの中央部P0側の内縁の部分でダイシングテープ2を確実に支持台5に吸着していれば、突き上げブロック1の上面部の面積比が0.3より多少大きくなっても、突き上げに伴ってダイシングテープ2をチップ3Sから剥がすことができる。
さらに図7に示すように、第2の実施の形態における半導体チップの移送機構において、第1の実施の形態で説明したような突き上げブロック1を用いるようにしてもよい。突き上げブロック1の上面部1Aの面積比を0.05〜0.3にすることで、隣接チップ3Aの部分でダイシングテープ2は浮き上がり難い。真空吸着のための溝6や孔7を領域R1に設けることで、ダイシングテープ2の浮き上がりがさらに確実に抑えられる。チップ3Sの部分では突き上げ時にダイシングテープ2の剥がれる量が増える。このためコレット4がダイシングテープ2からチップ3Sをさらに安定して分離することが可能となる。
また図8に示すように、領域R1を通る溝は設けずその領域R1に真空吸着孔7を設けるようにしてもよい。この例では、支持台5上には円形の真空吸着溝11が複数設けられている。各溝11の底面部には内室51につながる4つの真空吸着孔12がそれぞれ配置されており、これらの真空吸着溝11および真空吸着孔12を通じてもダイシングテープ2が支持台5に吸着される。
しかしながら、真空吸着溝が円形で領域R1からその溝11が外れていると、突き上げブロック1でチップ3Sを突き上げたときに、そのチップ3Sに隣接するチップ3Aの部分で十分な吸着力が得られず、図6の例と同様、突き上げによってチップ3Aの部分でもダイシングテープ2が支持台5から浮き上がってしまう。この場合でも、領域R1に真空吸着孔7を設け、その真空吸着孔7を通じてもダイシングテープ2を支持台5に真空吸着することで、突き上げによって隣接チップ3Aの部分でもダイシングテープ2が浮き上がるのを防止することができる。
このようにして一つのチップ3をダイシングテープ2からピックアップすると、次のチップ3について位置合わせが行われる。位置合わせがすめば、そのチップ3をダイシングテープ2からコレット4でピックアップする。これを繰り返すことで、複数のチップ3を順次ダイシングテープ2から分離する。
なお、上述の実施の形態では、突き上げる半導体チップ3Sに隣接するチップ3Aのチップ3S側の内縁部を支持する領域R1を支持台5に真空吸着していた。これにより、コレットによる安定した半導体チップのピックアップを実現しながら移送機構の構成を比較的簡素にできる。これに代えて、またはそれとともに、その領域R1の部分でテープまたは半導体チップをコレット4側から物理的に支持する機構を用いるようにしてもよい。その機構によって、チップ3Sの突き上げ時にチップ3Aの部分でもダイシングテープ2が浮き上がるのを防止する。例えばチップ3Sに隣接する領域にあったチップがすでにダイシングテープ2からピックアップされているような場合に、その領域については支持機構でダイシングテープ2の浮き上がりを防止するようにしてもよい。
本発明は、ボンディング装置に限らず半導体チップを保持し他の部分へ移送しようとする移送機構を有する装置に応用して有用である。
1 突き上げブロック
1A 突き上げブロックの上面部
2 ダイシングテープ
3 半導体チップ
3A 隣接するチップ
3S シートから分離するチップ
4 コレット
6、9 四辺形の真空吸着溝
7、10、12 真空吸着孔
8 真空源
11 円形の真空吸着溝
61、91 溝の底面部
R1 隣接チップの内縁部を支持する領域
1A 突き上げブロックの上面部
2 ダイシングテープ
3 半導体チップ
3A 隣接するチップ
3S シートから分離するチップ
4 コレット
6、9 四辺形の真空吸着溝
7、10、12 真空吸着孔
8 真空源
11 円形の真空吸着溝
61、91 溝の底面部
R1 隣接チップの内縁部を支持する領域
Claims (11)
- 半導体装置の移送装置であって、
複数の半導体装置が貼り付けられたシートを裁置する支持台と、
そのシートを支持台に真空吸着する手段と、
シートを介して支持台上の半導体装置を突き上げる柱状の部材と、
シートとは反対側で半導体装置を保持しながらシートから離れる方向に移動してシートからその半導体装置を分離するコレットとを備え、
前記支持台は、シートから分離する半導体装置に隣接する半導体装置の分離する半導体装置側の内縁部を支持する領域に真空吸着孔を有し、
前記真空吸着手段は、その真空吸着孔を通じてシートを支持台に吸着する
半導体装置の移送装置。 - 前記支持台は、前記領域を通る方形状の溝をシートの支持面に有し、
前記真空吸着孔は、前記方形状の溝の底面部に配置した請求項1記載の半導体装置の移送装置。 - 前記支持台は、円形状の溝をシートの支持面に有するとともに、前記円形状の溝の底面部にも真空吸着孔を有し、
前記真空吸着手段は、前記円形状の溝の孔および前記領域の孔を通じてシートを支持台に吸着する請求項1記載の半導体装置の移送装置。 - 前記真空吸着手段は、シートから分離する半導体装置を突き上げるとき、その半導体装置の部分でシートを支持台に吸着せず、前記真空吸着孔を通じてシートを支持台に吸着する請求項1記載の半導体装置の移送装置。
- 前記突き上げ部材は、半導体装置のシートとの接触面の5%から30%までの面積を有する面でシートと接触する請求項5記載の半導体装置の移送装置。
- 半導体装置の移送装置であって、
複数の半導体装置が貼り付けられたシートを裁置する支持台と、
そのシートを支持台に真空吸着する手段と、
シートを介して支持台上の半導体装置を突き上げる柱状の部材と、
シートとは反対側で半導体装置を保持しながらシートから離れる方向に移動してシートからその半導体装置を分離するコレットとを備え、
前記突き上げ部材は、半導体装置のシートとの接触面の5%から30%までの面積を有する面でシートと接触する
半導体装置の移送装置。 - 半導体装置の移送装置であって、
複数の半導体装置が貼り付けられたシートを裁置する支持台と、
そのシートを支持台に真空吸着する手段と、
シートを介して支持台上の半導体装置を突き上げる柱状の部材と、
シートとは反対側で半導体装置を保持しながらシートから離れる方向に移動してシートからその半導体装置を分離するコレットとを備え、
前記突き上げ部材は、半導体装置のシートとの接触面の5%から30%までの面積を有する面でシートと接触し、
前記支持台は、シートから分離する半導体装置に隣接する半導体装置の分離する半導体装置側の内縁部を支持する領域に真空吸着孔を有し、
前記真空吸着手段は、その真空吸着孔を通じてシートを支持台に吸着する
半導体装置の移送装置。 - 半導体装置の移送装置であって、
複数の半導体装置が貼り付けられたシートを裁置する支持台と、
支持台の中央部に形成された貫通孔に往復動可能に挿嵌され、シートを介して中央部の半導体装置を突き上げる柱状の部材と、
前記突き上げ部材と同じ方向に移動可能で、シートとは反対側で中央部の半導体装置を保持するコレットとを備え、
前記支持台は、中央部の半導体装置に隣接する半導体装置の中央部側の内縁部を支持する領域を通り、前記貫通孔を取り囲む方形状の真空吸着溝を有する
半導体装置の移送装置。 - 請求項8記載の半導体装置の移送装置を有したダイボンディング装置。
- 半導体装置の移送方法であって、
複数の半導体装置が貼り付けられたシートから分離する半導体装置に隣接する半導体装置の分離する半導体装置側の内縁の部分でシートを支持台に真空吸着するステップと、
支持台に吸着されているシートから分離する半導体装置を柱状の部材でシートを介して突き上げるステップと、
突き上げられた半導体装置をシートとは反対側から保持したコレットをシートから離れる方向に移動させて、シートからその半導体装置を分離するステップと、
を備えた半導体装置の移送方法。 - 前記突き上げるステップは、半導体装置のシートとの接触面の5%から30%までの面積を有した面でシートと接触する部材を用いて行う請求項10記載の半導体装置の移送方法。
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JP2004333302A Pending JP2006147705A (ja) | 2004-11-17 | 2004-11-17 | 半導体装置の移送装置および半導体装置の移送方法 |
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JP (1) | JP2006147705A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013193204A (ja) * | 2012-03-21 | 2013-09-30 | K & J:Kk | 半導体パッケージスリミング装置及び方法 |
CN112349642A (zh) * | 2019-08-07 | 2021-02-09 | 亿光电子(中国)有限公司 | 一种电子元件颗粒的剥离装置 |
CN113506764A (zh) * | 2021-06-30 | 2021-10-15 | 深圳市丰泰工业科技有限公司 | 晶片移动装置和固晶设备 |
CN113808987A (zh) * | 2020-06-15 | 2021-12-17 | 贤昇科技股份有限公司 | 转移设备及转移工件的方法 |
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2004
- 2004-11-17 JP JP2004333302A patent/JP2006147705A/ja active Pending
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JP2013193204A (ja) * | 2012-03-21 | 2013-09-30 | K & J:Kk | 半導体パッケージスリミング装置及び方法 |
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