JP2006143106A - 電動パワーステアリング装置の制御装置 - Google Patents

電動パワーステアリング装置の制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 操舵補助制御を継続可能な継続可能異常モードが発生した場合に、最適な条件で操舵補助制御を停止させる。
【解決手段】 モータ駆動系で異常が発生したときに、異常検出回路39でモータ電流検出回路38の異常による軽度の異常であるかモータ駆動回路37、電動モータ12の異常による重度の異常であるかを検出し、軽度の異常であるときに異常時操舵補助制御回路40でオープンループ制御回路30OLを選択して操舵補助制御を継続し、操舵補助力及び車速検出値に基づいて車両状態を検出し、これが停止許可領域であるときに操舵補助制御を停止する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、操舵系に対して操舵補助力を付与する電動機の操舵補助制御を行う電動パワーステアリング装置の制御装置に関する。
この種の電動パワーステアリング装置の制御装置として、例えば車輪速センサの異常のようにパワーステアリング装置に影響度小の故障が生じると一定のアシスト力によるパワーアシストを行い、トルクセンサのオフセットのようにパワーステアリング装置に影響度中の故障が生じるとアシスト力を漸次低減し、トルクセンサの断線のようにパワーステアリング装置に影響度大の故障が生じるとパワーステアリング装置を即座にマニュアルステアリング装置に切換えるようにして故障判定レベル値に応じて複数の故障対処モードより故障対処モードを選択するようにした車輛用操舵装置の故障診断処理装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、モータに電流を供給するための経路において接地ラインへの短絡が発生した地絡状態や電源ラインへの短絡が発生した天絡状態である致命的な故障であるときには電動モータによる操舵補助力の付与を直ちに停止させ、モータ駆動部における流入又は流出電流検出回路や正又は負端子電圧検出回路等が故障した致命的でない故障であるときにはオープンループ制御や操舵補助力を漸次的な低減を行う暫定制御を行うようにした電動パワーステアリング装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特許第3024434号公報(第5頁、図5) 特開2003−48560号公報(第5頁、第7頁、図3)
しかしながら、上記特許文献1及び2に記載の従来例にあっては、操舵補助制御系で発生する異常の状態に応じて軽度の異常が発生したときにはオープンループ制御等により操舵補助制御を継続し、重度の異常が発生したときには操舵補助制御を直ちに終了してマニュアルステアリング状態に移行させるようにしているが、軽度の異常が発生して暫定的に操舵補助制御を継続する場合には、この暫定的な操舵補助制御を永久的に継続することはできず、何れは暫定的な操舵補助制御を中止する必要があるが、この場合の操舵補助制御の中止条件については何ら考慮されていないという未解決の課題がある。
そこで、本発明は、上記従来例の未解決の課題に着目してなされたものであり、操舵補助制御を継続可能な継続可能異常モードが発生した場合に、最適な条件で操舵補助制御を停止させるようにした電動パワーステアリング装置の制御装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、請求項1に係る電動パワーステアリング装置の制御装置は、操舵系に対して操舵補助力を付与する電動機の操舵補助制御を行う操舵補助制御手段を備えた電動パワーステアリング装置の制御装置において、前記操舵補助制御手段は操舵状態を検出する操舵状態検出手段と、該操舵状態検出手段で検出した操舵状態に基づいて前記電動機を駆動制御する電動機制御手段と、前記操舵状態検出手段及び電動機制御手段の異常を検出する異常検出手段と、該異常検出手段で操舵状態検出手段及び電動機制御手段の何れかの異常を検出したときに、当該異常が操舵補助制御を継続可能な継続可能異常モードであるか操舵補助制御を継続不可能な継続不可能異常モードであるかを判定する異常モード判定手段と、該異常モード判定手段の判定結果が継続可能異常モードであるときに対応する操舵補助制御を継続する異常時操舵補助制御手段と、前記操舵補助制御の影響が少ない車両状態を検出する車両状態検出手段と、前記異常モード判定手段の判定結果が継続可能異常モードであるときに、前記車両状態検出手段で検出した車両状態が前記操舵補助制御の影響を受けない状態であるときに前記異常時操舵補助制御手段による操舵補助制御を停止させる作動停止制御手段とを備えたことを特徴としている。
また、請求項2に係る電動パワーステアリング装置の制御装置は、請求項1に係る発明において、前記車両状態検出手段は、車両の車速を検出する車速検出手段、前記操舵補助制御手段で算出する操舵補助力を検出する操舵補助力検出手段、車両の操舵角を検出する操舵角検出手段、車両の操舵角速度を検出する操舵角速度検出手段、車両の横加速度を検出する横加速度検出手段、車両の回頭状態を検出する回頭状態検出手段、車両前方の走行車線を検出する走行車線検出手段、車両の制動状態を検出する制動状態検出手段の何れか1つ又は複数で構成され、前記作動停止制御手段は、前記車両状態検出手段で検出した車両状態が前記操舵補助制御の影響が少ない継続可能異常モードの停止許可状態であるときに、継続可能異常モードでの操舵補助制御を停止させるように構成されていることを特徴としている。
さらに、請求項3に係る電動パワーステアリング装置の制御装置は、請求項1に係る発明において、前記車両状態検出手段は、車速を検出する車速検出手段で構成され、前記作動停止制御手段は、前記車速検出手段で検出した車速が所定車速以下となったときに、継続可能異常モードでの操舵補助制御を停止させるように構成されていることを特徴としている。
さらに、請求項4に係る電動パワーステアリング装置の制御装置は、請求項1に係る発明において、前記車両状態検出手段は、前記操舵補助制御手段で算出する操舵補助力を検出する操舵補助力検出手段で構成され、前記作動停止制御手段は、操舵補助力検出手段で検出した操舵補助力が所定操舵補助力以下であるときに、継続可能異常モードでの操舵補助制御を停止させるように構成されていることを特徴としている。
さらにまた、請求項5に係る電動パワーステアリング装置の制御装置は、請求項1に係る発明において、前記車両状態検出手段は、車速を検出する車速検出手段と前記操舵補助制御手段で算出する操舵補助力を検出する操舵補助力検出手段とで構成され、前記作動停止制御手段は、車速検出手段で検出した車速が所定車速以下であり、且つ操舵補助力検出手段で検出した操舵補助力が所定操舵補助力以下であるときに、継続可能異常モードでの操舵補助制御を停止させるように構成されていることを特徴としている。
なおさらに、請求項6に係る電動パワーステアリング装置の制御装置は、請求項1に係る発明において、前記車両状態検出手段は、車速を検出する車速検出手段と前記操舵補助制御手段で算出する操舵補助力を検出する操舵補助力検出手段とで構成され、前記作動停止制御手段は、車速検出手段で検出した車速と前記操舵補助力検出手段で検出した操舵補助力とを2次元座標で表したときに、車速と操舵補助力とで決定される座標が座標軸を漸近線とする双曲線と両座標軸とで囲まれる停止許可領域内であるときに、継続可能異常モードでの操舵補助制御を停止させるように構成されていることを特徴としている。
また、請求項7に係る電動パワーステアリング装置の制御装置は、請求項1に係る発明において、前記車両状態検出手段は、車速を検出する車速検出手段と前記操舵補助制御手段で算出する操舵補助力を検出する操舵補助力検出手段とで構成され、前記作動停止制御手段は、車速検出手段で検出した車速と前記操舵補助力検出手段で検出した操舵補助力とを2次元座標で表したときに、車速と操舵補助力とで決定される座標が、車速が所定車速である点と操舵補助力が所定操舵補助力である点とを結ぶ線と両座標軸とで囲まれる停止許可領域内であるときに、継続可能異常モードでの操舵補助制御を停止させるように構成されていることを特徴としている。
さらに、請求項8に係る電動パワーステアリング装置の制御装置は、請求項1に係る発明において、前記車両状態検出手段は、車両の横加速度を検出する横加速度検出手段で構成され、前記作動停止制御手段は、前記横加速度検出手段で検出した横加速度が所定値以下となったときに、継続可能異常モードでの操舵補助制御を停止させるように構成されていることを特徴としている。
さらにまた、請求項9に係る電動パワーステアリング装置の制御装置は、請求項1に係る発明において、前記車両状態検出手段は、車両前方の走行車線を検出する走行車線検出手段で構成され、前記作動停止制御手段は、前記走行車線検出手段で検出した車両前方の走行車線が直進路又は曲率が所定値以下の緩やかなカーブとなったときに、継続可能異常モードでの操舵補助制御を停止させるように構成されていることを特徴としている。
請求項1に係る発明によれば、異常検出手段で電動機制御手段のモータ電流検出回路の異常や代替えが可能なトルクセンサ等のセンサ異常等の操舵補助制御を継続できる継続可能異常モードが発生した場合に、異常時操舵補助制御手段によって対応する操舵補助制御を継続し、継続された操舵補助制御を作動停止手段で車両状態が操舵補助制御の影響が少ない状態であるときに停止させるので、不必要に暫定的な操舵補助制御を継続することを確実に防止することができるという効果が得られる。
また、請求項2に係る発明によれば、車速検出手段、操舵補助力検出手段、操舵角検出手段、横加速度検出手段等の1つ又は複数で構成される車両状態検出手段で、操舵補助制御の影響が少ない車両状態が検出されたときに、継続可能異常モードでの操舵補助制御を停止するので、中高速走行時、旋回半径の小さいカーブ等を走行している状態で継続可能異常モードが発生したときには異常時操舵補助制御手段で異常モードに対応する操舵補助制御を継続することにより、必要最低限の操舵補助制御を行い、低速走行状態、旋回半径の大きいカーブ又は直進路を走行する状態、車両前方の走行車線が直線又は旋回半径が所定値以上の緩やかなカーブであるときには操舵補助制御の影響を受けない走行状態であると判断して異常時操舵補助制御手段での操舵補助制御を停止することにより、運転者に違和感を与えることなく操舵補助制御を終了することができるという効果が得られる。
さらに、請求項3に係る発明によれば、車速検出手段で検出した車速が所定車速以下となったときに、継続可能異常モードでの操舵補助制御を停止するので、中高速走行時に異常が継続可能異常モードが発生したときには異常時操舵補助制御手段で異常モードに対応する操舵補助制御を継続することにより、必要最低限の操舵補助制御を行い、車速が所定車速以下の低車速領域となったときには異常時操舵補助制御手段での操舵補助制御を停止することにより、運転者に違和感を与えることなく操舵補助制御を終了することができるという効果が得られる。
さらにまた、請求項4に係る発明によれば、操舵補助力検出手段で検出した操舵補助力が所定操舵補助力以下となったときに、継続可能異常モードでの操舵補助制御を停止するので、カーブを走行している場合のように操舵補助力が大きい操舵補助制御中であるときには異常時操舵補助制御手段で異常モードに対応する操舵補助制御を継続することにより、必要最低限の操舵補助制御を行い、操舵補助力が所定操舵補助力以下となったときには異常時操舵補助制御手段での操舵補助制御を停止することにより、運転者の操舵状態に影響を与えることなく操舵補助制御を終了することができるという効果が得られる。
なおさらに、請求項5に係る発明は、車速が所定車速以下で且つ操舵制御力が所定操舵制御力以下であるときに異常時操舵制御手段による補助操舵処理を停止するようにしたので、低車速領域でも据え切り時のように大きな操舵力を必要とする場合には操舵補助制御を継続することができ、逆に操舵補助力が所定操舵補助力より小さい場合でも、車速が所定車速以上であるときには異常時操舵補助制御手段による操舵補助制御を継続するので、走行時に必要とする操舵補助力を発生させることができるという効果が得られる。
また、請求項6に係る発明によれば、上記請求項5に係る発明の効果に加えて、作動停止制御手段で、車速と操舵補助力とで決定される座標が直角双曲線と両座標軸とで囲まれる停止許可領域内であるときに異常時操舵制御手段による操舵補助制御を停止するので、双曲線の形状を選択することにより、車両のステアリング特性に応じた最適な停止距離可能領域を設定することができるという効果が得られる。
さらに、請求項7に係る発明によれば、前記請求項5に係る発明の効果に加えて、車速が所定車速である点と操舵補助力が所定操舵補助力である点とを結ぶ線と両座標軸とで囲まれる停止許可領域を設定するので、所定車速及び所定操舵補助力の値を変更することにより、車両のステアリング特性に応じた最適な停止距離可能領域を設定することができるという効果が得られる。
さらにまた、請求項8に係る発明によれば、車両状態検出手段を横加速度検出手段で構成したので、車両の旋回状態を正確に検出することができ、旋回半径が小さくても車速が遅いときや車速が速くても旋回半径が大きいときには、操舵補助制御の影響がないものと判断して、異常時操舵補助制御手段での操舵補助制御を停止することにより、運転者の操舵状態に影響を与えることなく操舵補助制御を終了することができるという効果が得られる。
なおさらに、請求項9に係る発明によれば、車両状態検出手段を車両前方の走行車線を検出する走行車線検出手段で構成したので、車両前方の走行車線の旋回半径が所定値以上であるか直進路であるときに、操舵補助制御の影響が少ないものと判断して、異常時操舵補助制御手段での操舵補助制御を停止することにより、運転者の操舵状態に影響を与えることなく操舵補助制御を終了することができるという効果が得られる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に一実施形態を示す概略構成図であって、図中、1は、ステアリングホイールであり、このステアリングホイール1に運転者から作用される操舵力が入力軸2aと出力軸2bとを有するステアリングシャフト2に伝達される。このステアリングシャフト2は、入力軸2aの一端がステアリングホイール1に連結され、他端はトルク検出手段としての操舵トルクセンサ3を介して出力軸2bの一端に連結されている。
そして、出力軸2bに伝達された操舵力は、ユニバーサルジョイント4を介してロアシャフト5に伝達され、さらに、ユニバーサルジョイント6を介してピニオンシャフト7に伝達される。このピニオンシャフト7に伝達された操舵力はステアリングギヤ8を介してタイロッド9に伝達され、図示しない転舵輪を転舵させる。ここで、ステアリングギヤ8は、ピニオンシャフト7に連結されたピニオン8aとこのピニオン8aに噛合するラック8bとを有するラックアンドピニオン形式に構成され、ピニオン8aに伝達された回転運動をラック8bで直進運動に変換している。
ステアリングシャフト2の出力軸2bには、補助操舵力を出力軸2bに伝達する減速ギヤ10が連結されており、この減速ギヤ10には、操舵系に対して補助操舵力を発生する電動モータ12の出力軸が連結されている。
操舵トルクセンサ3は、ステアリングホイール1に付与されて入力軸2aに伝達された操舵トルクを検出するもので、例えば、操舵トルクを入力軸2a及び出力軸2b間に介挿した図示しないトーションバーの捩れ角変位に変換し、この捩れ角変位をポテンショメータで検出するように構成されている。この操舵トルクセンサ3は、図2に示すように、入力される操舵トルクが零のときには、所定の中立電圧V0 となり、この状態から右切りすると、操舵トルクの増加に応じて中立電圧V0 より増加する電圧となり、操舵トルクが零の状態から左切りすると操舵トルクの増加に応じて中立電圧V0 より減少する電圧となるトルク検出値Tを出力するように構成されている。
この操舵トルクセンサ3から出力されるトルク検出値Tは、コントロールユニット13に入力される。このコントロールユニット13には、トルク検出値Tの他に車速センサ14で検出した車速検出値Vも入力されると共に、電動モータ12に流れるモータ電流検出値IMDを検出し、入力されるトルク検出値T及び車速検出値Vに応じた操舵補助力を電動モータ12で発生する操舵補助指令値IM *を算出し、算出した操舵補助指令値IM *とモータ電流検出値IMDとにより、電動モータ12に供給する駆動電流をフィードバック制御する。
コントロールユニット13は、図3に示すように、バッテリ15からイグニッションキースイッチ16を経て電力が供給されている。このコントロールユニット13は、操舵トルクセンサ3で検出された操舵トルクTと車速センサ14で検出された車速検出値Vとに基づいてアシスト指令値となる操舵補助指令値Iの演算を行ない、演算された操舵補助指令値Iに基づいて電動モータ12に供給する電流を制御する。
コントロールユニット13は主としてマイクロコンピュータで構成されるが、そのマイクロコンピュータを構成するCPUにおいてプログラムで実行される一般的な機能ブロックを示すと図のようになる。例えば位相補償器31は独立したハードウェアとしての位相補償器を示すものではなく、CPUで実行される位相補償機能を示している。尚、コントロールユニット13をマイクロコンピュータで構成せず、各機能要素を独立のハードウェアで構成することも可能である。
コントロールユニット13の機能及び動作を説明すると、操舵トルクセンサ3で検出されて入力される操舵トルクTは、操舵系の安定性を高めるために位相補償器31で位相補償され、位相補償された操舵トルクTAが操舵補助指令値演算器32に入力される。又、車速センサ14で検出された車速検出値Vも操舵補助指令値演算器32に入力される。操舵補助指令値演算器32は、入力された操舵トルクTA及び車速検出値Vに基づいて電動モータ12に供給する電流の制御目標値である操舵補助指令値Iを決定し、操舵補助指令値演算器32にはメモリ33が付設されている。このメモリ33は車速検出値Vをパラメータとして操舵トルクに対応する操舵補助指令値Iを表す制御マップを格納しており、操舵補助指令値演算器32による操舵補助指令値Iの演算に使用される。この操舵補助指令値演算器32で算出される操舵補助指令値Iは、フィードバック制御回路30FBとオープンループ制御回路30OLとを選択する切換スイッチ320に入力される。
フィードバック制御回路30FBは、切換スイッチ320から入力される操舵補助指令値Iが夫々入力される減算器30Aに入力されると共に、応答速度を高めるためのフィードフォワード系の微分補償器34に入力される。減算器30Aには後述するモータ電流検出回路38で検出したモータ電流iが入力され、操舵補助指令値Iからモータ電流値iを減算した偏差(I−i)が比例演算器35に入力され、その比例出力は加算器30Bに入力されると共にフィードバック系の特性を改善するための積分補償器36に入力される。微分補償器34及び積分補償器36の出力も加算器30Bに加算入力され、加算器30Bでの加算結果である電流制御値EFBが、モータ駆動信号としてモータ駆動回路37に入力される。電動モータ12のモータ電流値iはモータ電流検出回路38で検出され、モータ電流値iは減算器30Aに入力される。
オープンループ制御回路30OLは、図に示すように、電動モータ12の内部抵抗をRm、インダクタンスをLmとしたとき、Lm・S+Rmとなる伝達関数で表されるモータモデルを使用して比例制御演算を行って電流制御値EOLを算出するように構成され、このオープンループ制御回路30OLから出力される電流制御値EOLがモータ駆動回路37に供給される。
モータ駆動回路37の構成例を図に示して説明すると、モータ駆動回路37は加算器30Bからの電流制御値Eに基づいて電界効果トランジスタ(FET)FET1〜FET4の各ゲートを駆動するFETゲート駆動回路371、FET1〜FET4で成るHブリッジ回路、FET1及びFET2のハイサイド側を駆動する昇圧電源372等で構成されている。FET1及びFET2は、電流制御値Eに基づいて決定されるデューティ比D1のPWM(パルス幅変調)信号によってON/OFFされ、実際にモータに流れる電流Irの大きさが制御される。FET3及びFET4は、デューティ比D1の小さい領域では所定1次関数式(a,bを定数としてD2=a・D1+b)で定義されるデューティ比D2のPWM信号で駆動され、デューティ比D1の大きい領域ではPWM信号の符号により決定されるモータの回転方向に応じてON/OFFされる。例えばFET3が導通状態にあるときは、電流はFET1、電動モータ12、FET3、抵抗R1を経て流れ、電動モータ12に正方向の電流が流れる。また、FET4が導通状態にあるときは、電流はFET2、電動モータ12、FET4、抵抗R2を経て流れ、電動モータ12に負方向の電流が流れる。従って、加算器30Bからの電流制御値EもPWM出力となっている。
さらに、モータ電流検出回路38は抵抗R1の両端における電圧降下に基づいて正方向電流の大きさを検出すると共に、抵抗R2の両端における電圧降下に基いて負方向の電流の大きさを検出する。モータ電流検出回路38で検出されたモータ電流値iは、減算器30Aに入力されてフィードバックされる。電動モータ12には一方の入力側が抵抗R3及びダイオードD1を介して電源Vigが接続されると共に、他方の入力側が抵抗R4を経て接地されている。抵抗R3,R4は電動モータ12の端子間抵抗Rmに比べ非常に大きな値に設定されており、電動モータ12の入力側端子とダイオードD1との接続点からモータ端子電圧Vmが得られる。
そして、モータ電流検出回路38で検出されたモータ電流値i及び図4の電動モータ12及びダイオードD1間で検出されるモータ端子電圧Vmが異常検出手段としての異常検出回路39に入力されている。この異常検出回路39には、バッテリ15からのバッテリ電圧Vbが入力されていると共に、イグニッションキースイッチ16のイグニッションスイッチ信号IGも入力され、これらに基づいて図5に示す異常検出処理を実行して、軽度の異常及び重度の異常を検出する。この異常検出処理は、先ず、ステップS1で、モータ電流検出回路38で検出したモータ電流検出値imを読込み、次いでステップS2に移行して、読込んだモータ電流検出値imに対して伝達関数がT1 ・s/(T1 ・s+1)で表されるハイパスフィルタ処理を行って、低周波数成分を除去したモータ電流検出値im′を算出してからステップS3に移行する。
このステップS3では、モータ駆動回路37のFETゲート駆動回路371で算出されたデューティ比Dを読込み、次いでステップS4に移行して、読込んだデューティ比Dに基づいて下記(1)式の演算を行って理論電流値iaを算出する。
ia=(Vb・D−KT ・ω)/(L*・s+R*) …………(1)
ここで、Vbはバッテリ電圧、L*は数学モデルにおけるモータインダクタンス、R*は数学モデルにおけるモータ内部抵抗、sはラプラス演算子、KT は係数、ωがモータ角速度であり、KT ・ωはモータ逆起電力を表す。
次いで、ステップS5に移行して、算出した理論電流値iaに対してT1 ・s/(T1 ・s+1)で表されるハイパスフィルタ処理を行って、低周波数成分を除去した理論電流値ia′を算出し、次いでステップS6に移行して、理論電流値ia′からモータ電流値im′を減算して偏差電流ieを算出する。
次いで、ステップS7に移行して、算出した偏差電流ieに振動成分が含まれているか否かを判定し、振動成分が含まれていないときにはモータ駆動系が正常であると判断してステップS8に移行し、操舵トルクセンサ3から出力される操舵トルクTを読込み、次いでステップS9に移行して、操舵トルクTが正常範囲内であるか否かを判定し、正常範囲内であるときには操舵制御系が正常であるものと判断してステップS10に移行し、異常判定フラグFAを“0”に設定してから前記ステップS1に戻り、ステップS9の判定結果が操舵トルクTが正常範囲外であるときには操舵トルクセンサ3に異常が発生している重度の異常であると判断してステップS11に移行し、異常判定フラグFAを重度の異常を表す“2”に設定し、次いでステップS12に移行して、運転席近傍に配設したフェールランプを点灯してから処理を終了する。
また、前記ステップS7の判定結果が、偏差電流ieに該振動成分が含まれているときにはモータ駆動系が異常であると判断してステップS13に移行し、運転席近傍に配設したフェールランプを点灯してからステップS14に移行する。
このステップS14では、FETゲート駆動回路371に対してFET1〜FET4に対する制御信号を全てOFFとして、FET1〜FET4をOFF状態とし、次いでステップS16に移行して、モータ端子電圧Vmを読込み、次いでステップS16に移行して、モータ端子電圧Vmが“0”であるか否かを判定し、Vm>0であるときには、モータ駆動回路37及び又は電動モータ12に地絡が発生している重度の異常であると判断してステップS18に移行し、異常判定フラグFAを重度の異常を表す“2”に設定してから処理を終了する。
また、前記ステップS16の判定結果が、Vm=0であるときには、モータ駆動回路37及び電動モータ12を含むモータ駆動系が正常であり、モータ電流検出回路38が異常となっている軽度の異常であると判断してステップS18に移行し、異常判定フラグFAを軽度の異常即ち継続可能異常モードを表す“1”に設定してから前記ステップS1に戻る。
この図5の処理において、ステップS16〜S18の処理が異常モード判定手段に対応している。
そして、異常検出回路39から出力される異常判定フラグFAが異常時操舵補助制御手段としての異常時操舵補助制御回路40へ供給される。この異常時操舵補助制御回路40は、異常検出回路39から入力される異常判定フラグFAが“0”である正常時には、切換スイッチ320をフィードバック制御回路30FB側に切換える論理値“0”の切換信号を切換スイッチ320に出力し、異常判定フラグFAが“1”である軽度の異常時には切換スイッチ320をオープンループ制御回路30OL側に切換える論理値“1”の切換信号を切換スイッチ320に出力し、異常判定フラグFAが“2”である重度の異常時には、モータ駆動回路37に供給するバッテリ電力を遮断する遮断スイッチ41をオフ状態としてモータ駆動回路37への電源供給を停止して電動モータ12を停止させる。
また、前述した異常検出回路39から出力される異常判定フラグFAが作動停止制御手段としての作動停止制御回路42にも供給されている。この作動停止制御回路42には、操舵補助指令値演算器32で演算される操舵補助指令値Iと車速センサ14で検出した車速検出値Vとがさらに入力され、異常判定フラグFAが“1”となる軽度の異常であるときに、操舵補助指令値Iと車速検出値Vとに基づいて車両状態を検出し、検出した車両状態が作動停止条件を満足するときに、操舵補助指令値演算器32に対して現在の操舵補助指令値Iを徐々に減少させる操舵補助指令値漸減指令を出力し、作動停止条件を満足する状態から満足しない状態となったときに操舵補助指令値演算器32に対して操舵補助指令値Iを“0”から操舵トルクTに基づいて算出される操舵補助指令値I(n)まで徐々に増加させる操舵補助指令値漸増指令を出力する。
ここで、作動停止制御回路42は、図6に示す作動停止処理を実行する。この作動停止処理は、先ず、ステップS41で、異常検出回路39から入力される異常判定フラグFAを読込み、次いでステップS42に移行して、読込んだ異常判定フラグFAが軽度の異常を表す“1”であるか否かを判定し、正常を表す“0”又は重度の異常を表す“2”であるときには前記ステップS41に戻り、軽度の異常を表す“1”であるときにはステップS43に移行する。
このステップS43では、操舵補助指令値演算器32で演算された操舵補助指令値I及び車速センサ14で検出した車速検出値Vを読込み、次いでステップS44に移行して、操舵補助指令値I及び車速検出値Vをもとに図7に示す停止管理用制御マップを参照して操舵補助制御を停止可能な停止許可領域内であるか否かを判定する。
ここで、停止管理用制御マップは、図7に示すように、横軸に車速検出値Vを取り、縦軸に操舵補助指令値Iを取り、車速検出値Vが低速領域と中速領域との境界値となる所定設定値Vs以下で、且つ操舵補助指令値Iが所定設定値Is以下となるハッチング図示の停止許可領域SAが設定された構成を有する。
そして、ステップS44の判定結果が、車速検出値V及び操舵補助指令値Iで決定される座標が停止管理用制御マップの停止許可領域外であるときには、ステップS45に移行して、前回の処理時に停止許可領域であったか否かを判定し、前回停止許可領域であったときにはステップS46に移行して、操舵補助指令値演算器32に対して操舵補助指令値Iを“0”から操舵トルクTに基づいて算出される操舵補助指令値I(n)まで徐々に増加させる操舵補助指令値漸増指令を出力してから前記ステップS41に戻り、前回停止許可領域外であるときにはそのまま処理を終了して前記ステップS41に戻り、停止許可領域内であるときにはステップS47に移行して、操舵補助指令値演算器32に対して操舵補助指令値漸減指令を出力してから前記ステップS41に戻る。
この図6の処理において、ステップS43の処理と車速センサ14とが車速検出手段に対応し、ステップS43の処理と操舵補助指令値演算器32とが操舵補助力検出手段に対応し、ステップS44〜S47の処理が作動停止制御手段に対応している。
次に、上記実施形態の動作を説明する。
今、車両が停車していて、イグニッションキースイッチ16がオン状態となってコントロールユニット13へバッテリ電力が入力され、これに応じてコントロールユニット13を構成する各回路が動作状態となっており、電動モータ12は停止状態となっているものとし,さらに操舵トルクセンサ3、電動モータ12、モータ駆動回路37及びモータ電流検出回路38が正常であるものとする。
この正常状態では、異常検出回路39から“0”の異常判定フラグFAが異常時操舵補助制御回路40に出力されるので、この異常時操舵補助制御回路40では、切換スイッチ320をフィードバック制御回路30FB側とすると共に、モータ駆動回路37へバッテリ電力を供給する遮断スイッチ41をオン状態としてモータ駆動回路37へのバッテリ電力の供給状態としている。
この停車状態で、ステアリングホイール1が非操舵状態にあるときには、操舵トルクセンサ3で検出される操舵トルクTが“0”であると共に、車速センサ14で検出される車速検出値Vも“0”であるので、切換スイッチ320がフィードバック制御回路30FB側に切換えられていても、操舵補助指令値演算器32で算出される操舵補助指令値Iが“0”となる。このとき、電動モータ12が停止しているので、モータ電流検出値iも“0”であるので、加算器30Bから出力される電流値Eも“0”となり、これがモータ駆動回路37に供給されて、FETゲート駆動回路371から出力されるデューティ比Dが0%、制御信号CSもオフ状態となり、Hブリッジ回路を構成するFET1〜4が全てオフ状態となって、電動モータ12にモータ電流が供給されない状態となって、電動モータ12が停止状態を継続して操舵補助停止を維持する。
この操舵補助停止状態から、運転者がステアリングホイール1を左又は右に操舵して所謂据え切り状態とすると、これに応じて操舵トルクセンサ3からステアリングホイール1に伝達された操舵トルクTを表す検出信号が位相補償器31で位相補償されて操舵補助指令値演算器32に供給される。このため、操舵補助指令値演算器32で、そのときの車速センサ14で検出される“0”の車速検出値Vと操舵トルクTとに基づいて操舵補助指令値Iを算出する操舵補助電流値算出マップを参照して操舵補助指令値Iを算出し、これを切換スイッチ320を介してフィードバック制御回路30FBに供給することにより、このフィードバック制御回路30FBから操舵補助指令値Iとモータ電流検出回路38で検出した“0”のモータ電流検出値iとの偏差を比例及び積分補償した値と操舵補助指令値Iを微分補償した値とを加算器30Bで加算して電流値Eを算出し、この電流値をモータ駆動回路37へ供給する。このため、モータ駆動回路37のFETゲート駆動回路371で、入力電流値Eに対応するデューティ比Dが算出されると共に、電流値Eの符号に基づいてデューティ比D及びオン状態の制御信号CSをFET1,FET2の何れか及びFET3,FET4の何れかに出力するかを決定し、決定されたFET1(又はFET2)及びFET3(又はFET4)にデューティ比D及び制御信号を出力することにより、電動モータ12をステアリングホイール1の操舵方向に操舵トルクTに対応した操舵補助力を発生するように駆動制御する。このため、電動モータ12で発生された操舵補助力が減速ギヤ10を介してステアリングシャフト2の出力軸2bへ伝達されて、軽い操舵を行うことができる。
また、車両を走行状態とした場合には、そのときの車速検出値Vと操舵トルクTとに応じて操舵補助指令値演算器32でステアリングホイール1に伝達された操舵トルクに最適な操舵補助力を発生する操舵補助電流指令値Iを算出し、これによってフィードバック制御回路30FBでフィードバック制御処理を行って、モータ駆動回路37で電動モータ12を回転駆動することにより、走行状態に応じた最適な操舵補助力を発生する。
そして、例えば車両が中速以上の車速検出値Vでカーブを走行しており、このときのステアリングホイール1に伝達される操舵トルクに応じた操舵補助力を発生するように電動モータ12が補助操舵力を発生している状態で、モータ電流検出回路38に例えば短絡による異常が発生した場合には、モータ電流検出回路38から出力されるモータ電流検出値imが“0”となり、これがフィードバック制御回路30FBの減算器30A及び異常検出回路39へ供給される。このため、異常検出回路39で、そのときのモータ駆動回路37におけるFETゲート駆動回路371で算出されるデューティ比Dに基づいて前記(1)に従って算出される理論電流値iaに対してモータ電流検出値imが小さくなると共に、偏差電流ieが理論電流値iaとなって正の振動する値となるので、モータ駆動系の異常が検出される。このとき、異常検出回路39でモータ駆動回路37の各FET1〜4をオフ状態に制御して、モータ端子電圧Vmを読込むことにより、電動モータ12やモータ駆動回路37に地絡が発生していない状態では、モータ端子電圧Vmが“0”となることにより、モータ駆動回路37及び電動モータ12を含むモータ駆動系の異常ではなく、モータ電流検出回路38の異常であることが検出され、これによって軽度の異常即ち継続可能異常モードであると判断されて異常判定フラグFAが“1”に設定されると共に、フェールランプが点灯されて運転者に操舵系に異常が発生したことを報知する。
この異常判定フラグFAが異常時操舵補助制御回路40に供給されるので、この異常時操舵補助制御回路40で、切換スイッチ320をオープンループ制御回路30OL側に切換える論理値“1”の切換信号を出力することにより、切換スイッチ320がフィードバック制御回路30FB側からオープンループ制御回路30OL側に切換えられる。このため、操舵補助指令値演算器32で算出された操舵補助指令値Iが切換スイッチ320を介してオープンループ制御回路30OLに供給されるので、このオープンループ制御回路30OLで所定のオープンループ制御処理が行われて電流値Eがモータ駆動回路37へ出力される。このため、モータ駆動回路37でオープンループ制御回路30OLからの電流値Eに基づいてデューティ比D及び制御信号CSがFET1(又はFET2)及びFET3(又はFET4)に供給されて、電動モータ12にモータ電流が供給されて、この電動モータ12で応答特性は低下するがカーブ走行時の操舵トルクに応じた操舵補助力を発生する操舵補助制御を継続することができる。
このオープンループ制御回路30OLによって電動モータ12を制御する軽度の異常状態で、カーブの走行状態から直進走行状態に移行することにより、ステアリングホイール1に伝達される運転者からの操舵トルクが減少し、操舵補助指令値演算器32で算出される操舵補助指令値Iが所定設定値Is以下となると、作動停止制御回路42で、操舵補助制御の影響が少ない走行状態であると判断して、操舵補助指令値演算器32に対して操舵補助電流値減少指令を出力する。これによって、オープンループ制御回路30OLに供給される電流指令値Iが徐々減少されるので、このオープンループ制御回路30OLから出力される電流値Eも徐々に“0”に近づき、モータ駆動回路37におけるFETゲート駆動回路371から出力されるデューティ比Dが徐々に減少されて終いには“0”%となると共に制御信号CSがオフ状態となるので、電動モータ12に供給されるモータ電流が徐々に減少されて電動モータ12が徐々に減速されて停止されて、マニュアル操舵状態に切換わる。
その後、再度カーブを走行する状態となって、運転者がステアリングホイール1を操舵して操舵トルクセンサ3で検出される操舵トルクTが増加する状態となると、異常時操舵補助制御回路40から操舵補助指令値演算器32に対して操舵補助指令値漸増指令が出力され、これに応じて操舵補助指令値Iが“0”から徐々に増加されて算出した操舵補助指令値Iに達すると以後操舵補助指令値Iが出力される。この操舵補助指令値Iが切換スイッチ320を介してオープンループ制御回路30OLに供給されるので、前述した電動モータ12のオープンループ制御が開始される。
また、軽度の異常が発生していて電動モータ12で操舵補助力を発生している操舵継続状態で、車両が停止しようとして減速することにより、車速検出値Vが設定値Vs以下となると、前述した操舵補助指令値Iが所定設定値Is以下に低下した場合と同様に、作動停止制御回路42から操舵補助指令値漸減指令が操舵補助指令値演算器32に出力され、これに応じて操舵補助指令値Iが徐々に減少されて電動モータ12で発生する操舵補助力が徐々に減少して終いには電動モータ12が停止される。
さらに、モータ駆動回路37又は電動モータ12の巻線に地絡による重度の異常が発生したときには、前述した軽度の異常の場合と同様に、異常検出回路39で理想電流iaに対してモータ電流検出値imが減少することにより、偏差電流ieが正方向に増加して振動することになり、モータ駆動系の異常を検出することができる。この場合には、モータ駆動回路37の短絡又は電動モータ12の巻線に地絡が発生しているので、モータ駆動回路37のFET1〜4を全てオフ状態としたときに、抵抗R3、ダイオードD1を通じ地絡抵抗を通じて電流が流れることにより、モータ端子電圧Vmが“0”より増加することになり、モータ駆動回路37又は電動モータ12の地絡による重度の異常であることが検出され、これに応じて異常判定フラグFAが“2”に設定されると共に、モータ駆動回路37に供給されるバッテリ電力が遮断スイッチ41によって遮断される。このため、操舵補助制御状態から直ちにマニュアル操舵状態に移行する。
このように、上記第1の実施形態によると、モータ電流検出回路38の異常のような操舵補助制御を継続可能な軽度の異常が発生した場合に、オープンループ制御に切換えて操舵補助制御を継続することにより、特性は劣るが補助操舵状態を確保することができ、大型車両での旋回走行時に必要な操舵補助力を得ることができる。この補助操舵継続状態で、操舵補助指令値Iが設定値Is以下で且つ車速検出値Vが設定値Vs以下である操舵補助制御の影響が少ない停止許可領域となったときに、操舵補助制御を停止してマニュアル操舵状態とするようにしたので、操舵補助制御が継続されて、運転者が異常の発生を感知できない状態が継続することを防止して、運転者に異常の発生を感覚的に感知させることができる。
なお、上記第1の実施形態においては、操舵補助制御の影響が少ない車両状態を車速検出値と操舵補助指令値とに基づいて検出する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、電動モータ12で発生する操舵補助力に対応するデューティ比D、操舵補助指令値I等を適用するようにしてもよい。
なお、上記実施形態においては、操舵補助指令値演算器32で操舵補助指令値Iを漸減する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、モータ駆動回路37におけるFETゲート駆動回路371でデューティ比Dを徐々に減少させることにより電動モータ12に供給するモータ電流を漸減させるようにしてもよい。
また、上記第1の実施形態においては、作動停止制御回路42で図に示す停止管理制御マップを参照して継続操舵補助制御の停止を管理する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、車速検出値Vが所定設定値Vs以下となったとき又は操舵補助指令値Iが所定設定値Is以下となったときに操舵補助の影響が少ないものと判断して継続操舵補助制御を停止するようにしてもよい。また、停止管理制御マップで設定する停止許可領域としては、図に示す場合に限らず、図でハッチング図示のように、座標軸を漸近線とする双曲線L1と両座標軸とで囲まれる停止許可領域や、図でハッチング図示のように、車速が所定車速である点と操舵補助力が所定操舵補助力である点とを結ぶ直線L2と両座標軸とで囲まれる停止許可領域を設定するようにしてもよく、これらを車両の転舵特性に応じて選択すればよい。
次に、本発明の第2の実施形態を図10〜図12について説明する。
この第2の実施形態では、オープンループ制御を停止させる車両状態即ち操舵補助制御の影響が少ない車両状態を、車速検出値V及び操舵補助指令値Iに基づいて検出する場合に代えて、車両の横加速度に基づいて検出するようにしたものである。
すなわち、第2の実施形態では、図10及び図11に示すように、車両に生じる横加速度を検出する横加速度検出手段としての横加速度センサ51が設けられ、この横加速度センサ51で検出した横加速度YGがコントロールユニット13内の作動停止制御回路42に供給されている。
作動停止制御回路42では、前述した第1の実施形態における図6の作動停止処理に対応する図12に示す作動停止処理を実行する。
この作動停止処理は、前述した図6の処理におけるステップS43〜S46の処理が省略され、これらに代えて、ステップS42の判定結果が以上判定フラグFAが軽度の異常を表す“1”であるときにステップS51に移行して、横加速度センサ51で検出した横加速度YGを読込み、次いでステップS52に移行して、読込んだ横加速度YGが予め設定された操舵補助制御の影響が少ない走行状態即ち曲率が小さいカーブ又は直進路を走行する場合に相当する所定値YGs以下であるか否かを判定し、YG>YGsであるときにはステップS53に移行して、前回の処理時にYG(n-1)≦YGsであったか否かを判定し、YG(n-1)>YGsであるときには前記ステップS41に戻り、YG(n-1)≦YGsであるときには前記ステップS46に移行して、操舵補助指令値演算器32に対して操舵補助指令値Iを“0”から操舵トルクTに基づいて算出される操舵補助指令値I(n)まで徐々に増加させる操舵補助指令値漸増指令を出力してから前記ステップS41に戻り、前記ステップS44の判定結果がYG≦YGsであるときには前記ステップS47に移行して操舵補助指令値演算器32に対して操舵補助指令値漸減指令を出力してから前記ステップS41に戻るように構成されていることを除いては図6と同様の処理を行い、図6との対応処理には同一ステップ番号を付し、その詳細説明はこれを省略する。
この第2の実施形態によると、車両がカーブを横加速度YGが所定値YGsを超える操舵補助制御が操舵に影響を与える状態で走行しており、このときのステアリングホイール1に伝達される操舵トルクに応じた操舵補助力を発生するように電動モータ12が補助操舵力を発生している状態で、モータ電流検出回路38に例えば短絡による異常が発生した場合には、モータ電流検出回路38から出力されるモータ電流検出値imが“0”となり、前述した第1の実施形態と同様に、異常検出回路39でモータ電流検出回路38の異常であることが検出され、これによって軽度の異常即ち継続可能異常モードであると判断されて異常判定フラグFAが“1”に設定されると共に、フェールランプが点灯されて運転者に操舵系に異常が発生したことを報知する。
この異常判定フラグFAが異常時操舵補助制御回路40に供給されるので、切換スイッチ320をオープンループ制御回路30OLに切換えて、電動モータ12がオープンループ制御され、応答特性は低下するがカーブ走行時の操舵トルクに応じた操舵補助力を発生する操舵補助制御を継続することができる。
このとき、作動停止制御回路42では、図12の処理において、横加速度センサ51で検出した横加速度YGが所定値YGsより大きいので、ステップS52を経てステップS53に移行し、前回YG(n-1)が所定値YGsより大きいため、そのままステップS41に戻ることになり、操舵補助指令値演算器32に対して操舵補助指令値漸減指令が出力されることはなく、オープンループ制御が継続される。
その後、軽度の異常状態を継続している状態で、カーブの曲率が小さくなるか及び又は車速が低下することにより、横加速度YGが所定値YGs以下となると、図12の作動停止制御処理において、操舵補助制御の影響が少ない走行状態であると判断して、ステップS52からステップS47に移行して、前述した第1の実施形態と同様に操舵補助指令値演算器32に対して操舵補助指令値漸減指令が出力されてこの操舵補助指令値演算器32からオープンループ制御回路30OLに供給される電流指令値Iが徐々に減少され、これに応じて電動モータ12に供給されるモータ電流が徐々に減少されて終いには電動モータ12が停止される。
その後、再度カーブを走行する状態となって、横加速度YGが所定値YGsを超える状態となると、図12の作動停止制御処理で、ステップS52からステップS53に移行し、前回の横加速度YG(n-1)が所定値YGs以下であったので、ステップS46に移行して、操舵補助指令値演算器32に対して操舵補助指令値漸増指令を出力し、この操舵補助指令値演算器32で操舵補助指令値Iを徐々に操舵トルクセンサ3で検出される操舵トルクに基づいて算出される操舵補助指令値Iまで増加させる。これによって、再度オープンループ制御回路30OLによるオープンループ制御が開始される。
このように、上記第2の実施形態においても、上記第1の実施形態と同様に、車両の走行状態を横加速度YGに基づいて判断し、操舵補助制御の影響が少ない走行状態となったときに作動停止制御回路42で、オープンループ制御回路30OLによる電動モータ12のオープンループ制御を停止させるので、軽度の異常発生時に操舵補助制御が継続されて、運転者が異常の発生を感知できない状態が継続することを防止して、運転者に異常の発生を感覚的に感知させることができる。しかも、車両状態検出手段を横加速度センサ51で構成したので、車両の旋回状態を正確に検出することができ、旋回半径が小さくても車速が遅いときや車速が速くても旋回半径が大きいときには、操舵補助制御の影響がないものと判断して、異常時操舵補助制御手段での操舵補助制御を停止することにより、運転者の操舵状態に影響を与えることなく操舵補助制御を終了することができる。
次に、本発明の第3の実施形態を図13〜図15について説明する。
この第3の実施形態では、オープンループ制御を停止させる車両状態即ち操舵補助制御の影響が少ない車両状態を、車両前方の走行車線の状態に基づいて検出するようにしたものである。
すなわち、第3の実施形態では、図13及び図14に示すように、前述した第2の実施形態における横加速度センサ51が省略され、これに代えて、車両の前方に設けた道路白線を画像情報として捉える単眼カメラ61を配置し、この単眼カメラ61から出力される画像情報を走行車線の曲率ρを演算する車線曲率演算部62に供給して、この車線曲率演算部62で演算された車両前方の車線曲率ρを作動停止制御回路42に供給するように構成されている。
そして、作動停止制御回路42で、図15に示す作動停止制御処理が実行される。この作動停止制御処理は、前述した第2の実施形態における図12の処理において、ステップS51の処理が車線曲率演算部62から出力される車線曲率ρを読込むステップS61に変更され、ステップS52の処理が読込んだ車線曲率ρが操舵補助制御が影響を与えない程度の小さい車線曲率に設定された所定値ρs以下であるか否かを判定するステップS62に変更され、ステップS53の処理が前回の車線曲率ρ(n-1)が所定値ρs以下であるか否かを判定するステップS63に変更されていることを除いては図12と同様の処理を行い、図12との対応処理には同一ステップ番号を付し、その詳細説明はこれを省略する。
この第3の実施形態によれば、車両が、操舵補助制御が操舵に影響を与える所定値ρsより大きな車線曲率ρのカーブを走行しており、このときのステアリングホイール1に伝達される操舵トルクに応じた操舵補助力を発生するように電動モータ12が補助操舵力を発生している状態で、モータ電流検出回路38に例えば短絡による異常が発生した場合には、モータ電流検出回路38から出力されるモータ電流検出値imが“0”となり、前述した第1及び第2の実施形態と同様に、異常検出回路39でモータ電流検出回路38の異常であることが検出され、これによって軽度の異常即ち継続可能異常モードであると判断されて異常判定フラグFAが“1”に設定されると共に、フェールランプが点灯されて運転者に操舵系に異常が発生したことを報知する。
この異常判定フラグFAが異常時操舵補助制御回路40に供給されるので、切換スイッチ320をオープンループ制御回路30OLに切換えて、電動モータ12がオープンループ制御され、応答特性は低下するがカーブ走行時の操舵トルクに応じた操舵補助力を発生する操舵補助制御を継続することができる。
このとき、作動停止制御回路42では、図12の処理において、車線曲率演算部62で算出した路面曲率ρが所定値ρsより大きいので、ステップS62を経てステップS63に移行し、前回ρ(n-1)が所定値ρより大きいため、そのままステップS41に戻ることになり、操舵補助指令値演算器32に対して操舵補助指令値漸減指令が出力されることはなく、オープンループ制御が継続される。
その後、軽度の異常状態を継続している状態で、車両前方の車線曲率ρが小さくなることにより、車線曲率ρが所定値ρs以下となると、図15の作動停止制御処理において、操舵補助制御の影響が少ない走行状態であると判断してステップS62からステップS47に移行して、前述した第1及び第2の実施形態と同様に操舵補助指令値演算器32に対して操舵補助指令値漸減指令が出力されてこの操舵補助指令値演算器32からオープンループ制御回路30OLに供給される電流指令値Iが徐々に減少され、これに応じて電動モータ12に供給されるモータ電流が徐々に減少されて終いには電動モータ12が停止される。
その後、再度カーブを走行する状態となって、車線曲率ρが所定値ρsを超える状態となると、図15の作動停止制御処理で、ステップS62からステップS63に移行し、前回の車線曲率ρ(n-1)が所定値ρs以下であったので、ステップS46に移行して、操舵補助指令値演算器32に対して操舵補助指令値漸増指令を出力し、この操舵補助指令値演算器32で操舵補助指令値Iを徐々に操舵トルクセンサ3で検出される操舵トルクに基づいて算出される操舵補助指令値Iまで増加させる。これによって、再度オープンループ制御回路30OLによるオープンループ制御が開始される。
このように、上記第3の実施形態においても、上記第1及び第2の実施形態と同様に、車両の走行状態を車両前方の車線曲率ρに基づいて判断し、操舵補助制御の影響が少ない走行状態となったときに作動停止制御回路42で、オープンループ制御回路30OLによる電動モータ12のオープンループ制御を停止させるので、軽度の異常発生時に操舵補助制御が継続されて、運転者が異常の発生を感知できない状態が継続することを防止して、運転者に異常の発生を感覚的に感知させることができる。
なお、上記第3の実施形態においては、車線前方の車線曲率ρを単眼カメラ61で路面を撮像し、この単眼カメラ61から得られる画像情報を車線曲率演算部62で解析して車線曲率ρを演算するようにした場合について説明したが、これに限定されるものではなく、車両にカーナビゲーションシステムが搭載されている場合には、このカーナビゲーションシステムに格納されている道路形状情報から車両前方の車線曲率ρを検出するようにしてもよく、また、道路脇に配設された道路曲率情報を送信する送信装置からの送信情報を受信して道路曲率ρを検出するようにしてもよい。
また、上記第1〜第3の実施形態においては、操舵補助制御の影響が少ない車両状態を車速センサ14、操舵補助指令値検出手段、横加速度センサ51、車線曲率演算部62で検出する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、車両の操舵角を検出する操舵角センサ、操舵角速度を検出する操舵角速度センサ、車両の回頭状態を検出するヨーレートセンサ、車両の制動状態を検出する前後加速度センサ等の各種の検出手段を1つ又は複数組合わせて、操舵補助制御の影響が少ない車両状態を検出し、これに基づいて作動停止制御回路42で軽度の異常時のオープンループ制御を停止させるようにしてもよい。
さらに、上記第1〜第3の実施形態においては、オープンループ制御回路30OLによる制御を再開させる場合に、操舵補助指令値演算器32で操舵補助指令値Iを“0”から漸増させる場合について説明したが、これに限定されるものではなく、漸増処理を省略して算出した操舵補助指令値Iを直ちに出力するようにしてもよい。
さらにまた、上記第1〜第3の実施形態においては、軽度の異常がモータ電流検出回路38の異常である場合について説明したが、これに限定されるものではなく、操舵トルクセンサをメイントルクセンサ及びサブトルクセンサで構成される複数のセンサで構成し、メイントルクセンサに異常が発生してサブトルクセンサで検出した操舵トルクに基づいて操舵補助操舵を継続することができる場合や、操舵トルクセンサが異常となってもこれに代替可能なセンサを有する場合や、車速センサ14の異常が発生した場合などでも軽度の異常としてフィードバック制御系を使用して操舵補助制御を継続することができ、この場合も車速検出値及び操舵補助力で決定される座標が停止許可領域となったとき、横加速度YGが所定値YGs以下となったとき、車線曲率ρが所定値ρs以下となったときに等の操舵補助制御の影響が少ない走行状態となったときに継続補助操舵を停止するようにすればよい。
なおさらに、上記第1〜第3の実施形態においては、電動モータ12を直流駆動する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、電動モータを三相以上の多相交流駆動する場合にも本発明を適用することができる。
さらに、上記第1〜第3の実施形態においては、コントロールユニット13を機能ブロック図で表して説明したが、これに限定されるものではなく、各機能ブロックに対応する処理を個別のフローチャートで実行するようにしてもよく、さらには各機能ブロックを実際のハードウェア回路として構成するようにしてもよい。
さらにまた、上記第1〜第3の実施形態においては、継続操舵補助制御状態から作動停止条件を満足したときに操舵補助制御を停止させ、その後作動停止条件を満足しない状態となるとオープンループ制御回路30OLによる操舵補助制御を開始する場合について説明したが、作動停止制御回路42で作動停止条件を満足した場合に、操舵補助制御に復帰することなくマニュアル操舵状態を継続するようにしてもよい。
本発明の一実施形態を示す概略構成図である。 操舵トルクセンサで検出されるトルク検出信号の特性線図である。 図1のコントロールユニットの具体的構成を示すブロック図である。 コントロールユニットにおけるモータ駆動回路の具体的構成を示すブロック図である。 コントロールユニットにおける異常検出回路で実行する異常検出処理手順の一例を示すフローチャートである。 コントロールユニットにおける作動停止制御回路で実行する作動停止処理手順の一例を示すフローチャートである。 図6の作動停止処理で使用する停止管理制御マップを示す特性線図である。 停止管理制御マップの変形例を示す特性線図である。 停止管理制御マップの他の変形例を示す特性線図である。 本発明の第2の実施形態を示す概略構成図である。 図10コントロールユニットの具体的構成を示すブロック図である。 コントロールユニットにおける作動停止制御回路で実行する作動停止処理手順の一例を示すフローチャートである。 本発明の第3の実施形態を示す概略構成図である。 図13コントロールユニットの具体的構成を示すブロック図である。 コントロールユニットにおける作動停止制御回路で実行する作動停止処理手順の一例を示すフローチャートである。
符号の説明
1…ステアリングホイール、2…ステアリングシャフト、3…操舵トルクセンサ、8…ステアリングギヤ、12…電動モータ、13…コントロールユニット、14…車速センサ、15…バッテリ、16…イグニッションキースイッチ、30FB…フィードバック制御回路、30OL…オープンループ制御回路、32…操舵補助指令値演算器、37…モータ駆動回路、38…モータ電流検出回路、39…異常検出回路、40…異常時操舵補助制御回路、41…遮断スイッチ、42…作動停止制御回路、51…横加速度センサ、61…単眼カメラ、62…車線曲率演算部

Claims (9)

  1. 操舵系に対して操舵補助力を付与する電動機の操舵補助制御を行う操舵補助制御手段を備えた電動パワーステアリング装置の制御装置において、
    前記操舵補助制御手段は操舵状態を検出する操舵状態検出手段と、該操舵状態検出手段で検出した操舵状態に基づいて前記電動機を駆動制御する電動機制御手段と、前記操舵状態検出手段及び電動機制御手段の異常を検出する異常検出手段と、該異常検出手段で操舵状態検出手段及び電動機制御手段の何れかの異常を検出したときに、当該異常が操舵補助制御を継続可能な継続可能異常モードであるか操舵補助制御を継続不可能な継続不可能異常モードであるかを判定する異常モード判定手段と、該異常モード判定手段の判定結果が継続可能異常モードであるときに対応する操舵補助制御を継続する異常時操舵補助制御手段と、前記操舵補助制御の影響が少ない車両状態を検出する車両状態検出手段と、前記異常モード判定手段の判定結果が継続可能異常モードであるときに、前記車両状態検出手段で検出した車両状態が前記操舵補助制御の影響を受けない状態であるときに前記異常時操舵補助制御手段による操舵補助制御を停止させる作動停止制御手段とを備えたことを特徴とする電動パワーステアリング装置の制御装置。
  2. 前記車両状態検出手段は、車両の車速を検出する車速検出手段、前記操舵補助制御手段で算出する操舵補助力を検出する操舵補助力検出手段、車両の操舵角を検出する操舵角検出手段、車両の操舵角速度を検出する操舵角速度検出手段、車両の横加速度を検出する横加速度検出手段、車両の回頭状態を検出する回頭状態検出手段、車両前方の走行車線を検出する走行車線検出手段、車両の制動状態を検出する制動状態検出手段の何れか1つ又は複数で構成され、前記作動停止制御手段は、前記車両状態検出手段で検出した車両状態が前記操舵補助制御の影響が少ない継続可能異常モードの停止許可状態であるときに、継続可能異常モードでの操舵補助制御を停止させるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング装置の制御装置。
  3. 前記車両状態検出手段は、車速を検出する車速検出手段で構成され、前記作動停止制御手段は、前記車速検出手段で検出した車速が所定車速以下となったときに、継続可能異常モードでの操舵補助制御を停止させるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング装置の制御装置。
  4. 前記車両状態検出手段は、前記操舵補助制御手段で算出する操舵補助力を検出する操舵補助力検出手段で構成され、前記作動停止制御手段は、操舵補助力検出手段で検出した操舵補助力が所定操舵補助力以下であるときに、継続可能異常モードでの操舵補助制御を停止させるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング装置の制御装置。
  5. 前記車両状態検出手段は、車速を検出する車速検出手段と前記操舵補助制御手段で算出する操舵補助力を検出する操舵補助力検出手段とで構成され、前記作動停止制御手段は、車速検出手段で検出した車速が所定車速以下であり、且つ操舵補助力検出手段で検出した操舵補助力が所定操舵補助力以下であるときに、継続可能異常モードでの操舵補助制御を停止させるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング装置の制御装置。
  6. 前記車両状態検出手段は、車速を検出する車速検出手段と前記操舵補助制御手段で算出する操舵補助力を検出する操舵補助力検出手段とで構成され、前記作動停止制御手段は、車速検出手段で検出した車速と前記操舵補助力検出手段で検出した操舵補助力とを2次元座標で表したときに、車速と操舵補助力とで決定される座標が座標軸を漸近線とする双曲線と両座標軸とで囲まれる停止許可領域内であるときに、継続可能異常モードでの操舵補助制御を停止させるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング装置の制御装置。
  7. 前記車両状態検出手段は、車速を検出する車速検出手段と前記操舵補助制御手段で算出する操舵補助力を検出する操舵補助力検出手段とで構成され、前記作動停止制御手段は、車速検出手段で検出した車速と前記操舵補助力検出手段で検出した操舵補助力とを2次元座標で表したときに、車速と操舵補助力とで決定される座標が、車速が所定車速である点と操舵補助力が所定操舵補助力である点とを結ぶ線と両座標軸とで囲まれる停止許可領域内であるときに、継続可能異常モードでの操舵補助制御を停止させるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング装置の制御装置。
  8. 前記車両状態検出手段は、車両の横加速度を検出する横加速度検出手段で構成され、前記作動停止制御手段は、前記横加速度検出手段で検出した横加速度が所定値以下となったときに、継続可能異常モードでの操舵補助制御を停止させるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング装置の制御装置。
  9. 前記車両状態検出手段は、車両前方の走行車線を検出する走行車線検出手段で構成され、前記作動停止制御手段は、前記走行車線検出手段で検出した車両前方の走行車線が直進路又は曲率が所定値以下の緩やかなカーブとなったときに、継続可能異常モードでの操舵補助制御を停止させるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング装置の制御装置。
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