JP2000184774A - モータ制御装置 - Google Patents

モータ制御装置

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JP2000184774A
JP2000184774A JP10356794A JP35679498A JP2000184774A JP 2000184774 A JP2000184774 A JP 2000184774A JP 10356794 A JP10356794 A JP 10356794A JP 35679498 A JP35679498 A JP 35679498A JP 2000184774 A JP2000184774 A JP 2000184774A
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    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02PCONTROL OR REGULATION OF ELECTRIC MOTORS, ELECTRIC GENERATORS OR DYNAMO-ELECTRIC CONVERTERS; CONTROLLING TRANSFORMERS, REACTORS OR CHOKE COILS
    • H02P21/00Arrangements or methods for the control of electric machines by vector control, e.g. by control of field orientation
    • H02P21/14Estimation or adaptation of machine parameters, e.g. flux, current or voltage
    • H02P21/18Estimation of position or speed

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 回転角センサや位置検出装置に生じる個々の
異常状態を個別に検知し、各異常状態に応じた最適な異
常処理を実施するモータ制御装置を提供する。 【解決手段】 図5にホール素子異常判定基準表を示
す。S0は角度領域信号Sの前回の値である。u,v,
wのサンプリングは、角度領域信号Sの状態(角度領
域)が2区画以上隣へは移動不可能な微小時間ΔT毎に
行われる。本表は、前回の角度領域信号S0に対する今
回の角度領域信号Sの値が正常であるか、異常であるか
を判定するためのものであり、角度領域信号Sの異常値
には、規格外のため異常と判定される規格外値(S=
0,7)と、前回の角度領域からは微小時間ΔTの間に
は移動不可能な角度領域を示す角度領域信号Sが今回検
出されたことを意味する変化異常値とがある。ホール素
子異常検出処理では、これらの判定基準に従って、ホー
ル素子異常判定コードをフラグ領域F1に設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンコーダ等の回
転角検出手段を有するモータ制御装置における回転角検
出手段の異常検出と、この検出された各異常状態に最適
な異常処理手段に関する。
【0002】
【従来の技術】ブラシレス直流モータ等に取り付けられ
ている回転角センサ(エンコーダ等)の異常を検出する
ために、ホール素子又は光電素子等からなるロータの位
置検出装置を使って、回転角センサからの出力値を常時
テストする機構を備えたモータ制御装置がある。
【0003】一般に知られているこのような従来のモー
タ制御装置の制御ブロック・ダイアグラムを図15に示
す。本従来技術の最も大きな特徴は、制御ブロック50
0(異常検出処理)により、回転角センサEの検知した
モータMの現在の電気角θが上記の位置検出手段の検知
した現在の角度領域上に位置するかを判定し、異常が検
知された場合には制御ブロック550(異常処理)によ
り、モータMを停止するなどの緊急処置を採るところに
ある。
【0004】このようなモータMには、U相、V相、W
相の出力値を検出するホール素子がそれぞれ設けられて
いる。図16に、電気角θに対するU相、V相、W相の
各ホール素子の出力値u,v,wのグラフ(a)、及
び、角度領域信号Sの定義表(b)を示す。
【0005】上記の従来技術においては、例えば、「S
=4」の場合には、「90≦θ≦150」ならば正常で
あると判断し、そうでない場合には、回転角センサEが
異常であると判断して所定の異常処理(図15の制御ブ
ロック550のモータ停止処理)を行っていた。
【0006】図17に、上記従来技術のモータ停止処理
(制御ブロック550)のフローチャートを示す。この
ように従来は、トルク電流iq* の係数であるトルク電
流調整係数Rを0にし(ステップ172)、モータMの
駆動電源をOFF状態にし(ステップ175)、所定の
警告ランプを点灯(ステップ178)して、モータMを
停止するなどの緊急処置を採っていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような異常状態には、回転角センサEが異常であると判
断できる異常状態と、ホール素子(位置検出装置)が異
常であると判断できる異常状態と、この両者が異常であ
ると判断できる異常状態と、これらの何れとも断定でき
ないが異常があると判断できる異常状態などが考えられ
るため、上記の様な画一的な緊急処置(制御ブロック5
50の異常処理)が、必ずしも個々の異常状態に対する
最適な処置とは言いきれない。
【0008】例えば、位置検出装置における1つのホー
ル素子だけが異常であった場合には、回転角センサEは
この異常検出後も使用に耐えるため、モータMを停止さ
せる必要はなく、このような場合には、モータMの回転
の制御をそのまま継続することが可能である。
【0009】即ち、上記の従来技術によれば、個々の状
況に応じた最適な制御を行うことができない恐れがあっ
た。
【0010】本発明は、上記の課題を解決するために成
されたものであり、その目的は、回転角センサや位置検
出装置に生じ得る個々の異常状態に応じた最適な異常処
理を実施するモータ制御装置を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めには、以下の手段が有効である。
【0012】即ち、第1の手段は、角度領域単位にモー
タの回転角を段階的に検出する、ホール素子又は光電素
子からなる位置検出手段と、エンコーダ等によりモータ
の回転角を検出する回転角検出手段と、この位置検出手
段の出力値と回転角検出手段の出力値との間の整合性を
判定する整合性判定手段とを有するモータ制御装置にお
いて、位置検出手段の出力値が規格内のものか否かを判
定する規格判定手段と、位置検出手段の前回の出力値か
ら今回の出力値への変化が異常であるか否かを判定する
変化異常検出手段と、規格判定手段又は変化異常検出手
段により異常が検知された時に実行される位置検出異常
処理手段とを備えることである。
【0013】また、第2の手段は、上記の第1の手段に
おいて、整合性判定手段により検出された異常が、位置
検出手段の異常によるものか、回転角検出手段の異常に
よるものか不明の場合、或いは、位置検出手段及び回転
角検出手段の両者の異常によるものと判断される場合
に、モータの回転、モータの制御又はモータへの給電を
停止するモータ停止処理手段を備えることである。
【0014】また、第3の手段は、上記の第1又は第2
の手段において、回転角検出手段のみの異常が検知され
た時に実行される回転角検出異常処理手段を備えること
である。
【0015】また、第4の手段は、上記の第3の手段に
おいて、回転角検出異常処理手段に、モータの通電方法
を変更する処理を備えることである。
【0016】また、第5の手段は、上記の第1乃至第4
のいずれか1つの手段において、位置検出異常処理手
段、又は、回転角検出異常処理手段に、モータの出力ト
ルクを徐々に低減する処理を備えることである。
【0017】また、第6の手段は、上記の第1乃至第5
のいずれか1つの手段において、モータを自動車のパワ
ー・ステアリング・シャフト又はパワー・ステアリング
・ギヤに対して直接又は間接的にアシスト・トルクを与
えるモータとし、位置検出異常処理手段、又は、回転角
検出異常処理手段に、音声、ランプ、ブザー、又は、画
面表示などにより、運転者に対して異常を警告する異常
警告手段を起動する処理を備えることである。
【0018】以上の手段により、前記の課題を解決する
ことができる。
【0019】
【作用及び発明の効果】本発明の上記の第1乃至第6の
手段によれば、位置検出手段の出力値が規格内のものか
否かを判定する規格判定手段、及び、位置検出手段の前
回の出力値から今回の出力値への変化が異常であるか否
かを判定する変化異常検出手段により、位置検出手段
(位置検出装置)の異常を単独でテストし、検出するこ
とが可能となる。このため、この規格判定手段又は変化
異常検出手段により、例えば、位置検出手段の異常が検
知された場合には、この異常状態に見合った最適な位置
検出異常処理手段を実行することが可能となる。
【0020】例えば、このような位置検出異常処理手段
としては、回転角センサの継続的使用により、モータM
の回転の制御をそのまま継続する処理などが実行できる
ため、上記のように位置検出手段のみの異常が検知され
た場合には、モータMを停止しなくてよい。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体的な実施例に
基づいて説明する。
【0022】図1に、本発明の実施例におけるパワー・
ステアリング・システム80のハードウェア構成図を示
す。
【0023】ステアリングシャフト10の一端には、ス
テアリングホイール11が取り付けられ、他端にはギヤ
ボックス12に軸承されたピニオン軸13が結合されて
いる。ピニオン軸13は、ギヤボックス12に嵌装され
たラック軸14に噛合され、このラック軸14の両端は
図示していないが、ボールジョイント等を介して操向車
輪に連結されている。また、ステアリングシャフト10
には、アシストトルクを発生するブラシレス直流モータ
M(以下、単に「モータM」という)が、歯車17を介
して連結されている。この直流モータMには、駆動回路
113より電流検出器115を介してU,V,Wの3相
に対する各モータ駆動電流iu,iv,iwが供給され
ている。
【0024】更に、ステアリングシャフト10には、運
転者からステアリングホイール11に加えられたマニュ
アル操舵力の大きさ及びその方向(操舵トルクτ)を検
出するためのトルク検出器15及び、ステアリングシャ
フト10の操舵角Θを検出するフォトインタラプタ30
が設けられている。フォトインタラプタ30の出力はカ
ウンタ32に入力され、操舵角Θに変換されて出力され
る。この操舵角Θは、入力インターフェイス(IF)1
14を介してCPU110に入力され、CPU110の
演算により操舵角速度(dΘ/dt)が検出される。
【0025】また、モータ制御装置100には、モータ
Mの回転角を検出する回転角センサ(エンコーダ)Eが
設けられており、CPU110は、回転角センサEが出
力するモータMの所定微小回転角の回転回数nを入力す
ることにより、モータMの回転角θを検出する。即ち、
回転角センサEはこの回転回数nをカウントする図略の
カウンタを内蔵しており、nはモータMが所定方向に回
転した際には増加し、その逆方向に回転した際には減少
する。
【0026】また、その出力部のみが図示されている位
置検出装置16は、上記3相に各々対応するホール素子
の出力値u,v,wを検出し、CPU110に入力イン
ターフェイス(IF)114を介して出力する。
【0027】モータ制御装置100は、CPU110、
ROM111、RAM112、駆動回路113、入力イ
ンターフェイス(IF)114、電流検出器115等か
ら構成されている。駆動回路113は、図略のバッテリ
ー、PWM変換器、PMOS駆動回路等から構成され、
チョッパ制御により駆動電流を正弦波にしてモータMに
電力を供給する。
【0028】モータ制御装置100は、上記の操舵トル
クτ、操舵角Θ及び、車速計50により検出される車両
速度cを入力インターフェイス(IF)114を介して
CPU110に入力し、これらの入力値から所定のトル
ク計算により、d軸とq軸の各電流指令値(id* ,R
iq* )を決定する。ただし、ここで、Rはトルク電流
iq* の係数で、以下、トルク電流調整係数という。平
常時には、R=1である。
【0029】図2に、本実施例におけるモータ制御装置
100の制御ブロック・ダイアグラムを示す。制御ブロ
ック210(角度検出)では、回転角センサEが出力す
るモータMの所定微小回転角の回転回数nを入力し、モ
ータMの回転角(電気角)θ〔度〕を算出する。
【0030】回転角センサEは、出力値nの基準点の設
定を適当に行うことによりn>10を保証している。こ
れは、出力値nの出力配線の断線などを検知するため
で、断線時にはn≒0となることを利用したものであ
る。即ち、制御ブロック210(角度検出)では、入力
値n≒0の場合には、検出した電気角θを規定外値(例
えば、θ=400)にして制御ブロック200(異常検
出処理)に出力する。
【0031】制御ブロック200では、後述する図3に
示す異常検出処理を実行する。制御ブロック250で
は、制御ブロック200により異常が検出された際に、
その異常状態に従って、後述するモータ停止処理、ホー
ル素子異常処理、又は、回転角センサ異常処理を実行す
る。
【0032】図3に、本実施例における異常検出処理の
フローチャートを示す。本異常検出処理は、図2の制御
ブロック200として実行されるものである。
【0033】本異常検出処理では、まず最初に、ステッ
プ305により後述するステップ350のホール素子異
常検出処理(図6)においてホール素子異常判定コード
(図4(a))を設定するフラグ領域F1を0クリアす
る。次に、ステップ310により後述するステップ35
5の整合性判定処理(図9)において整合性判定コード
(図4(b))を設定するフラグ領域F2を0クリアす
る。
【0034】ステップ315では、u,v,wの値を位
置検出装置16より入力する。ステップ320では、ホ
ール素子異常検出処理(図6)において参照するB0の
値を次式(1)に従って初期化する。
【0035】
【数1】 B0=8+4u+2v+w …(1) ステップ325では、位置検出装置16のホール素子の
異常によりB0の値が規格外である場合(B0=8,1
5)にはステップ385へ、そうでない場合にはステッ
プ330へ処理を移す。ステップ330では、次回の異
常検出処理開始時刻Tを設定する。ただし、ここで、Δ
Tはu,v,wのサンプリング間隔であり、角度領域信
号Sの状態(角度領域)が2区画以上隣へは移動不可能
な微小時間である。
【0036】ステップ335では、現在時刻(タイマ時
刻)tが異常検出処理開始時刻Tに達するまで待つ。ス
テップ340では、θ,u,v,wの値を入力する。ス
テップ345では、角度領域信号Sの値を図16(b)
の定義に従って決定する。
【0037】ステップ350では、ホール素子異常検出
処理(図6)を実行する。ステップ355では、整合性
判定処理(図9)を実行する。
【0038】ステップ360以下の処理では、図4
(c)の異常検出処理の判定結果表に従って、正常処理
(ステップ370)又は、図2の制御ブロック250に
おいて実行されるべき異常処理を選択する。
【0039】即ち、ステップ360では、上記のフラグ
領域F1の値が0ならば、ステップ365へ、そうでな
い場合にはステップ375へ処理を移す。ステップ36
5では、上記のフラグ領域F2の値が0ならば、ステッ
プ370(正常時処理)へ、そうでない場合にはステッ
プ390へ処理を移す。ステップ370では、次回の異
常検出処理開始時刻Tを設定する。
【0040】ステップ375では、上記のフラグ領域F
2の値が2ならば、ステップ380へ、そうでない場合
にはステップ385へ処理を移す。ステップ380で
は、ホール素子異常処理(図11)を実行する。ステッ
プ385では、前記のモータ停止処理(図17)を実行
する。
【0041】一方、ステップ390では、フラグ領域F
2の値が4ならば、ステップ395へ、そうでない場合
にはステップ385へ処理を移す。ステップ395で
は、回転角センサ異常処理(図13)を実行する。
【0042】以上の処理により、正常時には、サンプリ
ング間隔ΔT毎に回転角センサE及び位置検出装置16
のホール素子の出力値(u,v,w)がテストされ、異
常が検出された場合には、最適な異常処理が選択・実行
される。
【0043】図5に、本実施例におけるホール素子異常
判定基準表を示す。以下、S0は、角度領域信号Sの前
回の値である。本表は、前回の角度領域信号S0に対す
る今回の角度領域信号Sの値が正常であるか、異常であ
るかを判定するためのものであり、角度領域信号Sの異
常値には、規格外のため異常と判定されるもの(規格外
値:S=0,7)と、微小なサンプリング間隔ΔTの間
には、前回の角度領域からは移動不可能な角度領域を示
す角度領域信号Sが今回検出されたことを示す値(変化
異常値)とがある。
【0044】これらの判定基準(図5)に従って、図4
(a)のホール素子異常判定コードをフラグ領域F1に
設定するホール素子異常検出処理のフローチャートを図
6(a)に示す。本ホール素子異常検出処理は、図3の
ステップ350で呼び出されることにより実行されるも
のである。
【0045】本ホール素子異常検出処理では、まず最初
に、ステップ620により図6(b)に示すように角度
領域信号Sの値を4ビット領域Bに左端ビット(以下
「xビット」という)を空けて格納する。この時、xビ
ットには0が格納される。
【0046】ステップ640では、図3のステップ32
0又は図6(a)のステップ680により図6(b)に
図示する如く設定されたB0と、ステップ620により
設定したBの各対応ビット同士の排他的論理和の演算結
果を変数Yに格納する。本演算により、変数Yのxビッ
トは必ず1となる。また、変数Yのu,v,wの各ビッ
トは、前回より変化していれば1となり、変化していな
ければ0となる。
【0047】ステップ660では、この変数Yと、図7
の配列A(S)の定義表により定義されるA(S)の各
対応ビット同士の論理積の演算結果をフラグ領域F1に
格納する。例えば、「S=4」の場合には「A(S)=
<0100>」が選択される。即ち、uビットが選択さ
れる。図5の判定基準に従えば、「S=4」の場合には
S0とSとの間では、uビットが不変でなければならな
いので、ステップ640とステップ660の作用によ
り、uビットが不当に反転した場合には、F1=4とな
り、図4(a)のホール素子異常判定コード表に規定し
た通りにフラグ領域F1が設定される。
【0048】ステップ680では、次式(2)に従っ
て、B0を設定する。
【0049】
【数2】 B0=8+B …(2) 以上の処理により、例外なく、図5の判定基準に従っ
て、図4(a)のホール素子異常判定コード表に規定し
た通りにフラグ領域F1が設定される。
【0050】図8に、本実施例における整合性判定基準
表を示す。本表は図16(a)に基づいて今回の角度領
域信号Sに対する今回の電気角θの適正範囲を示したも
のである。ただし、ここで、δは位置検出装置16と回
転角センサ(エンコーダ)Eとの間の同期をとる初期設
定の際に生じる設定誤差の最大値である。
【0051】この判定基準(図8)に従って、図4
(b)の整合性判定コードをフラグ領域F2に設定する
整合性判定処理のフローチャートを図9に示す。本整合
性判定処理は、図3のステップ355で呼び出されるこ
とにより実行されるものである。
【0052】本整合性判定処理では、まず最初に、ステ
ップ910により電気角θの範囲が所定の規格内のもの
であるか否かを判定する。例えば、回転角センサEの出
力配線が断線したことにより、出力値nが約0を示し続
ける場合がある。このような場合(請求項3の「回転角
検出手段のみの異常が検知された時」)には、前記の様
に図2の制御ブロック210(角度検出)により、電気
角θには規定外値(例えば、θ=400°)が設定され
る。従って、この場合には、「0°<θ≦360°」が
成り立たなくなり、ステップ910、ステップ980の
作用によって、フラグ領域F2には4(回転角センサ異
常(規定外値出力))が設定される。
【0053】ステップ920では、S=1の時ステップ
930へ、そうでなければステップ960へ処理を移
す。ステップ930では、次式(3)に従って、θを設
定し直す。
【0054】
【数3】 θ=θ+30+δ …(3) ステップ940では、θ>360°ならばステップ95
0へ、そうでなければステップ960へ処理を移す。ス
テップ950では、次式(4)に従って、θを設定し直
す。
【0055】
【数4】 θ=θ−360 …(4) ステップ960では、次式(5)に従って、θが適正範
囲に有るか否かを判定し、適正範囲にない場合には、ス
テップ970により、フラグ領域F2に2を設定する。
ただし、S=0または7の場合には、図10の配列C
(S)の定義によって、フラグ領域F2に2が設定され
る。また、例えば、(3)において、δの値が不当に小
さく設定されている場合にも、ステップ960の作用に
よりフラグ領域F2に2が設定される場合が有る。
【0056】
【数5】 C(S)<θ<C(S)+60+2δ …(5) ここで、C(S)は図10の配列C(S)の定義表によ
って定義された配列である。
【0057】以上の処理により、例外なく、図8の判定
基準に従って、図4(b)のホール素子異常判定コード
表に規定した通りにフラグ領域F2が設定される。
【0058】従って、以上の処理により、図3のステッ
プ360以降の処理により、例外なく、図4(c)の異
常検出処理の判定結果表に規定した通りに、各分岐先が
決定される。
【0059】以下、上記の処理により異常状態が検出さ
れた際の、各異常処理について説明する。
【0060】図11は、本実施例におけるホール素子異
常処理のフローチャートである。本処理は、図2の制御
ブロック250において実行されるものであり、図3の
ステップ380によりサブルーチンとして呼び出される
ことにより実行されるものである。
【0061】本ホール素子異常処理では、ステップ11
9において、自動車の運転席のフロントパネルのパワー
・ステアリング・システム(ホール素子)の異常を知ら
せる警告ランプを点灯又は点滅させるための指令をフロ
ントパネルの表示装置に出力する。
【0062】図12に、この時(ホール素子異常検出
時)のモータ制御装置100の制御ブロック・ダイアグ
ラムを示す。以上の様に、制御ブロック200(図3の
異常検出処理)によりホール素子(位置検出装置)の異
常が検出された際には、図2の制御ブロック250の一
部に相当する制御ブロック800(図11のホール素子
異常処理)の動作により、上記の警告ランプが点灯又は
点滅される。
【0063】図13は、本実施例における回転角センサ
異常処理のフローチャートである。本処理は、図2の制
御ブロック250において実行されるものであり、図3
のステップ395によりサブルーチンとして呼び出され
ることにより実行されるものである。
【0064】本回転角センサ異常処理では、まず最初に
ステップ131において、モータMの通電方法を矩形波
通電方式に変更する。これは、一般に知られている3相
ホールモータとしてモータMを駆動する方式であり、回
転角センサ(エンコーダ)Eの代わりに、ホール素子
(位置検出装置16)を使用するものである。
【0065】次に、ステップ133では、図11のステ
ップ119と同様に上記の警告ランプを点灯又は点滅さ
せる。ステップ135では、トルク電流調整係数Rの値
を所定の値ε(0<ε≦1/2)だけ減少させる。ステ
ップ136では、判定処理を行い、この判定により、R
の値が0以下で有れば、ステップ139によりモータM
の駆動電源をOFFとし、R>0ならば、ステップ13
7により所定時間Δtだけ待った後に、ステップ135
に処理を戻す。
【0066】この処理により、モータMが出力するアシ
スト・トルクを徐々に低減することができるため、回転
角センサ異常時のマニュアル・ステアリングへの移行が
違和感なく円滑に実行できる。例えば、矩形波通電方式
により10分間パワーステアリングを継続し、その間徐
々にアシスト・トルクを低減することによりマニュアル
・ステアリングへ移行する場合には、例えば、Δt=1
/100〔秒〕ならば、ε=1/60000(六万分の
一)なる設定を行えばよい。
【0067】この時、トルク電流調整係数Rは次式
(6)により与えられる。
【0068】
【数6】 R=f(t)≡1−ε(t−t0 )/Δt (t>t0 ) …(6) ただし、ここで、t0 は、回転角センサ異常が検出され
た時刻である。
【0069】図14に、この時(回転角センサ異常検出
後)のモータ制御装置100の制御ブロック・ダイアグ
ラムを示す。図14の制御ブロック410の角度領域検
出では、図3のステップ345と同様に、角度領域信号
Sの値を図16(b)の定義に従って決定する。この信
号Sをdq変換、dq逆変換時に利用することにより矩
形波通電が実現される。
【0070】以上の様に、制御ブロック200(図3の
異常検出処理)により回転角センサ(エンコーダ)Eの
異常が検出された際には、図2の制御ブロック250の
一部に相当する制御ブロック400(図13の回転角セ
ンサ異常処理)の動作により、通電方法が矩形波通電方
式に変更され、警告ランプが点灯又は点滅され、アシス
ト・トルクが徐々に低減され、円滑にマニュアル・ステ
アリングへ移行される。
【0071】尚、上記の実施例においては、モータMに
はブラシレス直流モータを用いているが、本発明は、交
流同期モータのモータ制御装置に適用することも可能で
ある。
【0072】また、上記の実施例においては、モータM
は3相の電流により駆動されているが、本発明は、N相
モータ(N≧2)のモータ制御装置にも適用することが
できる。
【0073】また、本発明は、パワー・ステアリング・
システムに限らず、切削機、研削盤、EHPS、マニュ
ピュレータなどに用いられるモータ制御装置にも適用す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例におけるパワー・ステアリング
・システム80のハードウェア構成図。
【図2】本発明の実施例におけるモータ制御装置100
の制御ブロック・ダイアグラム。
【図3】本発明の実施例における異常検出処理のフロー
チャート。
【図4】本発明の実施例における(a)ホール素子異常
判定コード表、(b)整合性判定コード表、及び、
(c)異常検出処理の判定結果表。
【図5】本発明の実施例におけるホール素子異常判定基
準表。
【図6】本発明の実施例における(a)ホール素子異常
検出処理のフローチャート、及び、(b)角度領域信号
Sの詳細を示す図。
【図7】本発明の実施例における配列A(S)の定義
表。
【図8】本発明の実施例における整合性判定基準表。
【図9】本発明の実施例における整合性判定処理のフロ
ーチャート。
【図10】本発明の実施例における配列C(S)の定義
表。
【図11】本発明の実施例におけるホール素子異常処理
のフローチャート。
【図12】本発明の実施例におけるモータ制御装置10
0の制御ブロック・ダイアグラム(ホール素子異常検出
時)。
【図13】本発明の実施例における回転角センサ異常処
理のフローチャート。
【図14】本発明の実施例におけるモータ制御装置10
0の制御ブロック・ダイアグラム(回転角センサ異常検
出後)。
【図15】従来のモータ制御装置の制御ブロック・ダイ
アグラム。
【図16】(a)電気角θに対する各ホール素子の出力
値u,v,wのグラフ、及び、(b)角度領域信号Sの
定義表。
【図17】従来技術及び、本発明の実施例におけるモー
タ停止処理のフローチャート。
【符号の説明】
M … ブラシレス直流モータ E … 回転角センサ(エンコーダ) 15 … トルク検出器 16 … 位置検出装置 100 … モータ制御装置 113 … 駆動回路 200 … 異常検出処理の制御ブロック n … モータMのロータの微小回転回数 θ … モータMのロータの回転角(電気角) τ … 操舵トルク Θ … 操舵角 c … 車両速度 id* … d軸の指令電流 iq* … q軸の指令電流 idf … d軸の測定電流(フィード・バック電流) iqf … q軸の測定電流(フィード・バック電流) ΔId … d軸の電流偏差 ΔIq … q軸の電流偏差 S … 角度領域信号 u … U相のホール素子の出力値 v … V相のホール素子の出力値 w … W相のホール素子の出力値 R … トルク電流調整係数 AND … 論理積演算命令 XOR … 排他的論理和演算命令

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 角度領域単位にモータの回転角を段階的
    に検出する、ホール素子又は光電素子からなる位置検出
    手段と、 エンコーダ等により前記モータの回転角を検出する回転
    角検出手段と、 前記位置検出手段の出力値と前記回転角検出手段の出力
    値との間の整合性を判定する整合性判定手段とを有する
    モータ制御装置において、 前記位置検出手段の出力値が規格内のものか否かを判定
    する規格判定手段と、 前記位置検出手段の前回の出力値から今回の出力値への
    変化が異常であるか否かを判定する変化異常検出手段
    と、 前記規格判定手段又は前記変化異常検出手段により異常
    が検知された時に実行される位置検出異常処理手段とを
    有することを特徴とするモータ制御装置。
  2. 【請求項2】 前記整合性判定手段により検出された異
    常が、前記位置検出手段の異常によるものか、前記回転
    角検出手段の異常によるものか不明の場合、或いは、前
    記位置検出手段及び前記回転角検出手段の両者の異常に
    よるものと判断される場合に、前記モータの回転、前記
    モータの制御又は前記モータへの給電を停止するモータ
    停止処理手段を有することを特徴とする請求項1に記載
    のモータ制御装置。
  3. 【請求項3】 前記回転角検出手段のみの異常が検知さ
    れた時に実行される回転角検出異常処理手段を有するこ
    とを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のモータ制
    御装置。
  4. 【請求項4】 前記回転角検出異常処理手段は、前記モ
    ータの通電方法を変更する処理を有することを特徴とす
    る請求項3に記載のモータ制御装置。
  5. 【請求項5】 前記位置検出異常処理手段、又は、前記
    回転角検出異常処理手段は、前記モータの出力トルクを
    徐々に低減する処理を有することを特徴とする請求項1
    乃至請求項4のいずれか1項に記載のモータ制御装置。
  6. 【請求項6】 前記モータは、自動車のパワー・ステア
    リング・シャフト又はパワー・ステアリング・ギヤに対
    して直接又は間接的にアシスト・トルクを与えるモータ
    であり、 前記位置検出異常処理手段、又は、前記回転角検出異常
    処理手段は、音声、ランプ、ブザー、又は、画面表示な
    どにより、運転者に対して異常を警告する異常警告手段
    を起動することを特徴とする請求項1乃至請求項5のい
    ずれか1項に記載のモータ制御装置。
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