JP5975337B2 - 操舵制御システム - Google Patents

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本発明は、車両の操舵を制御する操舵制御システムに関する。
車線内の走行維持や運転者の操舵操作の補助などの操舵支援を行うため、ステアリングホイールと操舵輪とを連結するステアリング機構に操舵トルクを付与する操舵制御システムを搭載した車両が知られている。操舵制御システムには、操舵トルクをモータによって付与する電動タイプもの(特許文献1)や、油圧によって付与する油圧タイプのもの(特許文献2)がある。
特開平5−155343号公報 特開2007−261506号公報
大型車などの重量車の操舵制御システムでは、操舵トルクを油圧とモータ(ブラシレスモータ)とを併用して付与する場合がある。油圧とモータとを併用するハイブリッド式の操舵制御システムでは、油圧によって十分な大きさの操舵トルクを付与するとともに、付与するトルクの大きさや操舵角の変動量をブラシレスモータのインバータ制御によって精度良く調整することが可能となる。
このようなハイブリッド式の操舵制御システムでは、操舵トルクを付与しない状態での運転者の操舵感を向上させるため、ブラシレスモータを回転駆動しない場合には、ブラシレスモータの回転抵抗の発生を抑制するようなインバータ制御を実行することが好ましい。
また、大型車などの重量車では、一般道路での走行時に路面からのキックバックを抑えて運転者の操舵への負担を低減するため、中立位置でのステアリングホイール(ステアリング機構)にある程度の遊び(操舵輪と連動せずに回転する範囲)を持たせ、操舵に対する応答を抑えた設定がなされることが好ましい。
しかし、中立位置でのステアリングホイールにある程度の遊びが設定され、且つブラシレスモータを回転駆動しない場合に回転抵抗の発生を抑制するようなインバータ制御が実行される状態において、車両が高速直進走行を行うと、運転者は操舵を定め難く、フラツキ感が生じ、直進安定性が悪いと感じてしまう可能性が生じる。
本発明は、上記実状に鑑みてなされたものであって、ブラシレスモータのインバータ制御によって操舵トルクを付与する操舵制御システムを、中立位置でのステアリングホイールにある程度の遊びが設定された車両に搭載した場合において、簡単な制御によって、非高速直進走行時の操舵系のフリクションを極力低減させるとともに、高速直進走行時のステアリングホイールの無駄なフラツキを抑えて操舵を安定させることを目的とする。
上記目的を達成すべく、本発明は、ステアリングホイールと操舵輪とがステアリング連結機構を介して連結され、運転者からステアリングホイールへの操舵操作に応じて操舵輪が転舵する車両に設けられる操舵制御システムであって、ブラシレスモータと、モータ制御手段と、車速検出手段と、操舵角検出手段とを備える。
ブラシレスモータは、ステアリング連結機構に連結され、モータ制御手段は、ブラシレスモータをインバータ制御する。車速検出手段は、車両の車速を検出し、操舵角検出手段は、車両の操舵角を検出する。
モータ制御手段が実行するインバータ制御は、ブラシレスモータを回転駆動する駆動制御と、各相間の線間電圧がゼロとなるように非駆動電圧を出力することによってブラシレスモータを回転駆動しない非駆動制御とを含む。非駆動制御において、モータ制御手段は、車速検出手段が検出する車速が所定車速未満か、或いは操舵角検出手段が検出する操舵角が所定操舵角を超えている場合には、ブラシレスモータの回転抵抗の発生を抑制する所定の抵抗抑制電圧を非駆動電圧として出力し、車速検出手段が検出する車速が所定車速以上で、且つ操舵角検出手段が検出する操舵角が所定操舵角以下の場合には、抵抗抑制電圧よりも低い抵抗生成電圧を非駆動電圧として出力する。
抵抗制御電圧は、例えばバッテリ電圧の1/2に設定され、抵抗生成電圧はバッテリ電圧の1/2未満の所定値に設定される。
上記構成では、ブラシレスモータを回転駆動しない非駆動制御において、車速が所定車速未満である中・低速走行時や、或いは操舵角が所定操舵角を超えている非直進走行時には、ブラシレスモータの回転抵抗の発生を抑制する抵抗抑制電圧が非駆動電圧としてブラシレスモータに出力されるので、ブラシレスモータにおける不要なトルク(負荷)の発生が抑制され、操舵系のフリクションが極力低減されて、操舵感が向上する。
一方、車速が所定車速以上であって、且つ操舵角が所定操舵角以下である高速直進走行時には、抵抗抑制電圧よりも低い抵抗生成電圧が非駆動電圧としてブラシレスモータに出力される。この状態で操舵が行われると、ブラシレスモータから誘起電圧が発生するが、その一部はショート状態となり、そのエネルギは熱となって消費され、ブラシレスモータにはそれに応じた負荷が発生する。この負荷がフリクション感としてステアリングホイールに伝達される。このため、中立位置でのステアリングホイール(ステアリング機構)にある程度の遊び(操舵輪と連動せずに回転する範囲)が設定されている場合であっても、操舵系に微小なフリクション感を与えることができる。従って、好適なオンセンターフィーリングが得られ、高速直進走行時の安定性を向上させることができる。
このように、非駆動制御で出力する非駆動電圧を車両の走行状態に応じて切り換えるという簡単な制御によって、非高速直進走行時の操舵系のフリクションを極力低減させるとともに、高速直進走行時のステアリングホイールの無駄なフラツキを抑えて操舵を安定させることができる。
なお、抵抗生成電圧は、その値が低い方がブラシレスモータから発生する誘起電圧が高くなり、ステアリングホイールに伝達されるフリクション感も大きくなる。従って、出力する抵抗生成電圧は、高速直進走行時に付与するフリクション感の大きさに応じた所望の値に予め設定しておけばよい。
本発明によれば、ブラシレスモータのインバータ制御によって操舵トルクを付与する操舵制御システムを、中立位置でのステアリングホイールにある程度の遊びが設定された車両に搭載した場合において、簡単な制御によって、非高速直進走行時の操舵系のフリクションを極力低減させるとともに、高速直進走行時のステアリングホイールの無駄なフラツキを抑えて操舵を安定させることができる。
本発明の一実施形態の操舵制御システムが搭載された車両の操舵系を示すブロック構成図である。 図1の操舵制御装置が備えるモータ制御インバータの構成を示す模式図である。 ニュートラル時のPWM波形を示す図である。 フリクション生成時のPWM波形を示す図である。 中位電位と誘起電圧とを比較して示す図である。 図1の操舵制御装置が実行する非駆動制御処理を示すフローチャートである。 効果確認試験の結果を示す図であり、(a)は本実施形態の非駆動制御処理を実行しなかった場合の操舵角及び操舵トルクの経時変化を、(b)は本実施形態の非駆動制御処理を実行した場合の操舵角及び操舵トルクの経時変化をそれぞれ示す。
以下、本発明の一実施形態の操舵制御システム1について、図面を参照して説明する。図1は、一実施形態の操舵制御システム1の構成図であり、図2は、図1の操舵制御装置10が備えるモータ制御インバータ16の概略構成を示す模式図である。なお、以下の説明において、左右方向は、車両2の進行方向に対する各方向を示す。
本実施形態の操舵制御システム1が搭載される車両2は、大型車などの重量車であり、ステアリングホイール3と操舵輪4とステアリング連結機構5とを備える。ステアリング連結機構5は、ステアリングシャフト6とステアリングギアボックス(図示省略)とラック軸8とタイロッド9とを備える。ステアリングホイール3と操舵輪4とは、ステアリング連結機構5を介して機械的に連結され、操舵輪4は、運転者からステアリングホイール3への操舵操作(回転操作)に応じて転舵する。
また、ステアリング機構5は、車両2を直進走行させる中立位置でのステアリングホイール3にある程度の遊び(操舵輪4と連動せずに回転する範囲)を持たせる設定がなされている。このように中立位置での操舵の応答を抑える設定によって、一般道路の走行時における路面からのキックバックを抑制し、運転者の操舵への負担を低減している。
操舵制御システム1は、操舵制御装置10とブラシレスモータ(三相ブラシレスモータ)11と油圧パワステユニット12と車速センサ13と操舵角センサ14と磁極位置センサ15を備える。
ブラシレスモータ11の回転軸(図示省略)は、直接又はギア(図示省略)を介してステアリングシャフト6に連結される。ブラシレスモータ11は、その動作が操舵制御装置10によって制御され、所望の操舵トルクを出力してステアリングシャフト6に付与する。磁極位置センサ15は、ブラシレスモータ11の磁極位置を検出して操舵制御装置10へ出力する。
油圧パワステユニット12は、パワーシリンダ及びパワーピストン(何れも図示省略)を有し、パワーシリンダの内部に供給される油圧(油圧供給管のバルブ)が操舵制御装置10によって制御される。パワーピストンは、パワーシリンダの内部を右操舵用シリンダ室と左操舵用シリンダ室(何れも図示省略)とに区画する。右操舵用シリンダ室及び左操舵用シリンダ室の一方に作動油が流入すると、当該シリンダ室の油圧が高まり、パワーピストンが、一方のシリンダ室から他方のシリンダ室へ向かって移動し、その移動方向及び移動量に応じて、タイロッド9が作動されて操舵輪4が回転するとともに、ピニオン(図示省略)が操舵輪4と同方向に回転し、ピニオンの回転に応じた大きさの操舵トルクがステアリングシャフト6に付与される。
このように、操舵制御システム1は、操舵トルクを油圧とブラシレスモータ11とを併用して付与するハイブリッド式のシステムであり、油圧によって十分な大きさの操舵トルクを付与するとともに、付与する操舵トルクの大きさや操舵角の変動量をブラシレスモータ11のインバータ制御によって精度良く調整することができる。
車速センサ13は、車両の速度(車速)を検出し、検出した車速を操舵制御装置10へ出力する。すなわち、車速センサ13は、車速を逐次検出する車速検出手段として機能する。
操舵角センサ14は、ステアリングシャフト6に設けられ、所定時間毎にステアリングシャフト6の操舵角(中立位置を基準とした回転角度)を逐次検出し、検出した操舵角を操舵制御装置10へ出力する。すなわち、操舵角センサ14は、車両2の操舵角を逐次検出する操舵角検出手段として機能する。
操舵制御装置10は、CPU(Central Processing Unit)と記憶部(何れも図示省略)とを有する。記憶部は、例えばRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)などの記録媒体によって構成され、CPUが各種処理を実行するための各種プログラムや各種データが記憶されている。各種プログラムには、操舵制御処理を実行するための操舵制御処理実行プログラムが含まれる。CPUは、操舵制御処理実行プログラムを実行することによって、ブラシレスモータ11をインバータ制御するモータ制御手段及び油圧パワーユニット12に供給する油圧を制御する油圧制御手段として機能する。
後述する車線維持支援モードが設定されていない通常モードにおいて、操舵制御装置10は、車速センサ13が検出する車速や操舵角センサ14が検出する操舵角に基づき、ステアリングホイール3に対する運転者の操舵操作を補助するために操舵トルク(アシストトルク)を付与するか否かを判定し、トルクを付与すると判定した場合にブラシレスモータ11の駆動制御及び油圧パワステユニット12の油圧制御を適宜実行し、ステアリングシャフト6に所望のアシストトルクを付与する。
また、本実施形態の車両2は上位の操舵支援装置17を備え、操舵制御装置10は操舵支援装置17の下位の装置としても機能する。運転者の入力操作によって車線維持支援モードが設定されると、操舵支援装置17は車両2の車線維持支援制御を実行する。車線維持支援制御において、操舵支援装置17は、車両2に設けられた車載カメラ(図示省略)が撮像する走行方向前方の画像から道路に標示された区画線(白線)を検出し、車両2が走行する車線内における車両2の幅方向の位置が所定の目標位置となるように車両2を走行させるための目標操舵角を算出し、算出した目標操舵角を操舵制御装置10へ出力する。操舵制御装置10が実行する操舵制御処理は、操舵角センサ14が検出する操舵角を目標操舵角に近づけるためのブラシレスモータ11の駆動制御及び油圧パワステユニット12の油圧制御を含む。また、車線維持支援制御において、操舵支援装置17は、自車両が目標位置から外れる場合に、目標位置に向けた方向へのトルクをステアリングシャフト6に付与する指示(操舵反力の発生指示)を操舵制御装置10へ出力する。操舵制御装置10が実行する操舵制御処理は、操舵反力となるトルク(反力トルク)をステアリングシャフト6に付与するためのブラシレスモータ11の駆動制御及び油圧パワステユニット12の油圧制御を含む。
次に、操舵制御装置10が実行するブラシレスモータ11のインバータ制御について説明する。
操舵制御装置10には、図2に示すようなモータ制御インバータ16が設けられている。モータ制御インバータ16は、バッテリ18に接続される正極側ラインLpと負極側ラインLnとの間に接続された平滑用コンデンサ19と、正極側ラインLpと負極側ラインLnとの間にそれぞれ並列に接続された3組のスイッチング素子(Q1とQ2、Q3とQ4、及びQ5とQ6)とを有する。各組の2つのスイッチング素子の接続部分(Q1とQ2との接続部分、Q3とQ4との接続部分、Q5とQと6の接続部分)は、それぞれ交流出力点としてブラシレスモータ11におけるU相、V相及びW相の各巻線に接続される。
操舵制御装置10が実行するインバータ制御は、ブラシレスモータ11を回転駆動する駆動制御と、各相間(U相とV相との間、V相とW相との間、及びW相とV相との間)の線間電圧がゼロとなるように所定の非駆動電圧を出力することによってブラシレスモータ11を回転駆動しない非駆動制御とを含む。
操舵制御装置10は、6個のスイッチング素子Q1〜Q6のオン/オフ制御によるPWM(Pulse Width Modulation)制御によって、ブラシレスモータ11の駆動制御及び非駆動制御を行う。ブラシレスモータ11の駆動制御は、上述のように、通常モードにおいて、運転者の操舵操作を補助するためにアシストトルクを付与する場合、車線維持支援モードにおいて、車両2が所定の目標位置となるように操舵角を目標操舵角に近づける場合、及び車線維持支援モードにおいて、反力トルクを付与する場合に実行される。非駆動制御は、駆動制御が実行されないニュートラル状態で実行される。
駆動制御において、操舵制御装置10は、磁極位置センサ15が検出する磁極位置に合わせたベクトル制御を行うことによって、ブラシレスモータ11を回転駆動する。
非駆動制御は、非高速直進走行時に実行されるフリクション抑制制御と、高速直進走行時に実行されるフリクション発生制御とを含む。非高速直進走行時には、車速が所定車速未満である中・低速走行時や、操舵角が所定操舵角を超えている非直進走行時が含まれる。所定車速とは、車両2が高速走行中か否かを判定するための閾値(例えば80km/h)である。所定操舵角とは、車両2が直進走行をしているか否かを判定するための閾値(中立位置を中心とした左右の角度範囲の閾値)である。
車速センサ13が検出する車速が所定車速未満か、或いは操舵角センサ14が検出する操舵角が所定操舵角を超えている場合には、フリクション抑制制御が実行され、車速センサ13が検出する車速が所定車速以上で、且つ操舵角センサ14が検出する操舵角が所定操舵角以下の場合には、フリクション発生制御が実行される。
フリクション抑制制御では、スイッチング素子Q1,3,5のPWM波形とスイッチング素子Q2,Q4,Q6のPWM波形とが図3に示すようにそれぞれ交互に同じ時間比率でオン/オフを繰り返すように、各スイッチング素子Q1〜Q6がオン/オフ制御される。これにより、図5に破線で示すように、ブラシレスモータ11への出力電圧(非駆動電圧)は、U,V,Wともバッテリ電圧Vbの1/2の電圧(抵抗抑制電圧)が出力され、ブラシレスモータ11から見た場合には線間電位差は零となり、不要なトルクは発生しない。また、この状態で操舵を行っても、ブラシレスモータ11から発生する誘起電圧は正(+)の値の範囲で変動するので、ショート状態とはならない。このため、ブラシレスモータ11の回転抵抗の発生が最大限に抑制され、運転者は好適な操舵感を得ることができる。なお、フリクション抑制制御における非駆動電圧(抵抗抑制電圧)は、ブラシレスモータ11の回転抵抗の発生が抑制可能な所定の電圧値(操舵操作時に発生する誘起電圧が負とならない電圧値)であればよく、バッテリ電圧Vbの1/2に限定されない。
一方、フリクション発生制御では、スイッチング素子Q1,3,5のPWM波形とスイッチング素子Q2,Q4,Q6のPWM波形とがそれぞれ交互に異なる比率でオン/オフを繰り返すように、各スイッチング素子Q1〜Q6がオン/オフ制御される。本実施形態では、スイッチング素子Q1,3,5のオン時間の比率を下げて、スイッチング素子Q2,Q4,Q6のオン時間の比率を上げる。これにより、図5に実線で示すように、中立点が下がり、ブラシレスモータ11への出力電圧(非駆動電圧)は、U,V,Wともバッテリ電圧Vbの1/2よりも低い電圧(抵抗発生電圧)が出力される。
このように中立点が下げられた状態で操舵を行うと、ブラシレスモータ11から発生する誘起電圧の一部(図5に示す車線部)が負(−)の値の範囲で変動してQ2,Q4,Q6によりショート状態となり、そのエネルギがブラシレスモータ11及びスイッチング素子Q2,Q4,Q6により熱となって消費され、ブラシレスモータ11はそれに応じた負荷が発生する。この負荷がフリクション感としてステアリング機構5(ステアリングホイール3)に伝わる。
なお、フリクション発生制御においても、上記フリクション抑制制御の場合と同様に、ブラシレスモータ11から見た場合には線間電位差は零となるため、不要なトルクは発生しない。
また、抵抗生成電圧は、その値が低い方がブラシレスモータ11から発生する誘起電圧が高くなり、ステアリングホイール3に伝達されるフリクション感も大きくなる。従って、出力する抵抗生成電圧(スイッチング素子Q1,3,5のオン時間の比率及びスイッチング素子Q2,Q4,Q6のオン時間の比率)は、高速直進走行時の付与に好適なフリクション感の大きさに応じた所望の値に予め設定しておけばよい。
次に、操舵制御装置10が実行するブラシレスモータ11の非駆動制御処理について、図6のフローチャートを参照して説明する。本制御は、非駆動制御中において繰り返して実行される。
本制御が開始されると、車速センサ13が検出する車速が設定車速(所定車速)以上か否かを判断する(ステップS1)。車速が設定車速以上であれば(ステップS1:YES)、操舵角センサ14が検出する操舵角が一定舵角(所定操舵角)以内であるか否かを判断する(ステップS2)。
車速が設定車速未満の場合(ステップS1:NO)、或いは操舵角が一定舵角を超えている場合(ステップS2:NO)は、中位電位(非駆動電圧)としてバッテリ電圧Vbの1/2の電圧値(抵抗抑制電圧)を設定し(ステップ3)、この抵抗抑制電圧が出力電圧となるようにPWM制御を実行する(ステップS5)。
一方、車速が設定車速以上であって(ステップS1:YES)、操舵角が一定舵角以内の場合(ステップS2:YES)は、中位電位(非駆動電圧)として、抵抗抑制電圧(バッテリ電圧Vbの1/2)よりも低減した電圧値(抵抗発生電圧)を設定し(ステップ4)、この抵抗発生電圧が出力電圧となるようにPWM制御を実行する(ステップS5)。
このように、操舵制御装置10は、非駆動制御において、車速センサ13が検出する車速が所定車速未満か、或いは操舵角センサ14が検出する操舵角が所定操舵角を超えている場合には、ブラシレスモータ11の回転抵抗の発生を抑制する抵抗抑制電圧を非駆動電圧として出力し、車速センサ14が検出する車速が所定車速以上で、且つ操舵角センサが検出する操舵角が所定操舵角以下の場合には、抵抗抑制電圧よりも低い抵抗生成電圧を非駆動電圧として出力する。
次に、上記ブラシレスモータ11の非駆動制御による効果について、図7を参照して説明する。図7(a)は、本実施形態の非駆動制御処理を実行しなかった場合の操舵角及び操舵トルクの経時変化を示し、図7(b)は本実施形態の非駆動制御処理を実行した場合の操舵角及び操舵トルクの経時変化を示す。また、各図において、実線は操舵角の経時変化を表し、破線は操舵トルクの経時変化を表す。
各図中において楕円で示す部分101〜104は、車両2が80km/hで直進走行しているときの操舵角及び操舵トルクの経時変化である。図7(a)の部分101,102と図7(b)の部分103,104とを比較すると、図7(b)の方が図7(a)よりも高速直進走行時の操舵のフラツキが抑えられていることは明らかであり、本実施形態の非駆動制御処理によって安定した操舵感及び走行が得られることが確認された。
以上説明したように、本実施形態によれば、ブラシレスモータ11を回転駆動しない非駆動制御において、車速が所定車速未満である中・低速走行時や、或いは操舵角が所定操舵角を超えている非直進走行時には、ブラシレスモータ11の回転抵抗の発生を抑制する抵抗抑制電圧が非駆動電圧としてブラシレスモータ11に出力されるので、ブラシレスモータ11における不要なトルク(負荷)の発生が抑制され、操舵系のフリクションが極力低減されて、操舵感が向上する。
一方、車速が所定車速以上であって、且つ操舵角が所定操舵角以下である高速直進走行時には、抵抗抑制電圧よりも低い抵抗生成電圧が非駆動電圧としてブラシレスモータ11に出力される。この状態で操舵が行われると、ブラシレスモータ11から誘起電圧が発生するが、その一部はショート状態となり、そのエネルギは熱となって消費され、ブラシレスモータにはそれに応じた負荷が発生する。この負荷がフリクション感としてステアリングホイールに伝達される。このため、中立位置でのステアリングホイール3(ステアリング機構5)にある程度の遊び(操舵輪4と連動せずに回転する範囲)が設定されている場合であっても、操舵系に微小なフリクション感を与えることができる。従って、好適なオンセンターフィーリングが得られ、高速直進走行時の安定性を向上させることができる。
このように、非駆動制御で出力する非駆動電圧を車両2の走行状態に応じて切り換えるという簡単な制御によって、非高速直進走行時の操舵系のフリクションを極力低減させるとともに、高速直進走行時のステアリングホイール3の無駄なフラツキを抑えて操舵を安定させることできる。すなわち、低速走行時の操舵感を損なうことなく高速走行時の操舵感を向上させ、ふらつきを抑えた安定した走行が実現可能となる。
以上、本発明について、上記実施形態に基づいて説明を行ったが、本発明は上記実施形態の内容に限定をされるものではなく、当然に本発明を逸脱しない範囲では適宜の変更が可能である。
例えば、上記実施形態では操舵支援装置17の下位の装置としての操舵制御装置10について説明したが、操舵支援装置17を備えずに単独で機能する操舵制御装置10であってもよい。
本発明は、車両の操舵を制御する操舵制御システムとして種々の車両に適用することができる。
1:操舵制御システム
2:車両
3:ステアリングホイール
4:操舵輪
5:ステアリング連結機構
6:ステアリングシャフト
8:ラック軸
9:タイロッド
10:操舵制御装置
11:ブラシレスモータ
12:油圧パワステユニット
13:車速センサ(車速検出手段)
14:操舵角センサ(操舵角検出手段)
15:磁極位置センサ
16:モータ制御インバータ
17:操舵支援装置
18:バッテリ
19:平滑用コンデンサ
Q1〜Q6:スイッチング素子

Claims (1)

  1. ステアリングホイールと操舵輪とがステアリング連結機構を介して連結され、運転者から前記ステアリングホイールへの操舵操作に応じて前記操舵輪が転舵する車両に設けられる操舵制御システムであって、
    前記ステアリング連結機構に連結されるブラシレスモータと、
    前記ブラシレスモータをインバータ制御するモータ制御手段と、
    前記車両の車速を検出する車速検出手段と、
    前記車両の操舵角を検出する操舵角検出手段と、を備え
    前記モータ制御手段が実行するインバータ制御は、前記ブラシレスモータを回転駆動する駆動制御と、各相間の線間電圧がゼロとなるように非駆動電圧を出力することによって前記ブラシレスモータを回転駆動しない非駆動制御とを含み、
    前記非駆動制御において、前記モータ制御手段は、前記車速検出手段が検出する車速が所定車速未満か、或いは前記操舵角検出手段が検出する操舵角が所定操舵角を超えている場合には、前記ブラシレスモータの回転抵抗の発生を抑制する抵抗抑制電圧を前記非駆動電圧として出力し、車速検出手段が検出する車速が前記所定車速以上で、且つ前記操舵角検出手段が検出する操舵角が前記所定操舵角以下の場合には、前記抵抗抑制電圧よりも低い抵抗生成電圧を前記非駆動電圧として出力する
    ことを特徴とする操舵制御システム。
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