JP3422235B2 - 電動式パワーステアリング装置 - Google Patents

電動式パワーステアリング装置

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JP3422235B2
JP3422235B2 JP30058797A JP30058797A JP3422235B2 JP 3422235 B2 JP3422235 B2 JP 3422235B2 JP 30058797 A JP30058797 A JP 30058797A JP 30058797 A JP30058797 A JP 30058797A JP 3422235 B2 JP3422235 B2 JP 3422235B2
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雄一 福山
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Nissan Motor Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、操舵系に加えられ
る操舵トルクを操舵トルク検出手段で検出し、その検出
値に応じて電動機で発生する操舵補助力を制御すること
により、軽い操舵を行うようにした電動式パワーステア
リング装置に関し、特に電動機の不要な電流制限を行わ
ないようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】従来の電動式パワーステアリング装置と
しては、例えば特開平8−133109号公報(以下、
単に従来例と称す)に記載されているものがある。
【0003】この従来例には、車庫入れや端当て等の状
態にあると考えられる場合に、検出した操舵トルクの平
均値を算出し、この操舵トルク平均値が所定値以上にな
った時に、車速と操舵トルクとに基づいてハンドルの回
転に要する力の補助を行うモータに流す目標電流指令値
を電流最大値制限回路で低減させることにより、操舵補
助力を発生するモータへの通電電流を制限してモータの
発熱を低減するようにした電動パワーステアリング装置
が記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の電動式パワーステアリング装置にあっては、操舵ト
ルクを監視して、その操舵トルク平均値が所定値以上に
なったときに電流最大値制限回路で目標電流指令値を制
限するようにしているので、車庫入れ時のように、ステ
アリングホイールが最大転舵角に達した状態で、さらに
ステアリングホイールの操舵を継続して操舵トルク平均
値が所定値以上となったときに目標電流指令値が制限さ
れることにより操舵補助力を発生する電動機の発熱を抑
制することはできるが、次にステアリングホイールを逆
方向に操舵したときには、目標電流指令値の制限状態が
解除されないことにより、操舵補助機能が低下してステ
アリングホイールの操舵が重くなり、操舵性能が低下す
るという未解決の課題がある。
【0005】そこで、本発明は、上記従来例の未解決の
課題に着目してなされたものであり、ステアリングホイ
ールが最大転舵角に達している状態で操舵トルクが検出
されているときには、これを検出して目標電流指令値そ
のものを低下させることにより、操舵性能の低下を確実
に防止することができる電動式パワーステアリング装置
を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に係る電動式パワーステアリング装置は、
操舵系に加えられる操舵トルクを検出する操舵トルク検
出手段と、前記操舵系に対して操舵補助力を付加する電
動機と、前記操舵トルク検出手段の操舵トルク検出値に
基づいて前記電動機に対する電流指令値を算出し、算出
した電流指令値を目標電流指令値とし、該目標電流指令
値に基づいて電動機を制御する電流制御手段とを備えた
電動式パワーステアリング装置において、前記操舵系が
最大転舵角に達したことを検出する最大転舵角操舵状態
検出手段と、該最大転舵角操舵状態検出手段で最大転舵
角を検出し、且つ前記電流指令値が所定値を超えている
ときに当該目標電流値を低下させる電流指令値補正手段
とを備え、前記最大転舵角操舵状態検出手段は、操舵系
の操舵角速度を検出する操舵角速度検出手段と、車両の
車速を検出する車速検出手段と、前記操舵角検出手段で
検出した操舵角速度及び車速検出手段で検出した車速検
出値が共に零であり、且つ前記電流指令値が所定値以上
である状態を所定時間以上継続したとき及び前記操舵角
速度が零で、且つ前記車速検出値が低速設定値以下で零
より大きいと共に、前記電流指令値が所定値以上である
ときに最大転舵角操舵状態であると判定する判定手段と
を有することを特徴としている。
【0007】この請求項1に係る発明においては、最大
転舵角操舵状態検出手段で、停車状態で操舵角速度が零
であり、電流指令値が所定値以上である状態を所定時間
継続したとき及び低速走行状態で、操舵角速度が零であ
り、電流指令値が所定値以上であるときに操舵系が最大
転舵角に達したことを検出し、且つ電動機に対する電流
指令値が所定値を超えているときに、補助操舵の必要性
がないものと判断して電流指令値補正手段で電流制御手
段で算出した目標電流指令値を低下させることにより、
操舵補助力を発生する電動機に不要な駆動電流の供給を
抑制した発熱を低減する。
【0008】また、請求項2に係る電動式パワーステア
リング装置は、請求項1に係る発明において、前記最大
転舵角操舵状態検出手段は、操舵系に設けられた最大転
舵角規制手段近傍に設けた検出スイッチで構成されてい
ることを特徴としている。
【0009】この請求項2に係る発明においては、操舵
系の最大操舵角に達したことを最大転舵角規制手段近傍
に設けた検出スイッチで検出するので、操舵系が最大操
舵角に達したことを確実に検出することができる。
【0010】さらに、請求項3に係る電動式パワーステ
アリング装置は、請求項1に係る発明において、前記最
大転舵角操舵状態検出手段は、操舵系の操舵角速度を検
出する操舵角速度検出手段と、車両の車速を検出する車
速検出手段と、操舵角速度検出手段で検出した操舵角速
度が零で、且つ車速検出手段で検出した車速検出値が低
速設定値以下であると共に、電流制御手段の電流指令値
が所定値以上であるときに最大転舵角操舵状態であると
判定する判定手段とを備えていることを特徴としてい
る。
【0011】この請求項3に係る発明においては、既存
の操舵角速度検出手段及び車速検出手段の検出値と電流
制御手段の電流指令値とから最大操舵角操舵状態を検出
する。
【0012】さらにまた、請求項4に係る電動式パワー
ステアリング装置は、請求項1に係る発明において、前
記最大転舵角操舵状態検出手段は、操舵系の操舵角速度
を検出する操舵角速度検出手段と、車両の車速を検出す
る車速検出手段と、操舵角速度検出手段で検出した操舵
角速度及び車速検出手段で検出した車速検出値が共にが
零であり、且つ電流制御手段の電流指令値が所定値以上
である状態を所定時間以上継続したときに最大転舵角操
舵状態であると判定する判定手段とを備えていることを
特徴としている。
【0013】この請求項4に係る発明においては、車両
の停止時の据切りによって最大操舵角に達したことを既
存の操舵角速度検出手段、車速検出手段の検出値と電流
制御手段の電流指令値とから検出する。
【0014】なおさらに、請求項5に係る電動式パワー
ステアリング装置は、請求項3又は4に係る発明におい
て、前記操舵角速度検出手段は、電動機の駆動電流及び
駆動電圧を検出し、これらに基づいて操舵角速度を推定
するように構成されていることを特徴としている。
【0015】この請求項5に係る発明においては、電動
機の駆動電流及び駆動電圧を検出することにより操舵角
速度を推定することにより、操舵角センサ等のセンサを
別設することなく、操舵角速度を検出する。
【0016】
【発明の効果】請求項1に係る発明によれば、最大転舵
角操舵状態検出手段で操舵系が最大転舵角に達した状態
を検出し、且つ操舵トルク検出手段で検出した操舵トル
クが所定値以上であるときには、補助操舵力を発生する
電動機で操舵トルク検出値に見合う補助操舵を発生する
必要がないものと判断して、電流指令値補正手段で、電
流制御手段で操舵トルク検出値に基づいて算出される電
流指令値を低下させる補正を行うので、電動機に不要な
電流が供給されることを抑制し、発熱を防止することが
できると共に、電動機に供給する最大電流値を制限する
のではなく、電流指令値そのものを低下させているの
で、ステアリングホイールの切り返しを行う場合でも軽
い操舵を行って操舵性能が低下することを確実に防止す
ることができるという効果が得られる。
【0017】また、低速走行状態では、最大転舵角操舵
状態を、操舵角速度検出手段及び車速検出手段で検出し
た検出値と電流制御手段の電流指令値とに基づいて検出
するようにしているので、検出スイッチのような直接検
出手段を設ける必要がなく、この分コストを低減させる
ことができるという効果が得られ、車速検出値が零とな
る停止時における据切りによって最大転舵角に達したこ
とを、これを操舵角速度検出手段及び車速検出手段で検
出した検出値と電流制御手段の電流指令値とに基づいて
検出することができ、検出スイッチのような直接検出手
段を設けることなく、据切り時の最大転舵角操舵状態を
出することができるという効果が得られる。
【0018】
【0019】
【0020】らに、請求項に係る発明によれば、電
動機の駆動電流及び駆動電圧を検出し、これらに基づい
て操舵角速度を推定するようにしたので、ステアリング
ホイールを含む操舵系に操舵角センサ等を別設する必要
がなく、この分コストを低減させることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1は本発明の一実施形態を示す
概略構成図であり、ステアリングホイール1は、ステア
リングシャフト2の上端部に連結され、このステアリン
グシャフト2は固定部に支持されて下方に延長され、そ
の下端部にピニオン3が装着されている。
【0022】このピニオン3は、車両幅方向に水平に延
長するラック4に噛合して、ステアリングギヤを構成
し、ステアリングホイール1からステアリングシャフト
2回りの回転運動がラック4の直進運動(並進運動)に
変換される。
【0023】そして、水平に延在するラック4の両端部
は、夫々タイロッド5を介してナックル及び転舵輪6に
接続され、ラック4が水平方向移動(並進運動)するこ
とで左右の転舵輪6が転舵される。
【0024】また、ステアリングシャフト2におけるピ
ニオン3の上部には、減速機を構成するリングギヤ11
が同軸に固定され、このリングギヤ11に操舵補助モー
タ8の駆動軸9に連結されたリングギヤ10が噛合さ
れ、操舵補助モータ8が後述するコントロールユニット
7から出力されるデューティ制御されたパルス電流によ
って操舵トルクに応じた操舵補助力を発生するように制
御される。
【0025】さらに、ステアリングシャフト2における
リングギヤ11の上部にトルク検出機構12が設けられ
ている。このトルク検出機構12は、ステアリングシャ
フト2の下端部とピニオン3の上端部を連結する図示さ
れないトーションバーと、その外周に配置された操舵ト
ルクセンサ13とで構成されている。
【0026】この操舵トルクセンサ13は、上記トーシ
ョンバーの捩じれ量から操舵トルクを検出し、その操舵
トルクの大きさに応じた且つステアリングホイール1の
右切り(ピニオン3からの入力に対しては左回り)で正
値、ステアリングホイール1の左切り(ピニオン3から
の入力に対しては右回り)で負値の電圧信号でなるトル
ク検出値Tを、後述するコントロールユニット7に供給
する。
【0027】また、車両には車速を検出する車速センサ
14が搭載されており、この車速センサ14によって車
両前後方向車速が検出され、この車速の大きさに応じた
電圧信号でなる車速検出値VSPが後述されるコントロー
ルユニット7に供給される。さらに、操舵補助モータ8
には電流検出手段を構成する例えば変流器で構成される
電流センサ16が取付けられており、この電流センサ1
6で操舵補助モータ8に流れる実電流が検出され、この
電流検出値iD がコントロールユニット7に供給される
と共に、操舵補助モータ8の駆動電圧が電圧検出手段と
しての操舵補助モータ8のコイル抵抗値に比べて十分大
きな抵抗値を有する電圧検出抵抗RM で検出され、検出
された駆動電圧vD がコントロールユニット7に供給さ
れる。
【0028】コントロールユニット7は、図2に示すよ
うに、操舵トルクセンサ13から入力される操舵トルク
検出値T、車速センサ14から入力される車速検出値V
SP、電流センサ16から入力される実電流検出値iD
び電圧検出抵抗RM で検出された駆動電圧vD を入力し
且つ操舵補助モータ8の回転方向と回転速度とを制御す
るための操舵補助モータ8への駆動電流をデューティ制
御するデューティ制御用信号を出力するマイクロコンピ
ュータ15と、このマイクロコンピュータ15から出力
されるデューティ制御用信号が供給され、これに基づい
て操舵補助モータ8の回転方向と回転速度とを制御する
モータ駆動回路19とを備えている。
【0029】ここで、マイクロコンピュータ15は、F
/V変換機能及びA/D変換機能を備えた入力側インタ
フェース回路15a、マイクロプロセッサユニット等か
らなる演算処理装置(CPU)15b及びRAM,RO
M等からなる記憶装置15c及び出力側インタフェース
回路15dを有する。
【0030】そして、入力インタフェース回路15aに
は、操舵トルクセンサ13の操舵トルク検出値T、車速
センサ14の車速検出値VSPと電流センサ16からの実
電流検出値iD 及び電圧検出抵抗RM の駆動電圧検出値
D とが入力され、出力インタフェース回路15dから
は操舵補助力発生方向を表す左切り方向信号LD及び右
切り方向信号RDと、操舵補助モータ8に供給する電流
をデューティ制御する左切りデューティ制御用電流パル
スLP及び右切りデューティ制御用電流パルスRPと、
モータ駆動回路19の通電を制御する通電制御信号CS
とをモータ駆動回路19に出力する。
【0031】また、演算処理装置15bは、後述する図
3の演算処理を実行して、正常時には操舵トルクセンサ
13の操舵トルク検出値T、操舵トルク変化速度T′、
操舵角速度ω及び車速センサ14の車速検出値VSPに基
づいて所定の演算を行ってモータ目標駆動電流i* を算
出するが、ステアリングホイールを含む操舵系が最大転
舵角に達した状態で大きな操舵トルク検出値Tが得られ
ている状態では、モータ目標駆動電流i* を所定値に制
限し、算出されたモータ目標駆動電流i* と電流センサ
16からの実電流iD との偏差に基づいて操舵状態に応
じた操舵補助力を発生するように左右切り方向信号L
D,RD及び左右切りデューティ制御用電流パルスL
P,RPを形成して出力側インタフェース回路15dに
送出する。
【0032】さらに、記憶装置15cには、予め演算処
理装置15bの演算処理に必要な制御マップや演算式、
プログラム等が格納されていると共に、演算処理装置1
5bの演算過程で必要な演算結果を逐次記憶する。
【0033】一方、モータ駆動回路19は、4個のMO
SFET等のスイッチング素子Q1〜Q4 を2個づつ直
列に接続して2組の直列回路を構成し、これら直列回路
のスイッチング素子Q1 及びQ2 間とQ3 及びQ4 間と
の間に操舵補助モータ8を接続し、且つスイッチング素
子Q1 及びQ3 の入力側が互いに接続されてモータリレ
ー20及びキースイッチ21を介して負極側が接地され
たバッテリ22の正極側に接続され、スイッチング素子
2 及びQ4 の出力側が互いに接続されて接地されて、
所謂Hブリッジ回路に構成されている。
【0034】そして、スイッチング素子Q1 及びQ3
夫々マイクロコンピュータ15の出力側インタフェース
回路15dから出力される左切り方向信号LD及び右切
り方向信号RDが、スイッチング素子Q4 及びQ2 に夫
々マイクロコンピュータ15の出力側インタフェース回
路15dから出力される左切りデューティ制御用電流パ
ルスLP及び右切りデューティ制御用電流パルスRPが
夫々供給され、モータリレー20のリレーコイルの一端
がスイッチング素子としてのNPNトランジスタ23を
介してキースイッチ21に接続されていると共に、他端
が接地され、このトランジスタ23にマイクロコンピュ
ータ15の出力側インタフェース回路15dから出力さ
れる通電制御信号CSが供給されている。
【0035】次に、上記実施形態の動作をマイクロコン
ピュータ15における演算処理装置15bで実行される
制御処理手順を示す図3を伴って説明する。図3の電流
制御処理は、メインプログラムとしてマイクロコンピュ
ータ15に電源が投入されたときに実行開始され、先
ず、ステップS1で初期化を行って、少なくとも操舵系
が最大転舵角に達していることを表す最大転舵角状態フ
ラグFを“0”にリセットすると共に、通電制御信号C
Sをオン状態とし、その他演算処理に必要な初期化を行
う。
【0036】次いで、ステップS2に移行して、操舵ト
ルクセンサ13の操舵トルク検出値T、車速センサ14
の車速検出値VSP、電流センサ16の実電流検出値vD
及び電圧検出抵抗RM の駆動電圧検出値vD を夫々読込
み、次いでステップS3に移行して、操舵トルク検出値
Tを例えばハイパスフィルタ処理による微分処理を行う
ことにより、操舵トルク微分値T′を算出する。
【0037】次いで、ステップS4に移行して、車速検
出値VSP及び操舵トルク検出値Tをもとに記憶装置15
cに予め格納された基本電流制御マップを参照して基本
モータ電流指令値iF を算出する。
【0038】ここで、基本モータ電流制御マップは、図
4に示すように、車速検出値Vをパラメータとして操舵
トルク検出値Tと基本モータ電流指令値iF との関係を
表し、操舵トルク検出値Tが不感帯を規定する所定値T
1 から増加するに応じて基本モータ電流指令値iF の増
加率が増加し、操舵トルク検出値Tが所定値T2 以上と
なると飽和するように設定され、車速検出値VSPが増加
するに従って操舵トルク検出値Tの増加に対する基本モ
ータ電流指令値iF の増加が少なくなるように設定され
ている。
【0039】次いで、ステップS5に移行して、車速検
出値VSPをもとに記憶装置15cに予め格納された微分
係数制御マップを参照して微分係数K2 を算出する。こ
こで、微分係数制御マップは、図5に示すように、縦軸
に微分係数K2 を横軸に車速検出値VSPをとり、車速検
出値VSPが増加するに応じて微分係数K2 の増加率が減
少するような放物線状の特性曲線が設定されている。
【0040】次いで、ステップS6に移行して、車速検
出値VSPをもとに記憶装置15cに予め格納された操舵
角速度係数制御マップを参照して操舵角速度係数K3
算出する。
【0041】ここで、操舵角速度係数制御マップは、図
6に示すように、縦軸に操舵角速度係数K3 を、横軸に
車速検出値VSPを夫々とり、所定車速VSP1 以上となっ
たときに車速検出値VSPの増加に比例して操舵角速度係
数K3 が増加し、所定車速V SP2 以上で飽和する特性線
が設定されている。
【0042】次いで、ステップS7に移行して、モータ
電流検出値iD 、駆動電圧検出値v D をもとに下記
(1)式の演算を行って操舵角速度ωを算出する。 ω=(vD −iD ・R)/K4 …………(1) ここで、Rはモータのコイル抵抗値、K4 はモータの誘
起電圧定数である。
【0043】次いで、ステップS8に移行して、基本モ
ータ電流指令値iF 、微分係数K2、操舵トルク微分値
T′、操舵角速度係数K3 及び操舵角速度ωをもとに下
記(2)式の演算を行ってモータ電流指令値iT を算出
し、これを記憶装置15cの指令値記憶領域に更新記憶
する。
【0044】 iT =iF +K2 ・T′−K3 ω …………(2) 次いで、ステップS9に移行して、最大転舵角に達して
いることを表す最大転舵角状態フラグFが“1”にセッ
トされているか否かを判定し、これが“0”にリセット
されているときには、ステップS10に移行してステッ
プS8で算出したモータ電流指令値iT をモータ目標電
流指令値i* として記憶装置15cに形成した目標値記
憶領域に更新記憶してからステップS13に移行する。
【0045】一方、ステップS9の判定結果が最大転舵
角状態フラグFが“1”にセットされているときには、
ステップS11に移行して、ステップS8で算出された
モータ電流指令値iT が予め設定された設定値iS (据
切り状態で必要とする最小電流値に相当する最大電流値
の60%程度に設定し、最大電流値が35Aであるとき
には20A程度に設定する)以下であるか否かを判定
し、iT ≦iS であるときにはステップS12に移行し
て、最大転舵角状態フラグFを“0”にリセットしてか
ら前記ステップS10に移行し、iT >iS であるとき
には、後述するステップS18に移行する。
【0046】ステップS13では、操舵角速度ωが零で
あるか否かを判定し、操舵角速度ωが零でないときには
直接後述するステップS20に移行し、操舵角速度ωが
零であるときには、ステップS14に移行して、車速検
出値VSPが零であるか否かを判定し、VSP=0であると
きには据切り状態であると判断して後述するステップS
に移行し、VSP>0であるときには、車両が走行中
であると判断してステップS15に移行する。
【0047】このステップS15では、車速検出値VSP
が予め設定した低車速設定値VL (例えば車庫入れ等を
想定した5km/h程度)以下であるか否かを判定し、VSP
>V L であるときには、最大転舵角まで操舵する可能性
が少ないものと判断して直接後述するステップS20に
移行し、VSP≦VL であるときには、車庫入れ等によっ
て最大転舵角まで操舵する可能性があるものと判断して
ステップS16に移行する。
【0048】このステップS16では、ステップS8で
算出したモータ電流指令値iT が予め設定された所定電
流設定値iS 以上であるか否かを判定し、iT <iS
あるときにはステップS20に移行し、iT ≧iS であ
るときには、最大転舵角に達している状態での操舵状態
であると判断してステップS17に移行し、最大転舵角
状態フラグFを“1”にセットしてからステップS18
に移行する。
【0049】このステップS18では、記憶装置15c
の目標値記憶領域に記憶されているモータ目標電流指令
値i* が前述した設定値iS 以下であるか否かを判定
し、i * ≦iS であるときにはそのままステップS20
に移行し、i* >iS であるときにはステップS19に
移行して現在のモータ目標電流指令値i* から所定値Δ
iを減算した値を新たなモータ目標電流指令値i* とし
て記憶装置15cの目標値記憶領域に更新記憶してから
ステップS20に移行する。
【0050】ステップS20では、記憶装置15cの目
標値記憶領域に更新記憶されているモータ目標電流指令
値i* と実電流検出値iD をもとに下記(3)式の演算
を行って、デューティ比Dを算出し、これを記憶装置1
5cのデューティ比記憶領域に更新記憶する。
【0051】 D=K(i* −i) …………(3) ここに、Kは制御ゲインであって、モータ目標電流指令
値i* と実電流検出値iD との許容誤差範囲を例えば数
A程度と見込んで十数〜数十程度の値に設定される。
【0052】次いで、ステップS21に移行して、前記
ステップS2で読込んだ操舵トルク検出値Tが零を含む
負であるか否かを判定し、T≦0であるときには左切り
状態であると判断してステップS22に移行し、左切り
方向信号LDをオン状態とし、且つ右切り方向信号RD
をオフ状態とすると共に、記憶装置15cのデューティ
比記憶領域に更新記憶されているデューティ比Dを読出
し、これに応じた左切りデューティ制御用電流パルスL
Pを出力し、且つオフ状態の右切りデューティ制御用電
流パルスRPを出力してから前記ステップS2に戻り、
T>0であるときには右切り状態であると判断してステ
ップS23に移行し、右切り方向信号RDをオン状態と
し、且つ左切り方向信号LDをオフ状態とすると共に、
記憶装置15cのデューティ比記憶領域に更新記憶され
ているデューティ比Dを読出し、これに応じたデューテ
ィ比Dの右切りデューティ制御用電流パルスRPを出力
し、且つオフ状態の左切りデューティ制御用電流パルス
LPを出力してから前記ステップS2に戻る。そして、
前記ステップS14の判定結果が、V SP =0即ち停止状
態であるときには、ステップS24に移行し、前述した
ステップS16と同様にステップS8で算出したモータ
電流指令値i T が設定値i S 以上であるか否かを判定
し、i T <i S であるときには据切り時の保舵状態であ
ると判断してそのまま前記ステップS20に移行する
が、i T ≧i S であるときには、ステップS25に移行
して、i T ≧i S の状態を所定時間以上継続しているか
否かを判定し、所定時間が経過していないときにそのま
ま前記ステップS20に移行し、所定時間が経過したと
きには前記ステップS17に移行する。
【0053】以上の処理において、図3の処理が電流制
御手段に対応し、このうちステップS9〜S19の処理
が電流指令値補正手段に対応している。したがって、
今、車両が停止状態であり且つキースイッチ21がオフ
状態であると共に、エンジンも停止しているものとす
る。
【0054】この停止状態では、マイクロコンピュータ
15及びモータ駆動回路19に電源が投入されていない
ので、操舵補助モータ8に駆動電圧が印加されておら
ず、操舵補助制御も停止している。
【0055】この状態から、キースイッチ21をオン状
態とすることにより、モータ駆動回路19に電源が投入
されると共に、マイクロコンピュータ15にも電源が投
入されて図3の処理が実行開始される。
【0056】このとき、先ず、図3の制御処理における
ステップS1の初期化処理で、少なくとも最大転舵角状
態フラグFを“0”にリセットすると共に、制御信号C
Sがオン状態とされることにより、モータ駆動回路19
がキースイッチ21を介してバッテリ22に接続されて
駆動電圧を印加可能な状態となる。
【0057】この状態では操舵補助制御が開始されてい
ないので、操舵補助モータ8に電圧が印加されておら
ず、電流センサ16で検出される実電流検出値Vi 及び
電圧検出抵抗RV で検出される駆動電圧検出値vD も零
となっている。
【0058】このとき、ステアリングホイール1を操舵
していない状態では、操舵トルクセンサ13の操舵トル
ク検出値Tは略“0”となっており、車速検出値VSP
零であるので、ステップS3で算出される操舵トルク微
分値T′も“0”となり、さらにステップS4で図4に
示す特性曲線の内傾斜が一番大きい特性曲線L1 に対応
する電流制御マップが選択されるが、操舵トルク検出値
Tが“0”であるので、基本モータ電流指令値iF
“0”となると共に、ステップS7で算出される操舵角
速度ωも“0”となり、ステップS8で算出されるモー
タ電流指令値iTも“0”となる。
【0059】そして、初期化によって最大転舵状態フラ
グFが“0”にリセットされているので、ステップS9
からステップS10に移行して、ステップS8で算出さ
れたモータ電流指令値iT をモータ目標電流指令値i*
として記憶装置15cの目標値記憶領域に更新記憶して
からステップS13に移行する。
【0060】このステップS13では、操舵角速度ωが
“0”であることにより、ステップS14に移行する
が、車速検出値VSPが“0”であることにより、直接ス
テップS20に移行し、操舵補助モータ8が停止してい
て電流センサ16で検出される実電流検出値iD
“0”であるので、このステップS20で算出されるデ
ューティ比Dも“0”となり、ステップS21を経てス
テップS22に移行して左方向信号LDをオン状態、右
方向信号RDをオフ状態とし、左切りデューティ制御用
電流パルスLPをデューティ比“0”即ちオフ状態を維
持し、さらに右切りデューティ制御用電流パルスRPを
オフ状態に維持する。
【0061】このため、モータ駆動回路19では、スイ
ッチング素子Q1 のみがオン状態となり、他のスイッチ
ング素子Q2 〜Q4 がオフ状態となるので、H型ブリッ
ジ回路には電流が流れず、操舵補助モータ8は非通電状
態に維持され、この操舵補助モータ8で発生する操舵補
助トルクは“0”を維持し、非操舵状態が継続される。
【0062】その後、車両の停止状態でステアリングホ
イール1を例えば右切りして所謂据切りを行うと、操舵
トルク検出値Tがステアリングホイール1の操舵に応じ
た正の値となり、ステップS3で算出される操舵トルク
微分値T′もトルク変化量にに応じた値となるが、車速
検出値VSPが“0”であるので、ステップS5で算出さ
れる微分係数K2 は“0”となり、且つ操舵トルク検出
値Tが図4に示す電流制御マップの不感帯を規定する設
定値T1 を越えるまでの間は、ステップS4で算出され
る基本モータ駆動電流値iF が“0”を維持するので、
ステップS8で算出されるモータ電流指令値iT
“0”の状態を継続する。
【0063】しかしながら、操舵トルク検出値Tが図4
に示す電流制御マップの不感帯を規定する設定値T1
越えた値となると、ステップS4で、その増加量に応じ
た基本モータ駆動電流iF が算出されることにより、ス
テップS8で算出されるモータ電流指令値iT も操舵ト
ルク検出値Tに応じた値となる。
【0064】このとき、ステップS7で算出される操舵
角速度ωは、操舵補助モータ8が停止状態にあって、電
流検出値iD 及び電圧検出vD が共に“0”であること
から、“0”を維持するので、ステップS13からステ
ップS14に移行し、車速検出値VSPが“0”であるこ
とにより、直接ステップS14に移行して、デューティ
比Dがステアリングホイール1に与えられる据切り時の
操舵トルクに応じたデューティ比Dが算出され、操舵ト
ルク検出値Tが正であることからステップS21からス
テップS23に移行し、右方向信号RDをオン状態、左
方向信号LDをオフ状態とし、右切りデューティ制御用
電流パルスRPを算出されたデューティ比Dに応じたオ
ン・オフ比とし、左切りデューティ制御用電流パルスL
Pをオフ状態に維持させる。
【0065】このため、モータ駆動回路19のスイッチ
ング素子Q1 がオン状態を継続し、これに加えてスイッ
チング素子Q4 がデューティ比Dでオン・オフするの
で、操舵補助モータ8にデューティ比Dに応じた右切り
用の駆動電圧が印加されることになり、操舵補助モータ
8が回転駆動されて操舵トルク検出値Tに応じた右切り
用操舵補助トルクを発生することになり、軽い操舵を行
うことができる。
【0066】このように、操舵補助モータ8に駆動電圧
が印加されると、電流センサ16から操舵補助モータ8
に実際に流れる実電流値に応じた実電流検出値iD が出
力されると共に、電圧検出抵抗RV から操舵補助モータ
8の回転速度に応じた逆起電圧の増加に応じた電圧検出
値vD が出力され、これらがマイクロコンピュータ15
の入力側インタフェース回路15aに入力される。
【0067】このため、ステップS4で操舵補助モータ
8の回転速度に応じた操舵角速度ωが算出されるが、ス
テップS6で算出される操舵角速度係数K3 は車両が停
車状態であるため“0”を維持するので、モータ目標電
流指令値は操舵トルク検出値Tによって決定される。
【0068】一方、ステップS13では操舵角速度ωが
ステアリングホイール1の操舵角速度に対応して増加す
るので、ステップS14に行することなく直接ステッ
プS20に移行して、上記据切り制御処理を継続し、こ
れによって操舵補助モータ8が駆動制御されて、最適な
補助操舵力を発生して、軽い操舵を行うことができる。
ところが、据切り状態で、操舵系が最大転舵角に達し
て、さらにステアリングホイール1を操舵している状態
では、前述したように操舵角速度ωが“0”となること
により、ステップS13からステップS14に移行し、
車速検出値V SP が“0”であるので、ステップS24に
移行し、ステップS8で算出されるモータ電流指令値i
T が設定値i S 以上となったときには、この状態が継続
している継続時間が設定時間に達するまでは、ステップ
S25からステップS20に移行して、ステップS8で
算出されるモータ電流指令値i T に応じたデューティ比
Dで操舵補助モータ8を駆動制御するが、i T ≧i S
状態を継続する時間が所定時間を越えると、ステップS
25からステップS17に移行して、徐々にモータ目標
電流指令値i * を低下させて、操舵補助モータ8の発熱
を防止すると共に、消費電流を低下させる。
【0069】その後、据え切りを終了すると、操舵トル
ク検出値Tが略“0”の初期状態に復帰し、マイクロコ
ンピュータ15から出力される右方向信号RD及び左方
向信号LDがオフ状態となると共に、右切りデューティ
制御用電流パルスRP及び左切りデューティ制御用電流
パルスLPもオフ状態となり、モータ駆動回路19から
の操舵補助モータ8に対する駆動電圧の印加が停止され
て、操舵補助制御が停止される。
【0070】その後、車両が前進走行を開始することに
より車速センサ14の車速検出値V SPが増加して、低速
設定値VSP1 に達するまでの間において、非操舵状態で
あるときには、操舵角速度ωが“0”となるので、ステ
ップS13からステップS14及びS15を経てステッ
プS16に移行するが、この非操舵状態では操舵トルク
検出値Tが“0”であり、モータ電流指令値iT
“0”であるので、直接ステップS20に移行し、
“0”のデューティ比Dが算出されることにより、操舵
補助モータ8は停止状態を継続する。
【0071】このとき、ステアリングホイール1を操舵
して転舵状態としたときには、操舵補助モータ8が回転
を開始するまでは操舵角速度ωが“0”を継続している
ので、ステップS13〜S15を経てステップS16に
移行するが、前進走行状態では、ステアリングホイール
1を操舵しても最大操舵角まで操舵することはないの
で、操舵トルク検出値Tが大きな値となることはなく、
ステップS8で操舵トルク検出値T、操舵トルク微分値
T′及び操舵角速度ωに基づいて算出されるモータ目標
電流指令値i* も所定値iS 未満となるため、ステップ
S16からステップS20に移行して、前進時の操舵状
態に応じた操舵補助力が操舵補助モータ8から発生され
て、軽い操舵を行うことができる。
【0072】その後は、車速検出値VSPの増加に応じて
基本モータ電流指令値iF が低下すると共に、操舵角速
度係数K3 が増加することにより、ステップS8で算出
されるモータ目標電流指令値i* は小さい値となり、操
舵系に操舵抵抗を与えて操縦安定性を確保することがで
きる。
【0073】一方、車庫入れを行う場合には、低速で後
進すると共に、操舵角も大きくなり、操舵系が最大転舵
角を規制するストッパに当接する最大転舵角に達した状
態で、さらにステアリングホイール1に負荷を掛ける状
態となることがある。
【0074】この状態では、操舵トルク検出値Tが大き
な値となり、ステップS8で算出されるモータ目標電流
指令値i* も設定値iS 以上の大きな値となるが、操舵
系の最大転舵角以上の転舵が規制されることになるた
め、操舵補助モータ8の負荷が急増してその回転が停止
することになる。
【0075】このように、操舵補助モータ8の負荷が増
大すると、逆起電圧が低下することにより、ステップS
7で算出される操舵角速度ωが“0”となり、ステップ
S13からステップS14に移行し、車両が低速で後進
しているので、ステップS15を経てステップS16に
移行し、モータ目標電流指令値i* が設定値iS 以上で
あるため、ステップS17に移行し、最大転舵角状態フ
ラグFが“1”にセットされる。
【0076】次いで、ステップS18に移行して、記憶
装置15cに記憶されているモータ目標電流指令値i*
が設定値iS 以上であるので、ステップS19に移行し
て、現在のモータ目標電流指令値i* から所定値Δiが
減算されて、これが更新記憶されるので、ステップS2
0で算出されるデューティ比Dも小さい値に抑制され、
操舵補助モータ8に供給される電流が制限される。
【0077】このように、最大転舵角状態フラグFが
“1”にセットされると、次にステップS9に移行した
ときに、ステップS11に移行し、ステップS8で算出
されるモータ電流指令値iT が設定値iS 以上となる状
態を継続すると、直接ステップS18からステップS1
9に移行するので、モータ目標電流指令値i* が徐々に
設定値iS まで低下されれ、操舵補助モータ8の発熱を
確実に抑制することができる。しかも、この最大転舵角
に達した操舵状態では、操舵系がこれ以上転舵できない
状態であるので、操舵補助モータ8に対する電流指令値
を制限することは操舵に影響を与えることなくモータ発
熱の防止と消費電力の低下とを行うことができる。
【0078】そして、この状態からステアリングホイー
ル1を逆方向に操舵したときには、操舵トルク検出値T
が減少すると共に、操舵補助モータ8が逆方向に回転駆
動されるため、ステップS7で算出される操舵角速度ω
がステアリングホイール1の操舵角速度に応じて増加す
ることになると共に、ステップS8で算出されるモータ
電流指令値iT も設定値iS より小さい値となるので、
ステップS11からステップS12に移行して、最大転
舵状態フラグFが直ちに“0”にリセットされることに
なり、ステップS10でステップS8で算出されたモー
タ電流指令値i T がモータ目標電流指令値i* として設
定されると共に、ステップS13から直接ステップS2
0に移行することにより、ステップS8で算出されたモ
ータ電流指令値iT に応じたデューティ比Dが算出さ
れ、電流制限が行われることなく、良好な補助操舵を行
って、軽い操舵を行うことができる。
【0079】また、車両の走行中では、操舵系が最大転
舵角に達する以外は、上述したように据切り時のように
操舵トルク検出値Tが大きな値となることはなく、走行
中におけるステアリングホイール1の操舵に影響を及ぼ
すことは全くないと共に、停車中の据切り時には、ステ
ップS17〜S19に移行することがないので、モータ
目標電流指令値i* が制限されることはない。
【0080】また、車庫入れに限らず、低速前進状態
で、ステアリングホイール1を操舵して最大転舵角に達
した状態でステアリングホイール1をさらに操舵した場
合にも、操舵角速度ωが零となるので、車庫入れ時と同
様にモータ目標電流指令値i*を徐々に低下させて、操
舵補助モータ8の発熱を防止すると共に、消費電力を低
下させることができる。
【0081】このように、上記実施形態によると、操舵
補助モータ8の駆動電流及び駆動電圧から操舵角速度ω
を算出するようにしているので、操舵系に操舵角速度を
検出する操舵角速度センサを新設する必要はなく、この
分コストを低減することができると共に、既存の車速セ
ンサ14の車速検出値VSPを及びモータ電流指令値iT
を使用して最大転舵操舵状態を検出することができる。
【0082】なお、上記実施形態においては、最大転舵
角到達時における操舵状態で、モータ目標電流指令値i
* を徐々に低下させる場合について説明したが、これに
限定されるものではなく、最大転舵角状態での操舵状態
を検出したときに、モータ目標電流指令値i* を直ちに
設定値iS に制限するようにしてもよい。
【0083】
【0084】
【0085】
【0086】
【0087】なお、上記実施形態においては、最大転舵
角に達したことを操舵角速度ω、車速検出値VSP及びモ
ータ電流指令値iT に基づいて検出する場合について説
明したが、これに限定されるものではなく、ステアリン
グホイール1の操舵角を検出する操舵角センサを設け、
この操舵角センサの操舵角検出値に基づいて最大転舵角
を検出するようにしてもよく、さらには、操舵角速度ω
を積分して操舵角を求め、この操舵角から最大転舵角を
検出するようにしてもよい。
【0088】また、上記実施形態においては、モータ駆
動回路19をデューティ制御する場合について説明した
が、これに限定されるものではなく、モータ駆動回路1
9にデューティ制御用パルスLP,RPに変えて直接電
圧を指示する電圧制御信号を供給することにより、操舵
補助モータ8に供給する電圧を直接変化させるようにし
てもよい。
【0089】さらに、上記実施形態においては、モータ
電流指令値iT を(2)式に基づいて算出する場合につ
いて説明したが、これに限定されるものではなく、予め
記憶装置に車速検出値VSPをパラメータとした操舵トル
ク検出値とモータ電流指令値iT との関係を示す制御マ
ップを記憶させておき、操舵トルク検出値Tをもとに制
御マップを参照してモータ電流指令値iT を算出するよ
うにしてもよく、さらには車速に拘わらず1つの制御マ
ップでモータ電流指令値を求めるようにしてもよい。
【0090】さらにまた、上記実施形態においては、コ
ントロールユニット7をマイクロコンピュータ15を使
用して構成した場合について説明したが、これに限ら
ず、関数発生器、減算器、乗算器、パルス幅変調回路等
を電子回路を組み合わせて構成することもでき、さらに
は、マイクロコンピュータ15の演算処理装置15bで
デューティ制御用電流パルスLP,RPを形成すること
を省略して、外部にパルス幅変調回路を設けるようにし
てもよい。
【0091】なおさらに、モータ駆動回路19も上記構
成に限定されるものではなく、H型ブリッジ回路を構成
するスイッチング素子はトランジスタやリレー等の他の
任意のスイッチング素子を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す概略構成図である。
【図2】図1のコントロールユニットの具体例を示すブ
ロック図である。
【図3】コントロールユニットにおけるマイクロコンピ
ュータの電流制御処理の一例を示すフローチャートであ
る。
【図4】車速をパラメータとした操舵トルク検出値と基
本モータ電流指令値との関係を表す制御マップを示す特
性線図である。
【図5】車速検出値と微分係数との関係を表す微分係数
制御マップを示す特性線図である。
【図6】車速検出値と操舵角速度検出値との関係を表す
操舵角速度係数制御マップを示す特性線図である。
【符号の説明】
1 ステアリングホイール 2 ステアリングシャフト 7 コントロールユニット 8 電動モータ 13 操舵トルクセンサ 14 車速センサ 16 電流センサ RV 電圧検出抵抗 15 マイクロコンピュータ 19 モータ駆動回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B62D 6/00 - 6/06 B62D 5/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 操舵系に加えられる操舵トルクを検出す
    る操舵トルク検出手段と、前記操舵系に対して操舵補助
    力を付加する電動機と、前記操舵トルク検出手段の操舵
    トルク検出値に基づいて前記電動機に対する電流指令値
    を算出し、算出した電流指令値を目標電流指令値とし、
    該目標電流指令値に基づいて電動機を制御する電流制御
    手段とを備えた電動式パワーステアリング装置におい
    て、前記操舵系が最大転舵角に達したことを検出する最
    大転舵角操舵状態検出手段と、該最大転舵角操舵状態検
    出手段で最大転舵角を検出し、且つ前記電流指令値が所
    定値を超えているときに当該目標電流値を低下させる電
    流指令値補正手段とを備え、前記最大転舵角操舵状態検
    出手段は、操舵系の操舵角速度を検出する操舵角速度検
    出手段と、車両の車速を検出する車速検出手段と、前記
    操舵角検出手段で検出した操舵角速度及び車速検出手段
    で検出した車速検出値が共に零であり、且つ前記電流指
    令値が所定値以上である状態を所定時間以上継続したと
    き及び前記操舵角速度が零で、且つ前記車速検出値が低
    速設定値以下で零より大きいと共に、前記電流指令値が
    所定値以上であるときに最大転舵角操舵状態であると判
    定する判定手段とを有することを特徴とする電動式パワ
    ーステアリング装置。
  2. 【請求項2】 前記操舵角速度検出手段は、電動機の駆
    動電流及び駆動電圧を検出し、これらに基づいて操舵角
    速度を推定するように構成されていることを特徴とする
    請求項に記載の電動式パワーステアリング装置。
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