JP2006134689A - 誘導加熱装置 - Google Patents

誘導加熱装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2006134689A
JP2006134689A JP2004321661A JP2004321661A JP2006134689A JP 2006134689 A JP2006134689 A JP 2006134689A JP 2004321661 A JP2004321661 A JP 2004321661A JP 2004321661 A JP2004321661 A JP 2004321661A JP 2006134689 A JP2006134689 A JP 2006134689A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
induction heating
cycle
switching element
period
frequency
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004321661A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4613585B2 (ja
Inventor
Hideki Sadakata
秀樹 定方
Motonari Hirota
泉生 弘田
Takeshi Kitaizumi
武 北泉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP2004321661A priority Critical patent/JP4613585B2/ja
Publication of JP2006134689A publication Critical patent/JP2006134689A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4613585B2 publication Critical patent/JP4613585B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Induction Heating Cooking Devices (AREA)

Abstract

【課題】複数の加熱コイルを異なる駆動周波数で駆動した際に発生する干渉音を簡単に抑制可能とした誘導加熱装置を提供することを目的とする。
【解決手段】複数の加熱コイル22、63の駆動周期をそれぞれ所定の整数倍した周期が、所定周期毎に略同じになるように所定周期期間中に複数の加熱コイル22、63の駆動周期をそれぞれ周期的に変化させるようにしたものである。これによって、複数の加熱コイルを異なる駆動周波数で駆動しても、複数の加熱コイルから発生する周波数の異なる音波のある地点における干渉波は包絡線波形を有さず、干渉波の音圧レベルは略一定となるため、複数の音波の干渉波が人間の鼓膜を圧迫する周波数が可聴周波数以上となり、干渉音を簡単に抑制可能となる。
【選択図】図1

Description

本発明は、一般家庭やオフィス、レストラン、工場などで使用される誘導加熱装置に関するものである。
従来、この種の誘導加熱装置において、複数台の誘導加熱手段が近接設置された場合、各誘導加熱手段の加熱コイルがそれぞれ異なる周波数で駆動される際に干渉音が発生する。これを抑制するために、複数の加熱コイルを同じ周波数で駆動するようにした技術(例えば、特許文献1参照)や、複数の加熱コイルの駆動周波数差が可聴周波数以下または以上となるように設定する技術(例えば、特許文献2参照)が知られている。
特開2002−8840号公報 特開2004−37775号公報
しかしながら、前記従来の構成のうち、複数の加熱コイルを同じ周波数で駆動するものでは、複数の加熱コイルの駆動周波数を決定する際に複数のインバータ回路の動作周波数が他方により一方的に決定されることになる。そのため複数の誘導加熱手段を近接設置した誘導加熱装置は、インバータ回路の動作周波数による高周波電力制御が不可能となってしまい、インバータ回路の動作周波数固定で幅広い高周波電力を制御しようとすると、スイッチング素子が3つ必要になるなどインバータ回路の部品点数の増加やコストの増加などの課題を有していた。また、複数の加熱コイルの駆動周波数差を可聴周波数以下または以上になるように設定するものでは、例えば、一方の加熱コイルを可聴周波数以上の20kHzで駆動すると、他方は可聴周波数以上の差をもたせて40kHzで駆動することになり、高周波インバータのスイッチング周期の高周波化によって、スイッチング損失の増加、冷却システムの大型化、コストの増加などの課題を有していた。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、複数の加熱コイルを異なる駆動周波数で駆動した際に発生する干渉音を簡単に抑制可能とした誘導加熱装置を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の誘導加熱装置は、複数の加熱コイルの駆動周期をそれぞれ所定の整数倍した周期が、所定周期毎に略同じになるように所定周期期間中に複数の加熱コイルの駆動周期をそれぞれ周期的に変化させるようにしたものである。
これによって、複数の加熱コイルを異なる駆動周波数で駆動しても、複数の加熱コイルから発生する周波数の異なる音波のある地点における干渉波(合成波)は包絡線波形を有さず、干渉波の音圧レベルは略一定となるため、複数の音波の干渉波が人間の鼓膜を圧迫する周波数が可聴周波数以上となり、干渉音を簡単に抑制可能となる。
本発明の誘導加熱装置は、複数の加熱コイルを異なる駆動周波数で駆動した際に発生する干渉音を簡単に抑制可能とした。
第1の発明は、スイッチング素子のオン・オフによって高周波電力を発生させるインバータ回路と、加熱コイルとを備えた誘導加熱手段を複数近接設置し、前記複数の加熱コイルの駆動周期をそれぞれ所定の整数倍した周期が、所定周期毎に略同じになるように前記所定周期期間中に前記複数の加熱コイルの駆動周期をそれぞれ周期的に変化させるようにした誘導加熱装置とすることにより、複数の加熱コイルを異なる駆動周波数で駆動しても、複数の加熱コイルから発生する周波数の異なる音波のある地点における干渉波(合成波)は包絡線波形を有さず、干渉波の音圧レベルは略一定となるため、複数の音波の干渉波が人間の鼓膜を圧迫する周波数が可聴周波数以上となり、干渉音を簡単に抑制可能となる。
第2の発明は、特に、第1の発明において、所定周期を少なくとも2つ以上の複数の加熱コイルにおける各駆動周期より長い期間としたことにより、各加熱コイルを所定の出力に応じた各加熱コイルの周波数で少なくとも一回は駆動可能となり、また複数の加熱コイルそれぞれから発生するそれぞれの駆動周波数に依存する音波のある地点における干渉波の音圧レベルの変動を補正して略一定にすることが可能となり、干渉波が人間の鼓膜を圧迫する周波数が可聴周波数以上となり干渉音を抑制することができる。
第3の発明は、特に、第1または第2の発明において、少なくとも2つ以上の複数の加熱コイルにおけるそれぞれの駆動周期を、所定周期期間中において少なくとも2パターン以上の駆動周期に周期的に切り替えることにより、所定周期と、複数の加熱コイルの駆動周期をそれぞれ所定の整数倍した周期との差が非常に短い時間とならないように、予め調整することが可能となり、複数の加熱コイルを非常に高い周波数で駆動せずに干渉音を抑制することができる。すなわち、所定周期と、複数の加熱コイルの駆動周期をそれぞれ所定の整数倍した周期との差が非常に短くなると、非常に短い周期を1周期とする非常に高い周波数(例えば、差が10μsとなる場合、駆動周波数は100kHzとなる)で加熱コイルを駆動するため、インバータ回路のスイッチング損失の増大などが発生してしまうが、そのようなことにならないよう予め調整することが可能となる。
第4の発明は、特に、第1〜第3のいずれか1つの発明において、所定周期は、複数の加熱コイルから発生した干渉波の包絡線波形の半周期よりも短い範囲で設定することにより、干渉波が最高レベルから最低レベル、または最低レベルから最高レベルに変化する前に複数音波の位相差を補正することが可能となり、干渉波の音圧レベルを略一定に保持することが可能となる。
第5の発明は、特に、第1〜第3のいずれか1つの発明において、少なくとも2つ以上の複数の加熱コイルまたはインダクタの各駆動周期を、少なくとも2つ以上の加熱コイルまたはインダクタの各駆動周期が等しくなる際に、所定周期期間中に各駆動周期を切り替えることを中止して、所定の出力に応じた一定の駆動周期とすることにより、インバータ回路で発生させる高周波電力が所定周期期間内に周期的に変化せず安定した所定の高周波電力を供給することが可能となり、加熱コイルまたはインダクタの駆動周波数を所定の出力に応じて変化させるPFW方式を用いて干渉音を抑制しながら電力を制御することができる。
第6の発明は、特に、第1〜第3のいずれか1つの発明において、少なくとも2つ以上の加熱コイルの各駆動周期を、各加熱コイルのそれぞれの駆動周期が可聴周期の下限より短くなる際に、所定周期期間中に各加熱コイルのそれぞれの駆動周期を所定の出力に応じた一定の駆動周期とすることにより、インバータ回路で発生させる高周波電力が所定周期期間内に周期的に変化せず安定した所定の高周波電力を供給することが可能となり、加熱コイルまたはインダクタの駆動周波数を所定の出力に応じて変化させるPFW方式を用いて干渉音を抑制しながら電力を制御することができる。
第7の発明は、特に、第1〜第5のいずれか1つの発明において、電力制御は、各インバータ回路の動作周波数を変化させるPFM方式を用いたことにより、干渉音を抑制しながら電力制御をすることができる。
第8の発明は、特に、第1〜第5のいずれか1つの発明において、電力制御は、各インバータ回路のオン・オフ時間を変化させるPWM方式または非対称PWM方式を用いたことにより、のインバータ回路に備えられたスイッチング素子のオン、オフ時間比率を変化させることにより、干渉音を抑制しながら電力制御をすることができる。
第9の発明は、特に、第1〜第5のいずれか1つの発明において、電力制御は、昇圧回路により各インバータ回路の入力電圧を任意の電圧に変化させるPAM方式を用いたことにより、干渉音を抑制しながら電力制御をすることができる。
第10の発明は、特に、第1〜第5のいずれか1つの発明において、電力制御は、各インバータ回路の駆動期間と休止期間の時間間比率を変化させるPDM方式を用いたことにより、干渉音を抑制しながら電力制御をすることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態)
図1は、本発明の実施の形態における誘導加熱装置を示すものである。
図に示すように、第1の力率改善回路3は第1のスイッチング素子6のオン・オフによって力率を改善し、第1の昇圧回路8は第2のスイッチング素子12のオン・オフによって任意の電圧に昇圧し、第1のインバータ回路16は第3のスイッチング素子17および第4のスイッチング素子18のオン・オフによって高周波電力を発生させるものであり、第1の加熱コイル22と対向して配置される第1の鍋24を加熱する第1の誘導加熱手段84を構成している。
また、第2の力率改善回路44は第5のスイッチング素子47のオン・オフによって力率を改善し、第2の昇圧回路49は第6のスイッチング素子53のオン・オフによって任意の電圧に昇圧し、第2のインバータ回路57は第7のスイッチング素子58および第8のスイッチング素子59のオン・オフによって高周波電力を発生させるものであり、第2の加熱コイル63と対向して配置される第2の鍋65を加熱する第2の誘導加熱手段85を構成している。そして、前記第1の誘導加熱手段84と第2の誘導加熱手段85は近接設置されており、1つの誘導加熱装置を構成している。
前記第1の誘導加熱手段84において、商用電源1は低周波交流電源である200V商用電源であり、ブリッジダイオードである第1の整流回路2の入力端に接続される。第1の整流回路2におけるカソード側の出力端に力率改善用に用いられる第1のチョークコイル4が接続される。さらに、第1のチョークコイル4と第1の整流回路におけるアノード側の出力端間に第1のダイオード5と第1のスイッチング素子6の並列接続体が接続される。また、第2のダイオード7は第1のスイッチング素子6の高電位側端子(コレクタ)に接続するよう配置される。第1のチョークコイル4、第1のダイオード5、第1のスイッチング素子6、第2のダイオード7は第1の力率改善回路3を構成する。ただし、本実施の形態において、第1の力率改善回路3を高周波動作させるためスイッチング速度の速いMOSFETを使用している。このため、第1のダイオード5が付帯しているが第1のダイオード5がなくとも動作に何ら影響を与えない。第1の力率改善回路3の出力端、つまり第2のダイオード7のカソード側端子と第1のスイッチング素子6の低電位側端子(エミッタ)間に第1の平滑コンデンサ9が接続される。第1の力率改善回路3は入力電圧を任意の電圧に昇圧した電圧を第1の平滑コンデンサ9に供給し、第1の平滑コンデンサ9は第1の昇圧回路8にエネルギーを供給するものである。
第1の平滑コンデンサ9は、入力電圧を平滑して第1の昇圧回路8にエネルギーを供給するものである。第1の平滑コンデンサ9の高電位側出力端間には第2のチョークコイル10が接続される。第2のチョークコイル10の出力端と第1の平滑コンデンサ9の低電位側端子間に、第2のスナバコンデンサ11と、第3のダイオード13と第2のスイッチング素子12の並列接続体が接続される。また、第2のスイッチング素子12の高電位側端子(コレクタ)に第4のダイオード14が接続するように配置される。さらに、第4のダイオード14のカソード側端子と第2のスイッチング素子12の低電位側端子(エミッタ)間に第2の平滑コンデンサ15が接続される。第2のチョークコイル10、第2のスナバコンデンサ11、第2のスイッチング素子12、第3のダイオード13、第4のダイオード14、第2の平滑コンデンサ15は第1の昇圧回路8を構成する。第2の平滑コンデンサ15は、第1の平滑コンデンサ9の電圧を昇圧した電圧を第1のインバータ回路16に供給するものである。
第1のインバータ回路16は第1の昇圧回路8の出力端、つまり第2の平滑コンデンサ15の両端に接続される。第2の平滑コンデンサ15の両端には第3のスイッチング素子17と第4のスイッチング素子18を直列接続したものが接続される。第3のスイッチング素子17と第4のスイッチング素子18にはそれぞれ第5のダイオード(逆導通素子)19、第6のダイオード(逆導通素子)20が逆並列に(スイッチング素子の高電位側端子(コレクタ)とダイオードのカソードが接続されるように)接続される。また、第4のスイッチング素子18(第3のスイッチング素子17であってもよい)に並列に第3のスナバコンデンサ21が接続される。さらに、第4のスイッチング素子18(第3のスイッチング素子17であってもよい)に並列に第1の加熱コイル22と第1の共振コンデンサ23の直列接続体が接続される。第1の加熱コイル22は負荷である第1の鍋24と対向して配置されている。第3のスイッチング素子17、第4のスイッチング素子18、第5のダイオード19、第6のダイオード20、第3のスナバコンデンサ21、第1の加熱コイル22、第1の共振コンデンサ23および第1の鍋24は第1のインバータ回路16を構成する。
第1の力率改善回路3における第1のスイッチング素子6を制御する第3の制御部37は、第1の誘導加熱手段84の入力電流を検知する第2の電流検知部39を備え、前記第2の電流検知部39の出力と第1の参照正弦波発生回路38の出力を第3の比較部40で比較し、第3の比較部40からは第1の参照正弦波と同等の入力電流が得られるよう第3の可変導通比設定部42に信号が出力される。第3の可変導通比設定部42では、第3の発振部(マイコン)41による基準発振に基づいた駆動周波数で第1のスイッチング素子6の導通比を設定し、第1のスイッチング素子6の導通制御を行う。第3の制御部37は、これらの第1の参照正弦波発生回路38、第2の電流検知部39、第3の比較部40、第3の発振部(マイコン)41、第3の可変導通比設定部42を内包する。
また、第1の昇圧回路8における第2のスイッチング素子12を制御する第2の制御部31は、第1のインバータ回路16の入力電圧となる第2の平滑コンデンサ15電圧を検知する第1の電圧検知部33を備え、前記第1の電圧検知部33から出力された信号は、第1の基準電圧設定部32と第2の比較部34によって比較され、第2の比較部34からは第1のインバータ回路16の所定入力電圧が得られるよう第2の可変導通比設定部36に信号が出力される。第2の可変導通比設定部36では、第2の発振部(マイコン)35による基準発振に基づいた駆動周波数で、第2のスイッチング素子12の導通比を設定し、第2のスイッチング素子12の導通制御を行う。第2の制御部31は、これらの第1の基準電圧設定部32、第1の電圧検知部33、第2の比較部34、第2の発振部(マイコン)35、第2の可変導通比設定部36を内包する。
さらに、第1のインバータ回路16の入力電流を検知する第1の電流検知部27と、使用者による操作に基づいた入力設定に応じた電流参照値を出力する第1の基準電流設定部26が第1の比較部28によって比較され、第1の比較部28と入力設定に応じた発信周波数信号を出力する第1の発振部(マイコン)29から出力された信号が第1の可変導通比設定部30に出力される。第1の可変導通比設定部30では、第1の発振部(マイコン)29に基づいた駆動周波数で、第3のスイッチング素子17と第4のスイッチング素子18の導通比を設定し、第3のスイッチング素子17と第4のスイッチング素子18を排他的に導通制御する。第1の制御部25は、これらの第1の基準電流設定部26、第1の電流検知部27、第1の比較部28、第1の発振部(マイコン)29、第1の可変導通比設定部30を内包する。
図1に示す第2の誘導加熱手段85において、商用電源1は低周波交流電源である200V商用電源であり、ブリッジダイオードである第2の整流回路43の入力端に接続される。第2の整流回路43におけるカソード側の出力端に力率改善用に用いられる第3のチョークコイル45が接続される。さらに、第3のチョークコイル45と第2の整流回路43におけるアノード側の出力端間に第7のダイオード46と第5のスイッチング素子47の並列接続体が接続される。また、第8のダイオード48は第5のスイッチング素子47の高電位側端子(コレクタ)に接続するよう配置される。第3のチョークコイル45、第7のダイオード46、第5のスイッチング素子47、第8のダイオード48は第2の力率改善回路44を構成する。ただし、本実施の形態において、第2の力率改善回路44を高周波動作させるためスイッチング速度の速いMOSFETを使用している。このため、第7のダイオード46が付帯しているが第7のダイオード46がなくとも動作に何ら影響を与えない。第2の力率改善回路44の出力端、つまり第8のダイオード48のカソード側端子と第5のスイッチング素子47の低電位側端子(エミッタ)間に第3の平滑コンデンサ50が接続される。第2の力率改善回路44は入力電圧を任意の電圧に昇圧した電圧を第3の平滑コンデンサ50に供給し、第3の平滑コンデンサ50は第2の昇圧回路49にエネルギーを供給するものである。
第2の力率改善回路44の出力端、つまり第8のダイオード48のカソード側端子と第5のスイッチング素子47の低電位側端子(エミッタ)間に第3の平滑コンデンサ50が接続される。第3の平滑コンデンサ50は、入力電圧を平滑して第2の昇圧回路49にエネルギーを供給するものである。第3の平滑コンデンサ50の高電位側出力端間には第4のチョークコイル51が接続される。第4のチョークコイル51の出力端と第3の平滑コンデンサ50の低電位側端子間に、第5のスナバコンデンサ52と、第9のダイオード54と第6のスイッチング素子53との並列接続体が接続される。また、第6のスイッチング素子53の高電位側端子(コレクタ)に第10のダイオード55が接続するように配置される。さらに、第10のダイオード55のカソード側端子と第6のスイッチング素子53の低電位側端子(エミッタ)間に第4の平滑コンデンサ56が接続される。第4のチョークコイル51、第5のスナバコンデンサ52、第6のスイッチング素子53、第9のダイオード54、第10のダイオード55、第4の平滑コンデンサ56は第2の昇圧回路49を構成する。第4の平滑コンデンサ56は、第3の平滑コンデンサ50の電圧を昇圧した電圧を第2のインバータ回路57に供給するものである。
第2のインバータ回路57は第2の昇圧回路49の出力端、つまり第4の平滑コンデンサ56の両端に接続される。第4の平滑コンデンサ56の両端には第7のスイッチング素子58と第8のスイッチング素子59を直列接続したものが接続される。第7のスイッチング素子58と第8のスイッチング素子59にはそれぞれ第11のダイオード(逆導通素子)60、第12のダイオード(逆導通素子)61が逆並列に(スイッチング素子の高電位側端子(コレクタ)とダイオードのカソードが接続されるように)接続される。また第8のスイッチング素子59(第7のスイッチング素子58であってもよい)に並列に第6のスナバコンデンサ62が接続される。さらに第8のスイッチング素子59(第7のスイッチング素子58であってもよい)に並列に第2の加熱コイル63と第2の共振コンデンサ64の直列接続体が接続される。第2の加熱コイル63は負荷である第2の鍋65と対向して配置されている。第7のスイッチング素子58、第8のスイッチング素子59、第11のダイオード60、第12のダイオード61、第6のスナバコンデンサ62、第2の加熱コイル63、第2の共振コンデンサ64および第2の鍋65は第2のインバータ回路57を構成する。
第2の力率改善回路44における第5のスイッチング素子47を制御する第6の制御部78は、第2の誘導加熱手段85の入力電流を検知する第4の電流検知部80を備え、前記第4の電流検知部80の出力と第2の参照正弦波発生回路79の出力を第6の比較部81で比較し、第6の比較部81からは第2の参照正弦波と同等の入力電流が得られるよう第6の可変導通比設定部83に信号が出力される。第6の可変導通比設定部83では、第6の発振部(マイコン)82による基準発振に基づいた駆動周波数で第5のスイッチング素子47の導通比を設定し、第5のスイッチング素子47の導通制御を行う。第6の制御部78は、これらの第2の参照正弦波発生回路79、第4の電流検知部80、第6の比較部81、第6の発振部(マイコン)82、第6の可変導通比設定部83を内包する。
また、第2の昇圧回路49における第6のスイッチング素子53を制御する第5の制御部72は、第2のインバータ回路57の入力電圧となる第4の平滑コンデンサ56電圧を検知する第2の電圧検知部74を備え、前記第2の電圧検知部74から出力された信号は、第2の基準電圧設定部73と第5の比較部75によって比較され、第5の比較部75からは第2のインバータ回路57の所定入力電圧が得られるよう第5の可変導通比設定部77に信号が出力される。第5の可変導通比設定部77では、第5の発振部(マイコン)76による基準発振に基づいた駆動周波数で、第6のスイッチング素子53の導通比を設定し、第6のスイッチング素子53の導通制御を行う。第5の制御部72は、これらの第2の基準電圧設定部73、第2の電圧検知部74、第5の比較部75、第5の発振部(マイコン)76、第5の可変導通比設定部77を内包する。
さらに、第2のインバータ回路47の入力電流を検知する第3の電流検知部68と、使用者による操作に基づいた入力設定に応じた電流参照値を出力する第2の基準電流設定部67が第4の比較部69によって比較され、第4の比較部69と入力設定に応じた発信周波数信号を出力する第4の発振部(マイコン)70から出力された信号が第4の可変導通比設定部71に出力される。第4の可変導通比設定部71では、第4の発振部(マイコン)70に基づいた駆動周波数で、第7のスイッチング素子58と第8のスイッチング素子59の導通比を設定し、第7のスイッチング素子58と第8のスイッチング素子59を排他的に導通制御する。第4の制御部66は、これらの第2の基準電流設定部67、第3の電流検知部68、第4の比較部69、第4の発振部(マイコン)70、第4の可変導通比設定部71を内包する。
また、第1の発振部29、第2の発振部35、第3の発振部41、第4の発振部70、第5の発振部76、第6の発振部82とを接続することで、互いに通信可能となり、互いに他方の出力周波数を認識できるようになり、前記第1〜第6の発振部29、35、41、70、76、82はそれぞれの制御対象となる第1〜第8のスイッチング素子6、12、17、18、47、53、58、59の駆動周期をそれぞれ所定の整数倍した周期が、所定周期毎に略同じになるように前記所定周期期間中に前記加熱コイル22、63またはインダクタの駆動周期をそれぞれ周期的に変化させるものである。
以上のように構成された誘導加熱手段において、以下動作を説明する。
商用電源1は第1の整流回路2により全波整流され、第1の整流回路2の出力端に接続された第1の力率改善回路3に供給され、第1の力率改善回路3の出力端には第1の平滑コンデンサ9が接続されている。第1の平滑コンデンサ9は非常に大きな容量に設定されているため、第1の平滑コンデンサ9電圧のエンベロープ(包絡線)が平滑されて第1の昇圧回路8に供給される。
第1の力率改善回路3は、図2に示す動作波形のように商用電源1が第1の平滑コンデンサ9の電圧よりも小さい場合に第1の力率改善回路3に含まれる第2のダイオード7および整流回路2のブリッジダイオードがターンオンできずに入力電流波形が歪み、力率が著しく低くなる際に、第3の制御部37は、第2の電流検知部39の検出電流が参照正弦波発生回路38の出力と等しくなるように第3の可変導通比設定部42の出力を変化させ、第1のスイッチング素子6をターンオン・オフさせることで、商用電源1から第1のチョークコイル4を介して入力電流が流れるようになり、商用電源1側に歪んだ入力電流を流さないようにするものである。また、第1のスイッチング素子6がターンオンしている状態では商用電源1から第1のチョークコイル4にエネルギーが蓄えられており、その後、第3の可変導通比設定部42で設定された導通時間が経過すると第1のスイッチング素子6がターンオフし、第1のチョークコイル4に蓄えられたエネルギーが第2のダイオード7を介して、第1の平滑コンデンサ9に供給されるため、第1の平滑コンデンサ9の電圧は商用電源1より高い電圧となる。本実施の形態では、第1のスイッチング素子6の動作周波数を40kHz、導通時間を12.5μsとして、第1の平滑コンデンサ9の電圧は300Vとなるようにしているが、これは第1のチョークコイル4や第1のスイッチング素子6の動作周波数および導通時間を調整することで可変可能であることは言うまでもない。また、第2の力率改善回路44においても、前記第1の第1の力率改善回路3と同様の動作を行うものである。
第1の平滑コンデンサ9電圧は第1の昇圧回路8により任意の電圧に昇圧され、第2の平滑コンデンサ15を介して第1のインバータ回路16に供給される。
第1の昇圧回路8は、図3に示す動作波形のように第2のスイッチング素子12がターンオンしている期間中に第2のチョークコイル10にエネルギーを蓄え、第2のスイッチング素子12がターンオフすると、第2のチョークコイル10に蓄えられたエネルギーが第4のダイオード14を介して第2の平滑コンデンサ15を充電することで昇圧動作をするものである。本実施の形態では、第2のスイッチング素子12の動作周波数を20kHz、導通時間を25μsとして、第2の平滑コンデンサ15電圧を700Vとしているが、第2のスイッチング素子12の動作周波数または導通期間を調整することでより高いまたは低い電圧を出力することができる。また、第2のスイッチング素子12は第3のダイオード(逆導通素子)13と第2のスナバコンデンサ11が並列に接続されているため、第2のスイッチング素子12をオフする時、第2のスナバコンデンサ11が傾きをもって充電開始し、第2のスイッチング素子12はZVSターンオフ動作を実現する。第2のスイッチング素子12がオフしている期間中に第1のスナバコンデンサ11は第2の平滑コンデンサ15と同じ電圧になると第2の平滑コンデンサ15電圧と同等の電圧に固定され、その後、第2の平滑コンデンサ15の電圧が第1のスナバコンデンサ11より高い電圧になると、第1のスナバコンデンサ11は放電を開始し、前記第1のスナバコンデンサ11が放電完了すると、第3のダイオード(逆導通素子)13がオンする。本実施の形態では、図3に示すように、第1のスナバコンデンサ11の放電完了と同時に第2のスイッチング素子12がターンオンするように駆動する連続モードとしているが、第1のスナバコンデンサ11が放電完了してから所定の時間が経過してから、第2のスイッチング素子12をターンオンしても問題ない。また、第1のスナバコンデンサ11が放電完了する前に第2のスイッチング素子12をターンオンしても動作可能であるが、その場合、第2のチョークコイル10に流れていた電流が急激に第2のスイッチング素子12に流れ込むため損失が増加してしまうので、本実施の形態では、第1のスナバコンデンサ11が放電完了すると同時に第2のスイッチング素子12をターンオンしている。第1の力率改善回路3の出力にあたる第1の平滑コンデンサ9が、第1の昇圧回路8によって図2(d)から図3(d)に示すように昇圧され第2の平滑コンデンサ15に出力される。以上が図1に示した第1の昇圧回路8の1周期の動作である。また第2の昇圧回路49においても、前記第1の昇圧回路8と同様の動作を行うものである。
第1の昇圧回路8によって昇圧された第2の平滑コンデンサ15電圧は第1のインバータ回路16に供給される。第1のインバータ回路16は図4に示すように、第3のスイッチング素子17および第4のスイッチング素子18のオン・オフによって加熱コイル22に所定の周波数の高周波電流を発生するように動作させる。第3のスイッチング素子17がオンしている状態から、オフすると第3のスナバコンデンサ21が傾きをもって放電するため、第3のスイッチング素子17はZVSターンオフ動作を実現する。第3のスナバコンデンサ21が放電しきると、第6のダイオード(逆導通素子)20がオンし、第6のダイオード(逆導通素子)20がオンしている期間中に第4のスイッチング素子18のゲートにオン信号を加えると、第6のダイオード(逆導通素子)20がターンオフして第4のスイッチング素子18に電流が転流し、第4のスイッチング素子18はZVS&ZCSターンオフ動作を実現する。第4のスイッチング素子18がオンしている状態から、オフすると第3のスナバコンデンサ21は傾きをもって充電するため、第4のスイッチング素子18はZVSターンオフ動作を実現する。前記第3のスナバコンデンサ21が、第2の平滑コンデンサ15と同じ電圧まで充電されると第5のダイオード(逆導通素子)19がオンし、第5のダイオード(逆導通素子)19がオンしている期間中に第3のスイッチング素子17のゲートにオン信号を加えると、第5のダイオード19がターンオフして第3のスイッチング素子17に電流が転流し、第3のスイッチング素子17はZVS&ZCSターンオン動作を実現する。以上が図1に示した第1のインバータ回路16の1周期の動作である。本実施の形態では第3のスイッチング素子17と第4のスイッチング素子18は第2の平滑コンデンサ15を短絡しないためにもデッドタイム2μsの間隔を設けて、交互にオン・オフさせている。図4に示す波形では第3のスイッチング素子17と第4のスイッチング素子18の導通時間は共にデッドタイムを含めて25μsで、インバータ回路16の動作周波数は50kHzとしているが、動作周波数および導通時間を調整することで、高周波電力の制御が可能である。また第2のインバータ回路57の動作原理も前記第1のインバータ回路16と同様であるが、本実施の形態では、図5に示すように、第2のインバータ回路57における第2の加熱コイル63の駆動周波数が22kHzと、第1の加熱コイル22の駆動周波数より2kHz高くなるように設定している。
以上のように、本実施の形態において、インバータ回路と少なくとも2つ以上の加熱コイルとを備えた誘導加熱手段を複数台近接設置した誘導加熱装置において、第1のインバータ回路16(動作周波数20kHz)と第2のインバータ回路57(動作周波数22kHz)の動作周波数が2kHz異なるため、第1の加熱コイル22から生じる20kHzの音波と第2の加熱コイル63から生じる22kHzの音波のある地点での干渉波(合成波)は図11に示すように包絡線波形となるため、2kHzの干渉音が発生する。
発明者らの実験で確認できたのは、複数の加熱コイルに流れる電流の周波数差に相当する干渉音である。実験から得た干渉音についての知見は以下のとおりである。
干渉音は2つ以上の周波数の異なる音波が干渉することによって発生する。図11は周波数の異なる2つの音波のある地点(位相差がkとなる地点)における干渉の様子を示している。図11が示すように周波数f1=20kHzの音波y(t)86と、周波数f2=22kHzの音波y(t)87の合成波y(t)88は重ね合わせの定理により(数1)のように表される。
Figure 2006134689
前記合成波y(t)88は、前記(式3)より包絡波形となり、その周波数は(数2)で与えられることが分かる。
Figure 2006134689
図11に示すように、合成波y(t)88の音圧レベルは包絡線89の1周期中に小→大→小→大→小と変化して2度人間の鼓膜を圧迫することになる。つまり人間には前記合成波y(t)88の包絡線89の半周期を1周期とする干渉音が聞こえることになり、その周波数は(数3)で表されるので、結局2つの音波の周波数差に相当する音が干渉音として人間の耳に聴こえることになる。
Figure 2006134689
つまり、近接設置された複数台の誘導加熱手段を有する誘導加熱装置において、前記各誘導加熱装置の加熱コイルそれぞれから発生するそれぞれの加熱コイルに流れる電流周波数に依存する複数の音波が干渉することで、(式3)に示すような合成波y(t)88が生じることになり、合成波y(t)88の包絡線89の半周期、つまり前記複数の音波の周波数差に相当する干渉音が発生する。
しかし、既述したとおり、複数の加熱コイルの駆動周期をそれぞれ所定の整数倍した周期が、所定周期毎に略同じになるように前記所定周期期間中に前記複数の加熱コイルの駆動周期をそれぞれ周期的に変化させるようにする、また所定周期を少なくとも2つ以上の複数の加熱コイルにおける各駆動周期より長い期間とする、さらに少なくとも2つ以上の複数の加熱コイルにおけるそれぞれの駆動周期を、所定周期期間中において少なくとも2パターン以上の駆動周期に周期的に切り替えて、周波数切り替えを行い、図6に示すようなスイッチング素子17、18、58、59のゲート電圧パターンとすると、第1のインバータ回路16と第2のインバータ回路57の動作波形は図7に示すようになる。
第1のインバータ回路16における第3のスイッチング素子17と第2のインバータ回路57における第7のスイッチング素子58の各ゲート電圧が0μs時に同時に−15Vから20Vになったところから、第7のスイッチング素子58は周波数22kHz一定のままで駆動している。本実施の形態では、所定周期Taをこの第7のスイッチング素子58における周波数22kHzの2周期に相当する時間として設定している。第3のスイッチング素子17は0μsから動作周波数が20kHzで1周期、(Ta−T1)の周期に相当する周波数で1周期動作することにより、所定周期Ta経過後には再び第3のスイッチング素子17と第7のスイッチング素子58のゲート電圧位相が0に補正されており、その時における第1の加熱コイル22から生じる音波と第2の加熱コイル63から生じる音波と、前記音波のある地点における干渉波(合成波)は、図10に示すようになり、図11と比べると干渉波(合成波)の包絡線波形が修正され、干渉波(合成波)の音圧レベルが略一定にすることが可能となり、複数の近接設置された加熱コイルを異なる周波数で駆動しても干渉音が抑制することができる。ただし、図6および図7は(数4)の(式4)および(式5)で表される第3のスイッチング素子17と第4のスイッチング素子18のオン、オフの時比率1、および第7のスイッチング素子58と第8のスイッチング素子59のオン、オフの時比率2が0.5の場合を示しているが、時比率1および時比率2がそれぞれ0.5以外でも何ら問題ないことは言うまでもない。
Figure 2006134689
また、本実施の形態では、図6に示すT’およびT’とその動作周期数N’およびN’は、TおよびTの動作周期数をNおよびNとすると、(式6)を満たすように選定される。
・N+T’・N’=T・N+T’・N’=Ta・・・式6
さらに、図6に示す所定周期Taは第1のインバータ回路16の動作周期Tと第2のインバータ回路57の動作周期Tよりも長く、さらに可聴周波数に相当する周期Tbよりも短く設定される期間であり、(式7)を満たすように選定される。
<Ta∩T<Ta∩Ta<Tb・・・・・・・・・・・・・・・・式7
前記(式6)および(式7)を満足することにより、本実施の形態では、可聴周波数の下限に相当する周期Tbよりも短い所定の周期Ta毎に第1のインバータ回路16と第2のインバータ回路57におけるゲート電圧信号の位相差を略同じに補正することが可能となり、インバータ動作周波数に起因する音波の発生源となる第1〜第4のチョークコイル、第1〜第6のスナバコンデンサ、第1、第2の加熱コイル、第1、第2の共振コンデンサなどから生じる周波数の異なる音波の合成波が有する包絡線波形の半周期は可聴周波数に相当する周期Tbよりも短くなるため、前記複数の音波の合成波が人間の鼓膜を圧迫する周波数が可聴周波数以上となり、干渉音を抑制可能な誘導加熱手段とすることができる。
さらに、本実施の形態において、複数の加熱コイルそれぞれの駆動周波数が同じ、つまり複数の加熱コイルの駆動周波数差が可聴周波数以上または以下となる場合には、第1のインバータ回路16における第3のスイッチング素子17と第4のスイッチング素子18および第2のインバータ回路57における第7のスイッチング素子58と第8のスイッチング素子59の動作周波数を出力電力に応じた周波数に固定することにより、所定周期毎に前記複数のスイッチング素子の動作周波数を変化させずに干渉音を抑制可能となる誘導加熱手段とすることができる。
さらに、図1に示す本実施の形態において、(式6)および(式7)を満たすようにT、N、T’、N’、T、N、T’、N’、Taを変化させる、つまり各インバータ回路の動作周波数を変化させることにより、各加熱コイルに発生する高周波電力が変化することになり、各インバータ回路の動作周波数を変化させるPFM方式で電力制御が可能となり、干渉音を抑制しながら複数の近接設置された誘導加熱手段を電力制御可能となる。また、図1に示す本実施の形態において、(式4)および(式5)を満たすように各インバータ回路のオン、オフ時間を変化させることにより、各加熱コイルに発生する高周波電力が変化することになり、各インバータ回路のオン、オフ時間を変化させるPWM方式または非対称PWM方式で電力制御が可能となり、干渉音を抑制しながら複数の近接設置された誘導加熱手段を電力制御可能となる。また、図1に示す本実施の形態において、各昇圧回路の昇圧比を変化させることにより、各加熱コイルに発生する高周波電力が変化することになり、各昇圧回路により各インバータ回路の入力電圧を任意の電圧に変化させるPAM方式で電力制御が可能となり、干渉音を抑制しながら複数の近接設置された誘導加熱手段を電力制御可能となる。また(式6)および(式7)を満たすようにT、N、T’、N’、T、N、T’、N’、Taを選定しておいて、図9に示すようにインバータ回路の駆動期間Tmと停止期間(Tn−Tm)の時比率を変化させることにより、加熱コイルに発生する高周波電力が変化することになり、インバータ回路の駆動期間Tmと停止期間(Tn−Tm)の時比率を変化させるPDM方式で電力制御することができる。
以上のように、本発明にかかる誘導加熱装置は、複数の加熱コイルを異なる駆動周波数で駆動した際に発生する干渉音を簡単に抑制可能としたので、誘導加熱調理器としてはもちろんのこと、誘導加熱式コピーローラー、誘導加熱式溶解炉、誘導加熱式ジャー炊飯、またはその他の誘導加熱式加熱システムとしても有用である。
本発明の実施の形態における誘導加熱装置の回路図 同誘導加熱装置における第1の力率改善回路の動作波形図 同誘導加熱装置における第1の昇圧回路の動作波形図 同誘導加熱装置における第1のインバータ回路の動作波形図 同誘導加熱装置における第2のインバータ回路の動作波形図 同誘導加熱装置の第1、第2のインバータ回路における各スイッチング素子のゲート電圧波形図 同誘導加熱装置の第1、第2のインバータ回路における各スイッチング素子の電流と電圧波形図 同誘導加熱装置の第1、第2のインバータ回路における動作周波数差が可聴周波数以上となる場合の波形図 同誘導加熱装置のインバータ回路の動作周波数を変化させるPFM方式の制御信号例を示す図 同誘導加熱装置において干渉音抑制可能な制御方法を用いた際の音波と合成音波の波形図 誘導加熱装置における2つの音波と合成音波の波形図
符号の説明
1 商用電源
3 第1の力率改善回路
8 第1の昇圧回路
16 第1のインバータ回路
22 第1の加熱コイル
24 第1の鍋
25 第1の制御部
31 第2の制御部
37 第3の制御部
44 第2の力率改善回路
49 第2の昇圧回路
57 第2のインバータ回路
63 第2の加熱コイル
65 第2の鍋
66 第4の制御部
72 第5の制御部
78 第6の制御部
84 第1の誘導加熱手段
85 第2の誘導加熱手段

Claims (10)

  1. スイッチング素子のオン・オフによって高周波電力を発生させるインバータ回路と、加熱コイルとを備えた誘導加熱手段を複数近接設置し、前記複数の加熱コイルの駆動周期をそれぞれ所定の整数倍した周期が、所定周期毎に略同じになるように前記所定周期期間中に前記複数の加熱コイルの駆動周期をそれぞれ周期的に変化させるようにした誘導加熱装置。
  2. 所定周期を少なくとも2つ以上の複数の加熱コイルにおける各駆動周期より長い期間とした請求項1に記載の誘導加熱装置。
  3. 少なくとも2つ以上の複数の加熱コイルにおけるそれぞれの駆動周期を、所定周期期間中において少なくとも2パターン以上の駆動周期に周期的に切り替える請求項1または2に記載の誘導加熱装置。
  4. 所定周期は、複数の加熱コイルから発生した複数の音波の干渉波の包絡線波形の半周期よりも短い範囲で設定する請求項1〜3のいずれか1項に記載の誘導加熱装置。
  5. 少なくとも2つ以上の複数の加熱コイルまたはインダクタの各駆動周期を、少なくとも2つ以上の加熱コイルまたはインダクタの各駆動周期が等しくなる際に、所定周期期間中に各駆動周期を切り替えることを中止して、所定の出力に応じた一定の駆動周期とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の誘導加熱装置。
  6. 少なくとも2つ以上の加熱コイルの各駆動周期を、各加熱コイルのそれぞれの駆動周期が可聴周期の下限より短くなる際に、所定周期期間中に各加熱コイルのそれぞれの駆動周期を所定の出力に応じた一定の駆動周期とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の誘導加熱装置。
  7. 電力制御は、各インバータ回路の動作周波数を変化させるPFM方式を用いた請求項1〜5のいずれか1項に記載の誘導加熱装置。
  8. 電力制御は、各インバータ回路のオン・オフ時間を変化させるPWM方式または非対称PWM方式を用いた請求項1〜5のいずれか1項に記載の誘導加熱装置。
  9. 電力制御は、昇圧回路により各インバータ回路の入力電圧を任意の電圧に変化させるPAM方式を用いた請求項1〜5のいずれか1項に記載の誘導加熱装置。
  10. 電力制御は、各インバータ回路の駆動期間と休止期間の時間間比率を変化させるPDM方式を用いた請求項1〜5のいずれか1項に記載の誘導加熱装置。
JP2004321661A 2004-11-05 2004-11-05 誘導加熱装置 Expired - Fee Related JP4613585B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004321661A JP4613585B2 (ja) 2004-11-05 2004-11-05 誘導加熱装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004321661A JP4613585B2 (ja) 2004-11-05 2004-11-05 誘導加熱装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006134689A true JP2006134689A (ja) 2006-05-25
JP4613585B2 JP4613585B2 (ja) 2011-01-19

Family

ID=36728034

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004321661A Expired - Fee Related JP4613585B2 (ja) 2004-11-05 2004-11-05 誘導加熱装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4613585B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006164525A (ja) * 2004-12-02 2006-06-22 Matsushita Electric Ind Co Ltd 誘導加熱装置
JP2012043634A (ja) * 2010-08-19 2012-03-01 Panasonic Corp 誘導加熱調理器
CN110461052A (zh) * 2019-07-03 2019-11-15 宁波安百利印刷有限公司 气雾递送装置的控制方法及其气雾递送装置
JP2021052974A (ja) * 2019-09-27 2021-04-08 東芝ホームテクノ株式会社 炊飯器
WO2021225376A1 (ko) * 2020-05-06 2021-11-11 엘지전자 주식회사 유도 가열 장치 및 유도 가열 장치의 제어 방법

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102620662B1 (ko) 2018-10-18 2024-01-04 삼성전자주식회사 조리 기기 및 이의 제어 방법

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0947664A (ja) * 1995-05-31 1997-02-18 Seda Giken:Kk 触媒反応装置
JP2003264056A (ja) * 2002-03-07 2003-09-19 Fuji Electric Co Ltd 誘導加熱装置の制御方法

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0947664A (ja) * 1995-05-31 1997-02-18 Seda Giken:Kk 触媒反応装置
JP2003264056A (ja) * 2002-03-07 2003-09-19 Fuji Electric Co Ltd 誘導加熱装置の制御方法

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006164525A (ja) * 2004-12-02 2006-06-22 Matsushita Electric Ind Co Ltd 誘導加熱装置
JP4617855B2 (ja) * 2004-12-02 2011-01-26 パナソニック株式会社 誘導加熱装置
JP2012043634A (ja) * 2010-08-19 2012-03-01 Panasonic Corp 誘導加熱調理器
CN110461052A (zh) * 2019-07-03 2019-11-15 宁波安百利印刷有限公司 气雾递送装置的控制方法及其气雾递送装置
JP2021052974A (ja) * 2019-09-27 2021-04-08 東芝ホームテクノ株式会社 炊飯器
JP7330838B2 (ja) 2019-09-27 2023-08-22 東芝ホームテクノ株式会社 炊飯器
WO2021225376A1 (ko) * 2020-05-06 2021-11-11 엘지전자 주식회사 유도 가열 장치 및 유도 가열 장치의 제어 방법
US12028954B2 (en) 2020-05-06 2024-07-02 Lg Electronics Inc. Induction heating apparatus and method for controlling same

Also Published As

Publication number Publication date
JP4613585B2 (ja) 2011-01-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9667153B2 (en) Switching power supply apparatus for generating control signal for lowering switching frequency of switching devices
EP1895814B1 (en) Induction heating apparatus
US6727482B2 (en) Apparatus and method for inductive heating
JP2011512778A (ja) 共振コンバータにおける整合負荷のエミュレーション
JP2005322521A (ja) 高周波加熱装置
JP2013236428A (ja) 直流変換装置
JPH04230988A (ja) インバータ電子レンジの駆動回路
JP4613585B2 (ja) 誘導加熱装置
JP2008010165A (ja) 誘導加熱装置
JP4617855B2 (ja) 誘導加熱装置
JP4142549B2 (ja) 高周波加熱装置
JP5223315B2 (ja) 誘導加熱装置
JP2005116385A (ja) 誘導加熱装置
JP7344740B2 (ja) 電磁誘導加熱装置
JP4887681B2 (ja) 誘導加熱装置
JP2003264056A (ja) 誘導加熱装置の制御方法
JP6829220B2 (ja) スイッチング電源装置及びその制御方法
JP2010081697A (ja) 共振型電力変換装置
WO2001052602A9 (en) Apparatus and method for inductive heating
JP2006294431A (ja) 誘導加熱装置
JP2005078914A (ja) 誘導加熱装置
JP2006134690A (ja) 誘導加熱装置
JP4807022B2 (ja) 誘導加熱装置
JP4231812B2 (ja) 誘導加熱調理器
JPH0487185A (ja) インバータ電子レンジの駆動回路

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071011

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20071113

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090220

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090414

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090612

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20091120

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100202

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100326

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100921

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20101004

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131029

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees