JP2005116385A - 誘導加熱装置 - Google Patents

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Atsushi Fujita
篤志 藤田
Motonari Hirota
泉生 弘田
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Abstract

【課題】干渉音の発生を抑制することができる誘導加熱装置を提供することを目的とする。
【解決手段】第1の制御回路34及び第2の制御回路39は、第1のスイッチング素子20及び第2のスイッチング素子21の駆動周波数と、第3のスイッチング素子14の駆動周波数との差が可聴周波数以下または可聴周波数以上となるよう駆動信号を出力してなるものであり、駆動周波数に同期して流れる共振電流から発生する高周波磁界と、チョークコイル13から漏れ出す磁界が干渉し合い、その周波数差に基づいて発生する干渉音を抑制する、または聞こえなくする。
【選択図】図1

Description

本発明は、誘導加熱調理器や、誘導加熱式の湯沸かし器、加湿器あるいはアイロン等の誘導加熱装置に関するものである。
従来、この種の誘導加熱装置として、例えば、誘導加熱調理器に関して複数個のインバータ回路を同時に作動しても干渉音が発生しない技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開平1−260785号公報
しかしながら、前記従来の技術は、複数バーナの誘導加熱調理器では、互いの発振周波数差Δfの干渉音が加熱負荷である鍋から発生する問題を解決するもので、基本的に加熱コイルから発生する高周波磁界同士の干渉を想定している。このため、例えば、同一バーナの回路内で、加熱コイルに高周波電流を供給するインバータ回路と、チョークコイル等に交流電流を流す昇圧手段が存在し、加熱コイルからの高周波磁界と、チョークコイル等からの漏れ磁界との周波数差が可聴周波数域であった場合、干渉を抑制することができないという課題があった。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、周波数差に基づいて発生する干渉音を抑制する、または聞こえなくする誘導加熱装置を提供することを目的としている。
前記従来の課題を解決するために、本発明の誘導加熱装置は、第1のスイッチング素子及び第2のスイッチング素子の導通制御を行う第1の制御回路と、第3のスイッチング素子の導通制御を行う第2の制御回路は、それぞれの駆動周波数の差が可聴周波数よりも小さく、または可聴周波数よりも大きくなるよう駆動信号を出力してなるものである。
これによって、第1のスイッチング素子及び第2のスイッチング素子の駆動周波数に同期して流れる共振電流から発生する高周波磁界と、第3のスイッチング素子の駆動周波数に同期してチョークコイルに流れる高周波電流から発生しチョークコイルから漏れ出す磁界とが干渉し合い、その周波数差に基づいて発生する干渉音を抑制する、または聞こえなくすることが可能である。
本発明の誘導加熱装置は、周波数差に基づいて発生する干渉音を抑制する、または聞こえなくすることができるものである。
第1の発明は、第1のスイッチング素子と第2のスイッチング素子の直列接続体、前記第1のスイッチング素子に並列に接続された第1の逆導通素子、前記第2のスイッチング素子に並列に接続された第2の逆導通素子、前記第1のスイッチング素子または前記第2のスイッチング素子に並列に接続された加熱コイルおよび共振コンデンサを有し、前記第1のスイッチング素子と第2のスイッチング素子の導通により共振するインバータと、前記第1のスイッチング素子と前記第2のスイッチング素子を排他的に導通制御する第1の制御回路と、第3のスイッチング素子、前記第3のスイッチング素子導通時にエネルギーを蓄積するチョークコイルを有し、前記第3のスイッチング素子の駆動期間を変更することで前記チョークコイルに蓄積されるエネルギーを調節して前記インバータ電圧を入力電圧のピーク値よりも高くなるように昇圧する昇圧手段と、前記第3のスイッチング素子を導通制御する第2の制御回路とを備え、前記第1の制御回路及び前記第2の制御回路は、前記第1のスイッチング素子及び前記第2のスイッチング素子の駆動周波数と、前記第3のスイッチング素子の駆動周波数との差が可聴周波数よりも小さく、または可聴周波数よりも大きくなるよう駆動信号を出力してなる誘導加熱装置としたことにより、第1のスイッチング素子及び第2のスイッチング素子の駆動周波数に同期して加熱コイル及び共振コンデンサに流れる共振電流から発生する高周波磁界と、第3のスイッチング素子の駆動周波数に同期してチョークコイルに流れる高周波電流から発生しチョークコイルから漏れ出す磁界とが干渉し合い、その周波数差に基づいて発生する干渉音を抑制する、または聞こえなくすることが可能である。
第2の発明は、第1のスイッチング素子と第2のスイッチング素子の直列接続体、前記第1のスイッチング素子に並列に接続された第1の逆導通素子、前記第2のスイッチング素子に並列に接続された第2の逆導通素子、前記第1のスイッチング素子または前記第2のスイッチング素子に並列に接続された加熱コイルおよび共振コンデンサを有し、前記第1のスイッチング素子と第2のスイッチング素子の導通により共振するインバータと、前記第1のスイッチング素子と前記第2のスイッチング素子を排他的に導通制御する第1の制御回路と、第3のスイッチング素子、前記第3のスイッチング素子導通時にエネルギーを蓄積するチョークコイルを有し、前記第3のスイッチング素子の駆動期間を変更することで前記チョークコイルに蓄積されるエネルギーを調節して前記インバータ電圧を入力電圧のピーク値よりも高くなるように昇圧する昇圧手段と、前記第3のスイッチング素子を導通制御する第2の制御回路とを備え、前記第2の制御回路は、前記加熱コイル及び前記共振コンデンサに流れる共振電流周波数と、第3のスイッチング素子の駆動周波数との差が可聴周波数よりも小さく、または可聴周波数よりも大きくなるよう駆動信号を出力してなる誘導加熱装置とすることにより、加熱コイル及び共振コンデンサに流れる共振電流周波数が、第1のスイッチング素子及び第2のスイッチング素子の駆動周波数と異なる場合においても、加熱コイルから発生する高周波磁界と、第3のスイッチング素子の駆動周波数に同期してチョークコイルに流れる高周波電流から発生しチョークコイルから漏れ出す磁界とが干渉し合い、その周波数差に基づいて発生する干渉音を抑制する、または聞こえなくすることが可能である。
第3の発明は、特に、第2の発明において、第1の制御回路は、加熱コイルの発生する磁界が高導電率かつ低透磁率の負荷を誘導加熱すると、第1のスイッチング素子または第1の逆導通素子に流れる共振電流が、前記第1のスイッチング素子の駆動期間より短い周期で共振するよう駆動信号を出力してなることにより、スイッチング素子の駆動周波数を高めなくても、共振電流の周波数を高めることが可能となり、鉄等の低導電率または高透磁率の負荷を誘導加熱するときに比較して、アルミ等の高導電率かつ低透磁率の負荷を誘導加熱するのに必要なさらに高周波の磁界を発生させることができる。したがってスイッチング素子のスイッチング損失を抑制できる。
第4の発明は、特に、第2または第3の発明において、第1の制御回路は、加熱コイルの発生する磁界が高導電率かつ低透磁率の負荷を誘導加熱すると、第2のスイッチング素子または第2の逆導通素子に流れる共振電流が、前記第2のスイッチング素子の駆動期間より短い周期で共振するよう駆動信号を出力してなることにより、共振電流の周波数を第1のスイッチング素子との責務を均等にしながら高めやすくなる。
第5の発明は、特に、第1〜第4のいずれか1つの発明において、昇圧手段には、ロスレススナバが接続されていることにより、第3のスイッチング素子のスイッチング損失を抑制できるため、より効率よく誘導加熱することが可能となる。
第6の発明は、特に、第1〜第5のいずれか1つの発明において、昇圧手段には、ダンパー抵抗が接続されていることにより、第3のスイッチング素子のターンオフ時において電流が急激に遮断され、回路の配線インピーダンスに起因して生じる第3のスイッチング素子電圧のスパイク及びリンギングを抑制できる。したがって、第3のスイッチング素子に低い耐圧、より安価、さらに損失の少ないものを使用することが可能となる。
第7の発明は、特に、第1〜第6の発明のいずれか1つの発明において、昇圧手段には、第3のスイッチング素子電圧を制限する電圧制限手段が接続されていることにより、電源異常をはじめとする異常時に第3のスイッチング素子電圧が過剰に上昇した場合においても、第3のスイッチング素子電圧が耐圧以下になるよう制限し、破壊を防ぐことが可能となる。
第8の発明は、特に、第1〜第7の発明のいずれか1つの発明において、入力電圧を平滑してインバータにエネルギーを供給する平滑手段を有してなることにより、脈流のインバータ電圧のエンベロープ(包絡線)が平滑されて第1及び第2のスイッチング素子を含むインバータに供給することができる。したがって、高周波磁界と負荷中の渦電流間に生じる反発力が脈流のインバータ電圧に同期して変化しないため、高導電率かつ低透磁率の負荷を誘導加熱するときに顕著である負荷の振動音(以下、鍋鳴り音)を抑制またはなくすことが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1〜図4は、本発明の実施の形態1における誘導加熱装置を示すものである。
図1において、電源10は低周波交流電源である200V商用電源であり、ブリッジダイオードである整流回路11の入力端に接続される。整流回路11の出力端間に平滑手段となる第1の平滑コンデンサ12が接続される。整流回路11の出力端間には、さらに、チョークコイル13と第3のスイッチング素子(IGBT)14の直列接続体が接続される。また第3のダイオード15は、アノードが第3のスイッチング素子14の高電位側端子(コレクタ)に接続するよう配置される。チョークコイル13、第3のスイッチング素子14、第3のダイオード15、第2の平滑コンデンサ17は昇圧手段18を構成する。
第2の平滑コンデンサ17は、入力電圧を平滑してインバータ19にエネルギーを供給する平滑手段17である。
また、ロスレススナバの役割をなすスナバコンデンサ16が第3のスイッチング素子14に並列に接続されるため、昇圧手段18は、ロスレススナバ16を有してなる。
インバータ19は、第2の平滑コンデンサ17の低電位側端子(エミッタ)は整流回路11の負極端子に接続され、第2の平滑コンデンサ17の高電位側端子は第3のダイオード15のアノードに接続される。第2の平滑コンデンサ17に並列に、第1のスイッチング素子(IGBT)20と第2のスイッチング素子(IGBT)21の直列接続体が接続される。第1のスイッチング素子20と第2のスイッチング素子21にはそれぞれ第1のダイオード(逆導通素子)22、第2のダイオード(逆導通素子)23が逆並列に(スイッチング素子の高電位側端子(コレクタ)とダイオードのカソードが接続されるように)接続される。また、第2のスイッチング素子21(第1のスイッチング素子20であってもよい)に並列に、加熱コイル24と第1の共振コンデンサ25の直列接続体が接続される。第1の共振コンデンサ25にはリレー26と第2の共振コンデンサ27の直列接続体が接続される。リレー26の遮断時には加熱コイル24と第1の共振コンデンサ25、リレー26導通時には加熱コイル24と、第1の共振コンデンサ25と第2の共振コンデンサ27の並列接続体が共振回路を形成する。加熱コイル24は負荷である鍋28と対向して配置されている。
入力電流や共振電流を検知する入力検知部29と、使用者による操作に基づいた入力設定部30から出力された信号が第1の比較部31によって比較され、第1の比較部31からは所定の入力が得られるよう第1の可変導通比設定部32に信号が出力される。第1の可変導通比設定部32では、発振器33による基準発振に基づいた駆動周波数で、第1のスイッチング素子20と第2のスイッチング素子21の導通比を設定し、第1のスイッチング素子20と第2のスイッチング素子21を排他的に導通制御する。第1の制御回路34は、これらの入力検知部29、入力設定部30、第1の比較部31、第1の可変導通比設定部32、発振器33を内包する。
また、第1の制御回路34は、入力検知部29やその他の電圧もしくは電流検知部(図示せず)からの信号を入力するとともに、リレー26の駆動コイル(図示せず)に駆動信号を出力する。
また、インバータ19電圧となる第2の平滑コンデンサ17電圧を検知する電圧検知部35から出力された信号は、基準電圧36と第2の比較部37によって比較され、第2の比較部37からは所定のインバータ19電圧が得られるよう第2の可変導通比設定部38に信号が出力される。第2の可変導通比設定部38では、発振器33による基準発振に基づいた駆動周波数で、第3のスイッチング素子14の導通比を設定し、第3のスイッチング素子14の導通制御を行う。第2の制御回路39は、これらの電圧検知部35、第2の比較部37、第2の可変導通比設定部38を内包し、発振器33を第1の制御回路34と共有し、回路及び制御の簡素化を可能にする。
第1の制御回路34及び第2の制御回路39は、第1のスイッチング素子20及び第2のスイッチング素子21の駆動周波数と、第3のスイッチング素子14の駆動周波数の差が可聴周波数よりも小さく、または可聴周波数よりも大きくなるよう駆動信号を出力するものである。本実施の形態では、発振器33を第1の制御回路34及び第2の制御回路39が共有しているため、駆動周波数が同一となり、可聴周波数よりも小さくなる。
以上のように構成された誘導加熱装置において、以下動作を説明する。
電源10は整流回路11により全波整流され、整流回路11の出力端に接続された第1の平滑コンデンサ12に供給される。第1の平滑コンデンサ12は非常に大きな容量に設定されているため(本実施の形態では約1500μF)、第1の平滑コンデンサ12電圧のエンベロープ(包絡線)が平滑されてインバータ19に供給される。
起動時においては、第1の制御回路34はリレー26をオフ状態にし、一定の周波数(約36kHz)で第1のスイッチング素子20と第2のスイッチング素子21を交互に駆動する。第2の制御回路39は、第3のスイッチング素子14を停止または駆動時間を短く設定して第2の平滑コンデンサ17電圧を低く維持することにより、いかなる鍋28状態であっても第1のスイッチング素子20及び第2のスイッチング素子21に大きな責務が加わることを防止する。第1のスイッチング素子20の駆動期間は共振電流の共振周期よりも短いモードで駆動し、駆動時間比を最小にして、最小の出力にしてから徐々に駆動時間比を増加し、その間に第1の制御回路34は、入力検知部29やその他の電圧もしくは電流検知部(図示せず)からの検知出力から、鍋28の材質を検知する。
鉄系以外の負荷であると検知した場合には、所定の駆動時間比に到達すると、第1のスイッチング素子20及び第2のスイッチング素子21の駆動期間より共振電流の周期の短いモードに移行する。
つまり、第1の制御回路34は、加熱コイルの発生する磁界が高導電率かつ低透磁率の負荷である鍋28を誘導加熱すると、第1のスイッチング素子20または第1の逆導通素子22に流れる共振電流が、第1のスイッチング素子20の駆動期間より短い周期で共振するよう駆動信号を出力する。
さらに、第1の制御回路34は、加熱コイルの発生する磁界が高導電率かつ低透磁率の負荷である鍋28を誘導加熱すると、第2のスイッチング素子21または第2の逆導通素子23に流れる共振電流が、第2のスイッチング素子21の駆動期間より短い周期で共振するよう駆動信号を出力する。
このとき、出力は低出力状態になるように駆動期間が設定さこのとき、出力は低出力状態になるように駆動期間が設定される。
図2により、鍋28が鉄系以外の材質であると判定された場合の動作について説明する。図は上記回路において、アルミ鍋をはじめとする高導電率かつ低透磁率の鍋を誘導加熱する際の各部波形を示し、出力が大出力である2kWの時のものである。同図(a)は第1のスイッチング素子20及び第1のダイオード22に流れる電流波形Ic1を、同図(b)は第2のスイッチング素子21及び第2のダイオード23に流れる電流波形Ic2を、同図(c)は第2のスイッチング素子21のコレクタ−エミッタ間に生じる電圧Vce2を、同図(d)は第1のスイッチング素子20のゲートに加わる駆動電圧Vge1を、同図(e)は第2のスイッチング素子21のゲートに加わる駆動電圧Vge2を、同図(f)は加熱コイル24に流れる電流ILをそれぞれ示している。
第1の制御回路34は、図(e)に示すように、時点t0から時点t1まで第2のスイッチング素子21のゲートに駆動期間がT1(約24μ秒)であるオン信号を出力する。この駆動期間T1の間では第2のスイッチング素子21及び第2のダイオード23と、加熱コイル24と、第1の共振コンデンサ25で形成される閉回路で共振し、鍋28がアルミニウム製の鍋であるときの共振周期(1/f)が駆動期間T1の約2/3倍(約16μ秒、共振周波数は約60kHz)となるように加熱コイル24の巻き数(40T)と第1の共振コンデンサ25の容量(0.04μF)と、駆動期間T2が設定されている。
次に、第2のスイッチング素子21に流れる共振電流の第2番目のピークと共振電流が次に零となる間のタイミングである時点t1、すなわち第2のスイッチング素子21の順方向にコレクタ電流が流れている時点で第2のスイッチング素子21の駆動が停止される。
そして、図(d)及び(e)で示すように、第1の制御回路34は、時点t1から両スイッチング素子が同時に導通するのを防止するために設けた休止期間後の時点t2において、第1のスイッチング素子20のゲートに駆動信号を出力する。この結果、図(a)示すように、第1の共振コンデンサ25−加熱コイル24−第1のスイッチング素子20または第1のダイオード22−第2の平滑コンデンサ17とからなる閉回路に経路を変えて共振電流が流れることになる。この駆動信号の駆動期間T2は、この場合にはT1とほぼ同じ期間に設定されているので、第2のスイッチング素子21が導通していた場合と同様に、駆動期間T2の約2/3の周期の共振電流が流れる。
したがって、加熱コイル24に流れる電流ILは、図(f)に示すような波形となり、第1及び第2のスイッチング素子20、21の駆動周期(T1とT2と休止期間の和)は共振電流の周期の約3倍となり、第1及び第2の駆動周波数が約20kHzであれば、加熱コイル24に流れる共振電流の周波数は約60kHzとなる。つまり、共振電流及び高周波磁界の周波数に対して、第1のスイッチング素子20及び第2のスイッチング素子21駆動周波数が十分低いために、第1のスイッチング素子20及び第2のスイッチング素子21のスイッチング損失を抑制することができるとともに、第1のスイッチング素子20と第2のスイッチング素子21の導通期間はほぼ同じであるため、責務がほぼ均等に配分される。
また、共振電流周波数(約60kHz)と、第1及び第2のスイッチング素子20、21と同一周波数(約20kHz)で駆動する第3のスイッチング素子14の駆動周波数の差は、約40kHzとなる。第2の制御回路39は、加熱コイル24及び共振コンデンサ25に流れる共振電流周波数と第3のスイッチング素子14の駆動周波数の差が可聴周波数よりも小さく、または可聴周波数よりも大きくなるよう駆動信号を出力するものであるが、本実施の形態では、周波数差が可聴周波数よりも大きくなっている。
図3は、電源10の電圧波形を(a)に、第1の平滑コンデンサ12に加わる電圧VC2を(b)に、第2の平滑コンデンサ17に加わる電圧VCcを(c)に、加熱コイル24に流れる電流ILを(d)に示している。整流回路11の出力電圧は、本来、図(a)に示す電源10を全波整流した脈流波形になるが、図(b)に示すように第1の平滑コンデンサ12によって平滑されるため、インバータ19電圧となる第2の平滑コンデンサ17電圧も平滑され、結果として、加熱コイル24に流れる電流の包絡線が3(d)のように平滑化される。加熱コイル24に流れる電流によって発生する高周波磁界に対して鍋28に誘起される渦電流は、高周波磁界と反発する方向に流れるため、インバータ19電圧が周期的に変動した結果として高周波磁界強度が変動する場合、鍋28が振動して鍋鳴り音が発生する。特に、インバータ19電圧が平滑されていない場合は、電源10周波数の2倍に同期した大きな鍋鳴り音が発生する。しかしながら、本実施の形態においては、第1の平滑コンデンサ12によってインバータ19に供給される電圧が平滑されているため、図(d)に示す加熱コイル24電流、つまり高周波磁界の周期的変動を抑制、軽減し、高周波磁界と鍋28中の渦電流間に生じる反発力が脈流のインバータ19電圧に同期して変化しないため、アルミ鍋をはじめとする高導電率でかつ低透磁率の鍋28を誘導加熱するときに顕著である鍋鳴り音を抑制、またはなくすことになる。
また、第3のスイッチング素子14は、第1のスイッチング素子20と第2のスイッチング素子21の駆動周波数と同一駆動周波数でかつ所定の導通比で導通する。チョークコイル13はこの第3のスイッチング素子14の導通期間において、第1の平滑コンデンサ12の静電エネルギーを磁気エネルギーとして蓄える。第3のスイッチング素子14が所定の導通時間後にオフするので、第3のスイッチング素子14のコレクタと接続されたチョークコイル13の端子の電位が立ち上がり、この電位が第2の平滑コンデンサ17の電位を越えると、第3のダイオード15を通して第2の平滑コンデンサ17に充電して、チョークコイル13に蓄えた磁気エネルギーを放出する。その際、第3のスイッチング素子14に並列に接続されたスナバコンデンサ16の充電が開始されるため、第3のスイッチング素子14のコレクタ−エミッタ間電圧は緩やかに上昇し、第3のスイッチング素子14のスイッチング損失が抑制される。第2の平滑コンデンサ17の電圧は、第1の平滑コンデンサ12に加わる電圧VC2のピーク値(283V)よりも高くなるように昇圧される(本実施の形態では700V)。昇圧されるレベルは第3のスイッチング素子14の導通時間に依存し、導通時間が長くなると第2の平滑コンデンサ17に発生する電圧が高くなる。
このように、加熱コイル24に流れる共振電流及び高周波磁界の周波数約60kHzに対して、第1のスイッチング素子20と第2のスイッチング素子21駆動周波数は約1/3倍の約20kHz、つまり、第3のスイッチング素子14の駆動周波数及びチョークコイル13電流周波数も約1/3倍の約20kHzとなる。鍋28を誘導加熱する高周波磁界と、チョークコイル13からの漏れ磁界が干渉し合っても、その周波数差が約40kHzで可聴周波数域を超えているために使用者には聞こえない。
出力電力の制御は、第1のスイッチング素子20及び第2のスイッチング素子21の駆動周波数を高くする、第1のスイッチング素子20及び第2のスイッチング素子21の導通比を変更する、第3のスイッチング素子14の導通期間を短くして第2の平滑コンデンサ17電圧を低く設定する、といった制御を組み合わせて行う。第1の制御回路34及び第2の制御回路39が共有する発振器33の発振周波数や、第1の可変導通比設定部32が、例えばマイクロコンピュータによって制御され、マイクロコンピュータの最小制御幅となるクロック周波数に基づいて、発振周波数、導通比が離散的にしか設定できない場合には、微妙な出力電力制御が難しいが、第3のスイッチング素子14の導通期間も変更することにより、微妙かつ大きな制御範囲で出力電力の制御を容易に行うことができる。
一方、起動時の鍋28材質判定で、第1の制御回路34が鍋28の材料を鉄系のものであると判断すると、加熱を停止してからリレー26を駆動させ、再度低出力で加熱を開始する。このとき、リレー26が導通しているため、加熱コイル24と、第1の共振コンデンサ25と第2の共振コンデンサ27の並列接続体が共振回路を形成する。第1の制御回路34は、第1のスイッチング素子20と第2のスイッチング素子21を一定の周波数(本実施の形態では23kHz)により再度最小駆動時間比で最小出力からスタートして所定の出力まで徐々に増加させる。アルミ鍋をはじめとする高導電率かつ低透磁率材質の鍋28加熱時と異なり、鉄系の材質の鍋28加熱時には、加熱コイル24と、第1の共振コンデンサ25と第2の共振コンデンサ27からなる共振回路の共振周波数は、第1のスイッチング素子20と第2のスイッチング素子21の駆動周波数と比較して低くなるよう設定されるため、流れる共振電流は第1のスイッチング素子20及び第2のスイッチング素子21の排他的導通により、強制的に第1のスイッチング素子20及び第2のスイッチング素子21駆動周波数に同期して共振する。
図4は、第1のスイッチング素子20と第2のスイッチング素子21の駆動周波数を一定(23kHz)にしたときにおける、第2のスイッチング素子21のオン時間と入力電力の関係を示す。図に示すように、周期の1/2付近、つまり第1のスイッチング素子20と第2のスイッチング素子21の導通比が1/2で最大加熱出力が得られ、その付近のピークから第2のスイッチング素子21の駆動期間を短くしていけば出力を線形的に低下することができる。したがって、図4に示すように、駆動時間あるいは駆動時間比のリミッタの下限Tonminと上限Tonmaxを設定すれば、出力制御を行うことができる。
しかしながら、図4に示すように、例えば磁性ステンレス等、鍋28の材質によっては、第1のスイッチング素子20と第2のスイッチング素子21の導通比を1/2としても所定の出力(本実施の形態では2kW)が得られない場合がある。その場合、第2の制御回路39は、第3のスイッチング素子14の制御を開始し、第1のスイッチング素子20及び第2のスイッチング素子21駆動周波数と同一の駆動周波数で、最小駆動時間比から徐々に駆動時間を長くしていく。第3のスイッチング素子14の導通によりチョークコイル13に蓄積されたエネルギーは、第3のスイッチング素子14の遮断と同時に第3のダイオード15を介して第2の平滑コンデンサ17電圧、つまりインバータ19電圧を昇圧させることになるため、第1のスイッチング素子20及び第2のスイッチング素子21の導通比が一定であっても出力が増加する。所定の出力が得られるインバータ19電圧になった時点で、第2の制御回路39は出力が安定するように第3のスイッチング素子14を駆動制御する。
このように、加熱コイル24に流れる共振電流及び高周波磁界の周波数、つまり第1のスイッチング素子20と第2のスイッチング素子21の駆動周波数と、第3のスイッチング素子14の駆動周波数、つまりチョークコイル13の電流周波数が同一の23kHzとなる。鍋28を誘導加熱する高周波磁界と、チョークコイル13からの漏れ磁界が干渉し合っても、その周波数に差がないために使用者には聞こえない。
また、第1の平滑コンデンサ12の容量がそれほど大きくなくても、第2の平滑コンデンサ17容量を大きく設定することにより、インバータ19電圧を平滑した高圧の電圧とすることができ、この電源をもとに包絡線が平滑された高周波電流に変換して加熱コイル24に供給するので、鍋鳴り音を抑制することができる。
また、第3のスイッチング素子14が導通した時、チョークコイル13にエネルギーを与える第1の平滑コンデンサ12を有することにより、チョークコイル13にエネルギーを蓄積する際の高周波成分が電源10に漏洩するのを抑制することができるものである。
また、第1の制御回路34は、最大出力設定時に、第1のスイッチング素子20の駆動開始後、共振電流が第1のスイッチング素子20に流れている期間内に第1のスイッチング素子20を遮断する信号を出力してなる、または、第2のスイッチング素子21の駆動開始後、共振電流が第2のスイッチング素子21に流れている期間内に第2のスイッチング素子21を遮断する信号を出力してなるので、最大出力時の第1のスイッチング素子20または第2のスイッチング素子21におけるターンオン損失の増大を抑制することができる。
また、起動時、第1のスイッチング素子20と第2のスイッチング素子21の駆動時間比を変え加熱出力を増加させ、途中から駆動周波数を変え加熱出力を増加させてなることにより、負荷の検知を行いやすくすることができる。すなわち、駆動時間比を変えることにより高導電率かつ低透磁率のアルミニウム等のような材質の負荷でも鉄系の負荷でも低出力状態で単調に出力を変化させることができ、第1の制御回路34は負荷検知が正確にかつ低出力状態でできる。また、所定の駆動時間比、駆動時間あるいは加熱出力に到達後は、高導電率かつ低透磁率の負荷の場合には、特定の位相範囲でスイッチング素子を駆動及び遮断できるように駆動時間比を一定にして遮断位相を変え、駆動周波数を変えることによりスイッチング素子の損失の急激な増加を抑制して出力を可変することができるものである。
また、起動時、第1のスイッチング素子20の駆動期間が共振電流の共振周期より短くなるようにして、第1のスイッチング素子20と第2のスイッチング素子21の駆動時間比を変え加熱出力を増加させる。
所定の駆動時間あるいは所定の駆動時間比に到達すると、第1のスイッチング素子20の駆動期間を共振電流の周期より長く変更する。第1のスイッチング素子20の駆動期間を連続的に長く変更すると出力が上昇する場合があるため、低出力になるように離散的に変更する。その後、駆動期間を徐々に短くして加熱出力を低出力値から所定出力値まで増加させる。
これにより、所定の駆動時間あるいは所定の駆動時間比に到達までに鍋28が高導電率かつ低透磁率の鍋かどうかを精度良くかつ安定的に行うことができる。また、鍋28が高導電率かつ低透磁率の鍋である場合には、離散的に駆動期間を長くするために、低出力状態に移行し、そこから所定の値まで安定に増加させ到達させることができるものである。
また、鉄系の鍋28または非磁性ステンレスの鍋28を加熱する場合には、共振電流の周期が第1のスイッチング素子20及び第2のスイッチング素子21の導通期間より長くなるよう、第2の共振コンデンサ27を第1の共振コンデンサ25に並列に接続して、高導電率かつ低透磁率の鍋28を加熱する場合よりも大きい容量に切り替える。
さらに、並列接続された第1の共振コンデンサ25と第2の共振コンデンサ27の合成容量は、鉄系の鍋28または非磁性ステンレス製の鍋28を最大出力で加熱する場合に、第1のスイッチング素子20及び第2のスイッチング素子21に順方向に電流が流れているタイミングで前記スイッチング素子を遮断可能とするように設定する。
つまり、第1の共振コンデンサ25と第2の共振コンデンサ27は加熱コイル24と直列に接続されると共に容量を切り替え可能とし、鉄系の鍋28または非磁性ステンレス製の鍋28を加熱する場合に第1の共振コンデンサ25を、高導電率かつ低透磁率の鍋28を加熱する場合よりも大きい容量に切り替える。
これにより、共振周波数が長くなるとともに電流が増え、さらに昇圧手段18によりインバータ19電圧を昇圧しているので、共振電流の振幅が大きくなる。従って、スイッチング素子に順方向に電流が流れているタイミングでスイッチング素子を遮断可能となる最大出力が大きくなる。そのため、スイッチング素子におけるターンオン時のスイッチング損失の増大を抑制し、かつ最大出力を従来よりも大きくすることができる。
また、アルミニウム系の鍋28と、鉄系の鍋28を同一のインバータ19で加熱しようとするときに、これまでは加熱コイル24の巻き数と第1の共振コンデンサ25及び第2の共振コンデンサ27を同時に切り替えて共振周波数と鍋28に放射する磁界の強さ(アンペアターン)を切り替えていたが、昇圧手段18の昇圧作用により前記のコイル巻き数切り替えの作用を置き換えることができ、同一の加熱コイル24を用い第1の共振コンデンサ25及び第2の共振コンデンサ27の切り替えで、広い範囲の材質の負荷を加熱できるという効果がある。
また、第2の共振コンデンサ27を第1の共振コンデンサ25に接続せずに起動し、すなわち、容量の小なる第1の共振コンデンサ25で起動し、徐々に出力を増加させ、その途中で鍋28が鉄系か、高導電率かつ低透磁率のものかを判定する。
鉄系の鍋28であると判定した場合には駆動停止後、リレー26を駆動して第2の共振コンデンサ27を並列に接続して、すなわち、第1の共振コンデンサ25及び第2の共振コンデンサ27の合成容量が大となるよう切り変え、駆動周波数を低周波数で再駆動する。
共振周波数が長くなるとともに電流が増え、さらに昇圧手段18によりインバータ19電圧を昇圧しているので、共振電流値が増える。
従って、第1のスイッチング素子20及び第2のスイッチング素子21に順方向に電流が流れているタイミングでスイッチング素子を遮断可能となる最大出力が大きくなる。そのため、第1のスイッチング素子20及び第2のスイッチング素子21におけるターンオン時のスイッチング損失の増大を抑制し、かつ最大出力をこれまでのものよりも大きくすることができる。
また、高導電率、低透磁率の負荷であると判定した場合には、継続して所定の駆動時間比または所定の出力まで出力を増加した後、駆動時間比を固定して導通時間を変更して出力を所定の出力に到達させてなるので、いずれの負荷においても低出力で起動して負荷の判定をして、安定的に所定の出力値あるいはリミット値へと到達させるいわゆるソフトスタート動作が可能となる。
なお、図1において、第1の平滑コンデンサ12と第2の平滑コンデンサ17との容量の比率は場合に応じて適宜決定すればよい。第1の平滑コンデンサ12の容量を大きく設定する場合には、第1の平滑コンデンサ12の入力側における電源線にチョークコイルを挿入すれば、電源10投入時の突入電流を抑制し、力率を改善することが可能である。逆に第1の平滑コンデンサ12に対して第2の平滑コンデンサ17を大きく設定する場合には、力率の低下を抑制できるが、後者は耐圧の大きなものを必要とするので高価となる場合がある。
また、図1において、第2の平滑コンデンサ17は、低電位側を整流回路11の正極に接続しても同様の効果が得られる。
また、第1の共振コンデンサ25及び第2の共振コンデンサ27の低電位側端子は、第1のスイッチング素子20の高電位側端子(コレクタ)に接続してもよく、容量を分割して第1のスイッチング素子20の高電位側と、第2のスイッチング素子21の低電位側端子(エミッタ)に同時に接続しても同様の動作を行う。そして、第1のスイッチング素子20または第2のスイッチング素子21に並列に接続する共振回路は、本実施の形態のものには限らず、適宜本実施の形態の技術を応用できるものである。
なお、本実施の形態では、アルミ鍋をはじめとする高導電率かつ低透磁率である負荷の誘導加熱時において、第1のスイッチング素子20と第2のスイッチング素子21の駆動周波数と、第3のスイッチング素子14の駆動周波数を合致させる例を挙げたが、これに限定するものではない。例えば、複数のインバータを有する複数バーナの誘導加熱装置においては、隣接するバーナとの干渉も生じるため、それぞれのバーナに含まれる第3のスイッチング素子14の駆動周波数を同一、または可聴周波数よりも小さく、または可聴周波数よりも大きくし、かつそれぞれのバーナの加熱コイル24電流により発生する高周波磁界と第3のスイッチング素子14の駆動周波数を同一、または可聴周波数よりも小さく、または可聴周波数よりも大きくすることにより、複数バーナであっても干渉音を抑制することができる。加熱コイル24電流により発生する高周波磁界の周波数と、第1及び第2のスイッチング素子20、21駆動周波数が同一である場合には、上記の高周波磁界と第3のスイッチング素子14の関係を、第1及び第2のスイッチング素子20、21と第3のスイッチング素子14に当てはめればよい。
また、本実施の形態では、第3のスイッチング素子14の駆動周波数を一定周波数とする例を挙げたが、これに限定するものではない。加熱コイル24電流により発生する高周波磁界の周波数と、第3のスイッチング素子14駆動によるチョークコイル13電流に起因する漏れ磁界の周波数が可聴周波数域外であればよいので、第3のスイッチング素子14駆動周波数を可変にしてもよい。
また、第1の制御回路34及び第2の制御回路39によるスイッチング素子の駆動周波数を同一とすれば、1つの基準発振信号によって第1の制御回路34及び第2の制御回路39を動作させることができるため、回路の簡素化が可能となる。
また、第1のスイッチング素子20及び第2のスイッチング素子21の導通比変更による出力制御に加え、昇圧手段18によるインバータ電圧の変更でも出力制御が可能であるため、負荷の材質、特性が変化した場合においても、対応してきめ細かく出力制御を行うことができる。
また、第1のスイッチング素子20及び第2のスイッチング素子21の導通比範囲を制限し、主に昇圧手段18による直流電圧の変更で出力制御を行うことにより、スイッチング素子にターンオン損失が発生する導通比を回避することができるため、スイッチング素子の責務を軽減できる。
(実施の形態2)
図5は、本発明の実施の形態2における誘導加熱装置を示すものである。実施の形態1と同一要素については、同一符号を付して説明を省略する。
本実施の形態において、実施の形態1と異なる点は、昇圧手段18は、ダンパー抵抗40を有してなる。ダンパー抵抗40はスナバコンデンサ16に直列に接続される。
また、昇圧手段18は、第3のスイッチング素子14電圧を制限する電圧制限手段41を有してなる。本実施の形態では、電圧制限手段41はツェナーダイオードで構成されており、第3のスイッチング素子14に並列に配置される。またツェナーダイオード41は、第3のスイッチング素子14の耐圧より低い電圧で導通開始するよう設定されている。
本実施の形態における動作を説明する。
第1の制御回路34の動作は、実施の形態1と同様に第1のスイッチング素子20と第2のスイッチング素子21を必要な入力電力を確保するため、交互にオン・オフ動作を行う。また、第2の制御回路39も実施の形態1と同様に、第3のスイッチング素子14の導通制御を適宜行う。
この際、第3のスイッチング素子14遮断時には、ダンパー抵抗40を介してスナバコンデンサ16への充電が行われる。配線インダクタンスとスナバコンデンサ16が共振した場合、第3のスイッチング素子14電圧も共振し、ピーク電圧が上昇するが、ダンパー抵抗40を介しているため、共振エネルギーが消費され、第3のスイッチング素子14電圧ピークを抑制することが可能である。また、第3のスイッチング素子14の導通比によっては、第3のスイッチング素子14導通開始時にスナバコンデンサ16短絡によるターンオン損失が発生する場合がある。しかしながら、スナバコンデンサ16に蓄積されたエネルギーの一部をダンパー抵抗40で消費することにより、第3のスイッチング素子14導通開始時の短絡電流を低減し、ターンオン損失を抑制することが可能である。
電源10の異常等で電源電圧が急上昇し、第1の平滑コンデンサ12ではその変動を抑制できない場合には、ツェナーダイオード41が導通し、第3のスイッチング素子14の耐圧オーバーによる破壊を防止する。
なお、本実施の形態では、第3のスイッチング素子14の電圧制限手段として、ツェナーダイオード41を挙げたが、これに限定するものではない。また、電圧制限手段41の低電位側は、整流回路11の低電位側に接続しなくても、安定した電位に接続すれば同様の効果が得られる。
以上のように、本発明にかかる誘導加熱装置は、干渉音を発生させず、回路の簡素化を実現するとともに、スイッチング素子のスイッチング損失を抑制することができるので、誘導加熱調理器としてはもちろんのこと、アルミニウム等の高導電率かつ低透磁率材料を加熱するアイロンや、湯沸かし器、加湿器等、他の機器の誘導加熱装置としても有用である。
本発明の実施の形態1における誘導加熱装置の回路図 同誘導加熱装置の各部の動作を示す波形図 同誘導加熱装置の各部の動作を示す別の波形図 同誘導加熱装置の入力電力特性を示す図 本発明の実施の形態2における誘導加熱装置の回路図
符号の説明
10 電源
11 清流回路
12 第1の平滑コンデンサ(平滑手段)
13 チョークコイル
14 第3のスイッチング素子
16 スナバコンデンサ(ロスレススナバ)
17 第2の平滑コンデンサ(平滑手段)
18 昇圧手段
19 インバータ
20 第1のスイッチング素子
21 第2のスイッチング素子
22 第1のダイオード(逆導通素子)
23 第2のダイオード(逆導通素子)
24 加熱コイル
25 第1の共振コンデンサ
28 鍋(負荷)
34 第1の制御回路
39 第2の制御回路
40 ダンパー抵抗
41 ツェナーダイオード(電圧制限手段)

Claims (8)

  1. 第1のスイッチング素子と第2のスイッチング素子の直列接続体、前記第1のスイッチング素子に並列に接続された第1の逆導通素子、前記第2のスイッチング素子に並列に接続された第2の逆導通素子、前記第1のスイッチング素子または前記第2のスイッチング素子に並列に接続された加熱コイルおよび共振コンデンサを有し、前記第1のスイッチング素子と第2のスイッチング素子の導通により共振するインバータと、前記第1のスイッチング素子と前記第2のスイッチング素子を排他的に導通制御する第1の制御回路と、第3のスイッチング素子、前記第3のスイッチング素子導通時にエネルギーを蓄積するチョークコイルを有し、前記第3のスイッチング素子の駆動期間を変更することで前記チョークコイルに蓄積されるエネルギーを調節して前記インバータ電圧を入力電圧のピーク値よりも高くなるように昇圧する昇圧手段と、前記第3のスイッチング素子を導通制御する第2の制御回路とを備え、前記第1の制御回路及び前記第2の制御回路は、前記第1のスイッチング素子及び前記第2のスイッチング素子の駆動周波数と、前記第3のスイッチング素子の駆動周波数との差が可聴周波数よりも小さく、または可聴周波数よりも大きくなるよう駆動信号を出力してなる誘導加熱装置。
  2. 第1のスイッチング素子と第2のスイッチング素子の直列接続体、前記第1のスイッチング素子に並列に接続された第1の逆導通素子、前記第2のスイッチング素子に並列に接続された第2の逆導通素子、前記第1のスイッチング素子または前記第2のスイッチング素子に並列に接続された加熱コイルおよび共振コンデンサを有し、前記第1のスイッチング素子と第2のスイッチング素子の導通により共振するインバータと、前記第1のスイッチング素子と前記第2のスイッチング素子を排他的に導通制御する第1の制御回路と、第3のスイッチング素子、前記第3のスイッチング素子導通時にエネルギーを蓄積するチョークコイルを有し、前記第3のスイッチング素子の駆動期間を変更することで前記チョークコイルに蓄積されるエネルギーを調節して前記インバータ電圧を入力電圧のピーク値よりも高くなるように昇圧する昇圧手段と、前記第3のスイッチング素子を導通制御する第2の制御回路とを備え、前記第2の制御回路は、前記加熱コイル及び前記共振コンデンサに流れる共振電流周波数と、第3のスイッチング素子の駆動周波数との差が可聴周波数よりも小さく、または可聴周波数よりも大きくなるよう駆動信号を出力してなる誘導加熱装置。
  3. 第1の制御回路は、加熱コイルの発生する磁界が高導電率かつ低透磁率の負荷を誘導加熱すると、第1のスイッチング素子または第1の逆導通素子に流れる共振電流が、前記第1のスイッチング素子の駆動期間より短い周期で共振するよう駆動信号を出力してなる請求項2に記載の誘導加熱装置。
  4. 第1の制御回路は、加熱コイルの発生する磁界が高導電率かつ低透磁率の負荷を誘導加熱すると、第2のスイッチング素子または第2の逆導通素子に流れる共振電流が、前記第2のスイッチング素子の駆動期間より短い周期で共振するよう駆動信号を出力してなる請求項2または3に記載の誘導加熱装置。
  5. 昇圧手段には、ロスレススナバが接続されている請求項1〜4のいずれか1項に記載の誘導加熱装置。
  6. 昇圧手段には、ダンパー抵抗が接続されている請求項1〜5のいずれか1項に記載の誘導加熱装置。
  7. 昇圧手段には、第3のスイッチング素子電圧を制限する電圧制限手段が接続されている請求項1〜6のいずれか1項に記載の誘導加熱装置。
  8. 入力電圧を平滑してインバータにエネルギーを供給する平滑手段を有してなる請求項1〜7のいずれか1項に記載の誘導加熱装置。
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