JP4363355B2 - 誘導加熱装置 - Google Patents

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Description

本発明は、アルミ鍋のような高導電率かつ低透磁率の被加熱物を効率良く誘導加熱できるようにした誘導加熱調理器や、誘導加熱式の湯沸かし器、加湿器あるいはアイロンなどの誘導加熱装置に関するものである。
以下、従来の誘導加熱装置の例として、加熱コイルから高周波磁界を発生し、電磁誘導による渦電流によって鍋等の負荷を加熱して調理する誘導加熱調理器について図5、図6に基づいて説明する。
図5は、従来の誘導加熱調理器の回路構成を示す図である。電源51は低周波交流電源である200V商用電源であり、ブリッジダイオードである整流回路52の入力端に接続される。整流回路52の出力端間に第1の平滑コンデンサ53が接続される。整流回路52の出力端間には、さらに、チョークコイル54と第2のスイッチング素子57の直列接続体が接続される。加熱コイル59は被加熱物であるアルミニウム製の鍋61と対向して配置されている。インバータ50において、第2の平滑コンデンサ62の低電位側端子(エミッタ)は整流回路52の負極端子に接続され、第2の平滑コンデンサ62の高電位側端子は第1のスイッチング素子(IGBT)55の高電位側端子(コレクタ)に接続され、第1のスイッチング素子(IGBT)55の低電位側端子はチョークコイル54と第2のスイッチング素子(IGBT)57の高電位側端子(コレクタ)との接続点に接続される。加熱コイル59と共振コンデンサ60の直列接続体が第2のスイッチング素子57に並列に接続される。第1のダイオード56(第1の逆導通素子)は第1のスイッチング素子55に逆並列に接続(第1のダイオード56のカソードと第1のスイッチング素子55のコレクタとを接続)され、第2のダイオード58(第2の逆導通素子)は第2のスイッチング素子57に逆並列に接続される。スナバコンデンサ64は、第2のスイッチング素子57に並列に接続される。補正用共振コンデンサ65とリレー66の直列接続体は共振コンデンサ60に並列に接続されている。制御回路63は、電源51からの入力電流を検知するカレントトランス67と、加熱コイル59の電流を検知するカレントトランス68の検知信号を入力するとともに、第1のスイッチング素子55と第2のスイッチング素子57のゲートとリレー66の駆動コイル(図示せず)に信号を出力する。
以上のように構成された誘導加熱装置において、以下動作を説明する。電源51は整流回路52により全波整流され、整流回路52の出力端に接続された第1の平滑コンデンサ53に供給される。この第1の平滑コンデンサ53はインバータ50に高周波電流を供給する供給源として働く。図6は上記回路における各部波形を示す図であり、図6(A)は出力が大出力である2kWの時のものである。図6(A)において、(a)は第1のスイッチング素子55及び第1のダイオード56に流れる電流波形Ic1を、(b)は第2のスイッチング素子57及び第2のダイオード58に流れる電流波形Ic2を、(c)は第2のスイッチング素子57のコレクタ−エミッタ間に生じる電圧Vce2を、(d)は第1のスイッチング素子55のゲートに加わる駆動電圧Vg1を、(e)は第2のスイッチング素子57のゲートに加わる駆動電圧Vg2を、(f)は加熱コイル59に流れる電流ILをそれぞれ示している。出力が2kWのとき(図6(A))、制御回路63は時点t0から時点t1まで(e)に示すように第2のスイッチング素子57のゲートに駆動期間がT2(約24μ秒)であるオン信号を出力する。この駆動期間T2の間では第2のスイッチング素子57及び第2のダイオード58と、加熱コイル59と、共振コンデンサ60で形成される閉回路で共振し、鍋61がアルミニウム製の鍋であるときの共振周期(1/f)が駆動期間T2の約2/3倍(約16μ秒)となるように加熱コイル59の巻き数(40T)と共振コンデンサ60の容量(0.04μF)と、駆動期間T2が設定されている。チョークコイル54はこの第2のスイッチング素子57の駆動期間T2において、平滑コンデンサ53の静電エネルギーを磁気エネルギーとして蓄える。次に、第2のスイッチング素子57に流れる共振電流の第2番目のピークと共振電流が次に零となる間のタイミングである時点t1、すなわち第2のスイッチング素子57の順方向にコレクタ電流が流れている時点で第2のスイッチング素子57の駆動が停止される。すると、第2のスイッチング素子57がオフするので、第2のスイッチング素子57のコレクタと接続されたチョークコイル54の端子の電位が立ち上がり、この電位が第2の平滑コンデンサ62の電位を越えると、第1のダイオード56を通して第2の平滑コンデンサ62に充電して、チョークコイル54に蓄えた磁気エネルギーを放出する。第2の平滑コンデンサ62の電圧は整流器52の直流出力電圧Vdcのピーク値(283V)よりも高くなるように昇圧される(従来例では500V)。昇圧されるレベルは第2のスイッチング素子57の導通時間に依存し、導通時間が長くなると第2の平滑コンデンサ62に発生する電圧が高くなる傾向にある。このように、第2の平滑コンデンサ62と第1のスイッチング素子55あるいは第1のダイオード56と加熱コイル59と共振コンデンサ60とで形成される閉回路で共振する際に直流電源として働く第2の平滑コンデンサ62の電圧レベルが昇圧されることにより、図6(A)の(a)に示す第1のスイッチング素子55に流れる共振電流の尖頭値(ピーク値)、および共振経路を変えて、継続して共振する(b)の第2のスイッチング素子57に流れる共振電流の尖頭値が零とならないように、あるいは小さくならないようにして、アルミニウム製の鍋を高出力で誘導加熱し、かつ、出力を連続的に増減して制御するようにできる。そして、図6(A)の(d)及び(e)で示すように、制御回路63は、時点t1から両スイッチング素子が同時に導通するのを防止するために設けた休止期間後の時点t2において、第1のスイッチング素子55のゲートに駆動信号を出力する。この結果、図6(A)の(a)示すように加熱コイル59と共振コンデンサ60と第1のスイッチング素子55または第1のダイオード56と第2の平滑コンデンサ62とからなる閉回路に経路を変えて共振電流が流れることになる。この駆動信号の駆動期間T2は、この場合にはT1とほぼ同じ期間に設定されているので、第2のスイッチング素子57が導通していた場合と同様に、駆動期間T1の約2/3の周期の共振電流が流れる。従って、加熱コイル59に流れる電流ILは、図6(A)の(f)に示すような波形となり、第1及び第2のスイッチング素子55、57の駆動周期(T1とT2と休止期間の和)は共振電流の周期の約3倍となり、第1及び第2の駆動周波数が約20kHzであれば、加熱コイル59に流れる共振電流の周波数は約60kHzとなる。次に起動時においては、制御回路63はリレー66はオフ状態にし、一定の周波数(約21kHz)で第1のスイッチング素子55と第2のスイッチング素子57を交互に駆動する。第1のスイッチング素子55の駆動期間は共振電流の共振周期よりも短いモードで駆動し、駆動時間比を最小にして、最小の出力にしてから徐々に駆動時間比を増加し、その間に制御回路63はカレントトランス67の検知出力とカレントトランス68の検知出力から、負荷鍋61の材料を検知する。制御回路63は負荷鍋61の材料が鉄系のものであると判断すると、加熱を停止してからリレー66を投入して、再度低出力で加熱を開始する。このとき、制御回路63は第1のスイッチング素子55と第2のスイッチング素子57を一定の周波数(約21kHz)で再度最小駆動時間比で最小出力からスタートして所定の出力まで徐々に増加させる。一方、鉄系の負荷であると検知しない場合には、所定の駆動時間比に到達すると、図6(B)に示すような、第1のスイッチング素子57の駆動期間より共振電流の周期の短いモードに移行する。このとき、出力は低出力状態になるように駆動期間が設定される。以上のように、加熱コイル59の発生する磁界によりアルミニウムや銅など高導電率、低透磁率の負荷を加熱すると、第1のスイッチング素子55、第1ダイオード56を流れる加熱コイル59と共振コンデンサ60による共振電流は、両スイッチング素子それぞれの駆動期間(T1)より短い周期で共振してなるので、第1のスイッチング素子55の駆動周波数より高い周波数(従来例では1.5倍)の電流を加熱コイル59に供給して加熱することができ、さらに、昇圧手段であるチョークコイル54と平滑手段である第2の平滑コンデンサ62を設けて、高周波電源である平滑コンデンサ62の電圧を昇圧して平滑し、各駆動期間(T及びT’)において共振電流の振幅を大きくしているため、駆動開始後、共振電流が流れ始めてから1周期目が終了し、2周期目に到達して以降においても十分大きな振幅の共振電流を継続させることができるものである。また、制御回路63は、最大出力設定時に、第1のスイッチング素子55の駆動開始後、共振電流が2周期目以降であって第1のスイッチング素子55に流れている期間内に第1のスイッチング素子55の導通を遮断する信号を出力してなる、または、第2のスイッチング素子57の駆動開始後共振電流が2周期目以降であって第2のスイッチング素子57に流れている期間内に第2のスイッチング素子の導通を遮断する信号を出力してなるので、最大出力時の第2のスイッチング素子57または第1のスイッチング素子55のターンオン損失の増大を抑制することができる。また、起動時、第1のスイッチング素子55と第2のスイッチング素子57の駆動時間比を変え加熱出力を増加させ、途中から駆動周波数を変え加熱出力を増加させてなることにより、負荷の検知を行いやすくすることができる。すなわち、駆動時間比を変えることにより高導電率かつ低透磁率のアルミニウム等の材質の負荷でも鉄系の負荷でも低出力状態で単調に出力を変化させることができ、制御回路63は負荷検知が正確にかつ低出力状態でできる。また、加熱コイル59の発生する磁界により、鉄系の負荷または非磁性ステンレスの負荷61を加熱すると共振電流は第1のスイッチング素子55及び第2のスイッチング素子57の導通期間より長い周期で共振してなり、鉄系の負荷または非磁性ステンレス製の負荷61を最大出力で加熱する場合に第1のスイッチング素子55及び第2のスイッチング素子57に順方向に電流が流れているタイミングで前記スイッチング素子を遮断可能とするように補正用共振コンデンサ65を共振コンデンサ60に並列に接続して、高導電率かつ低透磁率の負荷を加熱する場合よりも大きい容量に切り替えてなるので、共振コンデンサ60と補正用共振コンデンサ65は加熱コイル59と直列に接続されると共に容量を切り替え可能とし、鉄系の負荷または非磁性ステンレス製の負荷を加熱する場合に共振コンデンサ60を、高導電率かつ低透磁率の負荷を加熱する場合よりも大きい容量に切り替えてなることにより、共振周波数が長くなるとともに電流が増え、さらにチョークコイル54により直流電圧Vdcを昇圧しているので、共振電流の振幅が大きくなることから、スイッチング素子に順方向に電流が流れているタイミングでスイッチング素子を遮断可能な範囲で最大出力を設定してスイッチング素子のターンオン時のスイッチング損失の増大を抑制しようとする場合に、最大出力を以前の従来の構成のものより大きくすることができる。また、アルミニウム系の鍋と、鉄系の鍋を同一のインバータで加熱しようとするときに、他の従来例では加熱コイル59の巻き数と共振コンデンサとを同時に切り替えて共振周波数と被加熱物61に放射する磁界の強さ(アンペアターン)を切り替えていたが、チョークコイル54と第1のスイッチング手段57の昇圧作用により前記のコイル巻き数切り替えの作用を置き換えることができ、同一の加熱コイル59で共振コンデンサ60の切り替えをすることで、広い範囲の材質の被加熱物を加熱できる。また、補正用共振コンデンサ65を共振コンデンサ60に接続せずに起動し、すなわち、容量の小なる共振コンデンサ60ので起動し、徐々に出力を増加させ、その途中で負荷61が鉄系か、高導電率かつ低透磁率のものかを判定し、鉄系の負荷であると判定した場合には駆動停止後、リレー60をオンして補正用共振コンデンサ65を並列に接続して、すなわち、共振コンデンサ60を容量が大となるよう切り変え、駆動周波数を低周波数で再駆動するので、共振周波数が長くなるとともに電流が増え、さらに昇圧手段であるチョークコイル54と第2の平滑コンデンサ62により直流電源電圧を昇圧しているので、共振電流値が増えることから、第1のスイッチング素子55及びに順方向に電流が流れているタイミングでスイッチング素子を遮断可能な範囲で最大出力を設定して第2のスイッチング素子57のターンオン時のスイッチング損失の増大を抑制しようとする場合に、最大出力を以前の従来の構成のものより大きくすることができる。また、高導電率、低透磁率の負荷であると判定した場合には継続して所定の駆動時間比または所定の出力まで出力を増加した後駆動時間比を固定して導通時間を変更して出力を所定の出力に到達させてなるので、いずれの負荷においても低出力で起動して負荷の判定をして、安定的に所定の出力値あるいはリミット値へと到達させるいわゆるソフトスタート動作が可能となる。
以上のように構成された誘導加熱装置において、高導電率かつ低透磁率のアルミニウム等の材質の負荷でも鉄系の負荷でも負荷検知が正確にかつ低出力状態でできることからリレーのオンオフを切り替えることにより、共振コンデンサの切り替えを行い負荷の材質に応じた誘導加熱を可能としているものであった。
特許第3460997号公報
しかしながら、このような従来の構成では、高導電率かつ低透磁率のアルミニウム等の材質の負荷と鉄系の負荷との中間材質すなわち比較的厚い非磁性ステンレスや薄いステンレスの上にアルミニウムを組み合わせた複合材などにおいて充分な出力を得るにはさらに共振コンデンサを切り替えるなど構成が複雑になり、共振コンデンサを切り替えなければ充分な出力を得ることが困難であるという課題を有していた。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、容易な構成で中間材質の負荷もより大きな出力で誘導加熱できるとともに高導電率から低導電率まで負荷の材質に応じて加熱モードを切り替え、より大きな出力を得ることができ、さらに加熱モードの切り替えを加熱を停止することなく連続して加熱を継続する誘導加熱装置を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の誘導加熱装置は、加熱コイルの発生する磁界が非磁性ステンレスの負荷または非磁性ステンレスの板材の上にアルミニウム若しくは銅を載置した複合材の負荷を誘導加熱するときに移行するモードであり、共振電流が第1のスイッチング素子の駆動周期より短い周期で共振するとともに、直流電圧が昇圧平滑手段により脈流の入力直流電圧のピーク値よりも高くなるように昇圧されかつ平滑されてインバータに供給され、制御回路が駆動周期内に第1のスイッチング素子の駆動期間内に半周期以内の共振電流を流した後、第2のスイッチング素子の駆動期間内に1周期以上の共振電流を流す信号を出力し高導電率材質モードよりも第1のスイッチング素子の前記駆動周期を短くしてなる中間材質モードを有し負荷検知結果に応じて負荷材質のモードを切り替え、モードの切り替えにおいてインバータの動作を継続して行う構成としたものである。
これによって、容易な構成で中間材質の負荷もより大きな出力で誘導加熱できるととも
に高導電率から低導電率まで負荷の材質に応じて加熱モードを切り替えることができ、さらに加熱モードの切り替えを加熱を停止することなく連続して加熱を継続できる誘導加熱装置を提供することができる
本発明の誘導加熱装置は、容易な構成で中間材質の負荷もより大きな出力で誘導加熱できるとともに高導電率から低導電率まで負荷の材質に応じてより加熱出力を大きくすることができ、かつ、加熱モードの切り替えを加熱を停止することなく連続して加熱を継続できる。
第1の発明は、第1のスイッチング素子と第2のスイッチング素子の直列接続体と、前記第1のスイッチング素子に並列に接続された第1の逆導通素子と、前記第2のスイッチング素子に並列に接続された第2の逆導通素子と、前記第1のスイッチング素子または前記第2のスイッチング素子に並列に接続された加熱コイルと共振コンデンサを含む共振回路とを有し直流電圧を入力して前記第1のスイッチング素子と前記第2のスイッチング素子の導通により共振するインバータと、前記第1のスイッチング素子と前記第2のスイッチング素子を排他的に導通制御する制御回路と負荷の材質を検知する負荷材質検知手段を備え、前記加熱コイルの発生する磁界がアルミニウム前記負荷を誘導加熱するときに移行するモードであり、前記第1のスイッチング素子または前記第1の逆導通素子に流れる共振電流が前記第1のスイッチング素子の駆動周期より短い周期で共振するとともに前記直流電圧は昇圧平滑手段により脈流の入力直流電圧のピーク値よりも高くなるように昇圧されかつ平滑されて前記インバータに供給され、前記制御回路前記第1のスイッチング素子を駆動開始後、前記共振電流が前記第1のスイッチング素子に流れ始めてから2周期目に到達して以降であって前記第1のスイッチング素子に電流が流れている期間内において前記第1のスイッチング素子の駆動を停止する信号を出力してなる高導電率材質モードと、前記加熱コイルの発生する磁界が非磁性ステンレスの前記負荷または非磁性ステンレスの板材の上にアルミニウム若しくは銅を載置した複合材の前記負荷を誘導加熱するときに移行するモードであり、前記共振電流が前記第1のスイッチング素子の前記駆動周期より短い周期で共振するとともに前記直流電圧が前記昇圧平滑手段により脈流の入力直流電圧のピーク値よりも高くなるように昇圧されかつ平滑されて前記インバータに供給され、前記制御回路前記第1のスイッチング素子の駆動期間内に半周期以内の前記共振電流を流した後、前記第2のスイッチング素子の駆動期間内に1周期以上の前記共振電流を流す信号を出力し前記高導電率材質モードよりも前記第1のスイッチング素子の前記駆動周期を短くしてなる中間材質モードと、前記加熱コイルの発生する磁界が鉄の負荷を誘導加熱するときに移行するモードであり、前記共振電流が前記第1のスイッチング素子の前記駆動周期で共振し前記制御回路前記第1のスイッチング素子の駆動期間内に半周期以内の共振電流を流し、前記第2のスイッチング素子の駆動期間内に半周期以内の共振電流を流す信号を出力してなる低導電率材質モードとを有し、前記負荷材質検知結果に応じて前記高導電率材質モードと前記中間材質モードと前記低導電率材質モードのいずれかで動作させ、前記3つの材質モードの切替において前記インバータの動作を継続して行う構成とすることにより、容易な構成で中間材質の負荷もより大きな出力で誘導加熱できるとともに高導電率から低導電率まで負荷の材質に応じて加熱モードを切り替えることができ、さらに加熱モードの切り替えを加熱を停止することなく連続して加熱を継続できる。
第2の発明は、第1のスイッチング素子と第2のスイッチング素子の直列接続体と、前記第1のスイッチング素子に並列に接続された第1の逆導通素子と、前記第2のスイッチ
ング素子に並列に接続された第2の逆導通素子と、前記第1のスイッチング素子または前記第2のスイッチング素子に並列に接続された加熱コイルと共振コンデンサを含む共振回路とを有し直流電圧を入力して前記第1のスイッチング素子と前記第2のスイッチング素子の導通により共振するインバータと、前記第1のスイッチング素子と前記第2のスイッチング素子を排他的に導通制御する制御回路と負荷の材質を検知する負荷材質検知手段を備え、前記加熱コイルの発生する磁界がアルミニウム前記負荷を誘導加熱するときに移行するモードであり、前記第1のスイッチング素子または前記第1の逆導通素子に流れる共振電流が前記第1のスイッチング素子の駆動周期より短い周期で共振するとともに前記直流電圧は昇圧平滑手段により脈流の入力直流電圧のピーク値よりも高くなるように昇圧されかつ平滑されて前記インバータに供給され、前記制御回路前記第1のスイッチング素子を駆動開始後、前記共振電流が前記第1のスイッチング素子に流れ始めてから2周期目に到達して以降であって前記第1のスイッチング素子に電流が流れている期間内において前記第1のスイッチング素子の駆動を停止する信号を出力してなる高導電率材質モードと、前記加熱コイルの発生する磁界が非磁性ステンレスの前記負荷または非磁性ステンレスの板材の上にアルミニウム若しくは銅を載置した複合材の前記負荷を誘導加熱するときに移行するモードであり、前記共振電流が前記第1のスイッチング素子の前記駆動周期より短い周期で共振するとともに前記直流電圧が前記昇圧平滑手段により脈流の入力直流電圧のピーク値よりも高くなるように昇圧されかつ平滑されて前記インバータに供給され、前記制御回路前記第1のスイッチング素子の駆動期間内に半周期以内の前記共振電流を流した後、前記第2のスイッチング素子の駆動期間内に1周期以上の前記共振電流を流す信号を出力し前記高導電率材質モードよりも前記第1のスイッチング素子の前記駆動周期を短くしてなる中間材質モードとを有し、前記負荷材質検知結果に応じて前記高導電率材質モードと前記中間材質モードとの切替において前記インバータの動作を継続して行う構成とすることにより、容易な構成で中間材質の負荷もより大きな出力で誘導加熱できるとともに高導電率から低導電率まで負荷の材質に応じて加熱モードを切り替えることができ、さらに高導電率材質モードと中間材質モードとの加熱モードの切り替えを加熱を停止することなく連続して加熱を継続できる。
第3の発明は、第1のスイッチング素子と第2のスイッチング素子の直列接続体と、前記第1のスイッチング素子に並列に接続された第1の逆導通素子と、前記第2のスイッチング素子に並列に接続された第2の逆導通素子と、前記第1のスイッチング素子または前記第2のスイッチング素子に並列に接続された加熱コイルと共振コンデンサを含む共振回路とを有し直流電圧を入力して前記第1のスイッチング素子と前記第2のスイッチング素子の導通により共振するインバータと、前記第1のスイッチング素子と前記第2のスイッチング素子を排他的に導通制御する制御回路と負荷の材質を検知する負荷材質検知手段を備え、前記加熱コイルの発生する磁界がアルミニウムの負荷を誘導加熱するときに移行するモードであり、前記第1のスイッチング素子または前記第1の逆導通素子に流れる共振電流が前記第1のスイッチング素子の駆動周期より短い周期で共振するとともに前記直流電圧は昇圧平滑手段により脈流の入力直流電圧のピーク値よりも高くなるように昇圧されかつ平滑されて前記インバータに供給され、前記制御回路は、前記第1のスイッチング素子を駆動開始後、前記共振電流が前記第1のスイッチング素子に流れ始めてから2周期目に到達して以降であって前記第1のスイッチング素子に電流が流れている期間内において前記第1のスイッチング素子の駆動を停止する信号を出力してなる高導電率材質モードと、前記加熱コイルの発生する磁界が非磁性ステンレスの前記負荷または非磁性ステンレスの板材の上にアルミニウム若しくは銅を載置した複合材の前記負荷を誘導加熱すると
に移行するモードであり、前記共振電流が前記第1のスイッチング素子の前記駆動周期より短い周期で共振するとともに前記直流電圧が前記昇圧平滑手段により脈流の入力直流電圧のピーク値よりも高くなるように昇圧されかつ平滑されて前記インバータに供給され、前記制御回路前記第1のスイッチング素子の駆動期間内に半周期以内の共振電流を流した後、前記第2のスイッチング素子の駆動期間内に1周期以上の前記共振電流を流す信号を出力し前記高導電率材質モードよりも前記第1のスイッチング素子の前記駆動周期を短くしてなる中間材質モードと、前記加熱コイルの発生する磁界が鉄の負荷を誘導加熱するときに移行するモードであり、前記共振電流が前記第1のスイッチング素子の前記駆動周期で共振する低導電率材質モードとを有し、前記負荷材質検知結果に応じて前記高導電率材質モードと前記中間材質モードと前記低導電率材質モードのいずれかで動作させ、前記中間材質モードにおいて前記負荷材質検知手段により前記負荷がアルミニウムであると検知することにより高導電率材質モードに切替を行う構成とすることにより、高導電率材質の負荷を中間材質モードで加熱した場合にスイッチング素子のスイッチング損失が増大するのを低減することができる。従って、より加熱出力が大きくすることができる。
の発明は、特に、第の発明の中間材質モードにおいて、負荷材質検知手段は、入力電流と共振コンデンサ電圧を入力とするとすることにより、負荷材質検知を確実に行うことができかつ高導電率材質の負荷を中間材質モードで加熱した場合にスイッチング素子のスイッチング損失が増大するのを低減することができる。
の発明は、特に、第の発明の負荷材質検知手段は、加熱コイル電流または共振コンデンサ電圧を入力とするとすることにより、負荷材質検知を容易に実施できかつ高導電率材質の負荷を中間材質モードで加熱した場合にスイッチング素子のスイッチング損失が増大するのを低減することができる。
第6の発明は、特に、第1〜5の発明において、制御回路が、高導電率材質モードで、第1のスイッチング素子の駆動期間内に1周期以上の共振電流を流し、かつ中間材質モードで、前記第1のスイッチング素子の駆動期間内に半周期以内の共振電流を流した後、第2のスイッチング素子の駆動期間内に1周期以上の前記共振電流を流す信号を出力し前記高導電率材質モードよりも前記第1のスイッチング素子の駆動周期を短くしてなることに代え、前記制御回路が、前記高導電率材質モードで、前記第2のスイッチング素子の駆動
期間内に1周期以上の共振電流を流し、かつ前記中間材質モードで、前記第1のスイッチング素子の駆動期間内に1周期以上の前記共振電流を流した後前記第2のスイッチング素子の駆動期間内に半周期以内の前記共振電流を流す信号を出力し前記高導電率材質モードよりも前記第1のスイッチング素子の前記駆動周期を短くすることにより、容易な構成で中間材質の負荷もより大きな出力で誘導加熱できるとともに高導電率から低導電率まで負荷の材質に応じて加熱モードを切り替えることができ、さらに加熱モードの切り替えを加熱を停止することなく連続して加熱を継続できる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は本発明の第1の実施の形態における誘導加熱装置である誘導加熱調理器の回路構成図であり、図2は誘導加熱装置である誘導加熱調理器の回路の各部波形を示す図である。
図1において、電源12は200V商用電源であり、ダイオードブリッジからなる整流手段13と第1の平滑コンデンサ14と昇圧手段15と第2の平滑コンデンサ16からなる昇圧平滑手段11によって商用電源を昇圧した直流に変換し、インバータ8により高周波に変換され、高周波磁界を加熱コイル1に発生させる。鍋2は負荷であり、加熱コイル1と対向して設置する。共振コンデンサ3は、加熱コイル1とともに直列の共振回路を構成している。インバータ8は前記共振回路を出力としたシングルエンドプッシュプル構成となるよう第1のスイッチング素子4および第2のスイッチング素子6を接続している。第1のスイッチング素子4および第2のスイッチング素子6はそれぞれ逆並列に第1の逆導通素子5と第2の逆導通素子7としてダイオードを接続している。制御回路9により第1のスイッチング素子4と第2のスイッチング素子6を交互に駆動し、出力を増加させる場合にはスイッチング素子の駆動周波数が共振周波数に近づくように制御回路9によりスイッチング素子4、6を駆動し、カレントトランスからなる加熱出力検知手段17により加熱出力を検知して所定の加熱出力が得られるようにする周波数制御のインバータとしている。起動時においては、制御回路9は一定の周波数(約21kHz)で第1のスイッチング素子4と第2のスイッチング素子6を交互に駆動する。
図3は負荷2の材質が異なる時の負荷材質検知手段10の検知入力の特性図で、低導電率材質から高導電率材質になるにしたがい、同じ入力電流では共振コンデンサ電圧が高くなっている。第1のスイッチング素子4の駆動期間は共振電流の共振周期よりも短いモードで駆動し、駆動時間比を最小にして、最小の出力にしてから徐々に駆動時間比を増加し、その間に負荷材質検知手段10はカレントトランス17の検知出力(入力電流)と共振コンデンサ電圧検知手段18の検知出力から、負荷2の材料を検知する。負荷材質検知手段10は負荷2の材料が鉄系のものであると判断すると、駆動周波数を上げ、再度低出力で加熱を開始する。共振回路の共振周波数は約60kHzとなるよう加熱コイル1および共振コンデンサ3を設定し、スイッチング素子の駆動周波数は共振回路の共振周波数である約60kHzとなるようにして、最小出力からスタートして所定の出力まで徐々に増加させる低導電率材質モードで動作させる。
一方、アルミニウム系の負荷であると検知した場合には、所定の駆動時間比に到達すると、第1のスイッチング素子4の駆動期間より共振電流の周期の短いモードに移行する。このとき、出力は低出力状態になるように駆動期間が設定される。共振回路の共振周波数は約60kHzとなるよう加熱コイル1および共振コンデンサ3を設定し、第1と第2のスイッチング素子4、6の駆動周波数は共振回路の共振周波数の1/3である約20kHzとなるようにしている。また、昇圧平滑手段11は700Vに昇圧平滑するよう動作している。このように第1と第2のスイッチング素子4、6の損失を低減しかつ十分昇圧することでアルミニウムのような低透磁率かつ高導電率である金属も加熱できる高導電率材質モードで動作するようにしているものである。
さらに、アルミニウム系と鉄系の中間材質すなわち非磁性ステンレスの厚板や薄非磁性ステンレス板材の上にアルミニウムや銅などの高導電率材を載置した複合材と検知した場合には第1と第2のスイッチング素子4、6は図2の中間材質モードと示す部分のように駆動する。駆動周波数は共振回路の共振周波数の1/2である約30kHzとなるようにして第1のスイッチング素子4を駆動した後半周期の共振電流を流して第1のスイッチング素子4の駆動を停止し、第2のスイッチング素子6の駆動を開始した後、1周期半の共振電流を流して第2のスイッチング素子6の駆動を停止することを繰り返す中間材質モードで動作させる。この時、昇圧平滑手段11は600Vに昇圧平滑するよう動作していており、駆動周波数は高導電率材質モードより増加しているが第1と第2のスイッチング素子4、6にかかる電圧を高導電率材質モードより低下させることによりスイッチング損失を低減している。
ここで、中間材質モードと判定した負荷2が負荷温度の変化などにより負荷2の特性が高導電率材質と同等にまで変化した場合、負荷材質検知手段10により中間材質モードから高導電率材質モードに図2のようにインバータの動作を継続させたまま切り替えを行うものである。すなわち第2のスイッチング素子6の駆動を開始した後、1周期半の共振電流を流して第2のスイッチング素子6の駆動を停止した後、第1のスイッチング素子4を駆動した後1周期半の共振電流を流して第1のスイッチング素子4の駆動を停止することを繰り返して中間材質モードから高導電率材質モードに加熱を停止することなくインバータの動作を継続したままで切り替える。
また、非磁性ステンレス鋼製の鍋など低導電率材質モードと判定した負荷2が負荷温度の変化などにより負荷2の特性が中間材質と同等にまで変化した場合、負荷材質検知手段10により低導電率材質モードから中間材質モードに図2のようにインバータの動作を継続させたまま切り替えを行うものである。すなわち第2のスイッチング素子6の駆動を開始した後、半周期の共振電流を流して第2のスイッチング素子6の駆動を停止した後、第1のスイッチング素子4を駆動した後半周期の共振電流を流して第1のスイッチング素子4の駆動を停止し第2のスイッチング素子6の駆動を開始した後、半周期の共振電流を流して第2のスイッチング素子6の駆動を停止することを繰り返して低導電率材質モードから中間材質モードに加熱を停止することなくインバータの動作を継続したままで切り替える。
以上述べたように、本実施の形態では駆動周期内に第1のスイッチング素子4の駆動期間内に半周期以内の共振電流を流し、第2のスイッチング素子6の駆動期間内に1周期以上の共振電流を流す信号を出力してなる中間材質モードを有し負荷検知結果に応じてモードを切り替える構成としているので、容易な構成で中間材質の負荷もより大きな出力で誘導加熱できるとともに高導電率から低導電率まで負荷の材質に応じて加熱モードを切り替えることができることからより加熱出力を大きくすることができるとともに、加熱モードの切り替えを加熱を停止することなく連続して加熱を継続できる。
また、本実施の形態では第1のスイッチング素子4の駆動期間内に半周期以内の共振電流を流し、第2のスイッチング素子6の駆動期間内に1周期以上の共振電流を流すとしたが、第2のスイッチング素子6の駆動期間内に半周期以内の共振電流を流し、第1のスイッチング素子4の駆動期間内に1周期以上の共振電流を流すとしても同様の効果が得られる。
また、本実施の形態では中間材質モードから高導電率材質モードへ切替を行ったが高導電率材質モードから中間材質モードへの切替も行えることはいうまでもない。
さらに、負荷材質検知手段10を加熱コイル1電流検知によるものあるいは共振コンデンサ3電圧検知によるものとしても第1と第2のスイッチング素子4、6の電流増大の検知は可能でありより容易な構成で負荷材質検知を行い加熱モードを切り替えることができる。
また、図4の本発明の別の実施の形態における誘導加熱装置に示すように、共振コンデンサの切替手段(リレー20)を設けて共振コンデンサ3容量を変更する(並列に補正用共振コンデンサ19を接続する)ことと組み合わせて加熱モード切替を行う、すなわち加熱を停止して共振コンデンサ容量を変更する加熱モード切替を行うのと前述の加熱を停止することなく連続して継続しながら加熱モード切替を行うのとを併用すればさらに負荷2の材質適用範囲の広い誘導加熱装置とすることができる。
以上のように、本発明にかかる誘導加熱装置は、導電率の異なる材質の負荷に応じて加熱出力を大きくすることが可能となるので、複数の導電率の異なる材料を加熱する工業用誘導加熱等の用途にも適用できる。
本発明の実施の形態1における誘導加熱装置の回路構成図 本発明の実施の形態1における誘導加熱装置の回路の各部波形を示す図 本発明の実施の形態1における誘導加熱装置の負荷材質検知手段の検知入力の特性図 本発明の別の実施の形態における誘導加熱装置の回路構成図 従来の誘導加熱装置の回路構成図 従来の誘導加熱装置の回路の各部波形を示す図
符号の説明
1 加熱コイル
2 負荷
3 共振コンデンサ
4 第1のスイッチング素子
5 第1の逆導通素子
6 第2のスイッチング素子
7 第2の逆導通素子
8 インバータ
9 制御回路
10 負荷材質検知手段
11 昇圧平滑手段

Claims (6)

  1. 第1のスイッチング素子と第2のスイッチング素子の直列接続体と、前記第1のスイッチング素子に並列に接続された第1の逆導通素子と、前記第2のスイッチング素子に並列に接続された第2の逆導通素子と、前記第1のスイッチング素子または前記第2のスイッチング素子に並列に接続された加熱コイルと共振コンデンサを含む共振回路とを有し直流電圧を入力して前記第1のスイッチング素子と前記第2のスイッチング素子の導通により共振するインバータと、前記第1のスイッチング素子と前記第2のスイッチング素子を排他的に導通制御する制御回路と負荷の材質を検知する負荷材質検知手段を備え、前記加熱コイルの発生する磁界がアルミニウム前記負荷を誘導加熱するときに移行するモードであり、前記第1のスイッチング素子または前記第1の逆導通素子に流れる共振電流が前記第1のスイッチング素子の駆動周期より短い周期で共振するとともに前記直流電圧昇圧平滑手段により脈流の入力直流電圧のピーク値よりも高くなるように昇圧されかつ平滑されて前記インバータに供給され、前記制御回路前記第1のスイッチング素子を駆動開始後、前記共振電流が前記第1のスイッチング素子に流れ始めてから2周期目に到達して以降であって前記第1のスイッチング素子に電流が流れている期間内において前記第1のスイッチング素子の駆動を停止する信号を出力してなる高導電率材質モードと、前記加熱コイルの発生する磁界が非磁性ステンレスの前記負荷または非磁性ステンレスの板材の上にアルミニウム若しくは銅を載置した複合材の前記負荷を誘導加熱するときに移行するモードであり、前記共振電流が前記第1のスイッチング素子の前記駆動周期より短い周期で共振するとともに前記直流電圧が前記昇圧平滑手段により脈流の入力直流電圧のピーク値よりも高くなるように昇圧されかつ平滑されて前記インバータに供給され、前記制御回路前記第1のスイッチング素子の駆動期間内に半周期以内の前記共振電流を流した後、前記第2のスイッチング素子の駆動期間内に1周期以上の前記共振電流を流す信号を出力し前記高導電率材質モードよりも前記第1のスイッチング素子の前記駆動周期を短くしてなる中間材質モードと、前記加熱コイルの発生する磁界が鉄の負荷を誘導加熱するときに移行するモードであり、前記共振電流が前記第1のスイッチング素子の前記駆動周期で共振し前記制御回路前記第1のスイッチング素子の駆動期間内に半周期以内の共振電流を流し、前記第2のスイッチング素子の駆動期間内に半周期以内の前記共振電流を流す信号を出力してなる低導電率材質モードとを有し、前記負荷材質検知結果に応じて前記高導電率材質モードと前記中間材質モードと前記低導電率材質モードのいずれかで動作させ、
    前記3つの材質モードの切替において前記インバータの動作を継続して行う誘導加熱装置。
  2. 第1のスイッチング素子と第2のスイッチング素子の直列接続体と、前記第1のスイッチング素子に並列に接続された第1の逆導通素子と、前記第2のスイッチング素子に並列に接続された第2の逆導通素子と、前記第1のスイッチング素子または前記第2のスイッチング素子に並列に接続された加熱コイルと共振コンデンサを含む共振回路とを有し直流電圧を入力して前記第1のスイッチング素子と前記第2のスイッチング素子の導通により共振するインバータと、前記第1のスイッチング素子と前記第2のスイッチング素子を排他的に導通制御する制御回路と負荷の材質を検知する負荷材質検知手段を備え、前記加熱コイルの発生する磁界がアルミニウム前記負荷を誘導加熱するときに移行するモードであり、前記第1のスイッチング素子または前記第1の逆導通素子に流れる共振電流が前記第1のスイッチング素子の駆動周期より短い周期で共振するとともに前記直流電圧昇圧平滑手段により脈流の入力直流電圧のピーク値よりも高くなるように昇圧されかつ平滑されて前記インバータに供給され、前記制御回路前記第1のスイッチング素子を駆動開始後、前記共振電流が前記第1のスイッチング素子に流れ始めてから2周期目に到達して以降であって前記第1のスイッチング素子に電流が流れている期間内において前記第1のスイッチング素子の駆動を停止する信号を出力してなる高導電率材質モードと、前記加熱コイルの発生する磁界が非磁性ステンレスの前記負荷または非磁性ステンレスの板材の上にアルミニウム若しくは銅を載置した複合材の前記負荷を誘導加熱するときに移行するモードであり、前記共振電流が前記第1のスイッチング素子の前記駆動周期より短い周期で共振するとともに前記直流電圧が前記昇圧平滑手段により脈流の入力直流電圧のピーク値よりも高くなるように昇圧されかつ平滑されて前記インバータに供給され、前記制御回路前記第1のスイッチング素子の駆動期間内に半周期以内の前記共振電流を流した後、前記第2のスイッチング素子の駆動期間内に1周期以上の前記共振電流を流す信号を出力し前記高導電率材質モードよりも前記第1のスイッチング素子の前記駆動周期を短くしてなる中間材質モードとを有し、前記負荷材質検知結果に応じて前記高導電率材質モードと前記中間材質モードとの切替において前記インバータの動作を継続して行う誘導加熱装置。
  3. 第1のスイッチング素子と第2のスイッチング素子の直列接続体と、前記第1のスイッチング素子に並列に接続された第1の逆導通素子と、前記第2のスイッチング素子に並列に接続された第2の逆導通素子と、前記第1のスイッチング素子または前記第2のスイッチング素子に並列に接続された加熱コイルと共振コンデンサを含む共振回路とを有し直流電圧を入力して前記第1のスイッチング素子と前記第2のスイッチング素子の導通により共振するインバータと、前記第1のスイッチング素子と前記第2のスイッチング素子を排他的に導通制御する制御回路と負荷の材質を検知する負荷材質検知手段を備え、前記加熱コイルの発生する磁界がアルミニウム前記負荷を誘導加熱するときに移行するモードであり、前記第1のスイッチング素子または前記第1の逆導通素子に流れる共振電流が前記第1のスイッチング素子の駆動周期より短い周期で共振するとともに前記直流電圧昇圧平滑手段により脈流の入力直流電圧のピーク値よりも高くなるように昇圧されかつ平滑されて前記インバータに供給され、前記制御回路前記第1のスイッチング素子を駆動開始後、前記共振電流が前記第1のスイッチング素子に流れ始めてから2周期目に到達して以降であって前記第1のスイッチング素子に電流が流れている期間内において前記第1のスイッチング素子の駆動を停止する信号を出力してなる高導電率材質モードと、前記加熱コイルの発生する磁界が非磁性ステンレスの前記負荷または非磁性ステンレスの板材の上にアルミニウム若しくは銅を載置した複合材の前記負荷を誘導加熱するときに移行するモードであり、前記共振電流が前記第1のスイッチング素子の前記駆動周期より短い周期で共振するとともに前記直流電圧昇圧平滑手段により脈流の入力直流電圧のピーク値よりも高くなるように昇圧されかつ平滑されて前記インバータに供給され、前記制御回路
    前記第1のスイッチング素子の駆動期間内に半周期以内の前記共振電流を流した後、前記第2のスイッチング素子の駆動期間内に1周期以上の前記共振電流を流す信号を出力し前記高導電率材質モードよりも前記第1のスイッチング素子の前記駆動周期を短くしてなる中間材質モードと、前記加熱コイルの発生する磁界が鉄の負荷を誘導加熱するときに移行するモードであり、前記共振電流が前記第1のスイッチング素子の前記駆動周期で共振する低導電率材質モードとを有し、前記負荷材質検知結果に応じて前記高導電率材質モードと前記中間材質モードと前記低導電率材質モードのいずれかで動作させ、前記中間材質モードにおいて前記負荷材質検知手段により前記負荷がアルミニウムであると検知することにより高導電率材質モードに切替を行う誘導加熱装置。
  4. 中間材質モードにおいて、負荷材質検知手段は、入力電流と共振コンデンサ電圧を入力とする請求項に記載の誘導加熱装置。
  5. 中間材質モードにおいて、負荷材質検知手段は、加熱コイル電流または共振コンデンサ電圧を入力とする請求項に記載の誘導加熱装置。
  6. 制御回路が、高導電率材質モードで、第1のスイッチング素子の駆動期間内に1周期以上の共振電流を流し、かつ中間材質モードで、前記第1のスイッチング素子の駆動期間内に半周期以内の共振電流を流した後、第2のスイッチング素子の駆動期間内に1周期以上の前記共振電流を流す信号を出力し前記高導電率材質モードよりも前記第1のスイッチング素子の駆動周期を短くしてなることに代え、前記制御回路が、前記高導電率材質モードで、前記第2のスイッチング素子の駆動期間内に1周期以上の共振電流を流し、かつ前記中間材質モードで、前記第1のスイッチング素子の駆動期間内に1周期以上の前記共振電流を流した後前記第2のスイッチング素子の駆動期間内に半周期以内の前記共振電流を流す信号を出力し前記高導電率材質モードよりも前記第1のスイッチング素子の前記駆動周期を短くしてなる請求項1〜のいずれか1項に記載の誘導加熱装置。
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