JP2005149736A - 誘導加熱装置 - Google Patents

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Atsushi Fujita
篤志 藤田
Motonari Hirota
泉生 弘田
Tomoya Fujinami
知也 藤濤
Shinji Kondo
信二 近藤
Yuji Fujii
裕二 藤井
Yoshiaki Ishio
嘉朗 石尾
Takahiro Miyauchi
貴宏 宮内
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Abstract

【課題】加熱コイルに供給する高周波電流の周波数を可変して低抵抗非磁性金属製の被加熱体を誘導加熱するインバータを複数組同時に動作しても、干渉音を抑制する、または聞こえなくする。
【解決手段】入力制御手段18aは、対応する加熱コイル10aに流れる高周波電流周波数と、他の加熱コイル10bに流れる高周波電流周波数が同一となるよう制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は、複数のバーナーを備えた誘導加熱調理器等の誘導加熱装置に関するものである。
従来、この種の誘導加熱装置として、例えば誘導加熱調理器に関して複数個のインバータ回路を同時に作動しても干渉音が発生しない技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
図9の回路図と、図10の動作波形図、図11の特性曲線図は特許文献1に開示されている内容を示す回路図である。図9において、電源電圧がEである直流電源1を第1のスイッチング素子3、第2のスイッチング素子4を交互にオン、オフさせることにより、加熱コイル5、共振コンデンサ6に高周波電流を供給する。9fは発振器、9gは可変導通比設定部である。そして比較部9cの電圧eは可変導通比設定部9gに入力されている。またこれらの回路は複数個有し、複数バーナーを構成するものである。
一定の発振周波数で発振する発振器9fに接続された可変導通比設定部9gは入力設定部9aに設定された入力設定値と入力検知部9bで検知された実際の入力とを比較部9cで比較し出力された誤差電圧eに応じて第1のスイッチング素子3と第2のスイッチング素子4の導通比を変化させる。この入力電力帰還ループにより第1のスイッチング素子3と第2のスイッチング素子4の導通比は実際の入力が入力設定値に等しくなるように制御される。
従来例における誘導加熱調理器は、これらの回路を複数個有しているが、発振器9fの発振周波数は同一に設定してあるので、両方のインバータ回路2を同時に作動しても発振周波数の差による干渉音は発生しない。
特開平1−260785号公報
しかしながら、上記従来の技術は、ある一定の発振周波数をもとに複数バーナーの入力電力制御を行うことにより、複数バーナーの発振周波数の差Δfの干渉音が被加熱体である鍋から発生する問題を解決するもので、発振周波数の可変を想定していない。
アルミをはじめとする低抵抗非磁性金属製の被加熱体を誘導加熱する場合には、被加熱体の持つ電磁気的特性により、加熱コイル、共振コンデンサ、被加熱体が構成する共振回路の共振周波数の近傍周波数ではじめて、共振回路のインピーダンスが低くなり、誘導加熱可能な十分な高周波電流を加熱コイルに流すことが可能になるのだが、ある一定の発振周波数を決定すると、低抵抗非磁性金属製の被加熱体形状、材質等により、誘導加熱に適する共振回路のインピーダンスが低い周波数域が異なるため、被加熱体によっては十分な入力を得ることができないという課題があった。
本発明は上記の課題を解決するもので、低抵抗非磁性金属製の被加熱体を加熱する加熱コイルに流れる高周波電流周波数を可変としながら、干渉音を発生させない誘導加熱装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明の誘導加熱装置は、低抵抗非磁性金属製の被加熱体を誘導加熱する複数の加熱コイルと、前記加熱コイルのそれぞれに対応し前記加熱コイルに高周波電流を供給する複数のインバータと、前記インバータそれぞれの入力を検知する入力検知手段と、前記入力検知手段の出力に応じて前記加熱コイルに流れる高周波電流の周波数を可変して所定の入力となるように前記インバータの入力を制御する入力制御手段とを備え、前記入力制御手段は、前記加熱コイルのうちの一つの加熱コイルに流れる高周波電流の周波数と、他の加熱コイルに流れる高周波電流の周波数が同一となるよう制御するものである。
本発明の誘導加熱装置は、入力制御手段が、前記加熱コイルのうちの一つの加熱コイルに流れる高周波電流の周波数と、他の加熱コイルに流れる高周波電流の周波数が同一となるよう制御することで、コイルに流れる電流の周波数差Δfによる干渉音は抑制され、さらに低抵抗非磁性金属製の被加熱体など、誘導加熱の際に加熱コイルに流れる高周波電流周波数の可変周波数制御が必要となる場合にも十分な入力が得られる。
第1の発明は、低抵抗非磁性金属製の被加熱体を誘導加熱する複数の加熱コイルと、前記加熱コイルのそれぞれに対応し前記加熱コイルに高周波電流を供給する複数のインバータと、前記インバータそれぞれの入力を検知する入力検知手段と、前記入力検知手段の出力に応じて前記加熱コイルに流れる高周波電流の周波数を可変して所定の入力となるように前記インバータの入力を制御する入力制御手段とを備え、前記入力制御手段は、前記加熱コイルのうちの一つの加熱コイルに流れる高周波電流の周波数と、他の加熱コイルに流れる高周波電流の周波数が同一となるよう制御する誘導加熱装置とするものであり、加熱コイルに流れる高周波電流の周波数は可変制御する一方で、それぞれの加熱コイルに流れる高周波電流の周波数は同一となるよう制御するために、周波数差Δfによる干渉音は抑制され、さらに低抵抗非磁性金属製の被加熱体など、誘導加熱の際に加熱コイルに流れる高周波電流周波数の可変周波数制御が必要となる場合にも十分な入力が得られる。
第2の発明は、特に、第1の発明において、被加熱体材質判別手段を備え、入力制御手段は、前記被加熱体材質判別手段が被加熱体は他の被加熱体よりも抵抗が大きいと判別した場合には、前記被加熱体に対応する加熱コイルに流れる高周波電流の周波数を可変する制御を、他の入力制御手段の制御より優先して行う誘導加熱装置とするものである。低抵抗非磁性金属製の被加熱体を加熱コイルに流れる高周波電流周波数を可変制御して加熱する際に、被加熱体の抵抗が高い場合には、加熱コイルや被加熱体などで構成する共振回路のインピーダンスが高くなり、入力可能な最大入力電力が低くなるために加熱制御が困難である。本発明では、他の被加熱体に比較して抵抗の高い被加熱体を所定の入力で加熱できるよう、対応した加熱コイルに流れる高周波電流周波数可変制御を優先して行うことにより、抵抗が高い被加熱体であっても容易に加熱できるようになる。
第3の発明は、特に、第1または第2の発明において、ンバータ電圧検知手段と、インバータ電圧制御手段とを備え、前記インバータ電圧制御手段は、前記インバータ電圧検知手段と入力検知手段の出力に応じてインバータ電圧を可変しインバータの入力が所定の入力値となるように制御する誘導加熱装置とするものである。被加熱体の形状、材質によって、誘導加熱に適した高周波電流周波数域が異なるため、加熱コイルそれぞれの高周波電流の周波数を同一とすると、誘導加熱に適した高周波電流周波数域を保持できないインバータが生じ、十分な入力を得られない場合がある。本発明では、インバータ電圧を上げる制御を行うことにより、誘導加熱に適した高周波電流周波数域を保持できないインバータであっても所定の入力を得られることが可能になる。
第4の発明は、特に、第1〜3のいずれか1つの発明において、インバータは、複数のスイッチング素子と、前記スイッチング素子の駆動を制御する駆動制御手段を備え、前記駆動制御手段は、入力検知手段の出力に応じて前記複数のスイッチング素子の駆動時間比を可変して所定の入力となるように制御する誘導加熱装置とするものであり、加熱コイルに流れる高周波電流周波数の可変制御等に加え、スイッチング素子の駆動時間比可変制御により、きめ細やかな入力電力制御が可能となる。
第5の発明は、特に、第2〜4のいずれか1つの発明において、被加熱体材質判別手段が、第1の被加熱体は他の被加熱体よりも抵抗が大きいと判別した場合には、前記第1の被加熱体を誘導加熱する第1のインバータの第1の駆動制御手段は、前記第1の被加熱体に対応する第1の加熱コイルに流れる高周波電流周波数の1/n(nは整数)周波数でスイッチング素子を駆動し、他の駆動制御手段は、1/(n+m)(n、mは整数)周波数でスイッチング素子を駆動する誘導加熱装置とするものである。被加熱体の抵抗が高い場合には、加熱コイルや被加熱体などで構成する共振回路のインピーダンスが高くなり、入力可能な最大入力電力が低くなるために加熱制御が困難である。また低抵抗非磁性金属製の被加熱体の誘導加熱に適した高周波電流を加熱コイルに供給するよう、スイッチング素子を高周波電流周波数と同一周波数で駆動させると、スイッチング素子のスイッチング時に発生する損失が非常に増加する。本発明では、スイッチング素子の駆動周波数を、加熱コイルに流れる高周波電流周波数の1/(n+m)として、少ないスイッチング回数でスイッチング損失の増加を抑制し、高周波電流の供給をも可能にする。また、加熱制御が困難となる、抵抗の高い被加熱体に対応するスイッチング素子は、高周波電流の1/nの駆動周波数とし、1回のスイッチングで流れる回生電流が少なくなるため、入力可能な最大入力電力を高くでき、抵抗の高い被加熱体であっても誘導加熱が容易となる。
第6の発明は、特に、第1〜5のいずれか1つの発明において、入入力設定手段を備え、駆動制御手段は、前記入力設定手段によるインバータの入力設定が他のインバータの入力設定より高い設定がなされた場合には、前記インバータに対応する加熱コイルに流れる高周波電流の周波数の1/n(nは整数)の周波数でスイッチング素子を駆動し、他は、1/(n+m)(n、mは整数)の周波数でスイッチング素子を駆動する誘導加熱装置とするものである。入力設定が高い場合には、スイッチング素子の駆動周波数を加熱コイルに流れる高周波電流周波数の1/nとすることにより、1回のスイッチングで流れる回生電流を少なくし、入力可能な最大電力を高くできるため、被加熱体の形状、材質が異なっても誘導加熱が容易である。その他の入力設定が低いインバータでは、スイッチング素子の駆動周波数を高周波電流の1/(n+m)とすることで、少ないスイッチング回数での誘導加熱を可能にするため、スイッチング損失を抑制することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は本発明の第1の実施の形態の誘導加熱装置の概略構成を示す図である。
加熱コイル10a、10bは、被加熱体11a、11bに対向するよう配置されており、特に被加熱体11a、11bがアルミをはじめとする低抵抗非磁性金属製であっても連続した誘導加熱が可能になるよう、極細線を数千本撚り合わせて高周波抵抗を下げ、損失を低減した構成となっている。
インバータ12a、12bは、加熱コイル10a、10bをそれぞれ含んでおり、加熱コイル10a、10bに被加熱体11a、11bの材質によって誘導加熱に適する所定の高周波電流を供給する。
入力検知手段13a、13bは、インバータ12a、12bの入力電流を検知する。また、インバータ電圧検知手段14a、14bは、インバータ12a、12b電圧を検知する。
インバータ12a、12bはそれぞれ、複数のスイッチング素子15a及び16a、15b及び16bと、スイッチング素子の駆動を制御する駆動制御手段17a、17bを備えている。
入力制御手段18a、18bは、駆動制御手段17a、17b及びインバータ電圧制御手段19a、19bをそれぞれ内包しており、入力検知手段13a、13bの出力に応じた、加熱コイル10a、10bに流れる高周波電流の周波数の可変制御(具体的にはスイッチング素子15a及び16a、15b及び16bの駆動周波数可変制御)、またはインバータ電圧検知手段14a、14bと入力検知手段13a、13bの出力に応じた、インバータ電圧制御手段19a、19bによるインバータ12a、12b電圧の可変制御、または入力検知手段13a、13bの出力に応じた、スイッチング素子15a及び16a、15b及び16bの駆動時間比可変制御、もしくはこれら制御を組み合わせて、所定の入力となるようにインバータ12a、12bを制御すると同時に、加熱コイル10aに流れる高周波電流周波数と、加熱コイル10bに流れる高周波電流周波数が同一となるよう制御する。
誘導加熱装置20内部には、前記構成要素を含むバーナー21a、21bが隣接して配置されている。
また、被加熱体材質判別手段の役割を兼ねる入力制御手段18aは、対応するバーナー21aの被加熱体11aが、他バーナー21bに対応する被加熱体11bよりも抵抗が大きいと判別した場合には、バーナー21aの被加熱体11aに対応する加熱コイル10aに流れる高周波電流の周波数の可変制御を、他バーナー21bの入力制御手段18bの制御より優先して行う。さらに、被加熱体11aに対応するインバータ12aの駆動制御手段17aは、被加熱体11aに対応する加熱コイル10aに流れる高周波電流周波数の1/n(nは整数、本実施の形態ではn=2)周波数でスイッチング素子15a、16aを駆動し、他バーナー21bの駆動制御手段17bは、1/(n+m)(n、mは整数、本実施の形態ではn=2、m=1)周波数でスイッチング素子15b、16bを駆動する。
さらに、入力設定手段22は、使用者による操作に基づいて、入力制御手段18a、18bに信号を出力する。入力制御手段18aは、インバータ12aの入力設定が他バーナー21bに比較して十分低い場合には、駆動制御手段17aによりスイッチング素子15a、16aを加熱コイル10aに流れる高周波電流周波数の1/(n+m)で駆動させる。
以下、バーナー21a内部の構成を詳細説明する。図2は本発明の第1の実施の形態の誘導加熱装置の回路構成を示す図である。電源23は低周波交流電源である200V商用電源であり、ブリッジダイオードである整流回路24の入力端に接続される。整流回路24の出力端間に平滑手段となる第1の平滑コンデンサ25が接続される。
さらに、整流回路24の出力端間には、チョークコイル26と第3のスイッチング素子(IGBT)27の直列接続体が接続される。また第3のダイオード28は、アノードが第3のスイッチング素子27の高電位側端子(コレクタ)に接続するよう配置される。第3のダイオード28のカソードと第3のスイッチング素子27の低電位側端子(エミッタ)間には、第2の平滑コンデンサ29が接続される。チョークコイル26、第3のスイッチング素子27、第3のダイオード28、第2の平滑コンデンサ29はインバータ電圧を可変する昇圧手段30を構成する。
第2の平滑コンデンサ29に並列に、複数のスイッチング素子である、第1のスイッチング素子(IGBT)15aと第2のスイッチング素子(IGBT)16aの直列接続体が接続される。第1のスイッチング素子15aと第2のスイッチング素子16aにはそれぞれ第1のダイオード(第1の逆導通素子)31、第2のダイオード(第2の逆導通素子)32が逆並列に(スイッチング素子の高電位側端子(コレクタ)とダイオードのカソードが接続されるように)接続される。また第2のスイッチング素子16aに並列に加熱コイル10aと第1の共振コンデンサ33の直列接続体が接続される。第1の共振コンデンサ33にはリレー34と第2の共振コンデンサ35の直列接続体が接続される。リレー34遮断時には加熱コイル10aと第1の共振コンデンサ33、リレー34導通時には加熱コイル10aと、第1の共振コンデンサ33と第2の共振コンデンサ35の並列接続体が共振回路を形成する。加熱コイル10aは被加熱体である鍋11aと対向して配置されている。
インバータ12aの入力電流を検知する入力検知手段13aと、使用者による操作に基づいた入力設定手段35と、インバータ12a電圧となる第2の平滑コンデンサ29電圧を検知するインバータ電圧検知手段14aと、基準電圧36から出力された信号が比較手段37によって比較され、さらにその比較結果に基づく信号が、比較手段37から第1の駆動制御手段17a及び第2の駆動制御手段19aに出力される。
第1の駆動制御手段17aは、第1のスイッチング素子15a、第2のスイッチング素子16aに接続されており、また第2の駆動制御手段19aは、第3のスイッチング素子27に接続されている。第1の駆動制御手段17a、第2の駆動制御手段19aは、比較手段37からの信号に基づき、所定の入力が得られるよう、駆動周波数、または第1のスイッチング素子15aと第2のスイッチング素子16aの駆動時間比、または第3のスイッチング素子27の導通時間、もしくはこれらを同時に組み合わせて設定制御する。
制御回路18aは、これらの入力検知手段13a、入力設定手段22、比較手段37、インバータ電圧検知手段14a、基準電圧36、第1の駆動制御手段17a、第2の駆動制御手段19aを内包し、入力制御手段の役割をなす。
また第2の駆動制御手段19aは、第3のスイッチング素子27導通時間を制御することにより、インバータ12a電圧を制御するため、インバータ電圧制御手段の役割をなす。
さらに制御回路18aは、入力検知手段13aやその他の電圧もしくは電流検知手段(図示せず)からの信号を入力するとともに、鍋11a材質を判別し、リレー34の駆動コイル(図示せず)に駆動信号を出力して所定のインバータ12a条件とするため、被加熱体材質判別手段の役割をなす。
以上のように構成された誘導加熱装置において、以下動作を説明する。電源23は整流回路24により全波整流され、整流回路24の出力端に接続された第1の平滑コンデンサ25に供給される。第1の平滑コンデンサ25は非常に大きな容量に設定されているため(本実施の形態では約1500μF)、第1の平滑コンデンサ25電圧のエンベロープ(包絡線)が平滑されてインバータ12aに供給される。
起動時においては、制御回路18aはリレー34をオフ状態にし、第1の駆動制御手段17aは一定の周波数(約36kHz)で第1のスイッチング素子15aと第2のスイッチング素子16aを交互に駆動する。第2の駆動制御手段19aは、第3のスイッチング素子27を停止または駆動時間を短く設定して第2の平滑コンデンサ29電圧を低く維持することにより、いかなる鍋11a状態であっても第1のスイッチング素子15a及び第2のスイッチング素子16aに大きな責務が加わることを防止する。
第1のスイッチング素子15aの駆動期間は共振電流の共振周期よりも短いモードで駆動し、駆動時間比を最小にして、最小の入力にしてから徐々に駆動時間比を増加し、その間に制御回路18aは、入力検知手段13aやその他の電圧もしくは電流検知部(図示せず)からの検知出力から、鍋11aの材質を検知する。
鉄系以外の鍋11aであると検知した場合には、所定の駆動時間比に到達すると、第1のスイッチング素子15aの駆動期間より共振電流の周期の短いモードに移行する。このとき、入力は低入力状態になるように駆動期間が設定される。
鍋11aが鉄系以外の材質でかつ、他バーナー21bに対応する鍋11bよりも抵抗が低いと判定された場合の動作について説明する。図3は上記回路において、アルミ鍋をはじめとする低抵抗かつ低透磁率の鍋を誘導加熱する際の各部波形を示す図であり、入力が2kWの時のものである。同図(a)は第1のスイッチング素子15a及び第1のダイオード31に流れる電流波形Ic1を、同図(b)は第2のスイッチング素子16a及び第2のダイオード32に流れる電流波形Ic2を、同図(c)は第2のスイッチング素子16aのコレクタ−エミッタ間に生じる電圧Vce2を、同図(d)は第1のスイッチング素子15aのゲートに加わる駆動電圧Vge1を、同図(e)は第2のスイッチング素子16aのゲートに加わる駆動電圧Vge2を、同図(f)は加熱コイル10aに流れる電流ILをそれぞれ示している。
第1の駆動制御手段17aは時点t0から時点t1まで(e)に示すように第2のスイッチング素子16aのゲートに駆動期間がT1(約24μ秒)であるオン信号を出力する。この駆動期間T1の間では第2のスイッチング素子16a及び第2のダイオード32と、加熱コイル10aと、第1の共振コンデンサ33で形成される閉回路で共振し、鍋11aがアルミニウム製の鍋であるときの共振周期(1/f)が駆動期間T1の約2/3倍(約16aμ秒、共振周波数は約60kHz)となるように加熱コイル10aの巻き数(40T)と第1の共振コンデンサ33の容量(0.04μF)と、駆動期間T2が設定されている。
次に、第2のスイッチング素子16aに流れる共振電流の第2番目のピークと共振電流が次に零となる間のタイミングである時点t1、すなわち第2のスイッチング素子16aの順方向にコレクタ電流が流れている時点で第2のスイッチング素子16aの駆動が停止される。
そして、図3(d)及び(e)で示すように、第1の駆動制御手段17aは、時点t1から両スイッチング素子が同時に導通するのを防止するために設けた休止期間後の時点t2において、第1のスイッチング素子15aのゲートに駆動信号を出力する。この結果、同図(a)示すように第1の共振コンデンサ33−加熱コイル10a−第1のスイッチング素子15aまたは第1のダイオード31−第2の平滑コンデンサ29とからなる閉回路に経路を変えて共振電流が流れることになる。この駆動信号の駆動期間T2は、この場合にはT1とほぼ同じ期間に設定されているので、第2のスイッチング素子16aが導通していた場合と同様に、駆動期間T2の約2/3の周期の共振電流が流れる。
従って、加熱コイル10aに流れる電流ILは、図3(f)に示すような波形となり、第1及び第2のスイッチング素子の駆動周期(T1とT2と休止期間の和)は共振電流の周期の約3倍となり、第1及び第2のスイッチング素子駆動周波数が約20kHzであれば、加熱コイル10aに流れる共振電流の周波数は約60kHzとなる。つまり、共振電流及び高周波磁界の周波数に対して、第1のスイッチング素子15a及び第2のスイッチング素子16a駆動周波数が十分低いために、第1のスイッチング素子15a及び第2のスイッチング素子16aのスイッチング損失を抑制することができるとともに、第1のスイッチング素子15aと第2のスイッチング素子16aの導通期間はほぼ同じであるため、責務がほぼ均等に配分される。
また、図4は、鍋11aが鉄系以外の材質でかつ、他バーナー21bに対応する鍋11bよりも抵抗が高いと判定された場合の動作波形を示すものである。図4は、入力が2kWの時のものである。同図(a)は第1のスイッチング素子15a及び第1のダイオード31に流れる電流波形Ic1を、同図(b)は第2のスイッチング素子16a及び第2のダイオード32に流れる電流波形Ic2を、同図(c)は第2のスイッチング素子16aのコレクタ−エミッタ間に生じる電圧Vce2を、同図(d)は第1のスイッチング素子15aのゲートに加わる駆動電圧Vge1を、同図(e)は第2のスイッチング素子16aのゲートに加わる駆動電圧Vge2を、同図(f)は加熱コイル10aに流れる電流ILをそれぞれ示している。
図3と異なる部分は、第1のスイッチング素子15aと第2のスイッチング素子16aの駆動時間比が25:75となっており、加熱コイル10aに流れる高周波電流の周波数が60kHzであれば、図3の状態では第1のスイッチング素子15aと第2のスイッチング素子16aの駆動周波数は1/3となる20kHz、図4の状態では1/2となる30kHzとなっている。
図5は、インバータ12a電圧一定条件において、第1のスイッチング素子15aと第2のスイッチング素子16aの駆動周波数と、入力しうる最大入力の相関を示した図である。加熱コイル10aに流れる高周波電流周波数の1/3である20kHzに対して、1/2である30kHz時の方が最大入力が大きくなっている。これは、鍋11aを含む、加熱コイル10aと第1の共振コンデンサ33で構成される共振回路の抵抗と、第1のスイッチング素子15a、第2のスイッチング素子16aに並列接続されている第1のダイオード31、第2のダイオード32電流の影響による。
図6は加熱コイル10aに流れる高周波電流を模式的に示した図であり、簡単のために、第1のスイッチング素子15a、第2のスイッチング素子16aのどちらか一方を連続的に導通させた場合を示している。共振回路の抵抗が大きい場合には、共振が減衰して電流ピークが下がっていく。鍋11aが鉄系の場合には、抵抗が非常に大きいため、スイッチング素子駆動1周期内に共振電流を数周期流す前に、共振の急激な減衰に伴い、電流ピークも急激に下がってしまうため、スイッチング素子の導通、遮断タイミングによっては大きな責務が発生し、インバータ12a動作が不安定になる。一方で、鉄系以外の鍋11aで、十分低抵抗の非磁性金属製であれば、共振の減衰はほとんど減衰しない。また、鉄系以外の鍋11aで、比較的抵抗が高い非磁性金属製であれば、共振の減衰は緩やかであり、電流ピークも緩やかに下がるため、スイッチング素子の責務を過剰に大きくするまでには至らないが、1駆動周期内で流す電流量が下がるため、入力可能な最大入力も低下する。
また、スイッチング素子に並列接続されたダイオードには1駆動周期につき、数回電流が流れる。これはインバータ12aから見て電源23方向に戻る回生電流と呼ばれるもので、この電流が大きければ、インバータ12aへの入力も低下する。従って、1駆動周期内でダイオード電流の流れる回数の少ない30kHz動作の方が、20kHz動作に比べて入力しうる最大入力が大きくなる。
本実施の形態では、制御回路18aが、他バーナー21bに比べ、鍋11a材質を非磁性であるが抵抗が比較的高いと判別すると、制御回路18aによってスイッチング素子の30kHz駆動を行い、誘導加熱するため、入力可能な最大入力を高く維持することが可能になり、安定した誘導加熱が可能になる。他バーナー21bでは鍋11bの抵抗が低いために、入力可能な最大入力がもともと高いため、スイッチング素子の20kHz駆動でも十分所定の入力を得ることができる。
さらに、制御回路18aは他バーナー21bに優先してスイッチング素子の駆動周波数可変制御を行い、加熱コイル10aに流れる高周波電流によって所定の入力となるよう制御するため、安定した誘導加熱がより容易に実現できる。他バーナー21bでは、制御回路18aによる周波数可変制御に対応して、加熱コイル10bに流れる高周波電流周波数が、加熱コイル10aに流れる高周波電流周波数と同一になるよう制御されるため(本実施の形態において他バーナー21bではスイッチング素子駆動周波数を20kHzに設定し、加熱コイル10b電流を60kHzに制御する)、高周波電流周波数差による干渉音が生じない。
また、図3では第1のスイッチング素子15aと第2のスイッチング素子16aの駆動時間比が50:50、図4では25:75としているが、駆動時間比を調整することによって入力制御することも可能である。図3における駆動時間比50:50、図4における駆動時間比25:75は、入力しうる最大入力を高くすることのできる駆動時間比であるため、駆動時間比をずらしていくことにより、入力を低下させる制御を行うことができる。
第1のスイッチング素子15aと第2のスイッチング素子16a駆動周波数を30kHzとし、駆動時間比を25:75とすると、第1のスイッチング素子15aと第2のスイッチング素子16aの損失差が生じ、通常駆動時間が長い方のスイッチング素子の損失が大きくなるが、所定の時間後、もしくはスイッチング素子の温度測定手段(図示せず)の出力などにより、第1のスイッチング素子15aと第2のスイッチング素子16aの駆動時間比を入れ替えて、75:25とすることにより、平均した責務をほぼ同じにすることが可能であるため、冷却設計が容易になる。
また、入力設定手段22によるインバータ12aの入力設定が他バーナー21bのインバータ12bの入力設定より低設定となり、制御手段18aがスイッチング素子の30kHz駆動が必要ないと判断した場合には、20kHz駆動に切換えてスイッチング損失を抑制する。他バーナー21bの入力設定の高いインバータ12bでは、対応する制御回路18bがスイッチング素子の30kHz動作を選択し、入力制御を行うため、所定の高入力を得ることが容易である。
第3のスイッチング素子27では、第1のスイッチング素子15aと第2のスイッチング素子16aの駆動周波数と同一駆動周波数でかつ所定の導通時間で導通する。チョークコイル26はこの第3のスイッチング素子27の導通期間において、第1の平滑コンデンサ25の静電エネルギーを磁気エネルギーとして蓄える。第3のスイッチング素子27が所定の導通時間後にオフするので、第3のスイッチング素子27のコレクタと接続されたチョークコイル26の端子の電位が立ち上がり、この電位が第2の平滑コンデンサ29の電位を越えると、第3のダイオード28を通して第2の平滑コンデンサ29に充電して、チョークコイル26に蓄えた磁気エネルギーを放出する。第2の平滑コンデンサ29の電圧は整流回路24の出力電圧Vdcのピーク値(293V)よりも高くなるように昇圧される(本実施の形態では300〜700V)。昇圧されるレベルは第3のスイッチング素子27の導通時間に依存し、導通時間が長くなると第2の平滑コンデンサ29に発生する電圧が高くなる。
第1のスイッチング素子15aと第2のスイッチング素子16aの駆動条件が同じであれば、インバータ12a電圧である、第2の平滑コンデンサ29電圧が高いほど入力は高くなる。従って、第3のスイッチング素子27の導通時間制御することで、入力制御することが可能である。
例えば、鍋11aの材質を、他バーナー21bに置かれた鍋11bよりも抵抗の高い非磁性金属製であると判別すると、制御回路18aは他バーナー21bに優先して周波数可変制御を行うが、他バーナー21bにおいて、バーナー21aと同一周波数制御を行った場合、誘導加熱に適した周波数域を外れる可能性もある。しかしながら、他バーナー21bに含まれる昇圧手段によりインバータ12b電圧を上昇させることで、十分な入力を得ることができる。また逆に、制御回路18aによって十分に入力を得られる周波数での誘導加熱を行い、昇圧手段30による昇圧量を制限して所定の入力制御を行い、一方で他バーナー21bでは誘導加熱に適した周波数域に近づける制御を行うことも可能である。
図7は、電源23の電圧波形を(a)に、第1の平滑コンデンサ25に加わる電圧VC2を(b)に、第2の平滑コンデンサ29に加わる電圧VCcを(c)に、加熱コイル10aに流れる電流ILを(d)に示している。整流回路24の出力電圧は、本来、図7(a)に示す電源23を全波整流した脈流波形になるが、図7(b)に示すように第1の平滑コンデンサ25によって平滑されるため、インバータ12a電圧となる第2の平滑コンデンサ29電圧も平滑され、結果として、加熱コイル10aに流れる電流の包絡線が図7(d)のように平滑化される。
加熱コイル10aに流れる電流によって発生する高周波磁界に対して鍋11aに誘起される渦電流は、高周波磁界と反発する方向に流れるため、インバータ12a電圧が周期的に変動した結果として高周波磁界強度が変動する場合、鍋11aが振動して鍋鳴り音が発生する。特にインバータ12a電圧が平滑されていない場合は、電源23周波数の2倍に同期した大きな鍋鳴り音が発生する。
しかしながら本実施の形態においては、第1の平滑コンデンサ25によってインバータ12aに供給される電圧が平滑されているため、図7(d)に示す加熱コイル10a電流つまり高周波磁界の周期的変動を抑制、軽減し、高周波磁界と鍋11a中の渦電流間に生じる反発力が脈流のインバータ12a電圧に同期して変化しないため、アルミ鍋をはじめとする低抵抗非磁性金属製の鍋11aを誘導加熱するときに顕著である鍋鳴り音を抑制またはなくすことになる。
一方、起動時の鍋11a材質判定で、制御回路18aが鍋11aの材質を鉄系のものであると判断すると、加熱を停止してからリレー34を駆動させ、再度低入力で加熱を開始する。このとき、リレー34が導通しているため、加熱コイル10aと、第1の共振コンデンサ33と第2の共振コンデンサ35の並列接続体が共振回路を形成する。第1の駆動制御手段17aは第1のスイッチング素子15aと第2のスイッチング素子16aを一定の周波数(本実施の形態では23kHz)で再度最小駆動時間比で最小入力からスタートして所定の入力まで徐々に増加させる。
アルミ鍋をはじめとする低抵抗非磁性金属製の鍋11a加熱時と異なり、鉄系の材質の鍋11a加熱時には、加熱コイル10aと、第1の共振コンデンサ33と第2の共振コンデンサ35からなる共振回路の共振周波数は、第1のスイッチング素子15aと第2のスイッチング素子16aの駆動周波数と比較して低くなるよう設定されるため、流れる共振電流は第1のスイッチング素子15a及び第2のスイッチング素子16aの排他的導通により、強制的に第1のスイッチング素子15a及び第2のスイッチング素子16a駆動周波数に同期して共振する。
図8は第1のスイッチング素子15aと第2のスイッチング素子16aの駆動周波数を一定(23kHz)にしたときの第2のスイッチング素子16aのオン時間と入力電力の関係を示す図である。図8が示すように、周期の1/2付近、つまり第1のスイッチング素子15aと第2のスイッチング素子16aの駆動時間比が50:50で最大入力がえられ、その付近のピークから第2のスイッチング素子16aの駆動期間を短くしていけば入力を線形的に低下することができる。従って、図8に示すように駆動時間あるいは駆動時間比のリミッタの下限Tonminと上限Tonmaxを設定すれば、入力制御を行うことができる。
しかしながら、図8に示すように例えば磁性ステンレス等、鍋11aの材質によっては、第1のスイッチング素子15aと第2のスイッチング素子16aの駆動時間比を50:50としても所定の入力(本実施の形態では2kW)が得られない場合がある。その場合、第2の駆動制御手段19aは、第3のスイッチング素子27の制御を開始し、第1のスイッチング素子15a及び第2のスイッチング素子16a駆動周波数と同一の駆動周波数で、最小駆動時間比から徐々に駆動時間を長くしていく。第3のスイッチング素子27の導通によりチョークコイル26に蓄積されたエネルギーは、第3のスイッチング素子27の遮断と同時に第3のダイオード28を介して第2の平滑コンデンサ29電圧つまりインバータ12a電圧を昇圧させることになるため、第1のスイッチング素子15a及び第2のスイッチング素子16aの駆動時間比が一定であっても入力が増加する。所定の入力が得られるインバータ12a電圧になった時点で、第2の駆動制御手段19aは入力が安定するように第3のスイッチング素子27駆動を制御する。
また、第1の平滑コンデンサ25の容量がそれほど大きくなくても、第2の平滑コンデンサ29容量を大きく設定することにより、インバータ12a電圧を平滑した高圧の電圧とすることができ、この電源をもとに包絡線が平滑された高周波電流に変換して加熱コイル10aに供給するので鍋鳴り音を抑制することができる。
また、第3のスイッチング素子27が導通した時、チョークコイル26にエネルギーを与える第1の平滑コンデンサ25を有することにより、チョークコイル26にエネルギーを蓄積する際の高周波成分が電源23に漏洩するのを抑制することができるものである。
また、第1の駆動制御手段17aは、最大入力設定時に、第1のスイッチング素子15aの駆動開始後、共振電流が第1のスイッチング素子15aに流れている期間内に第1のスイッチング素子15aを遮断する信号を出力してなる、または、第2のスイッチング素子16aの駆動開始後、共振電流が第2のスイッチング素子16aに流れている期間内に第2のスイッチング素子16aを遮断する信号を出力してなるので、最大入力時の第1のスイッチング素子15aまたは第2のスイッチング素子16aのターンオン損失の増大を抑制することができる。
また、起動時、第1のスイッチング素子15aと第2のスイッチング素子16aの駆動時間比を変え入力を増加させ、途中から駆動周波数を変え入力を増加させてなることにより、負荷の検知を行いやすくすることができる。すなわち、駆動時間比を変えることにより低抵抗非磁性金属のアルミニウム等の材質の鍋でも鉄系の鍋でも低入力状態で単調に入力を変化させることができ、制御回路18aは被加熱体材質判別が正確にかつ低入力状態でできる。また、所定の駆動時間比、駆動時間あるいは入力に到達後は、低抵抗非磁性金属の鍋の場合には特定の位相範囲でスイッチング素子を駆動及び遮断できるように駆動時間比を一定にして遮断位相を変え、駆動周波数を変えることによりスイッチング素子の損失の急激な増加を抑制して入力を可変することができるものである。
また、起動時、第1のスイッチング素子15aの駆動期間が共振電流の共振周期より短くなるようにして第1のスイッチング素子15aと第2のスイッチング素子16aの駆動時間比を変え入力を増加させ、所定の駆動時間あるいは所定の駆動時間比に到達すると、第1のスイッチング素子15aの駆動期間を共振電流の周期より長くかつ低入力になるように離散的に長く変更してから駆動期間を徐々に短くして入力を低入力値から所定入力値まで増加させてなることにより、所定の駆動時間あるいは所定の駆動時間比に到達までに鍋11aが低抵抗非磁性金属の鍋かどうかを精度良くかつ安定的に行い、鍋11aが低抵抗非磁性金属の鍋である場合には離散的に駆動期間を長くして、低入力状態に移行しそこから所定の値まで安定に増加させ到達させることができるものである。
また、加熱コイル10aの発生する磁界により、鉄系の鍋11aまたは非磁性ステンレスの鍋11aを加熱すると、共振電流は第1のスイッチング素子15a及び第2のスイッチング素子16aの導通期間より長い共振周期をもち、鉄系の鍋11aまたは非磁性ステンレス製の鍋11aを最大入力で加熱する場合に第1のスイッチング素子15a及び第2のスイッチング素子16aに順方向に電流が流れているタイミングで前記スイッチング素子を遮断可能とするように第2の共振コンデンサ35を第1の共振コンデンサ33に並列に接続して、低抵抗非磁性金属の鍋11aを加熱する場合よりも大きい容量に切り替える。
そのため、第1の共振コンデンサ33と第2の共振コンデンサ35は加熱コイル10aと直列に接続されると共に容量を切り替え可能とし、鉄系の鍋11aまたは非磁性ステンレス製の鍋11aを加熱する場合に第1の共振コンデンサ33を、低抵抗非磁性金属の鍋11aを加熱する場合よりも大きい容量に切り替えてなることにより、共振周波数が長くなるとともに電流が増え、さらに昇圧手段30によりインバータ12a電圧を昇圧しているので、共振電流の振幅が大きくなる。
従って、スイッチング素子に順方向に電流が流れているタイミングでスイッチング素子を遮断可能な範囲で最大入力を設定してスイッチング素子のターンオン時のスイッチング損失の増大を抑制しようとする場合に、最大入力を従来の構成のものより大きくすることができる。
また、アルミニウム系の鍋11aと、鉄系の鍋11aを同一のインバータ12aで加熱しようとするときに、従来は加熱コイル10aの巻き数と第1の共振コンデンサ33及び第2の共振コンデンサ35を同時に切り替えて共振周波数と鍋11aに放射する磁界の強さ(アンペアターン)を切り替えていたが、昇圧手段30の昇圧作用により前記のコイル巻き数切り替えの作用を置き換えることができ、同一の加熱コイル10aで第1の共振コンデンサ33及び第2の共振コンデンサ35の切り替えをすることで、広い範囲の材質の鍋11aを加熱できるという効果がある。
また、第2の共振コンデンサ35を第1の共振コンデンサ33に接続せずに起動し、すなわち、容量の小なる第1の共振コンデンサ33で起動し、徐々に入力を増加させ、その途中で鍋11aが鉄系か、低抵抗非磁性金属のものかを判定し、鉄系の鍋11aであると判定した場合には駆動停止後、リレー34を駆動して第2の共振コンデンサ35を並列に接続して、すなわち、第1の共振コンデンサ33及び第2の共振コンデンサ35の合成容量が大となるよう切り変え、駆動周波数を低周波数で再駆動する。
そのため、共振周波数が長くなるとともに電流が増え、さらに昇圧手段30によりインバータ12a電圧を昇圧しているので、共振電流値が増えることから、第1のスイッチング素子15a及び第2のスイッチング素子16aに順方向に電流が流れているタイミングでスイッチング素子を遮断可能な範囲で最大入力を設定して第1のスイッチング素子15a及び第2のスイッチング素子16aのターンオン時のスイッチング損失の増大を抑制しようとする場合に、最大入力を従来の構成のものより大きくすることができる。
また、低抵抗非磁性の鍋11aであると判定した場合には継続して所定の駆動時間比または所定の入力まで入力を増加した後駆動時間比を固定して導通時間を変更して入力を所定の入力に到達させてなるので、いずれの鍋11aにおいても低入力で起動して鍋11aの判定をして、安定的に所定の入力値あるいはリミット値へと到達させるいわゆるソフトスタート動作が可能となる。
なお、図2において、第1の平滑コンデンサ25と第2の平滑コンデンサ29の容量の比率は場合に応じて適宜決定すればよい。第1の平滑コンデンサ25の容量を大きく設定する場合には、第1の平滑コンデンサ25入力側の電源線にチョークコイルを挿入すれば、電源23投入時の突入電流を抑制し、力率を改善することが可能である。逆に第1の平滑コンデンサ25に対して第2の平滑コンデンサ29を大きく設定する場合には、力率の低下を抑制できるが、後者は耐圧の大きなものを必要とするので高価となる場合がある。
また、図2において、第2の平滑コンデンサ29は、低電位側を整流回路24の正極に接続しても同様の効果が得られる。
また、第1の共振コンデンサ33及び第2の共振コンデンサ35の低電位側端子は第1のスイッチング素子15aの高電位側端子(コレクタ)に接続してもよく、容量を分割して第1のスイッチング素子15aの高電位側と、第2のスイッチング素子16aの低電位側端子(エミッタ)に同時に接続しても同様の動作を行う。そして、第1のスイッチング素子15aまたは第2のスイッチング素子16aに並列に接続する共振回路は本実施の形態のものには限らず適宜本実施の形態の技術を応用できるものである。
また、上記実施の形態では誘導加熱調理器について説明したがアルミニウムなどの低抵抗非磁性金属を加熱するアイロンや湯沸かし器など他の種の誘導加熱装置にも応用できるものである。
以上のように、本発明によれば、加熱コイルに供給する高周波電流の周波数を可変して低抵抗非磁性金属製の被加熱体を誘導加熱するインバータを複数組同時に動作しても、干渉音を抑制する、または聞こえなくすることができる誘導加熱装置を提供できる。
本発明の実施の形態1における誘導加熱装置の概略構成を示す図 本発明の実施の形態1における誘導加熱装置の回路構成を示す図 本発明の実施の形態1における誘導加熱装置の各部の動作を示す波形図 本発明の実施の形態1における誘導加熱装置の各部の動作を示す別の波形図 本発明の実施の形態1における誘導加熱装置の低抵抗非磁性金属製の被加熱体を誘導加熱する際の入力特性を示す図 本発明の実施の形態1における誘導加熱装置の共振電流を示す模式図 本発明の実施の形態1における誘導加熱装置の全体動作を示す波形図 本発明の実施の形態1における誘導加熱装置の低抵抗非磁性金属以外の被加熱体を誘導加熱する際の入力電力特性を示す図 従来の誘導加熱装置の回路構成の例を示す図 従来の誘導加熱装置の動作波形図 従来の誘導加熱装置の特性曲線図
符号の説明
10a、10b 加熱コイル
11a、11b 被加熱体(鍋)
12a、12b インバータ
13a、13b 入力検知手段
14a、14b インバータ電圧検知手段
15a、15b 第1のスイッチング素子
16a、16b 第2のスイッチング素子
17a、17b 第1の駆動制御手段
18a、18b 入力制御手段(被加熱体材質判別手段かつ制御回路)
19a、19b インバータ電圧制御手段(第2の駆動制御手段)
22 入力設定手段

Claims (6)

  1. 低抵抗非磁性金属製の被加熱体を誘導加熱する複数の加熱コイルと、前記加熱コイルのそれぞれに対応し前記加熱コイルに高周波電流を供給する複数のインバータと、前記インバータそれぞれの入力を検知する入力検知手段と、前記入力検知手段の出力に応じて前記加熱コイルに流れる高周波電流の周波数を可変して所定の入力となるように前記インバータの入力を制御する入力制御手段とを備え、前記入力制御手段は、前記加熱コイルのうちの一つの加熱コイルに流れる高周波電流の周波数と、他の加熱コイルに流れる高周波電流の周波数が同一となるよう制御する誘導加熱装置。
  2. 被加熱体材質判別手段を備え、入力制御手段は、前記被加熱体材質判別手段が被加熱体は他の被加熱体よりも抵抗が大きいと判別した場合には、前記被加熱体に対応する加熱コイルに流れる高周波電流の周波数を可変する制御を、他の入力制御手段の制御より優先して行う請求項1に記載の誘導加熱装置。
  3. インバータ電圧検知手段と、インバータ電圧制御手段とを備え、前記インバータ電圧制御手段は、前記インバータ電圧検知手段と入力検知手段の出力に応じてインバータ電圧を可変しインバータの入力が所定の入力値となるように制御する請求項1または2に記載の誘導加熱装置。
  4. インバータは、複数のスイッチング素子と、前記スイッチング素子の駆動を制御する駆動制御手段を備え、前記駆動制御手段は、入力検知手段の出力に応じて前記複数のスイッチング素子の駆動時間比を可変してインバータの入力が所定の入力値となるように制御する請求項1〜3のいずれか1項に記載の誘導加熱装置。
  5. 被加熱体を誘導加熱するインバータの駆動制御手段は、被加熱体材質判別手段が被加熱体は他の被加熱体よりも抵抗が大きいと判別した場合には、前記被加熱体に対応する加熱コイルに流れる高周波電流の周波数の1/n(nは整数)の周波数でスイッチング素子を駆動し、他の駆動制御手段は、1/(n+m)(n、mは整数)の周波数でスイッチング素子を駆動する請求項2〜4のいずれか1項に記載の誘導加熱装置。
  6. 入力設定手段を備え、駆動制御手段は、前記入力設定手段によるインバータの入力設定が他のインバータの入力設定より高い設定がなされた場合には、前記インバータに対応する加熱コイルに流れる高周波電流の周波数の1/n(nは整数)の周波数でスイッチング素子を駆動し、他は、1/(n+m)(n、mは整数)の周波数でスイッチング素子を駆動する請求項1〜5のいずれか1項に記載の誘導加熱装置。
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