JP2019175691A - 誘導加熱装置およびその駆動制御方法 - Google Patents

誘導加熱装置およびその駆動制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本開示は、同一の電源からの電力供給により複数のインバータを駆動する誘導加熱装置において、駆動周波数が異なる各機器に対して所望の状態で効率高く動作させることが可能な誘導加熱装置およびその駆動制御方法を提供すること。【解決手段】本開示の誘導加熱装置およびその駆動制御方法においては、制御部が、複数のインバータにおける一方のインバータを駆動する駆動信号を、他方のインバータを駆動する駆動信号に応じて駆動周期が連動するよう制御し、複数のインバータに対する直流電源回路からの電流経路が同時に開路となって、直流電源回路において蓄電状態となる蓄電動作期間が所定時間間隔を有して生じる駆動信号を形成し、蓄電動作期間における直流電源回路の電気信号の変化に基づいて複数のインバータに供給される合算電力を検知している。【選択図】図7

Description

本開示は、複数のインバータを同一の電源からの電力供給により同時に駆動可能な誘導加熱装置およびその駆動制御方法に関する。
従来の誘導加熱装置において、同一の電源からの電力供給により複数のインバータを同時に駆動する構成としては、例えば、特許文献1に記載の誘導加熱調理器がある。特許文献1の誘導加熱調理器は、1つの電源からの電力供給により2つのインバータの動作パターンを変えて交互に駆動し、2つの加熱コイルにより同時に誘導加熱調理を行う構成である。特許文献1の誘導加熱調理器においては、電源からの入力電流値を検出する構成であり、検出された電流値は2つの加熱コイルに流れる電流値の合算値である。従って、特許文献1の誘導加熱調理器では、それぞれの加熱コイルを制御するために、入力電力が小さい一方のインバータの駆動周波数または導通比率を一定として、そのとき入力電流検知回路で検出した電流値に基づいて、他方のインバータの駆動周波数または導通比率を制御する構成であった。
上記のように、特許文献1の誘導加熱調理器においては、動作パターンを変更して入力電力の小さい一方のインバータの駆動周波数または導通比率を固定し、他方のインバータで制御される加熱コイルに対してのみ、そのとき検出された電流値に基づいてフィードバック制御を行う構成であった。
特許5909675号公報
近年の誘導加熱装置においては、加熱調理可能な調理器具として例えば、アルミ鍋や銅鍋などの低抵抗、低透磁率の金属に対応できる構成が商品化されており、そのような調理器具を加熱する際においては、共振のピークの鋭さを示すQ値が高いため、インバータの駆動周波数が狭い周波数帯域に特定される。また、誘導加熱装置においては、加熱コイルを給電コイルとして非接触で電動機器(非接触機器)に対して電力を供給するシステムが提案されている。このような非接触で電力を供給するシステムにおいては、給電コイルと受電コイルの位置関係がずれることにより共振点やQ値、また給電コイルと受電コイルの磁気結合の程度を示す結合係数kの変化が生ずるため、インバータの駆動周波数が狭い周波数帯域に特定される、また駆動周波数の帯域がシフトする構成である。
上記のように、駆動周波数が異なる機器、即ち、鉄鍋等の通常の誘導加熱対応の誘導加熱調理器具と、非接触機器、若しくは駆動周波数が狭い特定の周波数帯域で駆動可能な調理器具(例えば、アルミ鍋、銅鍋)等のQ値の高い機器とを、同一の整流された電源からの電力供給により複数のインバータの駆動により同時に動作させることは、従来の誘導加熱装置の構成では困難であった。特に、動作パターンを変更して入力電力の小さい一方のインバータの駆動周波数または導通比率を固定して、他方のインバータを制御する従来の誘導加熱調理器の構成では、それぞれのインバータの周波数制御差が不定であるため、同期がとれず、各インバータの駆動周期毎の電力変動値が大きくなり、各インバータに対して精度の高いフィードバック制御を行うことは非常に困難であった。
本開示は、同一の整流された電源からの電力供給により複数のインバータを駆動する誘導加熱装置において、駆動周波数が異なる各機器に対して、特に誘導加熱と共にQ値が高い、また磁気結合係数kが変化する機器に対しても所望の状態で効率高く動作させることが可能な誘導加熱装置およびその駆動制御方法の提供を目的とするものである。
本開示における一態様の誘導加熱装置は、
直流の電圧を出力する直流電源回路と、
前記直流電源回路からの電力が供給される複数のインバータと、
前記複数のインバータが駆動されて形成されたそれぞれの高周波電流が供給される複数のコイルと、
前記複数のインバータの駆動による前記直流電源回路における電気信号の変化を検出して、前記複数のインバータに供給される電力を検知し、前記複数のインバータを駆動する駆動信号を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記複数のインバータにおける一方のインバータを駆動する駆動信号を、他方のインバータを駆動する駆動信号に応じて駆動周期が連動するよう制御し、
前記複数のインバータに対する前記直流電源回路からの電流経路が同時に開路となって、前記直流電源回路において蓄電状態となる蓄電動作期間が所定時間間隔を有して生じる駆動信号を形成し、
前記蓄電動作期間における前記直流電源回路の電気信号の変化に基づいて前記複数のインバータに供給される合算電力を検知するように構成されている。
本開示における一態様の誘導加熱装置の駆動制御方法は、
直流の電圧を出力する直流電源回路と、
前記直流電源回路からの電力が供給される複数のインバータと、
前記複数のインバータが駆動されて形成されたそれぞれの高周波電流が供給される複数のコイルと、
前記複数のインバータの駆動による前記直流電源回路における電気信号の変化を検出して、前記複数のインバータに供給される電力を検知し、前記複数のインバータを駆動する駆動信号を制御する制御部と、を備えた誘導加熱装置の駆動制御方法であって、
前記複数のインバータにおける一方のインバータを駆動する駆動信号が、他方のインバータを駆動する駆動信号に応じて駆動周期を連動させ、
前記複数のインバータに対する前記直流電源回路からの電流経路が同時に開路となって、前記直流電源回路において蓄電状態となる蓄電動作期間が所定時間間隔を有して生じる駆動信号を形成する、および
前記蓄電動作期間における前記直流電源回路の電気信号の変化に基づいて前記複数のインバータに供給される合算電力を検知する、ステップを有する。
本開示における他の態様の誘導加熱装置の駆動制御方法は、
直流の電圧を出力する直流電源回路と、
前記直流電源回路からの電力が供給され、第1高周波電流を形成する第1インバータと、
前記直流電源回路からの電力が供給され、第2高周波電流を形成する第2インバータと、
前記第1インバータから第1高周波電流が供給されることによって第1高周波磁場を発生する第1コイルと、
前記第2インバータから第2高周波電流が供給されることによって第2高周波磁場を発生する第2コイルと、
前記第1インバータおよび前記第2インバータを駆動制御する駆動信号を出力する制御部と、を備えた誘導加熱装置の駆動制御方法であって、
前記第1インバータおよび前記第2インバータの駆動により前記直流電源回路において変化する電気信号を検出し、
前記第1インバータと前記第2インバータが前記制御部により同時に駆動制御されるとき、前記第1インバータの駆動周期が前記第2インバータの駆動周期のn倍または1/n倍(nは自然数)に設定され、
前記第1インバータおよび前記第2インバータに対する前記直流電源回路からの電流経路が同時に開路となる駆動信号の特定の期間において検出された前記電気信号に基づいて、前記第1インバータに供給される電力と前記第2インバータに供給される電力の合算値を算出する、ステップを有する。
本開示における誘導加熱装置およびその駆動制御方法においては、同一の整流された電源からの電力供給により複数のインバータを駆動する構成において、誘導加熱を行うと共に、同時に駆動周波数が異なる各機器を駆動する場合において、各インバータに対して高精度のフィードバック制御を行うことが可能となり、駆動対象の各機器を所望の状態で効率高く動作させることができる。
本開示に係る実施の形態1の誘導加熱装置の構成を示す制御ブロック図 コイルに流れる高周波電流の周波数と最大電力との関係を示す周波数特性図の例示 実施の形態1の誘導加熱装置において、非接触給電負荷に対して給電動作を行ったときの給電特性を示す周波数特性図 負荷判別動作における判別方法を示す図 実施の形態1の誘導加熱装置において同時駆動モードにおける各インバータおよび各コイルの動作を示す波形図 実施の形態1の誘導加熱装置における単独駆動モードおよび同時駆動モードで各インバータに供給される駆動信号の例を示す波形図 実施の形態1の誘導加熱装置における同時駆動モードの第1インバータ、第2インバータ、および電力検知を行うためのAD変換のタイミングを示す波形図 実施の形態1の誘導加熱装置における第1インバータおよび第2インバータの各動作期間における電流の流れを模式的に示す図 実施の形態1の誘導加熱装置において、一方のインバータの駆動により誘導加熱負荷に対する加熱を行う場合の動作を示すフローチャート 実施の形態1の誘導加熱装置において、第2インバータの駆動による誘導加熱モード/非接触給電モードの動作を示すフローチャート 本開示に係る実施の形態2の誘導加熱装置の構成を示す制御ブロック図 実施の形態2の誘導加熱装置において、一方のインバータとして第1インバータ3の駆動により誘導加熱負荷に対する加熱を行う場合の動作を示すフローチャート 実施の形態2の誘導加熱装置において、第2インバータの駆動による誘導加熱モード/非接触給電モード/低抵抗誘導加熱モードのいずれかの動作モードが選択されて動作するフローチャート 実施の形態2の誘導加熱装置において、第2インバータの駆動による誘導加熱モード/非接触給電モード/低抵抗誘導加熱モードのいずれかの動作モードが選択されて動作するフローチャート
本開示に係る第1の態様の誘導加熱装置は、
直流の電圧を出力する直流電源回路と、
前記直流電源回路からの電力が供給される複数のインバータと、
前記複数のインバータが駆動されて形成されたそれぞれの高周波電流が供給される複数のコイルと、
前記複数のインバータの駆動による前記直流電源回路における電気信号の変化を検出して、前記複数のインバータに供給される電力を検知し、前記複数のインバータを駆動する駆動信号を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記複数のインバータにおける一方のインバータを駆動する駆動信号を、他方のインバータを駆動する駆動信号に応じて駆動周期が連動するよう制御し、
前記複数のインバータに対する前記直流電源回路からの電流経路が同時に開路となって、前記直流電源回路において蓄電状態となる蓄電動作期間が所定時間間隔を有して生じる駆動信号を形成し、
前記蓄電動作期間における前記直流電源回路の電気信号の変化に基づいて前記複数のインバータに供給される合算電力を検知するように構成されている。
上記のように構成された第1の態様の誘導加熱装置は、同一の電源からの電力供給により複数のインバータを駆動する構成において、誘導加熱を行うと共に、同時に駆動周波数が異なる各機器を駆動する場合において、各インバータに対して高精度のフィードバック制御を行うことが可能となり、駆動対象の各機器を所望の状態で効率高く動作させることができる。
本開示に係る第2の態様の誘導加熱装置においては、前記の第1の態様における前記制御部が、前記複数のインバータを駆動する駆動信号における蓄電動作期間以外の動作期間における前記直流電源回路の電気信号の変化に基づいて、前記複数のインバータのそれぞれのインバータに供給される電力を前記合算電力から算出するように構成されてもよい。
本開示に係る第3の態様の誘導加熱装置は、前記の第1または第2の態様において、前記複数のインバータが第1インバータおよび第2インバータを備え、前記第1インバータからの高周波電流が前記複数のコイルの第1コイルに供給され、第2インバータからの高周波電流が前記複数のコイルの第2コイルに供給される構成を有し、
前記制御部は、前記第1インバータと前記第2インバータとの同時駆動において、前記第1インバータの駆動周期が前記第2インバータの駆動周期のn倍または1/n倍(nは自然数)とするよう構成されてもよい。
本開示に係る第4の態様の誘導加熱装置は、前記の第3の態様において、前記直流電源回路がインダクタとコンデンサを有するローパスフィルタを備え、
前記ローパスフィルタの出力側に前記第1インバータと前記第2インバータが並列に接続されており、
前記制御部が、
前記第1インバータに対する前記コンデンサからの電流経路が開路となる期間と、前記第2インバータに対する前記コンデンサからの電流経路が開路となる期間とが重複した蓄電動作期間において、前記コンデンサの両端電圧を時間差を有して2回検出し、2回の検出結果に基づいて、前記直流電源回路から前記第1インバータと前記第2インバータに供給される合算電力を算出するよう構成されてもよい。
本開示に係る第5の態様の誘導加熱装置は、前記の第4の態様において、駆動周波数を選定する必要のない負荷が前記第1インバータにより駆動され、駆動周波数を選定する必要のある負荷が前記第2インバータにより駆動される状態において、
前記制御部が、
前記第1インバータに対する前記コンデンサからの電流経路が開路から閉路となるタイミングであり、且つ、前記第2インバータに対する前記コンデンサからの電流経路が閉路から開路となるタイミングにおいて、前記コンデンサの両端電圧を検出して、前記第2インバータに供給される電力を算出するよう構成されてもよい。
本開示に係る第6の態様の誘導加熱装置は、前記の第5の態様における前記制御部が、 前記第2インバータに供給される電力の算出結果、および前記複数のインバータに供給される合算電力に基づいて、前記第1インバータに供給される電力を算出するよう構成されてもよい。
本開示に係る第7の態様の誘導加熱装置の駆動制御方法は、
直流の電圧を出力する直流電源回路と、
前記直流電源回路からの電力が供給される複数のインバータと、
前記複数のインバータが駆動されて形成されたそれぞれの高周波電流が供給される複数のコイルと、
前記複数のインバータの駆動による前記直流電源回路における電気信号の変化を検出して、前記複数のインバータに供給される電力を検知し、前記複数のインバータを駆動する駆動信号を制御する制御部と、を備えた誘導加熱装置の駆動制御方法であって、
前記複数のインバータにおける一方のインバータを駆動する駆動信号が、他方のインバータを駆動する駆動信号に応じて駆動周期を連動させ、
前記複数のインバータに対する前記直流電源回路からの電流経路が同時に開路となって、前記直流電源回路において蓄電状態となる蓄電動作期間が所定時間間隔を有して生じる駆動信号を形成する、および
前記蓄電動作期間における前記直流電源回路の電気信号の変化に基づいて前記複数のインバータに供給される合算電力を検知する、ステップを有する。
上記のように構成された第7の態様の誘導加熱装置の駆動制御方法は、同一の電源からの電力供給により複数のインバータを駆動して、誘導加熱を行うと共に、同時に駆動周波数が異なる各機器を駆動する場合において、各インバータに対して高精度のフィードバック制御を行うことが可能となり、駆動対象の各機器を所望の状態で効率高く動作させることができる。
本開示に係る第8の態様の誘導加熱装置の駆動制御方法は、前記の第7の態様において、前記複数のインバータを駆動する駆動信号における蓄電動作期間以外の動作期間における前記直流電源回路の電気信号の変化に基づいて、前記複数のインバータのそれぞれのインバータに供給される電力を前記合算電力から算出する、ステップを含むものでもよい。
本開示に係る第9の態様の誘導加熱装置の駆動制御方法は、前記の第7または第8の態様において、前記複数のインバータが第1インバータおよび第2インバータを備え、前記第1インバータからの高周波電流が前記複数のコイルの第1コイルに供給され、第2インバータからの高周波電流が前記複数のコイルの第2コイルに供給される構成を有する誘導加熱装置の駆動制御方法であり、
前記第1インバータと前記第2インバータとの同時駆動において、前記第1インバータの駆動周期が前記第2インバータの駆動周期のn倍または1/n倍(nは自然数)とする、ステップを含むものでもよい。
本開示に係る第10の態様の誘導加熱装置の駆動制御方法は、前記の第9の態様において、前記直流電源回路がインダクタとコンデンサを有するローパスフィルタを備えて、前記ローパスフィルタの出力側に前記第1インバータと前記第2インバータが並列に接続された誘導加熱装置の駆動制御方法であって、
前記第1インバータに対する前記コンデンサからの電流経路が開路となる期間と、前記第2インバータに対する前記コンデンサからの電流経路が開路となる期間とが重複した蓄電動作期間において、前記コンデンサの両端電圧を時間差を有して2回検出し、2回の検出結果に基づいて、前記直流電源回路から前記第1インバータと前記第2インバータに供給される合算電力を算出する、ステップを含むものでもよい。
本開示に係る第11の態様の誘導加熱装置の駆動制御方法は、前記の第10の態様において、駆動周波数を選定する必要のない負荷が前記第1インバータにより駆動され、駆動周波数を選定する必要のある負荷が前記第2インバータにより駆動される状態において、
前記第1インバータに対する前記コンデンサからの電流経路が開路から閉路となるタイミングであり、且つ、前記第2インバータに対する前記コンデンサからの電流経路が閉路から開路となるタイミングにおいて、前記コンデンサの両端電圧を検出して、前記第2インバータに供給される電力を算出する、ステップを含むものでもよい。
本開示に係る第12の態様の誘導加熱装置の駆動制御方法は、前記の第11の態様において、前記第2インバータに供給される電力の算出結果、および前記複数のインバータに供給される合算電力に基づいて、前記第1インバータに供給される電力を算出する、ステップを含むものでもよい。
本開示に係る第13の態様の誘導加熱装置の駆動制御方法は、
直流の電圧を出力する直流電源回路と、
前記直流電源回路からの電力が供給され、第1高周波電流を形成する第1インバータと、
前記直流電源回路からの電力が供給され、第2高周波電流を形成する第2インバータと、
前記第1インバータから第1高周波電流が供給されることによって第1高周波磁場を発生する第1コイルと、
前記第2インバータから第2高周波電流が供給されることによって第2高周波磁場を発生する第2コイルと、
前記第1インバータおよび前記第2インバータを駆動制御する駆動信号を出力する制御部と、を備えた誘導加熱装置の駆動制御方法であって、
前記第1インバータおよび前記第2インバータの駆動により前記直流電源回路において変化する電気信号を検出し、
前記第1インバータと前記第2インバータが前記制御部により同時に駆動制御されるとき、前記第1インバータの駆動周期が前記第2インバータの駆動周期のn倍または1/n倍(nは自然数)に設定され、
前記第1インバータおよび前記第2インバータに対する前記直流電源回路からの電流経路が同時に開路となる駆動信号の特定の期間において検出された前記電気信号に基づいて、前記第1インバータに供給される電力と前記第2インバータに供給される電力の合算値を算出する、ステップを有する。
上記のように構成された第13の態様の誘導加熱装置の駆動制御方法は、同一の電源からの電力供給により複数のインバータを駆動する誘導加熱装置において、駆動周波数が異なる各機器に対して、特にQ値が大きい機器に対しても所望の状態で効率高く動作させることが可能となる
本開示に係る第14の態様の誘導加熱装置の駆動制御方法は、前記の第13の態様において、前記第1インバータを単独で駆動するときの前記第1インバータの駆動周期と、前記第1インバータと前記第2インバータを同時に駆動するときの前記第1インバータの駆動周期が異なってよい。
本開示に係る第15の態様の誘導加熱装置の駆動制御方法は、前記の第13または第14の態様における前記第1インバータが単独で駆動中において、前記第2インバータの駆動を開始するとき、前記第2インバータの駆動周期に基づいて、前記第1インバータの駆動周期を、前記第1インバータを単独で駆動していたときの駆動周期から変更してもよい。
本開示に係る第16の態様の誘導加熱装置の駆動制御方法は、前記の第13から第15のいずれかの態様における前記第1インバータが単独で駆動中において、前記第2インバータの駆動を開始するとき、前記第1インバータの駆動を一時的に停止してもよい。
本開示に係る第17の態様の誘導加熱装置の駆動制御方法は、前記の第16の態様における前記第1インバータが単独で誘導加熱モードで動作中において、前記第2インバータの駆動を開始する場合、前記第2インバータに対して通常より低い電流の駆動信号による掃引を行う駆動周期選定動作を実行して、前記第2インバータの駆動周期を選定するとき、前記第1インバータの駆動を一時的に停止してもよい。
本開示に係る第18の態様の誘導加熱装置の駆動制御方法は、前記の第17の態様における前記第2インバータの駆動周期が選定され、前記第2インバータの駆動が開始されたとき、前記第1インバータの駆動を再開してもよい。
本開示に係る第19の態様の誘導加熱装置の駆動制御方法は、前記の第13から第18のいずれかの態様において、前記第1インバータと前記第2インバータが同時に動作中において、前記第2インバータの駆動を停止したとき、前記第1インバータの駆動周期を前記第1インバータが単独で駆動するときの駆動周期に変更してもよい。
本開示に係る第20の態様の誘導加熱装置の駆動制御方法は、前記の第13から第19のいずれかの態様において、前記第2インバータの駆動により前記第2コイルで発生する前記第2高周波磁場で非接触給電負荷に給電する、または低抵抗誘導加熱負荷を加熱してもよい。
本開示に係る第21の態様の誘導加熱装置の駆動制御方法は、前記の第13から第20のいずれかの態様において、前記第2インバータを非接触給電モードで動作させるか、誘導加熱モードで動作させるかを選択する、ステップを更に含み、
非接触給電モードが選択されたときは、前記第1インバータを単独で駆動するときの前記第1インバータの駆動周期と、前記第1インバータと前記第2インバータを同時に駆動するときの前記第1インバータの駆動周期が異なってもよい。
本開示に係る第22の態様の誘導加熱装置の駆動制御方法は、前記の第13から第21のいずれかの態様において、前記直流電源回路がインダクタとコンデンサで構成されるローパスフィルタを備えて、前記ローパスフィルタの出力側に前記第1インバータと前記第2インバータが並列に接続された誘導加熱装置の駆動制御方法であって、
前記コンデンサに印加される電圧を検出し、
前記第1インバータに対する前記コンデンサからの電流経路が開路となる期間と、前記第2インバータに対する前記コンデンサからの電流経路が開路となる期間とが重複した蓄電動作期間において、前記コンデンサの両端電圧を時間差を有して2回検出し、2回の検出結果に基づいて、前記直流電源回路から前記第1インバータと前記第2インバータに供給される合算電力を算出する、ステップを含むものでもよい。
本開示に係る第23の態様の誘導加熱装置の駆動制御方法は、前記の第22の態様において、駆動周波数を選定する必要のない負荷が前記第1インバータにより駆動され、駆動周波数を選定する必要のある負荷が前記第2インバータにより駆動される状態において、
前記第1インバータに対する前記コンデンサからの電流経路が開路から閉路となるタイミングであり、且つ、前記第2インバータに対する前記コンデンサからの電流経路が閉路から開路となるタイミングにおいて、前記コンデンサの両端電圧を検出して、前記第2インバータに供給される電力を算出する、ステップを含むものでもよい。
本開示に係る第24の態様の誘導加熱装置の駆動制御方法は、前記の第22の態様において、前記第2インバータに供給される電力の算出結果、および前記複数のインバータに供給される合算電力に基づいて、前記第1インバータに供給される電力を算出する、ステップを含むものでもよい。
以下、本開示に係る誘導加熱装置およびその駆動制御方法の一実施の形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。実施の形態の説明においては、例えば、既に良く知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
なお、発明者は、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面および以下の説明を提供するものであって、これらによって特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
以下の実施の形態においては、誘導加熱装置の具体的な構成について説明するが、この構成は例示であり、本開示は、以下の実施の形態において説明する構成に限定されるものではなく、本開示の技術的特徴を有する誘導加熱装置を含むものである。また、本開示には、以下に述べる各実施の形態において説明する任意の構成を適宜組み合わせることを含むものであり、組み合わされた構成においてはそれぞれの効果を奏するものである。
(実施の形態1)
本開示の誘導加熱装置は、通常の誘導加熱対応の誘導加熱調理器具(例えば、鉄鍋等:誘導加熱負荷IH)を加熱できる構成であると共に、Q値が高く、また載置位置により給電コイルと受電コイルの磁気結合の程度を示す結合係数kが変化して受電特性が大きく変化するためにインバータの駆動周期の選定が必要な負荷である非接触の電動機器(非接触機器:非接触給電負荷PS)に対して給電を行うことができる構成、および/または特定の狭い周波数帯域で駆動可能である低抵抗でQ値が高い誘導加熱調理器具(例えば、アルミ鍋、銅鍋:低抵抗誘導加熱負荷IHx)に対して加熱できる構成である。但し、実施の形態1の誘導加熱装置においては、通常の誘導加熱対応の誘導加熱負荷IHを加熱できる構成であると共に、インバータの駆動周期の選定が必要な負荷である非接触給電負荷PSに対して給電できる構成について説明する。
以下に説明する実施の形態1の誘導加熱装置においては、同一の整流された電源からの電力供給により2つのインバータを異なる周波数で同時に駆動することができる構成を有している。実施の形態1の誘導加熱装置では、一方のインバータにより通常の誘導加熱調理器具(誘導加熱負荷IH)を誘導加熱し、他方のインバータにより非接触機器(非接触給電負荷PS)に給電する同時駆動モードの場合について説明する。なお、実施の形態1の誘導加熱装置においては、それぞれのインバータが単独で駆動される単独駆動モード、およびそれぞれのインバータが通常の誘導加熱負荷IHを同時に加熱するように駆動される同時駆動モードを行うことも可能である。
実施の形態1の誘導加熱装置においては、同一の整流された電源からの電力供給により2つのインバータが駆動されて2つのコイルのそれぞれが励起される構成について説明するが、本開示はこの構成に限定されず、同一の整流された電源からの電力供給により複数のインバータが駆動され、各インバータにより複数のコイルが励起される構成においても同様の技術的特徴を適用して、同様の効果を奏することができる。
図1は、実施の形態1の誘導加熱装置の構成を示す制御ブロック図である。図1に示すように、実施の形態1の誘導加熱装置は、交流電源1と、交流電源1からの交流を整流して直流の電圧を出力する直流電源回路2と、を備えている。直流電源回路2は、ダイオードブリッジ9、整流インダクタ10、整流コンデンサ11、および入力電圧検出部12を含んで構成されている。直流電源回路2においては、整流インダクタ10と整流コンデンサ11によりローパスフィルタが構成されている。入力電圧検出部12は、整流コンデンサ11の両端電圧を検出して、後述する制御部13の電力演算部15に検出信号を出力する。
直流電源回路2から出力される直流電圧は、2つのインバータ回路である第1インバータ3および第2インバータ4において所望の高周波電圧に変換されて、第1コイル5および第2コイル6に供給される。即ち、第1インバータ3は、直流電源回路2から出力された直流電源を所望の高周波電圧に変換し、変換された高周波電圧が第1コイル5と第1共振コンデンサ7を含んで構成される共振回路に供給される。同様に、第2インバータ4は直流電源回路2から出力された直流電源を所望の高周波電圧に変換し、変換された高周波電圧が第2コイル6と第2共振コンデンサ8で構成される共振回路に供給される。
第1インバータ3は、2つの半導体スイッチ3a、3bの直列接続体で構成されており、2つの半導体スイッチ3a、3bの直列接続体が電源側である整流コンデンサ11に並列接続されている。同様に、第2インバータ4は、2つの半導体スイッチ4a、4bの直列接続体で構成されており、2つの半導体スイッチ4a、4bの直列接続体が電源側である整流コンデンサ11に並列接続されている。
実施の形態1における各半導体スイッチ3a、3b、4a、4bとしては、IGBT等のパワー半導体(半導体スイッチ素子)と、パワー半導体に逆方向に並列接続したダイオードとにより構成されている。
以下の説明において、第1インバータ3における2つの半導体スイッチ3a、3b、および第2インバータ4における2つの半導体スイッチ4a、4bにおいて、高電位側の半導体スイッチ3a、4aを高電位側スイッチ3a、4aと称し、低電位側の半導体スイッチ3b、4bを低電位側スイッチ3b、4bと称す。
図1に示すように、第1インバータ3における低電位側スイッチ3bの両端には、第1コイル5および第1共振コンデンサ7を含んで構成される共振回路が接続されている。第1コイル5は、第1インバータ3により励起されて加熱コイルまたは給電コイルとして機能する。なお、低電位側スイッチ3bの両端にはオンオフ時のサージ電圧の発生を抑制する機能を持つスナバコンデンサ17が設けられている。
一方、第2インバータ4における低電位側スイッチ4bの両端には、第2コイル6および第2共振コンデンサ8を含んで構成される共振回路が接続されている。第2コイル6は、第2インバータ4により励起されて加熱コイルまたは給電コイルとして機能する。なお、低電位側スイッチ4bの両端にはオンオフ時(閉路または開路への動作タイミング)のサージ電圧の発生を抑制する機能を持つスナバコンデンサ18が設けられている。
第1インバータ3における高電位側スイッチ3aと低電位側スイッチ3b、および/または第2インバータ4における高電位側スイッチ4aと低電位側スイッチ4bは、制御部13における駆動信号発振部16からの駆動信号により駆動されて、第1コイル5および/または第2コイル6に対して所望の高周波電圧(高周波電流)が供給される。
制御部13は、入力電圧検出部12からの検出信号が入力されて電力検知信号を形成する電力演算部15と、第1インバータ3および第2インバータ4に対して所望の駆動信号を出力する駆動信号発振部16と、を備えている。電力演算部15は、整流コンデンサ11の両端電圧を検出する入力電圧検出部12からの検出信号を所定期間毎に確認している。電力演算部15においては、入力電圧検出部12からの検出信号に基づいて各インバータ(3、4)に入力される電力を検知して、電力検知情報として駆動信号発振部16に出力する。駆動信号発振部16には、電力演算部15からの電力検知情報と共に、実施の形態1の誘導加熱装置における指示部14で選択され、設定された各種設定情報等が入力される。
ここで、本開示において説明する鉄鍋等の通常の誘導加熱対応の誘導加熱負荷IH、Q値が高く、また載置位置により給電コイルと受電コイルの磁気結合の程度を示す結合係数kが変化して受電特性が大きく変化するため駆動周期の選定が必要な非接触給電負荷PS、そして低抵抗でQ値が高い低抵抗誘導加熱負荷IHxについて簡単に説明する。
図1に示すように、実施の形態1の誘導加熱装置においては、第1インバータ3からの高周波電流が供給される第1コイル5の上には誘導加熱負荷IHが載置され、第2インバータ4からの高周波電流が供給される第2コイル6の上には非接触給電負荷PSが載置されて、それぞれに対して加熱/給電の同時駆動モードが実行される場合を示している。なお、実施の形態1の誘導加熱装置においては、負荷として低抵抗誘導加熱負荷IHxには対応していない構成として説明する。
図2の(a)および(b)は、コイルに流れる高周波電流の周波数[Hz]と最大電力[W]との関係を示す周波数特性図の例示である。図2の(a)は、鉄鍋等の通常の誘導加熱対応の負荷を加熱したときの周波数特性図を示している。一方、図2の(b)は、図2の(a)に示した特性に比べてQ値が高い負荷を駆動したときの周波数特性図であり、例えば載置位置がずれてQ値が高くなった非接触給電負荷PSや、アルミ鍋等の低抵抗の負荷(低抵抗誘導加熱負荷IHx)を加熱するときの周波数特性の例を示している。図2の(b)に示すように、Q値が高い負荷を駆動したときの周波数特性においては波形のピークが急峻であるため、所望の電力を出力するためには特定の周波数を選定する必要があり、少しの周波数の変更で出力電力が大きく変化することが理解できる。
実施の形態1の誘導加熱装置において、非接触給電負荷PSに対して給電動作を行うとき、例えば、第1インバータ3からの高周波電流が第1コイル5に供給されて、第1コイル5から高周波磁場が発生し、非接触給電負荷PS(非接触機器)に設けられた受電コイル19と第1コイル5とが磁界結合されて、当該負荷に対する給電が行われる。従って、非接触給電負荷PSの受電コイル19の載置位置は、誘導加熱装置において給電コイルとなる、例えば第1コイル5に完全に対向する位置が好ましく、位置ずれが生じるとQ値が大きくなり、また結合係数kが小さくなり、給電特性が大きく変化して、給電電力に対する受電電力の比率(受電効率)は悪化する。
図3は、実施の形態1の誘導加熱装置において、非接触給電負荷PS(非接触機器)に対して給電動作を行ったときの給電特性を示す周波数特性図である。図3において、実線で示す曲線が非接触機器の受電コイル19と誘導加熱装置の給電コイルとの間で位置ずれが生じていないときの周波数特性の一例であり、破線で示す曲線は非接触機器が15mmの位置ずれを生じている場合の周波数特性の一例である。図3に示すように、位置ずれが生じている場合には周波数特性におけるQ値が高くなり、所望の電力(定格電力)を得るためには周波数を掃引動作を行って選定する必要がある。
実施の形態1の誘導加熱装置においては、非接触給電負荷PSが位置ずれを生じていても、定格電力を給電できるように、通常の給電動作を行うときより低い微弱電流をコイルに流して特定の周波数帯域の掃引動作を行って、定格電力が給電可能な駆動周波数を選定している(駆動周期選定動作)。図3に示す周波数特性においては、位置ずれが生じていないときに選定された駆動周波数f1が位置ずれが生じているときに選定された駆動周波数f2に比べて高くなっている。
実施の形態1の誘導加熱装置において、インバータ(3、4)からの高周波電流が供給されるコイル(5、6)により加熱/給電が実行される負荷は、誘導加熱負荷IH、若しくは非接触給電負荷PSであるかを検知する負荷判別動作を実動作を開始する前の初期段階において行っている。なお、前述の駆動周期選定動作および、以下に説明する負荷判別動作は掃引動作を行うことにより同時に実行される。
図4は、負荷判別動作における判別方法を示す図である。図4において、横軸がコイル(5、6)への入力電力であり、縦軸が共振コンデンサ(7、8)の電圧である。なお、縦軸としてはコイル(5、6)の電圧や電流でもよい。
実施の形態1の誘導加熱装置における負荷判別動作は、動作開始の段階(実動作開始前の段階)において負荷が載置されたコイルに対して大電力が供給されない制御(所定周波数帯域における掃引動作、デューティ比の制御)を実行するものであり、予め設定された周波数帯の微弱電力がコイルに供給される。その微弱電力の変化に対して、当該コイルの共振コンデンサ(または、コイル自体)の電圧変化に基づいて、負荷の判別を行っている。なお、実施の形態1においては、負荷判別動作と共に駆動周期選定動作を行っている。図4に示すように、コイルに(5、6)対する入力電力と、共振コンデンサ(または、コイル自体)の電圧との関係が、誘導加熱負荷IHの領域、非接触給電負荷PSの領域、または低抵抗誘導加熱負荷IHxの領域のいずれの領域に存在するかにより負荷を判別している。
実施の形態1の誘導加熱装置においては、同一の整流された電源からの電力供給により2つのインバータを同時に駆動することができる構成を有しており、一方のインバータの駆動により通常の誘導加熱対応の誘導加熱負荷IHに対する加熱を行い、他方のインバータの駆動により載置位置により受電特性が大きく変化する非接触給電負荷PSに対する給電を行う、同時駆動モードが実行される。
[誘導加熱装置による同時駆動モード]
次に、実施の形態1の誘導加熱装置において、第1コイル5の負荷として鉄鍋等の通常の誘導加熱対応の誘導加熱負荷IHを加熱すると共に、第2コイル6の負荷として非接触機器(非接触給電負荷PS)を給電する同時駆動モードについて説明する。即ち、第1コイル5上に対向して載置される負荷は、Q値が低く、駆動周波数を選定することなく所定の駆動周波数でデューティ比を変更して電力制御を行うことが可能な誘導加熱負荷IHである。一方、第2コイル6上に対向して載置される負荷は、載置位置がずれると結合係数kが変化して受電特性が大きく変化し、Q値も高いため、所望の電力を給電するためには駆動周波数の選定が必要である非接触給電負荷PSである。
図5は、実施の形態1の誘導加熱装置において同時駆動モードにおける第1インバータ3、第2インバータ4、第1コイル5、および第2コイル6の動作を示す波形図(タイムチャート)である。
図5において、(a)は第1インバータ3の高電位側スイッチ3aのゲート電圧波形(駆動信号)であり、(b)は第1インバータ3の低電位側スイッチ3bのゲート電圧波形(駆動信号)であり、(c)は第2インバータ4の高電位側スイッチ4aのゲート電圧波形(駆動信号)であり、(d)は第2インバータ4の低電位側スイッチ4bのゲート電圧波形(駆動信号)である。図5の(e)は、第1インバータ3が駆動されることにより第1コイル5に供給される高周波電流を示す波形図である。図5の(f)は、第2インバータ4が駆動されることにより第2コイル6に供給される高周波電流を示す波形図である。
なお、図5の(a)および(b)に示すゲート電圧波形において、立ち上がりのタイミングと、立ち下がりのタイミングは重ならないようにデッドタイムが設定されている。同様に、図5の(c)および(d)に示すゲート電圧波形において、立ち上がりのタイミングと、立ち下がりのタイミングが重ならないようにデッドタイムが設定されている。
図5に示すように、第1インバータ3に供給される駆動信号の駆動周波数(例えば、25kHz)は、第2インバータ4に供給される駆動信号の駆動周波数(例えば、50kHz)に対して1/2倍となっている。即ち、第1インバータ3に供給される駆動信号の駆動周期Tc1は、第2インバータ4に供給される駆動信号の駆動周期Tc2の2倍となっている。
上記のように、実施の形態1の誘導加熱装置においては、第1インバータ3からの高周波電流が第1コイル5に供給されることにより、第1コイル5から高周波磁場が発生し、発生した高周波磁場で鉄鍋等(誘導加熱負荷IH)が加熱される。一方、第2インバータ4からの高周波電流が第2コイル6に供給されることにより、第2コイル6から高周波磁場が発生し、非接触給電負荷PSである非接触機器に設けられた受電コイル19と第2コイル6とが磁界結合されて、当該負荷に対する給電が行われる。
実施の形態1の誘導加熱装置においては、第1コイル5により誘導加熱負荷IH(鉄鍋等)を加熱し、他方の第2コイル6により非接触給電負荷PSに給電を行う場合、第1コイル5に高周波電流を供給する第1インバータ3の駆動周期Tc1は、第2コイル6に高周波電流を供給する第2インバータ4の駆動周期(Tc2)の1/2倍に設定されている。なお、実施の形態1の誘導加熱装置においては、第1コイル5により誘導加熱負荷IHを加熱し、第2コイル6により非接触給電負荷PSを給電する場合について説明するが、負荷が逆である場合においても第1インバータ3と第2インバータ4の駆動周期を逆にして適用できる。
なお、本開示の誘導加熱装置においては、一方のコイルで誘導加熱負荷IHを加熱し、他方のコイルで非接触給電負荷PSに給電を行う場合、各コイルに高周波電流を供給するそれぞれのインバータの駆動周期が、n倍(nは自然数)、1/n倍、または、所定時間間隔毎にいずれのコイルに対してもインバータを介して整流コンデンサから電流が供給されない期間が同時に存在する駆動周期に設定されていれば、各負荷に対応した各インバータに対する精度の高いフィードバック制御を行うことができる。以下、この点について説明する。
図6は、実施の形態1の誘導加熱装置における単独駆動モードおよび同時駆動モードで各インバータに供給される駆動信号の例を示す波形図である。図6の(A)は、単独駆動モードにおいて、第1インバータ3の駆動により誘導加熱負荷IHを加熱するときの高電位側スイッチ3a(図6における(A)の(a))および低電位側スイッチ3b(図6における(A)の(b))に供給される駆動信号(駆動周期Tc3)である。図6の(B)および(C)は、同時駆動モードにおいて、第1インバータ3および第2インバータ4に供給される駆動信号を示している。
図6の(B)の波形図は、誘導加熱負荷IHが第1コイル5により加熱され、非接触給電負荷PSが第2コイル6により給電されている場合を示している。図6の(B)において、上側((c)、(d))が第1コイル5に高周波電流を供給する第1インバータ3の駆動信号を示しており、下側((e)、(f))が第2コイル6に高周波電流を供給する第2インバータ4の駆動信号を示している。
Q値が高く、または共振点が変化して駆動周期を選定する必要がある非接触給電負荷PSに対して給電を行う場合には、選定された駆動周期Tc4aを有する駆動信号が第2インバータ4に供給される。実施の形態1の誘導加熱装置においては、誘導加熱負荷IHを加熱する第1インバータ3に供給される駆動信号が、非接触給電負荷PSに給電する第2インバータ4に供給される駆動信号の駆動周期Tc4aの2倍の駆動周期Tc3a(=2*Tc4a)に設定される。なお、このとき第1インバータ3に供給される駆動信号の駆動周期Tc3aは、図6の(A)に示した単独駆動モードにおいて第1インバータ3に供給される駆動信号の駆動周期Tc3(Tc3a<Tc3)より短く設定されている。従って、誘導加熱負荷IHを加熱する第1インバータ3に供給される駆動信号の駆動周期は、非接触給電負荷PSに給電する第2インバータ4の駆動信号の駆動周期により決定される。
なお、非接触給電負荷PSに対して給電を行う場合、実施の形態1の誘導加熱装置においては、給電指令を受けた初期段階で予め設定された周波数帯で微弱電流を該当コイルに流す掃引動作を行って負荷を判定し、駆動周波数を選定している。また、実施の形態1の誘導加熱装置においては、非接触給電負荷PSからの通信情報を受信して、通信情報に含まれる指定された駆動周期に設定する構成としてもよい。さらに、当該誘導加熱装置における指示部(操作部)においてユーザが指定した、非接触給電負荷PSを給電するための駆動周期に設定する構成としてもよい。
図6の(C)の波形図は、図6の(B)と同様に誘導加熱負荷IHが第1コイル5により加熱され、非接触給電負荷PSが第2コイル6により給電されている場合を示している。但し、図6の(C)に示す波形図においては、第2インバータ4に供給される駆動信号の駆動周期Tc4bが、図6の(B)に示した第2インバータ4に供給される駆動信号の駆動周期Tc4aより長い駆動周期に設定されている。図6の(C)における、上側((g)、(h))が第1インバータ3の駆動信号を示しており、下側((i)、(j))が第2インバータ4の駆動信号を示している。図6の(C)に示すように、第2コイル6で非接触給電負荷PSに対して給電を行う場合には、選定された駆動周期Tc4bの駆動信号が第2インバータ4に供給され、第1インバータ3に対しては、第2インバータ4に供給される駆動信号の駆動周期Tc4bの2倍の駆動周期Tc3b(=2*Tc4b)の駆動信号に設定される。なお、このとき第1インバータ3に供給される駆動信号の駆動周期Tc3bは、図6の(A)に示した単独駆動モードにおいて第1インバータ3に供給される駆動信号の駆動周期Tc3より長い設定(Tc3b>Tc3)となっている。
上記のように、実施の形態1の誘導加熱装置において、誘導加熱負荷IHおよび非接触給電負荷PSに対して各インバータ(3、4)が同時駆動モードで駆動されるとき、誘導加熱負荷IHに対して加熱する第1コイル5を駆動する第1インバータ3の駆動周波数は、非接触給電負荷PSに対して給電する第2コイル6を駆動する第2インバータ4の駆動周波数により決定される構成である。なお、実施の形態1の誘導加熱装置においては、誘導加熱負荷IHおよび非接触給電負荷PSに対して同時駆動モードで駆動するとき、誘導加熱負荷IHに対して加熱するためのインバータの駆動信号の駆動周期は、非接触給電負荷PSに対して給電するためのインバータの駆動信号の駆動周期の2倍である場合について説明したが、2倍に特定されるものではなく、3倍、4倍、・・・、n倍、若しくは1/n(nは自然数)、または一定時間間隔毎にいずれのコイルにもインバータを介して整流コンデンサから電流が供給されない期間が存在する駆動周期に設定されていればよい。
実施の形態1の誘導加熱装置においては、同時駆動モードで上記のように各インバータ(3、4)を駆動することにより、各インバータにより供給される電力を検知して、精度の高いフィードバック制御を行うことができる。
[各インバータにおける電力検知方法]
次に、同時駆動モードにおいて、第1インバータ3および第2インバータ4の駆動により、各コイル(5、6)に供給される電力の検知方法について説明する。図7は、前述の図5に示した同時駆動モードにおける第1インバータ3、第2インバータ4、および電力検知を行うためのAD変換のタイミングを示す波形図である。図7に示す波形図において、誘導加熱負荷IHが第1インバータ3の駆動により加熱され、非接触給電負荷PSが第2インバータ4の駆動により給電される場合である。
図8は、第1インバータ3および第2インバータ4の各動作期間における電流の流れを模式的に示す図である。図8における(a)〜(d)の各図における電流の流れは、図7に示した動作期間A〜Dに対応する。即ち、第1インバータ3における高電位側スイッチ3aがオン状態であり、第2インバータ4における低電位側スイッチ4bがオン状態のときの動作期間Aにおいては、図8の(a)に示す電流の流れとなる。図8の(b)に示す電流の流れは、第1インバータ3の高電位側スイッチ3aがオン状態であり、第2インバータ4の高電位側スイッチ4aがオン状態のときの動作期間Bである。図8の(c)に示す電流の流れは、第1インバータ3の低電位側スイッチ3bがオン状態であり、第2インバータ4の低電位側スイッチ4bがオン状態のときの動作期間Cである。図8の(d)に示す電流の流れは、第1インバータ3の低電位側スイッチ3bがオン状態であり、第2インバータ4の高電位側スイッチ4aがオン状態のときの動作期間Dである。
図8に示すように、動作期間Cにおいては各インバータ(3、4)の低電位側スイッチ(3b、4b)がオン状態であるため、整流コンデンサ11(電源側)から各インバータ(3、4)を介して各コイル(5、6)へ流れる電流経路が開路(オフ)となっており、インバータ(3、4)およびコイル(5、6)による閉回路の電流経路にのみ電流が流れる状態である。即ち、動作期間Cは、それぞれのインバータ3、4に対しては電源側の整流コンデンサ11からの電流が供給されない状態であり、直流電源回路3において、整流コンデンサ11に蓄電される状態の蓄電動作期間となる。
実施の形態1の誘導加熱装置においては、動作期間C(蓄電動作期間)において、電源側である整流コンデンサ11の両端電圧を所定の時間差を有して2回検出し、AD変換を行っている(AD1、AD2)。このとき、整流コンデンサ11に対しては整流インダクタ10(電源側)から電流が流れ込むだけの状態であるため、動作期間C(蓄電動作期間)における最初の第1検出電圧AD1よりも後の第2検出電圧AD2の方が整流コンデンサ11の両端電圧は高くなる。
整流コンデンサ11に流れる電流を「i」、整流コンデンサ11に蓄えられる電荷を「Q」、整流コンデンサ11の容量を「C」、整流コンデンサ11に発生する電圧を「V」、時間を「t」とすると、下記の式(1)および式(2)の関係が成り立つ。
i=dQ/dt (1)
Q=C*V (2)
従って、式(1)および式(2)から下記の式(3)となる。
i=C*dV/dt (3)
動作期間Cにおいて、最初の第1検出電圧AD1と後の第2検出電圧AD2とを検出し、その時間差である時間間隔を「T」とすると、式(3)から下記の式(4)となる。
i=C*(AD1−AD2)/T (4)
式(4)における(AD1−AD2)は、動作期間Cにおける所定の時間間隔Tにおける電圧差である。従って、コンデンサ容量Cが設計により決定される値であるため、動作期間Cにおいて整流コンデンサ11に流れ込む電流値を算出することができる。直流電源回路2における整流インダクタ10の電流変化を零とみなすと、入力電力Pは、電源電圧Vと入力電流iの乗算となる(P=V*i)。
上記のように、実施の形態1の誘導加熱装置における同時駆動モードでは、電源側の整流コンデンサ11から第1インバータ3および第2インバータ4の両インバータ(3、4)に対して電流が供給されない動作期間が存在すれば、第1インバータ3および第2インバータ4に供給される合算電力を検知することができる。従って、上記の演算は、第1インバータ3および第2インバータ4への駆動周波数が位相差を有していても、両インバータ(3、4)に対して電流供給がない動作期間が一定間隔で存在していれば行うことが可能である。
次に、第1インバータ3および第2インバータ4に流れるそれぞれの電流検知について図7を用いて説明する。前述のように、図7は、第1インバータ3の駆動により誘導加熱負荷IHが加熱され、第2インバータ4の駆動により非接触給電負荷PSが給電される場合を示している。従って、誘導加熱負荷IHを加熱するための第1インバータ3の駆動周波数は、非接触給電負荷PSを給電するために設定されている第2インバータ4の駆動周波数により決定されている。
実施の形態1の誘導加熱装置において、第1インバータ3および第2インバータ4の各駆動周波数が図7に示す場合、整流コンデンサ11から第2インバータ4に流れる電流の検知は、動作期間Dから動作期間Aに移行するタイミングで整流コンデンサ11の電圧検出により行うことができる(図7に示す第3検出電圧AD3)。即ち、動作期間Dにおいては、整流コンデンサ11からの電流が第2インバータ4にのみ流れ込んでおり、動作期間Dから動作期間Aに移行するタイミングで整流コンデンサ11から第2インバータ4への電流経路が開路(オフ)となっている。整流コンデンサ11から第2インバータ4への電流経路が開路となるタイミングで整流コンデンサ11の両端の電圧検出(第3検出電圧AD3)を行うことにより、整流コンデンサ11から第2インバータ4に供給される電力を検知することができる。
動作期間Dにおける整流コンデンサ11の電圧変化は、整流インダクタ10からの電流の流れ込みと、整流コンデンサ11から第2インバータ4に流れる電流との差で決定される。整流インダクタ10からの電流は、前述の動作期間Cにおいて検知した第1インバータ3および第2インバータ4に供給される合算電力の演算時に検知されているため、整流コンデンサ11から第2インバータ4に流れる電流および電力は、動作期間Dの期間の長さと第3検出電圧AD3とに基づく演算により算出可能である。この演算においては、動作期間Dの開始時点の整流コンデンサ11の電圧値が必要となるが、その代わりに動作期間Cにおける後の第2検出電圧AD2を用いて、その第2検出電圧AD2の検出時点から動作期間Dの開始時点までの時間間隔が分かれば、整流コンデンサ11から第2インバータ4に流れる電流および電力を演算することは可能である。
なお、動作期間Dにおける検出期間としては、前述の動作期間Cにおける第2検出電圧AD2の検出動作を動作期間Cから動作期間Dへの移行のタイミングで行って、そのときの第2検出電圧AD2の検出時点から、動作期間Dにおける第3検出電圧AD3の検出時点までの期間としてもよい。また、動作期間Dにおける検出期間としては、動作期間Dにおける開始のタイミングに合わせて第4検出電圧AD4を検出する動作を追加してもよい。
また、インバータにおいてはスイッチング直後は、波形のリンギングやノイズが発生し、電圧を正確に検出できない場合がある。このため、このような場合にはスイッチングのタイミングより微少期間だけ前後にずらして電圧検出してAD変換を行ってもよい。このように、スイッチングのタイミングより微少期間だけ前後にずらして電圧検出を行い、その検出結果に基づいて演算を行った場合でも、その演算結果としては、理論値に対して差分が発生するが、実使用上において影響がないことを実動作の実験において発明者は確認している。
上記のように、非接触給電負荷PSを給電するための第2インバータ4の駆動により第2コイル6に供給される電力を算出することにより、第1インバータ3および第2インバータ4に供給される合算電力が検知されているため、誘導加熱負荷IHを誘導加熱する第1インバータ3に供給される電力を算出することが可能となる。即ち、合算電力から第2インバータ4に供給される電力を減算することにより、第1インバータ3に供給される電力が算出される。
なお、一方のインバータの駆動により給電した非接触機器(非接触給電負荷PS)の受電電力の情報は、非接触機器側で検知することが可能であるため、その情報は非接触機器側から誘導加熱装置に通信により伝達することが可能である。このように、非接触機器の受電電力の情報を受け取った誘導加熱装置においては、誘導加熱装置における総出力電力から非接触機器の受電電力を減算することにより、他方のインバータによる誘導加熱の電力を検知することも可能である。
[インバータにおける誘導加熱モード/非接触給電モードの動作]
図9は、一方のインバータ(3または4)の駆動により誘導加熱負荷IHに対する加熱を行う場合の動作を示すフローチャートである。図9に示すフローチャートにおいては、ユーザが指示部14におけるボタン操作により、第1コイル5による誘導加熱モードを選択した場合の動作である。
なお、図9に示したフローチャートにおいては、ユーザが指示部14におけるボタン操作により、該当するコイル(5、6)の動作モード(誘導加熱モード/非接触給電モード)を選択した場合について説明するが、ユーザが指示部14で該当するコイルの動作モードを選択するのではなく、指示部14の「スタート」ボタンをユーザが押下することにより、該当するコイルに載置された負荷を自動的に判別する負荷判別動作を実行してもよい。この負荷判別動作においては、前述のように、該当コイルに高周波電流を供給するインバータに対して、低いデューティ比の微弱電力が該当コイルに供給する駆動信号を供給して、そのときに生じる共振コンデンサの電圧(該当コイルの電圧)に基づいて負荷を判別している。
第1インバータ3による誘導加熱モードの開始が指示されると(ステップ101)、ステップ102において第2インバータ4の動作モードが確認される。
ステップ102において、第2インバータ4が非接触給電負荷PSに対して給電を行う非接触給電モードの動作中であれば、ステップ103へ移行する。
ステップ103においては、第1インバータ3の駆動周期を第2インバータ4の駆動周期の2倍に設定する。ステップ103から移行したステップ104においては、設定された駆動周期で第1インバータ3が駆動されて、誘導加熱モードの加熱が開始される共に、第2インバータ4による非接触給電モードの給電が継続される(同時駆動モード)。
一方、ステップ102において、第2インバータ4が非接触給電モードで動作中でなければ、ステップ105へ移行する。ステップ105においては、第1インバータ3の駆動周期を誘導加熱を行うために通常使用する所定の駆動周期に設定し(例えば、駆動周期を44μsに設定)、ステップ104に移行する。このときのステップ104においては、設定された駆動周期で第1インバータ3のみが駆動されて、誘導加熱が開始される(単独駆動モード)。
次に、第2コイル6に高周波電流を供給する第2インバータ4の駆動により負荷に対して誘導加熱モード/非接触給電モードを行う動作について説明する。図10は、第2インバータ4の駆動による誘導加熱モード/非接触給電モードの動作を示すフローチャートである。
第2インバータ4に対して駆動開始が指示されると(ステップ201)、ステップ202において第2インバータ4の動作モードが確認される。即ち、第2インバータ4が負荷に対して誘導加熱を行う動作モードか、若しくは非接触給電を行う動作モードかが確認される。
ステップ202において、第2インバータ4が負荷に対して非接触給電モードであれば、ステップ203へ移行する。ステップ203においては、第1インバータ3が誘導加熱モードで動作中であれば、第1インバータ3の駆動を停止する(ステップ204)。
次に、ステップ205において、第2インバータ4の駆動周期が選定される。この選定は、負荷判別動作と同時に実行される駆動周期選定動作で選定された所望の出力が得られる駆動周期に設定してもよく、または当該負荷において予め決められている駆動周期を指示部14においてユーザが設定するか、若しくは当該負荷からの通信情報に基づいて駆動周期を設定してもよい。
ステップ206においては、設定された駆動周期により第2インバータ4が駆動され、第2インバータ4による非接触給電が開始される。
ステップ207においては、第1インバータ3の駆動周期を第2インバータ4の駆動周期の2倍に設定する。
ステップ208においては、設定された駆動周期で第1インバータ3が駆動されて、第1インバータ3による誘導加熱が開始される。即ち、ステップ208においては、第1インバータ3が誘導加熱モードで動作し、第2インバータ4が非接触給電モードで動作する同時駆動モードが開始される。
なお、ステップ206はステップ208よりも前に実施されることに限るものではなく、例えば、ステップ205の後にステップ207、ステップ207の後にステップ208、ステップ208の後にステップ206と、ステップ206とステップ208の順序が入れ替わってもよい。
一方、ステップ202において、第2インバータ4が負荷に対して非接触給電を行う非接触給電モードでなければ、ステップ211へ移行する。ステップ211においては、第2インバータ4が誘導加熱モードで動作すべきとして、第2インバータ4の駆動周期を誘導加熱を行うために通常使用する所定の駆動周期に設定する(例えば、駆動周期を44μsに設定)。
ステップ212においては、設定された駆動周期で第2インバータ4が駆動されて、誘導加熱が開始される。即ち、ステップ212においては、第1インバータ3が誘導加熱モードで動作し、第2インバータ4が誘導加熱モードで動作する同時駆動モード、若しくは第2インバータ4のみが誘導加熱モードを行う単独駆動モードである。
また、ステップ203において、第1インバータ3が誘導加熱モードで動作中でなければ、第2インバータ4の駆動周期を選定する(ステップ209)。ステップ209における第2インバータ4の駆動周期を選定は、前述のステップ205における駆動周期選定動作で選定されてもよく、当該負荷において予め決められている駆動周期を指示部14においてユーザが設定してもよく、若しくは当該負荷からの通信情報に基づいて駆動周期を設定してもよい。
ステップ210においては、選定された駆動周期で第2インバータ4の非接触給電モードが開始される。即ち、ステップ210においては、第2インバータ4のみが非接触給電モードで動作する単独駆動モードである。
上記のように実施の形態1の誘導加熱装置において、給電の指示を受けたインバータは、選定された特定の駆動周期の駆動信号により駆動されて、非接触給電負荷PSに対して給電を行う。このとき同時に、同一の整流された電源からの電力により駆動される他のインバータに対して、同時に誘導加熱負荷に対する加熱の指示を受けた場合には、当該インバータは、非接触給電負荷PSに給電するためのインバータの駆動周期の2倍の駆動周期で駆動するように設定される。このように、それぞれのインバータの駆動周期がn倍(nは自然数)となるように設定されることにより、いずれのインバータに対しても電源側(整流コンデンサ側)からインバータへの電流経路が開路となる動作期間(図8の(c):動作期間C参照)が所定時間の間隔で生じることになる。このように、全てのインバータに対して電源側からの電流経路が開路となる動作期間(蓄電動作期間)において、蓄電状態の電源側の整流コンデンサ11の電圧変化を検出することにより、当該誘導加熱装置において誘導加熱モードと非接触給電モードの同時駆動モードにおける合算電力を検知することが可能となる。
また、駆動周期が短い非接触給電負荷PSに給電するためのインバータのみに対して電源側(整流コンデンサ側)からの電流経路が閉路(オン)となる動作期間(図8の(d):動作期間D参照)から、誘導加熱負荷IHに誘導加熱するためのインバータのみに対して電源側(整流コンデンサ側)からの電流経路が閉路(オン)となる動作期間(図8の(a):動作期間A参照)への移行するタイミングで電源側の整流コンデンサ11の電圧変化を検出することにより、当該誘導加熱装置において非接触給電負荷PSを給電するために電源側から供給される電力を検知することが可能となる。
さらに、上記のように検知された非接触給電負荷PSを給電するためのインバータに供給された電力を、合算電力から減算することにより、誘導加熱負荷IHを加熱するためのインバータに供給された電力を検出することができる。この結果、実施の形態1の誘導加熱装置では、同時駆動モードにおけるそれぞれのコイルに対する供給電力を検知することができ、それぞれの負荷に対する精度の高いフィードバック制御を行うことが可能となる。
さらに、非接触給電負荷PSへの給電を開始する際に他方のインバータが既に誘導加熱モードで動作中であれば、誘導加熱モードで動作中のインバータの駆動を一旦停止し、非接触給電負荷PSに給電するためのインバータの駆動周期の選定期間を設けることで、非接触給電負荷PSに対して所望の出力が得られる状態で同時駆動モードに移行することができる。
以上のように、実施の形態1の誘導加熱装置は、同一の電源からの電力供給により複数のインバータを駆動する構成において、誘導加熱負荷IHに対する誘導加熱モード、および非接触給電負荷PSに対する非接触給電モードを所望の駆動周期で動作させることにより、各インバータに対して高精度のフィードバック制御を行うことができる。
(実施の形態2)
以下、本開示に係る実施の形態2の誘導加熱装置およびその駆動制御方法について説明する。実施の形態2の誘導加熱装置は、実施の形態1の誘導加熱装置と実質的に同様の構成を有する。実施の形態2の誘導加熱装置における実施の形態1の誘導加熱装置との相違点は、コイル上に載置される負荷として、例えば、鉄鍋等の誘導加熱負荷IH、非接触の電動機器である非接触給電負荷PS、またはアルミ鍋、銅鍋等の低抵抗誘導加熱負荷IHxであり、これらの負荷に応じた駆動信号がインバータに対して供給される構成である。なお、実施の形態2の説明において、前述の実施の形態1と同様の作用、構成、および機能を有する要素には同じ参照符号を付し、重複する記載を避けるため説明を省略する場合がある。
実施の形態2の誘導加熱装置における構成においても、前述の実施の形態1の構成と同様に、同一の整流された電源からの電力供給により2つのインバータが駆動されて2つのコイルのそれぞれが励起される構成について説明するが、本開示はこの構成に限定されず、同一の電源からの電力供給により複数のインバータが駆動され、各インバータにより複数のコイルが励起される構成においても同様の技術的特徴を適用して、同様の効果を奏することができる。
図11は、実施の形態2の誘導加熱装置の構成を示す制御ブロック図である。図11に示す実施の形態2の誘導加熱装置は、前述の図1に示した実施の形態1の構成と実質的に同じ構成を有している。図11に示すように、実施の形態2の誘導加熱装置においては、第1コイル5上に誘導加熱負荷IHが載置されて誘導加熱されると共に、第2コイル6上に低抵抗誘導加熱負荷IHxが載置されて加熱されるか、若しくは非接触給電負荷PSが載置されて給電される同時駆動モードである。第2コイル6上に載置される低抵抗誘導加熱負荷IHxは、第2インバータ4の駆動周波数が特定の狭い周波数帯域で駆動されて誘導加熱される、低抵抗でQ値が高い加熱調理器(例えば、アルミ鍋、銅鍋等)である。また、非接触給電負荷PS(例えば、非接触機器)は、前述のように、Q値が高く、また載置位置により給電コイルと受電コイルの磁気結合の程度を示す結合係数kが変化して受電特性が大きく変化するためにインバータの駆動周期の選定が必要な非接触で給電される電動機器である。
上記のように、実施の形態2の誘導加熱装置においては、第1コイル5上に誘導加熱負荷IHが載置され、第2コイル6上に低抵抗誘導加熱負荷IHxまたは非接触給電負荷PSが載置された同時駆動モードにおいては、第1コイル5に高周波電流を供給する第1インバータ3の駆動信号の駆動周期Tc1(図5参照)は、負荷に応じて、第2コイル6に高周波電流を供給する第2インバータ4の駆動信号の駆動周期Tc2の2倍または3倍に設定されている。
実施の形態2の誘導加熱装置においては、ユーザが指示部14において該当するコイル(5、6)に対して動作モードの開始指示となる「スタート」ボタンを押下することにより、前述の実施の形態1において説明した負荷判別動作/駆動周期選定動作が実行される。負荷判別動作/駆動周期選定動作においては、該当するコイルに対して微弱電力を供給するためにインバータ(3、4)が低いデューティ比で所定の周波数帯域において駆動される。その微弱電力が該当コイルに供給されるときに生じる共振コンデンサ(7、8)の電圧(コイルの電圧)に基づいて負荷が判別される。また、負荷が非接触給電負荷PSである場合、または低抵抗誘導加熱負荷IHxである場合には、インバータに入力される駆動信号の駆動周期が選定される。図11に示した実施の形態2の誘導加熱装置においては、例えば、第1コイル5上に通常の誘導加熱調理器(誘導加熱負荷IH)が載置されると共に、第2コイル6上に非接触給電負荷PS、または低抵抗誘導加熱負荷IHxが載置される同時駆動モードである。従って、実施の形態2の誘導加熱装置おいては、第1コイル5に高周波電流を供給する第1インバータ3の駆動周期は、第2コイル6に高周波電流を供給する第2インバータ4の駆動周期の2倍または3倍となるように設定されている。即ち、第1インバータ3の駆動周波数は、第2インバータ5の駆動周波数の1/2倍または1/3倍となっている。
[インバータにおける誘導加熱モード/非接触給電モード/低抵抗誘導加熱モードの動作]
以下、実施の形態2の誘導加熱装置において誘導加熱モードと共に、非接触給電モードまたは低抵抗誘導加熱モードが実行される動作についてフローチャートを用いて説明する。
図12は、一方のインバータとして第1インバータ3の駆動により誘導加熱負荷IHに対する加熱を行う場合の動作を示すフローチャートである。図12に示すフローチャートにおいては、ユーザが指示部14におけるボタン操作により、第1コイル5による誘導加熱モードを選択した場合の動作である。
ステップ301において、一方の第1インバータ3による誘導加熱モードの開始が指示されると、他方の第2インバータ4の動作モードが確認される(ステップ302、305)。
ステップ302において、第2インバータ4が非接触給電負荷PSに対する非接触給電モードの動作中であることを確認すると、ステップ303へ移行する。
ステップ303においては、第1インバータ3の駆動周期を第2インバータ4の駆動周期の2倍に設定する。
ステップ303から移行したステップ304においては、設定された駆動周期で第1インバータ3が駆動されて、誘導加熱モードの加熱が開始される共に、第2インバータ4による非接触給電モードの給電が継続される(同時駆動モード)。
一方、ステップ302において、第2インバータ4が非接触給電モードで動作中でなければ、ステップ305へ移行して、第2インバータ4が低抵抗誘導加熱負荷IHxに対する低抵抗誘導加熱モードの動作中か否かが確認される。ステップ305において、第2インバータ4が低抵抗誘導加熱モードの動作中であることを確認すると、ステップ306へ移行する。
ステップ306においては、第1インバータ3の駆動周期を第2インバータ4の駆動周期の3倍に設定して、ステップ304に移行する。ステップ306から移行したステップ304においては、設定された駆動周期で第1インバータ3が駆動されて、誘導加熱モードの加熱が開始される共に、第2インバータ4による低抵抗誘導加熱モードの加熱が継続される(同時駆動モード)。
また、ステップ305において、第2インバータ4が低抵抗誘導加熱モードの動作中でなければ、ステップ307へ移行する。ステップ307においては、第1インバータ3の駆動周期を誘導加熱を行うために通常使用する所定の駆動周期に設定(例えば、駆動周期を44μsに設定)し、ステップ304に移行する。このときのステップ304においては、設定された駆動周期で第1インバータ3のみが駆動されて、誘導加熱が開始される(単独駆動モード)。
次に、第2コイル6に高周波電流を供給する第2インバータ4の駆動により負荷に対して誘導加熱モード/非接触給電モード/低抵抗誘導加熱モードのいずれかの動作モードを行う動作について説明する。図13および図14は、第2インバータ4の駆動による誘導加熱モード/非接触給電モード/低抵抗誘導加熱モードのいずれかの動作モードが選択されて動作するフローチャートを示している。
第2インバータ4に対して駆動開始が指示されると(ステップ401)、ステップ402において第2インバータ4の動作モードが確認される。即ち、第2インバータ4が負荷に対して非接触給電を行う動作モードかが確認される。
ステップ402において、第2インバータ4が負荷に対して非接触給電モードであれば、ステップ403へ移行する。ステップ403においては、第1インバータ3が非接触給電モードまたは低抵抗誘導加熱モードで動作中か否かが確認される。第1インバータ3が非接触給電モードまたは低抵抗誘導加熱モードで動作中であれば、第2インバータ4に対して非接触給電モードの駆動指示を受けており、同時に周波数制御が必要な動作モードを実行することができないため、第2インバータ4に対する駆動指示を拒否して、その旨をユーザに報知する(ステップ404)。
一方、ステップ403において第1インバータ3が非接触給電モードまたは低抵抗誘導加熱モードで動作中でなければ、ステップ405において第1インバータ3が誘導加熱モードで動作中か否かが確認される。第1インバータ3が誘導加熱モードで動作中であれば、第1インバータ3の駆動を停止する(ステップ406)。
次に、ステップ407において、第2インバータ4の駆動周期が選定される。この選定は、前述の図10に示したフローチャートにおけるステップ205における選定と同様の選定が行われる。
ステップ408においては、選定された駆動周期により第2インバータ4が駆動され、第2インバータ4による非接触給電が開始される。
ステップ409においては、第1インバータ3の駆動周期を第2インバータ4の駆動周期の2倍に設定する。
ステップ410においては、設定された駆動周期で第1インバータ3が駆動されて、第1インバータ3による誘導加熱が開始される。即ち、ステップ410においては、第1インバータ3が誘導加熱モードで動作し、第2インバータ4が非接触給電モードで動作する同時駆動モードが開始される。
また、ステップ405において第1インバータ3が誘導加熱モードで動作中でないと判定されたとき、ステップ411において第2インバータ4の駆動周期を選定して、ステップ412へ移行する。
ステップ412においては、選定された駆動周期で第2インバータ4の非接触給電モードが開始される。即ち、ステップ412においては、第2インバータ4のみが非接触給電モードで動作する単独駆動モードである。
一方、ステップ402において、第2インバータ4に対する駆動指示が非接触給電モードでなければ、ステップ413において第2インバータ4に対する駆動指示が低抵抗誘導加熱モードか否かが確認される。
図14に示すステップ414においては、第1インバータ3が非接触給電モードまたは低抵抗誘導加熱モードで動作中か否かが確認される。第1インバータ3が非接触給電モードまたは低抵抗誘導加熱モードで動作中であれば、第2インバータ4に対して低抵抗誘導加熱モードの駆動指示を受けており、同時に周波数制御が必要な動作モードを実行することができないため、第2インバータ4に対する駆動を拒否して、その旨をユーザに報知する(ステップ415)。
一方、ステップ414において第1インバータ3が非接触給電モードまたは低抵抗誘導加熱モードで動作中でなければ、ステップ416において第1インバータ3が誘導加熱モードで動作中か否かが確認される。第1インバータ3が誘導加熱モードで動作中であれば、第1インバータ3の駆動を停止する(ステップ417)。
次に、ステップ418において、第2インバータ4の駆動周期が選定される。ステップ419においては、選定された駆動周期により第2インバータ4が駆動され、第2インバータ4による低抵抗誘導加熱が開始される。
ステップ420においては、第1インバータ3の駆動周期を第2インバータ4の駆動周期の3倍に設定する。
ステップ421においては、設定された駆動周期で第1インバータ3が駆動されて、第1インバータ3による誘導加熱が開始される。即ち、ステップ421においては、第1インバータ3が誘導加熱モードで動作し、第2インバータ4が低抵抗誘導加熱モードで動作する同時駆動モードが開始される。
更に、ステップ416において第1インバータ3が誘導加熱モードで動作中でないと確認されたとき、ステップ422において第2インバータ4の駆動周期を選定して、ステップ423へ移行する。
ステップ423においては、選定された駆動周期で第2インバータ4の低抵抗誘導加熱モードが開始される。即ち、ステップ423においては、第2インバータ4のみが低抵抗誘導加熱モードで動作する単独駆動モードである。
また、図13に示すステップ413において、第2インバータ4に対する駆動指示が低抵抗誘導加熱モードではないと判定されると、ステップ424へ移行する。ステップ424においては、第2インバータ4の駆動周期を誘導加熱を行うために通常使用する所定の駆動周期に設定(例えば、駆動周期を44μsに設定)し、ステップ425に移行する。ステップ425においては、設定された駆動周期で第2インバータ4が駆動されて、誘導加熱が開始される。
実施の形態2の誘導加熱装置においては、第2コイル6上に対向して載置される負荷は、Q値が高く、第2インバータ4の駆動周波数を選定する必要があり、特定の駆動周期の高周波電流を供給する必要がある特定負荷(例えば、非接触給電負荷PS、または低抵抗誘導加熱負荷IHx等)である。このような特定負荷に対する出力電力の調整において、第2インバータ4の駆動周波数の制御を行った場合には、連動して第1インバータ3の駆動周波数が対応して制御される。第1インバータ3においては、第1コイル5上に対向して載置される誘導加熱負荷IHが、Q値が低く、設定された駆動周波数でデューティ比を変更して電力制御を行うことが可能である。
上記のように実施の形態2の誘導加熱装置においては、インバータの駆動周波数を選定する必要があり、特定の駆動周期の高周波電流を供給する必要がある特定負荷(例えば、非接触給電負荷PS、または低抵抗誘導加熱負荷IHx等)が一方のコイル上に載置された場合、載置された当該特定負荷に応じて適切な駆動周期を選定して駆動すると共に、同時に他方のコイル上に誘導加熱負荷が載置されているときには、一方のコイルにおいて選定された駆動周期に対応した駆動周期で他方のコイルに高周波電流が供給されるように構成されている。
従って、上記のような同時駆動モードにおいては、いずれのインバータに対しても電源側(整流コンデンサ側)からの電流経路が開路となる動作期間(図8の(c):動作期間C参照)が所定時間の間隔で生じるように駆動周期が設定されることになる。このように全てのインバータに対して電源側からの電流経路が同時に開路となる動作期間を有する駆動信号を形成して、電源側の整流コンデンサ11の電圧変化を検出することにより、誘導加熱装置による同時駆動モードにおける合算電力を検知することが可能となる。この合算電力の検知に関しては前述の実施の形態1において説明しているため、ここでは省略する。
また、上記の特定負荷(PS、IHx等)のための一方のインバータに対してのみ、電源側(整流コンデンサ側)からの電流経路が開路となる動作期間(図8の(d):動作期間D参照)から、誘導加熱負荷IHに誘導加熱するための他方のインバータに対してのみ、電源側(整流コンデンサ側)からの電流経路が開路となる動作期間(図8の(a):動作期間A参照)への移行するタイミングで電源側の整流コンデンサ11の電圧変化を検出することにより、特定負荷(PS、IHx等)が載置された一方のコイルに対して電源側から供給される電力を検知することが可能となる。
従って、実施の形態2の誘導加熱装置においては、同時駆動モードにおけるそれぞれのコイルに対する供給電力を検知することが可能となり、それぞれの負荷に対する精度の高いフィードバック制御を行うことができる。
以上のように、実施の形態2の誘導加熱装置は、同一の電源からの電力供給により複数のインバータを駆動する構成において、誘導加熱負荷IHに対する誘導加熱モード、および特定負荷(PS、IHx等)に対する動作モードを所望の駆動周期で動作させることにより、各インバータに対して高精度のフィードバック制御を行うことができる。
(実施の形態3)
以下、本開示に係る実施の形態3の誘導加熱装置について説明する。実施の形態3の誘導加熱装置は、実施の形態1の誘導加熱装置と実質的に同様の構成を有する。実施の形態3の誘導加熱装置における実施の形態1の誘導加熱装置との相違点は、コイル上に載置される特定負荷が特定の駆動周波数により動作する構成の場合である。例えば、一方のコイル上に載置される負荷が、例えば、鉄鍋等の誘導加熱負荷IHであり、他方の負荷が特定の駆動周波数で動作する特定負荷、例えば、36kHz前後の駆動周波数で稼働する非接触給電負荷PSである場合である。なお、実施の形態3の説明において、前述の実施の形態1と同様の作用、構成、および機能を有する要素には同じ参照符号を付し、重複する記載を避けるため説明を省略する場合がある。
実施の形態3の誘導加熱装置の構成において、例えば、一方の第1コイル5上に誘導加熱負荷IHが載置され、他方の第2コイル6上に特定負荷として、例えば、36kHz前後の駆動周波数で動作する非接触給電負荷PSが載置されて、同時駆動モードが実行されり場合について説明する。
前述の実施の形態1および実施の形態2において説明したように、同時駆動モードにおいては特定負荷の駆動周波数が36kHz前後に設定される場合には、第1コイル5に高周波電流を供給するために第1インバータ3には、2倍の駆動周期となる18kHz前後の駆動周波数が設定されることになる。しかしながら、一般に人間が聞こえる可聴周波数としては、約20Hz〜20kHzの範囲であるため、18kHz前後の駆動周波数が設定されると、人間にとって不快音となって聞こえてくる。
従って、実施の形態3の誘導加熱装置の構成においては、インバータ(3、4)の駆動周波数が可聴周波数帯域を除いた領域となるように設定されている。例えば、同時駆動モードにおいて、第2コイル6上に載置された特定負荷の駆動周波数が36kHzに設定されて、第1コイル5上に誘導加熱負荷IHが載置された場合には、第1コイル5に高周波電流を供給する第1インバータ3は、2/3倍の駆動周波数となる24kHzの駆動周波数が設定されることになる。なお、駆動周期としては、3/2倍となる。この結果、第1インバータ3は、20kHzを越える可聴周波数帯域から外れた周波数帯域の駆動周波数に設定され、ユーザにとって不快音が聞こえない構成となる。
実施の形態3の誘導加熱装置においても、前述の実施の形態2と同様に、インバータの駆動周波数を選定する必要がある特定負荷(例えば、非接触給電負荷PS、または低抵抗誘導加熱負荷IHx等)が一方のコイル上に載置された場合、載置された当該負荷に応じて適切な駆動周期を選定して駆動すると共に、同時に他方のコイル上に誘導加熱負荷が載置されているときには、一方のインバータに対して選定された駆動周波数に対応した駆動周波数が他方のインバータに設定される。但し、このとき設定される駆動周波数は、可聴周波数帯域を除いた領域となるように設定される。
また、実施の形態3の誘導加熱装置においても、前述の実施の形態1および実施の形態2の構成と同様に、同時駆動モードにおいては、それぞれのインバータの駆動周波数が設定されることにより、全てのインバータにおいて電源側からの電流経路が同時に開路となる動作期間が所定時間間隔で発生する駆動信号が形成されている。従って、電源側からの電流経路が同時に開路となる動作期間において、電源側の整流コンデンサ11の電圧変化を検出することにより、実施の形態3の誘導加熱装置による同時駆動モードにおける合算電力を検知することが可能となる。
更に、実施の形態3の誘導加熱装置においても、前述の実施の形態1および実施の形態2において説明したタイミングで整流コンデンサ11の電圧変化を検出することにより、一方のコイルに対して電源側から供給される電力を検知し、他方のコイルに対して電源側から供給される電力を算出している。
従って、実施の形態3の誘導加熱装置においては、同時駆動モードにおけるそれぞれのコイルに対する供給電力を検知することが可能となり、それぞれの負荷に対する精度の高いフィードバック制御を行うことができる。
以上のように、実施の形態3の誘導加熱装置は、同一の電源からの電力供給により複数のインバータを駆動する構成において、誘導加熱負荷IHに対する誘導加熱モード、および特定負荷(PS、IHx等)に対する動作モードを所望の駆動周期で動作させることにより、各インバータに対して高精度のフィードバック制御を行うことができる。
実施の形態3の誘導加熱装置においては、具体例として、36kHz前後の駆動周波数で動作する特定負荷が載置されて、誘導加熱負荷IHのための駆動周波数が、特定負荷のための駆動周波数に対して、例えば2/3倍の駆動周波数となる設定について説明したが、実施の形態3における駆動周波数に関する2/3倍の数値は、本開示の誘導加熱装置の構成を限定するものではなく、少なくとも、所定間隔毎に電源側からいずれのインバータに対しても電力が供給されない動作期間が同時に生じる駆動周波数に設定されていれば、同時駆動モードにおける合算電力の検知が可能となる。また、特定負荷のためのインバータに対してのみ、電源側(整流コンデンサ側)からの電流経路が閉路(オン)となる動作期間が存在していれば、特定負荷に対する電力を検知することが可能となる。
なお、上記の実施の形態の説明においては、誘導加熱負荷IHを加熱するためのインバータの駆動周波数としては1値(例えば、23kHz)であるとして説明したが、1値に特定されるものではない。例えば、駆動周波数が23kHzベースで誘導加熱される鍋、および30kHzベースで誘導加熱される鍋のように、2値の駆動周波数により誘導加熱される誘導加熱負荷IHが存在している。このため、例えば、一方のコイルにより非接触給電負荷PSに対して46kHzの駆動周波数で給電を行っている場合には、他方のコイルで同時に誘導加熱負荷IHを加熱する場合、当該誘導加熱負荷IHが23kHzベースで誘導加熱される鍋であれば、駆動周期は1:2の比率に設定される。一方、他方のコイルに載置された誘導加熱負荷IHが30kHzベースで誘導加熱される鍋であれば、駆動周期は2:3の比率に設定され、例えば駆動周波数としては45kHzの駆動周波数に対して30kHzの駆動周波数に各インバータの駆動信号が設定される。このように同時駆動モードにおいては、所定間隔毎に電源側からいずれのインバータに対しても電力が供給されない動作期間(蓄電動作期間)が同時に生じる駆動信号に設定され、各インバータに対して精度の高いフィードバック制御を行うことが可能となる。
また、本開示において、インバータの駆動周期の選定が必要な電動機器に対する駆動周期の選定タイミングは、上記実施の形態で説明した駆動周期選定動作を実行する駆動初期時のみでなく、同時駆動モード中に随時変化させてもよい。その場合、誘導加熱負荷IHを誘導加熱するインバータの駆動周期は、同時駆動モード初期時に設定された駆動周期の比率を維持するように、駆動周期の選定が必要な電動機器に対するインバータの駆動周期の変化と同時に変化させることにより、精度の高いフィードバック制御を維持することができる。
本開示においては、前述の各実施の形態において具体的に説明したように、同一の整流された電源からの電力供給により複数のインバータを駆動する誘導加熱装置において、駆動周波数が異なる各機器に対して、特にQ値が大きい機器に対しても所望の状態で効率高く動作させることが可能となる。従って、本開示の誘導加熱装置およびその駆動制御方法を用いることにより、各インバータに対してフィードバック制御を行ってインバータに対する精度の高い駆動制御を行うことができる。
本開示は、優れた商品価値を有し、信頼性および安全性の高い誘導加熱装置を提供するものであり、例えば誘導加熱と共に非接触給電を効率高く実行することが可能な誘導加熱装置を提供することができる。
1 交流電源
2 直流電源回路
3 第1インバータ
3a 高電位側スイッチ
3b 低電位側スイッチ
4 第2インバータ
4a 高電位側スイッチ
4b 低電位側スイッチ
5 第1コイル
6 第2コイル
7 第1共振コンデンサ
8 第2共振コンデンサ
9 ダイオードブリッジ
10 整流インダクタ
11 整流コンデンサ
12 入力電圧検出部
13 制御部
14 指示部
15 電力演算部
16 駆動信号発振部
19 受電コイル
IH 誘導加熱負荷
PS 非接触給電負荷
IHx 低抵抗誘導加熱負荷

Claims (24)

  1. 直流の電圧を出力する直流電源回路と、
    前記直流電源回路からの電力が供給される複数のインバータと、
    前記複数のインバータが駆動されて形成されたそれぞれの高周波電流が供給される複数のコイルと、
    前記複数のインバータの駆動による前記直流電源回路における電気信号の変化を検出して、前記複数のインバータに供給される電力を検知し、前記複数のインバータを駆動する駆動信号を制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、
    前記複数のインバータにおける一方のインバータを駆動する駆動信号を、他方のインバータを駆動する駆動信号に応じて駆動周期が連動するよう制御し、
    前記複数のインバータに対する前記直流電源回路からの電流経路が同時に開路となって、前記直流電源回路において蓄電状態となる蓄電動作期間が所定時間間隔を有して生じる駆動信号を形成し、
    前記蓄電動作期間における前記直流電源回路の電気信号の変化に基づいて前記複数のインバータに供給される合算電力を検知するように構成された、誘導加熱装置。
  2. 前記制御部は、前記複数のインバータを駆動する駆動信号における蓄電動作期間以外の動作期間における前記直流電源回路の電気信号の変化に基づいて、前記複数のインバータのそれぞれのインバータに供給される電力を前記合算電力から算出するように構成された、請求項1に記載の誘導加熱装置。
  3. 前記複数のインバータが第1インバータおよび第2インバータを備え、前記第1インバータからの高周波電流が前記複数のコイルの第1コイルに供給され、第2インバータからの高周波電流が前記複数のコイルの第2コイルに供給される構成を有し、
    前記制御部は、前記第1インバータと前記第2インバータとの同時駆動において、前記第1インバータの駆動周期が前記第2インバータの駆動周期のn倍または1/n倍(nは自然数)とするよう構成された、請求項1または2に記載の誘導加熱装置。
  4. 前記直流電源回路がインダクタとコンデンサを有するローパスフィルタを備え、
    前記ローパスフィルタの出力側に前記第1インバータと前記第2インバータが並列に接続されており、
    前記制御部は、
    前記第1インバータに対する前記コンデンサからの電流経路が開路となる期間と、前記第2インバータに対する前記コンデンサからの電流経路が開路となる期間とが重複した蓄電動作期間において、前記コンデンサの両端電圧を時間差を有して2回検出し、2回の検出結果に基づいて、前記直流電源回路から前記第1インバータと前記第2インバータに供給される合算電力を算出するよう構成された、請求項3に記載の誘導加熱装置。
  5. 駆動周波数を選定する必要のない負荷が前記第1インバータにより駆動され、駆動周波数を選定する必要のある負荷が前記第2インバータにより駆動される状態において、
    前記制御部は、
    前記第2インバータに対する前記コンデンサからの電流経路が閉路から開路となるタイミングにおいて、前記コンデンサの両端電圧を検出して、前記第2インバータに供給される電力を算出するよう構成された、請求項4に記載の誘導加熱装置。
  6. 前記制御部は、
    前記第2インバータに供給される電力の算出結果、および前記複数のインバータに供給される合算電力に基づいて、前記第1インバータに供給される電力を算出するよう構成された、請求項5に記載の誘導加熱装置。
  7. 直流の電圧を出力する直流電源回路と、
    前記直流電源回路からの電力が供給される複数のインバータと、
    前記複数のインバータが駆動されて形成されたそれぞれの高周波電流が供給される複数のコイルと、
    前記複数のインバータの駆動による前記直流電源回路における電気信号の変化を検出して、前記複数のインバータに供給される電力を検知し、前記複数のインバータを駆動する駆動信号を制御する制御部と、を備えた誘導加熱装置の駆動制御方法であって、
    前記複数のインバータにおける一方のインバータを駆動する駆動信号が、他方のインバータを駆動する駆動信号に応じて駆動周期を連動させ、
    前記複数のインバータに対する前記直流電源回路からの電流経路が同時に開路となって、前記直流電源回路において蓄電状態となる蓄電動作期間が所定時間間隔を有して生じる駆動信号を形成する、および
    前記蓄電動作期間における前記直流電源回路の電気信号の変化に基づいて前記複数のインバータに供給される合算電力を検知する、ステップを有する、誘導加熱装置の駆動制御方法。
  8. 前記複数のインバータを駆動する駆動信号における蓄電動作期間以外の動作期間における前記直流電源回路の電気信号の変化に基づいて、前記複数のインバータのそれぞれのインバータに供給される電力を前記合算電力から算出する、ステップを含む、請求項7に記載の誘導加熱装置の駆動制御方法。
  9. 前記複数のインバータが第1インバータおよび第2インバータを備え、前記第1インバータからの高周波電流が前記複数のコイルの第1コイルに供給され、第2インバータからの高周波電流が前記複数のコイルの第2コイルに供給される構成を有する誘導加熱装置の駆動制御方法であり、
    前記第1インバータと前記第2インバータとの同時駆動において、前記第1インバータの駆動周期が前記第2インバータの駆動周期のn倍または1/n倍(nは自然数)とする、ステップを含む、請求項7または8に記載の誘導加熱装置の駆動制御方法。
  10. 前記直流電源回路がインダクタとコンデンサを有するローパスフィルタを備えて、前記ローパスフィルタの出力側に前記第1インバータと前記第2インバータが並列に接続された誘導加熱装置の駆動制御方法であって、
    前記第1インバータに対する前記コンデンサからの電流経路が開路となる期間と、前記第2インバータに対する前記コンデンサからの電流経路が開路となる期間とが重複した蓄電動作期間において、前記コンデンサの両端電圧を時間差を有して2回検出し、2回の検出結果に基づいて、前記直流電源回路から前記第1インバータと前記第2インバータに供給される合算電力を算出する、ステップを含む、請求項9に記載の誘導加熱装置の駆動制御方法。
  11. 駆動周波数を選定する必要のない負荷が前記第1インバータにより駆動され、駆動周波数を選定する必要のある負荷が前記第2インバータにより駆動される状態において、
    前記第2インバータに対する前記コンデンサからの電流経路が閉路から開路となるタイミングにおいて、前記コンデンサの両端電圧を検出して、前記第2インバータに供給される電力を算出する、ステップを含む、請求項10に記載の誘導加熱装置の駆動制御方法。
  12. 前記第2インバータに供給される電力の算出結果、および前記複数のインバータに供給される合算電力に基づいて、前記第1インバータに供給される電力を算出する、ステップを含む、請求項11に記載の誘導加熱装置の駆動制御方法。
  13. 直流の電圧を出力する直流電源回路と、
    前記直流電源回路からの電力が供給され、第1高周波電流を形成する第1インバータと、
    前記直流電源回路からの電力が供給され、第2高周波電流を形成する第2インバータと、
    前記第1インバータから第1高周波電流が供給されることによって第1高周波磁場を発生する第1コイルと、
    前記第2インバータから第2高周波電流が供給されることによって第2高周波磁場を発生する第2コイルと、
    前記第1インバータおよび前記第2インバータを駆動制御する駆動信号を出力する制御部と、を備えた誘導加熱装置の駆動制御方法であって、
    前記第1インバータおよび前記第2インバータの駆動により前記直流電源回路において変化する電気信号を検出し、
    前記第1インバータと前記第2インバータが前記制御部により同時に駆動制御されるとき、前記第1インバータの駆動周期が前記第2インバータの駆動周期のn倍または1/n倍(nは自然数)に設定され、
    前記第1インバータおよび前記第2インバータに対する前記直流電源回路からの電流経路が同時に開路となる駆動信号の特定の期間において検出された前記電気信号に基づいて、前記第1インバータに供給される電力と前記第2インバータに供給される電力の合算値を算出する、ステップを有する誘導加熱装置の駆動制御方法。
  14. 前記第1インバータを単独で駆動するときの前記第1インバータの駆動周期と、前記第1インバータと前記第2インバータを同時に駆動するときの前記第1インバータの駆動周期が異なる、請求項13に記載の誘導加熱装置の駆動制御方法。
  15. 前記第1インバータが単独で駆動中において、前記第2インバータの駆動を開始するとき、前記第2インバータの駆動周期に基づいて、前記第1インバータの駆動周期を、前記第1インバータを単独で駆動していたときの駆動周期から変更する、請求項13または14に記載の誘導加熱装置の駆動制御方法。
  16. 前記第1インバータが単独で駆動中において、前記第2インバータの駆動を開始するとき、前記第1インバータの駆動を一時的に停止する、請求項13から15のいずれか一項に記載の誘導加熱装置の駆動制御方法。
  17. 前記第1インバータが単独で誘導加熱モードで動作中において、前記第2インバータの駆動を開始する場合、前記第2インバータに対して通常より低い電流の駆動信号による掃引を行う駆動周期選定動作を実行して、前記第2インバータの駆動周期を選定するとき、前記第1インバータの駆動を一時的に停止する、請求項16に記載の誘導加熱装置の駆動制御方法。
  18. 前記第2インバータの駆動周期が選定され、前記第2インバータの駆動が開始されたとき、前記第1インバータの駆動を再開する、請求項17に記載の誘導加熱装置の駆動制御方法。
  19. 前記第1インバータと前記第2インバータが同時に動作中において、前記第2インバータの駆動を停止したとき、前記第1インバータの駆動周期を前記第1インバータが単独で駆動するときの駆動周期に変更する、請求項13から18のいずれか一項に記載の誘導加熱装置の駆動制御方法。
  20. 前記第2インバータの駆動により前記第2コイルで発生する前記第2高周波磁場で非接触給電負荷に給電する、または低抵抗誘導加熱負荷を加熱する、請求項13から19のいずれか一項に記載の誘導加熱装置の駆動制御方法。
  21. 前記第2インバータを非接触給電モードで動作させるか、誘導加熱モードで動作させるかを選択する、ステップを更に含み、
    非接触給電モードが選択されたときは、前記第1インバータを単独で駆動するときの前記第1インバータの駆動周期と、前記第1インバータと前記第2インバータを同時に駆動するときの前記第1インバータの駆動周期が異なる、請求項13から20のいずれか一項に記載の誘導加熱装置の駆動制御方法。
  22. 前記直流電源回路がインダクタとコンデンサで構成されるローパスフィルタを備えて、前記ローパスフィルタの出力側に前記第1インバータと前記第2インバータが並列に接続された誘導加熱装置の駆動制御方法であって、
    前記コンデンサに印加される電圧を検出し、
    前記第1インバータに対する前記コンデンサからの電流経路が開路となる期間と、前記第2インバータに対する前記コンデンサからの電流経路が開路となる期間とが重複した蓄電動作期間において、前記コンデンサの両端電圧を時間差を有して2回検出し、2回の検出結果に基づいて、前記直流電源回路から前記第1インバータと前記第2インバータに供給される合算電力を算出する、ステップを含む、請求項13から21のいずれか一項に記載の誘導加熱装置の駆動制御方法。
  23. 駆動周波数を選定する必要のない負荷が前記第1インバータにより駆動され、駆動周波数を選定する必要のある負荷が前記第2インバータにより駆動される状態において、
    前記第1インバータに対する前記コンデンサからの電流経路が開路から閉路となるタイミングであり、且つ、前記第2インバータに対する前記コンデンサからの電流経路が閉路から開路となるタイミングにおいて、前記コンデンサの両端電圧を検出して、前記第2インバータに供給される電力を算出する、ステップを含む、請求項22に記載の誘導加熱装置の駆動制御方法。
  24. 前記第2インバータに供給される電力の算出結果、および前記複数のインバータに供給される合算電力に基づいて、前記第1インバータに供給される電力を算出する、ステップを含む、請求項22に記載の誘導加熱装置の駆動制御方法。
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