JP2006129708A - 小魚等の殺菌洗浄方法及びその装置 - Google Patents

小魚等の殺菌洗浄方法及びその装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2006129708A
JP2006129708A JP2004318863A JP2004318863A JP2006129708A JP 2006129708 A JP2006129708 A JP 2006129708A JP 2004318863 A JP2004318863 A JP 2004318863A JP 2004318863 A JP2004318863 A JP 2004318863A JP 2006129708 A JP2006129708 A JP 2006129708A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
raw
fish
small fish
sterilizing
cleaning
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004318863A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4747357B2 (ja
Inventor
Takeshi Kawakubo
武志 川久保
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KAWAKUBO SEISAKUSHO KK
Original Assignee
KAWAKUBO SEISAKUSHO KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by KAWAKUBO SEISAKUSHO KK filed Critical KAWAKUBO SEISAKUSHO KK
Priority to JP2004318863A priority Critical patent/JP4747357B2/ja
Publication of JP2006129708A publication Critical patent/JP2006129708A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4747357B2 publication Critical patent/JP4747357B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Processing Of Meat And Fish (AREA)
  • Meat, Egg Or Seafood Products (AREA)

Abstract

【課題】煮沸加工前に殺菌剤噴霧ノズルを使用して殺菌剤の使用量を把握しながら原料小魚を殺菌洗浄処理することにより、該殺菌剤の過不足をなくして殺菌効果を常時適正に維持し、かつ、殺菌剤の噴霧後に原料小魚を加熱処理して殺菌剤の酸化分解を効率良く促進させることによって製品中に殺菌剤が全く残留せず、製品の品質を高めるとともに排水による自然環境を害さない小魚等の殺菌洗浄方法及びその装置を提供することを目的とする。
【解決手段】原料小魚を煮沸加工する方法において、煮沸加工前に、原料小魚の殺菌に必要とする分量の殺菌剤を殺菌剤噴霧ノズル6から原料小魚上に噴霧した後、加熱ヒータを用いて原料小魚を加熱処理することにより、殺菌剤の酸化分解を促進する小魚等の殺菌洗浄方法と装置を基本としている。
【選択図】図2

Description

本発明はカエリ,シラス,イリコ,チリメンジャコ等の原料小魚をシラス干し等の食用或いはダシ取り用の製品として煮沸,乾燥する加工方法及び装置において、煮沸加工前に殺菌剤を使用して原料小魚を効果的に殺菌洗浄処理するとともに、殺菌剤の酸化分解を効率良く促進させることにより、製品中に殺菌剤が全く残留せず、製品の品質を高めるとともに排水による自然環境を害さない小魚等の殺菌洗浄方法及びその装置に関するものである。
従来から知られている小魚等の煮沸加工を工程別に説明すると、原料の供給工程、洗浄装置への移送工程、洗浄工程、煮沸釜への移送工程、煮沸工程、乾燥工程及び製品梱包工程とからなる。原料としての小魚は原料槽からバケット等を利用した移送機構を介して洗浄装置に送り込まれ、水パイプからの放水によって小魚に万遍なく注水されて十分な洗浄が行われてから煮沸釜に供給されて所定の温度及び時間で煮沸された後に乾燥加工が行われて製品として完成する。
具体的な煮沸加工装置として、並列して設けた煮沸釜内にスクリューフィーダを通し、該スクリューフィーダの下方に熱交換用の配管を長手方向に沿って収納し、煮沸釜内に煮汁を入れて加熱沸騰させてから原料としての小魚をコンベアを介して煮沸釜内に投入して一定時間の煮沸を行い、他のコンベアにより上昇させながら汁を切り、送風機により空冷用エアを吹き付けてから受箱に収納する。スクリューフィーダを除去して単に水流だけで原料を煮沸しながら搬送する装置例も知られている。
特許文献1には、搬送される原料中の雑菌を効率よく減菌するため、原料を連続的に移送するベルトコンベアへ向けてエタノールを噴射する噴射ノズルを設け、煮沸工程後にコンベア上を搬送される原料にエタノールの微粒子を接触させて減菌するようにした装置例が記載されている。
本願出願人は先に特許文献2により、原料小魚を前洗浄タンクで洗浄してから洗浄済み原料供給コンベアにより殺菌水路内に流入させ、殺菌水循環タンク内に貯留された殺菌水を殺菌水循環ポンプの駆動によって殺菌水循環路内を循環させて原料小魚の殺菌を行ってから漂白洗浄装置内のコンベア上に放出し、洗浄ノズルから洗浄水を放散して漂白洗浄処理する小魚等の殺菌洗浄方法と装置を提案した。更に特許文献3により、原料小魚の煮沸加工前に、殺菌に必要とする分量の殺菌剤を殺菌剤噴霧ノズルから原料小魚上に噴射して殺菌処理する小魚等の殺菌洗浄方法と装置を提案した。
特許文献2によれば、煮沸工程の前工程として原料小魚を殺菌剤を使用して殺菌洗浄処理することによって次段の煮沸工程で煮汁の中に殺菌剤を添加しなくてもよく、海水に含まれている食中毒の原因となる細菌が死滅し、安全で外観の良いシラス干しその他の小魚等の製品が得られる。特許文献3によれば、煮沸加工の前工程として殺菌剤貯蔵タンクから送り出す殺菌剤の量を任意に調節して使用量を把握しながら原料小魚を殺菌洗浄処理することにより、殺菌剤の過不足なく適正な殺菌処理が可能となるとともに殺菌剤が魚体中に浸入することが防止されて製品中にも殺菌剤が残留せず、変色を防止して色艶を高め、製品の品質を高めることができる。
特開2001−252010号公報 特願2003−279305号 特願2004−141295号
海水中には魚介類介在性の細菌、例えば腸炎ビブリオのように食中毒の原因になる細菌が含まれているため、原料小魚を殺菌処理することが不可欠である。従来の殺菌方法として煮沸用煮汁の中に殺菌剤を投入し、煮沸工程で原料小魚に煮汁成分及び塩分を浸み込ませて味付けを行うとともに海水に含まれている菌とか環境の悪化による加工場周辺の雑菌、更には海洋汚染により原料の魚体に付着しているヌメリを殺菌除去している。しかしながら煮沸工程で煮汁に溶出する雑菌とかヌメリがアクとなり、煮汁が短時間で汚れてしまうとともに煮沸後の原料小魚にアクとか汚れが付着しやすく、魚体の色と艶が失われて製品の品質低下を招いてしまうという課題がある外、原料小魚が煮える際に煮汁とともに過酸化水素が魚体中に浸入し、仕上がった製品中にも過酸化水素が残留してしまうという問題がある。煮沸後に洗浄しても魚体中に浸入した過酸化水素を完全に除去することは困難である上、洗浄によって製品がささくれたり薄いピンク色に変色して色艶が劣化するという問題も発生する。
例えば従来は約1000リットルの煮汁中に200cc〜300ccの過酸化水素を添加しているが、煮沸工程終了後の製品中には国の基準値である0.5ppmを遙かに超えた数十ppmの過酸化水素が残留している。
また、前記特許文献1に記載されたように、原料を連続的に移送するベルトコンベアへ向けてエタノールを噴射して減菌する方法は、余分な設備費と薬剤費を必要とするとともに噴射ノズルの操作等の複雑な制御手段を必要とするので、コスト面から考慮しても実効性がない手段である。
特許文献2に記載された方法によれば、煮沸工程の前工程として原料小魚を殺菌剤を使用して殺菌洗浄処理することにより、次段の煮沸工程で煮汁の中に殺菌剤を添加しなくてもよいため、原料小魚が煮える際に煮汁とともに殺菌剤が魚体中に浸入する惧れがなくなり、安全で外観の良いシラス干しその他の小魚等の製品が得られる。しかしながら、一方においては、殺菌水路で殺菌された原料が殺菌剤除去工程に送られ、殺菌剤は殺菌タンクに回収されて循環する構成であるため、原料小魚に大量の殺菌剤が付着して除去工程に送られることから回収される殺菌剤の量が少なく、殺菌タンクに殺菌剤を度々追加しながら大量の殺菌剤を使用しなければならず、また殺菌剤を繰り返して使用することで殺菌効果が徐々に低下してしまい、長時間の殺菌作業が出来ないという問題が残っている。
特許文献3によれば、煮沸加工の前工程として殺菌剤貯蔵タンクから送り出す殺菌剤の量を任意に調節して使用量を把握しながら原料小魚を殺菌洗浄処理することにより、殺菌剤の過不足なく適正な殺菌処理が可能となるとともに殺菌剤が魚体中に浸入することを防止することができるが、一連の作業を任意の速度で搬送しているベルトコンベア上で行っているため、短時間で確実な殺菌漂白作業を行う場合には殺菌剤の濃度を高める必要があり、この殺菌剤を完全に除去することが難しいという課題がある。
従来から一般に原料小魚を煮沸,乾燥する加工工程では、煮汁に殺菌剤を直接投入して使用する方法が通例であるが、近年では食の安全、安心という見地から殺菌剤の使用が制限されており、地球規模の海洋、環境汚染に伴い加工場周辺の環境も悪化している。特に夏期には夏漁により大量の漁獲があるが、台風等の影響で汚染された河川から大量の大腸菌が海洋に流れ込むのと同時に海が荒れるため、普段海底にしか繁殖していない有害なピロリ菌が生じて多くの魚介類に介在付着する。このように近年の環境汚染に由来すると思われる病原菌、ウイルス、細菌が食品から検出される社会において古来から知られている煮汁による煮沸加工では食の安全、安心が十分であるとはいえない。
そこで本発明はこのような従来の小魚等の殺菌洗浄方法及び装置が有している課題を解消して、煮沸加工前に殺菌剤噴霧ノズルを使用して殺菌剤の使用量を把握しながら原料小魚を殺菌洗浄処理することにより、該殺菌剤の過不足をなくして殺菌効果を常時適正に維持し、かつ、殺菌剤の噴霧後に原料小魚を加熱処理して殺菌剤の酸化分解を効率良く促進させることによって製品中に殺菌剤が全く残留せず、製品の品質を高めるとともに排水による自然環境を害さない小魚等の殺菌洗浄方法及びその装置を提供することを目的とするものである。
本発明は上記目的を達成するために、原料小魚を煮沸加工する方法において、煮沸加工前に、原料小魚の殺菌に必要とする分量の殺菌剤を殺菌剤噴霧ノズルから原料小魚上に噴霧した後、該原料小魚を加熱処理して殺菌剤の酸化分解を促進する小魚等の殺菌洗浄方法と装置を基本として提供する。具体的には原料小魚の煮沸加工前に、原料小魚の殺菌に必要とする分量の殺菌剤を殺菌剤噴霧ノズルから原料小魚上に圧縮空気の作用によって空気と混合して噴霧した後、加熱ヒータを用いて該原料小魚を加熱処理して殺菌剤の酸化分解を促進し、殺菌処理を行ってから一定時間を経過した後、原料小魚を撹拌しながら洗浄ノズルから洗浄水を放散する。
原料小魚の加熱処理時の温度範囲は、冬期で60℃〜80℃、夏期で50℃±10℃とする。殺菌剤として過酸化水素,次亜塩素酸ソーダ又は高度サラシ粉から選択したいずれか一種又は複数を用いる。装置例としては原料小魚を煮沸装置まで移送する搬送コンベアと、該搬送コンベア上に配置されて原料小魚の殺菌に必要とする分量の殺菌剤を噴霧する殺菌剤噴霧ノズルと、原料小魚を加熱処理する加熱ヒータと、原料小魚に洗浄水を放散する洗浄ノズルとを備えている。
本発明にかかる小魚等の殺菌洗浄方法及びその装置によれば、煮沸加工前に殺菌剤噴霧ノズルを使用して殺菌剤の使用量を把握しながら原料小魚を殺菌処理することによって殺菌剤の過不足をなくして殺菌効果を常時適正に維持することが可能であり、更に殺菌剤の噴霧後に原料小魚を加熱処理して殺菌剤の酸化分解を促進することにより、殺菌剤の酸化分解が効率良く促進されて製品中に殺菌剤が全く残留せず、長時間に亘って適正な殺菌作業を継続することを可能として製品の品質を高めるとともに排水による自然環境を害さないという効果が得られる。特に適正な殺菌処理により、海水に含まれている腸炎ビブリオとか大腸菌のように食中毒の原因となる細菌が死滅し、安全で外観の良いシラス干しその他の小魚等の製品を得ることができる。また、殺菌後の原料小魚の撹拌洗浄時にも加熱処理することにより殺菌剤の酸化分解効果をより高めることができる。
更に煮沸加工時に殺菌剤を使用しないことにより、原料小魚が煮える際に煮汁とともに過酸化水素が魚体中に浸入することがなくなり、仕上がった製品中に過酸化水素が残留する惧れは生じない。また、煮汁に溶出する雑菌とかヌメリがアクとなって煮汁が短時間で汚れてしまうことが防止され、煮沸後の原料小魚にアクとか汚れが付着することをなくすとともに過度な洗浄に起因する製品のささくれとか変色が防止されて色艶が向上し、製品の品質を高めることができる。
以下図面に基づいて本発明にかかる小魚等の殺菌洗浄方法及びその装置の最良の実施形態を説明する。本発明は原料小魚を煮沸加工する方法において、煮沸加工前に原料小魚の殺菌に必要とする分量の殺菌剤を殺菌剤噴霧ノズルから原料小魚上に噴霧した後、該原料小魚を加熱処理することにより殺菌剤の酸化分解を促進する殺菌洗浄方法を基本手段としている。
図1は本発明の基本的工程の概略を説明するためのフロー図であり、先ずステップ1で原料小魚を用意し、ステップ2で洗浄水により原料小魚を下洗浄して海水等の汚れを除いてからステップ3で洗浄水を除去する。次にステップ4で原料小魚に対して殺菌剤を噴霧することによりステップ5で殺菌処理が行われる。次にステップ6で原料小魚を加熱処理することにより殺菌剤の酸化分解を促進してからステップ7で殺菌剤を洗浄除去する。次にステップ8で原料小魚を煮沸し、ステップ9で釜揚げ及び製品取り出ししてからステップ10で乾燥処理を行い、ステップ11で製品の箱詰めを行ってステップ12で出荷に供する。なお、ステップ4で殺菌剤を噴霧してからステップ7で殺菌剤を洗浄除去するまでは一定時間、具体的には数十秒〜数分間程度を経過させて通過するようにした方が殺菌処理が確実に行われるため、適当である。
図2は本発明の基本構成である殺菌洗浄方法を取り入れた小魚等の殺菌洗浄装置の平面図、図3は同正面図であり、先ず主要な構成要素を説明すると、1は原料タンク、1aは第1洗浄装置、2は第1バケットコンベア、2aはバケット、3は下洗浄タンク、3aはシュート、4は第1搬送コンベア、5は洗浄水吸引除去機構、6は殺菌剤噴霧ノズル、8は殺菌剤貯蔵タンク、8aは該殺菌剤貯蔵タンク8へのエア供給口、9は殺菌剤タンク供給部、9aは密閉バルブである。殺菌剤噴霧ノズル6は空気を混合して噴霧する構成のものが適当である。
10は第1搬送コンベア4の端部上方に配備されたブロワ、10aは第1加熱ヒータ、11は第2洗浄装置、12はバケット、12aは第2バケットコンベア、13はシュート、14は第2加熱ヒータ、15は洗浄ノズル、16は最終洗浄タンク、17は第2搬送コンベア、18は第3加熱ヒータ、19は撹拌丸棒、20は洗浄ノズルである。一方の洗浄ノズル15は、洗浄水に空気を混合して放散する構成のものが適当であり、他方の洗浄ノズル20は、温水シャワーを用いるのが好ましい。なお、第1バケットコンベア2と第2バケットコンベア12a及び第1搬送コンベア4,第2搬送コンベア17を稼働するための駆動モータの図示は省略されている。殺菌剤貯蔵タンク8及び殺菌剤が流通する配管を構成する部材として、FRP,ガラス,フッ素樹脂のコーティング等の酸化防止材料を用いる。
かかる構成による小魚等の殺菌洗浄装置の基本的動作態様は以下の通りである。先ず原料タンク1内に投入された原料小魚は第1洗浄装置1aにより表面の汚れとか異物が落とされてから駆動モータの起動に伴って第1バケットコンベア2とバケット2aにより上方に搬送されて下洗浄タンク3内に入り、原料に付着している海水等の汚れが流水により除去洗浄される。次に原料小魚はシュート3aから第1搬送コンベア4上に投入される。原料小魚に付着している洗浄水と第1搬送コンベア4に付着している水は洗浄水吸引除去機構5から図外の吸引ブロアを利用して吸引除去される。
殺菌剤貯蔵タンク8内には、予め殺菌剤としての過酸化水素を水で希釈した殺菌水が貯蔵されていて、上記の動作と同時に図外のコンプレッサからエア供給口8aに圧縮空気を送り込むことにより、殺菌剤貯蔵タンク8内に貯蔵されている殺菌剤が配管を介して第1搬送コンベア4上に配置された殺菌剤噴霧ノズル6から原料小魚上に空気と混合されて噴霧され、酸化作用により殺菌処理が行われる。殺菌剤は殺菌剤タンク供給部9により常時供給されており、殺菌剤の噴射停止は密閉バルブ9aの開閉操作により実施される。
上記の動作時にコンプレッサからエア供給口8aに送り込む圧縮空気の圧力を調整することにより、殺菌剤貯蔵タンク8より送り出す殺菌剤の量を任意に調節することが可能であり、殺菌剤貯蔵タンク8にかける圧力と殺菌剤噴霧ノズル6の選定により、殺菌剤の使用量を把握して該殺菌剤の過不足をなくすことができる。
次に殺菌剤が噴霧された原料小魚は第1搬送コンベア4上を移送されて第2洗浄装置11内に入り、ブロワ10の駆動とともに第1加熱ヒータ10aにより原料小魚が加温されることにより、殺菌剤として用いた過酸化水素の酸素と水への分解を促進するとともに、分解時の酸化による強烈な殺菌作用によって原料小魚の殺菌・漂白効果を高める作用をもたらす。
加温時の温度範囲は、冬期では60℃〜80℃、夏期では50℃±10℃で行うのがよい。温度が上記範囲よりも低すぎると過酸化水素の酸化分解が十分に行われず、温度が上記範囲よりも高すぎると過酸化水素の分解速度が漂白速度に較べて速くなりすぎて、原料小魚の漂白効果が低下することがある。
殺菌剤である過酸化水素は有機過酸化物特有の自己促進分解の特性を持っており、加熱初期にわずかでも分解が起こると、分解熱が発生してその熱により分解が促進され、更に熱分解によりますます分解が促進されて比較的短時間に急激な分解に達する特性がある。この熱分解時に起こる酸化により原料小魚の殺菌作用が高められる。
しかし原料小魚を過度に加熱すると小魚の鮮度が低下する惧れがあり、特に過度の熱とともに原料小魚の魚体に殺菌剤である過酸化水素が染みこんでしまうので、過度の加熱は避ける必要がある。製造時間及び原料の鮮度を考慮して加熱時間は10分以内とすることが好ましい結果が得られる。
次に駆動モータの起動に伴って原料小魚は第2バケットコンベア12aとバケット12により搬送されて最終洗浄タンク16内に入り、洗浄ノズル15から洗浄水を散水するとともに第2加熱ヒータ14を稼働することにより原料小魚が再度加温され、殺菌剤として用いた過酸化水素の酸素と水への分解が促進されるとともに酸化による殺菌作用によって原料小魚の殺菌・漂白効果が高められ、第2搬送コンベア17上に移送される。
第2搬送コンベア17上を原料小魚が移送される間に第3加熱ヒータ18を稼働することにより原料小魚が再再度加温され、過酸化水素の酸素と水への分解が完全に終了する。この時の酸化による殺菌作用によって原料小魚の殺菌・漂白効果が一層高められる。
次に殺菌漂白処理された原料小魚は撹拌丸棒19の撹拌作用とともに洗浄ノズル20から温水シャワーが噴射されることにより完全な洗浄が行われる。図4は撹拌丸棒19による原料小魚の撹拌状態を示す概要図であり、原料小魚30が多数本の撹拌丸棒19の間を通過する際に該撹拌丸棒19に接触して迂回する経路を取ることによって撹拌され、洗浄ノズル20からの温水シャワーによる洗浄効果が高められる。洗浄が終了した原料小魚は第2搬送コンベア17の端部から次段の煮沸装置内に供給されて煮沸処理される。なお、洗浄効果を高めるため、第2搬送コンベア17の速度調整によって洗浄時に数十秒〜数分間の時間が経過するように設定することが必要である。
殺菌剤としては、前記過酸化水素以外に次亜塩素酸ソーダもしくは高度サラシ粉が使用可能であるが、過酸化水素は殺菌作用とともに漂白作用を有しているので、原料小魚の殺菌剤として用いた場合に他の殺菌剤よりも有用である。
殺菌剤を殺菌剤貯蔵タンク8に供給する手段として、密閉バルブ9aにボールバルブ等の開閉が容易な部材を用いており、殺菌剤貯蔵タンク8に殺菌剤を供給するときは密閉バルブ9aを開けて殺菌剤を供給し、該密閉バルブ9aを閉めることによって殺菌剤貯蔵タンク8を完全に密閉することができる。殺菌剤として用いた過酸化水素はその特性から酸素と接触することにより自然に酸化分解されるという特性がある。上記実施例のように殺菌剤が付着した原料にブロア及び加熱ヒータを用いて強制的に加熱処理することにより、殺菌剤である過酸化水素の酸化分解が促進される。
上記により殺菌処理の終了した原料小魚は、次段の煮沸装置の煮汁を用いて煮沸処理され、原料小魚に煮汁成分及び塩分を浸み込ませて味付けが行われる。煮沸装置自体の構成と作用は従前と大きく異なっておらず、本願発明の要旨ではないので詳細な図示は省略する。煮沸装置の工程を簡単に説明すると、この煮沸装置は煮沸釜が並列に配置されたスクリューフィーダ槽と水流槽とから構成されており、スクリューフィーダ槽は熱交換用の配管が長手方向に沿って配備され、水流槽はU字状に迂回する水路により構成されている。そしてスクリューフィーダ槽と水流槽内に煮汁を入れて熱交換用の配管を用いて加熱沸騰させてから循環用の水ポンプを起動し、スクリューフィーダ槽内に投入された殺菌処理済みの原料小魚が煮沸されながら搬送され、水流槽に流入する。この水流槽ではU字状に迂回する水路に沿って原料小魚が搬送され、製品釜上げコンベアに達し、以下乾燥工程を経て製品が完成する。
以上詳細に説明したように、本発明によれば原料小魚をシラス干し等の食用或いはダシ取り用の製品として煮沸,乾燥する加工方法及び装置における煮沸加工の前工程として、殺菌剤貯蔵タンクから送り出す殺菌剤の量を任意に調節して該殺菌剤の使用量を把握しながら殺菌剤噴霧ノズルを使用して原料小魚を殺菌洗浄処理しているので、殺菌剤の過不足なく適正な殺菌処理が可能であり、殺菌剤の噴霧後に加熱処理して殺菌剤の酸化分解を促進することにより、殺菌剤の酸化分解が効率良く促進されて製品中に殺菌剤が全く残留せず、長時間に亘って適正な殺菌作業を継続することを可能として製品の品質を高めるとともに排水による自然環境を害さないという効果が得られ、次段の煮沸加工時で原料小魚が煮える際に殺菌剤が魚体中に浸入することがない上、製品中にも殺菌剤が残留せず、変色が防止されて色艶が向上して製品の品質を高めることができる。原料小魚として、カエリ,シラス,イリコ,チリメンジャコ等の外、カタクチイワシ,マイワシ等の煮干加工製品にも適用することができる。
本発明の基本的工程の概略を説明するためのフロー図。 本発明にかかる殺菌洗浄装置の平面図。 図2の正面図。 原料小魚の撹拌状態を示す概要図。
符号の説明
1…原料タンク
1a…第1洗浄装置
2…第1バケットコンベア
3…下洗浄タンク
4…第1搬送コンベア
5…洗浄水吸引除去機構
6…殺菌剤噴霧ノズル
8…殺菌剤貯蔵タンク
8a…エア供給口
9…殺菌剤タンク供給部
9a…密閉バルブ
10…ブロワ
10a…第1加熱ヒータ
11…第2洗浄装置
12a…第2バケットコンベア
14…第2加熱ヒータ
15,20…洗浄ノズル
16…最終洗浄タンク
17…第2搬送コンベア
18…第3加熱ヒータ
19…撹拌丸棒

Claims (6)

  1. 原料小魚を煮沸加工する方法において、煮沸加工前に、原料小魚の殺菌に必要とする分量の殺菌剤を殺菌剤噴霧ノズルから原料小魚上に噴霧した後、該原料小魚を加熱処理して殺菌剤の酸化分解を促進することを特徴とする小魚等の殺菌洗浄方法。
  2. 原料小魚を煮沸加工する方法において、煮沸加工前に、原料小魚の殺菌に必要とする分量の殺菌剤を殺菌剤噴霧ノズルから原料小魚上に圧縮空気の作用によって空気と混合して噴霧した後、加熱ヒータを用いて該原料小魚を加熱処理して殺菌剤の酸化分解を促進することを特徴とする小魚等の殺菌洗浄方法。
  3. 原料小魚の加熱処理時の温度範囲は、冬期で60℃〜80℃、夏期で50℃±10℃とした請求項1又は2に記載の小魚等の殺菌洗浄方法。
  4. 殺菌処理を行ってから一定時間を経過した後、原料小魚を撹拌しながら洗浄ノズルから洗浄水を放散する請求項1,2又は3に記載の小魚等の殺菌洗浄方法。
  5. 殺菌剤として過酸化水素,次亜塩素酸ソーダ又は高度サラシ粉から選択したいずれか一種又は複数を用いた請求項1,2,3又は4に記載の小魚等の殺菌洗浄方法。
  6. 原料小魚を煮沸装置まで移送する搬送コンベアと、該搬送コンベア上に配置されて原料小魚の殺菌に必要とする分量の殺菌剤を噴霧する殺菌剤噴霧ノズルと、原料小魚を加熱処理する加熱ヒータと、原料小魚に洗浄水を放散する洗浄ノズルとを備えてなることを特徴とする小魚等の殺菌洗浄装置。
JP2004318863A 2004-11-02 2004-11-02 小魚等の殺菌洗浄方法及びその装置 Active JP4747357B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004318863A JP4747357B2 (ja) 2004-11-02 2004-11-02 小魚等の殺菌洗浄方法及びその装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004318863A JP4747357B2 (ja) 2004-11-02 2004-11-02 小魚等の殺菌洗浄方法及びその装置

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011012430A Division JP4977925B2 (ja) 2011-01-24 2011-01-24 小魚の殺菌洗浄方法及びその装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006129708A true JP2006129708A (ja) 2006-05-25
JP4747357B2 JP4747357B2 (ja) 2011-08-17

Family

ID=36723768

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004318863A Active JP4747357B2 (ja) 2004-11-02 2004-11-02 小魚等の殺菌洗浄方法及びその装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4747357B2 (ja)

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1080261A (ja) * 1996-09-10 1998-03-31 Iwatani Internatl Corp 生シラスの乾燥方法
JP2001252010A (ja) * 2000-03-14 2001-09-18 Shizuo Hikita しらすの殺菌装置
JP2002059003A (ja) * 2000-08-18 2002-02-26 Katayama Chem Works Co Ltd 過酸化水素分解触媒およびそれを用いた過酸化水素の分解方法
JP2002223772A (ja) * 2001-02-01 2002-08-13 Gekkeikan Sake Co Ltd カタラーゼa遺伝子
JP2002360158A (ja) * 2001-06-04 2002-12-17 Nippon Fillester Co Ltd 魚体殺菌装置および魚体殺菌方法
JP2003081824A (ja) * 2001-09-06 2003-03-19 Kao Corp 高血圧症予防・改善・治療剤
JP2003190972A (ja) * 2001-12-21 2003-07-08 Japan Organo Co Ltd 過酸化水素含有排水処理装置
JP2004009017A (ja) * 2002-06-11 2004-01-15 Kobelco Eco-Solutions Co Ltd 過酸化物含有排水の処理方法とその装置
WO2004054883A1 (en) * 2002-12-13 2004-07-01 Tetra Laval Holdings & Finance S.A. Device and method for sterilizing packages

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1080261A (ja) * 1996-09-10 1998-03-31 Iwatani Internatl Corp 生シラスの乾燥方法
JP2001252010A (ja) * 2000-03-14 2001-09-18 Shizuo Hikita しらすの殺菌装置
JP2002059003A (ja) * 2000-08-18 2002-02-26 Katayama Chem Works Co Ltd 過酸化水素分解触媒およびそれを用いた過酸化水素の分解方法
JP2002223772A (ja) * 2001-02-01 2002-08-13 Gekkeikan Sake Co Ltd カタラーゼa遺伝子
JP2002360158A (ja) * 2001-06-04 2002-12-17 Nippon Fillester Co Ltd 魚体殺菌装置および魚体殺菌方法
JP2003081824A (ja) * 2001-09-06 2003-03-19 Kao Corp 高血圧症予防・改善・治療剤
JP2003190972A (ja) * 2001-12-21 2003-07-08 Japan Organo Co Ltd 過酸化水素含有排水処理装置
JP2004009017A (ja) * 2002-06-11 2004-01-15 Kobelco Eco-Solutions Co Ltd 過酸化物含有排水の処理方法とその装置
WO2004054883A1 (en) * 2002-12-13 2004-07-01 Tetra Laval Holdings & Finance S.A. Device and method for sterilizing packages

Also Published As

Publication number Publication date
JP4747357B2 (ja) 2011-08-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20230263206A1 (en) Short-term wash treatment of produce
US11528930B2 (en) Short-term wash treatment of produce
US9005669B2 (en) Synergy of strong acids and peroxy compounds
US20080226782A1 (en) Pathogen reduction using chloramines
JP2004525639A (ja) 病原体管理システム
CN104768663A (zh) 杀菌、消毒并包装即食农产品
JP2002186472A (ja) 洗浄機
JP5112442B2 (ja) 家禽処理における微生物学的および環境コントロール
JP2000093135A (ja) オゾン化水での食品の制御された洗浄のための方法およびプラント
US20130316055A1 (en) Acidic viscous liquids for processing of perishable foods
JP2008061550A (ja) 小魚等の殺菌漂白方法及びその装置
JP4747357B2 (ja) 小魚等の殺菌洗浄方法及びその装置
JP4977925B2 (ja) 小魚の殺菌洗浄方法及びその装置
JP2006087343A (ja) 小魚等の殺菌洗浄方法及びその装置
JP3919124B2 (ja) 小魚等の殺菌洗浄方法及びその装置
US20060182816A1 (en) Hypobromous acid system
JP4164822B2 (ja) 小魚等の殺菌洗浄方法及びその装置
JP2006087342A (ja) 小魚等の殺菌洗浄方法及びその装置
JP3777174B2 (ja) 小魚等の殺菌洗浄方法
JP2019083791A (ja) 牡蠣貝の殺微生物洗浄方法及び殺微生物洗浄装置
JP2694149B2 (ja) 食品の殺菌方法
JP2006014688A (ja) 卵殻の洗浄殺菌方法及び卵殻の洗浄殺菌装置
JPH1189509A (ja) 食肉の処理方法
JP4020969B2 (ja) 原料、製品および製造手段を処理するための殺菌性組成物および方法
JP2016202016A (ja) 千切りキャベツの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20060926

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20070207

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071029

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20071029

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20081226

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100708

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100906

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20100906

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20101022

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110124

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20110201

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110329

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110428

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4747357

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140527

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250