JP2002059003A - 過酸化水素分解触媒およびそれを用いた過酸化水素の分解方法 - Google Patents

過酸化水素分解触媒およびそれを用いた過酸化水素の分解方法

Info

Publication number
JP2002059003A
JP2002059003A JP2000248478A JP2000248478A JP2002059003A JP 2002059003 A JP2002059003 A JP 2002059003A JP 2000248478 A JP2000248478 A JP 2000248478A JP 2000248478 A JP2000248478 A JP 2000248478A JP 2002059003 A JP2002059003 A JP 2002059003A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hydrogen peroxide
water
catalyst
solid catalyst
bismuth
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000248478A
Other languages
English (en)
Inventor
Seiichiro Imamura
成一郎 今村
Hiroo Kumagai
弘夫 熊谷
Kentaro Yarino
健太郎 鎗野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Katayama Chemical Inc
Original Assignee
Katayama Chemical Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Katayama Chemical Inc filed Critical Katayama Chemical Inc
Priority to JP2000248478A priority Critical patent/JP2002059003A/ja
Publication of JP2002059003A publication Critical patent/JP2002059003A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Removal Of Specific Substances (AREA)
  • Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 過酸化水素を含有する用水、特に薬剤処理の
ために過酸化水素を添加し、その処理後に過酸化水素が
残存する用水中の過酸化水素を短時間で効率良く自然界
レベルにまで分解し得る過酸化水素分解用固体触媒を提
供することを課題とする。 【解決手段】 マンガンとビスマスとを金属換算のモル
比(Mn:Bi)99.99:0.01〜90:10で
含有することからなる過酸化水素分解用固体触媒によ
り、上記の課題を解決する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、過酸化水素分解
用固体触媒およびそれを用いた過酸化水素の分解方法に
関する。さらに詳しくは、この発明は、過酸化水素を含
有する用水に接触させて該用水中の過酸化水素を短時間
で効率良く分解する過酸化水素分解用固体触媒、および
それを用いた過酸化水素の分解方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より過酸化水素は、海水、淡水を問
わず、各種用水の添加薬剤として幅広い用途で用いられ
ている。その用途としては、例えば、海水冷却水系にお
ける海生生物の付着防止剤、養殖魚類の寄生虫駆除剤お
よび赤潮駆除剤、循環冷却水系のスライム処理剤、食品
容器の洗浄剤、半導体材料のウエハの洗浄剤およびその
洗浄に用いられる装置の超純水配管に沈着するスライム
などの洗浄殺菌剤などが挙げられる。
【0003】この過酸化水素は、水中において各種の要
因によって毒性のない酸素と水に容易に分解されるが、
自然界レベル(数ppb〜数100ppb)まで分解す
るには長い時間を要する。したがって、過酸化水素処理
をした水を放出する際には、残存する過酸化水素を分解
することが望まれる。
【0004】そこで、水中に残留する過酸化水素を分解
する方法として、従来より種々の方法が提案されてき
た。そのような方法としては、例えば、チオ硫酸ナトリ
ウムまたは亜硫酸ナトリウムなどの還元剤を用いる方
法、カタラ−ゼまたはペルオキシダ−ゼなどの酵素触媒
を用いる方法、活性炭を用いる方法、電気分解による方
法、および固体の金属または貴金属触媒(固体触媒)を
用いる方法などが挙げられ、中でも固体触媒を用いる方
法は、過酸化水素の分解能やそれ自体の安定性などの点
で優れている。
【0005】例えば、特開平3−278837号公報に
は、酸化マンガン、酸化コバルトおよび酸化銅よりなる
群から選ばれた金属酸化物が無機担体に担持されてなる
過酸化水素分解用固体触媒が開示されている。しかしな
がら、上記公報に記載の触媒は、使用量の割に過酸化水
素の分解効率が低く、特に膨大な用水量の海水系におい
ては処理効率が低く、過酸化水素を短時間で効率よく分
解することは困難であった。
【0006】また、特開平7−214078号公報に
は、チタン、ケイ素、アルミニウムおよびジルコニウム
から選ばれた少なくとも1種の元素の酸化物と、マンガ
ン、鉄、コバルト、ニッケル、セリウム、タングステ
ン、銅、銀、金、白金、パラジウム、ロジウム、ルテニ
ウムおよびイリジウムから選ばれた少なくとも1種の元
素またはこれらの化合物を含有するオキシダント分解触
媒が開示されている。しかしながら、上記公報に記載の
触媒も、過酸化水素の分解効率の点で十分とは言えなか
った。
【0007】また、特開平11−197674号公報に
は、酸化マンガン粒子が過酸化水素の分解に有効である
ことが示唆されているが、ビスマスの混合について何ら
記載がなく、本発明とは明らかに異なるものである。
【0008】また、Applied Catalysis A: General 181
(1999) の第171〜179頁には、マンガン酸化物に
遷移金属酸化物を添加することにより、過酸化水素の分
解活性が促進される事が示唆されており、Bi2Mn4
10を代表結晶骨格にもつ化合物が、Mn23を代表結晶
骨格にもつ化合物に比べ、過酸化水素の分解に必要な活
性化エネルギーが低く、過酸化水素分解活性が高いこと
が述べられている。しかしながら、この発明の固体触媒
はマンガンとビスマスのモル比が異なるとともに、上述
のBi2Mn410を成形化することについての記載がな
いことから、本発明の過酸化水素分解活性および固体強
度を兼ね備えたMnとBiの有効組成範囲について導き
出すことは困難である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、過酸化水素
を含有する用水、特に薬剤処理のために過酸化水素を添
加し、その処理後に過酸化水素が残存する用水中の過酸
化水素を短時間で効率良く自然界レベルにまで分解し得
る過酸化水素分解用固体触媒を提供することを課題とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、過酸化水
素の分解効率が高く、優れた強度を兼ね備えた固体触媒
を開発すべく鋭意研究を行った結果、マンガンとビスマ
スとを含有する固体触媒が有効であることを見出し、本
発明を完成するに到った。
【0011】かくして、この発明によれば、マンガンと
ビスマスとを金属換算のモル比(Mn:Bi)99.9
9:0.01〜90:10で含有することからなる過酸
化水素分解用固体触媒が提供される。
【0012】また、この発明によれば、上記の過酸化水
素分解用固体触媒を過酸化水素を含有する用水に接触さ
せて該用水中の過酸化水素を分解することを特徴とする
過酸化水素の分解方法が提供される。
【0013】
【発明の実施の形態】この発明の過酸化水素分解用固体
触媒は、マンガンとビスマスとを金属換算のモル比(M
n:Bi)99.99:0.01〜90:10で含有す
るものであり、マンガン自体またはマンガン化合物単
独、あるいはビスマス自体またはビスマス化合物単独の
触媒では得られない優れた過酸化水素の分解能と、長期
にわたり安定で経時変化の少ない触媒活性を有する。
【0014】この発明の固体触媒は、例えば、乾式混合
した水酸化マンガンと水酸化ビスマスとの混合物を焼成
して得ることもできるが、次のような湿式で得られた混
合物を用いた方が、より均一な触媒が得られるので好ま
しい。すなわち、後述するマンガン化合物とビスマス化
合物とを水に溶解し、両化合物が溶解した混合水溶液に
アルカリを添加して共沈反応を起こさせ、沈殿物を得
る。次いで、得られた沈殿物を濾過、乾燥し、その乾燥
物を焼成することにより触媒を得る。また、微細なマン
ガン酸化物およびビスマス酸化物を、混合して焼成して
もよい。この場合、乾式で混合してもよいが、水を加え
てスラリー混合することがより好ましい。
【0015】マンガン化合物としては、水溶性の無機酸
または有機酸のマンガン塩であれば特に限定されず、そ
のようなマンガン塩としては、硝酸マンガン(II)の無
水物、一水和物、二水和物、三水和物、四水和物および
六水和物、塩化マンガン(II)の無水物、二水和物、四
水和物および六水和物、ならびに硫酸マンガン(II)の
無水物、一水和物、二水和物、四水和物、五水和物およ
び七水和物などの無機酸のマンガン塩、酢酸マンガンの
無水物、二水和物および三水和物などの有機酸のマンガ
ン塩が挙げられ、通常、無機酸のマンガン塩が使用され
る。
【0016】また、ビスマス化合物としては、無機酸ま
たは有機酸のビスマス塩が好ましい。かかるビスマス塩
としては、硝酸ビスマス(III)の五水和物、塩化ビス
マス(II)および塩化ビスマス(III)、ならびに硫酸
ビスマス(III)などの無機酸のビスマス塩、酢酸ビス
マスの一水和物、四水和物および七水和物などの有機酸
のビスマス塩が挙げられ、通常、無機酸のビスマス塩が
使用される。
【0017】マンガン化合物とビスマス化合物とは、上
記の化合物のいずれの組み合わせであってもよいが、通
常、硝酸マンガンと硝酸ビスマスの組み合わせのように
同一無機酸もしくは有機酸の塩が使用される。
【0018】この発明の固体触媒を得るには、まず、マ
ンガン化合物とビスマス化合物との混合物に必要に応じ
て酸を加えて水溶液とする。ビスマス化合物の多くは水
に難溶であり、このような場合に酸を加えてビスマス化
合物を溶解する。混合水溶液に加えられる酸としては、
硝酸、塩酸および硫酸などの無機酸が挙げられる。混合
物中の両化合物が無機酸の塩の場合、塩と同一の無機酸
が好ましい。
【0019】得られた混合水溶液に添加するアルカリと
しては、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムなどの
水酸化アルカリ金属またはその水溶液もしくはアンモニ
ア水溶液が挙げられ、これらのアルカリを添加すること
により共沈反応が起こる。得られた沈殿物を濾過等によ
って採取し、圧搾脱水、ウエットケ−キ成形、乾燥、等
一連の工程を得て大気中、He、N2、もしくはH2ガス
雰囲気下で焼成する。
【0020】焼成条件は、原料化合物の種類、マンガン
とビスマスの比率および求められる性能により適宜選択
することができるが、通常、焼成温度は100〜100
0℃、好ましくは100〜800℃であり、焼成時間は
0.1〜10時間、好ましくは0.5〜7時間である。
【0021】成形した固体触媒の粒子径としては、マン
ガン単独で構成される固体触媒より大きな粒子径でも十
分な効果を発揮し、本発明で使用する固体触媒の粒子径
は、0.1〜5mmにするのが好ましい。粒子径が大き
くなれば、通水によって処理する場合に、圧力損失を減
少させることができ、より大きな流速で通水処理できる
ことから短時間での排水処理が可能になる。
【0022】また、この発明の固体触媒は0.2daN
以上の強度を有する。固体触媒の強度(daN)は、値
が大きいほど破砕が少なく、作業性がよいが、本発明で
の強度は0.2daN程度あれば十分に使用可能であ
る。
【0023】この発明において、過酸化水素の分解能力
および固体触媒としての強度を兼ね備えたマンガンとビ
スマスの割合は、金属換算のモル比(Mn:Bi)で、
99.99:0.01〜90:10、好ましくは99.
99:0.01〜95:5、さらに好ましくは99.9
9:0.01〜99.9:0.1である。Mnが99.
99を超え、Biが0.01未満の場合、粒子固体強度
は増し、実使用に耐えうる固体強度が得られるが、過酸
化水素の分解能力は低減するので好ましくない。よっ
て、固体触媒の強度と過酸化水素の分解能力を兼ね備え
たバランス点を見出すことが必要である。
【0024】さらに、本発明の固体触媒であるマンガン
とビスマスに第3成分として、Ti、Fe、Co、N
i、Cu、Zr、Mo、Rh、Pd、Ag、Pt、Au
等の遷移金属類、La、Ce、Pr、Nd等のランタノ
イド系金属を固体触媒の強度と過酸化水素の分解能力を
低減させない割合で用いてもよい。
【0025】この発明の固体触媒の使用量は、用水に含
有する過酸化水素濃度や通水条件等により適宜決定され
る。例えば、用水の過酸化水素濃度が0.5〜100p
pm、通水速度1m3/hrの場合において、固体触媒
として0.1〜5mm径の固体触媒を使用したときの使
用量は、1〜30L程度、好ましくは5〜20L程度を
円筒状カラム装置などに充填し、通水処理するのが短時
間で効率よく過酸化水素を分解することができる点で好
ましい。
【0026】また、用水の過酸化水素濃度が500〜1
0000ppm、通水速度1m3/hrの場合におい
て、固体触媒として0.1〜5mm径の固体触媒を使用
したときの使用量は、20〜50L程度、好ましくは3
0〜40L程度を円筒状カラム装置などに充填し、通水
処理するのが短時間で効率よく過酸化水素を分解するこ
とができる点で好ましい。
【0027】この発明の固体触媒は、ペレット状、粒状
あるいはハニカム状など、いずれの形状であってもよ
く、いずれの場合においても、表面積が大きくなるよう
に使用するのが好ましい。ペレット状、粒状およびハニ
カム状などに成形する場合は、本発明の固体触媒そのも
のを成形させても良いが、無機質粉末の焼結体に本発明
の固体触媒を担持させてもよい。この場合、無機質多結
晶体または多孔質体に担持させるのが、過酸化水素との
接触面積が大きくなる点で好ましい。
【0028】無機質粉末の焼結体(無機担持体)として
は、ゼオライトのようなアルミノケイ酸塩、酸化ケイ
素、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウ
ム、酸化マグネシウム、酸化カルシウムおよび酸化ベリ
リウムなどの酸化物、窒化ケイ素、炭化ケイ素、窒化ホ
ウ素、窒化アルミニウム、窒化チタンおよび炭化チタン
などの非酸化物が挙げられ、これらは単独または2種以
上を混合して用いてもよい。
【0029】この発明の固体触媒を無機質粉末の焼結体
に担持させる場合、触媒成分と無機担持体の割合は、求
められる形状や性能(分解能)によって適宜調整すれば
よい。例えば、固体触媒0.1〜50重量部に対して無
機担持体50〜99.9重量部である。
【0030】この発明の固体触媒の対象用水としては、
過酸化水素を含有する用水、具体的には、 海水冷却水系における海生生物の付着防止、養殖魚類
の寄生虫駆除および赤潮駆除などのために過酸化水素を
該用水系に添加し、その処理後に過酸化水素が0.1〜
1000ppm程度残存する用水、 テトラパックやPET容器などの食品容器の洗浄剤と
して過酸化水素を添加処理した後の用水(過酸化水素濃
度 数十〜10000ppm程度)、 電子部品、例えば、半導体基板のウエハなどの洗浄剤
として過酸化水素を添加処理した後の用水、前記ウエハ
や半導体装置などの洗浄に用いられる超純水の送水配管
に沈着するスライムや微生物などを過酸化水素で洗浄殺
菌した後の用水(過酸化水素濃度 数十〜10000p
pm程度) 淡水冷却系のスライム処理やスライム洗浄などを過酸
化水で殺菌や洗浄を行った後の用水(過酸化水素濃度
数十〜10000ppm程度) などが挙げられる。より具体的には、火力発電所、原子
力発電所、化学プラント、食品容器工場および電子部品
工場などの過酸化水素を添加した用水系が挙げられる。
これらの用水の中でも、本発明の固体触媒は、過酸化水
素が残存する海水または淡水に好適に用いられる。
【0031】この発明の固体触媒が使用される用水の過
酸化水素濃度は、特に限定されないが、通常、0.1p
pm以上が好ましい。過酸化水素濃度が0. 1ppm未
満の場合、この濃度自体が自然界レベルに近いため、こ
の発明の固体触媒を用いて処理してもコスト的に好まし
くない。
【0032】また、処理時の水温は特に限定されない
が、0〜100℃が好ましい。水温が高いほど触媒の過
酸化水素分解能が向上するので、20℃以上で処理する
のが特に好ましい。処理時の水圧は特に限定されない。
【0033】この発明の固体触媒の作用メカニズムは、
マンガンの原子価が過酸化水素との反応により変化す
る、いわゆるレドックス反応によるものと考えられる。
レドックス反応は理論的には連続反応であるが、この発
明の適用場面のような自然界では、触媒表面が有機質あ
るいは無機質の浮遊物等によって覆われ、触媒効果が低
下することが考えられるので、触媒を水洗等により、触
媒表面の付着物を随時除去するのが好ましい。
【0034】また、この発明の固体触媒中の有効成分
は、水に不溶性または難溶性であるので、繰り返し回収
して使用することもできる。
【0035】この発明の固体触媒を過酸化水素を含有す
る用水に接触させる方法としては、固体触媒と水が有効
に接触し得る方法であれば特に限定されない。例えば、
固体触媒を充填したカラム状の装置または水槽、あるい
は固体触媒を配合したポリマーの網状成形物に用水を連
続的に通水させる方法、固体触媒を充填した水槽に用水
を一定時間放置する方法などが挙げられる。
【0036】
【実施例】この発明を触媒の調製例および実施例により
以下に説明するが、これらの調製例および実施例により
この発明が限定されるものではない。
【0037】(調製例1)硝酸マンガン(純度15.4
%)19.2gおよび硝酸ビスマス(III)五水和物
(純度99.5%以上)0.803gを容量500ml
のビーカーに純水500mlとともに入れた。これに硝
酸(純度67%)20mlを加え、硝酸マンガンと硝酸
ビスマスが溶解するまで攪拌した。得られた溶液に、2
5%の水酸化ナトリウム水溶液70mlを加え、しばら
く攪拌して沈殿を形成させた。その結果、溶液のpHは
12.8となった。
【0038】次いで、沈殿物を採取し、圧搾脱水し、最
終的に得られたウエットケ−キを粒状成形器により5m
m径の粒状触媒を得て、乾燥を行った。この乾燥物を2
00℃で3時間焼成し、粒子径1〜2mmの固体触媒
(モル比Mn:Bi=97:3)を得た。得られた触媒
を「触媒1」とした。
【0039】(調製例2)硝酸マンガン(純度15.4
%)19.74gおよび硝酸ビスマス(III)五水和物
(純度99.5%以上)0.265gを容量500ml
のビーカーに純水450mlとともに入れた。これに硝
酸(純度67%)20mlを加え、硝酸マンガンと硝酸
ビスマスが溶解するまで攪拌した。得られた溶液に、2
5%の水酸化ナトリウム水溶液60mlを加え、しばら
く攪拌して沈殿を形成させた。その結果、溶液のpHは
12.9となった。
【0040】次いで、沈殿物を採取し、圧搾脱水し、最
終的に得られたウエットケ−キより粒状成形器で4mm
径の粒状触媒を得て、乾燥を行った。この乾燥物を50
0℃で3時間焼成し、粒子径0.5〜2mmの固体触媒
(モル比 Mn:Bi=95:5)を得た。得られた触
媒を「触媒2」とした。
【0041】(調製例3)硝酸マンガン(純度15.4
%)18.92gおよび硝酸ビスマス(III)五水和物
(純度99.5%以上)1.077gを容量500ml
のビーカーに純水450mlとともに入れた。これに硝
酸(純度67%)25mlを加え、硝酸マンガンと硝酸
ビスマスが溶解するまで攪拌した。得られた溶液に、2
5%の水酸化ナトリウム水溶液65mlを加え、しばら
く攪拌して沈殿を形成させた。その結果、溶液のpHは
12.85となった。
【0042】次いで、沈殿物を採取し、圧搾脱水し、最
終的に得られたウエットケ−キより粒状成形器で4mm
径の粒状触媒を得て乾燥を行った。この乾燥物を300
℃で5時間焼成し、粒子径0.5〜2mmの固体触媒
(モル比 Mn:Bi=99:1)を得た。得られた触
媒を「触媒3」とした。
【0043】(調製例4)1μm以下の粒子径の二酸化
マンガン92.35gと、1μm以下の粒子径の三酸化
二ビスマス7.64gをボ−ルミルに入れ、カルボキシ
メチルセルロース(CMC)0.1gと水50mlを入
れて、5時間混練した。ボ−ルミルから取り出して得ら
れたケ−キより粒状成形器で3mm径の粒状触媒を得
て、乾燥させた。この乾燥物を200℃で5時間焼成
し、粒子径0.5〜1.5mmの固体触媒(モル比 M
n:Bi=97:3)を得た。得られた触媒を「触媒
4」とした。
【0044】硝酸マンガン(純度15.4%)19.9
9gおよび硝酸ビスマス(III)五水和物(純度99.
5%以上)0.002gを容量500mlのビーカー
に、純水500mlとともに入れた。これに硝酸(純度
67%)10mlを加え、硝酸マンガンと硝酸ビスマス
が溶解するまで攪拌した。得られた溶液に、25%の水
酸化ナトリウム水溶液60mlを加え、しばらく攪拌し
て沈殿を形成させた。その結果、溶液のpHは12.4
となった。
【0045】次いで、沈殿物を採取し、圧搾脱水し、最
終的に得られたウエットケ−キより粒状成形器で5mm
径の粒状触媒を得て乾燥を行った。この乾燥物を200
℃で3時間焼成し、粒子径1〜2mmの固体触媒(モル
比 Mn:Bi=99.99:0.01)を得た。得ら
れた触媒を「触媒5」とした。
【0046】(比較調製例1)硝酸マンガン(純度1
5.4%)18. 27gを容量500mlのビーカーに
純水500mlとともに入れ、硝酸マンガンが溶解する
まで攪拌した。得られた溶液に、25%の水酸化ナトリ
ウム水溶液50mlを加え、しばらく攪拌して沈殿を形
成させた。その結果、溶液のpHは12.4となった。
【0047】次いで、沈殿物を採取し、圧搾脱水し、最
終的に得られたウエットケ−キより粒状成形器で5mm
径の粒状物を得て、乾燥を行った。この乾燥物を200
℃で3時間焼成し、粒子径1〜2mmの(マンガン単
独)固体触媒を得た。得られた触媒を「比較触媒1」と
した。
【0048】(比較調製例2)粒子径が1μm以下の二
酸化マンガン98.8gをボ−ルミルに入れ、CMC
0.1gと水50mlを入れて、5時間混練した。ボ−
ルミルから取り出して得られたケ−キより粒状成形器で
3mm径の粒状触媒を得て、乾燥させた。この乾燥物を
200℃で5時間焼成し、粒子径0.5〜1.5mmの
(マンガン単独)固体触媒を得た。得られた触媒を「比
較触媒2」とした。
【0049】(比較調製例3)硝酸マンガン(純度1
5.4%)13.78gおよび硝酸ビスマス(III)五
水和物(純度99.5%以上)6.28gを容量500
mlのビーカーに純水450mlとともに入れた。これ
に硝酸(純度67%)25mlを加え、硝酸マンガンと
硝酸ビスマスが溶解するまで攪拌した。得られた溶液
に、25%の水酸化ナトリウム水溶液80mlを加え、
しばらく攪拌して沈殿を形成させた。その結果、溶液の
pHは12.6となった。
【0050】次いで、沈殿物を採取し、圧搾脱水し、最
終的に得られたウエットケ−キより粒状成形器で5mm
径の粒状物を得て、乾燥させた。この乾燥物を200℃
で3時間焼成し、粒子径1〜2mmの固体触媒(モル比
Mn:Bi=75:25)を得た。得られた触媒を
「比較触媒3」とした。
【0051】(実施例1:触媒強度の測定1)調製例及
び比較調製例で得た触媒を10粒採取し、木屋式硬度計
((株)木屋製作所製)を用いて、触媒の強度の平均値
を測定した。測定結果を表1に示す。
【0052】
【表1】
【0053】(実施例2:触媒強度の測定2)調製例及
び比較調製例で得た触媒について、塩化ビニル製の円筒
状のカラム(直径 150mm,高さ 1000mm)
の上端から、触媒5Lを約10秒以内で落下させたとき
の落下前と落下後の触媒の平均粒径を測定した。測定結
果を表2に示す。
【0054】
【表2】
【0055】(実施例3:過酸化水素分解テスト)調製
例及び比較調製例で得られた触媒を用いて、過酸化水素
の分解テストを行った。内径3cm 高さ100cmの
塩化ビニル製円筒状カラムに、調製例および比較調製例
で得られた触媒50mlを充填した反応器を備えた装置
に対し、約5000ppmの過酸化水素濃度に調製した
人工海水もしくは淡水を、通水速度を変化させて上向流
に通水し、反応器出口付近の用水中の過酸化水素残存濃
度を測定し、その結果を表3に示した。また、試験前後
の触媒平均粒径の変化について観察し、その結果も同様
に表3に示した。
【0056】
【表3】
【0057】表3の結果から、触媒1〜5は、過酸化水
素残留濃度がすべて0.5ppm以下となり、過酸化水
素の分解効率が高いことがわかる。また、表2〜3の結
果より、比較触媒触媒3は、分解効率は高いが、固体触
媒の平均粒子径が1.4mmから0.3〜0.8mmと
なっており、触媒そのものの強度が低く、触媒充填時の
衝撃あるいは過酸化水素含有処理液の通水により減少し
たと考えられる。
【0058】
【発明の効果】この発明の過酸化水素分解用固体触媒
は、マンガンとビスマスとを金属換算のモル比(Mn:
Bi)99.99:0.01〜90:10で含有する固
体触媒であり、水中で過酸化水素の分解能を有し、さら
に固体触媒そのものの強度が0.2daN以上を有する
ことを特徴とする。したがって、過酸化水素を含有する
用水に該触媒を接触させて、用水中の過酸化水素を短時
間で効率良く自然界レベルにまで分解することができ
る。特に薬剤処理のために過酸化水素を添加し、その処
理後水中に残存する過酸化水素を分解処理するのに好適
に用いることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D038 AA02 AA03 AA05 AB26 BB15 BB20 4G069 AA02 AA08 AA09 BC25A BC25B BC25C BC62A BC62B BC62C CA05 CA08 CA10 DA06 EA02Y FA01 FB07 FB09 FB61

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マンガンとビスマスとを金属換算のモル
    比(Mn:Bi)99.99:0.01〜90:10で
    含有し、成形された過酸化水素分解用固体触媒。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の過酸化水素分解用固体
    触媒の強度が0.2daN以上である過酸化水素分解用
    固体触媒。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の過酸化水素分
    解用固体触媒を過酸化水素を含有する用水に接触させて
    該用水中の過酸化水素を分解することを特徴とする過酸
    化水素の分解方法。
  4. 【請求項4】 用水が海水もしくは淡水である請求項3
    に記載の分解方法。
JP2000248478A 2000-08-18 2000-08-18 過酸化水素分解触媒およびそれを用いた過酸化水素の分解方法 Pending JP2002059003A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000248478A JP2002059003A (ja) 2000-08-18 2000-08-18 過酸化水素分解触媒およびそれを用いた過酸化水素の分解方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000248478A JP2002059003A (ja) 2000-08-18 2000-08-18 過酸化水素分解触媒およびそれを用いた過酸化水素の分解方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002059003A true JP2002059003A (ja) 2002-02-26

Family

ID=18738378

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000248478A Pending JP2002059003A (ja) 2000-08-18 2000-08-18 過酸化水素分解触媒およびそれを用いた過酸化水素の分解方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002059003A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006087343A (ja) * 2004-09-24 2006-04-06 Kawakubo Seisakusho:Kk 小魚等の殺菌洗浄方法及びその装置
JP2006087342A (ja) * 2004-09-24 2006-04-06 Kawakubo Seisakusho:Kk 小魚等の殺菌洗浄方法及びその装置
JP2006129708A (ja) * 2004-11-02 2006-05-25 Kawakubo Seisakusho:Kk 小魚等の殺菌洗浄方法及びその装置
KR101810974B1 (ko) 2016-01-14 2017-12-21 한국화학연구원 과산화수소 분해용 고체상 촉매 및 이의 제조 방법
KR20180084276A (ko) * 2017-01-16 2018-07-25 한국과학기술연구원 과산화수소 분해용 촉매의 제조 방법
CN114180614A (zh) * 2021-12-28 2022-03-15 南开大学 通式AM2O5-x化合物室温下催化过氧化氢的应用
CN115350702A (zh) * 2022-09-19 2022-11-18 中南大学 一种高效光催化剂莫来石型锰酸铋及其制备方法和应用

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006087343A (ja) * 2004-09-24 2006-04-06 Kawakubo Seisakusho:Kk 小魚等の殺菌洗浄方法及びその装置
JP2006087342A (ja) * 2004-09-24 2006-04-06 Kawakubo Seisakusho:Kk 小魚等の殺菌洗浄方法及びその装置
JP2006129708A (ja) * 2004-11-02 2006-05-25 Kawakubo Seisakusho:Kk 小魚等の殺菌洗浄方法及びその装置
KR101810974B1 (ko) 2016-01-14 2017-12-21 한국화학연구원 과산화수소 분해용 고체상 촉매 및 이의 제조 방법
US10758893B2 (en) 2016-01-14 2020-09-01 Korea Research Insitute Of Chemical Technology Solid-phase catalyst for decomposing hydrogen peroxide and method for producing same
KR20180084276A (ko) * 2017-01-16 2018-07-25 한국과학기술연구원 과산화수소 분해용 촉매의 제조 방법
KR101948659B1 (ko) 2017-01-16 2019-02-18 한국과학기술연구원 과산화수소 분해용 촉매의 제조 방법
CN114180614A (zh) * 2021-12-28 2022-03-15 南开大学 通式AM2O5-x化合物室温下催化过氧化氢的应用
CN114180614B (zh) * 2021-12-28 2023-11-14 南开大学 通式AM2O5-x化合物室温下催化过氧化氢的应用
CN115350702A (zh) * 2022-09-19 2022-11-18 中南大学 一种高效光催化剂莫来石型锰酸铋及其制备方法和应用
CN115350702B (zh) * 2022-09-19 2023-05-12 中南大学 一种高效光催化剂莫来石型锰酸铋及其制备方法和应用

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5122496A (en) Catalyst for removing the nitrite and/or nitrate content in water
Pirmoradi et al. Kinetics and thermodynamics of cyanide removal by ZnO@ NiO nanocrystals
CN102249395B (zh) 一种以氧化铈纳米材料作为催化剂的臭氧化水处理方法
TW307697B (ja)
PL199224B1 (pl) Sposób katalitycznego ozonowania zanieczyszczonej wody
CN104888839A (zh) 一种用于氨脱除的介孔分子筛基催化剂及其制备方法和应用
CN107670680B (zh) 一种固载化芬顿催化剂及其制备方法与应用
CN102452710A (zh) 含氰工业废水的催化湿式氧化方法
JP2002059003A (ja) 過酸化水素分解触媒およびそれを用いた過酸化水素の分解方法
CN107321355B (zh) 一种四环素污染水体修复材料的制备方法及应用
CN106179396B (zh) 一种分解臭氧的复合催化剂及其制备方法
WO2020093517A1 (zh) 一种高效选择性光催化还原水中硝态氮的光催化材料及其制备方法
CN107983348A (zh) 一种高效臭氧分解催化剂
JPH05245376A (ja) 一酸化炭素の変換のための酸化銅−酸化アルミニウム−酸化マグネシウム触媒
KR101404597B1 (ko) 질산성 질소의 환원 분해를 위한 마그헤마이트 담체의 구리-팔라듐 이중금속 촉매
WO2017094688A1 (ja) 炭化水素の水蒸気改質触媒
CN110813257B (zh) 同步去除水中硝酸盐和高氯酸盐的磁性吸附催化材料的制备及使用方法
JP2004057954A (ja) 水処理用触媒および水処理方法
JP2000308828A (ja) 過酸化水素分解用固体触媒およびそれを用いた過酸化水素の分解方法
CN108236950A (zh) 一种用作甲醛去除剂的Pd-B/C粉末的制备方法
JP5727269B2 (ja) 窒素含有化合物を含む排水処理用触媒およびそれを用いた排水の処理方法
JP2509600B2 (ja) マンガン・フエライト触媒
JPH07504356A (ja) 水性液体の処理のための触媒流動床方法
JPH0212620B2 (ja)
JPH07171580A (ja) 排水の処理方法